文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、それぞれの事業において、「即断、即決、即実行」の速く、強く、しなやかな経営を実践し、既成概念にとらわれない強靭な経営体制を築きます。
これを実現するために、適正な利益を確保し、変化を恐れず、常に前向きに挑戦し続ける経営で、ステークホルダーとともに「新しい時代に繁栄する企業」として、社会に貢献していきます。
当社グループでは、平成29年3月期を初年度とする3か年のグループ中期経営計画を始動させています。
当社は平成28年2月に創業100周年を迎え、この3か年は、これからの100年を展望し、その永続的な繁栄に向け、より強固な基盤づくりを進めるための3か年と位置づけています。
これまで培ってきた強みを磨き、積極的に拡大させるとともに、さらなる飛躍に向けての準備を着実に進めてまいります。
本計画の全体骨子は、次のとおりです。
・高純度薬品事業・・・事業の柱として積極拡大
・運輸事業・・・着実な収益基盤の強化
・新規事業・・・メディカル事業の収益化に向けた最終準備
・持続的な成長を支える研究開発促進、経営基盤強化
当社グループは、企業価値の向上を目指すにあたり、収益重視の観点から、売上高営業利益率を経営上の目標の達成状況を判断するための指標としています。
当社グループの主力事業である高純度薬品事業において、その動向が影響を及ぼす市場として、半導体液晶部門に関わる半導体市場、電池部門に関わるリチウムイオン電池市場があげられます。
半導体市場においては、電子機器全般における半導体需要の拡大、特にメモリ市場の大幅な拡大を背景に、成長を持続しています。地域別では、はじめて韓国が最大市場となり台湾、中国がそれに続く見込みとの予測も見られます。市場の成長に伴い、当社グループの半導体用高純度薬液は、平成30年3月期において、過去最高の出荷量を達成いたしました。
NAND型フラッシュメモリーに目を向けますと、現在は64層が主流のところ、各メーカーでは120層まで視野に入れた開発を進めており、積層数が増えた場合、当社の高純度薬液による洗浄も増えるため、使用量がさらに増加することが期待されます。
また、半導体の世界では極限まで微細化が進み、その製造工程で使用される当社製品も、より高い品質を維持することが求められています。このような現状から、さらなる半導体素子の微細化に対応するため、より小さな粒径の粒子を保証すべく、技術開発を進めています。
リチウムイオン電池市場については、リチウムイオン二次電池の車載用途やインフラ用途への採用が拡大し、エネルギー消費削減、CO2排出量削減、大気汚染防止などを目的に、世界各国でその普及を後押しする政策が次々と打ち出されています。環境規制を先導してきた欧州各国では、一定の時期からガソリン車およびディーゼル車の販売を禁止する方針が発表され、また、中国でも、2019年に一定量の電気自動車などの販売を義務づける規則を導入することが発表されるなど、リチウムイオン二次電池のさらなる需要の拡大が見込まれています。
以上の環境も踏まえ、当社グループは、持続的成長、中期経営計画目標達成を実現するために、次の課題に取り組み、さらなるグループ企業価値向上を目指してまいります。
当社グループは、市場で高いシェアを占める半導体用高純度薬液において、品質面での競争力を維持・強化し、最先端の半導体メーカーの要求に応えてまいります。また、韓国、台湾、中国のアジア圏を中心に拡大する需要に応じた生産能力の増強を計画的に実行し、安定供給体制を強みに当社の販売量を増加させ、シェアの維持・拡大を図ります。
市場が急拡大している電池部門では、中国での電解質生産拠点の本格稼働により、ユーザー要望に応える体制を強化してまいります。電池の性能を向上させる添加剤についても、顧客ニーズにあわせた設備投資を進め、また新規添加剤の開発も継続し、さらなる収益拡大を目指します。
一方、主原料である無水フッ酸が中国市場における深刻な供給不足により市場価格が急騰し、調達価格が過去最高水準で推移している状況においては、製品価格転嫁等により、収益力を向上させていくことが重要な経営課題と認識しております。
運輸事業においては、これまで培ってきた危険物物流の強みをさらに磨き、また倉庫業の拡充にも取り組み、顧客満足度向上を第一に、着実に業績を伸ばすことに注力いたします。
当社グループは、主力事業の成長拡大とともに新規事業への参入を図り、収益力の強化、多角化に取り組んでいます。従来のフッ素化学メーカーとしての枠組みを超えたメディカル事業では、ステラファーマ株式会社において、がんに対する新しい治療法として期待されるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に用いるホウ素薬剤SPM-011の開発を進め、BNCT用加速器照射システムを用いた世界初の治験が、悪性度の高い再発脳腫瘍と頭頸部がんを対象として進行中です。悪性度の高い再発脳腫瘍の第Ⅱ相臨床試験では、予定している被験者数に対して95%を超える例数のBNCT照射を完了し(平成30年4月末時点)、頭頸部がんの第Ⅱ相臨床試験では、試験で予定している被験者数に対して全例数のBNCT照射を完了しています(平成30年2月末時点)。ホウ素薬剤SPM-011が医薬品として先駆け審査指定制度の対象品目に指定されたことも受け、引き続き、海外展開も視野に入れた早期事業化に取り組んでまいります。
