第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

「ガス・溶接・切断の総合製造・販売会社として世界市場での顧客の満足と信頼を獲得する」ことを経営理念に掲げております。株主、顧客、取引先および従業員などにとって価値を高める企業であり続けるため、行動を変化させ、絶えず新しい技術を生み出し、人と技術と環境との調和を図ってまいります。

 

(2)経営戦略等

平成28年度を初年度とする「中期経営計画」では、①創業100周年記念事業の推進、②人材の確保と育成、③M&Aの推進、④リスク対策の強化、⑤グループ各社(国内・海外)との連携強化、の5つを重点施策として取り組んでまいります。

 

(3)経営環境

今後の当社グループを取り巻く経営環境は、米国の政策動向や中国を始めとしたアジア新興国の先行きに一部懸念があるものの、全体として景気は緩やかな回復が続くことが期待されます。

このような情勢のもと、当社グループは変化する世界市場に向けた新技術・新製品の開発およびグループ会社との連携と販売体制の強化を図るとともに、10月に迎える創業100周年に向かって、引き続き「グランド100トライアスロンセール」による拡販活動の活性化に取り組んでまいります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

機械装置部門においては、「グランド100トライアスロンセール」の一環として、100周年を記念した新製品の発売や各種展示会でIoT技術を活用した製品などのPRの実施により、拡販活動に取り組んでまいります。また、国内販売・海外販売・開発・設計の部門を統合した組織改編を行い、国内外の需要動向に素早く対応するとともに、販売から開発企画・製品化まで一貫して推進できる体制を作ることで、競争力の強化に努めてまいります。

高圧ガス部門においては、「グランド100トライアスロンセール」による拡販活動の強化やガス・溶接・切断の一体販売に取り組み、新規顧客の獲得に努めてまいります。また、物流の見直しおよび充填工場の再構築により原価低減に努めるとともに、リスク対策を強化することで保安確保を徹底してまいります。

医療分野においては、CPAPのIoT化を推進するとともに、中国(上海)やインドネシアなどアジアを中心とした海外市場の開拓に取り組んでまいります。

溶接機材部門においては、「グランド100トライアスロンセール」において様々な販売企画を実行してまいります。また、「2018国際ウエルディングショー」を始めとした各種展示会にて溶接・切断のソリューション提案を実施し、ガス・溶接・切断の一体販売を推進してまいります。

その他の部門においては、ヘリウム関連機器の新製品開発を推進し、拡販活動に取り組んでまいります。排ガス処理装置については、大学研究機関と共同研究を実施することにより、新製品開発を推進してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)売上計上時期の遅延によるリスク

 当社グループでは、機械装置部門の中大型切断機、溶接機械等、高圧ガス部門の配管工事等の売上計上基準については検収基準を採用しておりますが、取引先の受入準備の遅れや、海外への輸出については現地における政変等環境の悪化により据付工事の進行に支障をきたし、その結果、検収ずれが生じ、売上計上時期が遅延する可能性があります。

 

(2)受注生産の影響によるリスク

 当社グループでは、主に機械装置部門の中大型切断機、溶接機械等については受注生産を行っておりますが、他社との競争の激化による受注価格の低下、原材料価格の変動等により当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3)売上債権管理上のリスク

 当社グループでは、売上債権の管理については取引先ごとに回収状況、滞留状況のチェックを行っております。今後も当社グループ全体で債権管理を強化し、滞留債権の発生防止に努めてまいりますが、取引先の業績悪化等による売上債権の回収遅延や貸倒れが発生する可能性があります。

 

(4)為替相場の変動によるリスク

 当社グループの売上高に対する海外売上高の割合は、平成30年3月期において20.9%となっております。そのために当社グループでは為替予約等により為替変動のリスクをヘッジしておりますが、これにより当該リスクを完全に回避することは不可能であり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、米国経済や欧州経済が堅調に推移し、総じて緩やかな回復の動きが見られました。

 一方、わが国経済は、雇用情勢の改善や個人消費の持ち直しなどにより、回復基調で推移しました。

 当社グループの主需要先である建設業界・産業機械業界では需要に回復の動きが見られ、造船業界では低迷していた市況に回復の兆しが見られたものの、当社の受注環境への影響は限定的なものとなりました。

