文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、それぞれの事業において、「即断、即決、即実行」の速く、強く、しなやかな経営を実践し、既成概念にとらわれない強靭な経営体制を築きます。
これを実現するために、適正な利益を確保し、変化を恐れず、常に前向きに挑戦し続ける経営で、ステークホルダーとともに「新しい時代に繁栄する企業」として、社会に貢献していきます。
当社グループでは、2020年3月期を初年度とする3か年の第2次中期経営計画を策定しています。第2次中期経営計画では、成長市場への投資、独自技術を活かした新製品の開発等により事業拡大を図り、これを支える経営基盤の強化に取り組みます。
また、将来にわたる持続的成長に向けて、当社の強みである技術力を軸に、研究開発と人材への投資を通じ、中核事業の競争力のさらなる強化、次世代事業の育成に取り組み、事業ポートフォリオの安定化、拡充化を図ってまいります。
当社グループは、企業価値の向上を目指すにあたり、収益重視の観点から、売上高・営業利益を経営上の目標の達成状況を判断するための指標としています。
世界的な新型コロナウイルス感染症の拡大により、企業を取り巻く事業環境は不可逆的に変化し続け、今後の影響についても予測困難な状況が未だ継続しています。
このような環境下、当社グループの高純度薬品事業に関し、半導体市場につきましては、コロナ禍における世界経済低迷の影響を受けた半面、5Gの普及やライフスタイルの変化が半導体需要を押しあげ、堅調に推移していると考えられます。当社におきましては、韓国向け輸出管理の運用の見直しによる影響が継続したものの、国内など他地域向けは需要増加傾向が見られました。2021年も、スマートフォンやデータセンター向けの需要拡大を背景に、特に半導体メモリ市場の成長が見込まれると予想されています。新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う景気の落ち込みによる影響や、米中貿易摩擦の動向など、依然として懸念要素はありながらも、半導体市場は長期的には安定した拡大が期待される分野です。また、鉄道や電気自動車、燃料電池自動車等向けには、現在の半導体材料の主流であるシリコンよりも大きな電気が扱え、電力損失が少ない新しい半導体材料を用いたパワー半導体を製造する技術開発も継続して進められています。
電池材料市場においては、新型コロナウイルス感染症の影響により需要が一時停滞する結果となりました。2021年以降は、成長軌道に戻り各部材の需要拡大が期待されていますが、その一方、価格競争の激化に伴い素材メーカーに対するコストダウン要求が強まり続けており、事業環境として厳しさも増しています。また、エネルギーデバイスの分野においても、資源リスクの観点などから、次世代デバイスの開発が活発化しています。この他のエネルギー関連では、これまでの継続した営業活動の結果、海外を中心として原子力関連施設で使用される濃縮ホウ素(ボロン10)の需要が高まっており、引き続き一定の需要が見込まれる分野となっています。
以上の経営環境も踏まえ、当社グループは、次の課題、施策に取り組み、さらなるグループ企業価値向上を目指してまいります。
① 中核事業の競争力・収益力の強化
当社の主力製品である半導体用高純度薬液は、その高い品質と安定供給体制を強みとして競争力を築いてまいりました。この競争力を維持するため、市場の成長が見込まれる中、それを牽引する大手メモリメーカーをはじめ既存顧客に対して引き続き安定した製品の供給に努めるとともに、先端分野での技術交流を継続し、顧客要望に応える製品開発を通じ当社のポジションを維持することを重要視しています。また、本分野の収益力の強化、安定化を図るため、生産性の向上や原料調達先の開拓にも継続して取り組んでまいります。
この他、歯磨き粉用途のフッ化スズや原子力関連施設で使用される濃縮ホウ素(ボロン10)などは、独自性、付加価値性が高い製品群と位置付けられます。これらの製品について、原価低減や営業活動の強化に取り組み、さらに収益性を高めることを目指します。また、価格競争面での厳しさが増している電池材料に関して、継続して原価低減への取り組みを重要課題とし、競争力の向上に努めてまいります。
さらに、当社グループの高純度薬品事業を物流や原料調達の面から支える運輸事業では、事業環境の変化に合わせた構造改革に継続して取り組み、国際複合一貫物流の付加価値向上や利益重視取引の推進により、着実に成長していくことに注力する方針です。
② 次世代事業の育成
高純度薬品事業における研究開発部門では、次世代を担う製品開発を課題として、5Gの普及をはじめとする通信・ネットワーク技術の進展に合わせた材料開発や、多様な高機能フッ化物の開発などに取り組み、最先端分野での独自性の高い製品開発を目指します。また中長期的には、パワー半導体やポストリチウムイオン二次電池の開発が進む中、当社においても、有力視される材料開発を継続して推し進める計画です。新たに建設する研究開発棟では、最適かつ最新鋭の研究開発環境を整え、これらの事業ポートフォリオ拡充に向けた取り組みを加速させてまいります。
