【連結財務諸表注記】

1.報告企業

三菱ケミカルグループ株式会社(以下「当社」といいます。)は日本国に所在する企業であり、東京証券取引所プライム市場に上場しております。当社の登記している本社の住所は、ホームページ(https://www.mcgc.com/)で開示しております。当社グループの連結財務諸表は3月31日を期末日とし、当社及び子会社並びにその関連会社及び共同支配の取決めに対する持分により構成されております。当社グループは、主に5つの事業領域(「スペシャリティマテリアルズ」、「MMA&デリバティブズ」、「ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ」、「ファーマ」及び「産業ガス」)で事業を展開しており、その詳細は注記「4.事業セグメント」に記載しております。

 

2.作成の基礎

(1) IFRSに準拠している旨

当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準審議会によって公表されたIFRSに準拠して作成しております。当社は、連結財務諸表規則第1条の2第1号に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たしていることから、同312条の規定を適用しております。

 

(2) 連結財務諸表の承認

当社グループの連結財務諸表は、2025年6月23日に、代表執行役執行役社長 筑本学及び執行役員最高財務責任者 木田稔によって承認されております。

 

(3) 測定の基礎

当社グループの連結財務諸表は、注記「3.重要性のある会計方針」に記載している公正価値で測定する金融商品等を除き、取得原価を基礎として作成しております。

 

(4) 表示通貨

当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としており、百万円未満を四捨五入して表示しております。

 

(5) 判断、見積り及び仮定の利用

当社グループのIFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を行う必要があります。実際の業績はこれらの見積りとは異なる場合があります。

 

見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直されます。会計上の見積りの変更による影響は、その見積りが変更された会計期間及び影響を受ける将来の会計期間において認識されます。

 

当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性のある会計上の判断、見積り及び仮定に関する主な情報は、以下のとおりです。

 

・非金融資産の減損(「14. のれん及び無形資産」、「15. 有形固定資産」、「16. 減損損失」)

・繰延税金資産の回収可能性(「12. 法人所得税」)

・確定給付制度債務の測定(「28. 退職給付」)

・金融商品の公正価値(「36. 金融商品」)

 

 

(6) 新たに適用する基準書及び解釈指針

当社グループが、当連結会計年度より適用している主な基準書及び解釈指針は、以下のとおりです。

基準書及び解釈指針

新設・改訂の概要

IAS第7号

IFRS第7号

キャッシュ・フロー計算書

金融商品:開示

サプライヤー・ファイナンス契約の透明性を増進させるための開示を要求する改訂

 

上記の適用により、注記「36.金融商品」において開示を拡充しております。

上記を除き当社グループの連結財務諸表に与える重要な影響はありません。

 

(7) 未適用の新たな基準書及び解釈指針

連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針のうち、適用が強制されないため当連結会計年度末において適用していない基準書及び解釈指針は、以下のとおりであります。なお、IFRS第18号を適用することによる影響については現在、検討中です。

基準書及び解釈指針

強制適用時期
(以降開始年度)

当社グループ
適用年度

新設・改訂の概要

IFRS第18号

財務諸表における表示及び開示

2027年1月1日

2028年3月期

財務諸表における表示及び開示に関する現行の会計基準であるIAS第1号を置き換える新基準。

企業の財務業績の報告を改善し、企業分析及び比較のためのより良い基礎を投資者に提供することを目的としている。

 

 

3.重要性のある会計方針

(1)  連結の基礎 

① 子会社

子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループが投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、その企業を支配していると判断しております。

連結財務諸表の作成にあたっては、当社グループで統一された会計方針に基づき、同じ決算日で作成された各グループ会社の財務諸表を用いております。子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。

支配の喪失を伴わない連結子会社に対する持分の変動があった場合には、資本取引として会計処理を行い、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識しております。

支配を喪失した場合には、当社グループは残存する投資を支配を喪失した日の公正価値で測定し認識しております。支配の喪失から生じた利得及び損失は純損益として認識しております。

 

 

② 関連会社

関連会社とは、当社グループが当該企業に対し、財務及び営業の方針に重要な影響力を有しているものの、支配又は共同支配を有していない企業をいいます。通常、当社グループが議決権の20%から50%を保有する場合には、重要な影響力があると推定しております。当社グループが重要な影響力を有しているか否かの評価にあたり考慮するその他の要因には、取締役会への役員の派遣等があります。これらの要因が存在する場合には、当該企業に対する当社グループの投資が議決権の20%未満であったとしても、当社グループが重要な影響力を有することがあります。

当社グループは、関連会社に対する投資を、持分法を用いて会計処理しております。

投資先の財務諸表は、当社グループと同一の報告期間で作成し、投資先の会計方針を当社グループの会計方針と一致させるための調整を行っております。

投資先に対する重要な影響力を喪失した場合には、当社グループは残存する投資を重要な影響力を喪失した日の公正価値で測定し認識しております。重要な影響力の喪失から生じた利得及び損失は純損益として認識しております。

連結財務諸表の作成にあたり、現地法制度上又は株主間協定等で当社グループと異なる決算日が要請されていることにより決算日を統一することが実務上不可能であり、また、事業の特性やその他の実務上の要因によって当社グループの連結決算日をもって仮決算を行うことが実務上不可能な一部の投資先については12月31日に終了する会計年度の財務諸表を用いております。これらの投資先の決算日と連結決算日との間に生じた重要な取引又は事象については連結財務諸表に反映しております。

 

③ 共同支配の取決め

共同支配の取決めとは、関連性のある活動に係る意思決定について支配を共有している当事者の全会一致の合意を必要とする取決めをいいます。

ジョイント・ベンチャー(共同支配企業)とは、取決めに対する共同支配を有する当事者が、当該取決めの純資産に対する権利を有している場合の共同契約をいいます。

当社グループは、ジョイント・ベンチャーに対する持分を有する場合、当該持分を、持分法を用いて会計処理しております。

ジョイント・オペレーション(共同支配事業)とは、共同支配を有する当事者が共同支配の取決めに関連性のある資産に対する権利及び負債に対する義務を実質的に有している事業をいいます。

当社グループは、ジョイント・オペレーションに対する持分を有する場合、当該ジョイント・オペレーションに対する投資については、共同支配の営業活動から生じる資産、負債、収益及び費用のうち、当社グループの持分相当額のみを認識しております。

主たるジョイント・オペレーションとして、ザ・サウジ・メタクリレーツ社(持分割合50%・サウジアラビア)があります。同社はMMAモノマー、アクリル樹脂等の製造を行う会社です。

 

(2)  企業結合

企業結合は取得法を用いて会計処理しております。

取得原価は、取得日の公正価値で測定された移転した対価及び被取得企業に対する非支配持分の金額の合計額として測定しております。

当社グループが事業を取得する場合、取得日における契約条件、経済状況及び関連する諸条件に基づき、取得資産及び引受負債の分類及び指定を行っております。また、取得した識別可能資産及び引受負債は、原則として、取得日の公正価値で測定しております。

企業結合が段階的に行われた場合、被取得企業に対する支配獲得前に保有していた持分を取得日に公正価値で再評価し、その評価差額は純損益として認識しております。取得日以前にその他の包括利益に計上されていた被取得企業の持分の金額は、取得企業がその持分を処分した場合と同じ方法で会計処理しております。

のれんは、移転した対価と非支配持分として認識された金額の総額が識別可能取得資産及び引受負債の純額を超過した額として測定しております。移転した対価と非支配持分として認識された金額の総額が、識別可能取得資産及び引受負債の純額を下回る場合、その差額は純損益として認識しております。

 

 

当初認識後、企業結合で取得したのれんは償却しておりません。

 

(3)  外貨換算

当社グループ内の各企業はそれぞれ独自の機能通貨を定めており、各企業の取引はその機能通貨により測定しております。

外貨建取引は、取引日における直物為替相場又はそれに近似するレートにより機能通貨に換算しております。

外貨建ての貨幣性資産及び負債は、期末日の直物為替相場により機能通貨に換算しております。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、当該資産及び負債に係る利得又は損失がその他の包括利益として認識される場合には、当該利得又は損失の換算差額は、その他の包括利益として認識しております。

在外営業活動体の資産及び負債は期末日の直物為替相場により、収益及び費用は取引日の直物為替相場又はそれに近似するレート(原則として期中平均レート)により、それぞれ円貨に換算し、その換算差額はその他の包括利益として認識しております。

在外営業活動体が処分された場合には、当該在外営業活動体に関連する累積換算差額を処分した期の純損益として認識しております。

 

(4)  収益

当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換で、権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しております。

ステップ1:顧客との契約を識別する

ステップ2:契約における履行義務を識別する

ステップ3:取引価格を算定する

ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する

ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する

当社グループは、5つの事業領域(「スペシャリティマテリアルズ」、「MMA&デリバティブズ」、「ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ」、「ファーマ」及び「産業ガス」)において事業活動を行っており、国内外の顧客に多種多様な製品等の提供を行っております。

これらの事業における製品販売については、製品の引渡時点において、顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断し、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。

また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。

 

(5)  政府補助金

政府補助金は、当社グループが補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領するという合理的な保証が得られた時に公正価値で認識しております。

収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを費用として認識する期間にわたって、規則的に純損益として認識しております。

資産に関する政府補助金は、当該補助金の金額を資産の取得原価から控除しております。

 

(6)  法人所得税

当期及び過去の期間に係る当期税金は、税務当局に対する納付(又は税務当局から還付)されると予想される額で算定しております。税額の算定に使用する税率及び税法は、期末日において制定され又は実質的に制定されているものを使用しております。

繰延税金は、期末日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との差額(一時差異)に対して、資産負債法を用いて計上しております。

原則として繰延税金負債はすべての将来加算一時差異について認識し、繰延税金資産は将来減算一時差異、未使用の繰越税額控除及び繰越欠損金について、それらを回収できる課税所得が生じると見込まれる範囲において認識しております。

 

ただし、例外として以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。

・のれんの当初認識から生じる場合

・企業結合でない取引で、取引時に会計上の利益にも課税所得(又は欠損金)にも影響を与えず、かつ取引時に同額の将来加算一時差異と将来減算一時差異を生じさせない取引における資産又は負債の当初認識から生じる場合

・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異に関して、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合

・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異に関して、一時差異の解消の時点をコントロールすることができ、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合

繰延税金資産及び負債の帳簿価額(未認識の繰延税金資産を含む。)については、期末日ごとに再検討を行っております。繰延税金資産及び負債は、期末日までに制定又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいて、当該資産が実現する又は負債が決済される期の税率を見積もり、算定しております。

 

(7)  現金及び現金同等物

現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヵ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。

 

(8) 棚卸資産

棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額とのいずれか低い額で測定しております。原価の算定にあたっては、主として加重平均法を使用しております。また、正味実現可能価額は、通常の事業過程における予想売価から、完成に要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除して算定しております。

 

(9) 売却目的で保有する資産及び非継続事業

非流動資産(又は処分グループ)の帳簿価額が、継続的使用よりも主として売却取引によって回収が見込まれる場合に、「売却目的で保有する資産」に分類しております。なお、1年以内に売却の可能性が非常に高く、かつ当該資産(又は処分グループ)が現在の状態で直ちに売却可能である場合にのみ、上記要件に該当するものとしております。売却目的保有に分類した非流動資産(又は処分グループ)については、帳簿価額と売却コスト控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しております。

売却目的保有に分類した資産のうち有形固定資産及び無形資産については、減価償却又は償却を行っておりません。

非継続事業には、既に処分したか又は売却目的保有に分類した企業の構成単位が含まれており、当社グループの1つの事業を構成し、その1つの事業の処分の計画がある場合に認識しております。

 

(10) 有形固定資産(使用権資産以外)

当社グループは、有形固定資産の測定に原価モデルを採用しております。

有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。

土地及び建設仮勘定以外のすべての有形固定資産について、取得原価から期末日における残存価額を差引いた償却可能価額を、定額法により規則的に配分するよう減価償却を実施しております。

 

主な有形固定資産の見積耐用年数は、以下のとおりです。

 

建物及び構築物

3-50年

機械装置及び運搬具

2-22年

工具器具及び備品

2-25年

 

 

 

 

(11) 無形資産

当社グループは、無形資産の測定に原価モデルを採用しております。

無形資産は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。

個別に取得した無形資産は、当初認識に際し取得原価で測定し、企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。なお、内部創出の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額はすべて発生した期の費用として認識しております。

耐用年数を確定できる無形資産は、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。

主な無形資産の見積耐用年数は、以下のとおりです。

 

技術に係る無形資産

4-22年

顧客に係る無形資産

5-30年

ソフトウェア

3-5年

 

 

耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産については、償却を行っておりません。

 

(12) 資産の減損

① 非金融資産の減損

当社グループは、期末日時点で資産に減損の可能性を示す兆候の有無を判定しております。減損の兆候がある場合、及び資産に年次の減損テストが必要な場合、当社グループはその資産の回収可能価額を見積もっております。資産の回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い方の金額としており、個々の資産について回収可能価額を見積もることができない場合には、その資産の属する資金生成単位又は資金生成単位グループごとに回収可能価額を見積もっております。資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超過する場合、その資産について減損を認識し、回収可能価額まで評価減を行っております。使用価値の評価にあたっては、貨幣の時間価値及びその資産に特有のリスクについて現在の市場の評価を反映した税引前の割引率を用いて、見積将来キャッシュ・フローの割引現在価値を計算しております。

処分コスト控除後の公正価値の算定にあたっては、利用可能な公正価値指標に裏付けられた適切な評価モデルを使用しております。

のれんは、取得日以降企業結合のシナジーによる便益が生じると期待される個々の資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。

のれん又は耐用年数を確定できない無形資産、及び未だ使用可能でない無形資産は、毎年かつ減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。

 

② 減損の戻入れ

過去に認識した減損は、減損の戻入の兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合に回収可能価額まで戻し入れ、減損損失の戻入額を純損益として認識しております。ただし、のれんに関連する減損は戻し入れておりません。なお、減損損失の戻入額は、過去の期間において減損損失を認識しなかった場合の減損損失戻入時点における帳簿価額を上限としております。

 

(13) リース

契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する場合に、リース取引を認識し、リース取引における使用権資産及びリース負債をリースの開始日に認識しております。

リース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値として測定を行っております。使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初の測定を行っております。

リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金融費用とリース負債残高の返済部分とに配分しており、当該金融費用は純損益として認識しております。

使用権資産は、原資産の所有権がリース期間の終了時までに借手に移転する場合又は、使用権資産の取得原価が購入オプションを行使することを反映している場合には耐用年数で、それ以外の場合は耐用年数とリース期間のいずれか短い期間で、規則的に減価償却を行っております。

 

 

なお、リース期間が12ヵ月以内に終了するリース及び原資産が少額であるリースについて、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり規則的に費用として認識しております。

 

(14) 引当金

引当金は、当社グループが過去の事象の結果として現在の債務(法的又は推定的)を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。

引当金は、当該債務を決済するために必要と見込まれる支出額により測定し、貨幣の時間価値の影響に重要性がある場合には現在価値に割引いております。

 

(15) 退職給付

当社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を運営しております。

・確定給付制度

当社グループは、確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を使用して制度ごとに個別に算定しております。

割引率は、期末日時点の優良社債の利回りに基づき算定しております。

確定給付制度に係る負債又は資産は、確定給付制度債務の現在価値と制度資産の公正価値の純額で表示しております。確定給付制度が積立超過である場合は、制度資産の公正価値について、制度からの返還または将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限額としております。

確定給付制度に係る負債又は資産の再測定額は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識した後、直ちに利益剰余金に反映しております。また、過去勤務費用は、発生した期の費用として認識しております。

・確定拠出制度

確定拠出制度に係る費用は、従業員が関連する勤務を提供した期に認識しております。

 

(16) 資本

① 普通株式

普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上しております。

 

② 自己株式

自己株式を取得した場合には、その支払対価を資本の控除項目として認識しております。

自己株式を処分した場合には、帳簿価額と処分時の対価の差額を資本剰余金として認識しております。

 

(17) 株式報酬

当社グループでは、持分決済型の株式報酬制度を採用しております。

持分決済型の株式報酬制度では、従業員から受け取るサービスを、付与した資本性金融商品の付与日における公正価値で測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。

 

(18) 金融商品

① 金融資産(デリバティブを除く)

(ⅰ)当初認識及び測定

当社グループは、営業債権をIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」に基づき、履行義務を充足し対価に対する無条件の権利を取得した時点で当初認識しております。その他のすべての金融資産は、当社グループが当該金融資産の契約当事者となった取引日に当初認識しております。

金融資産は、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、償却原価で測定する金融資産に分類しております。当社グループは、当初認識においてその分類を決定しております。

 

 

金融資産は、次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。

・契約上のキャッシュ・フローを回収するために保有されている。

・契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。

また、次の条件がともに満たされる金融資産は、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。それ以外の金融資産は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。

・契約上のキャッシュ・フローの回収及び金融資産の売却のために保有されている。

・契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。

ただし、資本性金融資産については、個々に純損益を通じて公正価値で測定するか、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するかを指定し、当該指定を継続的に適用しております。

金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産を除き、公正価値に、当該金融資産に直接帰属する取引コストを加算した金額で測定しております。

 

(ⅱ)事後測定

金融資産の当初認識後は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。

  ・償却原価で測定する金融資産

償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価で測定しております。

  ・その他の金融資産

償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定しております。

公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動額は、純損益若しくはその他の包括利益として認識しております。

なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産について認識を中止した場合、あるいは公正価値が著しく下落した場合には、公正価値変動の累計額を利益剰余金に振り替えております。

また、資本性金融資産からの配当金については純損益として認識しております。

 

(ⅲ)認識の中止

金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産を譲渡し、ほとんどすべてのリスクと経済価値が移転した場合に、当該金融資産の認識を中止しております。

 

(ⅳ)減損

金融資産の減損の認識にあたっては、当初認識時点からの信用リスクの著しい増加があるかどうかに基づいております。

償却原価で測定する金融資産については、期末日ごとに予想信用損失を見積り、貸倒引当金を認識しております。

貸倒引当金は、当初認識時点から当該金融資産等の信用リスクが著しく増加していない場合には12ヵ月の予想信用損失により測定し、信用リスクの著しい増加があった場合には残存期間にわたる予想信用損失により測定しております。なお、営業債権については、当初から全期間にわたる予想信用損失により測定しております。

信用リスクが著しく増加しているか否かは、デフォルトリスクの変化に基づいて判断しており、デフォルトリスクに変化があるかどうかの判断にあたっては、主に延滞(期日超過情報)を考慮しております。

また、予想信用損失は、契約上受け取ることのできる金額と、過去の信用損失等に基づいて受取りが見込まれる金額との差額の割引現在価値に基づいて測定しております。

 

 

② 金融負債(デリバティブを除く)

(ⅰ)認識及び測定

金融負債(デリバティブを除く)は、主に償却原価で測定する金融負債に分類しております。

償却原価で測定する金融負債は、契約当事者となった場合に、公正価値から当該金融負債に直接帰属する取引コストを控除した金額で当初認識しております。当初認識後は実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却額及び認識が中止された場合の利得又は損失は、純損益として認識しております。

 

(ⅱ)認識の中止

金融負債は、義務の履行、免除又は失効並びに大幅に異なる条件による交換、又は大幅に異なる条件に変更した場合に認識を中止しております。

 

③ デリバティブ及びヘッジ会計

当社グループは、為替リスクや金利リスクをヘッジするために、それぞれ為替予約、金利スワップ契約等のデリバティブを利用しております。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初測定し、その後も公正価値で再測定しております。

デリバティブの公正価値変動額は、純損益として認識しております。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資のヘッジの有効部分は、その他の包括利益として認識しております。

