当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、有形固定資産の増加などにより前連結会計年度末に比べて273億4千8百万円増加し、9,270億4千8百万円となりました。負債は、社債及び借入金の増加などにより前連結会計年度末に比べて182億6千5百万円増加し、5,661億4千9百万円となりました。資本は、その他の資本の構成要素の増加及び親会社の所有者に帰属する四半期利益の積み上げなどにより前連結会計年度末に比べて90億8千3百万円増加し、3,608億9千8百万円となりました。
なお、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度の1,460.00円から1,512.06円に増加し、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の36.9%から36.6%となりました。
(2) 経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス(以下、「新型コロナ」という。)の感染拡大により企業活動や個人消費が大きく落ち込みましたが、5月の緊急事態宣言の解除後は段階的な経済活動の再開により、景気は持ち直しの動きが続きました。しかしながら、12月以降の感染再拡大に伴う景気への影響が懸念されるなど、先行き不透明な経営環境が続いております。
このような経営環境の中、当社グループは、感染拡大防止策を徹底したうえで、産業や暮らしのライフラインとして、産業ガスや医療用ガスをはじめとした諸製品の安定供給体制を継続しました。また、コロナショックを契機に、テレワークや高速通信規格「5G」が進展したことでエレクトロニクス分野の需要が拡大するとともに、感染対策分野など新型コロナにより生まれたニーズが定着しつつあります。このような「新常態(ニューノーマル)」における変化に対応すべく、エレクトロニクス関連向けのガス・機器・材料や医療現場をサポートする感染管理製品など、当社グループが展開する多様な事業・製品を活かし、積極的に市場開拓を進めました。さらに、全社を挙げてデジタル化を基軸とした働き方改革を推進し、業務運営の効率化とコスト低減に取り組みました。
また、これからの10年を見据えた経営改革として、新たにグループ全体の技術戦略プラットフォームとしての機能を担う「技術戦略センター」を設置し、研究開発体制の改革を進めるとともに、国内における収益力の向上と持続的な成長を牽引する強力な事業基盤を構築するため、地域事業会社8社を統合し、新生3社とする経営組織改革を実施しました。
当社グループの業績といたしましては、第2四半期までは産業ガス関連、医療関連およびその他の事業における海外エンジニアリング分野を中心に新型コロナによる影響を受けましたが、第3四半期にはほぼすべての事業領域において事業環境の回復傾向が鮮明になるとともに、働き方改革などの進展による費用低減効果も寄与し、全社業績においては前年同期並みの水準まで回復いたしました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上収益は5,864億1千8百万円(前年同期比99.0%)、営業利益は362億5千9百万円(同93.4%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は、212億1千7百万円(同91.0%)となりました。
なお、当社グループでは、引き続き、産業ガスをはじめ、医療・衛生、エネルギー、農業・食品、物流といった、人々の命や暮らしを支える様々な事業領域を有するコングロマリット経営の強みと、地域に密着した事業基盤を活かしながら、ウィズ・コロナ社会における新たな課題解決に取り組み、さらなる企業成長を図ってまいります。
各セグメントの概況は次のとおりです。
第2四半期連結会計期間より、新規事業領域の研究開発費につきましては、従来、各報告セグメントに計上しておりましたが、各セグメントの業績をより適切に評価するために経営管理手法を見直し、セグメント利益の調整額に本社部門に係る費用の一部として計上する方法に変更いたしました。
なお、前第3四半期連結累計期間のセグメント情報については、変更後の測定方法により作成したものを記載しております。
<産業ガス関連事業>
