文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、それぞれの事業において、「即断、即決、即実行」の速く、強く、しなやかな経営を実践し、既成概念にとらわれない強靭な経営体制を築きます。
これを実現するために、適正な利益を確保し、変化を恐れず、常に前向きに挑戦し続ける経営で、ステークホルダーとともに「新しい時代に繁栄する企業」として、社会に貢献していきます。
当社グループでは、2020年3月期を初年度とする3か年の第2次中期経営計画を策定しています。第2次中期経営計画では、成長市場への投資、独自技術を活かした新商品の開発等により事業拡大を図り、これを支える経営基盤の強化に取り組みます。
また、将来にわたる持続的成長に向けて、当社の強みである技術力を軸に、研究開発と人材への投資を通じ、中核事業の競争力のさらなる強化、次世代事業の育成に取り組み、事業ポートフォリオの安定化、拡充化を図ってまいります。
当社グループは、企業価値の向上を目指すにあたり、収益重視の観点から、売上高・営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための指標としています。
今後のわが国経済の見通しに関しましては、雇用・所得環境の改善が続く中で、緩やかに回復していくことが期待されてまいりましたが、世界規模での新型コロナウイルス感染症の拡大により、国内外において急激な経済の減速が生じており、その影響については計り知れず、予測が困難な状況にあります。
当社グループの高純度薬品事業を取り巻く環境として、半導体液晶部門に関わる半導体市場につきましては、2019年は実需面の減退や米中貿易摩擦などの影響により、市場の低迷が見られました。これに加え当社におきましては、韓国向け輸出管理の運用の見直しによる影響は避けられず、当社グループの販売網を支える運輸事業とともに、厳しい事業環境が継続いたしました。また、5Gの本格的な普及やデータセンター関連投資の回復などへの期待から、回復基調になると予測されていた2020年の市場動向に対しても、前述のとおり新型コロナウイルス感染症の影響により、先行きの不透明感が増しています。
一方、長期的な視野に立ちますと、半導体素子使用量は、自動車1台あたりの使用量やIoTの進展等を背景に、増加していくものと考えられます。また、鉄道や電気自動車、燃料電池自動車等向けには、現在の半導体材料の主流であるシリコンよりも大きな電気が扱え、電力損失が少ない新しい半導体材料を用いたパワー半導体を製造する技術開発も進んでいます。
電池部門に関わるリチウムイオン二次電池市場につきましては、その用途は容量ベースでは電気自動車向けが過半を占めるようになっています。この電気自動車の販売拡大は、中国、欧州、米国が中心となっており、各国独自の環境政策等がその普及を推し進めています。このような背景のもと、リチウムイオン二次電池材料の市場も拡大を続けるものと見込まれていますが、本分野も同様に、今後の世界市場の動向を注視しなければならない状況となっています。
以上の経営環境も踏まえ、当社グループは、次の課題、施策に取り組み、さらなるグループ企業価値向上を目指してまいります。
市場で高いシェアを占める半導体用高純度薬液は、これまで、国内を含むアジア圏を中心に、当社グループ製品の高い品質と安定供給体制を強みとして、優位性を築いてまいりました。韓国向け輸出管理の運用の見直しなどを背景とした事業環境の変化が見られるものの、引き続き、法令遵守を徹底し、既存顧客への供給安定化に努めるとともに、北米・欧州市場に向けての販売戦略の強化にも取り組んでまいります。また中長期的には、市場動向を見極めたうえで、大型設備投資も視野に入れた生産能力増強に取り組み、事業の拡大を図ります。
電池材料につきましては、リチウムイオン二次電池用添加剤において、要求量に応じた生産体制を整えるとともに、価格競争力の向上が求められており、原価低減への取り組みを重要課題としています。これらの取り組みを継続し、収益力の維持・向上に努めてまいります。
また、その他分野におきましても、歯磨き粉用途のフッ化スズや、原子力発電所向けの濃縮ホウ酸などの販売拡大に努め、収益向上を図ってまいります。
そして、当社グループの運輸事業では、事業環境の変化に合わせた構造改革にも取り組み、顧客満足度向上を第一に、着実に業績を伸ばすことに注力いたします。
高純度薬品事業における研究開発部門では、次世代パワー半導体やエネルギーデバイスの開発が加速する中、これまで当社が培ってきたノウハウを駆使し、顧客、大学等との連携も推し進め、次世代パワー半導体プロセスに貢献する薬液の開発や、デバイス材料の開発に取り組みます。またその他、営業部門と協力し、高機能フッ素化合物の新用途開拓にも注力してまいります。そして、これらを支える環境整備として、新研究開発棟の建設準備に着手しており、最適かつ効率的な研究開発環境を整え、当社の技術力を軸に、事業ポートフォリオの拡充を目指してまいります。
当社グループのメディカル事業では、当社子会社であるステラファーマ株式会社において、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)用ホウ素薬剤について、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌を効能・効果として製造販売承認を取得いたしました。同社では、製造販売承認を受けたホウ素薬剤の発売に向けた準備を進めるとともに、着実な事業推進に努めてまいります。