当社グループは、ヘッジ関係の開始時に、ヘッジ会計を適用しようとするヘッジ関係並びにヘッジを実施するにあたってのリスク管理目的及び戦略について、公式に指定及び文書化を行っております。また、ヘッジ関係の指定時に及び継続的に、ヘッジ取引に利用したデリバティブがヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動を相殺するために有効であるか評価しております。具体的には、ヘッジ対象とヘッジ手段との間の経済的関係が相殺をもたらす場合においてヘッジが有効であると判断しております。

ヘッジ会計に関する要件を満たすヘッジは、IFRS第9号「金融商品」に基づき以下のとおり分類し、会計処理を行っております。

(a) 公正価値ヘッジ

デリバティブの公正価値変動は、純損益として認識しております。ヘッジされるリスクに起因するヘッジ対象の公正価値変動については、ヘッジ対象の帳簿価額を修正し純損益として認識しております。

(b) キャッシュ・フロー・ヘッジ

ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効部分はその他の包括利益として認識し、非有効部分は直ちに純損益として認識しております。

その他の包括利益に計上したヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識している金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しております。

(c) 在外営業活動体に対する純投資のヘッジ

在外営業活動体に対する純投資のヘッジについては、キャッシュ・フロー・ヘッジと同様の方法で会計処理しております。ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち、有効部分はその他の包括利益で認識し、非有効部分は純損益として認識しております。在外営業活動体の処分時には、従来その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積損益を純損益に振り替えております。

 

④ 金融商品の公正価値

期末日現在で活発な金融市場において取引されている金融商品の公正価値は、市場における公表価格又はディーラー価格を参照しております。

活発な市場が存在しない金融商品の公正価値は、適切な評価技法又は取引先金融機関から提示された価格を参照して算定しております。

 

 

 

4.事業セグメント

(1) 報告セグメントの概要

当社グループの報告セグメントは、当社グループの構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、最高経営意思決定者が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。なお、報告にあたって事業セグメントの集約は行っておりません。

当社グループは、事業間の連携を更に強化し成長を加速させるための組織改正を2024年4月1日付けで行いました。この組織再編と整合する形で、当連結会計年度の期首より報告セグメント内の事業を組み替え、従来の「スペシャリティマテリアルズ」、「産業ガス」、「ヘルスケア」、「MMA」及び「ベーシックマテリアルズ」の5区分から、「スペシャリティマテリアルズ」、「産業ガス」、「ファーマ」、「MMA&デリバティブズ」及び「ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ」の5区分に変更しました。

また、2024年11月に公表した「新中期経営計画 2029」と整合させ、報告セグメントの記載順序を第3四半期より変更しております。

なお、前連結会計年度のセグメント情報については、変更後の区分方法及び記載順序により作成しております。

 

各報告セグメントの事業内容は、以下のとおりです。

 

報告
セグメント

セグメント内訳

 

事業内容

スペシャリティ

マテリアルズ

アドバンスト

フィルムズ

&ポリマーズ

パフォーマンスポリマーズ、ソアノール、

ゴーセノール、パッケージング、

工業・メディカルフィルム、アセチルフィルム、

ポリエステルフィルム、繊維

 

 

アドバンスト

ソリューションズ

アクアソリューション、ライフソリューション、

インフラソリューション、半導体、

エレクトロニクス、電池材料

 

 

アドバンストコンポジット

&シェイプス

エンジニアリングシェイプス&ソリューションズ、

炭素繊維・複合材料

MMA

&デリバティブズ

 

MMA

MMA、PMMA

コーティング

&アディティブス

コーティング材、添加剤・ファイン

ベーシックマテリアルズ

&ポリマーズ

マテリアルズ

&ポリマーズ

石化基盤、ポリオレフィン、基礎化学品、

サスティナブルポリマーズ、

エンジニアリングプラスチック

 

炭素

炭素

ファーマ

ファーマ

医薬品

産業ガス

産業ガス

産業ガス

 

 

報告セグメントの会計方針は、注記「3.重要性のある会計方針」で記載している当社グループの会計方針と同一です。なお、セグメント間の取引は、主に市場実勢価格に基づいております。

 

 

(2) セグメント収益及び業績

当社グループの報告セグメントによる収益及び業績は、以下のとおりです。当社グループは、セグメント損益に基づき、セグメントの業績を評価しております。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他
(注1)

調整額
(注2)

連結

スペシャリティマテリアルズ

MMA&
デリバティブズ

ベーシック
マテリアルズ&ポリマーズ

ファーマ

産業ガス

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

外部収益

1,043,754

347,941

1,106,560

437,230

1,246,877

204,856

4,387,218

セグメント間
収益

9,848

13,876

39,044

138

8,204

149,588

220,698

合計

1,053,602

361,817

1,145,604

437,368

1,255,081

354,444

220,698

4,387,218

セグメント損益
(コア営業利益)
(注3)

7,444

5,537

25,428

56,281

163,040

13,647

12,405

208,116

セグメント資産

1,392,212

590,159

858,879

933,618

2,454,108

274,249

398,712

6,104,513

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費
及び償却費

62,328

25,260

45,433

13,814

114,781

7,228

6,592

275,436

持分法による
投資損益

1,329

1,743

47

372

4,007

90

7,588

持分法で会計処理
されている投資

15,156

28,719

48,538

16,547

54,557

729

164,246

資本的支出

80,867

24,965

39,170

5,129

126,257

4,417

3,069

283,874

 

(注) 1  「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、その主なものはエンジニアリング、運送及び倉庫業です。

2  セグメント損益の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社費用△12,392百万円及びセグメント間消去取引△13百万円が含まれております。全社費用は、報告セグメントに帰属しない基礎的試験研究費等です。

  また、セグメント資産の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社資産102,138百万円及びセグメント間消去取引等△500,850百万円が含まれております。全社資産は、報告セグメントに帰属しない金融資産等です。

3 セグメント損益は、営業利益(又は損失)から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出したコア営業利益で表示しております。

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

報告セグメント

その他
(注1)

調整額
(注2)

連結

スペシャリティマテリアルズ

MMA&
デリバティブズ

ベーシック
マテリアルズ&ポリマーズ

ファーマ

産業ガス

売上収益

 

 

 

 

 

 

 

 

外部収益

1,081,338

402,119

972,448

460,328

1,301,105

190,067

4,407,405

セグメント間
収益

10,276

14,276

34,818

92

6,920

145,406

211,788

合計

1,091,614

416,395

1,007,266

460,420

1,308,025

335,473

211,788

4,407,405

セグメント損益
(コア営業利益)
(注3)

25,111

35,285

15,570

65,402

186,069

13,437

11,357

298,377

セグメント資産

1,342,072

529,179

704,404

963,032

2,461,545

253,034

358,647

5,894,619

その他の項目

 

 

 

 

 

 

 

 

減価償却費
及び償却費

67,998

25,253

37,437

13,504

118,632

6,175

6,934

275,933

持分法による
投資損益

1,609

2,447

1,360

231

5,014

126

8,067

持分法で会計処理
されている投資

15,776

26,728

45,896

16,487

61,055

811

166,753

資本的支出

114,603

23,355

46,750

7,920

142,427

2,243

1,929

339,227

 

(注) 1  「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、その主なものはエンジニアリング、運送及び倉庫業です。

2  セグメント損益の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社費用△11,552百万円及びセグメント間消去取引195百万円が含まれております。全社費用は、報告セグメントに帰属しない基礎的試験研究費等です。

  また、セグメント資産の調整額には、各報告セグメントに配分していない全社資産149,448百万円及びセグメント間消去取引等△508,095百万円が含まれております。全社資産は、報告セグメントに帰属しない金融資産等です。

3 セグメント損益は、営業利益(又は損失)から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出したコア営業利益で表示しております。

4 第3四半期より、一部の事業の所管セグメントを見直しております。なお、前連結会計年度のセグメント情報についても、変更後の区分方法により作成しております。

 

 

セグメント損益から、税引前利益への調整は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

セグメント損益

208,116

 

298,377

関係会社株式売却益 (注1)(注2)

36,488

 

11,278

固定資産売却益

1,632

 

9,739

排出枠売却益

 

2,718

工場閉鎖関連損失引当金戻入額(注3)

11,960

 

1,864

段階取得に係る差益 (注4)

27,000

 

資産除去債務戻入益

4,681

 

債務免除益

3,816

 

減損損失 (注5)

23,761

 

76,590

特別退職金 (注6)

2,006

 

22,080

固定資産除売却損

9,656

 

15,178

解約違約金

343

 

3,480

関係会社株式売却損

149

 

3,220

事業整理損失引当金繰入額

1,832

 

1,850

事業整理損失

4,796

 

826

仲裁裁定に伴う損失

1,073

 

334

その他 (注6)

11,754

 

3,724

営業利益

261,831

 

196,694

金融収益

23,796

 

8,988

金融費用

45,080

 

54,987

税引前利益

240,547

 

150,695

 

(注)1 当連結会計年度の関係会社株式売却益の詳細については、注記「10.その他の営業収益及びその他の営業費用」に記載しております。

2 前連結会計年度において、クオリカプス㈱の株式の譲渡に関連して、関係会社株式売却益20,173百万円及びその他の関連損失△1,966百万円を計上しております。

3 工場閉鎖関連損失引当金戻入額の詳細については、注記「29.引当金」に記載しております。

4 段階取得に係る差益の詳細については、注記「5.企業結合」に記載しております。

5 減損損失の詳細については、注記「16.減損損失」に記載しております。

6 当連結会計年度の特別退職金及び前連結会計年度のその他に含まれる内容の詳細については、注記「10.その他の営業収益及びその他の営業費用」に記載しております。

 

 

(3) 地域別に関する情報

外部顧客からの売上収益及び非流動資産の地域別内訳は、以下のとおりです。

外部顧客からの売上収益

(単位:百万円)

 

 

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

 

日本

 

2,187,485

 

2,137,647

 

アジア・オセアニア

 

785,744

 

810,185

 

(内、中国)

 

( 275,079

)

( 302,239

)

北米

 

747,340

 

785,683

 

(内、アメリカ)

 

( 723,505

)

( 756,726

)

欧州

 

620,420

 

625,368

 

その他

 

46,229

 

48,522

 

合計

 

4,387,218

 

4,407,405

 

 

(注) 売上収益は、販売仕向先の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。

 

非流動資産

(単位:百万円)

 

 

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

 

日本

 

1,156,887

 

1,085,121

 

アジア・オセアニア

 

460,475

 

454,345

 

北米

 

655,561

 

623,272

 

(内、アメリカ)

 

( 652,363

)

( 623,202

)

欧州

 

1,098,530

 

1,124,042

 

その他

 

1,544

 

1,270

 

合計

 

3,372,997

 

3,288,050

 

 

(注) 非流動資産は、資産の所在地によっており、金融商品、繰延税金資産及び退職給付に係る資産を含んでおりません。

 

(4) 主要な顧客に関する情報

売上収益の10%以上を占める単一の外部顧客が存在しないため、記載を省略しております。

 

 

5.企業結合

前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)

 

(シーピーシー社の買収)

当社グループは、2024年1月10日付で子会社の三菱ケミカルヨーロッパ社を通じて、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製の自動車部材製造販売会社であるシーピーシー社の株式を追加取得いたしました。

 

(1) 企業結合の概要
①被取得企業の名称及びその事業の内容

名称      C.P.C. S.r.l.

事業の内容   自動車用CFRP成形品の製造販売

②企業結合を行った主な理由

当社グループは2017年に同社に44%出資し持分法適用会社としておりましたが、このたびの追加取得により、同社を完全子会社化し、垂直統合したサプライチェーンの強化・拡大を図り、炭素繊維事業の長期的な成長を加速していきます。

③取得日

2024年1月10日

④被取得企業の支配の獲得方法

現金を対価とする株式取得

⑤取得した議決権付資本持分の割合

56%

 

(2) 取得対価の公正価値

 

(単位:百万円)

 

取得日
(2024年1月10日)

現金 (注)

54,280

取得対価合計  

54,280

 

(注) 当連結会計年度において、株式譲渡契約において規定された一定の条件に基づく業績連動型のアーンアウト方式による追加代金428百万円の支払が完了しております。

 

(3) 取得資産、引受負債の純額及びのれん

 

(単位:百万円)

 

 

取得日
(2024年1月10日)

 

流動資産

 

 

 現金及び現金同等物

6,529

 

 営業債権

9,497

 

 棚卸資産

8,301

 

 その他

1,322

 

非流動資産

 

 

 有形固定資産 (注1)

20,756

 

 無形資産 (注2)

21,399

 

 その他

291

 

取得資産

68,095

 

流動負債

 

 

 営業債務

4,692

 

 借入金

5,844

 

 その他

3,353

 

非流動負債

 

 

  リース負債

4,912

 

 繰延税金負債

5,682

 

 その他

2,042

 

引受負債

26,525

 

取得資産及び引受負債 (純額)

41,570

 

企業結合前に保有していた被取得企業の

資本持分の公正価値

42,313

 

 追加取得に係る支払対価の公正価値

54,280

 

のれん (注3)

55,023

 

 

前連結会計年度においては、取得資産及び引受負債の公正価値は暫定的な金額となっておりましたが、第1四半期に企業結合当初の会計処理が完了し、上記のとおり確定しております。当該確定に伴う修正額に重要性はありません。

 

(注) 1 有形固定資産の内訳

有形固定資産の主な内容は、建物及び構築物13,376百万円です。

2 無形資産の内訳

無形資産の主な内容は、顧客に係る無形資産19,554百万円です。

3 のれん

のれんの主な内容は、個別に認識要件を満たさない、取得から生じることが期待される既存事業とのシナジー効果と超過収益力です。また、のれんは、全額税務上損金算入不能なものです。

 

(4) 企業結合前に保有していた被取得企業の資本持分を公正価値に再測定した結果として認識した利得

当社が保有していた同社に対する資本持分44%を取得日の公正価値で再測定した結果、当該企業結合から27,000百万円の段階取得に係る差益を認識しております。この利得は、前連結会計年度の連結損益計算書上、「その他の営業収益」に含めております。

 

(5) 取得関連費用

取得関連費用は98百万円であり、前連結会計年度の連結損益計算書上、「販売費及び一般管理費」に含めております。

 

 

(6) 当社グループの業績に与える影響

取得日以降の損益情報及び企業結合が前連結会計年度の期首である2023年4月1日に行われたと仮定した場合のプロフォーマ情報は、連結財務諸表に対する影響額に重要性がないため開示しておりません。

 

6.子会社の売却

前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)

(クオリカプス㈱の株式譲渡)

当社グループは、2023年7月にポートフォリオ改革の一環として、当社グループが保有するクオリカプス㈱の全株式をRoquette Frères SAへ譲渡する株式譲渡契約を締結し、2023年10月に本譲渡を完了しております。

本譲渡による受取対価と売却による収支の関係及びその子会社の支配喪失時の資産及び負債の主な内訳は以下のとおりです。

 

(1) 子会社の売却による収入

 

(単位:百万円)

現金による受取対価

44,326

支配を喪失した子会社の現金及び現金同等物

△4,772

子会社の売却による収入

39,554

 

(注) クオリカプス㈱及びその子会社の支配を喪失したことに伴うクオリカプス㈱からの貸付回収による収入27,950百万円は、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、投資活動によるキャッシュ・フロー「支配喪失会社からの貸付金の回収による収入」に含めて表示しております。

 

(2) 子会社の資産及び負債

 

(単位:百万円)

流動資産(現金及び現金同等物含む)

23,505

非流動資産

39,419

資産合計

62,924

流動負債

29,505

非流動負債

10,432

負債合計

39,937

 

 

(3) 売却損益

本譲渡に伴う利得は20,173百万円であり、前連結会計年度の連結損益計算書上、「その他の営業収益」に含めております。

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日)

(関西熱化学株式会社の株式譲渡)

当社グループは、事業ポートフォリオ改革の一環として、コークス及び副産物の製造並びに販売を行う関西熱化学株式会社の当社グループが保有する全株式を、株式会社神戸製鋼所に譲渡することを2024年9月に決定し、同年10月に譲渡を完了しました。

本譲渡による受取対価と売却による収支の関係、その子会社の支配喪失時の資産及び負債の主な内訳、及び本譲渡に関連する損益は以下のとおりです。

 

(1) 子会社の売却による収入

 

(単位:百万円)

現金による受取対価

6,837

支配を喪失した子会社の現金及び現金同等物

△1,650

子会社の売却による収入

5,187

 

 

(2) 子会社の資産及び負債

 

(単位:百万円)

流動資産(現金及び現金同等物含む)

52,325

非流動資産

34,051

資産合計

86,376

流動負債

61,343

非流動負債

5,998

負債合計

67,341

 

 

(3) 本譲渡に関連する損益

本譲渡の決定に伴い、売却費用控除後の公正価値と帳簿価額の差額について減損損失(その他の営業費用)1,891百万円を計上しております。また、本譲渡と一連の取引である土地に係る取引の完了により関係会社株式売却損(その他の営業費用)1,822百万円を計上しております。

 

 

7.売上収益

(1) 収益の分解

当社グループは、5つの事業領域(「スペシャリティマテリアルズ」、「MMA&デリバティブズ」、「ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ」、「ファーマ」及び「産業ガス」)において幅広く海外に事業展開しており、販売仕向先の所在地により区分した売上収益を経営者に定期的に報告しております。販売仕向先の所在地により区分した売上収益と注記「4.事業セグメント」で記載しているセグメント売上収益との関連は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

アジア・オセアニア

北米

欧州

その他

合計

 

 

(内、中国)

 

 

 

 

スペシャリティ
マテリアルズ

421,586

214,368

(109,943)

212,053

180,087

15,660

1,043,754

MMA&
デリバティブズ

81,403

167,511

(70,796)

53,381

39,442

6,204

347,941

ベーシック
マテリアルズ&ポリマーズ

812,346

173,057

(38,441)

44,937

55,349

20,871

1,106,560

ファーマ

310,073

30,873

(7,794)

85,919

10,289

76

437,230

産業ガス

414,987

178,680

(31,045)

338,368

313,061

1,781

1,246,877

その他

147,090

21,255

(17,060)

12,682

22,192

1,637

204,856

合計

2,187,485

785,744

(275,079)

747,340

620,420

46,229

4,387,218

 

(注) 1 金額は外部顧客からの売上収益で表示しております。

2 売上収益は、そのほとんどが顧客との契約から認識した収益であり、その他の源泉から認識した収益に重 要性はありません。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

(単位:百万円)

 

日本

アジア・オセアニア

北米

欧州

その他

合計

 

 

(内、中国)

 

 

 

 

スペシャリティマテリアルズ

430,475

234,773

(119,158)

204,619

196,792

14,679

1,081,338

MMA&
デリバティブズ

83,035

202,709

(91,799)

62,732

46,757

6,886

402,119

ベーシック
マテリアルズ&ポリマーズ

737,278

133,255

(39,149)

44,089

33,530

24,296

972,448

ファーマ

319,740

27,876

(2,793)

105,955

6,722

35

460,328

産業ガス

412,339

192,910

(35,656)

356,958

336,277

2,621

1,301,105

その他

154,780

18,662

(13,684)

11,330

5,290

5

190,067

合計

2,137,647

810,185

(302,239)

785,683

625,368

48,522

4,407,405

 

(注) 1 金額は外部顧客からの売上収益で表示しております。

2 売上収益は、そのほとんどが顧客との契約から認識した収益であり、その他の源泉から認識した収益に重 要性はありません。

 

・スペシャリティマテリアルズセグメント

スペシャリティマテリアルズセグメントにおいては、アドバンストフィルムズ&ポリマーズ事業、アドバンストソリューションズ事業及びアドバンストコンポジット&シェイプス事業を行っており、国内外の顧客に販売しております。主要な事業内容については、注記「4.事業セグメント」に記載しております。

