文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、「顧客本位」「効率経営」「社会貢献」を企業理念に掲げております。
すなわち、常に顧客を第一に考えて事業活動を進めることにより、顧客から高い信頼を得られるよう努力いたしてお
ります。また、顧客に最高品質の製品を提供するよう努める一方で、適正利潤を確保するために原価低減をはかり、品
質と利潤のバランスを取りながら効率よく事業活動を進めるよう心がけております。そして、これらの事業活動を通じ
て社会に貢献することにより、当社が社会から必要とされる存在となるよう努力いたしております。
以上の企業理念と当社の現状を踏まえ、「変革」「信頼」「迅速」を行動指針として事業活動を進めております。
(2) 目標とする経営指標
当社は、中長期的に安定した配当を可能とする利益の確保に取り組んでおります。このため、目標とする経営指標につきましても、営業利益、当期純利益を重視しております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社では、安定して利益がでる会社への変革を目指し、2018年度から2020年度までの第5次中期経営計画を策定いたしました。
第5次中期経営計画の概要は以下のとおりであります。
基本戦略
方 針 稼ぐ力のバランスのとれた事業構成への転換
重要課題 成長戦略の実現と低収益事業の立て直し
事業戦略
重要課題 事業戦略
成長戦略の実現 → 経営資源集中
低収益事業の立て直し → 事業構造改革推進
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製品区分 |
市場区分 |
戦略・方針 |
課題への対応 |
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酸 化 チ タ ン |
汎用品 |
改革 |
再 構 築 |
採算性を重視し顔料級は終売 |
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酸 化 チ タ ン機 能 製 品 |
トナー |
集中 |
優 位 性 維 持 |
研究開発力強化で優位性を維持 |
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化粧品 |
集中 |
成 長 加 速 |
市場拡大にあわせて能力増強 |
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電 池 |
改革 |
採 算 性 改 善 |
価格是正やコスト構造改革で採算性改善 |
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酸 化 鉄 |
汎用品 |
改革 |
黒 字 安 定 化 |
一定規模の市場で安定した利益を確保 |
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化粧品 |
集中 |
増 産 拡 販 |
技術優位と生産力を生かし積極拡販 |
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表中の戦略・方針の集中は経営資源集中、改革は事業構造改革推進の省略表記
特定の事業にぶら下がった収益体質から、稼ぐ力のバランスのとれた事業構成への転換をはかり、安定して利益が出る会社への変革を目指します。
具体的には、当社の強みが生かせ、かつ、成長が見込める事業については、設備投資や研究開発投資など経営資源の集中化を推し進め、一方、収益性が低い事業については、その将来性等に検討を加え、販売の大幅縮小やコスト構造の抜本的改革に取り組むなど、会社全体の収益力を強化するとともに新たな基盤作りを推進いたします。
顧客から頼りにされる会社、社員には努力が報われる会社となって、コーポレートガバナンスのさらなる充実化、企業価値の向上をはかり、株主還元を拡充させてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営計画のリスクについて
当社は、経営計画の推進や、様々な経営戦略を実施するなど、新規事業の育成に努めております。しかしながら、新規製品の事業化が計画通りに進まなかった場合、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(2)製品在庫のリスクについて
当社の製品在庫につきましては、効率的な生産・販売を実現するための標準在庫量の管理と適切な原価計算及び在庫評価ルールに基づいて対応しておりますが、今後、事業環境が急転するなどした場合、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(3)固定資産の減損のリスクについて
当社が保有する固定資産につきましては、「固定資産の減損に係る会計基準」を適用しております。今後、事業環境が急転するなどした場合、収益性の低下、時価の下落、設備等の遊休化などに伴って減損損失を計上することもあり、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(4)株式相場の変動のリスクについて
当社が保有する有価証券の多くは上場株式であるため、株式相場の動向により、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(5)原燃料価格の変動のリスクについて
当社が購入する原燃料において市況の影響を受けるものが一部あります。原価低減活動等により影響額を吸収するなど適宜対応を行っておりますが、場合によっては当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(6)為替の変動のリスクについて
当社は、製品の一部を輸出し、購入する原燃料の一部について輸入を行っております。また、海外関連会社との取引もあります。これらは為替変動の影響を少なからず受けるものであり、急激な為替の変動が生じた場合、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(7)金利の変動のリスクについて