急激な変化を続ける事業環境に即応し、企業の持続的発展を成し遂げるべく、管理部門では第2次中期経営計画において、組織運営の仕組み・制度の充実、人材への投資、システム開発の推進と情報セキュリティ向上、キャッシュ・フロー創出力の強化や資本効率の向上、SDGsに向けた取り組みなどを課題として掲げています。引き続き、各課題を着実に実行し、更なる経営基盤の強化を図ってまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響について、当連結会計年度末現在においては大きな影響は生じていないものの、今後の感染拡大状況等による事業環境の変化により、影響が生じる可能性は考えられます。
一方、半導体市場や電池市場等は、長期的にみると、成長市場であると見込んでおり、報告書提出日現在においては計画の大きな方向性の見直しには至っておりませんが、引き続き経済、市場動向を注視し、慎重な検討を継続してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
これらのリスクは必ずしも当社グループの事業等に関するリスクを全て網羅したものではなく、当連結会計年度末現在では想定していないリスクや重要性が低いと考えられるリスクも、当社グループの財政状態や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また当社は、リスクマネジメントの基本方針等を「リスクマネジメント規程」に定め、それに基づき、代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会において、事業を取巻くさまざまなリスクに対して的確な管理を行うことに努めています。
当社グループの原材料等の一部は、中国等に在る特定の供給源に依存しており、その供給が逼迫した場合や、供給が中断した場合には、生産活動の遅れや停止につながり、製品供給に支障が出る可能性があります。当社では調達リスクを軽減するために複数のサプライヤーからの購入、継続的な新規供給源の開発に取り組んでいます。また原材料価格の急騰は、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。速やかな販売価格への転嫁等により影響を極力回避すべく取り組みを行っています。
当社グループの売上高において、高純度薬品事業の半導体液晶関連の占める割合が高く(約5割)、得意先である電子・電気・通信機器業界の半導体需要ならびに設備投資の下降、同業他社との価格競争激化による販売価格の下落等により、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。継続的な製品競争力の強化や他事業分野の製品開発および製品販売の伸張によって影響を回避すべく努めています。
当社グループは、生産活動の中断により生じる影響を最小限に抑えるため、日常的な製造設備の保守点検、安全防災設備・機器の導入、自衛消防組織の確立、安全防災訓練実施やマニュアルづくり等、設備保全、安全確保に努めています。しかし、突発的な自然災害発生や不慮の事故発生により、製造設備の損壊、原材料の調達困難、電力・物流等の社会インフラの機能不全、経済状況悪化に伴う需要動向の変化等が発生し、生産活動を制限あるいは中断した場合には、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。万一の被災時における事業の継続あるいは復旧に備え、事業継続計画を策定し、また保険の付保による損害軽減策、震災型コミットメントライン契約締結による資金調達手法の拡充策等を講じています。
当社グループは、事業活動を行う上で、安全保障貿易管理、商品の品質、安全、環境関連、化学物質関連、また会計基準や税法、労務関連、取引関連等の様々な法規制の適用を受けています。これらの法規制については遵守するよう体制を整備し、社会的良識に沿った企業行動を行っています。現行の法規制の変更や新たな法規制等が追加され要求事項に対応できない場合は、罰則が科されたり訴訟を提起されたりするリスクに加え、当社グループの事業活動が制限され、あるいはその対応のために新たな投資が必要になる等、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの製品は、高度な技術や複雑な技術を利用したものが増えており、また、原材料等を外部の供給者から調達していることにより、品質保証へのコントロールは複雑化しています。当社グループでは、生産、出荷の各段階で当社の品質基準に適合していることを厳密に確認しています。しかし、すべての製品について欠陥がなくPL問題が発生しないという保証は無いため、製造物責任賠償についてはPL保険に加入し、万一の事故に備えていますが、予期せぬ重大な事故や品質面での重大な欠陥が発生した場合には、社会的信用の失墜を招き、顧客に対する補償などによって、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、フッ化物製造事業を中心に、シンガポール、中国、韓国に事業展開していますが、各国において以下のようなリスクがあります。当該リスクに対しては、現地法人や商社を通じての情報収集を行いその回避に努めていますが、これらの事象が発生した場合は、債権回収の遅延・不能や、事業遂行の遅延・不能、需要動向の変化等により、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