 

製品販売については、製品の支配が顧客に移転したとき、すなわち、製品を顧客の指定した場所へ配送し引き渡した時点で、顧客に製品の法的所有権、物理的占有、製品の所有に伴う重大なリスク及び経済価値が移転するため、その時点で履行義務を充足したと判断し、収益を認識しております。これらの製品の販売による収益は、顧客との契約に係る取引価格で測定しております。

また、収益は顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品などを控除した金額で測定しております。リベートなどの見積りは過去の実績などに基づく最頻値法を用いており、収益は重大な戻入れが発生しない可能性が非常に高い範囲でのみ認識しております。なお、製品の販売契約における対価は、履行義務の充足時点である製品の引き渡し後、概ね1年以内に受領しており、重要な金融要素は含んでおりません。

 

・MMA&デリバティブズセグメント

MMA&デリバティブズセグメントにおいては、MMA事業及びコーティング&アディティブス事業を行っており、国内外の顧客に販売しております。主要な事業内容については、注記「4.事業セグメント」に記載しております。

これらの事業の製品販売における履行義務を充足する時点、取引価格の算定及び支払条件等については、スペシャリティマテリアルズセグメントと同様です。

 

・ベーシックマテリアルズ&ポリマーズセグメント

ベーシックマテリアルズ&ポリマーズセグメントにおいては、マテリアルズ&ポリマーズ事業及び炭素事業を行っており、国内外の顧客に販売しております。主要な事業内容については、注記「4.事業セグメント」に記載しております。

これらの事業の製品販売における履行義務を充足する時点、取引価格の算定及び支払条件等については、スペシャリティマテリアルズセグメントと同様です。

 

・ファーマセグメント

ファーマセグメントにおいては、医薬品事業(医療用医薬品の研究開発・製造)を行っており、国内外の顧客に販売しております。

これらの事業の製品販売における履行義務を充足する時点、取引価格の算定及び支払条件等については、スペシャリティマテリアルズセグメントと同様です。

また、医薬品事業におけるロイヤリティ等収入は、当社グループが第三者に製品の製造や販売、技術の使用等を認めた契約による収入です。契約一時金は、履行義務が一時点で充足される場合には、使用等を許諾した時点で収益を認識し、履行義務が一時点で充足されない場合には、繰延収益として計上し、履行義務の充足に従い一定期間にわたって収益を認識しております。マイルストンペイメントは、契約上のマイルストンが達成された時点で、重大な戻入れが発生しない可能性が非常に高い範囲でのみ収益を認識しております。ランニング・ロイヤリティは契約先の売上等を算定基礎として測定し、その発生時点を考慮して収益を認識しております。なお、ロイヤリティ等収入は、契約に基づく権利の確定時点から概ね1年以内に受領しており、重要な金融要素は含んでおりません。

 

・産業ガスセグメント

産業ガスセグメントにおいては、鉄鋼、化学、エレクトロニクス産業向けなどのガス事業及びステンレス魔法瓶など家庭用品の製造等の事業を行っており、国内外の顧客に販売しております。

これらの事業の製品販売における履行義務を充足する時点、取引価格の算定及び支払条件等については、スペシャリティマテリアルズセグメントと同様です。

 

(2) 契約残高

顧客との契約から生じた債権、契約資産及び負債は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度期首
 (2023年4月1日)

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

顧客との契約から生じた債権

819,461

867,117

777,561

契約資産

22,315

32,886

35,452

契約負債

31,283

37,247

46,877

 

 

当社グループでは、主に進行中の工事に対する対価に対して契約資産を計上し、顧客からの前受金、繰延収益及び導出取引に伴う繰延収益に対して契約負債を計上しております。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度において、認識した収益のうち期首現在の契約負債残高に含まれていた金額は15,843百万円及び23,661百万円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足した履行義務から認識した収益の金額は15,149百万円及び13,801百万円です。

前連結会計年度の契約資産及び契約負債、当連結会計年度の契約資産及び契約負債の残高に重大な変動はありません。

 

(3) 残存履行義務に配分した取引価格

残存履行義務に配分した取引価格の総額及び収益の認識が見込まれる期間は以下のとおりです。なお、個別の予想契約期間が1年以内の取引は含みません。また、顧客との契約から生じる対価の中に、取引価格に含まれていない重要な金額はありません。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

1年以内

77,506

 

77,876

1年超

51,320

 

43,645

合計

128,826

 

121,521

 

 

(4) 顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産

前連結会計年度及び当連結会計年度において、顧客との契約の獲得又は履行のためのコストから認識した資産はありません。なお、認識すべき資産の償却期間が1年以内である場合には、実務上の便法を使用し、発生時に費用として認識しております。

 

 

8.従業員給付費用

前連結会計年度及び当連結会計年度における連結損益計算書上に含まれる従業員給付費用の合計額は、それぞれ679,716百万円及び734,164百万円であり、従業員給付費用には、給与、賞与、法定福利費及び退職給付に係る費用等を含めており、「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の営業収益及びその他の営業費用」に計上しております。

なお、特別退職金については「10.その他の営業収益及びその他の営業費用」、退職給付に係る費用については「28.退職給付」に記載のとおりです。

 

9.研究開発費

前連結会計年度及び当連結会計年度において、費用として認識した研究開発費は、それぞれ121,624百万円及び123,870百万円です。

 

10.その他の営業収益及びその他の営業費用

その他の営業収益の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

関係会社株式売却益 (注1)

36,488

 

11,279

固定資産売却益

2,349

 

13,826

排出枠売却益

 

2,718

受取賃貸料

2,179

 

2,199

工場閉鎖関連損失引当金戻入額 (注2)

11,960

 

1,864

債務免除益

3,816

 

1,698

受取保険金

415

 

1,206

段階取得に係る差益 (注3)

27,000

 

資産除去債務戻入益

4,681

 

その他 (注4)

28,913

 

13,602

合計

117,801

 

48,392

 

(注) 1 前連結会計年度において、クオリカプス㈱の株式譲渡益及び、当社グループの連結子会社であった大陽日酸エネルギー㈱とアストモスエネルギー㈱の子会社であるアストモスリテイリング㈱の吸収合併に伴い大陽日酸エネルギー㈱に対する支配を喪失したことにより生じた利得が含まれております。なお、クオリカプス㈱の株式譲渡の詳細については、注記「6.子会社の売却」に記載しております。

当連結会計年度において、三菱ケミカルインドネシア社の株式譲渡に関連して、売却完了時に実現した為替換算調整勘定等による関係会社株式売却益5,578百万円を計上しております。また、当連結会計年度において、天津田辺製薬有限公司の持分の売却益が含まれております。

2 三菱ケミカル英国社のキャッセル工場におけるMMA関連製品の生産終了を決定したことに関連して前々連結会計年度に計上した工場閉鎖関連損失引当金の一部を取り崩し、前連結会計年度に引当金戻入額10,169百万円を計上しております。なお、引当金戻入額の詳細については、注記「29.引当金」に記載しております。

3 前連結会計年度において、シーピーシー社の株式の追加取得に関連して、段階取得に係る差益27,000百万円を計上しております。なお、追加取得の詳細については、注記「5.企業結合」に記載しております。

4  ヘルスケアセグメント(現ファーマセグメント)のコロナワクチン供給契約に関連して受領した前受金15,530百万円について、前々連結会計年度末において契約負債として認識するための要件を満たさなくなり前受金から他の負債科目に振り替えておりましたが、相手先との間で当該契約について解約することを前連結会計年度において合意し、その合意の中でその他の負債に計上していた負債については返金不要となったため、当該負債について認識を中止しその他の営業収益を計上しております。

 

 

その他の営業費用の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

減損損失 (注1)(注2)(注3)(注5)

33,530

 

94,576

特別退職金 (注2)(注3)(注4)

2,006

 

22,023

固定資産除売却損 (注5)

18,540

 

21,773

解約違約金(注2)

343

 

3,323

関係会社株式売却損

149

 

3,220

事業整理損失引当金繰入額 (注3)

1,832

 

1,850

事業整理損失

4,743

 

826

仲裁裁定に伴う損失

1,073

 

334

その他 (注2)(注3)(注4)

16,323

 

21,413

合計

78,539

 

169,338

 

(注) 1 減損損失の詳細については、注記「16.減損損失」に記載しております。

2 当連結会計年度において、三菱ケミカルアメリカ社におけるMMA モノマープラント新設計画の検討中止を決定したことに伴い、減損損失12,612百万円、解約違約金3,323百万円、特別退職金209百万円及びその他の関連損失367百万円を計上しております。

3 前連結会計年度において、三菱ケミカルインドネシア社の株式譲渡決定に関連して、減損損失10,652百万円、事業整理損失引当金繰入額1,330百万円、特別退職金323百万円及びその他の関連損失28百万円を計上しております。

4 当連結会計年度において、田辺三菱製薬株式会社の希望退職制度の実施決定に関連して、特別退職金16,632百万円及びその他の関連損失304百万円を計上しております。

5 三菱ケミカル株式会社広島事業所におけるACH法MMAモノマー、アクリロニトリル及びアクリロニトリル誘導品の生産終了の決定に関連して、前連結会計年度に減損損失3,993百万円を計上しております。また、当連結会計年度に固定資産除売却損7,053百万円を計上しております。
 

 

11.金融収益及び金融費用

金融収益の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金融収益

 

 

 

受取利息

 

 

 

償却原価で測定する金融資産

5,501

 

4,822

受取配当金

 

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する金融資産

5,019

 

3,604

その他

1,161

 

為替差益

7,538

 

条件付対価契約に関する金融資産の
公正価値の変動

3,473

 

その他

1,104

 

562

合計

23,796

 

8,988

 

 

 

金融費用の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

金融費用

 

 

 

支払利息

 

 

 

償却原価で測定する金融負債

43,049

 

41,114

有価証券損失

 

 

 

純損益を通じて公正価値で測定する金融資産

 

2,633

為替差損

 

3,805

条件付対価契約に関する金融資産の
公正価値の変動

 

5,653

その他

2,031

 

1,782

合計

45,080

 

54,987

 

 

12.法人所得税

(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債

繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別内訳及び増減は、以下のとおりです。

なお、当社グループは、IAS第12号「法人所得税」の「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」(2023年5月改訂)の一時的な例外措置を適用しており、グローバル・ミニマム課税から生じる法人所得税に関する繰延税金資産及び負債は認識及び開示しておりません。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

2023年4月1日

純損益として
 認識

その他の包括利益として認識

その他(注)

2024年3月31日

繰延税金資産

 

 

 

 

 

有形固定資産

39,951

3,748

△42

43,657

退職給付に係る負債

29,878

△3,869

△2,777

△118

23,114

従業員賞与

18,103

△621

△28

17,454

税務上の繰越欠損金

15,645

△4,438

1,793

13,000

棚卸資産

14,708

△2,803

85

11,990

従業員有給休暇

10,202

△483

57

9,776

その他 

106,170

7,239

2,904

116,313

合計

234,657

△1,227

△2,777

4,651

235,304

繰延税金負債

 

 

 

 

 

有形固定資産

△110,174

1,330

△10,374

△119,218

公正価値評価による簿価修正額

△109,002

7,117

△13,765

△115,650

有価証券及びその他の投資

△30,800

△224

△3,975

2,293

△32,706

在外連結子会社等の未分配利益

△18,583

130

△1,757

△448

△20,658

その他

△51,058

△1,541

△812

△2,893

△56,304

合計

△319,617

6,812

△6,544

△25,187

△344,536

繰延税金資産の純額

△84,960

5,585

△9,321

△20,536

△109,232

 

(注) その他には在外営業活動体の換算差額のほか、企業結合等に伴う増減が含まれております。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

2024年4月1日

純損益として
 認識

その他の包括利益として認識

その他(注1)

2025年3月31日

繰延税金資産

 

 

 

 

 

有形固定資産

43,657

△803

△371

42,483

退職給付に係る負債

23,114

1,706

△1,479

△221

23,120

従業員賞与

17,454

3,558

△259

20,753

税務上の繰越欠損金

13,000

443

△223

13,220

棚卸資産

11,990

1,086

△241

12,835

従業員有給休暇

9,776

322

△248

9,850

その他 (注2)(注3)

116,313

16,231

383

335

133,262

合計

235,304

22,543

△1,096

△1,228

255,523

繰延税金負債

 

 

 

 

 

有形固定資産

△119,218

2,174

1,330

△115,714

公正価値評価による簿価修正額

△115,650

10,724

△4

△104,930

有価証券及びその他の投資

△32,706

113

1,623

2,475

△28,495

在外連結子会社等の
未分配利益 (注3)

△20,658

△3,772

△5,842

393

△29,879

その他

△56,304

△657

△1,300

△116

△58,377

合計

△344,536

8,582

△5,519

4,078

△337,395

繰延税金資産の純額

△109,232

31,125

△6,615

2,850

△81,872

 

(注) 1 その他には在外営業活動体の換算差額のほか、企業結合等に伴う増減が含まれております。

2 当連結会計年度の期首及び期末の残高には、前々連結会計年度において計上されたメディカゴ社の清算の決定に伴い同社への投資に関連する将来減算一時差異について認識した繰延税金資産が含まれております。

3 当連結会計年度末において、田辺三菱製薬株式会社に対する投資に係る一時差異について、繰延税金資産16,626百万円を認識しております。なお、繰延税金資産のその他に24,225百万円、繰延税金負債の在外連結子会社等の未分配利益に7,599百万円が含まれております。

 

繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異及び繰越欠損金の一部又は全部が将来課税所得に対して利用できる可能性を考慮しております。繰延税金資産の回収可能性の評価においては、予定される繰延税金負債の取崩、予測される将来課税所得及びタックス・プランニングを考慮しております。また、将来の課税所得の見積りは、将来の事業計画を基礎としており、そこでの主要な仮定は、主に売上収益の予測です。認識された繰延税金資産については、過去の課税所得水準及び将来減算一時差異と繰越欠損金の解消が予測される期間における将来課税所得の予測に基づき、回収される可能性が高いと考えております。なお、将来課税所得の予測及び主要な仮定について、経営者は妥当と判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、前提とした状況が変化すれば繰延税金資産の回収可能性の評価の算定結果が異なる可能性があります。

 

繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の金額(所得ベース)は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

将来減算一時差異

219,804

 

216,700

繰越欠損金

379,807

 

417,828

繰越税額控除

16,231

 

16,991

 

 

 

なお、上記に対応する未認識の繰延税金資産は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

将来減算一時差異

73,794

 

66,844

繰越欠損金

57,952

 

62,234

繰越税額控除

4,097

 

4,281

 

 

繰延税金資産を認識していない税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除(所得ベース)の失効期限別の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

繰越欠損金

 

 

 

 1年以内

8,539

 

2,686

 1年超5年以内

103,907

 

108,529

 5年超10年以内

129,525

 

143,406

 10年超20年以内

1,874

 

11,154

 無期限

135,962

 

152,053

合計

379,807

 

417,828

繰越税額控除

 

 

 

 1年以内

 

 1年超5年以内

 

 5年超10年以内

2,993

 

4,127

 10年超20年以内

 

 無期限

13,238

 

12,864

合計

16,231

 

16,991

 

 

前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、繰延税金負債を認識していない子会社等の未分配利益に関連する一時差異の合計額は、それぞれ1,409,192百万円及び1,024,814百万円です。

当社グループが一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内で一時差異が解消しない可能性が高い場合には、当該一時差異に関連する繰延税金負債を認識しておりません。

 

(2) 法人所得税

法人所得税の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

当期法人所得税

67,693

 

76,277

繰延法人所得税

△5,585

 

△31,218

合計

62,108

 

45,059

 

 

「所得税法等の一部を改正する法律」(令和7年法律第13号)が2025年3月31日に国会で成立し、2026年4月1日以後開始する連結会計年度より「防衛特別法人税」の課税が行われることになりました。これに伴い、2026年4月1日以後開始する連結会計年度以降に解消が見込まれる一時差異等に係る繰延税金資産及び繰延税金負債については、改正後の税率を基礎とした法定実効税率により計算しております。この変更による当連結会計年度の連結財務諸表に与える影響は軽微です。

 

(3) 実効税率の調整表

当社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎とした法定実効税率は前連結会計年度及び当連結会計年度において、ともに30.6%です。なお、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されております。

法定実効税率と実際負担税率との差異について、原因となった主要な項目の内訳は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

法定実効税率

30.6

 

30.6

未分配利益に係る税効果 (注)

△0.7

 

 

△13.8

 

在外連結子会社の税率差異

△5.3

 

 

△6.4

 

試験研究費に係る税額控除

△0.7

 

 

△3.5

 

持分法による投資利益

△1.0

 

 

△1.6

 

段階取得に係る差益

△3.4

 

 

 

未認識の繰延税金資産の増減

4.1

 

 

15.7

 

損金及び益金に永久に算入されない額

1.1

 

 

3.9

 

その他

1.1

 

 

5.0

 

実際負担税率

25.8

 

29.9

 

(注)   当連結会計年度の未分配利益に係る税効果には(1)に記載の田辺三菱製薬株式会社に対する投資に係る一時差異が含まれております。

 

(4) グローバル・ミニマム課税制度

日本においては令和5年度税制改正において、第2の柱モデルルールに即したグローバル・ミニマム課税に対応する法人税が創設され、それに係る規定(以下「グローバル・ミニマム課税制度」といいます。)を含めた税制改正法(「所得税法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第3号))(以下「改正法人税法」といいます。)が2023年3月28日に成立しました。改正法人税法では、BEPSのグローバル・ミニマム課税ルールのうち、所得合算ルール(IIR)が導入されており、2024年4月1日開始事業年度より、日本に所在する親会社の子会社等の税負担が最低税率(15%)に至るまで、日本に所在する親会社に対して追加で(トップアップ)課税されております。当連結会計年度の当期法人所得税に含まれるグローバル・ミニマム課税から生じる法人所得税は軽微です。

なお、グローバル・ミニマム課税から生じる法人所得税に関する繰延税金資産及び負債の認識及び開示については「(1) 繰延税金資産及び繰延税金負債」に記載しております。

 

13.1株当り当期利益

基本的及び希薄化後1株当り当期利益の算定上の基礎は、以下のとおりです。

 

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

親会社の所有者に帰属する

当期利益(百万円)

119,596

 

45,020

当期利益調整額(百万円)

169

 

希薄化後1株当り当期利益の計算に

使用する当期利益(百万円)

119,765

 

45,020

 

 

 

 

期中平均普通株式数(千株)

1,422,496

 

1,423,071

希薄化効果を有する潜在的普通株式の影響

 

 

 

転換社債型新株予約権付社債(千株)

59,572

 

株式報酬(千株)

728

 

390

希薄化後の期中平均普通株式数(千株)

1,482,796

 

1,423,461

 

 

 

 

基本的1株当り当期利益(円)

84.07

 

31.64

希薄化後1株当り当期利益(円)

80.77

 

31.63

 

 

(注) 基本的及び希薄化後1株当り当期利益の算定上、役員報酬BIP信託が保有する当社株式を、期中平均株式数の計算において控除する自己株式に含めております。

 

 

14.のれん及び無形資産

(1) 増減表

無形資産の取得原価、償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

取得原価

 

 

 

(単位:百万円)

 

のれん

無形資産

技術に係る
無形資産

顧客に係る
無形資産

ソフトウェア

その他

合計

2023年4月1日残高

750,391

324,556

392,420

84,524

75,297

876,797

個別取得

745

57

5,800

1,896

7,753

企業結合による取得

56,829

19,554

616

2,690

22,860

売却及び処分

△32,562

△14,664

△2,645

△3,851

△11,284

△32,444

振替

1

146

△167

△20

在外営業活動体の
換算差額等

64,844

30,953

37,839

2,526

2,349

73,667

2024年3月31日残高

840,247

340,846

447,225

89,761

70,781

948,613

 