メディカル事業では、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)用ホウ素薬剤について、切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌を効能・効果として製造販売承認を取得するに至りました。本事業を推し進めるにあたっては、適応疾患の拡大、海外展開の推進、新規パイプラインの充実、財務体質の強化、優秀な人材の獲得および育成、安定供給の維持を課題として取り組み、着実な事業推進に努めてまいります。
③ 経営基盤の強化
急激な変化を続ける事業環境に即応し、企業の持続的発展を成し遂げるべく、管理部門では第2次中期経営計画において、組織運営の仕組み・制度の充実、人材への投資、システム開発の推進と情報セキュリティ向上、キャッシュ・フロー創出力の強化や資本効率の向上、SDGsに向けた取り組みなどを課題として掲げています。引き続き、各課題を着実に実行し、さらなる経営基盤の強化を図ってまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響について、当連結会計年度末現在においては当社グループ業績への影響は限定的であり、報告書提出日現在において、事業計画等の大きな方向性の見直しには至っておりません。ただし、今後の感染拡大状況等による事業環境の変化により、影響が拡大する可能性は考えられるため、引き続き経済、市場動向を注視し、慎重な検討を継続してまいります。また、当社グループでは、従業員の安全確保のための措置を講じ、事業活動継続に注力しながら、今後発生する可能性のある影響に対しても適切な対応を取るべく努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
これらのリスクは必ずしも当社グループの事業等に関するリスクを全て網羅したものではなく、当連結会計年度末現在では想定していないリスクや重要性が低いと考えられるリスクも、当社グループの財政状態や経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また当社は、リスクマネジメントの基本方針等を「リスクマネジメント規程」に定め、それに基づき、代表取締役社長を委員長とするリスクマネジメント委員会において、事業を取巻くさまざまなリスクに対して的確な管理を行うことに努めています。
当社グループの原材料等の一部は、特定の地域に在る供給源に依存しており、その供給が逼迫した場合や、供給が中断した場合には、生産活動の遅れや停止につながり、製品供給に支障が出る可能性があります。当社では調達リスクを軽減するために複数のサプライヤーからの購入、継続的な新規供給源の開発に取り組んでいます。また原材料価格の急騰は、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。速やかな販売価格への転嫁等により影響を極力回避すべく取り組みを行っています。
当社グループの売上高において、高純度薬品事業の半導体液晶関連の占める割合が高く(6割弱)、得意先である電子・電気・通信機器業界の半導体需要ならびに設備投資の下降、同業他社との価格競争激化による販売価格の下落等により、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。継続的な製品競争力の強化や他事業分野の製品開発および製品販売の伸張によって影響を回避すべく努めています。
当社グループにおける新型コロナウイルス感染症の影響について、当連結会計年度においては、市況の減退に伴う事業活動の停滞が一部の分野で見られたものの、その影響は限定的でありました。しかしながら世界的に新型コロナウイルス感染症が再拡大する中、経済の停滞による市況悪化や国内外の販売先における生産停止などの発生に伴い、当社グループの事業活動が著しく減退した場合には、財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。一方、新たな生活様式の普及により当社製品の販売増進に繋がると見込まれる分野もあり、これらの需要を着実に取り込むことで当社グループの経営成績等の維持・向上に努めてまいります。また、当社グループにおけるサプライヤーの事業活動に大きな影響が生じ、原料等の調達価格高騰や調達困難な状況が発生した場合には、当社グループの事業継続コストが嵩み、財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの従業員に感染者が発生し、一時的に操業停止せざるを得ない状況が発生した場合は、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性がありますが、感染防止のため、国・都府県の指針に基づき、従業員の勤務体制整備や予防対策に最大限努めています。
