第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が判断したものであります。

 

(1) 財政状態の状況

当第1四半期連結会計期間末の総資産は、棚卸資産の増加などにより前連結会計年度末に比べて181億2千7百万円増加し、1兆401億5千9百万円となりました。負債は、社債及び借入金の増加などにより前連結会計年度末に比べて83億2千4百万円増加し、6,104億9千8百万円となりました。資本は、その他の資本の構成要素の増加及び親会社の所有者に帰属する四半期利益の積み上げなどにより前連結会計年度末に比べて98億3百万円増加し、4,296億6千万円となりました。

なお、1株当たり親会社所有者帰属持分は前連結会計年度の1,744.42円から1,781.03円に増加し、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度の38.7%から38.8%となりました。

 

 

(2) 経営成績の状況

当第1四半期連結累計期間の我が国経済は、新型コロナウイルス(以下、「新型コロナ」という。)の新規感染者数が減少する中、社会活動は徐々に正常化へと向かい、サービス消費を中心として経済活動が持ち直しました。

一方で、ロシアのウクライナ侵攻や中国のゼロコロナ政策などの影響から、サプライチェーンの停滞が顕著になるとともに、急速な円安も相俟って資源・エネルギーや食料品等の高騰が続くなど、物価上昇の圧力が高まりました。こうした原材料高に起因するインフレの加速は、内需関連産業を中心に企業収益を圧迫する要因となっており、先行きが見通しにくい状況が続いております。

このような状況の中、当社は、2030年度に向け、「地球環境」と「ウェルネス(健やかな暮らし)」の成長軸に沿って事業活動を通じた社会課題の解決に貢献し、持続的な成長と企業価値の向上を目指す長期ビジョン「terrAWell(テラウェル)30」を定めるとともに、2024年度までの3ヵ年を実行期間とする中期経営計画「terrAWell 30 1st stage」を策定しました。

また、長期ビジョンを実現するための布石として、本年4月に大規模な組織改革を実施し、当社グループの経営資源である「多様な事業・人材・技術」の融合と全体最適化によるシナジーの創出に向け、当社本社組織とグループ会社群が一体となった経営体制に移行しました。

当第1四半期連結累計期間においては、新たな組織体制の下、中期経営計画の基本方針に基づき、エレクトロニクス分野や北米における産業ガス事業の拡大を図るとともに、グループシナジーによる収益力の強化やCO2の回収・利活用をはじめとした新事業の創出に取り組みました。また、エネルギーや原材料コストの急速な上昇による業績への影響を低減するため、全社を挙げて生産・物流面の効率化をはじめとしたコスト削減に努めるとともに、事業全般において徹底した価格改定を進めました。

その結果、エレクトロニクス分野や医療サービス分野の事業拡大に加え、コスト上昇に対応した価格改定によって全ての事業セグメントで増収となりました。また、利益面では、「ヘルス&セーフティー」及び「アグリ&フーズ」の両セグメントは、底堅い需要が続く中で収益力の強化が進展したことも相俟って、前年同期を上回りました。一方、「デジタル&インダストリー」セグメントで子会社の連結除外による影響などがあったことに加え、「エネルギーソリューション」セグメントでは電力分野における発電燃料の海上輸送コストの上昇及び設備トラブルによる計画外停止の影響が生じました。

 

以上の結果、当第1四半期連結累計期間における売上収益は2,247億2千万円(前年同期比108.9%)、営業利益は129億8千4百万円(同80.6%)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は80億8千9百万円(同75.9%)となりました。

 

 

各セグメントの概況は次のとおりであります。

当社は、将来にわたり持続的な企業成長を果たすため、気候変動や超高齢化社会の進展など今後の世界的な社会課題を踏まえ、「地球環境」と「ウェルネス」の2つの成長軸を設定しました。2022年4月、この2つの成長軸に沿って、当社グループの多様な事業領域を4つの事業グループに再編する組織改革を実施しました。

これに伴い、当第1四半期連結会計期間より、報告セグメントを従来の「産業ガス関連事業」「ケミカル関連事業」「医療関連事業」「エネルギー関連事業」「農業・食品関連事業」「物流関連事業」「海水関連事業」「その他の事業」の8区分から「デジタル&インダストリー」「エネルギーソリューション」「ヘルス&セーフティー」「アグリ&フーズ」「その他の事業」の5区分に見直しました。なお、前第1四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。

 

 

