第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

「ガス・溶接・切断の総合製造・販売会社として世界市場での顧客の満足と信頼を獲得する」ことを経営理念に掲げております。株主、顧客、取引先および従業員などにとって価値を高める企業であり続けるため、行動を変化させ、絶えず新しい技術を生み出し、人と技術と環境との調和を図ってまいります。

 

(2)経営戦略等

当社グループは創業100周年を機に2020年3月期を初年度とした5か年中期経営計画「POST100&NEXT100」を策定しました。この中期経営計画では主要課題として「世界市場での顧客満足の実現」、「すべての社員が活躍できる働き方改革の実現」、「持続的成長に向けた経営体制の強化」を掲げるとともに、数値目標として2024年3月期において連結売上高550億円、経常利益率5.8%、ROE6%を達成することを目指し、「お取引先様」、「従業員」、「社会」、「株主」など様々なステークホルダーとともに共通価値を創造して、ゆるぎない信頼を獲得し、持続的な成長を実現してまいります。

 

(3)経営環境

今後の当社グループを取り巻く経営環境は、米国と中国の貿易摩擦や英国のEU離脱問題が世界経済に与える影響が懸念されており、先行きは不透明な状況となっております。

このような情勢のもと、当社グループは変化する世界市場に向けた新技術・新製品の開発およびグループ会社との連携と販売体制の強化に取り組んでまいります。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

機械装置部門においては、働き方改革を背景とした省力化に対するニーズの高まりに対して、消耗品の自動交換や夜間の無人運転などが可能となる製品の開発に取り組むとともに、ガス・溶接・切断の一体販売の推進や各種展示会でのPRの実施などにより、拡販活動に取り組んでまいります。また、海外拠点の体制強化に向けたグローバルな人材育成を推進し、世界市場での競争力の強化に努めてまいります。
 高圧ガス部門においては、ガス・溶接・切断の一体販売や販売店との連携体制の強化に取り組み、拡販活動を推進してまいります。また、物流体制の合理化や老朽化したガス充填工場の再構築を推進し、原価低減や安全の確保を徹底してまいります。医療分野においては、CPAPのIoT化の推進や新製品の拡販に取り組むとともに、中国やインドネシアなどアジアを中心とした海外市場の開拓に努めてまいります。
 溶接機材部門においては、ガス・溶接材料・溶接機器のプロセス提案による一体販売の強化や安全講習会を積極的に実施するとともに、「こいけ市」を始めとした各種展示会での拡販活動を推進してまいります。
 その他の部門においては、排ガス処理装置やヘリウム関連機器について新製品開発を推進し、拡販活動に取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)売上計上時期の遅延によるリスク

 当社グループでは、機械装置部門の中大型切断機、溶接機械等、高圧ガス部門の配管工事等の売上計上基準については検収基準を採用しておりますが、取引先の受入準備の遅れや、海外への輸出については現地における政変等環境の悪化により据付工事の進行に支障をきたし、その結果、検収ずれが生じ、売上計上時期が遅延する可能性があります。

 

(2)受注生産の影響によるリスク

 当社グループでは、主に機械装置部門の中大型切断機、溶接機械等については受注生産を行っておりますが、他社との競争の激化による受注価格の低下、原材料価格の変動等により当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(3)売上債権管理上のリスク

 当社グループでは、売上債権の管理については取引先ごとに回収状況、滞留状況のチェックを行っております。今後も当社グループ全体で債権管理を強化し、滞留債権の発生防止に努めてまいりますが、取引先の業績悪化等による売上債権の回収遅延や貸倒れが発生する可能性があります。

 

(4)為替相場の変動によるリスク

 当社グループの売上高に対する海外売上高の割合は、2019年3月期において21.4%となっております。そのために当社グループでは為替予約等により為替変動のリスクをヘッジしておりますが、これにより当該リスクを完全に回避することは不可能であり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、米国経済は堅調に推移しましたが、米国と中国の貿易摩擦や英国のEU離脱問題が世界経済に与える影響が懸念され、先行きは不透明感が強まりました。

 一方、わが国経済は、雇用情勢の改善や個人消費の持ち直しが見られましたが、世界経済の不確実性が懸念され、景気の先行きは予断を許さない状況で推移しました。

 当社グループの主需要先である建設業界では需要に回復の動きが見られましたが、産業機械業界・造船業界では市況の悪化が見られ、厳しい状況で推移しました。

 このような状況のもと、当社グループは創業100周年に向けた「グランド100トライアスロンセール」による拡販活動の活性化に努め、売上高は増加したものの、価格競争の激化などにより、利益は減少しました。