a)予期しえない法律・規制・不利な影響を及ぼす租税制度の変更
b)不利な政治的要因の発生
c)テロ、戦争等による社会的混乱
d) 人材確保の困難化、労使関係の悪化
当社グループは、海外への輸出を円貨建てで決済する一方、原材料等の一部を海外からの輸入品により調達しており、その代金決済を外貨建てで行っています。為替予約取引等により為替変動リスクをヘッジする措置を講じているものの、それら外貨に対する円相場の急激な変動が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、独自開発した技術による事業展開を基本として、必要な知的財産権の取得を推進しています。一方、当社グループが事業展開している分野については、第三者の知的財産権を常に調査監視して、第三者の有効な知的財産権は、代替技術の開発又は技術的な回避策を講じることにより使用しない、当該第三者から使用する権利を得るなどの対策をとり、侵害の防止に努めています。現在、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。しかし、知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であり、仮に当社グループが第三者との間の法的紛争に巻き込まれた場合、当該第三者の主張の正当性の有無にかかわらず、解決には多大な時間および費用を要する可能性があり、場合によっては当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業を遂行する上でコンプライアンスの重要性を認識し、法令および社会的ルールの遵守の徹底を図っていますが、取引先や第三者から訴訟等が提起され、又は規制当局より法的手続がとられるリスクを有しています。これらにより、当社グループに対して巨額かつ予想困難な損害賠償の請求がなされた場合又は事業遂行上の制限が加えられた場合、当社グループのイメージ・評判の低下、顧客の流出等を惹起し、財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、メディカル事業等の新規事業を立ち上げていますが、事業開始当初は、費用が収益に先行して発生する場合があります。また、その後の事業環境の変化等様々な要因により、これらの事業が計画どおりに進捗しない場合等、投資に見合う収益を得られず当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。PDCAサイクルによりリスクの低減に努め、企業価値の向上につながるよう取り組んでまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症について、当連結会計年度末現在においては当社グループ各拠点における生産、販売体制に大きな影響はなく、業績への影響も軽微にとどまっていますが、感染拡大により、市況の減退に伴う当社製品の需要減少や、国内外の取引先において生産を停止するなどの状況が発生した場合には、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの従業員に感染者が発生し、一時的に操業停止せざるを得ない状況が発生した場合は、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性がありますが、感染防止のため、国・都府県の指針に基づき、従業員の勤務体制整備や予防対策に最大限努めてまいります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結会計年度の業績におきましては、半導体市場が活況であった前連結会計年度に比べ、米中貿易摩擦や韓国向け輸出管理の運用の見直しなどを背景に半導体液晶部門の輸出販売が減少したことにより、売上高は337億29百万円(前期比12.1%減)となりました。
利益面におきましては、主要原材料の無水フッ酸価格が中国市場の需給等の影響により、前連結会計年度に比べ低下したものの、売上高減少の影響により、営業利益は24億7百万円(同31.7%減)となりました。また、原材料購入における為替リスクのヘッジを目的として取り組んでいるデリバティブ取引について、前連結会計年度末に計上したデリバティブ評価益3億5百万円が、当連結会計年度末では3百万円と縮小したことにより、経常利益は23億7百万円(同39.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は19億24百万円(同18.2%減)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大について、当連結会計年度末現在の当社グループ各拠点における生産、販売体制に大きな影響はなく、当連結会計年度における業績への影響も軽微に留まっています。