<デジタル&インダストリー>

 当セグメントの売上収益は757億9千万円(前年同期比112.6%)、営業利益は61億5千5百万円(同85.1%)となりました。

事業全体では、エレクトロニクス分野向けで半導体の製造工程に用いられるガス、特殊化学品、電子材料、Oリングなどの販売が増加したことに加え、国内の産業ガス需要が底堅く推移したことから増収となりました。利益面では、電力料金の上昇に伴う産業ガス製造コストの増加に対応するため、徹底した価格改定の取り組みを推進しましたが、その適用時期にかかる影響が一部残りました。また、当第1四半期連結累計期間においては、2021年7月にインド子会社の合弁事業を解消したことによる連結除外の影響がありました。

 

エレクトロニクス事業は、大手半導体メーカー向けオンサイトガス供給が順調に推移したほか、顧客の設備増強に伴う周辺需要の獲得に注力し、特殊化学品などの販売が増加しました。また、半導体製造装置向け熱制御機器の販売が好調に推移しました。エア・ウォーター・マテリアル㈱を中心とする情報電子材料分野では、半導体材料や電子部品の販売が国内外ともに好調に推移しました。

機能材料事業は、ナフトキノンが中国のロックダウン時の影響を受け販売が減少しましたが、原油価格の上昇に伴い有機酸など基礎化学品の製品市況が高水準となり、堅調に推移しました。また、世界的な半導体・電子部品の需要拡大を受け、高機能回路製品やOリング等の販売が増加したことにより、事業全体としては順調に推移しました。

インダストリアルガス事業は、電力料金の上昇に伴い販売価格も上昇したことで、鉄鋼向けオンサイトガス供給の売上収益が増加しました。ローリー・シリンダーガス供給においては、自動車関連の減産による影響がありましたが、電子部品・化学・機械向けなどの販売が堅調に推移し、前年並みの販売数量となりました。一方、利益面では電力料金の上昇に伴う産業ガス製造コストの増加に対応するため、徹底した価格改定の取り組みを推進しましたが、その適用時期にかかる影響が一部残りました。なお、2022年2月より北海道において金属加工製品を製造・販売する㈱ホクエイを新規連結しております。

海外・エンジニアリング事業は、インドにおける鉄鋼向けオンサイトガス供給及びローリー・シリンダーによる外販ガス供給ともに旺盛な需要に対応し、順調に推移しました。なお、2021年7月にインド子会社との合弁事業を解消したため、当第1四半期連結累計期間においては、同社の連結除外による影響がありました。

 

 

<エネルギーソリューション>

 当セグメントの売上収益は267億8千4百万円(前年同期比108.3%)、営業利益は12億8千5百万円(同56.1%)となりました。

事業全体では、輸入価格に連動してLPガスの販売単価が上昇するとともに、産業用の水素ガス供給が順調に推移し、増収となりました。一方で、電力分野において、設備トラブルが発生したことに加え、荷揚げ港湾施設の混雑等に起因し発電燃料であるPKS(パーム椰子殻)の海上輸送コストが高騰した影響を受けました。

なお、電力分野を除いた当セグメントの売上収益は、199億3千6百万円(前年同期比111.2%)、営業利益は11億5千万円(同112.3%)となりました。

 

エネルギー事業は、LPガス供給を主とするエネルギー分野が、巣ごもり需要の減少により家庭用の販売数量が微減となったものの、LPガスの販売単価が上昇したことに加え、利益面では配送の効率化等によるコスト低減が進み、堅調に推移しました。電力分野は、福島県いわき市の木質バイオマス発電所において、設備トラブルによる影響があったことに加え、荷揚げ港湾施設の混雑等に起因し発電燃料であるPKSの海上輸送コストが高騰した影響を受けました。

資源循環事業は、炭酸ガス供給が原料ガスの不足等による影響を受けましたが、半導体・非鉄業界向けに水素ガスのオンサイト供給が順調に推移したことや人工再生木材「エコロッカ」の販売が増加したことで、堅調に推移しました。また、資源循環や新エネルギーに関わるビジネスモデル構築の一環として、小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」を開発し、CO2回収・利活用の事業化に向けた取り組みを開始しました。

 

 

<ヘルス&セーフティー>

 当セグメントの売上収益は536億6千8百万円(前年同期比104.9%)、営業利益は27億6千7百万円(同100.7%)となりました。

事業全体では、新型コロナの新規感染者数が減少したことに伴い、前年同期に需要が高まった衛生材料、注射針、医療用酸素等の販売は減少したものの、SPD(病院物品物流管理)の新規受託や病院設備工事の大型案件の進捗などが寄与し、増収となりました。利益面では、エアゾール分野、衛生材料分野等において原材料価格の上昇による影響を受けたものの、医療用酸素濃縮装置の自治体向けリースをはじめ、医療現場のニーズにあった製品提案を総合的に展開したことで、増益を堅持しました。

 