 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は552億74百万円で前連結会計年度末比44百万円の減少となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は239億1百万円で前連結会計年度末比1億11百万円の増加となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は313億72百万円で前連結会計年度末比1億55百万円の減少となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、売上高462億17百万円(前年同期比4.1%増)、営業利益9億65百万円(同27.9%減)、経常利益12億12百万円(同21.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益5億14百万円(同31.8%減)となりました。

 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 機械装置は、売上高185億5百万円(同3.3%増)、セグメント利益9億55百万円(同17.6%減)となりました。

 高圧ガスは、売上高167億10百万円(同4.0%増)、セグメント利益6億95百万円(同11.0%減)となりました。

 溶接機材は、売上高98億90百万円(同7.0%増)、セグメント利益3億円(同2.0%減)となりました。

 その他は、売上高11億9百万円(同5.8%減)、セグメント利益1億63百万円(同53.9%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、80億94百万円と前連結会計年度末比3億63百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローは10億16百万円の収入(前年同期は20億32百万円の収入)となりました。

これは主に税金等調整前当期純利益の計上と減価償却費によるものであります。

 投資活動によるキャッシュ・フローは6億65百万円の支出(前年同期は12億27百万円の支出)となりました。

これは主に有形固定資産の取得による支出があったことによるものです。

 財務活動によるキャッシュ・フローは7億26百万円の支出(前年同期は16億38百万円の支出)となりました。

これは主にファイナンス・リース債務の返済による支出と配当金の支払があったことによるものです。

 

③生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

 

前年同期比(%)

 

機械装置(百万円)

15,239

106.9

高圧ガス(百万円)

273

74.6

報告セグメント計(百万円)

15,512

106.1

その他(百万円)

合計(百万円)

15,512

106.1

 (注)1.金額は販売価格によっております。

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

機械装置

11,801

123.1

2,489

101.9

 (注)1.金額は販売価格によっております。

 2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 3.受注高及び受注残高につきましては、標準機・部品等の金額を含めておりません。

 c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

 

前年同期比(%)

 

機械装置(百万円)

18,505

103.3

高圧ガス(百万円)

16,710

104.0

溶接機材(百万円)

9,890

107.0

報告セグメント計(百万円)

45,107

104.4

その他(百万円)

1,109

94.2

合計(百万円)

46,217

104.1

 (注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、会計上の見積りが必要となる事項については、過去の実績や将来計画等を考慮し、「棚卸資産の評価に関する会計基準」「金融商品に関する会計基準」「固定資産の減損に係る会計基準」「資産除去債務に関する会計基準」「退職給付に係る会計基準」「税効果会計に係る会計基準」等の会計基準に基づいて会計処理を実施しております。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

 1)財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末の資産合計は552億74百万円で、前連結会計年度末比44百万円の減少となりました。

 流動資産合計は318億79百万円で、前連結会計年度末比3億4百万円の増加となりました。これは主に商品及び製品が2億80百万円増加、仕掛品が1億43百万円増加したことによるものです。

 固定資産合計は233億94百万円で、前連結会計年度末比3億49百万円の減少となりました。これは主に建物及び構築物が2億90百万円減少したことによるものです。

(負債合計)

 当連結会計年度末の負債合計は239億1百万円で、前連結会計年度末比1億11百万円の増加となりました。

 流動負債合計は186億91百万円で、前連結会計年度末比3億7百万円の減少となりました。これは主に1年内返済予定の長期借入金が2億45百万円減少したことによるものです。

 固定負債合計は52億10百万円で、前連結会計年度末比4億18百万円の増加となりました。これは主に長期借入金が4億27百万円増加したことによるものです。

(純資産合計)

 純資産合計は313億72百万円で、前連結会計年度末比1億55百万円の減少となりました。これは主に利益剰余金が2億25百万円増加の一方、その他有価証券評価差額金が2億9百万円減少、為替換算調整勘定が1億38百万円減少したことによるものです。

 

 2)経営成績

(売上高)

 売上高は、創業100周年に向けた「グランド100トライアスロンセール」による拡販活動の活性化に努め、前連結会計年度末比18億23百万円増加して462億17百万円となりました。

(営業利益)

 営業利益は、価格競争の激化などにより、前連結会計年度末比3億73百万円減少して9億65百万円となりました。

(経常利益)

 経常利益は、前連結会計年度末比3億22百万円減少して12億12百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度末比2億40百万円減少して5億14百万円となりました。

 

 3)キャッシュ・フローの状況

 「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は62億76百万円となっております。また、現金及び現金同等物の残高は80億94百万円となっております。

