第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、米国では景気回復が続き、欧州でも緩やかに回復している一方で、中国や資源国などの景気減速が続くなかで推移しました。

日本経済は、個人消費に弱さがみられるものの、雇用情勢が堅調に推移するなど、緩やかな回復基調にあるなかで推移しました。

化学工業界におきましては、原料価格や為替の動向など先行きが不透明ななかで推移しました。

このような状況のもと、当社グループの当連結会計年度の売上高は、原料価格や製品海外市況が下落したことによる販売価格の低下や、円高の影響などにより、前連結会計年度(以下、前年度)に比べて291億5千4百万円減収(△9.0%)の2,939億7千万円となりました。

利益面につきましては、生産・販売数量が増加したことによる数量効果に加え、加工費も減少しましたが、原料価格の下がり幅以上に製品市況が低下したことによるスプレッドの縮小により、営業利益は、前年度に比べて100億8千3百万円減益(△32.3%)の211億5千1百万円となりました。

営業外損益は、持分法投資利益は減少しましたが、為替差損益が改善したことや技術供与等関連費用が減少したことなどにより、前年度に比べて4億5百万円の増益となりました。その結果、経常利益は前年度に比べて96億7千8百万円減益(△28.2%)の246億6千4百万円となりました。

特別損益は、投資有価証券売却益があった一方で、研究所閉鎖損失があったことや関係会社株式売却益がなくなったことなどにより、前年度に比べて8億3千8百万円の減益となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前年度に比べて66億4千2百万円減益(△25.5%)の193億6千1百万円となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

① 基礎化学品事業

アクリル酸及びアクリル酸エステルは、販売数量は増加させましたが、国内では原料価格下落に伴い販売価格が低下したことや円高の影響、海外では、世界的な供給過剰状態のなか、東南アジア市況低迷に伴い販売価格が低下したことにより、減収となりました。

酸化エチレンは、販売数量は増加させましたが、原料価格下落に伴い販売価格が低下したことにより、減収となりました。

エチレングリコールは、販売数量は増加させましたが、海外市況が下落したことや円高の影響などにより、減収となりました。

エタノールアミンは、原料価格下落に伴い販売価格が低下しましたが、販売数量を増加させたことにより、増収となりました。

高級アルコールは、販売数量が減少したことや原料価格下落に伴い販売価格が低下したことなどにより、減収となりました。

以上の結果、基礎化学品事業の売上高は、前年度に比べて8.6%減少の1,075億8千万円となりました。

営業利益は、生産・販売数量が増加し、加工費も減少しましたが、スプレッドが縮小したことなどがこれらを上回った結果、前年度に比べて7.3%減少の82億7百万円となりました。

 

② 機能性化学品事業

高吸水性樹脂は、販売数量は増加させましたが、原料価格が下落したことに伴い販売価格が低下したことや円高の影響などにより、減収となりました。

電子情報材料、エチレンイミン誘導品及び粘着加工品は、販売数量を増加させたことにより、増収となりました。

特殊エステルは、海外市況が下落したことや円高の影響などにより販売価格は低下しましたが、販売数量を増加させたことにより、増収となりました。

無水マレイン酸は、販売数量が減少したことや原料価格下落に伴い販売価格が低下したことにより、減収となりました。

 

樹脂改質剤は、販売数量は増加しましたが、原料価格下落に伴い販売価格が低下したことにより、減収となりました。

よう素化合物は、販売数量は増加しましたが、海外市況が下落したことや円高の影響などにより、減収となりました。

コンクリート混和剤用ポリマーや洗剤原料などの水溶性ポリマーは、販売数量が減少したことや円高の影響などにより、減収となりました。

塗料用樹脂は、製品構成により減収となりました。

以上の結果、機能性化学品事業の売上高は、前年度に比べて10.0%減少の1,599億6千1百万円となりました。

営業利益は、生産・販売数量が増加したことに加え、加工費及び販管費も減少しましたが、スプレッドが縮小したことなどがこれらを上回った結果、前年度に比べて43.4%減少の121億1千9百万円となりました。

 