当社は、設備投資のための資金等の大部分を銀行からの借入れにより調達しており、今後、金利の大幅な変動がある場合、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(8)中国での合弁事業のリスクについて
当社は、中国における化合繊向け酸化チタンの事業につきまして、中国国内に設立した日中合弁会社による現地での生産・販売を行っております。当社は同社との連携を密にし、現地の動向等については随時掌握し、適切に対応していく方針でありますが、現地の法的規制や経済環境等で予測不能な事態が生じた場合に、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(9)研究開発のリスクについて
当社は、これまで培った技術と情報の蓄積を活かし、新技術・新製品等の研究開発に努めております。しかしながら、これらの開発や市場への展開が進まなかった場合、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(10)訴訟のリスクについて
当社は、法令遵守に努めておりますが、多岐にわたる事業活動においては常に訴訟の対象となるリスクが存在しているものと考えております。提起された訴訟の内容、当社の対応方針、訴訟の結果によっては当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(11)災害等のリスクについて
火災爆発等の事故や風水害、地震等の自然災害による損害を食い止めるため、設備の点検、安全・消火設備の充実、各種保安活動、訓練等を行っております。しかしながら、これらの事故災害を完全に防止する保証はなく、被災した場合、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(12)環境規制のリスクについて
当社は、製造の過程で大量の資源とエネルギーを消費することから、環境に少なからぬ影響を及ぼしております。環境への負荷の低減などに鋭意取り組んでおりますが、環境関連規制の強化等によっては、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(13)製造物責任のリスクについて
当社は、製品の品質について万全の体制を整えて取り組んでおりますが、予期し得ない事情により製造物責任が発生する可能性が皆無ではなく、この場合、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(14)売上債権のリスクについて
当社は、主として特約店を通じた販売活動を進め、売上債権の保全と与信体制の強化を推進しておりますが、販売先の経営悪化や破綻等により債権回収に支障をきたすこともあり、この場合、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(15)その他事業環境等の変動リスクについて
当社は、上記以外の項目に関しても偶発事象に起因する事業環境等の変動リスクを負っており、その変動によっては、当社の財政状態や経営成績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、米中貿易摩擦の深刻化などの先行き不透明な状況はありましたものの、政府による経済政策や日本銀行の金融緩和策及び堅調な米国経済を背景に、緩やかな回復が続きました。
このような情勢のもとで、当社は、3カ年の第5次中期経営計画(2019年3月期~2021年3月期)に基づき、当社の強みが生かせ、かつ、成長が見込める事業については、設備投資や研究開発投資など経営資源の集中化を推し進め、一方、収益性が低い事業については、その将来性等に検討を加え、販売の大幅縮小やコスト構造の抜本的改革に取り組むなど、会社全体の収益力を強化するとともに新たな基盤作りを推進してまいりました。
その結果、酸化チタン機能製品及び酸化鉄の出荷数量が大幅に増加いたしましたので、当事業年度の売上高は、前事業年度を大幅に上回る8,213百万円(前事業年度比25.6%増)となりました。
一方、損益面につきましては、原燃料価格の高騰はありましたものの、売上高の大幅な増加及び設備稼働率の上昇などにより、営業利益は563百万円(前事業年度比651.8%増)、経常利益は541百万円(前事業年度比717.9%増)、当期純利益は560百万円(前事業年度比268.9%増)となりました。
セグメント別の概況は、次のとおりであります。
(酸化チタン関連事業)
酸化チタンにつきましては、輸出の増加などにより、出荷数量が増加いたしました。酸化チタン機能製品につきましては、UVカット化粧品向け及びトナー向け新製品の採用並びに自動車搭載用等電池向け製品が好調に推移したことなどにより、出荷数量が大幅に増加いたしました。
以上の結果、当セグメントの売上高は5,893百万円(前事業年度比32.4%増)となり、原燃料価格の高騰はありましたものの、売上高の大幅な増加及び設備稼働率の上昇などにより、営業利益は479百万円(前事業年度比911.5%増)となりました。
(酸化鉄関連事業)
酸化鉄につきましては、汎用品向け既存製品の需要の減少はありましたものの、化粧品向け新製品が好調に推移いたしましたので、出荷数量が増加いたしました。