高純度薬品事業における研究開発部門では、次世代パワー半導体デバイスに対応する薬液開発や、次世代エネルギーデバイスをターゲットとした材料の先駆的研究開発を継続し、事業ポジションの維持・向上を図ります。さらに、新規用途、新規技術分野の研究開発により、新たな領域を開拓いたします。
また、今後の持続的な成長に向けて、経営情報機能の強化、業務効率・処理精度の向上、システム関連リスクの低減等を目的に、販売・生産・原価システムの刷新を図っています。
事業の推進には優秀な人材の確保が不可欠であり、人材の獲得、育成を重要課題と捉え注力していく方針です。また、コーポレートガバナンス強化、保安管理強化、財務体質の強化等の課題に取り組み、より堅固な経営基盤を築いてまいります。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しています。必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資判断上重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示します。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存です。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、以下の記載事項は、当社の事業等に関するリスクを全て網羅したものではないことにご留意ください。
当社グループの売上高において、高純度薬品事業の半導体液晶関連の占める割合が高く(46.6%)、得意先である電子・電気・通信機器業界の半導体需要ならびに設備投資動向等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの原材料等の一部は、中国等に在る特定の供給源に依存しており、その供給が逼迫した場合や、供給が中断した場合には、原材料等の価格が上昇したり、製造に遅れが生じたりすることにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの原材料等の一部を、海外からの輸入品により調達しており、代金決済を外貨建てで行っているため、為替相場の変動が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、メディカル事業等の新規事業を立ち上げておりますが、事業開始当初は、費用が収益に先行して発生する場合があります。また、その後の事業環境の変化等様々な要因により、これらの事業が計画どおりに進捗しない場合もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、広範囲にわたる顧客ニーズに応え、企業の持続的成長を支えるため、各事業において、長期的な視点で継続的に資源を投入し、既存製品の改良や、新規製品の開発など研究開発活動を行っております。しかし、これらの研究開発の結果が目標と大きく乖離し、期待どおりの成果が得られない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、フッ化物製造事業を中心に、シンガポール、中国、韓国に事業展開していますが、各国において以下のようなリスクがあります。そのため、これらの事象が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
a) 予期しえない法律・規制・不利な影響を及ぼす租税制度の変更
b) 不利な政治的要因の発生
c) テロ、戦争等による社会的混乱
当社グループは、生産活動の中断により生じる影響を最小限に抑えるため、日常的な製造設備の保守点検、安全防災設備・機器の導入、安全防災訓練やマニュアルづくり等、安全確保に努めていますが、突発的な災害発生や不慮の事故発生により、生産活動が停止した場合、直ちに代替生産できない製品もあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、主力事業として化学物質を扱っているため、環境に関する法律や、各種業法にかかる許認可、届出、登録等の法規制を受けています。また、一部製品は、輸出の際に「外国為替及び外国貿易法」等、安全保障貿易管理制度に基づく規制を受けています。これらの法令の改定は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内外の法令順守に努めていますが、広範な事業活動を行う中、訴訟、その他の法律的手続の対象となるリスクがあり、重要な訴訟等の提起を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、製品の特性に応じた最適な品質の確保に全力を挙げて取り組んでいますが、予期せぬ事態により品質問題が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、独自に開発した技術等について、特許権その他の知的財産権を取得するなど保護に努めていますが、第三者による技術の不正流用を防止できない可能性があり、また他社の保有する知的財産権の使用を必要とする場合に、相手方と交渉が成立しない場合など、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の業績におきまして、活況な半導体市場を背景に半導体液晶部門の販売が増加したことにより、売上高は336億22百万円(前期比12.6%増)となりました。