 

償却累計額及び減損損失累計額

 

 

 

(単位:百万円)

 

のれん

無形資産

技術に係る
無形資産

顧客に係る
無形資産

ソフトウェア

その他

合計

2023年4月1日残高

22,736

187,665

120,829

66,607

42,483

417,584

償却費

10,355

21,061

6,612

3,046

41,074

減損損失

31

1,233

2,083

185

566

4,067

売却及び処分

△16,274

△11,218

△1,517

△3,064

△9,909

△25,708

在外営業活動体の
換算差額等

855

17,586

10,036

2,116

830

30,568

2024年3月31日残高

7,348

205,621

152,492

72,456

37,016

467,585

 

 

帳簿価額

 

 

 

(単位:百万円)

 

のれん

無形資産

技術に係る
無形資産

顧客に係る
無形資産

ソフトウェア

その他

合計

2023年4月1日残高

727,655

136,891

271,591

17,917

32,814

459,213

2024年3月31日残高

832,899

135,225

294,733

17,305

33,765

481,028

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

取得原価

 

 

 

(単位:百万円)

 

のれん

無形資産

技術に係る
無形資産

顧客に係る
無形資産

ソフトウェア

その他

合計

2024年4月1日残高

840,247

340,846

447,225

89,761

70,781

948,613

個別取得

3,234

208

6,213

4,490

14,145

企業結合による取得

7,052

2,558

3,762

6,320

売却及び処分

△5,629

△1,210

△2,437

△513

△4,160

振替

△12

1,142

△981

149

在外営業活動体の
換算差額等

△6,836

△2,626

△5,636

△2,679

△6,285

△17,226

2025年3月31日残高

834,834

340,232

444,355

92,000

71,254

947,841

 

 

償却累計額及び減損損失累計額

 

 

 

(単位:百万円)

 

のれん

無形資産

技術に係る
無形資産

顧客に係る
無形資産

ソフトウェア

その他

合計

2024年4月1日残高

7,348

205,621

152,492

72,456

37,016

467,585

償却費

9,888

23,506

6,850

4,061

44,305

減損損失

4,496

7,965

3,897

42

34

11,938

売却及び処分

△4,138

△1,210

△2,383

△427

△4,020

在外営業活動体の
換算差額等

△476

△1,699

△3,970

△2,541

△5,796

△14,006

2025年3月31日残高

7,230

220,565

175,925

74,424

34,888

505,802

 

 

帳簿価額

 

 

 

(単位:百万円)

 

のれん

無形資産

技術に係る
無形資産

顧客に係る
無形資産

ソフトウェア

その他

合計

2024年4月1日残高

832,899

135,225

294,733

17,305

33,765

481,028

2025年3月31日残高

827,604

119,667

268,430

17,576

36,366

442,039

 

 

前連結会計年度及び当連結会計年度において、重要な自己創設資産はありません。

 

無形資産の償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。

 

(2) 重要な無形資産

連結財政状態計算書に計上されている重要な無形資産は、以下のとおりです。

 

・2010年3月の当社による三菱レイヨン㈱(現 三菱ケミカル㈱)の株式取得により取得した「技術に係る無形資産」

帳簿価額は前連結会計年度6,571百万円、当連結会計年度3,871百万円であり、残存償却年数は4年です。

・2014年11月の当社による大陽日酸㈱(現 日本酸素ホールディングス㈱)の株式取得により取得した「顧客に係る無形資産」

帳簿価額は前連結会計年度17,242百万円、当連結会計年度15,138百万円であり、残存償却年数は3~8年です。

 

・2017年10月の田辺三菱製薬㈱によるニューロダーム社の買収により取得した「技術に係る無形資産」

帳簿価額は前連結会計年度61,927百万円、当連結会計年度61,154百万円であり、耐用年数を確定できない無形資産に分類しております。

・2018年12月の大陽日酸㈱(現 日本酸素ホールディングス㈱)による欧州事業の取得等により計上したニッポン・ガシズ・ユーロ・ホールディング社が保有する「顧客に係る無形資産」

帳簿価額は前連結会計年度199,260百万円、当連結会計年度189,333百万円であり、残存償却年数は主に23年です。

・2020年10月の三菱ケミカルアメリカ社によるジェレスト社の買収により取得した「技術に係る無形資産」

帳簿価額前連結会計年度30,977百万円、当連結会計年度21,015百万円であり、残存償却年数は主に10年です。

なお、当連結会計年度において当該無形資産の帳簿価額の一部を減損しており、注記「16.減損損失」に記載のとおりです。

・2022年9月の田辺三菱製薬㈱において、Eli Lilly and Companyに対して日本国内における医薬品の販売権許諾の対価を支払ったことにより計上した「技術に係る無形資産」

帳簿価額は前連結会計年度10,641百万円、当連結会計年度9,459百万円であり、残存償却年数は8年です。

・2024年1月の三菱ケミカルヨーロッパ社によるシーピーシー社の買収により取得した「顧客に係る無形資産」

帳簿価額は前連結会計年度19,225百万円、当連結会計年度15,218百万円であり、残存償却年数は3年です。

 

(3) 耐用年数を確定できない無形資産

耐用年数を確定できない無形資産の帳簿価額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ68,793百万円及び67,831百万円です。主なものはファーマセグメントの田辺三菱製薬㈱が2017年にニューロダーム社を買収した際に認識された仕掛研究開発費であり、「技術に係る無形資産」に含まれております。当該資産は研究開発の段階にあり、未だ規制当局の販売承認が得られていないもので使用可能な状態にないため、将来の経済的便益が流入する期間が予見可能でないと判断し、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産に分類しております。

当該資産については、減損の兆候の有無にかかわらず毎年一定の時期に減損テストを実施しております。減損テストに際し、無形資産の回収可能価額は、使用価値により測定しております。

使用価値の算定にあたっては、経営者によって承認された事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を使用しております。事業計画は、過去の経験及び外部からの情報に基づいたものであり、原則として、合理的な理由がある場合を除き、5年を限度としており、主要な仮定は、規制当局の販売承認の取得の可能性、上市後の売上収益の予測及び割引率です。割引率については、加重平均資本コストを基礎とした税引前の割引率を使用しており、前連結会計年度は8.8%~13.4%、当連結会計年度は8.0%~14.0%です。また、ニューロダーム社に係る仕掛研究開発費の年次の減損テストにおける割引率は、前連結会計年度は13.4%、当連結会計年度は14.0%です。なお、前連結会計年度は割引率が0.7%上昇した場合に回収可能価額と帳簿価額が等しくなる可能性がありました。当連結会計年度は減損判定に用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変動した場合においても、重要な減損が発生する可能性は低いと判断しております。

主要な仮定について、経営者は妥当と判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、前提とした状況が変化すれば回収可能価額の算定結果が異なる可能性があります。

また、耐用年数を確定できない無形資産について認識した減損損失は、注記「16. 減損損失」に記載のとおりです。

 

 

(4) のれん

資金生成単位(資金生成単位グループ)に配分されたのれんの帳簿価額は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

報告セグメント

資金生成単位
(資金生成単位グループ)

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

スペシャリティ

マテリアルズ

炭素繊維・複合材料

65,818

59,572

高機能エンプラ

30,865

30,787

その他

51,123

50,637

合計

147,806

140,996

MMA&デリバティブズ

MMA

36,813

36,813

その他

11,748

11,722

合計

48,561

48,535

ベーシックマテリアルズ
&ポリマーズ

その他

3,359

3,337

ファーマ

医薬品

56,099

55,927

産業ガス

産業ガス

576,921

578,680

その他

その他

153

129

合計

 

832,899

827,604

 

(注)当連結会計年度の期首より報告セグメント内の事業を組み替えたことに伴い、前連結会計年度及び当連結会計年度の各資金生成単位(資金生成単位グループ)に配分されたのれんの帳簿価額は、変更後の区分方法により作成しております。

 

資金生成単位グループののれんの回収可能価額は、使用価値により測定しております。

使用価値は、過去の経験と外部からの情報を反映させて作成され、経営者によって承認された5年を限度とする事業計画を基礎とし、事業計画の予測の期間を超えた後(5年を超える期間)は、将来の不確実性を考慮し、成長率を0%と仮定して事業計画の最終年度のキャッシュ・フロー金額と同額で推移すると仮定しております。将来キャッシュ・フローの見積額は主として、売上収益の予測及び市場の成長率に影響を受けます。なお、主要な仮定について、経営者は妥当と判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、前提とした状況が変化すれば回収可能価額の算定結果が異なる可能性があります。

 

回収可能価額の算定に利用している割引率は、以下のとおりです。

 

 

 

 

報告セグメント

資金生成単位
(資金生成単位グループ)

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

スペシャリティ

マテリアルズ

炭素繊維・複合材料

6.9%

7.2%

高機能エンプラ

6.9%

7.2%

MMA&デリバティブズ

MMA

6.1%

5.9%

ファーマ

医薬品

8.8%

8.0%

産業ガス

産業ガス

6.1%

5.9%

 

なお、減損判定に用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変動した場合においても、重要な減損が発生する可能性は低いと判断しております。

 

 

15.有形固定資産

(1) 増減表

有形固定資産の取得原価、減価償却累計額及び減損損失累計額の増減並びに帳簿価額は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

取得原価

 

 

 

(単位:百万円)

 

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

工具器具
及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2023年4月1日残高

1,304,079

3,661,582

415,319

299,111

218,904

5,898,995

個別取得 (注1)

46,750

160,367

27,752

1,177

63,204

299,250

企業結合による取得

16,931

15,682

2,073

1,145

1,451

37,282

売却及び処分

△33,117

△128,902

△19,546

△3,897

△3,737

△189,199

振替 (注2)

△19,449

△73,968

59

△2,871

△12,269

△108,498

在外営業活動体の
換算差額等

31,822

146,002

24,905

5,058

18,565

226,352

2024年3月31日残高

1,347,016

3,780,763

450,562

299,723

286,118

6,164,182

 

 

減価償却累計額及び減損損失累計額

 

 

 

(単位:百万円)

 

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

工具器具
及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2023年4月1日残高

842,824

2,815,697

277,125

14,258

41,193

3,991,097

減価償却費

47,262

159,346

26,048

1,706

234,362

減損損失

5,937

20,238

315

351

2,591

29,432

売却及び処分

△24,707

△119,268

△17,854

△528

△168

△162,525

振替 (注2)

△14,538

△70,662

△198

△1,158

△92

△86,648

在外営業活動体の
換算差額等

8,299

87,667

13,922

888

4,358

115,134

2024年3月31日残高

865,077

2,893,018

299,358

15,517

47,882

4,120,852

 

 

(注) 1 建設仮勘定の個別取得には新規取得による増加額のほか、各有形固定資産科目への振替額(△)を含めた純額で表示しております。

2 振替には売却目的で保有する資産との振替が含まれております。

 

帳簿価額

 

 

 

(単位:百万円)

 

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

工具器具
及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2023年4月1日残高

461,255

845,885

138,194

284,853

177,711

1,907,898

2024年3月31日残高

481,939

887,745

151,204

284,206

238,236

2,043,330

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

取得原価

 

 

 

(単位:百万円)

 

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

工具器具
及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2024年4月1日残高

1,347,016

3,780,763

450,562

299,723

286,118

6,164,182

個別取得 (注1)

49,211

168,507

31,347

8,173

98,415

355,653

企業結合による取得

1,781

2,535

550

1,797

439

7,102

事業譲渡

△2,579

△10,011

△313

△12

△12

△12,927

売却及び処分

△73,422

△343,891

△19,390

△14,948

△17,213

△468,864

振替 (注2)

△6,368

55,206

1,561

△10,122

△45,372

△5,095

在外営業活動体の
換算差額等

854

△9,575

△4,452

△2,211

△10,520

△25,904

2025年3月31日残高

1,316,493

3,643,534

459,865

282,400

311,855

6,014,147

 

 

減価償却累計額及び減損損失累計額

 

 

 

(単位:百万円)

 

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

工具器具
及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2024年4月1日残高

865,077

2,893,018

299,358

15,517

47,882

4,120,852

減価償却費

47,514

155,714

26,830

1,570

231,628

減損損失

10,259

20,651

881

1,295

45,056

78,142

事業譲渡

△2,506

△9,942

△306

△12,754

売却及び処分

△59,776

△326,492

△18,472

△1,249

△13,647

△419,637

振替 (注2)

316

57,825

622

△580

△24,635

33,548

在外営業活動体の
換算差額等

△3,080

△8,553

△2,316

94

△8,225

△22,079

2025年3月31日残高

857,804

2,782,221

306,597

16,647

46,431

4,009,700

 

 

(注) 1 建設仮勘定の個別取得には新規取得による増加額のほか、各有形固定資産科目への振替額(△)を含めた純額で表示しております。

2 振替には売却目的で保有する資産との振替が含まれております。

 

帳簿価額

 

 

 

(単位:百万円)

 

建物及び
構築物

機械装置
及び運搬具

工具器具
及び備品

土地

建設仮勘定

合計

2024年4月1日残高

481,939

887,745

151,204

284,206

238,236

2,043,330

2025年3月31日残高

458,689

861,313

153,268

265,753

265,424

2,004,447

 

 

 

前連結会計年度と当連結会計年度において、使用権資産の増加額は、それぞれ21,406百万円と30,894百万円です。

有形固定資産の減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれております。

建設中の有形固定資産に関する支出額は、建設仮勘定として記載しております。

 

 

(2) 使用権資産(リース資産)

有形固定資産に含まれる使用権資産の帳簿価額は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

建物及び構築物

 

82,603

70,971

機械装置及び運搬具

 

24,991

34,262

工具器具及び備品

 

10,745

11,152

土地

 

7,738

6,310

合計

 

126,077

122,695

 

 

16.減損損失

当社グループは、原則として、ビジネスユニットを基本として事業、製造工程、地域等の関連性に基づき資産のグルーピングを実施しております。なお、遊休資産については、個別資産別に減損損失の認識の判定を行っております。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度における減損損失は、以下のとおりです。減損損失は、連結損益計算書の「その他の営業費用」に含めております。

 

(減損損失)

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

有形固定資産

 

 

 

建物及び構築物

5,937

 

10,259

機械装置及び運搬具

20,238

 

20,651

工具器具及び備品

315

 

881

土地

351

 

1,295

建設仮勘定

2,591

 

45,056

有形固定資産合計

29,432

 

78,142

のれん

31

 

4,496

無形資産 (注) 

4,067

 

11,938

減損損失合計

33,530

 

94,576

 

(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度において、耐用年数を確定できない無形資産にかかる減損損失がそれぞれ1,232百万円及び520百万円含まれております。

 

 

 

減損損失を認識した主な資産は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日  至2024年3月31日)

(有形固定資産及び無形資産)

用途

場所

種類

報告セグメント

減損損失

(百万円)

高純度テレフタル酸の製造設備

三菱ケミカルインドネシア社

(所在地:インドネシア・ジャカルタ首都特別州)

機械装置等

ベーシック

マテリアルズ

(現 ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ)

10,652

フェノール・ビスフェノールA製造設備等

三菱ケミカル

茨城事業所(茨城県神栖市)

岡山事業所(岡山県倉敷市)

九州事業所(福岡県北九州市)

機械装置等

ベーシック

マテリアルズ

(現 ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ)

4,242

ACH法MMAモノマー及びアクリロニトリル関連製造設備

三菱ケミカル

広島事業所(広島県大竹市)

機械装置等

MMA

(現 MMA&

デリバティブズ)

3,993

 

1.三菱ケミカルインドネシア社の高純度テレフタル酸の製造設備

ポートフォリオ改革の一環として、当社グループの連結子会社である三菱ケミカルインドネシア社の全株式を段階的に譲渡することを決定しました。当該決定に基づく売却目的保有資産への振替に伴い、処分コスト控除後の公正価値と帳簿価額の差額について損失を計上しております。同社の設備等非流動資産の帳簿価額については全額を減額し減損損失10,652百万円(内、機械装置8,981百万円、建設仮勘定924百万円、その他747百万円)を計上しており、非流動資産の帳簿価額を上回る損失見積額1,330百万円については事業整理損失引当金繰入額として計上しております。

なお、公正価値は同社株式の売却予定価額に基づいており、公正価値ヒエラルキーはレベル3です。

 

2.三菱ケミカル㈱のフェノール・ビスフェノールA製造設備等

フェノール・ビスフェノールA事業等は、事業環境の変化に伴い収益性が悪化しており、今後も収益改善の可能性が低いとの結論に達し、当事業に係る固定資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失4,242百万円(内、機械装置2,658百万円、構築物802百万円、その他782百万円)を計上しました。

なお、回収可能価額は使用価値により測定し、将来キャッシュ・フローを割引率6.1%で割り引いて算定しております。

 

3.三菱ケミカル㈱広島事業所のACH法MMAモノマー及びアクリロニトリル関連製造設備

MMA及びアクリロニトリル事業の競争力の強化と供給体制の最適化を図るため、三菱ケミカル㈱広島事業所におけるACH法MMAモノマー、アクリロニトリル及びアクリロニトリル誘導品の生産終了を決定したことに伴い、当該製品に係る固定資産について帳簿価額を備忘価額まで減額し、減損損失3,993百万円(内、機械装置2,844百万円、構築物702百万円、その他447百万円)を計上しました。

なお、回収可能価額は使用価値に基づいており、その価値を零としております。

 

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日  至2025年3月31日)

(有形固定資産及び無形資産)

用途

場所

種類

報告セグメント

減損損失

(百万円)

水素生産設備

マチソン・トライガス社の一部事業拠点

(所在地:アメリカ アラバマ州)

建設仮勘定

産業ガス

25,843

Siケミカルズ、特殊アクリレート、有機金属化合物などの開発・製造・販売事業

ジェレスト社

(所在地:アメリカ ペンシルベニア州)

技術に係る

無形資産等

スペシャリティマテリアルズ

12,853

新エチレン法(アルファ法)MMAモノマー製造設備

三菱ケミカルアメリカ社

(所在地:アメリカ ルイジアナ州)

建設仮勘定

MMA&

デリバティブズ

12,612

コークス製造設備

三菱ケミカル株式会社香川事業所
(所在地:香川県坂出市)

機械装置等

ベーシックマテリアルズ&ポリマーズ

7,046

半導体製造装置パーツ洗浄事業等の設備

クリーンパートユーエスエー社の一部事業拠点

(所在地:アメリカ カリフォルニア州、テキサス州、マサチューセッツ州)

顧客に係る

無形資産等

スペシャリティマテリアルズ

3,598

炭素繊維製造設備

三菱ケミカルカーボンファイバーアンドコンポジッツ(アメリカ)社

(所在地:アメリカ カリフォルニア州)

建物等

スペシャリティマテリアルズ

3,415

炭素繊維プリプレグ事業の設備

三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ(ドイツ)社

(所在地:ドイツ ノルトライン・ヴェストファーレン州)

技術に係る無形資産等

スペシャリティマテリアルズ

1,305

 

 

(のれん)

主な内容

報告セグメント

減損損失

(百万円)

三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ(ドイツ)社の炭素繊維プリプレグ事業に関連するのれん

スペシャリティマテリアルズ

4,138

クリーンパートユーエスエー社の一部事業拠点に関連するのれん

スペシャリティマテリアルズ

358

 

 

1.マチソン・トライガス社の水素生産設備

マチソン・トライガス社が建設を進めていた水素生産設備について、建設計画の中止を決定したことに伴い、帳簿価額を回収可能価額まで減額し減損損失25,843百万円(内、建設仮勘定25,843百万円)を計上しました。