当社グループは第2次中期経営計画を策定しており、売上高・営業利益を経営上の目標を達成するための客観的な指標として掲げています。当連結会計年度においては、高純度薬品事業について米中貿易摩擦や韓国向け輸出管理の運用の見直し等の影響により、半導体液晶部門の出荷量が減少し、電池部門においてもリチウムイオン二次電池用電解質の出荷量減少やリチウムイオン二次電池用添加剤の販売単価低下等の影響により、売上高が当初計画を下回りました。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2事業等のリスク」に記載しています法的規制リスクにおいて、韓国向け輸出管理の運用の見直しの影響により高純度薬品事業における半導体液晶部門の出荷量が減少し、当連結会計年度の売上高および利益が前年同期比で減少する結果となりました。このような事業環境の変化に対応し、以前より進めているアジア、北米、欧州など他地域への販売拡大への取り組みを一段と強化し、グローバルな面での供給体制・販売体制の改善を進め、事業リスクの軽減に努めてまいります。
セグメントごとの経営業績は、次のとおりです。
高純度薬品事業につきましては、前連結会計年度と比較して米中貿易摩擦や韓国向け輸出管理の運用の見直しなどを背景に半導体液晶部門の輸出販売が減少し、また電池部門では、リチウムイオン二次電池用電解質の出荷量減少に加え、リチウムイオン二次電池用添加剤の販売価格が低下したことにより売上高が減少しました。一方で、歯磨き粉用途のフッ化スズや、原子力発電所向けの濃縮ホウ酸の出荷が増加するなど、その他分野において販売が拡大している製品があるものの、結果として売上高は290億58百万円(前期比14.0%減)となりました。
利益面では、主要原材料の無水フッ酸価格が前連結会計年度に比べ低下したものの、売上高減少の影響が大きく、営業利益は28億97百万円(同23.4%減)となりました。
なお、主要な部門別の売上高については次のとおりです。
半導体用の高純度フッ化物について主に韓国向けの出荷量が減少した結果、売上高は156億87百万円(同21.9%減)となりました。
リチウムイオン二次電池用電解質の出荷量減少およびリチウムイオン二次電池用添加剤の販売単価が低下した結果、売上高は25億76百万円(同29.0%減)となりました。
運輸事業につきましては、運送関連等の取扱量が前連結会計年度を上回った結果、売上高は44億29百万円(前期比1.1%増)となりました。
利益面では、韓国向けの取扱量減少および減価償却費の増加等により、営業利益は5億2百万円(同30.9%減)となりました。
メディカル事業につきましては、がん治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)用ホウ素薬剤について、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頚部癌を効能・効果として製造販売承認を取得いたしました。費用面では、製造販売承認に伴う申請費用およびBNCTに係る研究開発費を計上した結果、営業損失は10億35百万円(前期は10億51百万円の営業損失)となりました。
その他事業につきましては、保険代理業収入等が前連結会計年度を上回った結果、売上高は2億41百万円(前期比7.0%増)、営業利益は36百万円(同14.2%減)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.金額は販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
② 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.金額は仕入価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
③ 受注状況
主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度末の総資産合計は532億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ22億38百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金、受取手形及び売掛金が減少したことによるものです。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
① 高純度薬品
高純度薬品事業につきましては、当連結会計年度末の総資産は、414億86百万円となり、前連結会計年度と比べ15億14百万円減少しました。主な要因は、減益に伴う営業活動によるキャッシュ・フローの収入減少および法人税等の支払額が増加したことにより、現金及び預金が減少したことによるものです。
② 運輸
運輸部門につきましては、当連結会計年度末の総資産は、94億76百万円となり、前連結会計年度末と比べ2億24百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が増加したことによるものです。
③ メディカル
メディカル部門につきましては、当連結会計年度末の総資産は、22億52百万円となり、前連結会計年度末と比べ10億34百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金が減少したことによるものです。