当セグメントの売上収益は1,340億6千4百万円(前年同期比97.1%)、営業利益は136億8千9百万円(同97.0%)となりました。
セグメント全体としては、上半期を中心に国内製造業における産業ガス需要の減少による影響を受けたものの、インドでの産業ガス事業が好調に推移したことに加え、エレクトロニクス向けのオンサイトガス供給・機器が堅調に推移しました。
ガス事業では、国内の鉄鋼向けオンサイトガス供給は、主要顧客の高炉停止などの影響を受け、販売数量が減少し、厳しい状況が続きました。エレクトロニクス向けガス供給は、データセンターや5G関連の需要拡大による国内半導体メーカーの増設・増産を背景に、堅調に推移しました。ローリー・シリンダーによるガス供給は、春先の国内製造業における生産調整により需要が急減しましたが、第2四半期以降は自動車産業の回復に連動する形でガス需要も持ち直しの動きが見られ、第3四半期には、ほぼ前年同期並みの水準まで回復しました。
機器・工事事業は、半導体製造装置向け高精度加熱冷却部品やエレクトロニクス向け特殊材料供給装置などの販売が拡大し、堅調に推移しました。
海外事業は、主力のインド事業において、鉄鋼向けオンサイトガス供給が旺盛な粗鋼生産に連動し高稼働を継続したほか、第2四半期以降はローリー・シリンダーによるガス供給においても建設や自動車向けなどの需要が高い水準で継続したことから、順調に推移しました。
<ケミカル関連事業>
当セグメントの売上収益は240億8千8百万円(前年同期比128.6%)、営業利益は16億4百万円(同66.4%)となりました。なお、営業利益の前年同期比は、主に大東化学㈱のM&Aに伴う負ののれん発生益を前年同期に計上したことによるものです。
セグメント全体としては、電子材料の販売が増加するとともに、生産体制の構造改革による収益改善が進展、さらに新規連結効果も寄与しました。
機能化学品事業は、ポリイミド樹脂原料をはじめとする電子材料の拡販が進展しました。また、データセンターにおけるハードディスクドライブの需要拡大を背景に精密研磨パッドの販売が堅調だった㈱FILWEL、および酢酸ナトリウムの国内トップメーカーであり、電子材料向け有機合成事業が拡大した大東化学㈱の新規連結効果が大きく寄与しました。また、中国工場の閉鎖をはじめとして事業全体を対象に生産体制の再構築を進めたことで、収益性の改善が進展しました。
川崎化成工業㈱は、無水フタル酸の市況下落と販売減少により売上面において影響を受けましたが、ナフトキノンの販売回復により、前年同期並みとなりました。
<医療関連事業>
当セグメントの売上収益は1,333億1千3百万円(前年同期比98.4%)、営業利益は58億4千4百万円(同98.8%)となりました。
セグメント全体としては、新型コロナによる影響があったものの、感染管理製品の需要拡大を背景に、衛生材料事業およびその他の事業におけるデンタル分野が好調に推移しました。
設備事業は、簡易陰圧装置の販売が拡大したものの、上半期を中心に病院での新型コロナ対応によって手術室など病院設備工事および保守点検の延期などが発生した影響を受け、厳しい状況となりました。
医療ガス事業は、第2四半期以降は回復傾向にあるものの、第1四半期における病院での受診控えや手術件数の減少による影響が残り、販売数量は減少しました。医療サービス事業においても、同様の理由によりSPD(院内物品物流管理)の取扱量が減少しました。
在宅医療事業は、院内感染回避のため在宅医療を選択する新規患者数が増加し、堅調に推移しました。
医療機器事業は、紫外線照射殺菌装置など感染管理製品の販売が増加し、好調に推移しました。
衛生材料事業は、感染管理製品の需要の高まりを背景に、医療機関、大手量販店やドラッグストアなど幅広い顧客向けに、マスクや手指消毒剤などの販売が拡大したほか、生産体制の増強を図り安定供給に努めたことで、好調に推移しました。
その他の事業では、持分法適用会社である㈱歯愛メディカルにおいて歯科医院向け通信販売を中心に、感染管理製品の販売が増加したことにより、デンタル分野が好調に推移しました。一方、シンガポールの病院設備工事は、政府主導による感染拡大防止のための経済活動制限による影響を受けました。
<エネルギー関連事業>
当セグメントの売上収益は347億1千2百万円(前年同期比99.0%)、営業利益は25億5千2百万円(同121.7%)となりました。
セグメント全体としては、一般家庭向けLPガスの巣ごもり需要と商権買収の進展により、利益面では好調に推移しました。