 

d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(機械装置)

 売上高は、「グランド100トライアスロンセール」の一環として拡販活動に取り組むとともに、「2018KOIKEプライベートフェア」などの展示会を開催し、多くの受注を獲得したことにより、前連結会計年度末比5億97百万円増加して185億5百万円となりました。

 セグメント利益は、売上高が増加したものの、価格競争の激化などにより、前連結会計年度末比2億3百万円減少して9億55百万円となりました。

 セグメント資産は、有形固定資産が減少したことにより、前連結会計年度末比3億71百万円減少して200億82百万円となりました。

 

(高圧ガス)

 売上高は、「グランド100トライアスロンセール」の一環として拡販活動を強化したことにより、前連結会計年度末比6億44百万円増加して167億10百万円となりました。

 セグメント利益は、売上高が増加したものの、高圧ガスの原価および物流コストの上昇や老朽化したアセチレン容器の更新を始めとした安全面をより強化するための費用が増加したことなどにより、前連結会計年度末比85百万円減少して6億95百万円となりました。

 セグメント資産は、受取手形及び売掛金が減少したことにより、前連結会計年度末比7億4百万円減少して126億75百万円となりました。

 

(溶接機材)

 売上高は、「グランド100トライアスロンセール」の一環として「こいけ市」を始めとした展示会でのPRや溶接用保護面を中心とした巡回営業などの拡販活動を推進するとともに、設備関連の大型案件の受注を獲得したことなどにより、前連結会計年度末比6億48百万円増加して98億90百万円となりました。

 セグメント利益は、売上高が増加したものの、価格競争の激化などにより、前連結会計年度末比6百万円減少して3億円となりました。

 セグメント資産は、受取手形及び売掛金が増加したことにより、前連結会計年度末比8億74百万円増加して68億99百万円となりました。

 

(その他)

 売上高は、排ガス処理装置は中国での旺盛な需要を背景として受注が大幅に増加したものの、ヘリウム関連機器については大型案件の受注に至らず、前連結会計年度末比67百万円減少して11億9百万円となりました。

 セグメント利益は、排ガス処理装置の受注増、原価低減への取組などにより前連結会計年度末比57百万円増加して1億63百万円となりました。

 セグメント資産は、商品及び製品が増加したことにより、前連結会計年度末比2億16百万円増加して8億16百万円となりました。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、ガス・溶接・切断の「トータルシステムサプライヤー」として先端技術の研究開発およびシステム製品の開発を積極的に推進しております。

 現在の研究開発活動は機械装置部門を中心に、当社の機械技術部開発グループおよび連結子会社の技術開発部門において、相互に緊密な連携をとりながら行っております。

 当連結会計年度における各部門の研究の目的、主要課題、研究成果および研究開発費は次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は337百万円となっております。

 

(1)機械装置

NCレーザ切断機では、ファイバーケーブル長による制限を受けずに切断可能領域を拡大した日本初となる発振器搭載型ファイバーレーザー切断機をユーザーへ納入しました。また、最新機種として、発振器搭載型開先ファイバーレーザー切断機「FIBERTEX-V」を2018年9月に開催した「2018KOIKEプライベートフェア」において発表しました。

NCプラズマ切断機では、中薄板向けプラズマ切断システム「SUPER-300ProⅡα」の販売を開始しました。

CNCコントローラでは、グローバルCNCコントローラ「KATANA®」を中小型切断機向けにコストダウンと操作性向上を図り、国内はもとより、中国、韓国およびインドなどのアジア拠点で製品化し、販売を開始しました。また、インダストリー4.0に向けてIoTデータを活用する「Konnection®」においては、インターネット接続が可能なセキュリティを強化し、クラウドシステムへの稼働状況一元収集と情報の可視化に対応した「Konnection® クラウドシステム」を製品化し、販売を開始しました。

ポータブル自動機では、「2018国際ウエルディングショー」および「JIMTOF2018」において、新製品である「IK-12 NEXT®」と「WEL-HANDY MULTI NEXT®」を出展し、特許技術のクリープ機能やIoTを活用した稼働監視・集計機能等について、多くの方々より好評を得ることができました。

引続き様々なお客様のニーズに応えられる製品の提供に努めてまいります。

なお、機械装置部門に係る研究開発費は、292百万円であります。

 

(2)高圧ガス

 高圧ガス部門では、㈱小池メディカルが中心となって医療機器の開発を行っております。当連結会計年度においては、高気圧酸素治療用多項目モニタ装置を中心に開発活動に取り組んでおります。

 なお、高圧ガス部門に係る研究開発費は、43百万円であります。