この他、災害や事故に伴う生産活動の中断により生じる影響を最小限に抑えるため、日常的な製造設備の保守点検、安全防災設備・機器の導入、自衛消防組織の確立、安全防災訓練実施やマニュアルづくり等、設備保全、安全確保に努めています。しかし、突発的な自然災害発生や不慮の事故発生により、製造設備の損壊、原材料の調達困難、電力・物流等の社会インフラの機能不全、経済状況悪化に伴う需要動向の変化等が発生し、生産活動を制限あるいは中断した場合には、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。万一の被災時における事業の継続あるいは復旧に備え、事業継続計画を策定し、また保険の付保による損害軽減策、震災型コミットメントライン契約締結による資金調達手法の拡充策等を講じています。
当社グループは、事業活動を行う上で、安全保障貿易管理、商品の品質、安全、環境関連、化学物質関連、また会計基準や税法、労務関連、取引関連等の様々な法規制の適用を受けています。これらの法規制については遵守するよう体制を整備し、社会的良識に沿った企業行動を行っています。現行の法規制の変更や新たな法規制等が追加され要求事項に対応できない場合は、罰則が科されたり訴訟を提起されたりするリスクに加え、当社グループの事業活動が制限され、あるいはその対応のために新たな投資が必要になる等、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの製品は、高度な技術や複雑な技術を利用したものが増えており、また、原材料等を外部の供給者から調達していることにより、品質保証へのコントロールは複雑化しています。当社グループでは、生産、出荷の各段階で当社の品質基準に適合していることを厳密に確認しています。しかし、すべての製品について欠陥がなくPL問題が発生しないという保証は無いため、製造物責任賠償についてはPL保険に加入し、万一の事故に備えていますが、予期せぬ重大な事故や品質面での重大な欠陥が発生した場合には、社会的信用の失墜を招き、顧客に対する補償などによって、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、フッ化物製造事業を中心に、シンガポール、中国、韓国に事業展開していますが、各国において以下のようなリスクがあります。当該リスクに対しては、現地法人や商社を通じての情報収集を行いその回避に努めていますが、これらの事象が発生した場合は、債権回収の遅延・不能や、事業遂行の遅延・不能、需要動向の変化等により、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
a)予期しえない法律・規制・不利な影響を及ぼす租税制度の変更
b)不利な政治的要因の発生
c)テロ、戦争等による社会的混乱
d) 人材確保の困難化、労使関係の悪化
当社グループは、海外への輸出を円貨建てで決済する一方、原材料等の一部を海外からの輸入品により調達しており、その代金決済を外貨建てで行っています。為替予約取引等により為替変動リスクをヘッジする措置を講じているものの、それら外貨に対する円相場の急激な変動が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、独自開発した技術による事業展開を基本として、必要な知的財産権の取得を推進しています。一方、当社グループが事業展開している分野については、第三者の知的財産権を常に調査監視して、第三者の有効な知的財産権は、代替技術の開発または技術的な回避策を講じることにより使用しない、当該第三者から使用する権利を得るなどの対策をとり、侵害の防止に努めています。現在、当社グループの開発に関連した特許権等の知的財産権について、第三者との間で訴訟やクレームが発生したという事実はありません。しかし、知的財産権侵害問題の発生を完全に回避することは困難であり、仮に当社グループが第三者との間の法的紛争に巻き込まれた場合、当該第三者の主張の正当性の有無にかかわらず、解決には多大な時間及び費用を要する可能性があり、場合によっては当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、事業を遂行する上でコンプライアンスの重要性を認識し、法令および社会的ルールの遵守の徹底を図っていますが、取引先や第三者から訴訟等が提起され、または規制当局より法的手続がとられるリスクを有しています。これらにより、当社グループに対して巨額かつ予想困難な損害賠償の請求がなされた場合または事業遂行上の制限が加えられた場合、当社グループのイメージ・評判の低下、顧客の流出等を惹起し、財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新規事業分野として、医薬品の開発および製造販売を担うメディカル事業を有しています。本事業において、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に使用するホウ素薬剤の開発を手がけてきた結果、2020年3月に切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌を効能・効果として製造販売承認を取得し、並行して適応疾患の拡大に取り組んでまいりました。