営業利益については、売上高が前期比で増加したものの、主原料である無水フッ酸が中国における環境規制の高まり等を背景とした供給不足により市場価格が急騰し、利益を大きく圧迫する要因となったため、23億69百万円(同45.8%減)となりました。
経常利益については、営業外費用において、原材料購入に充てる外貨の調達を目的に取り組んでいるデリバティブ取引に関し、期末に向けて為替相場が円高に進行し、デリバティブ評価損1億86百万円を計上したこと等により17億56百万円(同57.7%減)となりました。
税金等調整前当期純利益については、特別利益において中国の合弁会社へリチウムイオン二次電池用電解質の製造設備を売却したこと等により固定資産売却益を2億85百万円計上した一方で、特別損失において前連結会計年度と同様、主要工場における製造設備の配置最適化を目的に老朽設備の撤去を実施したこと等により固定資産廃棄損を2億6百万円計上したため18億3百万円(同52.7%減)となりました。
その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は12億74百万円(同54.9%減)となりました。
当社グループは中期経営計画において、売上高営業利益率を経営上の目標状況を達成するための客観的な指標として掲げております。当連結会計年度については、数値目標として11.0%の売上高営業利益率を設定しておりましたが、実績においては、売上高は半導体液晶部門が過去最高の販売金額を記録し、計画値を大きく上回ったものの、主原料の無水フッ酸価格の急騰により原材料費が増大したため、7.0%に留まりました。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2事業等のリスク」に記載しておりますが、当連結会計年度においては、高純度薬品事業における主原料であり、中国より調達を行っている無水フッ酸価格が中国市場における深刻な供給不足により過去最高値まで急騰し、原材料費の大幅な上昇を引き起こすこととなったため経営成績に重大な影響を及ぼす結果となりました。この度の上昇については企業努力で吸収できる範囲を超えているため、販売価格への適切な転嫁を図ってまいります。
セグメントごとの経営業績は、次のとおりです。
高純度薬品事業につきましては、半導体液晶部門において、前連結会計年度と比較して出荷量が大幅に増加した結果、売上高は291億45百万円(前期比14.3%増)となりました。
利益面では、主原料である無水フッ酸価格が急騰し過去最高値に達するなど売上原価が大きく上昇したため、営業利益は25億円(同43.5%減)となりました。
なお、主要な部門別の売上高については次のとおりです。
半導体液晶部門においては、スマートフォンやデータセンター向けの需要の高まり等により、活況な半導体メモリ市場を背景に国内外ともに出荷量が大幅に増加した結果、売上高は156億62百万円(同27.2%増)となりました。
電池部門においては、リチウムイオン二次電池の車載向け市場が拡大していることを受け、電解質、添加剤ともに出荷が堅調に推移した結果、売上高は50億69百万円(同0.1%減)となりました。
運輸事業につきましては、運送関連等の取扱量が前期を上回った結果、売上高は42億69百万円(前期比3.0%増)となりました。
利益面では、軽油価格の上昇など運送コストは増加したものの、売上高の増加により、営業利益は7億79百万円(同11.6%増)となりました。
メディカル事業につきましては、次世代のがん治療であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の治験を進めており、前連結会計年度に引き続き治験における第Ⅱ相試験の実施を含めた先行投資費用が発生した結果、営業損失は9億60百万円(前期は7億92百万円の営業損失)となりました。
その他事業につきましては、保険代理業収入等が前期を上回った結果、売上高は2億7百万円(前期比1.5%増)、営業利益は34百万円(同11.8%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
前年同期比(%) |
|
高純度薬品(百万円) |
27,246 |
114.8 |
|
運輸(百万円) |
- |
- |
|
メディカル(百万円) |
- |
- |
|
報告セグメント計(百万円) |
27,246 |
114.8 |
|
その他(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
27,246 |
114.8 |
(注) 1.金額は販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
② 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
前年同期比(%) |
|
高純度薬品(百万円) |
2,016 |
89.0 |
|
運輸(百万円) |
24 |
156.8 |
|
メディカル(百万円) |