なお、回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値により測定しております。当該資産は売却が困難であるため、処分コスト控除後の公正価値を零としており、公正価値のヒエラルキーはレベル3です。

 

2.ジェレスト社の生産設備・無形資産

ジェレスト社の事業について、新事業の立ち上げが当初想定に比べて遅れることが明らかになり、現状の損益の状況も踏まえて同社の事業計画を見直しました。その結果、投資の回収が見込めなくなったため、生産設備・無形資産の帳簿価額を回収可能価額40,901百万円まで減額し、減損損失12,853百万円(内、技術に係る無形資産7,215百万円、建設仮勘定2,615百万円、その他3,023百万円)を計上しました。

回収可能価額は、使用価値により測定しております。使用価値の算定にあたって用いられた主な仮定は割引率です。割引率については、当該資金生成単位の特有のリスクを反映し、現在立ち上げ段階にある事業については税引前の割引率32.6%(前連結会計年度は32.6%)、それ以外の事業については加重平均資本コストを基礎とした税引前の割引率13.9%(前連結会計年度は14.3%)を使用しております。

 

 

3.三菱ケミカルアメリカ社のMMA生産設備

当社グループは、当社グループの独自技術である「新エチレン法(アルファ法)」によるMMAモノマープラントの新設を検討しておりましたが、米国テネシー州やその他地域における既存のMMAモノマー製造設備により当面の需要に対応できる見通しであることや、インフレ等により増大した設備投資額に基づく取引先との交渉の結果、本投資計画実行後の長期的な取引に対するコミットメントが得られなかったことなどから、当該投資計画の検討の中止を決定しました。

その結果、投資の回収が見込めなくなったため、当該工場設備について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失12,612百万円(内、建設仮勘定12,612百万円)を計上しております。

なお、回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値により測定しております。処分コスト控除後の公正価値は売却可能価額、または売却が困難であるものについては零としており、公正価値ヒエラルキーはレベル3です。

 

4.香川事業所(三菱ケミカル株式会社)のコークス製造設備

当社グループは、国内鉄鋼業界の需要動向を踏まえ、香川事業所におけるコークス炉設備縮小や輸出出荷設備増強を進め、海外輸出展開型のビジネスモデルへと変革してきましたが、足元は中国を中心とした鋼材需要の不振に伴い海外コークス市況が低迷しており厳しい事業環境となっております。

このような環境下、当社グループは、コークスの生産体制を見直し、香川事業所の現有のコークス炉250門について150門に生産規模を縮小することを決定し、対象となる100門での生産を終了しました。加えて、国内外の販売ポートフォリオの見直しや追加の合理化策等を実施し、市況変動に左右されない事業構造へ転換します。

本決定に伴い、生産を終了した100門の製造設備について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失7,046百万円(内、機械装置6,843百万円、その他203百万円)を計上しました。

なお、回収可能価額は使用価値に基づいており、その価値を零としております。

 

5.三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ(ドイツ)社の炭素繊維プリプレグ生産設備、無形資産及び同社の事業に関連するのれん

炭素繊維プリプレグ事業は、事業環境の変化に伴い収益性が悪化しており、今後も収益改善の可能性が低いとの結論に達し、構造改革を実施することを決定しました。その結果、将来において投資の回収が見込まれない当該事業に関連する資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失5,443百万円(内、のれん4,138百万円、技術に係る無形資産430百万円、その他875百万円)を計上しました。

なお、回収可能価額は使用価値に基づいており、その価値を零としております。

 

6.クリーンパートユーエスエー社の一部拠点に係る半導体製造装置パーツ洗浄事業等の設備、無形資産及びのれん

当社グループは、半導体製造装置のパーツ洗浄事業等の収益性の改善、存続拠点への経営資源の集中を図るため、クリーンパートユーエスエー社の一部事業拠点を閉鎖することを決定しました。その結果、投資の回収が見込めなくなったため、当該事業拠点の設備、関連するのれん及び顧客に係る無形資産等の無形資産について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失3,598百万円(内、のれん358百万円、顧客に係る無形資産2,117百万円、その他1,123百万円)を計上しました。

なお、回収可能価額は使用価値に基づいており、その価値を零としております。

 

7.三菱ケミカルカーボンファイバーアンドコンポジッツ(アメリカ)社の炭素繊維製造設備

当社グループは、炭素繊維事業の収益性の改善を図るため、三菱ケミカルカーボンファイバーアンドコンポジッツ(アメリカ)社の生産体制を縮小することを決定しました。その結果、投資の回収が見込めなくなったため、関連する設備について帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失3,415百万円(内、建物1,977百万円、機械装置1,438百万円)を計上しました。

なお、回収可能価額は使用価値に基づいており、その価値を零としております。

 

 

17.持分法で会計処理されている投資

投資の帳簿価額及び当期包括利益に対する持分取込額

個別に重要でない持分法で会計処理されているジョイント・ベンチャーに対する投資の帳簿価額は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

ジョイント・ベンチャーに
対する投資の帳簿価額

78,419

 

77,026

 

 

持分法で会計処理されているジョイント・ベンチャーの当期包括利益に対する持分取込額は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

当期利益に対する持分取込額

3,777

 

4,454

その他の包括利益に対する持分取込額

1,982

 

△1,851

当期包括利益に対する持分取込額合計

5,759

 

2,603

 

 

個別に重要でない持分法で会計処理されている関連会社に対する投資の帳簿価額は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

関連会社に対する投資の帳簿価額

85,827

 

89,727

 

 

持分法で会計処理されている関連会社の当期包括利益に対する持分取込額は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

当期利益に対する持分取込額

4,313

 

3,613

その他の包括利益に対する持分取込額

58

 

4,203

当期包括利益に対する持分取込額合計

4,371

 

7,816

 

 

 

18.その他の金融資産

その他の金融資産の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

株式及び出資金

169,076

 

151,834

未収入金

56,033

 

45,292

リース債権

13,544

 

17,523

定期預金

11,928

 

11,778

デリバティブ資産

7,490

 

5,699

その他

47,879

 

39,415

貸倒引当金

△1,914

 

△1,793

合計

304,036

 

269,748

 

 

 

 

流動資産

82,804

 

66,103

非流動資産

221,232

 

203,645

合計

304,036

 

269,748

 

 

株式及び出資金は主にその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性の金融資産、未収入金、リース債権及び定期預金は主に償却原価で測定する金融資産、デリバティブ資産は純損益を通じて公正価値で測定する金融資産(ヘッジ会計を適用しているものを除きます。)にそれぞれ分類しております。

また、その他には条件付対価契約に関する金融資産が含まれており、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性の金融資産の主な銘柄、及び公正価値は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

(単位:百万円)

銘柄

金額

PHCホールディングス㈱

15,199

イビデン㈱

8,805

東ソー㈱

4,610

㈱三菱総合研究所

3,095

高圧ガス工業㈱

3,044

理研計器㈱

2,611

三菱瓦斯化学㈱

2,185

㈱神戸製鋼所

2,152

スタンレー電気㈱

2,089

大阪有機化学工業㈱

1,860

 

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

(単位:百万円)

銘柄

金額

PHCホールディングス㈱

12,556

東ソー㈱

4,595

イビデン㈱

3,538

高圧ガス工業㈱

3,043

㈱三菱総合研究所

2,930

三菱瓦斯化学㈱

1,962

理研計器㈱

1,758

小池酸素工業㈱

1,699

大阪有機化学工業㈱

1,438

スタンレー電気㈱

1,363

 

 

上記に加え、活発な市場における公表価格が入手できないその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性の金融資産を保有しており、主に化学工業関連銘柄、ヘルスケア関連銘柄及び産業ガス関連銘柄により構成されております。

化学工業関連銘柄における投資は、前連結会計年度末73,096百万円、当連結会計年度末73,057百万円です。ヘルスケア関連銘柄における投資は、前連結会計年度末10,396百万円、当連結会計年度末11,266百万円です。産業ガス関連銘柄における投資は、前連結会計年度末9,741百万円、当連結会計年度末9,879百万円です。

 

株式は主に取引・協業関係、金融取引関係の維持・強化等を目的として保有しているため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性の金融資産に指定しております。

 

保有資産の効率化及び有効活用を図るため、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性の金融資産の売却(認識の中止)を行っております。売却時の公正価値及び売却に係る累積利得又は損失(税引前)は、以下のとおりです。その他の資本の構成要素として認識していた累積利得又は損失(税引後)は、売却時に利益剰余金に振り替えております。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

公正価値

10,034

 

11,554

累積利得又は損失

2,653

 

7,193

 

 

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性の金融資産について、認識された受取配当金は以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

認識の中止を行った金融資産

46

 

207

連結会計年度末で保有している金融資産

4,973

 

3,397

 

 

 

19.その他の資産

その他の資産の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

退職給付に係る資産

57,007

 

56,364

前払費用

40,354

 

38,641

契約資産 (注)

32,886

 

35,452

未収消費税等

20,960

 

18,460

前払金

16,493

 

18,367

未収法人所得税

23,362

 

17,246

その他

13,406

 

14,767

合計

204,468

 

199,297

 

 

 

 

流動資産

131,721

 

128,973

非流動資産

72,747

 

70,324

合計

204,468

 

199,297

 

(注) 詳細は、注記「7.売上収益」に記載のとおりです。

 

20.棚卸資産

棚卸資産の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

商品及び製品

450,229

 

437,371

原材料及び貯蔵品

254,199

 

230,463

仕掛品

94,821

 

91,589

合計

799,249

 

759,423

 

 

前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、棚卸資産のうち、正味実現可能価額で評価した金額は、それぞれ81,067百万円及び69,883百万円です。

前連結会計年度及び当連結会計年度において、費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ8,878百万円及び9,721百万円です。

 

21.営業債権

営業債権の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

受取手形及び売掛金

867,117

 

777,561

貸倒引当金

△14,764

 

△12,747

合計

852,353

 

764,814

 

 

営業債権は、償却原価で測定する金融資産に分類しております。

 

 

22.現金及び現金同等物

現金及び現金同等物の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

現金及び預金

269,494

 

301,412

短期投資

25,430

 

24,732

合計

294,924

 

326,144

 

 

23.売却目的で保有する資産

売却目的で保有する資産及びそれに直接関連する負債の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

売却目的で保有する資産

 

 

 

現金及び現金同等物

3,050

 

10

営業債権

5,163

 

152

棚卸資産

7,421

 

704

有形固定資産

3,870

 

12,870

その他の金融資産

8,533

 

2,325

その他

2,548

 

42

合計

30,585

 

16,103

売却目的で保有する資産に
直接関連する負債

 

 

 

その他の金融負債

1,130

 

501

引当金

1,330

 

その他

1,421

 

244

合計

3,881

 

745

 

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

前連結会計年度末において売却目的で保有する資産とそれに直接関連する負債のうち、主なものは以下のとおりです。

①ベーシックマテリアルズセグメント(現ベーシックマテリアルズ&ポリマーズセグメント)における連結子会社である三菱ケミカルインドネシア社に係るもの

2023年12月に、ポートフォリオ改革の一環として、当社グループが保有する三菱ケミカルインドネシア社の全株式を段階的に譲渡する契約を締結したことにより、同社が保有する資産及び負債を売却目的保有に分類したものです。

これに伴い、売却費用控除後の公正価値で測定しております。当該公正価値は同社株式の売却予定価額に基づいており、その公正価値ヒエラルキーは、レベル3です。また、売却目的保有資産への振替に伴い、売却費用控除後の公正価値と帳簿価額の差額について損失を計上しており、その金額はその他の営業費用に含めております。

本譲渡契約に基づき、持分100%のうち80%を2024年8月に売却完了し、これに伴い当社は同社に対する支配を喪失し、当社グループの同社の株式保有比率は20%となりました。なお、残りの20%についても今後売却する予定です。

 

 

②ヘルスケアセグメント(現ファーマセグメント)における連結子会社である天津田辺製薬有限公司に係るもの

2023年12月に、昨今の中国における事業環境の変化を踏まえ中国市場に深い知見を有する企業に事業運営を委ねることが同社のさらなる成長と競争力強化につながると判断し、当社グループが保有する天津田辺製薬有限公司の全持分を譲渡する持分譲渡契約を締結したことにより、同社が保有する資産及び負債を売却目的保有に分類したものです。

なお、売却費用控除後の公正価値(売却予定価額)が帳簿価額を上回っているため、当該資産及び負債は帳簿価額により測定しております。

本譲渡は2024年7月に完了しております。

 

③当社グループが保有している政策保有株式

当社グループでは政策保有株式について継続的に保有意義の検証を行っており、検証の結果、保有意義が乏しいため売却を決定した株式のうち、前連結会計年度末において1年以内に売却予定の株式を売却目的保有に分類しております。当該株式は主に上場株式であり、公正価値ヒエラルキーはレベル1です。

なお、前連結会計年度末において売却目的保有に分類した政策保有株式は、当連結会計年度末時点において概ね売却を完了しております。

 

前連結会計年度末において、売却目的で保有する資産に関連するその他の資本の構成要素は11,008百万円です。

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

当連結会計年度末において売却目的で保有する資産とそれに直接関連する負債のうち、主なものは以下のとおりです。

①その他セグメントにおける連結子会社であるダイヤリックス株式会社の不動産賃貸・管理事業の一部及び当該事業に関連する当社グループの保有不動産

2024年12月に、保有不動産に係る修繕費用の増加傾向を受け、保有資産の適正化を図る観点から、賃貸・管理事業の一部とそれに関連する当社グループの保有不動産を、日本全国で不動産開発事業を展開する会社に譲渡することが適切だと判断し、ダイヤリックス株式会社の不動産賃貸・管理事業の一部及び当該事業に関連する当社グループの保有不動産を譲渡する契約を締結したことにより、関連する資産及び負債を売却目的保有に分類したものです。

なお、売却費用控除後の公正価値(売却予定価額)が帳簿価額を上回っているため、当該資産及び負債は帳簿価額により測定しております。

本譲渡は2025年4月に完了しております。

 

当連結会計年度末において、売却目的で保有する資産に関連するその他の資本の構成要素は1,421百万円です。

 

 

 

 

 

 

24.資本

(1) 資本金及び自己株式

授権株式数及び発行済株式数は、以下のとおりです。

(単位:千株)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

授権株式数

6,000,000

 

6,000,000

発行済株式数

 

 

 

期首

1,506,288

 

1,506,288

期中増減

 

期末

1,506,288

 

1,506,288

 

 

株式は、すべて無額面の普通株式です。発行済株式は全額払込済みです。

 

自己株式の株式数の期中における増減は、以下のとおりです。

(単位:千株)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

期首

84,190

 

83,705

増加  (注1)

38

 

30

減少  (注2)

△523

 

△633

期末  (注3)

83,705

 

83,102

 

 

(注) 1 自己株式の株式数の増加は、単元未満株式の買取りによるものです。

2 前連結会計年度における自己株式の株式数の減少は、役員報酬BIP信託からの株式交付423千株(譲渡制限付株式報酬を含む)、ストックオプション権利行使による払出99千株、単元未満株式の売却1千株によるものです。

当連結会計年度における自己株式の株式数の減少は、役員報酬BIP信託からの株式交付319千株(譲渡制限付株式報酬を含む)、業績連動型株式報酬制度に基づく自己株式の処分158千株、ストックオプション権利行使による払出155千株、単元未満株式の売却1千株によるものです。

3 役員報酬BIP信託が保有する当社株式を含めて表示しております。

前連結会計年度末 1,989千株   当連結会計年度末 1,670千株

 

 

(2) 資本剰余金及び利益剰余金

資本剰余金は、資本取引から生じた金額のうち資本金に含まれない金額であり、資本準備金とその他の資本剰余金により構成されております。利益剰余金は、利益準備金とその他の利益剰余金により構成されております。

日本の会社法では、株式の発行に対しての払込み又は給付の2分の1以上を資本金に組み入れ、残りは資本準備金に組み入れることが規定されております。資本準備金は株主総会の決議により、資本金に組み入れることができます。

複合金融商品の資本要素として転換社債型新株予約権付社債の発行時に資本要素として分類された金額がその他の資本剰余金に計上されておりましたが、前連結会計年度において権利が行使されずに権利行使期間が満了したことにより税引後の金額を利益剰余金へ振替えております。

 

また、剰余金の配当として支出する金額の10分の1を、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達するまで、資本準備金又は利益準備金として積み立てることが規定されております。積み立てられた利益準備金は、欠損填補に充当することができ、また株主総会の決議をもって、利益準備金を取り崩すことができます。

 

(3) その他の資本の構成要素

その他の資本の構成要素は、以下のとおりです。

(その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産)

その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産の評価差額です。

 

(確定給付制度の再測定)

確定給付制度の再測定は、期首時点の数理計算上の仮定と実際の結果との差異による影響額及び数理計算上の仮定の変更による影響額です。これについては、発生時にその他の包括利益で認識し、その他の資本の構成要素から利益剰余金に直ちに振り替えております。

 

(在外営業活動体の換算差額)

外貨建てで作成された在外営業活動体の財務諸表を連結する際に発生した換算差額及び純投資ヘッジとして指定されたヘッジ手段に係る利得又は損失のうち、ヘッジ有効部分の累計額です。

 

(キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の純変動の有効部分)

キャッシュ・フロー・ヘッジに係るヘッジ手段の公正価値の変動から生じた利得又は損失のうち、ヘッジ有効部分の累計額です。

 

 

25.配当

配当金の支払額は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

決議

株式の種類

配当金の総額
(百万円)

1株当り
配当額(円)

基準日

効力発生日

2023年5月19日

取締役会

普通株式

21,368

15

2023年3月31日

2023年6月6日

2023年11月1日

取締役会

普通株式

22,792

16

2023年9月30日

2023年12月4日

 

(注) 2023年5月19日及び2023年11月1日の取締役会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式(付与済の累積ポイント数に相当する株式を除きます。)に対する配当金がそれぞれ35百万円及び31百万円含まれております。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

決議

株式の種類

配当金の総額
(百万円)

1株当り
配当額(円)

基準日

効力発生日

2024年5月20日

取締役会

普通株式

22,793

16

2024年3月31日

2024年6月4日

2024年11月1日

取締役会

普通株式

22,797

16

2024年9月30日

2024年12月3日

 

(注) 2024年5月20日及び2024年11月1日の取締役会決議による配当金の総額には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式(付与済の累積ポイント数に相当する株式を除きます。)に対する配当金がそれぞれ31百万円及び26百万円含まれております。

 

基準日が当連結会計年度に属する配当のうち、配当の効力発生日が当連結会計年度末後となるものは、以下のとおりです。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

決議

株式の種類

配当金の総額
(百万円)

配当の原資

1株当り
配当額(円)

基準日

効力発生日

2025年5月20日

取締役会

普通株式

22,798

利益剰余金

16

2025年3月31日

2025年6月4日

 

(注) 配当金の総額には、役員報酬BIP信託が保有する当社株式(付与済の累積ポイント数に相当する株式を除きます。)に対する配当金26百万円が含まれております。

 

 

26.その他の包括利益

その他の包括利益の各項目の期中の変動額は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

その他の包括利益を通じて公正価値で
測定する金融資産

 

 

 

当期発生額

11,677

 

△9,753

税効果額

△3,885

 

1,935

純額

7,792

 

△7,818

確定給付制度の再測定

 

 

 

当期発生額

10,758

 

9,080

税効果額

△3,463

 

△2,989

純額

7,295

 

6,091

在外営業活動体の換算差額

 

 

 

当期発生額

168,807

 

△13,613

組替調整額

△182

 

△8,227

税効果額

△1,757

 