③ 環境・触媒事業

自動車触媒は、貴金属価格下落に伴い販売価格が低下したことにより、減収となりました。

リチウム電池材料、燃料電池材料及び湿式酸化触媒は、販売数量を増加させたことにより、増収となりました。

プロセス触媒、脱硝触媒、ダイオキシン類分解触媒及び排ガス処理触媒は、販売数量が減少したことにより、減収となりました。

以上の結果、環境・触媒事業の売上高は、前年度に比べて4.5%減少の264億2千9百万円となりました。

営業利益は、燃料電池材料及び湿式酸化触媒の販売数量が増加したことなどにより、前年度に比べて20.6%増加の7億4千8百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度(以下、当年度)末における現金及び現金同等物は、設備投資等の投資活動によるキャッシュ・フローの支出及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出が、営業活動によるキャッシュ・フローの収入を上回ったため、前連結会計年度(以下、前年度)末に比べて123億5千5百万円減少の517億円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度の532億6千4百万円の収入に対し、374億7千4百万円の収入となりました。主として税金等調整前当期純利益が減少したことにより、前年度に比べて157億9千万円の収入の減少となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度の129億6千3百万円の支出に対し、445億1千5百万円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出が増加したこと及び関係会社株式の取得を行ったことなどにより、前年度に比べて315億5千2百万円の支出の増加となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度の200億1千2百万円の支出に対し、35億3千3百万円の支出となりました。当年度において自己株式の取得を行ったものの、社債の発行を行ったことなどにより、前年度に比べて164億7千9百万円の支出の減少となりました。
 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

基礎化学品事業

108,624

△12.3

機能性化学品事業

145,868

△12.0

環境・触媒事業

19,953

△3.3

合計

274,444

△11.5

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.生産実績が減少した主な要因は、原料価格の下落による価格の下落があったことであります。

 

(2) 受注状況

当社グループは、主として見込生産を行っているため、受注状況は記載しておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

基礎化学品事業

107,580

△8.6

機能性化学品事業

159,961

△10.0

環境・触媒事業

26,429

△4.5

合計

293,970

△9.0

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

(1)経営の基本方針

日本触媒グループ 企業理念「TechnoAmenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」のもと、当社は、「人間性の尊重を基本とします」、「社会との共生、環境との調和を目指します」、「未来を拓く技術に挑戦します」、「世界を舞台に活動します」を経営理念として、グローバルな変化に対応できる企業体質及び競争力の強化に取り組んでおります。また、社是「安全が生産に優先する」を企業理念・経営理念と並ぶ最上位に位置づけております。

 

(2)対処すべき課題、長期的な経営戦略及び目標とする経営指標

当社グループは、企業理念・経営理念及び社是のもと、2014年4月から、長期経営計画「新生日本触媒2020」と、その当初3年間の前半中期経営計画に取り組んでまいりましたが、このたび、2017年度から2020年度の後半中期経営計画「新生日本触媒2020 NEXT」を策定いたしました。

 

( 長期経営計画「新生日本触媒2020」の概要 )

長期経営計画「新生日本触媒2020」は、長期ビジョン・目標である『2025年のありたい姿』を定めた上で、そこに至るための具体的なマイルストーンとして設定した『2020年のあるべき姿』の実現を目指して策定した経営戦略です。本計画では、安全・安定な生産活動の徹底のもと、売上よりも収益性を重視し、既存事業・コア事業の一層の強化と新規事業の早期立ち上げ、新規製品の速やかな上市を目指しております。

 

( 前半中期経営計画の振り返り及び外部環境分析 )

前半中期経営計画に係る3年間の連結業績につきましては、計画1年目の2014年度及び2年目の2015年度は順調に推移し、2015年度は原料価格の下落等により売上高は未達となりましたが、利益面では過去最高益を更新し、計画の目標利益を1年前倒しで達成いたしました。しかしながら、3年目の2016年度は状況が一変し、原料価格の更なる下落に加え、主力であるアクリル酸・高吸水性樹脂の事業環境が悪化したことも影響し、売上・利益ともに目標未達となりました。また、新規事業につきましても、育成が不十分でした。

事業の状況につきましては、上述のとおり、アクリル事業・吸水性樹脂事業の競争激化により収益性が低下していることから、収益改善・競争力強化に向けた取り組みが急務となっています。一方、新規事業の早期立ち上げ、新規製品の速やかな上市を推進するためには、研究開発部門だけではなく、顧客ニーズを拾い上げる営業部門(マーケティング力)、製品化スピードアップやコスト低減を担う製造(生産技術力)・管理部門の連携により、全社的な総合力を発揮することが不可欠となっております。

また、当社を取り巻く外部環境についても、英国のEU離脱、米国トランプ政権発足、韓台中メーカーの台頭による競争激化、原料価格・為替の大幅変動など様々な環境変化が起きており、年々厳しさを増しています。そして、世界では人口増加による資源・エネルギー・環境等の社会問題などの様々な社会変化とともに、市場ニーズも絶えず変化していることから、環境変化を予測・察知して、成長が見込まれる市場・分野をいち早く捉えることが必要となっています。

 

( 後半中期経営計画「新生日本触媒2020 NEXT」 )

後半中期経営計画「新生日本触媒2020 NEXT」は、前半中期経営計画の振り返り及び外部環境分析を実施した上で、『2025年のありたい姿』の実現に向けた『2020年のあるべき姿』を達成するための具体的な行動計画です。