- |
- |
|
報告セグメント計(百万円) |
2,041 |
89.5 |
|
その他(百万円) |
49 |
107.8 |
|
合計(百万円) |
2,091 |
89.9 |
(注) 1.金額は仕入価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
③ 受注状況
主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 |
前年同期比(%) |
|
|
高純度薬品 |
|
|
|
|
|
表面処理(百万円) |
1,956 |
96.2 |
|
|
代替フロン(百万円) |
2,546 |
103.4 |
|
|
半導体液晶関連(百万円) |
15,662 |
127.2 |
|
|
半導体装置関連(百万円) |
693 |
131.3 |
|
|
電池(百万円) |
5,069 |
99.9 |
|
|
反応触媒(百万円) |
919 |
107.6 |
|
|
土壌改良剤(百万円) |
72 |
76.9 |
|
|
その他(百万円) |
1,267 |
94.4 |
|
|
小計(百万円) |
28,186 |
114.1 |
|
|
商品(百万円) |
958 |
119.4 |
|
|
合計(百万円) |
29,145 |
114.3 |
|
運輸(百万円) |
4,269 |
103.0 |
|
|
メディカル(百万円) |
- |
- |
|
|
報告セグメント計(百万円) |
33,414 |
112.7 |
|
|
その他(百万円) |
207 |
101.5 |
|
|
合計(百万円) |
33,622 |
112.6 |
|
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
丸善薬品産業株式会社 |
5,126 |
17.2 |
6,544 |
19.5 |
|
三菱ケミカル株式会社 |
4,635 |
15.5 |
5,159 |
15.3 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度末の総資産合計は513億88百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億93百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金が減少したことによるものです。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
①高純度薬品
高純度薬品事業につきましては、当連結会計年度末の総資産は、382億22百万円となり、前連結会計年度と比べ13億61百万円減少しました。主な要因は、営業活動によるキャッシュ・フローの収入減少に加え投資活動および財務活動によるキャッシュ・フローの支出増加により現金及び預金が減少したことによるものです。
②運輸
運輸部門につきましては、当連結会計年度末の総資産は、89億97百万円となり、前連結会計年度末と比べ5億60百万円増加しました。主な要因は、車両の購入等により有形固定資産が増加したことによるものです。
③メディカル
メディカル部門につきましては、当連結会計年度末の総資産は、42億64百万円となり、前連結会計年度末と比べ3億81百万円増加しました。主な要因は、投資その他の資産の増加によるものです。
④その他
その他事業につきましては、当連結会計年度末の総資産は、1億73百万円となり、前連結会計年度末と比べ18百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金の減少によるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、189億2百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億61百万円減少しました。主な要因は、前連結会計年度に発行した新株予約権付社債ついて、当連結会計年度末までに全ての新株予約権が行使され、資本への転換がなされたことおよび借入金の返済によるものです。
当連結会計年度末の純資産合計は、324億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ29億68百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金の増加に加え、新株予約権の行使により資本金および資本準備金が増加したことによるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて52億38百万円減少し、当連結会計年度末は89億30百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は9億37百万円(前期比44億3百万円収入減少)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益が18億3百万円、減価償却費が33億44百万円の収入、売上債権が18億45百万円の増加、たな卸資産が14億27百万円の増加などです。