適応疾患の拡大を含む医薬品等の開発においては、相当規模の研究開発投資が必要となるうえ、臨床試験の結果等に起因して計画の変更を余儀なくされ、開発が遅延・中止となる場合もあり、投資に見合う収益を得られず当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、適応疾患の慎重な選定による確度の高い開発計画策定、開発体制の強化と開発資金の獲得、スケジュール管理の徹底等により、計画を着実に遂行することを目指しています。また、医薬品は予期せぬ副作用が発現する可能性があり、想定し得る範囲で各種保険に加入または加入を予定していますが、これを超える賠償責任を問われた場合など、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。この他、競争関係における当社開発品の優位性低下、治療用装置の設置遅延、海外市場への展開未達などの要因により事業計画が想定どおりに進捗せず、当社グループの財政状態、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結会計年度の業績におきましては、半導体液晶部門および原子力関連施設で使用される濃縮ホウ素(ボロン10)の販売増加が寄与したものの、表面処理部門および代替フロン部門の出荷量が減少したことにより、売上高は328億93百万円(前期比2.5%減)となりました。
利益面におきましては、高純度薬品事業では、主要原材料の無水フッ酸価格が、中国市場の需給等の影響により前連結会計年度に比べ低下したことに加え、原子力関連施設で使用される濃縮ホウ素(ボロン10)の販売増加等が利益の増加に寄与しました。メディカル事業では、がん治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)用ホウ素薬剤について、頭頸部癌における販売を開始し売上高を計上するとともに、経費の節減に努めたことにより販売費及び一般管理費が減少し、営業損失が縮小しました。その結果、営業利益は40億81百万円(同69.5%増)、経常利益は40億20百万円(同74.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は29億59百万円(同53.8%増)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大について、現時点で当社グループ各拠点における生産、販売体制に大きな影響はなく、当連結会計年度における業績への影響も軽微に留まっています。
当社グループは第2次中期経営計画を策定しており、売上高・営業利益を経営上の目標を達成するための客観的な指標として掲げています。売上高について、高純度薬品事業の半導体液晶部門において2020年3月期に韓国向け輸出管理の運用が見直された影響により、韓国向けの出荷量が減少し、当初計画を下回る水準で推移しています。そうした状況を勘案した結果、中期経営計画の最終年度となる2022年3月期の売上高の数値目標を修正いたしました。
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2事業等のリスク」に記載しています法的規制リスクにおいて、2020年3月期に韓国向け輸出管理の運用が見直された影響により、高純度薬品事業における半導体液晶部門の韓国向けの出荷量が減少しました。このような事業環境の変化に対応し、国内向けをはじめアジア、北米、欧州など他地域への販売拡大への取り組みを一段と強化し、グローバルな視点で供給体制・販売体制の改善を進めることにより、事業リスクの軽減に努めています。
セグメントごとの経営業績は、次のとおりです。
高純度薬品事業につきましては、韓国向け輸出販売が減少したものの、国内向けおよび台湾をはじめとする韓国以外の地域への販売が増加しました。また、原子力関連施設で使用される濃縮ホウ素(ボロン10)の出荷が主に国内の特定重大事故等対処設備の水源用途で増加しました。一方で表面処理部門および代替フロン部門の出荷量が減少したことにより、売上高は284億4百万円(前期比2.2%減)となりました。
利益面では、原子力関連施設で使用される濃縮ホウ素(ボロン10)の販売増加に加え、半導体液晶部門における国内外向けの出荷量増加および主要原材料である無水フッ酸の価格低下等の要因により、営業利益は42億1百万円(同45.0%増)となりました。
なお、主要な部門の売上高については次のとおりです。
国内向けにおいては、当社の主要販売先であるメモリメーカーを中心に投資活動が継続され、高稼働率を維
持したことから出荷量が増加しました。海外向けにおいては、韓国向け輸出管理の運用の見直しの影響により
韓国向けの出荷量は減少したものの、世界的に旺盛な半導体需要を受け、台湾をはじめとする韓国を除く地域
への輸出販売が増加した結果、売上高は162億83百万円(同3.8%増)となりました。
運輸事業につきましては、運送関連等の取扱量が前連結会計年度を下回った結果、売上高は40億69百万円(前期比8.1%減)となりました。
利益面では、前連結会計年度に比べ軽油価格が低下したこと、また、減価償却費が減少したことにより、営業利益は5億93百万円(同18.3%増)となりました。