「新生日本触媒2020 NEXT」では、『2020年のあるべき姿』の実現に向けて、「売上規模よりも収益性を重視」、「安全・安定な生産活動」を基本指針として、重要課題である「吸水性樹脂事業の死守」、「成長事業・分野へのシフト」を果たしていきます。そのために、全社のベクトルを基本姿勢である『世の中で求められる製品やサービスを創造し、タイムリーに提供する』に集中させ、企業理念「TechnoAmenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」を実践していきます。

また、計画実行にあたっては、社員全員が危機意識と当事者意識を持って考動(“自ら考え、行動する”)し、目標を達成していくことにより、「皆が誇れる会社」を実現していきます。そして、本後半中期経営計画の最終の2020年度には、その先10年の当社グループの確実な成長が見通せるような状態にすることを目指してまいります。

※「皆が誇れる会社」: 1. 安全で安心して働ける会社、2. 汗を流した人が報われる会社、3. 胸を張って働いているといえる会社

 

 〔 企業理念・経営理念、社是 〕

日本触媒グループ企業理念・経営理念、社是は堅持します。

日本触媒グループ 企業理念

TechnoAmenity

私たちはテクノロジーをもって
人と社会に豊かさと快適さを提供します

 

社 是
 

「安全が生産に優先する」

経営理念

人間性の尊重を基本とします
社会との共生、環境との調和を目指します
未来を拓く技術に挑戦します
世界を舞台に活動します

 

 

 

 

 〔 2025年のありたい姿 〕

長期経営計画「新生日本触媒2020」で定めた『2025年のありたい姿』を一部再定義しました。

『人の暮らしに新たな価値を提供する革進的な化学会社』  

    ・技術と創造力で、新しいことに挑戦し続けます
   ・No.1の製品や技術を増やし、グローバルに事業を行います
   ・最高水準の安全性と生産性を追求し続けます
   ・地球環境に貢献し続けます
   ・世界中の職場を多様性のある活気あふれる場にします

※革進:旧習・旧態を改めて、進歩を図ること(出所:大辞林)           

 

セグメント:
 
 

既存事業の強化を図りつつ、機能性化学品、新エネルギー、健康・医療、新規事業※が収益に貢献し、成長事業・分野へのシフトが進んでいる。

※新規事業:当社未参入市場、次世代市場における新たな事業

エ リ ア:

日本国内にとどまらず、世界をマーケットとして事業展開をより一層加速している。

強   み:

研究開発力、生産技術力、マーケティング力を掛け合わせた総合力を強みとし、経営のリーダーシップによって、その総合力を最大に引き出している。

 

 

〔 経営戦略 〕

後半中期経営計画「新生日本触媒2020 NEXT」では、以下の基本指針、重要課題、基本姿勢をもとに計画達成に向けて取り組んでいきます。

基本指針

・売上規模よりも収益性を重視

・安全・安定な生産活動

重要課題

・吸水性樹脂事業を死守する

・成長事業・分野へのシフトを進める

基本姿勢

・世の中で求められる製品やサービスを創造し、タイムリーに提供する

 

 

〔 2020年のあるべき姿 〕

『2025年のありたい姿』に向けた2020年の具体的な到達点として、『2020年のあるべき姿』を長期経営計画策定時の前提条件が大きく変動したことを踏まえ、次のように再設定しました。

経営指標と数値目標

 

       

 

売上高

経常利益

ROA※1

既存事業での
新規製品売上高※2

新規事業売上高

2020年度目標

4,000億円

400億円

7.5%

390億円

380億円

 

※1 ROA


 

当社では総資産経常利益率のことを指します。当社は装置産業であること等から、従前から収益性と資産効率を重視し、売上高経常利益率と総資産回転率からなるROAをKPI(Key Performance Indicator)として、その向上に取り組んでおります。

 

※2 既存事業での新規製品売上高

高吸水性樹脂を除く、上市から5年以内の製品の売上高合計

 

 

〔 事業基本戦略 〕

『2020年のあるべき姿』に至るために各事業の基本戦略を次のとおり定めました。

基礎化学品

酸化エチレン事業

自社酸化エチレンプラント再編及び競合との提携等により事業基盤を強化していきます。

 

アクリル事業

積極的拡販により世界トップを走るグローバルサプライヤーを目指します。

機能性化学品

吸水性樹脂事業

戦略的パートナー顧客へ価格優位性のある差別化された製品を供給していきます。

 

機能性化学品事業

独自の高機能製品を拡販していきます。

環境・触媒

新エネルギー・

触媒事業

各種電池材料を競争力のある量産設備から供給・拡販していきます。

新規事業

健康・医療事業

一定分野での一貫した創薬支援サービスを提供していきます。

 