④ その他
その他事業につきましては、当連結会計年度末の総資産は、2億37百万円となり、前連結会計年度末と比べ30百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が増加したことによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、184億87百万円となり、前連結会計年度末に比べ30億48百万円減少しました。主な要因は、税金等調整前当期純利益減少に伴う未払法人税等の減少および支払手形及び買掛金が減少したことによるものです。
当連結会計年度末の純資産合計は、347億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億10百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が増加したことによるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて11億33百万円増加し、当連結会計年度末は132億91百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は50億36百万円(前期比23億9百万円収入減少)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益22億40百万円、減価償却費32億36百万円、売上債権の減少14億90百万円、仕入債務の減少8億24百万円、未払消費税等の減少1億66百万円、法人税等の支払額18億23百万円などです。売上債権および仕入債務の減少の主な要因については、「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績 セグメント別経営業績 ①高純度薬品」に記載のとおりです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、31億73百万円(同3億58百万円支出減少)となりました。
主な内訳は、定期預金の払戻による収入20億34百万円、有形固定資産の取得による支出45億47百万円、無形固定資産の取得による支出1億1百万円などです。有形固定資産の取得による支出については、前連結会計年度に引き続き高純度薬品事業に係る半導体液晶部門の生産設備の更新、リチウムイオン二次電池用添加剤の設備増強、また運輸事業における製品運搬用コンテナ等の購入等の設備投資を実施したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は7億15百万円(同3億93百万円支出増加)となりました。
主な内訳は、長期借入れによる収入39億円、長期借入金の返済による支出39億66百万円、配当金の支払額6億10百万円などです。借入金については、適切な資金確保および健全な財務体質を維持することを目指し、成長維持に必要な設備投資・投融資資金の調達、適正な手元資金水準を鑑み、当連結会計年度においては、短期借入金と長期借入金合わせて76百万円の減少となりました。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループは事業活動を遂行するための適切な資金確保および健全な財務体質を維持することを目指し、安定的な資金調達手段の確保に努めています。成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資・投融資資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フローと金融機関からの借入により調達しています。
資金の流動性については、事業規模に応じた適正な手元資金の水準を維持するとともに金融上のリスクに対応するため主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結することにより手元流動性を確保しています。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は132億91百万円であり、金融機関との間で総額30億円のコミットメントライン契約を締結しています。本契約に基づくコミットメントラインに対し、当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いていますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りおよび仮定については、連結財務諸表「注記事項(追加情報)」に記載のとおり、当社グループの主力事業である半導体液晶部門では、在宅勤務の広がりに伴うデータセンター向けの半導体需要が増加を見せるなど、最終需要の落ち込みを補うような事業環境の変化も生じており、その影響は限定的であるとの前提の基、以下に記載の繰延税金資産の回収可能性および固定資産の減損の判定における会計上の見積りおよび仮定を決定しています。