売上債権の増加については、主に販売の増加および3月末日が金融機関の休業日であったため入金が翌月へ繰り越されたことによるものであり、たな卸資産の増加については、主に原材料価格の上昇や販売増加にともない必要な在庫を積み増したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、46億73百万円(同28億58百万円支出増加)となりました。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出33億39百万円、定期預金の預入による支出20億59百万円などです。有形固定資産の支出については、前連結会計年度と比べ17億95百万円の支出増加となっておりますが、半導体液晶部門の生産設備の更新、製品運搬用のコンテナの購入およびリチウムイオン二次電池用添加剤の設備増強など出荷量の増加に対応した設備投資を実施したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は14億円(前期は5億31百万円の収入)となりました。
主な内訳は、短期借入金が4億64百万円の減少、配当金の支払5億57百万円などです。
借入金については、今後、事業拡大を見据えた積極的な設備投資を可能とするため、当連結会計年度においては、短期借入金と長期借入金合わせて11億13百万円の圧縮を行いました。
当社グループの資本の財源および資金の流動性について、当社グループは事業活動を遂行するための適切な資金確保および健全な財務体質を維持することを目指し、安定的な資金調達手段の確保に努めています。成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資・投融資資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フローと金融機関からの借入により調達しています。
資金の流動性については、事業規模に応じた適正な手元資金の水準を維持するとともに金融上のリスクに対応するため主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結することにより手元流動性を確保しています。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は89億30百万円であり、金融機関との間で総額30億円のコミットメントライン契約を締結しています。本契約に基づくコミットメントラインに対し、当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
該当事項はありません。
当社グループにおいては、主に高純度薬品事業およびメディカル事業において研究開発活動を行っています。研究開発活動の基本方針はフッ化物業界という特異な分野でありながら、多様化、高度化し、広範囲にわたる顧客ニーズに応える製品を研究開発し提供することです。
この目的達成のため次の事項を主眼として開発のスピードアップを図り、顧客ニーズ、時期に合致するよう努力しています。
(1) 積極的な研究開発姿勢
(2) 高純度製品の開発
(3) 高品質製品の開発
(4) 機能性・高付加価値製品の開発
(5) 顧客ニーズに合致した製品の開発
(6) 低コスト製品の開発
(7) 高度先進技術への対応
研究開発スタッフは、グループ全員で66名にのぼり、これは総従業員の約8%に当たります。
当連結会計年度における各セグメント別の主な研究内容および研究開発費は次のとおりです。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は14億84百万円です。
主として半導体やLCDの製造に使われる薬液や材料、半導体製造装置に使われる材料、リチウムイオン電池などの蓄電デバイスに使われる材料などを中心とした研究開発活動を行っています。最近は、フッ素化合物のナノテクノロジーへの応用、自動車へ搭載されるリチウムイオン二次電池を高性能化する添加剤の開発、燃料電池を高性能化する材料の研究、高精細LCDやマイクロLEDディスプレイなどに用いられる演色性の高いLED用蛍光体の開発など、研究テーマ毎にグループを形成して研究開発活動に従事しています。
当連結会計年度における研究開発費の総額(人件費を含む)は5億18百万円です。
主として自社で保有するホウ素濃縮技術を活用した新たながん治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)で用いる医薬品の開発に取り組んでいます。グループ会社であるステラファーマ株式会社では、BNCT用ホウ素薬剤(開発コード:SPM-011)の治験が、再発悪性神経膠腫(悪性度の高い再発脳腫瘍)と頭頸部がんを対象として進行中です。同薬剤は、厚生労働省から「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定を受けています。
なお、その他研究開発テーマとして、陽電子放射断層撮影(PET)によるがんの検査技術の開発も開始しており、大阪府立大学により平成28年度から開始された、AMED次世代がん医療創生研究事業の採択課題「革新的PETプローブ分子18FBPAの効率的合成法の開発とがん特異的集積能の検証評価」にステラファーマ株式会社が参画しています。
当連結会計年度における研究開発費の総額(人件費を含む)は9億66百万円です。