 このような状況のもと、当社グループは4月から「グランド100トライアスロンセール」を開始し、拡販活動に努めるとともに、世界市場に向けた新技術・新製品の開発に取り組みました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は556億59百万円で前連結会計年度末比17億60百万円の増加となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は241億31百万円で前連結会計年度末比6億49百万円の増加となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は315億28百万円で前連結会計年度末比11億11百万円の増加となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高443億93百万円(前年同期比4.1%増)、営業利益13億38百万円(同12.0%減)、経常利益15億34百万円(同17.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益7億54百万円(同40.5%減)となりました。

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 機械装置は、売上高179億8百万円(同0.8%減)、セグメント利益11億59百万円(同2.6%減)となりました。

 高圧ガスは、売上高160億65百万円(同1.8%増)、セグメント利益7億81百万円(同5.5%減)となりました。

 溶接機材は、売上高92億42百万円(同13.7%増)、セグメント利益3億6百万円(同35.9%増)となりました。

 その他は、売上高11億77百万円(同72.2%増)、セグメント利益1億6百万円(同12.4%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、84億57百万円と前連結会計年度末比7億78百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローは20億32百万円の収入(前年同期は20億80百万円の収入)となりました。

これは主に税金等調整前当期純利益の計上と減価償却費によるものであります。

 投資活動によるキャッシュ・フローは12億27百万円の支出(前年同期は1億95百万円の収入)となりました。

これは主に有形固定資産の取得による支出と有価証券の取得による支出があったことによるものです。

 財務活動によるキャッシュ・フローは16億38百万円の支出(前年同期は15億78百万円の支出)となりました。

これは主に長期借入金の返済による支出と配当金の支払があったことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

 

前年同期比(%)

 

機械装置(百万円)

14,260

96.2

高圧ガス(百万円)

366

93.2

報告セグメント計(百万円)

14,626

96.1

その他(百万円)

合計(百万円)

14,626

96.1

 (注)1.金額は販売価格によっております。

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

機械装置

9,586

95.4

2,442

93.5

 (注)1.金額は販売価格によっております。

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 3.受注高及び受注残高につきましては、標準機・部品等の金額を含めておりません。

 c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

 

前年同期比(%)

 

機械装置(百万円)

17,908

99.2

高圧ガス(百万円)

16,065

101.8

溶接機材(百万円)

9,242

113.7

報告セグメント計(百万円)

43,216

103.0

その他(百万円)

1,177

172.2

合計(百万円)

44,393

104.1

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りが必要となる事項については、過去の実績や将来計画等を考慮し、「棚卸資産の評価に関する会計基準」「金融商品に関する会計基準」「固定資産の減損に係る会計基準」「資産除去債務に関する会計基準」「退職給付に係る会計基準」「税効果会計に係る会計基準」等の会計基準に基づいて会計処理を実施しております。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

 1)財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末の資産合計は556億59百万円で、前連結会計年度末比17億60百万円の増加となりました。

 流動資産合計は319億49百万円で、前連結会計年度末比11億11百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金が10億46百万円減少の一方、受取手形及び売掛金が17億88百万円増加、有価証券が4億49百万円増加したことによるものであります。

 固定資産合計は237億10百万円で、前連結会計年度末比6億49百万円の増加となりました。これは主に投資有価証券が8億27百万円増加したことによるものです。

(負債合計)

 当連結会計年度末の負債合計は241億31百万円で、前連結会計年度末比6億49百万円の増加となりました。

 流動負債合計は190億5百万円で、前連結会計年度末比9億13百万円の増加となりました。これは主に電子記録債務が3億27百万円減少の一方、支払手形及び買掛金が13億27百万円増加したことによるものです。

 固定負債合計は51億26百万円で、前連結会計年度末比2億63百万円の減少となりました。これは主に長期借入金が4億17百万円減少したことによるものです。

(純資産合計)

 純資産合計は315億28百万円で、前連結会計年度末比11億11百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金が3億82百万円増加、その他有価証券評価差額金が3億82百万円増加したことによるものです。

 

 2)経営成績

(売上高)

 売上高は、4月から「グランド100トライアスロンセール」を開始し、拡販活動に努めるとともに、世界市場に向けた新技術・新製品の開発に取り組みなどにより、前連結会計年度末比17億54百万円増加して443億93百万円となりました。

(営業利益)

 営業利益は、老朽化した容器の更新費用や在庫評価損および在庫廃棄損を計上したことなどにより、前連結会計年度末比1億82百万円減少して13億38百万円となりました。

(経常利益)

 経常利益は、前連結会計年度末比3億18百万円減少して15億34百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度末比5億13百万円減少して7億54百万円となりました。