△5,842

純額

166,868

 

△27,682

キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の
純変動の有効部分

 

 

 

当期発生額

2,920

 

531

組替調整額

△1,541

 

△1,927

税効果額

△216

 

281

純額

1,163

 

△1,115

持分法適用会社における
その他の包括利益に対する持分

 

 

 

当期発生額

7,990

 

2,352

組替調整額

△5,950

 

純額

2,040

 

2,352

その他の包括利益合計

185,158

 

△28,172

 

 

 

27.株式に基づく報酬

当社は、株主価値の共有及びサステナブルな企業価値・株主価値の向上を意識づけること等を目的として、以下の株式報酬制度を導入しております。

 

1 ストック・オプション制度

(1) 株式報酬制度の内容

当社は、執行役(2015年3月期までは、社外取締役を除く取締役。以下同じ。)及び執行役員に対し、各事業年度の会社業績及び執行役又は執行役員(いずれも退任者を含みます。)の業務執行の状況、貢献度等を勘案し、報酬委員会の決議等に基づき、業績報酬として、株式報酬型ストック・オプションを付与しております。

当社が発行するストック・オプションは、すべて持分決済型株式報酬です。権利確定条件はありません。行使期間は主に付与日から20年であり、原則として、当社並びに当社の子会社の取締役、執行役、執行役員及び監査役のいずれの地位をも喪失した日の1年後の応当日の翌日から5年間に限り行使することができます。

なお、2020年3月期以降、新規に株式報酬型ストック・オプションの付与は行わないこととしております。

 

(2) ストック・オプション数

 

 

 

(単位:千株)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

期首未行使残高

442

 

343

行使

△99

 

△156

期末未行使残高

343

 

187

 

 

 

 

期末行使可能残高

248

 

142

 

 

(注) 前連結会計年度及び当連結会計年度において、付与及び失効はありません。

 

ストック・オプションの権利行使価格は、すべて1株当り1円です。

期中に権利行使されたストック・オプションの行使日における加重平均株価は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ870.3円及び832.4円です。

期末時点で未行使のストック・オプションの加重平均残存契約年数は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ4.6年及び4.7年です。

 

2 役員報酬BIP信託を用いた株式報酬制度

当社及び一部の子会社は、2019年3月期より、当社の執行役(2021年3月期まで)及び執行役員(国内非居住者を除きます。以下同じ。)並びに一部の子会社の代表取締役社長、執行役員を兼務する取締役及び執行役員(国内非居住者を除きます。当社の執行役及び執行役員と併せて、以下「業務執行役員」といいます。)を対象に、業績連動型株式報酬制度を導入しております。

本制度は、当社の中期経営計画の対象となる期間に対応した連続する5事業年度(当初は2019年3月期から2021年3月期の3事業年度。)を対象として、各事業年度の会社業績目標等の達成度の評価に基づき、各業務執行役員の役位に応じた数のポイントを毎期付与し、業務執行役員の退任後算定される当該累積ポイント数に相当する当社株式(1ポイントは当社株式1株とします。)等を役員報酬として交付等するインセンティブプランです。

本制度では、役員報酬BIP(Board Incentive Plan)信託を用いています。当社及び一部の子会社が拠出する金員を原資として当社株式が本信託を通じて取得され、本信託を通じて業務執行役員に当社普通株式等が交付等されます。

本制度は、持分決済型の株式報酬として会計処理しております。

なお、株式報酬制度の見直しに伴い、2024年3月期以降、新規に本制度に係るポイント付与は行わないこととしております。

 

3 譲渡制限付株式報酬制度

(1) 株式報酬制度の内容

当社は、2021年3月期より、当社の執行役等を対象とする譲渡制限付株式報酬制度を導入しております。

本制度では、本制度の目的、当社の業績、各対象者の職責の範囲その他諸般の事情を勘案した基準額をもとに決定した数の普通株式を交付します。当該普通株式は、交付日から翌年3月31日の間、継続して当社又は当社子会社の取締役、執行役又は執行役員(以下「当社役員等」といいます。)の地位にあることを条件として、当社役員等を退任した時に譲渡制限が解除されます。

また、上記の他に前執行役社長の就任時(2022年3月期)にサインオン・ボーナスとして、譲渡制限付株式を交付しました。当該譲渡制限付株式は、就任後3年間の各事業年度終了時において3分の1ずつ譲渡制限が解除されるものです。

本制度は、持分決済型の株式報酬として会計処理しております。

 

(2) 期中に付与された株式数及び株式の加重平均公正価値

期中に付与された株式数及び株式の加重平均公正価値は、以下のとおりです。なお、株式の付与日における公正価値は、付与日の株価に近似していることから、付与日の株価を使用しております。

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

期中に付与された付与数 (千株)

406

306

加重平均公正価値 (円)

798.6

907.4

 

 

(3) 株式に基づく報酬費用

本制度に係る費用計上額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において345百万円及び275百万円であり、連結損益計算書上、「販売費及び一般管理費」に計上しております。

 

4 パフォーマンス・シェア・ユニット(PSU)

(1) 株式報酬制度の内容

当社は、2022年3月期より、当社の執行役等を対象にPSUを導入しています。当社PSUは、3年間の当社の株主総利回り(TSR)の評価に基づき、当社株式を交付するか否か、及び交付する場合の株式数が決定される制度です。TSRの評価においては、インデックス(JPX日経インデックス400(配当込))成長率との比較及びピアグループ(当社と売上高や時価総額等が同規模の国内外の化学、ヘルスケア企業)における順位に基づき、評価係数(0%~200%)を決定します。交付する場合、当該評価係数を役位別の基準株式数に乗じて各対象者への交付株式数を決定することとなります。なお、対象期間中(3年間)継続して当社の執行役又は執行役員いずれかの地位にあることを株式交付の条件としており、対象期間中に正当な理由により当社の執行役又は執行役員のいずれの地位も退任した場合は、退任日の前月の株価及び在任期間に応じて算出される金額の金銭を支給します。

2025年2月17日開催の当社の報酬委員会において、一部の子会社の代表取締役及び執行役員を対象に2026年3月期より本制度を導入することを決議いたしました。

本制度は、持分決済型及び現金決済型の株式報酬として会計処理しております。

 

 

(2) 期中に付与された株式数及び株式の加重平均公正価値

期中に付与された基準株式数及び株式の加重平均公正価値は、以下のとおりです。なお、実際の交付株式数は、基準株式数の0%から200%の間で変動します。また、付与日における公正価値は、モンテカルロ・シミュレーションを用いて算定しております。

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

期中に付与された基準株式数 (千株) (注)

269

145

基準株式1株当り加重平均公正価値 (円)

805.7

892.2

 

(注) 基準株式数には退任者分(前連結会計年度198千株、当連結会計年度97千株)が含まれております。

 

モンテカルロ・シミュレーションに使用した主な基礎数値(当社株式に係るもの)は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

付与日の株価

795.1円他

896.4円他

予想配当率

3.773%

3.570%

当初株価

784.1円

896.1円

ボラティリティ (注)

26.004%

24.151%

リスクフリーレート

0.012%

0.318%

 

(注) 付与日から対象期間終了日までの期間に対応する直前期間の株価実績に基づき算定しております。

 

(3) 株式に基づく報酬費用

本制度に係る費用計上額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ185百万円及び62百万円であり、連結損益計算書上、「販売費及び一般管理費」に計上しております。

 

 

28.退職給付

当社の連結子会社は、退職一時金制度と退職年金制度を設けております。退職年金制度は、確定給付型の制度と、確定拠出型の制度を採用又は併用しており、加えて一部の連結子会社は厚生年金基金制度に加入しております。確定給付型の年金制度には規約型年金制度と基金型年金制度があります。

 

(1) 確定給付制度

当社の連結子会社の確定給付制度のうち、主なものはキャッシュバランス型年金制度です。

キャッシュバランス型年金制度における給付額は、勤続年数、在職中の成果・貢献を踏まえたポイント等の諸条件に基づき設定しております。運用利回りは10年国債利回り等を考慮して決定しております。

キャッシュバランス型年金制度は、確定給付企業年金法等の法令に従い、当社の連結子会社、又は当社の連結子会社と法的に分離された企業年金基金により運営されております。当社の連結子会社、又は年金基金の理事会及び年金運用受託機関は、制度加入者の利益を最優先にして行動することが法令により求められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っております。

キャッシュバランス型年金制度のうち、規約型年金制度は厚生局の認可を得ている年金規約に基づき実施しております。積立金の管理及び運用に関しては、信託銀行等の運用受託機関との契約において、受託者の注意義務や損害賠償等につき定めております。

キャッシュバランス型年金制度のうち、基金型年金制度は企業年金基金によって実施されております。当該基金の理事は、基金のために忠実にその職務を遂行し、積立金の管理及び運用に関する基金の業務についてその任務を怠ったときは、基金に対して連帯して損害賠償責任を負います。

退職給付制度のうち、退職年金制度を確定給付企業年金から確定拠出年金へ移行すること、及び定年延長についての規約改正を行うことを決定した場合には、これらの決定に伴う退職給付制度改定損益及び過去勤務費用は、制度改定を決定した連結会計年度に認識しており、また、確定拠出年金への移行に伴う確定給付制度債務及び制度資産の減少は、制度移行した連結会計年度に認識しております。

 

確定給付制度の連結財政状態計算書上の金額は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

確定給付制度債務の現在価値

387,763

 

350,222

制度資産の公正価値

△341,215

 

△314,684

資産上限額の影響

1,273

 

7,148

確定給付負債の純額

47,821

 

42,686

 

 

 

 

退職給付に係る負債

104,828

 

99,050

退職給付に係る資産

△57,007

 

△56,364

確定給付負債の純額

47,821

 

42,686

 

 

確定給付制度に関して、連結損益計算書上、費用として認識した金額は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

当期勤務費用

12,444

 

11,700

過去勤務費用

13

 

511

利息費用

5,860

 

6,373

利息収益

△5,502

 

△5,576

退職給付制度改定損益

 

△14

合計

12,815

 

12,994

 

 

確定給付制度債務の現在価値に係る変動は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

期首残高

402,579

 

387,763

当期勤務費用

12,444

 

11,700

利息費用

5,860

 

6,373

再測定

 

 

 

人口統計上の仮定の変更により生じた
数理計算上の差異

160

 

461

財務上の仮定の変更により生じた
数理計算上の差異

△2,527

 

△15,151

その他

△2,166

 

△6,464

給付支払額

△30,502

 

△32,072

過去勤務費用

13

 

511

退職給付制度の清算・縮小

△996

 

退職給付制度の改定に伴う影響額

△5,708

 

△14

在外活動営業体の換算差額等

8,606

 

△2,885

期末残高

387,763

 

350,222

 

 

制度資産の公正価値に係る変動は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

期首残高

345,584

 

341,215

利息収益

5,502

 

5,587

再測定

 

 

 

制度資産に係る収益

6,225

 

△6,210

会社拠出額

7,009

 

4,196

給付支払額

△25,437

 

△27,122

退職給付制度の清算・縮小

△996

 

退職給付制度の改定に伴う影響額

△5,708

 

在外活動営業体の換算差額等

9,036

 

△2,982

期末残高

341,215

 

314,684

 

 

 

資産上限額の影響の変動は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

期首残高

 

1,273

利息収益の制限

 

11

再測定

 

 

 

資産上限額の影響の変動 (注)

1,273

 

5,864

期末残高

1,273

 

7,148

 

(注) 最低積立要件を考慮し、制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値に基づき資産上限額を算定しております。

 

確定給付制度債務の現在価値の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は、以下のとおりです。

 

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

割引率(%)

1.67

 

2.32

 

 

主要な数理計算上の仮定である割引率が変動した場合、確定給付制度債務の現在価値は前連結会計年度末及び当連結会計年度末において以下のとおり変動します。この感応度分析は、分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としております。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

0.5%上昇

△16,402

 

△14,016

0.5%下落

17,766

 

15,117

 

(注) 割引率は、給付が見込まれる期間に近似した満期を有する優良社債の利回りを参照して決定しているため、合理的に考えうる割引率の下限を0%として、感応度を分析しております。

 

制度資産の公正価値は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

 

活発な市場における
公表市場価格の
あるもの

活発な市場における
公表市場価格の
ないもの

合計

現金及び現金同等物

12,995

12,995

資本性金融商品

 

 

 

国内株式

2,301

2,301

外国株式

1,622

1,622

合同運用信託他

56,915

56,915

負債性金融商品

 

 

 

国内債券

3,075

3,075

外国債券

6,814

6,814

合同運用信託他

81,687

81,687

生保一般勘定

134,237

134,237

その他

41,569

41,569

合計

26,807

314,408

341,215

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

 

活発な市場における
公表市場価格の
あるもの

活発な市場における
公表市場価格の
ないもの

合計

現金及び現金同等物

9,724

9,724

資本性金融商品

 

 

 

国内株式

2,444

2,444

外国株式

1,061

1,061

合同運用信託他

45,823

45,823

負債性金融商品

 

 

 

国内債券

2,595

2,595

外国債券

2,913

2,913

合同運用信託他

88,393

88,393

生保一般勘定

124,374

124,374

その他

37,357

37,357

合計

18,737

295,947

314,684

 

 

当社の連結子会社は、年金給付金及び一時金等の支払いを将来にわたり確実に行うに十分な資産を確保するため、許容されるリスクの範囲内で、必要とされる総合収益を確保し、中長期的な拠出負担の軽減と給付のための財源の積立を図っております。

目標とする収益率を達成するために、中長期的な観点に基づいた政策的資産構成割合を定め、定期的に見直し、想定したリスクのもとでリターンを極大化するよう努めております。

 

確定給付制度への拠出は、給付に関する必要な費用にあてるため、標準掛金及び特別掛金を拠出しております。

掛金については、法令の定め等に従い、将来にわたり年金財政の均衡を保つことができるよう定期的に財政再計算を実施して定めております。財政再計算では、掛金の設定に係る各種基礎率(予定死亡率、予定脱退率、予定利率等)を見直し、掛金の妥当性を検証しております。

 

翌連結会計年度において、4,285百万円を掛金として制度資産へ拠出する予定です。

 

当社の連結子会社は、従業員の退職等に際して、割増退職金を支払う場合があります。

当社の一部の国内連結子会社は、退職給付信託を設定しております。

 

前連結会計年度末及び当連結会計年度末における確定給付債務の加重平均デュレーションは、それぞれ10.2年及び9.9年です。

 

(2) 確定拠出制度及び公的制度

確定拠出制度及び公的制度において費用として認識した金額は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
 至 2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
 至 2025年3月31日)

確定拠出制度における費用

15,828

 

16,687

公的制度における費用

23,895

 

25,503

 

 

 

29.引当金

引当金の内訳及び増減は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

資産除去債務

訴訟損失等
引当金

 工場閉鎖関連損失引当金

(注)

医薬品に係る

売上割戻

引当金

その他

 

合計

2023年4月1日残高

19,473

9,374

29,371

9,305

19,227

86,750

期中増加額

1,143

262

52

31,074

9,807

42,338

割引計算による
期間利息費用

816

9

786

1,611

目的使用による

減少額

△1,351

△771

△6,190

△25,981

△13,707

△48,000

戻入による減少額

△4,681

△11,960

△5,432

△22,073

在外営業活動体の

換算差額

1,701

293

2,982

1,266

857

7,099

その他

△161

39

26

△96

2024年3月31日残高

16,940

9,167

15,080

15,664

10,778

67,629

 

 

 

 

 

 

 

流動負債

881

9,849

15,664

9,563

35,957

非流動負債

16,059

9,167

5,231

1,215

31,672

合計

16,940

9,167

15,080

15,664

10,778

67,629

 

(注) 三菱ケミカル英国社のキャッセル工場におけるMMA関連製品の生産終了を決定したことに関連して前々連結会計年度に計上した工場閉鎖関連損失引当金の一部を取り崩し、引当金戻入額として△10,169百万円を計上しております。契約上のコミットメントにかかる損失並びに工場の撤去にかかる費用等を、相手先との協議が進展し新たな合意書を締結したことや、工事会社から入手した最新の撤去費用の見積もり等を踏まえて見直しております。

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

資産除去債務

訴訟損失等
引当金

 工場閉鎖関連損失引当金

医薬品に係る

売上割戻

引当金

その他

合計

2024年4月1日残高

16,940

9,167

15,080

15,664

10,778

67,629

期中増加額

1,226

4

1,687

39,470

25,873

68,260

割引計算による
期間利息費用

583

9

220

812

目的使用による

減少額

△700

△969

△5,156

△32,054

△20,887

△59,766

戻入による減少額

△434

△706

△1,864

△7,262

△839

△11,105

在外営業活動体の

換算差額

△220

△8

△107

△273

△33

△641

その他

△1,986

△1

248

△63

△1,802

2025年3月31日残高

15,409

7,496

10,108

15,545

14,829

63,387

 

 

 

 

 

 

 

流動負債

534

820

9,731

15,545

11,597

38,227

非流動負債

14,875

6,676

377

3,232

25,160

合計

15,409

7,496

10,108

15,545

14,829

63,387

 

 

資産除去債務

当社グループが使用する賃借不動産に対する原状回復義務等に備えて、過去の実績に基づき将来支払うと見込まれる金額を計上しております。これらの費用は主に1年以上経過した後に支払われることが見込まれておりますが、将来の事業計画等により影響を受けます。

 

訴訟損失等引当金

訴訟における今後の和解金等の支払いや将来発生する可能性のある支出に備えるため、当該支出見積額を計上しております。主な訴訟損失等引当金は、以下のとおりです。

(1) HIV訴訟健康管理手当等引当金

HIV感染被害損害賠償請求訴訟における今後の発症者健康管理手当の支払いに備えて、将来支出すべき見積額を計上しております。

1996年3月締結の和解に関する確認書に基づき、和解に至ったエイズ発症患者を対象に現在までの支給実績を基準として算出した将来支出すべき見積額の現在価値相当額を計上しております。

(2) スモン訴訟健康管理手当等引当金

スモン訴訟における和解成立原告に対する健康管理手当及び介護費用の生涯支払見込額を計上しております。

(3) HCV訴訟損失引当金

HCV(C型肝炎ウイルス)感染被害による損害賠償請求訴訟の解決に向け公布・施行された「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第Ⅸ因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」に基づき、将来発生する損失に備えて、給付金支給対象者及び給付金額等の見積りを基準として、当社の負担に帰する見積額を計上しております。

 

工場閉鎖関連損失引当金

工場の閉鎖を決定したことに伴い、関連する損失に備えるため、当該損失見積額を計上しております。これらの費用の支払時期は工場閉鎖に向けた計画の進捗状況により影響を受けます。

 

医薬品に係る売上割戻引当金

ファーマセグメントの子会社において計上した、米国での医療制度に関するリベート等に係るものであり、契約の条件及び過去の実績等に基づいて算出した見積額を計上しております。

これらの費用は1年以内に支払われることが見込まれております。

 

 

 

30.社債及び借入金

社債及び借入金の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

短期借入金

283,605

 

255,741

1年内返済予定の長期借入金

187,182

 

121,450

コマーシャル・ペーパー

97,000

 

1年内償還予定の社債

35,000

 

45,000

営業債権の譲渡により生じた借入金

2,508

 

2,870

連結子会社営業債権の

譲渡により生じた借入金

12

 

3,006

社債

587,163

 

562,223

長期借入金

1,008,541

 

1,050,697

合計

2,201,011

 

2,040,987

 

 

 

 

流動負債

605,307

 

428,067

非流動負債

1,595,704

 

1,612,920

合計

2,201,011

 

2,040,987

 

 

社債及び借入金は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。

 