メディカル事業につきましては、がん治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)用ホウ素薬剤について、頭頸部癌における販売を開始し売上高を計上するとともに、経費の節減に努めたことにより販売費及び一般管理費が減少した結果、売上高は2億5百万円(前期は計上なし)、営業損失が6億44百万円(前期は10億35百万円の営業損失)となりました。
その他事業につきましては、保険代理業収入等が前期を下回った結果、売上高は2億13百万円(前期比11.8%減)、営業利益は26百万円(同25.7%減)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.金額は販売価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
② 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.金額は仕入価格によっています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
③ 受注状況
主として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度末の資産合計は、529億33百万円となり、前連結会計年度末に比べ2億82百万円減少しました。主な要因は、有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産が減少したことによるものです。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
① 高純度薬品
高純度薬品事業につきましては、当連結会計年度末の総資産は、419億37百万円となり、前連結会計年度と比べ4億51百万円増加しました。主な要因は、増益に伴う営業活動によるキャッシュ・フローの収入が増加したことにより、現金及び預金が増加したことによるものです。
② 運輸
運輸事業につきましては、当連結会計年度末の総資産は、94億81百万円となり、前連結会計年度末と比べ5百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が増加したことによるものです。
③ メディカル
メディカル事業につきましては、当連結会計年度末の総資産は、15億85百万円となり、前連結会計年度末と比べ6億67百万円減少しました。主な要因は、現金及び預金が減少したことによるものです。
④ その他
その他事業につきましては、当連結会計年度末の総資産は、2億43百万円となり、前連結会計年度末と比べ5百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が増加したことによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、161億75百万円となり、前連結会計年度末に比べ23億11百万円減少しました。主な要因は、長期借入金が減少したことによるものです。
当連結会計年度末の純資産合計は、367億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ20億29百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が増加したことによるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて19億54百万円増加し、当連結会計年度末は152億45百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は73億52百万円(前期比23億15百万円収入増加)となりました。
主な内訳は、税金等調整前当期純利益39億66百万円、減価償却費30億39百万円、たな卸資産の減少6億15百万円、補助金の受領額65百万円、保険金の受取額30百万円、法人税等の支払額4億26百万円などです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、24億64百万円(同7億9百万円支出減少)となりました。
主な内訳は、有形固定資産の取得による支出23億91百万円などです。有形固定資産の取得による支出については、高純度薬品事業に係る半導体液晶部門の生産設備の更新、濃縮ホウ素の生産設備更新、また運輸事業における製品運搬用コンテナ等の購入等の設備投資を実施したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は30億4百万円(同22億89百万円支出増加)となりました。
主な内訳は、長期借入金の返済による支出23億16百万円、自己株式の取得による支出2億67百万円、配当金の支払額5億85百万円などです。借入金については、適切な資金確保および健全な財務体質を維持することを目指し、成長維持に必要な設備投資・投融資資金の調達、適正な手元資金水準を鑑み、当連結会計年度においては、短期借入金と長期借入金合わせて23億16百万円の減少となりました。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)