 

 3)キャッシュ・フローの状況

 「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は59億1百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は84億57百万円となっております。

 

d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(機械装置)

 売上高は、当社グループの主需要先である造船業界で低迷していた市況に回復の兆しが見られたものの、当社の受注環境への影響は限定的なものとなり、前連結会計年度末比1億41百万円減少して179億8百万円となりました。

 セグメント利益は、売上高が減少、在庫評価損および在庫廃棄損を計上したことなどにより、前連結会計年度末比30百万円減少して11億59百万円となりました。

 セグメント資産は、事業用資産について減損損失を計上したことにより、前連結会計年度末比5億14百万円減少して204億63百万円となりました。

 

(高圧ガス)

 売上高は、「グランド100トライアスロンセール」を機に拡販活動を強化したことにより、前連結会計年度末比2億88百万円増加して160億65百万円となりました。

 セグメント利益は、売上高が増加したものの、老朽化した容器の更新費用が増加したことにより、前連結会計年度末比45百万円減少して7億81百万円となりました。

 セグメント資産は、受取手形及び売掛金が増加したことにより、前連結会計年度末比10億28百万円増加して134億34百万円となりました。

 

(溶接機材)

 売上高は、4月から開始した「グランド100トライアスロンセール」の一環として様々な販売企画を実行するとともに、全国各地でガス切断・溶接作業に関する安全講習会の実施や「こいけ市」を始めとした各種展示会での拡販活動により、前連結会計年度末比11億14百万円増加して92億42百万円となりました。

 セグメント利益は、売上高が増加したことにより、前連結会計年度末比80百万円増加して3億6百万円となりました。

 セグメント資産は、受取手形及び売掛金が増加したことにより、前連結会計年度末比8億30百万円増加して60億24百万円となりました。

 

(その他)

 売上高は、排ガス処理装置に関する中国での大型液晶画面向けの旺盛な需要を背景とした受注の増加やヘリウム関連機器の保守・メンテナンスに関する営業活動を推進し、大学研究機関から受注を獲得したことにより、前連結会計年度末比4億93百万円増加して11億77百万円となりました。

 セグメント利益は、売上高が増加したことにより、前連結会計年度末比11百万円増加して1億6百万円となりました。

 セグメント資産は、受取手形及び売掛金が増加したことにより、前連結会計年度末比2億66百万円増加して5億99百万円となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、ガス・溶接・切断の「トータルシステムサプライヤー」として先端技術の研究開発およびシステム製品の開発を積極的に推進しております。

 現在の研究開発活動は機械装置部門を中心に、当社の機械技術部開発グループおよび連結子会社の技術開発部門において、相互に緊密な連携をとりながら行っております。

 当連結会計年度における各部門の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は2億79百万円となっております。

 

(1)機械装置

NCレーザ切断機では、2018年4月に開催される「2018国際ウエルディングショー」出展に向けて、機体デザインを一新させたファイバーレーザー切断機に、従来の手動によるノズル交換を自動化した「ノズルチェンジャー機能」を搭載しました。

NCプラズマ切断機では、切断作業時に発生する音、光、粉塵を抑えて作業者に優しいウォーターマフラー機能を付帯したプラズマ切断システムを搭載する切断機の販売を開始しました。

CNCコントローラでは、世界が注目するインダストリー4.0に向けてIoTデータを活用する「Konnection」システムにおいて、機械装置を含む工場内の稼働状況を一元集約して見える化する「KAP Web Dashboard」を他社に先駆けて製品化し販売を開始しました。また、市場で定評のあるCAD/CAM自動プログラミングシステムの「KAP-8030N」では、高機能自動ネスティングや自動シーケンス共通切断対応等の機能を搭載して進化させた「Ver.6」も販売を開始しました。

ポータブル自動機では、100周年記念モデル機としてデザインを一新させ、クリープ機能などの新機能オプションを充実させた「IK-12 NEXT」、「WEL-HANDY MULTI NEXT」を世界に向けてグローバル機として販売を開始しました。

引続き様々なお客様のニーズに応えられる製品の提供に努めてまいります。

なお、機械装置部門に係る研究開発費は、2億55百万円であります。

 

(2)高圧ガス

 高圧ガス部門では、㈱小池メディカルが中心となって医療機器の開発を行っております。当連結会計年度においては、睡眠時無呼吸症候群の治療用装置を中心に開発活動に取り組んでおります。

 なお、高圧ガス部門に係る研究開発費は、24百万円であります。