前連結会計年度末における短期借入金及び長期借入金の平均利率は、それぞれ3.065%及び2.462%です。

当連結会計年度末における短期借入金及び長期借入金の平均利率は、それぞれ2.751%及び2.199%です。

長期借入金の返済期限は、2025年から2059年です。

 

営業債権の譲渡により生じた借入金は、金融資産の認識の中止の要件を満たさない営業債権の譲渡に関連する負債です。

連結子会社営業債権の譲渡により生じた借入金は、連結子会社に対する営業債権の譲渡に関連する負債です。

 

社債の内訳は、以下のとおりです。

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

銘柄

期間

利率

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

*1

第15回無担保社債

2014-2024

0.800%

15,000

*1

第17回無担保社債

2015-2025

0.755%

10,000

10,000

*1

第20回無担保社債

2015-2025

0.711%

10,000

10,000

*1

第22回無担保社債

2016-2026

0.320%

10,000

10,000

*1

第23回無担保社債

2016-2036

0.850%

20,000

20,000

*1

第24回無担保社債

2018-2028

0.370%

15,000

15,000

*1

第25回無担保社債

2018-2038

0.890%

15,000

15,000

*1

第26回無担保社債

2018-2028

0.420%

12,000

12,000

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

銘柄

期間

利率

前連結会計年度

(2024年3月31日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

*1

第27回無担保社債

2018-2038

1.000%

8,000

8,000

*1

第28回無担保社債

2018-2048

1.388%

5,000

5,000

*1

第29回無担保社債

2019-2029

0.330%

10,000

10,000

*1

第30回無担保社債

2019-2039

0.830%

12,000

12,000

*1

第31回無担保社債

2019-2049

1.214%

8,000

8,000

*1

第32回無担保社債

2020-2027

0.230%

20,000

20,000

*1

第33回無担保社債

2020-2030

0.280%

20,000

20,000

*1

第34回無担保社債

2020-2040

0.690%

29,858

29,867

*1

第35回無担保社債

2020-2025

0.190%

25,000

25,000

*1

第36回無担保社債

2020-2030

0.400%

15,000

15,000

*1

第37回無担保社債

2020-2040

0.830%

10,000

10,000

*1

第38回無担保社債

2020-2030

0.360%

10,000

10,000

*1

第39回無担保社債

2020-2040

0.770%

10,000

10,000

*1

第40回無担保社債

2021-2026

0.090%

20,000

20,000

*1

第41回無担保社債

2021-2031

0.330%

20,000

20,000

*1

第42回無担保社債

2021-2041

0.740%

29,847

29,855

*1

第43回無担保社債

2022-2032

0.659%

17,000

17,000

*1

第1回無担保社債

2023-2028

0.579%

10,000

10,000

*1

第2回無担保社債

2023-2033

1.180%

18,000

18,000

*1

第3回無担保社債

2023-2028

0.758%

20,000

20,000

*2

第14回無担保社債

2016-2026

0.390%

15,000

15,000

*2

第15回無担保社債

2019-2024

0.130%

20,000

*2

第16回無担保社債

2019-2026

0.190%

9,979

9,987

*2

第17回無担保社債

2019-2029

0.300%

19,941

19,952

*2

第1回無担保社債

2021-2026

0.110%

15,000

15,000

*2

第2回無担保社債

2021-2031

0.280%

10,000

10,000

*2

第3回無担保社債

2023-2026

0.330%

29,896

29,938

*2

第4回無担保社債

2023-2028

0.599%

59,738

59,805

*2

第5回無担保社債

2023-2033

1.052%

9,949

9,954

*2

第6回無担保社債

2025-2030

1.355%

19,901

*3

第2回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債(劣後特約付)

2019-2059

1.870%

7,955

7,964

 

合計

622,163

607,223

 

(注) *1:当社の発行しているものです。

  *2:当社の連結子会社である日本酸素ホールディングス㈱の発行しているものです。

  *3:当社の連結子会社である日本酸素ホールディングス㈱の発行しているものです。なお、2019年1月29日の翌日から2029年1月29日までは固定利率、2029年1月29日の翌日以降は変動利率(2029年1月30日に金利のステップアップが発生)です。

 

 

担保に供している資産及び担保付債務は、以下のとおりです。

担保に供している資産

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

建物及び構築物

6,823

 

381

機械装置及び運搬具

11,684

 

152

土地

6,268

 

636

その他

1,409

 

1,123

合計

26,184

 

2,292

 

 

担保付債務

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

支払手形及び買掛金

54

 

35

1年内返済予定の長期借入金

1,234

 

長期借入金

4,458

 

296

合計

5,746

 

331

 

 

31.財務活動に係る負債の調整表

財務活動に係る負債の増減は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

短期借入金

コマーシャル・ペーパー

長期借入金(注)

社債(注)

リース負債(注)

2023年4月1日残高

251,590

76,000

1,214,054

702,124

132,059

キャッシュ・フロー

11,641

21,000

△82,203

△80,554

△36,491

子会社又は他の事業に対する支配の獲得又は喪失から生じる変動

5,644

1,726

4,288

新規リース及び契約変更等による増減額

29,851

為替レートの変動の影響等

17,250

62,146

593

7,472

2024年3月31日残高

286,125

97,000

1,195,723

622,163

137,179

 

(注) 1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

短期借入金

コマーシャル・ペーパー

長期借入金(注)

社債(注)

リース負債(注)

2024年4月1日残高

286,125

97,000

1,195,723

622,163

137,179

キャッシュ・フロー

△23,425

△97,000

△13,123

△15,101

△34,203

子会社又は他の事業に対する支配の獲得又は喪失から生じる変動

651

△8,063

△291

新規リース及び契約変更等による増減額

36,222

為替レートの変動の影響等

△1,734

△2,390

161

△1,417

2025年3月31日残高

261,617

1,172,147

607,223

137,490

 

(注) 1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。 

 

32.その他の金融負債

その他の金融負債の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

未払金

146,141

 

139,906

リース負債

137,179

 

137,490

未払費用

142,891

 

130,787

預り金

21,041

 

35,497

その他

41,801

 

43,156

合計

489,053

 

486,836

 

 

 

 

流動負債

367,925

 

351,480

非流動負債

121,128

 

135,356

合計

489,053

 

486,836

 

 

その他の金融負債は、主に償却原価で測定する金融負債に分類しております。

 

33.リース取引

(1) リース取引に関連する損益及びキャッシュ・アウトフロー

リース取引に関連する損益及びキャッシュ・アウトフローは、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2023年4月1日

至 2024年3月31日)

当連結会計年度

(自 2024年4月1日

 至 2025年3月31日)

使用権資産の減価償却費

 

 

土地、建物及び構築物を原資産とするもの

19,310

18,364

機械装置及び運搬具を原資産とするもの

6,978

9,117

工具器具及び備品を原資産とするもの

2,624

2,810

合計

28,912

30,291

短期リースの免除規定によるリース費用

650

1,099

少額資産の免除規定によるリース費用

10,168

9,529

変動リース料

146

132

リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額

47,455

44,963

 

 

(2) リース取引に関連する追加の情報

当社グループのリース活動の多くは不動産リースであり、主にオフィス及び工場用地として土地と建物をリースしております。これらのリースには、事業上の柔軟性を確保するため、延長オプション及び解約オプションが付されているものがあり、当社グループは、当該延長オプションを行使する(若しくは解約オプションを行使しない)ことが合理的に確実であるかどうかを判断した上で、リース期間を決定しております。

なお、当社グループのリース活動において、リースにより課されている制限又は特約や、セール・アンド・リースバック取引に重要なものはありません。

 

 

34.その他の負債

その他の負債の内訳は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

従業員賞与

64,443

 

72,374

契約負債 

37,247

 

46,877

従業員有給休暇債務等

40,802

 

40,236

未払消費税等

17,625

 

13,697

返金負債

11,502

 

9,026

長期従業員給付債務

5,367

 

5,645

前受金 (注)

1,291

 

3,895

預り社会保険料等

3,935

 

2,668

その他

49,355

 

60,432

合計

231,567

 

254,850

 

 

 

 

流動負債

187,420

 

217,563

非流動負債

44,147

 

37,287

合計

231,567

 

254,850

 

(注) 売上収益以外に係るものです。

 

35.営業債務

営業債務は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

支払手形及び買掛金

501,532

 

424,635

 

 

営業債務は、償却原価で測定する金融負債に分類しております。

 

36.金融商品

(1) 資本管理

当社グループは、経営方針「KAITEKI Vision 35」のもと、社会課題に最適なソリューションを提供し続け、素材の力で顧客を感動させる「グリーン・スペシャリティ企業」をめざし、ポートフォリオ変革と収益改善を実現してまいります。財務目標のうち資本管理に関連する指標は以下のとおりです。

 

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

ROE(親会社所有者帰属持分利益率)

(注1)

7.2%

 

2.6%

ネットD/Eレシオ

(注2)

1.16

 

1.06

 

(注)1 親会社の所有者に帰属する当期利益/親会社の所有者に帰属する持分(期首・期末平均)

2 ネット有利子負債(*1)/親会社の所有者に帰属する持分(期末)

(*1)ネット有利子負債=有利子負債-(現金及び現金同等物+手元資金運用額(*2))

(*2)手元資金運用額は、当社グループが余剰資金の運用目的で保有する現金同等物以外の譲渡性預金・有価証券等です。

 

 

(2) リスク管理に関する事項

当社グループは、幅広い分野にわたり、様々な国や地域で事業活動を行う過程で財務上のリスクに晒されております。当該リスクを低減又は回避するために、一定の方針等に基づきリスク管理を行っております。また、デリバティブ取引については限度額を実需の範囲とする方針であり、投機目的の取引は行わないこととしております。なお、デリバティブ取引については、取引権限や限度額等を定めた社内規程に基づき、定期的に所管の役員に契約残高、公正価値等を報告しております。

 

(3) 信用リスク

当社グループの事業活動から生ずる債権である営業債権等は、顧客の信用リスクに晒されております。また、当社グループの保有する有価証券に関しては発行体の信用リスクに晒されております。さらに、当社グループが財務上のリスクをヘッジする目的で行っているデリバティブ取引については、取引相手である金融機関の信用リスクに晒されております。

当社グループは、債権管理規定に従い、営業債権及び長期貸付金について、主要な取引先の状況を定期的にモニタリングし、取引相手ごとに期日及び残高を管理するとともに、財務状況の悪化による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。債券は、主に格付の高い債券のみを対象にしているため、信用リスクは僅少です。デリバティブ取引の利用にあたっては、相手方の契約不履行に係る信用リスクを極小化するために、信用度の高い金融機関等に限っております。なお、特段の管理を有する信用リスクの過度の集中はありません。

当社グループは、各連結会計年度末において個別に重要な金融資産は回収不能な金額、個別に重要でない金融資産は、過去の実績率等に基づく金額により減損損失を計上するために、貸倒引当金を使用しております。当該金融資産に係る貸倒引当金は、連結財政状態計算書上、「営業債権」及び「その他の金融資産」に含まれております。

 

全期間の予想損失に等しい金額で測定した貸倒引当金の増減は、以下のとおりです。

なお、貸付金等にかかる12か月予想信用損失と全期間の予想信用損失に重要な相違はありません。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
  至 2024年3月31日

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
  至 2025年3月31日

期首残高

12,392

 

16,678

期中増加額

5,515

 

3,270

期中減少額(目的使用)

△1,594

 

△3,988

期中減少額(戻入)

△2,196

 

△1,330

その他の増減

2,561

 

△90

期末残高

16,678

 

14,540

 

 

金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている減損後の帳簿価額です。

当社グループは、一部の顧客に対する債権の担保として、不動産や有価証券等を保有しております。

金融保証契約の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、注記「40.偶発負債」に記載の保証債務等の金額です。

 

(4) 流動性リスク

①流動性リスク管理

当社グループの営業債務や借入金等については、流動性リスクに晒されております。当社グループでは、資金繰計画を作成するなどの方法により管理し、複数の金融機関とのコミットメント・ラインの設定により、流動性を確保しております。

 

②金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高

金融負債(デリバティブ金融商品を含む)の期日別残高は、以下のとおりです。

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上のキャッシュ・フロー

1年以内

1年超
2年以内

2年超
3年以内

3年超
4年以内

4年超
5年以内

5年超

非デリバティブ金融負債

 

 

 

 

 

 

 

 

営業債務

501,532

501,532

501,532

短期借入金

286,125

286,125

286,125

コマーシャル・ペーパー

97,000

97,000

97,000

社債

622,163

623,000

35,000

45,000

120,000

25,000

92,000

306,000

長期借入金

1,195,723

1,198,190

187,182

122,535

102,531

209,272

113,050

463,620

リース負債

137,179

143,840

32,850

24,121

19,438

15,610

15,210

36,611

未払金

146,141

146,141

146,141

未払費用

142,891

142,891

142,891

その他

62,071

62,071

47,844

1,086

2

3,463

2

9,674

デリバティブ負債

 

 

 

 

 

 

 

 

為替予約取引

721

721

721

金利通貨スワップ取引

50

50

50

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

帳簿価額

契約上のキャッシュ・フロー

1年以内

1年超
2年以内

2年超
3年以内

3年超
4年以内

4年超
5年以内

5年超

非デリバティブ金融負債

 

 

 

 

 

 

 

 

営業債務

424,635

424,635

424,635

短期借入金

261,617

261,617

261,617

社債

607,223

608,000

45,000

120,000

25,000

92,000

70,000

256,000

長期借入金

1,172,147

1,174,094

121,450

104,971

216,391

133,447

233,782

364,053

リース負債

137,490

147,641

33,194

26,506

21,697

18,476

14,803

32,965

未払金

139,906

139,906

135,618

605

3,635

48

未払費用

130,787

130,787

115,544

15,243

その他

77,925

78,072

69,490

10

4

3

3

8,562

デリバティブ負債

 

 

 

 

 

 

 

 

為替予約取引

188

188

188

通貨スワップ取引

399

399

399

金利通貨スワップ取引

141

141

80

61

 

なお、金融保証契約については、上記に含まれておりません。金融保証契約は、その履行請求に基づき支払義務が発生します。履行請求に基づく最大金額は、注記「40.偶発負債」に記載の保証債務等の金額です。

 

 

コミットメント・ライン総額及び借入実行残高は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

コミットメント・ライン総額

136,999

 

76,569

借入実行残高

6,056

 

1,495

未実行残高

130,943

 

75,074

 

上記に加え、複数の金融機関との間のアンコミットメントベースの当座借越契約、コマーシャル・ペーパー発行枠及び国内社債発行登録枠等の確保により資金調達手段の多様化を図り、十分な流動性の確保を行っております。

 

③サプライヤー・ファイナンス契約

当社グループの産業ガスセグメントにおける一部の子会社は、第三者金融機関とサプライヤー・ファイナンス契約を締結しており、各仕入先と締結した契約に基づいて、第三者金融機関に支払いを行っております。仕入先は、第三者金融機関より割引による早期支払いを自らの裁量で受けることができます。

当社グループにおいては、上記を除き、重要なサプライヤー・ファイナンス契約はありません。

また、当社グループは、サプライヤー・ファイナンス契約のための担保資産あるいは第三者による保証の提供を行っておりません。

当該契約に係る金融負債の帳簿価額は以下のとおりであります。

 

当連結会計年度期首

(2024年4月1日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

サプライヤー・ファイナンス契約の一部である金融負債の帳簿価額

 

 

営業債務

23,034

16,792

上記のうち、仕入先がすでに支払を受けている金額

(注)

9,689

 

 

サプライヤー・ファイナンス契約等に係る支払期日の範囲は以下のとおりであります。

 

当連結会計年度期首

(2024年4月1日)

当連結会計年度

(2025年3月31日)

サプライヤー・ファイナンス契約に基づく負債

(注)

請求書発行日から0~180日後

サプライヤー・ファイナンス契約の一部ではない比較可能な営業債務

(注)

請求書発行日から0~120日後

 

(注)当社グループは、「サプライヤー・ファイナンス契約」(IAS第7号及びIFRS第7号の改訂)に基づく経過措置を適用しており、適用初年度の期首現在の情報を開示しておりません。

 

当該サプライヤー・ファイナンス契約は、当該契約に参加していない他の仕入先と合意した通常の支払条件と比較して支払期日の集中や大幅な延長をもたらすものではなく、サプライヤー・ファイナンス契約による重大な流動性リスクを抱えておりません。なお、当連結会計年度において、サプライヤー・ファイナンス契約の対象となる金融負債の帳簿価額に、重要な非資金変動はありません。

 

 

(5) 為替リスク

当社グループのグローバルな事業展開から生じる外貨建ての債権債務は、為替の変動リスクに晒されております。当社グループは、外貨建ての営業債権債務や借入金及び貸付金について、必要に応じ為替予約や通貨スワップを利用してヘッジしております。

また、当社グループの在外営業活動体に対する純投資は、為替の変動リスクに晒されており、当社グループは、必要に応じて外貨建借入金等を利用してヘッジしております。

 

為替感応度分析

当社グループが連結会計年度末において保有する外貨建金融商品において、連結会計年度末日の為替レートが、米ドル、ユーロに対してそれぞれ1%円高となった場合に、連結損益計算書の税引前利益に与える影響は、以下のとおりです。

この分析は、為替リスクの各エクスポージャーに1%を乗じて算定し、各為替レートの変動が他の変数(他の通貨の為替レート、金利等)に与える影響はないものと仮定しております。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
2024年3月31日

 

当連結会計年度
2025年3月31日

米ドル(1%円高)

△496

 

△1,242

ユーロ(1%円高)

△64

 

△92

 

 

(6) 金利リスク

当社グループの金利リスクは、現金同等物等とのネット後の有利子負債から生じます。当社グループが発行する借入金及び社債は、営業取引や設備投資に必要な資金の調達を目的としたものであり、このうち一部は、変動金利であるため金利の変動リスクに晒されております。当社グループは、当該リスクをデリバティブ取引(金利スワップ取引等)を利用してヘッジしております。

 

金利感応度分析

当社グループが連結会計年度末において保有する金融商品において、金利が100ベーシス・ポイント上昇した場合の、連結損益計算書の税引前利益に与える影響は、以下のとおりです。

金利変動の影響を受ける金融商品を対象としており、為替変動の影響等その他の要因は一定であることを前提としております。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
2024年3月31日

 

当連結会計年度
2025年3月31日

税引前利益

△2,739

 

△2,725

 

 

(7) 市場価格の変動リスク

当社グループの保有する有価証券等は、市場価格の変動リスクに晒されております。

当社グループは、有価証券等について、定期的に公正価値や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。

 

 

(8) 金融商品の公正価値

金融商品の公正価値ヒエラルキーは、レベル1からレベル3までを以下のように分類しております。

レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における無調整の公表価格により測定された公正価値

レベル2:レベル1以外の、観察可能な価格を直接又は間接的に使用して算出された公正価値

レベル3:重要な観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値

 

金融商品の公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、各四半期の末日に判断しております。

 

前連結会計年度の第3四半期末において、一部の投資先がNASDAQへ上場したことにより、保有している株式についてレベル3からレベル1へ振替を行っております。

上記以外にレベル間の重要な振替はありません。

 

① 経常的に公正価値で測定する金融商品

公正価値で測定している金融資産及び金融負債は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

資産

 

 

 

 

株式及び出資金

65,600

370

103,106

169,076

売却目的で保有する
株式及び出資金

8,093

8,093

条件付対価契約に関する

金融資産

6,043

6,043

デリバティブ資産

7,490

7,490

合計

73,693

7,860

109,149

190,702

負債

 

 

 

 

デリバティブ負債

771

771

合計

771

771

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

レベル1

レベル2

レベル3

合計

資産

 