LPガス事業は、売上面では、飲食店やホテルなどの業務用や工業用の需要が低迷したことで総販売量が減少したことに加え、第2四半期まで輸入価格に連動して販売単価が下落した影響を受けました。一方、利益面では、在宅率の上昇を背景に一般家庭での消費量が増加したことに加え、販売店の商権買収により直売比率が高まり、順調に推移しました。機器・工事は、展示即売会などのイベントが中止になったことで、機器販売が減少しました。また、前連結会計年度においてM&Aによって取得したベトナムでの卸売事業の新規連結効果がありました。
天然ガス関連事業は、炭素排出にかかる環境意識の高まりを背景に、LNG輸送・供給機器の販売が堅調に推移しました。
<農業・食品関連事業>
当セグメントの売上収益は1,029億4千5百万円(前年同期比96.0%)、営業利益は38億8千8百万円(同108.5%)となりました。
セグメント全体としては、新型コロナによる需要が減少した影響を受けたものの、青果小売分野、スイーツ分野を中心に収益改善が進展し、堅調に推移しました。
農産・加工品事業は、外出を控えるライフスタイルの変化に対応し、テイクアウトや宅配向け商品の開発に加え、家庭用の調理品や冷凍野菜の販売に注力しました。ハム・デリカ分野は、第3四半期以降、生ハムの販売が堅調に推移しましたが、上半期を中心に業務用の需要が減少した影響により、厳しい状況で推移しました。農産・加工分野は、外食産業の低迷により第2四半期までは業務用加工野菜の需要が低迷しましたが、第3四半期は豊作により野菜の取扱量が増加したことに加え、生産合理化が進展し、前年同期を上回りました。スイーツ分野は、巣ごもり需要を取り込んだことに加え、生産面の収益改善が進展し、好調に推移しました。
飲料事業は、外出自粛の影響により茶系飲料などの受託生産量が大幅に減少した影響を受けましたが、北海道の生産工場において最新鋭のPETボトル充填ラインの稼働を開始したこと、また、健康意識の高まりによる野菜系飲料の安定した受注があったことで収益改善が進展しました。
その他の事業は、農業機械分野は底堅い需要を背景に堅調に推移しました。青果小売分野は店舗の時短営業や休業による影響を受けましたが、店舗運営の収益改善を進めた結果、利益面では前年同期を上回りました。
<物流関連事業>
当セグメントの売上収益は402億6千万円(前年同期比105.8%)、営業利益は22億2千5百万円(同119.2%)となりました。
セグメント全体としては、食品物流における荷扱量の増加や新規連結効果に加え、低温物流センターの稼働率が向上し、順調に推移しました。
運送事業は、建材関連を中心に全体の荷扱量が減少しましたが、新設した集中配車センターによる配送の効率化や軽油価格の低下によるコスト改善が寄与し、その影響を補いました。また、M&Aによって取得した西日本地区を中心に運送・倉庫業を展開する㈱桂通商の新規連結効果がありました。
食品物流を中心とする3PL事業は、スーパーマーケット向けの荷扱量が増加したことに加え、低温物流センターの稼働率が向上し、順調に推移しました。
トラック・ボディの設計・架装を行う車体事業は、製作台数は減少したものの、収益性の高い案件を受注したことにより、堅調に推移しました。
<海水関連事業>
当セグメントの売上収益は280億7千7百万円(前年同期比97.5%)、営業利益は16億1千7百万円(同77.0%)となりました。
セグメント全体としては、塩事業における都市インフラ分野およびヒーター用電融マグネシアが堅調に推移したものの、生産設備の大型定期修繕を実施した影響を受けました。
塩事業は、都市インフラ分野において地方自治体向けの水処理設備や下水管更生の受注が増加し、売上面では堅調に推移しました。しかしながら、外食・食品加工向けの業務用塩の需要が減少したことに加え、讃岐工場および持分法適用会社であるサミット小名浜エスパワー㈱の小名浜発電所において大型の定期修繕を実施した影響により、利益面では前年同期を下回りました。なお、建設を進めていた赤穂第2バイオマス発電所は、2021年1月2日に営業運転を開始し、順調に稼働しています。
マグネシア事業は、粗鋼生産の減少と中国産原料の価格低下により、耐火物用途の窯業用マグネシアの売上が減少したほか、方向性電磁鋼板用マグネシアの販売も前年同期を下回る結果となりました。一方、原料価格が低下したことにより、ヒーター用電融マグネシアの収益改善が進展し、利益面では堅調に推移しました。