① 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の回収可能性が低下した場合に評価性引当額を計上することとしています。評価性引当額の計上に関する必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得および慎重かつ実現性の高い継続的な税務計画を検討しますが、繰延税金資産の一部または全部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を収益として計上します。
② 投資の減損
当社グループは、取引関係維持のために取引先や金融機関の株式を保有しています。これらの株式には、価格変動性の高い公開会社の株式と、株価の決定が困難な非公開会社の株式が含まれています。公開会社の株式への投資の場合、期末における時価が帳簿価額に比べ50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30%以上50%未満下落した場合には、過去2年間にわたり時価が帳簿価額と比較し30%以上50%未満の下落となっている場合は減損処理を行っています。また、非公開会社の株式への投資の場合、実質価額(時価純資産価額)が帳簿価額と比較し50%以上低下した場合には全て減損処理を行っています。ただし、時価のない有価証券のうち、子会社・関連会社株式については、事業計画等により回復可能性が裏付けられる場合、減損処理を行わないこととしています。
将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失または帳簿価額の回収不能が生じた場合、評価損の計上が必要となる場合があります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として事業別セグメントを基本単位として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしています。回収可能価額の評価の前提条件には、投資期間を通じた将来の収益性の評価や資本コストなどが含まれますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の当該資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
該当事項はありません。
当社グループにおいては、主に高純度薬品事業およびメディカル事業において研究開発活動を行っています。研究開発活動の基本方針はフッ化物業界という特異な分野でありながら、多様化、高度化し、広範囲にわたる顧客ニーズに応える製品を研究開発し提供することです。
この目的達成のため次の事項を主眼として開発のスピードアップを図り、顧客ニーズ、時期に合致するよう努力しています。
(1) 積極的な研究開発姿勢
(2) 高純度製品の開発
(3) 高品質製品の開発
(4) 機能性・高付加価値製品の開発
(5) 顧客ニーズに合致した製品の開発
(6) コスト低減技術の開発
(7) 高度先進技術への対応
研究開発スタッフは、グループ全員で76名にのぼり、これは総従業員の約9%に当たります。
当連結会計年度における各セグメント別の主な研究内容および研究開発費は次のとおりです。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
主として半導体やLCDの製造に使われる薬液や材料、半導体製造装置に使われる材料、リチウムイオン電池などの蓄電デバイスに使われる材料などを中心とした研究開発活動を行っています。最近は、フッ素化合物のナノテクノロジーへの応用、自動車へ搭載されるリチウムイオン二次電池を高性能化する添加剤の開発、ナトリウムイオン二次電池や全固体電池などの次世代二次電池用の材料研究、燃料電池を高性能化する材料の研究、高精細LCDやパブリックインフォメーションディスプレイなどに用いられるミニLEDやマイクロLEDの演色性を高めるLED用蛍光体の開発など、研究テーマ毎にグループを形成して研究開発活動に従事しています。
当連結会計年度における研究開発費の総額(人件費を含む)は
主として自社で保有するホウ素濃縮技術を活用した新たながん治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)で用いる医薬品の開発に取り組んでいます。グループ会社であるステラファーマ株式会社では、BNCT用ホウ素薬剤(開発コード:SPM-011)の開発を進めた結果、2020年3月に切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌を効能・効果として、BNCT用医薬品としては世界初となる製造販売承認を取得いたしました。引き続き、適応症の拡大を目指した企業治験として再発悪性神経膠腫(悪性度の高い再発脳腫瘍)、悪性黒色腫および血管肉腫を対象とした開発を行うほか、医師主導治験として再発高悪性度髄膜種を対象とした開発も進行中です。
なお、その他研究開発テーマとして、陽電子放射断層撮影(PET)によるがんの検査技術の開発も開始しており、大阪府立大学により2019年4月から開始された、AMED革新的がん医療実用化研究事業の採択課題「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)への適用を指向した18FBPA-PET診断技術の開発研究」にステラファーマ株式会社が参画しています。
当連結会計年度における研究開発費の総額(人件費を含む)は