 

 

 

株式及び出資金

47,978

370

103,486

151,834

売却目的で保有する
株式及び出資金

2,270

2,270

条件付対価契約に関する

金融資産

390

390

デリバティブ資産

5,699

5,699

合計

50,248

6,069

103,876

160,193

負債

 

 

 

 

デリバティブ負債

728

728

合計

728

728

 

 

株式及び出資金

レベル1に分類される市場性のある株式の公正価値は、同一の資産又は負債の活発な市場における無調整の公表価格によっております。

レベル2に分類される株式の公正価値は、活発ではない市場における同一又は類似の資産又は負債に関する相場価格を用いて算定しております。

レベル3に分類される活発な市場における公表価格が入手できない非上場株式及び出資金の公正価値は、合理的に入手可能なインプットにより、類似企業比較法又はその他の適切な評価技法を用いて算定しております。なお、必要に応じて一定の非流動性ディスカウント等を加味しております。

 

条件付対価契約に関する金融資産

レベル3に分類される条件付対価契約に関する金融資産の公正価値は、主に結晶質アルミナ繊維事業の譲渡に伴い認識した金融資産であり、その公正価値は、当該事業の将来の業績等を考慮し、ブラックショールズモデルを使用した計算モデルを基礎として算定しております。

 

デリバティブ資産及びデリバティブ負債

レベル2に分類されるデリバティブ資産及びデリバティブ負債の公正価値は、取引先金融機関から提示された価格又は為替レート及び金利等の観察可能なインプットに基づき算定しております。

 

レベル3に分類される金融商品は、適切な権限者に承認された公正価値測定に係る評価方法を含む評価方針及び手続に従い、評価者が各対象金融商品の評価方法を決定し、公正価値を算定しております。その結果は適切な権限者がレビュー及び承認しております。

 

レベル3に分類された金融商品の増減は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
  至 2024年3月31日

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
  至 2025年3月31日

期首残高

99,313

 

109,149

純損益       (注1)

3,192

 

△6,529

その他の包括利益  (注2)

2,963

 

△567

購入

3,423

 

1,923

売却・償還

△433

 

△1,738

レベル3からの振替 (注3)

△1,385

 

その他の増減

2,076

 

1,638

期末残高

109,149

 

103,876

 

(注) 1.連結損益計算書の「金融収益」又は「金融費用」に含まれております。

2.連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」に含まれております。

3.一部の投資先が取引所に上場したことによるものです。

 

 

②  償却原価で測定する金融商品

償却原価で測定している金融資産及び金融負債の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりです。

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

帳簿価額

公正価値

レベル1

レベル2

レベル3

合計

負債

 

 

 

 

 

長期借入金

1,195,723

1,186,882

1,186,882

社債

622,163

595,249

595,249

合計

1,817,886

1,782,131

1,782,131

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

(単位:百万円)

 

帳簿価額

公正価値

レベル1

レベル2

レベル3

合計

負債

 

 

 

 

 

長期借入金

1,172,147

1,158,961

1,158,961

社債

607,223

561,435

561,435

合計

1,779,370

1,720,396

1,720,396

 

 

償却原価で測定する金融資産及び金融負債については、長期借入金及び社債を除いて、公正価値は帳簿価額と合理的に近似しております。

 

長期借入金

レベル2に分類される長期借入金の公正価値は、元利金の合計額を、新規に同様の借入を行った場合に想定される利率で割り引いた現在価値に基づき算定しております。

 

社債

レベル2に分類される社債の公正価値は、市場価格に基づき算定しております。

 

(9) 金融資産の譲渡

当社グループは営業債権の一部について、第三者である金融機関によって組成された事業体に譲渡しております。当該事業体はそれらの金融機関が事業の一環として運営しており、当社グループ以外の顧客からも多額の資産を買い取るため、当該事業体の総資産に占める当社グループが譲渡した営業債権の割合は小さく、当該事業体が抱えるリスクへのエクスポージャーの評価に対する当社グループの関連性は低くなっております。

 

① 全体が認識の中止となるわけではない金融資産の譲渡

金融資産の認識の中止の要件を満たさずに譲渡した営業債権は引き続き「営業債権」に含めて、また、当該譲渡対価は借入金として「社債及び借入金」に含めて連結財政状態計算書に表示しております。前連結会計年度及び当連結会計年度における残高は、営業債権が1,729百万円及び1,286百万円、借入金が2,508百万円及び2,870百万円です。これらの差額は、営業債権譲渡に係る留保部分及び営業債権の回収と借入金返済の期間差により発生しております。

当該営業債権は、手形の振出人又は債務者が支払不履行となった場合に、当社グループに支払義務の全部又は一部が遡求されることから、当社グループが譲渡資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを保持していると判定されたものです。

 

② 全体が認識の中止となる金融資産の譲渡

前連結会計年度及び当連結会計年度において、全体が認識の中止となる営業債権の譲渡から生じた費用は、それぞれ364百万円及び643百万円です。

 

 

(10) デリバティブ取引とヘッジ会計

① ヘッジ会計が適用されているデリバティブ取引

ヘッジ手段の契約額等の期日別分析は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

 

契約額等

1年以内

1年超
2年以内

2年超
3年以内

3年超
4年以内

4年超
5年以内

5年超

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

 

 

 

 

 

為替リスク

 

 

 

 

 

 

 

為替予約取引

12,526

12,526

金利リスク

 

 

 

 

 

 

 

金利スワップ取引

62,715

18,351

787

787

787

622

41,381

金利通貨スワップ取引

3,452

3,452

その他

3,931

3,931

在外営業活動体に対する純投資ヘッジ

 

 

 

 

 

為替リスク

 

 

 

 

 

 

 

外貨建借入

102,025

102,025

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

 

(単位:百万円)

 

契約額等

1年以内

1年超
2年以内

2年超
3年以内

3年超
4年以内

4年超
5年以内

5年超

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

 

 

 

 

 

為替リスク

 

 

 

 

 

 

 

為替予約取引

3,685

3,685

金利リスク

 

 

 

 

 

 

 

金利スワップ取引

43,809

777

777

777

614

614

40,250

金利通貨スワップ取引

12,384

449

11,935

その他

5,597

5,597

在外営業活動体に対する純投資ヘッジ

 

 

 

 

 

為替リスク

 

 

 

 

 

 

 

外貨建借入

101,300

101,300

通貨スワップ取引

20,795

20,795

金利通貨スワップ取引

6,759

6,759

 

 

為替予約取引等の主な予約レート及び金利スワップ取引等の主な支払利率は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

 

為替リスク

 

 

 

為替予約取引

 

 

 

米ドル

144.54円-151.07円

 

118.72円-155.90円

ユーロ

140.82円-162.48円

 

154.69円-167.10円

金利リスク

 

 

 

金利スワップ取引

 

 

 

支払固定・受取変動

0.94%-2.01%

 

 0.94%-2.01%

 

 

 

ヘッジ手段に指定された項目に関する金額は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(2024年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

契約額等

帳簿価額

連結財政状態
計算書の科目

連結会計年度のヘッジ非有効部分を計算するために用いた
公正価値の変動額

資産

負債

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

 

 

 

為替リスク

 

 

 

 

 

為替予約取引

12,526

154

650

その他の金融資産
その他の金融負債

△370

金利リスク

 

 

 

 

 

金利スワップ取引

62,715

6,815

その他の金融資産

1,289

金利通貨スワップ取引

3,452

50

その他の金融負債

△50

その他

3,931

475

その他の金融資産

745

在外営業活動体に対する純投資ヘッジ

 

 

 

 

為替リスク

 

 

 

 

 

外貨建借入

102,025

102,025

社債及び借入金

△10,950

 

 

当連結会計年度(2025年3月31日)

 

 

 

(単位:百万円)

 

契約額等

帳簿価額

連結財政状態
計算書の科目

連結会計年度のヘッジ非有効部分を計算するために用いた
公正価値の変動額

資産

負債

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

 

 

 

為替リスク

 

 

 

 

 

為替予約取引

3,685

7

185

その他の金融資産
その他の金融負債

318

金利リスク

 

 

 

 

 

金利スワップ取引

43,809

5,423

その他の金融資産

△1,392

金利通貨スワップ取引

12,384

80

その他の金融負債

△30

その他

5,597

217

その他の金融資産

△258

在外営業活動体に対する純投資ヘッジ

 

 

 

 

為替リスク

 

 

 

 

 

外貨建借入

101,300

101,300

社債及び借入金

725

通貨スワップ取引

20,795

154

その他の金融負債

154

金利通貨スワップ取引

6,759

50

その他の金融負債

50

 

 

ヘッジ対象に指定された項目に関する金額は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

連結会計年度のヘッジ非有効部分を計算するために用いた
公正価値の変動額

キャッシュ・

フロー・

ヘッジ

剰余金

外貨換算

剰余金

連結会計年度のヘッジ非有効部分を計算するために用いた
公正価値の変動額

キャッシュ・

フロー・

ヘッジ

剰余金

外貨換算

剰余金

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

 

 

 

為替リスク

 

 

 

 

 

 

予定購入

382

△319

△320

△64

外貨建債務及び利息

△12

4

2

△1

金利リスク

 

 

 

 

 

 

借入金利息

△1,239

5,283

1,422

4,188

その他

△745

178

258

87

在外営業活動体に対する純投資ヘッジ

 

 

 

 

 

為替リスク

 

 

 

 

 

 

純投資の為替変動

10,950

△13,340

△929

△12,769

 

 

キャッシュ・フロー・ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資ヘッジの詳細は、以下のとおりです。

 

前連結会計年度(自 2023年4月1日  至 2024年3月31日

 

 

 

(単位:百万円)

 

その他の包括利益に認識したヘッジ手段の公正価値の変動額

純損益に認識したヘッジ非有効部分

ヘッジ非有効部分の損益が含まれる連結損益計算書の科目

キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金から純損益への組替調整額

組替調整による損益が含まれる連結損益計算書の科目

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

 

 

 

為替リスク

 

 

 

 

 

為替予約取引

△239

103

金融収益

金利リスク

 

 

 

 

 

金利スワップ取引

967

△1,629

金融費用

金利通貨スワップ取引

△59

その他

494

396

金融費用

在外営業活動体に対する純投資ヘッジ

 

 

 

 

為替リスク

 

 

 

 

 

外貨建借入

△10,950

 

 

当連結会計年度(自 2024年4月1日  至 2025年3月31日

 

 

 

(単位:百万円)

 

その他の包括利益に認識したヘッジ手段の公正価値の変動額

純損益に認識したヘッジ非有効部分

ヘッジ非有効部分の損益が含まれる連結損益計算書の科目

キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金から純損益への組替調整額

組替調整による損益が含まれる連結損益計算書の科目

キャッシュ・フロー・ヘッジ

 

 

 

 

 

為替リスク

 

 

 

 

 

為替予約取引

223

831

金融収益

金利リスク

 

 

 

 

 

金利スワップ取引

△1,030

△1,714

金融費用

金利通貨スワップ取引

△128

その他

△179

△626

金融費用

在外営業活動体に対する純投資ヘッジ

 

 

 

 

為替リスク

 

 

 

 

 

外貨建借入

725

通貨スワップ取引

154

金利通貨スワップ取引

50

 

 

② ヘッジ会計が適用されていないデリバティブ取引

ヘッジ手段に指定されなかった項目に関する金額は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
2024年3月31日

 

当連結会計年度
2025年3月31日

 

契約額等

うち1年超

公正価値

 

契約額等

うち1年超

公正価値

為替予約取引

17,307

△80

 

11,792

46

通貨スワップ取引

123

123

35

 

236

△0

金利スワップ取引

580

580

20

 

191

3

合計

18,010

703

△25

 

12,219

49

 

 

 

37.子会社

当連結会計年度末における主要な子会社の状況は、「第1 企業の概況 4 関係会社の状況」に記載のとおりです。

 

前連結会計年度及び当連結会計年度において重要な非支配持分のある子会社は、以下のとおりです。

 

子会社名

所在地

非支配持分の所有割合

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

日本酸素ホールディングス㈱

日本 他

49.4%

49.4%

 

 

当該子会社の非支配持分に配分された当期利益及び非支配持分に支払った配当は、以下のとおりです。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
  至 2024年3月31日

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
  至 2025年3月31日

非支配持分に配分された当期利益

54,634

50,898

非支配持分に支払った配当

9,225

11,340

 

 

当該子会社の非支配持分の累積額は、以下のとおりです。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

当連結会計年度
(2025年3月31日)

非支配持分の累積額

457,988

499,030

 

 

日本酸素ホールディングス㈱の要約財務情報は、以下のとおりです。なお、要約財務情報は連結会社間の消去前の金額に、企業結合時に認識されたのれん等の金額を調整したものです。

 

要約連結財政状態計算書

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

流動資産

568,201

 

565,776

非流動資産

1,890,155

 

1,900,181

資産合計

2,458,356

 

2,465,957

流動負債

498,019

 

395,285

非流動負債

979,670

 

1,015,536

負債合計

1,477,689

 

1,410,821

資本合計

980,667

 

1,055,136

負債及び資本合計

2,458,356

 

2,465,957

 

 

 

要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
  至 2024年3月31日

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
  至 2025年3月31日

売上収益

1,255,081

1,308,024

当期利益

107,625

99,317

当期包括利益

213,164

88,180

 

 

要約連結キャッシュ・フロー計算書

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
  至 2024年3月31日

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
  至 2025年3月31日

営業活動による
キャッシュ・フロー

215,980

 

235,147

投資活動による
キャッシュ・フロー

△124,654

 

△142,926

財務活動による
キャッシュ・フロー

△110,072

 

△73,287

現金及び現金同等物に係る
為替変動による影響

12,445

 

△626

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△6,301

 

18,308

 

 

38.関連当事者

(1) 関連当事者との取引

主要な関連当事者との取引は、以下のとおりです。物品及びサービスの販売のうち、主な取引は製品の販売であり、物品及びサービスの購入のうち、主な取引は原材料の購入です。関連当事者との取引は、主に独立第三者間取引と同様の条件で行われております。

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
  至 2024年3月31日

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
  至 2025年3月31日

ジョイント・
ベンチャー

関連会社

 

ジョイント・
ベンチャー

関連会社

物品及びサービスの販売

37,489

27,276

 

35,908

36,287

物品及びサービスの購入

31,558

42,290

 

29,372

46,831

 

 

上記の取引から生じた主要な関連当事者に対する債権及び債務は、以下のとおりです。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

ジョイント・
ベンチャー

関連会社

 

ジョイント・
ベンチャー

関連会社

債権

 

 

 

 

 

受取手形及び売掛金

4,894

10,617

 

4,407

10,606

その他

519

1,882

 

484

1,491

合計

5,413

12,499

 

4,891

12,097

債務

 

 

 

 

 

支払手形及び買掛金

7,608

6,217

 

4,214

5,435

その他

19

83

 

117

110

合計

7,627

6,300

 

4,331

5,545

 

 

 

(2) 主要な経営幹部に対する報酬

当社グループの主要な経営幹部に対する報酬は、以下のとおりです。

 

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(自 2023年4月1日
  至 2024年3月31日

 

当連結会計年度
(自 2024年4月1日
  至 2025年3月31日

報酬及び賞与

1,832

 

1,334

株式に基づく報酬

515

 

258

合計

2,347

 

1,592

 

 

39.コミットメント

(1) 資産の取得に係るコミットメント

有形固定資産及び無形資産の取得に係るコミットメントは、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

有形固定資産及び無形資産の取得

131,730

 

117,984

 

 

(2) その他

上記の他、当連結会計年度末における重要なコミットメントは以下のとおりです。

(オーストラリア子会社による産業ガス事業の取得(子会社化))

当社グループは、オーストラリア子会社であるNSC (Australia) Pty Ltd を通じて、Wesfarmers Limited (以下、「Wesfarmers」)の傘下であり、オーストラリア及びニュージーランドにて産業ガス事業を展開する、Coregas Pty Ltd 、Blacksmith Jacks Pty Ltd 及びCoregas NZ Limited (以下、総称して「Coregas Group」)を買収することにつきWesfarmersと合意に至り、Coregas Groupの全株式の取得に関する契約書を2024年12月に締結いたしました。

① 株式取得の時期

外国投資審査委員会(Foreign Investment Review Board (FIRB))及びオーストラリア競争・消費者委員会(Australian Competition and Consumer Commission(ACCC))による承認を取得し次第、株式取得を完了する予定です。

② 取得予定の議決権付資本持分の割合

100.0%

③ 取得対価

取得対価として、770百万豪ドル(約724億円)を支払う予定です。

(注) 日本円への換算は、1豪ドル=93円97銭(2025年3月31日付)を使用しております。

 

(欧州子会社による在宅医療サービス事業の取得(子会社化))

当社グループは、欧州子会社であるOximesa S.L.U. を通じて、スペインのCorporación Químico-Farmacéutica Esteve(以下「CQFE」)及びTeijin Holdings Europe BV (以下「Teijin」)の合弁会社であり、同国で在宅医療サービス事業を展開する、Esteve Teijin Healthcare, S.L. (以下「ETH」)を買収することにつきCQFE及びTeijinと合意に至り、ETHの全株式の取得に関する契約書を2024年12月に締結いたしました。

 

① 株式取得の時期

スペインの国家市場競争委員会(Comisión Nacional de los Mercados y de la Competencia)による承認を取得し次第、株式取得を完了する予定です。

② 取得予定の議決権付資本持分の割合

100.0%

③ 取得対価

取得対価として、124百万ユーロ(約201億円)を支払う予定です。

(注) 日本円への換算は、1ユーロ=162円8銭(2025年3月31日付)を使用しております。

 

40.偶発負債

  保証債務等

ジョイント・ベンチャー、関連会社及び一般取引先等の金融機関からの借入金について行っている保証及び保証類似行為は、以下のとおりです。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度
(2024年3月31日)

 

当連結会計年度
(2025年3月31日)

ジョイント・ベンチャー

4,839

 

4,500

関連会社

776

 

583

一般取引先

29

 

39

その他

742

 

649

合計

6,386

 

5,771

 

 

41.後発事象

 (自己株式の取得及び消却)

当社は、2025年5月13日開催の取締役会において、会社法第459条第1項及び当社定款第40条の規定に基づき自己株式を取得することを決議するとともに、同日開催の執行役会議において、会社法第178条の規定に基づき、自己株式を消却することを決議しました。

 

(1) 自己株式の取得及び消却を行う理由

当社は、2025年2月7日付適時開示「田辺三菱製薬株式会社及びその子会社の異動に関するお知らせ」にて、当社の連結子会社である田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役:辻村 明広、上野 裕明)を、Bain Capital Private Equity, LP(そのグループを含み、以下「ベインキャピタル」)が投資助言を行う投資ファンドが間接的に株式を保有する特別目的会社である株式会社BCJ-94の傘下に異動すること(以下「本異動」)を公表しました。本異動に際して、当社はベインキャピタルから約5,100億円相当の金銭を対価として受け取る予定です。今般、本異動により得られる資金を活用し、株主還元の強化及び資本効率の向上を図るため、自己株式取得に係る事項を決議いたしました。また、中長期的な株主価値の向上を図るため、取得した自己株式はその全株の消却を実施いたします。

 

(2) 自己株式の取得

①取得する自己株式の種類及び総数

当社普通株式 100,000千株(上限)

②取得する自己株式の総額

総額:50,000百万円(上限)

③取得期間

2025年5月14日~2026年5月13日

④取得の方法

立会内取引市場における市場買付により取得

 

(3) 自己株式の消却

①消却する自己株式の種類及び総数

当社普通株式 上記「(2) 自己株式の取得」により取得した自己株式の全数

②消却予定日

2026年6月30日