メディカルプロダクツ事業は、医療ガス分野において、新型コロナの感染ピークとなった前年同期よりも医療用酸素の販売数量は減少しましたが、在宅医療事業は、感染再拡大に備えた医療用酸素濃縮装置の自治体向けリース契約が継続し、医療機器分野においても一酸化窒素吸入療法の症例数が増加し、順調に推移しました。

防災事業は、病院設備工事分野において、シンガポールでの工事進捗の回復遅れによる影響がありましたが、国内では院内感染対策の高まりを背景としたリニューアル工事が増加するとともに、消火設備分野においても、データセンター向けの需要が拡大したことから、順調に推移しました。

サービス事業は、病院の経営効率を高める施策の提案を通じて、新規顧客の獲得に取り組んだ結果、医薬品SPDの新規案件を獲得したことで堅調に推移しました。

コンシューマーヘルス事業は、歯科分野では、本年4月よりCAD/CAM冠用材料が虫歯の詰め物として保険適用が開始されたことにより、歯科材料の販売が好調に推移しました。一方で、エアゾール、衛生材料、注射針の各分野において、原材料コストの上昇による影響を受け、事業全体としては、前年同期を下回りました。

 

 

<アグリ&フーズ>

 当セグメントの売上収益は369億1千7百万円(前年同期比108.1%)、営業利益は13億7千6百万円(同122.7%)となりました。

事業全体では、各種原材料のコスト上昇による影響を受けましたが、価格改定が堅調に進んだことに加え、食品加工分野の業務用需要が回復したことで順調に推移しました。また、農産物直売所を運営する㈱プラスの新規連結効果も相俟って、増収増益となりました。

 

フーズ事業は、前年同期と比較して行動制限の緩和が進んだことにより、ハム・デリカ分野において飲食店やホテル向けなどの業務用需要が回復しました。また、原材料価格の上昇による影響があったものの、前年度に実施したグループ会社の統合再編に伴う物流や調達面をはじめとした生産性の向上が寄与しました。スイーツ分野は、オフィス需要の回復などにより、コンビニエンスストア向けの販売が堅調に推移しました。飲料分野は、全体として需要は堅調だったものの、前年同期に好調だった野菜系飲料の需要減少による影響を受けました。

アグリ事業は、農産・加工分野において前年度に北海道地区で不作であった馬鈴薯の販売量が減少した影響を受けました。また、2021年11月より関西地区を主要エリアとして農産物直売所「産直市場よってって」を運営する㈱プラスを新規連結しております。

 

 

<その他の事業>

 当セグメントの売上収益は315億5千9百万円(前年同期比108.7%)、営業利益は6億9百万円(同44.7%)となりました。

 

物流事業は、自社物流ネットワークの拡充とネット通販による物流需要の高まりを背景に、北海道と東日本を結ぶ幹線輸送の荷扱量が増加するとともに、産業・医療系廃棄物の収集運搬において感染性廃棄物の取扱量が増加したことで、軽油価格の上昇による影響を補い、堅調に推移しました。

㈱日本海水は、業務用塩を中心に製品価格の改定に取り組み、燃料である石炭やLNG価格の上昇に対応しましたが、電力分野において、発電燃料であるPKSの海上輸送コストが高騰した影響を受けました。

北米産業ガス事業は、水素エネルギーや脱炭素関連の需要の高まりを受け、低温容器やガス供給設備の受注が堅調に推移したものの、一部構成部材の海外調達の遅れから前年同期を下回りました。また、高出力UPS(無停電電源装置)事業は、メンテナンスをはじめとするサービス分野が堅調に推移したものの、前年度から継続する工事進捗等の遅れによる影響を受けました。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前四半期利益及び減価償却費などから法人所得税の支払などを差し引いた結果、前第1四半期連結累計期間に比べ28億5千9百万円収入が減少し、108億7千8百万円の収入となりました。

当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入が減少したことに加え、事業譲受による支出が増加したものの、有形固定資産の取得による支出が減少したことなどにより、前第1四半期連結累計期間に比べ8億9千8百万円支出額が減少し、111億2千4百万円の支出となりました。

当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入が増加したことなどにより、前第1四半期連結累計期間に比べ89億6千4百万円増加し、29億6千万円の収入となりました。

以上の結果、現金及び現金同等物の当第1四半期連結会計期間末残高は、前第1四半期連結会計期間末残高に比べ207億2千9百万円増加し、637億3千1百万円となりました。

 

 

(4) 研究開発活動

当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は15億7百万円であります。

 

 

(5) 主要な設備

前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、重要な変更はありません。

当第1四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。

 

会社名

事業所名
(所在地)

セグメントの
名称

設備の内容

投資予定額
(百万円)

完成予定年月

エア・ウォーター㈱

鹿島工場

(茨城県鹿嶋市)

デジタル&
インダストリー

アルゴン精製設備

1,350

2023年8月

 

 

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。