以上の結果、当セグメントの売上高は2,273百万円(前事業年度比11.6%増)となり、原燃料価格の高騰はありましたものの、売上高の増加及び設備稼働率の上昇などにより、営業利益は72百万円(前事業年度比685.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)につきましては、税引前当期純利益の計上、減価償却費、仕入債務の増加、長期借入れによる収入などの資金増があったものの、売上債権の増加、たな卸資産の増加、有形固定資産の取得による支出、長期借入金の返済による支出などの資金減によりまして、前事業年度末に比べて6百万円減少し、当事業年度末の残高は942百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは△456百万円(前事業年度809百万円)となりました。これは、減価償却費(581百万円)、仕入債務の増加(484百万円)などの資金増があったものの、売上債権の増加(△949百万円)、たな卸資産の増加(△970百万円)などの資金減によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは△456百万円(前事業年度305百万円)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出(△456百万円)などの資金減によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは906百万円(前事業年度△486百万円)となりました。これは、長期借入金の返済による支出などの資金減があったものの、長期借入れによる収入(1,400百万円)などの資金増によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期比増減(%) |
|
酸化チタン関連事業 |
6,222 |
40.2 |
|
酸化鉄関連事業 |
2,250 |
12.5 |
|
その他 |
20 |
59.0 |
|
合計 |
8,493 |
31.7 |
(注)1 金額は期中平均販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
2 当社は生産に関し外注は行っておりません。
b.受注実績
当社は受注生産は行っておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
対前期比増減(%) |
|
酸化チタン関連事業 |
5,893 |
32.4 |
|
酸化鉄関連事業 |
2,273 |
11.6 |
|
その他 |
47 |
△8.9 |
|
合計 |
8,213 |
25.6 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
|
相手先 |
前事業年度 |
当事業年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
稲畑産業株式会社 |
2,085 |
31.9 |
2,187 |
26.6 |
|
東芝インフラシステムズ株式会社 |
597 |
9.1 |
1,295 |
15.8 |
|
森下産業株式会社 |
887 |
13.6 |
844 |
10.3 |
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者により会計基準の範囲内で見積り計算が行われており、資産及び負債、収益並びに費用にその結果が反映されております。これらの見積りについては継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なることがあります。
②財政状態の分析
資産につきましては、受取手形、売掛金、商品及び製品、原材料及び貯蔵品、建物、機械及び装置などの増加から、当事業年度末13,378百万円と前事業年度末に比べて2,680百万円増加いたしました。
負債につきましては、未払消費税等などの減少があったものの、買掛金、設備関係未払金、長期借入金などの増加から、当事業年度末7,492百万円と前事業年度末に比べて2,225百万円増加いたしました。
純資産につきましては、当期純利益の計上により利益剰余金が増加したことから、当事業年度末5,886百万円と前事業年度末に比べて454百万円増加いたしました。
③経営成績の分析
当事業年度における売上高は8,213百万円(前事業年度比25.6%増)、売上原価は6,545百万円(前事業年度比20.5%増)、販売費及び一般管理費は1,105百万円(前事業年度比7.1%増)、営業利益は563百万円(前事業年度比651.8%増)、経常利益は541百万円(前事業年度比717.9%増)、当期純利益は560百万円(前事業年度比268.9%増)となりました。
④キャッシュ・フローの状況の分析
当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
⑤経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
⑥資本の財源及び資金の流動性についての分析
当事業年度における資本の財源及び資金の流動性につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」 に記載のとおりです。
短期運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした長期資金需要は、主に設備投資によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
当事業年度において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
当社は創業以来、研究開発活動を重視し、格段の努力を傾注してまいりました。
研究開発は研究開発部によって推進され、当該業務には全従業員の約8%にあたる23名が携わっており、主要製品である酸化チタン及び酸化鉄の開発・製造・販売を通して培った技術と情報の蓄積を活かし、既存事業系統にとらわれることなく幅広いテーマに取り組んでおります。
当事業年度における活動内容につきましては、経営方針に基づいて、事業構造の変革と長期的な発展に結びつく新製品の開発に取り組むとともに、既存製品の改良や応用の研究に積極的に取り組んでおります。
具体的には、新製品といたしまして、超微粒子酸化チタン、導電性無機酸化物、無機複合酸化物、電池材料、化粧品用粉体並びに分散体等の研究開発に挑み、着実な成果を上げております。また、既存製品につきましては、顔料用酸化鉄、トナー用酸化鉄等の改良及び応用の研究を行い、逐次採用が決定するなど、製品のライフサイクルに円滑に対応しております。
なお、当事業年度中における研究開発費の総額は
また、研究開発活動につきまして、セグメントごとの把握が実務上困難なため、セグメントごとに記載しておりません。