当社グループは事業活動を遂行するための適切な資金確保および健全な財務体質を維持することを目指し、安定的な資金調達手段の確保に努めています。成長を維持するために将来必要な運転資金および設備投資・投融資資金は、主として営業活動によるキャッシュ・フローと金融機関からの借入により調達しています。
資金の流動性については、事業規模に応じた適正な手元資金の水準を維持するとともに金融上のリスクに対応するため主要取引銀行とコミットメントライン契約を締結することにより手元流動性を確保しています。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は152億45百万円であり、金融機関との間で総額35億円のコミットメントライン契約を締結しています。本契約に基づくコミットメントラインに対し、当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いていますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りおよび仮定については、連結財務諸表「注記事項(追加情報)」に記載のとおり、当社グループの主力事業である半導体液晶部門においては、半導体メーカーが投資活動を継続するなど、当感染症の収束時期が不透明な環境下においても旺盛な需要が継続しています。従って、新型コロナウイルス感染症が会計上の見積りに与える影響は限定的であると仮定し、繰延税金資産の回収可能性および固定資産の減損判定について、会計上の見積りを会計処理に反映しています。
該当事項はありません。
当社グループにおいては、主に高純度薬品事業およびメディカル事業において研究開発活動を行っています。研究開発活動の基本方針はフッ化物業界という特異な分野でありながら、多様化、高度化し、広範囲にわたる顧客ニーズに応える製品を研究開発し提供することです。
この目的達成のため次の事項を主眼として開発のスピードアップを図り、顧客ニーズ、時期に合致するよう努力しています。
(1) 積極的な研究開発姿勢
(2) 高純度製品の開発
(3) 高品質製品の開発
(4) 機能性・高付加価値製品の開発
(5) 顧客ニーズに合致した製品の開発
(6) コスト低減技術の開発
(7) 高度先進技術への対応
研究開発スタッフは、グループ全員で53名にのぼり、これは総従業員の約7%に当たります。
当連結会計年度における各セグメント別の主な研究内容および研究開発費は次のとおりです。なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は
主として半導体やLCDの製造に使われる薬液や材料、第5世代移動通信システム(5G)に使われる材料、リチウムイオン電池などの蓄電デバイスに使われる材料などを中心とした研究開発活動を行っています。最近は、フッ素化合物のナノテクノロジーへの応用、自動車へ搭載されるリチウムイオン二次電池を高性能化する添加剤の開発、ナトリウムイオン二次電池や全固体電池などの次世代二次電池用の材料研究、燃料電池を高性能化する材料の研究、高精細LCDやパブリックインフォメーションディスプレイなどに用いられるミニLEDやマイクロLEDの演色性を高めるLED用蛍光体および蛍光体製造材料の開発、第5世代移動通信システム(5G)における伝送損失を低減させる低誘電率・低誘電正接材料の開発など、研究テーマ毎にグループを形成して研究開発活動に従事しています。
当連結会計年度における研究開発費の総額(人件費を含む)は
主として自社で保有するホウ素濃縮技術を活用した新たながん治療法であるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)で用いる医薬品の開発に取り組んでいます。グループ会社であるステラファーマ株式会社では、BNCT用ホウ素薬剤(開発コード:SPM-011)の開発を進めた結果、2020年3月に切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部癌を効能・効果として、BNCT用医薬品としては世界初となる製造販売承認を取得し、2020年5月から販売を開始いたしました。引き続き、適応症の拡大を目指した企業治験として再発悪性神経膠腫(悪性度の高い再発脳腫瘍)、悪性黒色腫および血管肉腫を対象とした開発を行うほか、医師主導治験として再発高悪性度髄膜種を対象とした開発も進行中です。
なお、その他研究開発テーマとして、陽電子放射断層撮影(PET)によるがんの検査技術の開発も開始しており、大阪府立大学により2019年4月から開始された、AMED革新的がん医療実用化研究事業の採択課題「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)への適用を指向した18FBPA-PET診断技術の開発研究」にステラファーマ株式会社が参画しています。
当連結会計年度における研究開発費の総額(人件費を含む)は