<その他の事業>
当セグメントの売上収益は889億5千6百万円(前年同期比98.0%)、営業利益は33億2千2百万円(同66.5%)となりました。
セグメント全体としては、アルコール除菌剤の増産によりエアゾール事業が堅調に推移したものの、海外エンジニアリング事業が新型コロナの影響を受けたほか、電力事業において稼働後初の定期点検を実施した影響を受けました。
エアゾール事業は、インバウンド需要の消失と外出自粛が続いたことで化粧品の受託が減少した一方、在宅率の上昇から殺虫剤や模型用塗料の販売が増加しました。さらに需要の高まったアルコール除菌剤の増産に対応したことで、順調に推移しました。
情報電子材料事業は、半導体向け材料の販売が堅調に推移するとともに、第3四半期より自動車生産が持ち直したことで上半期まで苦戦していた車載部材の販売が回復し、前年同期を上回りました。
海外エンジニアリング事業は、産業ガス関連機器分野では、主要市場である米国において顧客の投資抑制が継続しているものの、ステーション用途の液化水素タンクや水処理用途の炭酸ガス関連機器などの販売が堅調に推移しました。一方、高出力UPS(無停電電源装置)分野は、主にシンガポールにおいて、経済活動の規制強化を背景に、建設中のデータセンターの工事が遅延した影響により、前年同期を下回りました。
その他の事業では、電力事業において木質バイオマス・石炭混焼発電所(山口県防府市)の安定操業が継続しましたが、稼働後初となる定期点検に伴う稼働停止があったため、利益面では前年同期を下回りました。Oリング事業は半導体製造装置向けの製品販売が順調に継続しました。また、北九州で建設・土木工事を行う㈱松尾ホールディングスは、第3四半期に入り回復傾向にあるものの、新型コロナによる工事遅延と案件減少による影響を受けました。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益及び減価償却費などから法人所得税の支払などを差し引いた結果、前第3四半期連結累計期間に比べ234億7千5百万円収入が増加し、471億2千7百万円の収入となりました。
当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間に計上した事業譲渡による収入の反動で収入が減少したものの、有形固定資産の取得による支出や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出、事業譲受による支出が減少したことなどにより、前第3四半期連結累計期間に比べ560億3千5百万円支出額が減少し、415億4千3百万円の支出となりました。
当第3四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間に計上した株式の発行による収入の反動で収入が減少したことに加え、借入れの返済による支出が増加したことなどにより、前第3四半期連結累計期間に比べ874億9千4百万円支出額が増加し、52億1千1百万円の支出となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当第3四半期連結会計期間末残高は、前第3四半期連結会計期間末残高に比べ19億7千9百万円増加し、432億8千7百万円となりました。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は25億1千8百万円であります。
(5) 主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新規連結に伴い下記の設備が新たに当社グループの主要な設備となりました。
㈱桂通商
2020年6月30日現在
(注) 1 帳簿価額には、建設仮勘定の金額を含んでおりません。
2 帳簿価額のうち「その他」は「工具、器具及び備品」及び「無形資産」等の合計であります。
3 帳簿価額には、使用権資産の金額を含めております。
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、重要な変更はありません。
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。
当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。