新規事業

成長市場・分野を意識し、素材売りに留まらない当社の強みを活かしたビジネスモデルの新規事業を創出していきます。

 

 

 

〔 経営資源の投入 〕

既存事業の強化、成長事業・分野へのシフトを実現するために、以下の経営資源を投入いたします。

 

設備投資

戦略投資

研究開発費

2020年度末人員

 2017~2020年度計画(4年累計)

900億円

600億円

570億円

4,600名

 

 

〔 重要課題に対する施策 〕

『2020年のあるべき姿』に至るために、各事業の基本戦略を確実に遂行するとともに、重要課題に対する施策として「吸水性樹脂事業の競争力強化」「新規事業・新規製品の創出加速」に注力し、優先的に経営資源を投入していきます。

① 吸水性樹脂事業の競争力強化

 吸水性樹脂事業の存続には、抜本的な収益改善・競争力強化が不可欠であり、具体的施策として、サプライチェーン全体におけるコスト削減及び新規プロセスによる設備投資額削減により、大規模コスト削減・競争力強化に取り組む「SAPサバイバルプロジェクト」、また、研究/技術/製造人員を集中投入することによる「開発力の強化」を全社員一丸となって進めていきます。

※SAP:高吸水性樹脂(Superabsorbent polymer)

② 新規事業・新規製品の創出加速

 新規事業・新規製品の創出加速に向けて、市場ニーズをより一層意識し、成長事業・分野へのシフトを図るために、抜本的に戦略転換を行います。

 具体的施策としては、これまで検討してきた新規事業候補分野から、企業理念及び当社の存在価値を基本とした上で、市場性・適社性・社会性を踏まえ、①情報ネットワーク事業分野、②ライフサイエンス事業分野、③エネルギー・資源事業分野の3事業分野をターゲットに選定し、新規事業の創出を図ります。また、事業開発に力点を置いた組織体制への変革を図ります。

 

〔 持続的成長に向けて 〕

当社グループの持続的成長に向けた経営基盤の強化のために、前半中期経営計画の振り返りも踏まえて、以下の課題に全社一丸となって取り組んでまいります。

① 人と組織の活性化

人事戦略として『2025年のありたい姿』を実現するための長期的な人材育成・確保のために、当社の『人と組織のあるべき姿』を設定しました。そして、当社の成長を支える人的リソースを確保するため、業務量低減などを目的とした各種取組みを実施してまいります。また、活発な議論やチャレンジが推奨される組織風土への変革を継続して進めてまいります。

 

② 社会からのより一層の信頼獲得

「社会から信頼される化学会社への再生」に向けて、より一層、安全・安定操業といった製造現場力及びコンプライアンスの強化といった社内体制を強化するとともに、多様なステークホルダーと対話を重ね、企業価値を高める持続的なCSR(企業の社会的責任)活動を実践してまいります。

 

③ グループ経営の強化

事業・製品の選択と集中や企業理念の浸透を実施することで、グループ各社間の連携を深め、これまで各社が蓄積してきた様々な経営資源を、より有効に活用していきます。

 

(3) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

ⅰ)基本方針の内容の概要

当社グループは、日本触媒グループ 企業理念「TechnoAmenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」のもと、「人の暮らしに新たな価値を提供する革進的な化学会社」を目標に、具体的な経営戦略を立案・遂行し、企業の競争力や収益力を向上させることにより、企業価値ひいては株主共同の利益の向上を目指しております。

これらの企業理念、経営戦略が当社株式の大規模買付行為等によってゆがめられ、結果として、当社の企業価値及び株主共同の利益が損なわれることのないように、当社は、必要な措置(買収防衛策)を講じることといたします。(定款第33~35条)

即ち、第三者から当社株式の大規模買付行為等の提案(買収提案)がなされた場合、これを受け入れるか否かの最終的な判断は、その時点における株主の皆様に委ねられるべきものと考えており、株主の皆様が買収提案について必要な情報と相当な検討期間に基づき適切な判断を行えるよう、必要なルール及び手続きを定めることといたします。

ⅱ)当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

①「中長期経営計画」による取組み

当社グループは、2014年度から2020年度の長期経営計画「新生日本触媒2020」と、その当初3年間の実行計画

 

である前半中期経営計画に取り組んでまいりましたが、このたび、2017年度から2020年度までの後半中期経営計画「新生日本触媒2020 NEXT」を策定・公表し、現在、この実現に向け取り組んでおります。 

②コーポレート・ガバナンス強化による取組み

当社は、「TechnoAmenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」という日本触媒グループ 企業理念のもと、「人の暮らしに新たな価値を提供する革進的な化学会社」「社会から信頼される化学会社」「様々なステークホルダーを含めた“皆が誇れる会社”」を目指し、企業価値を高め、持続的成長を図っていきたいと考えております。

そのためには、実効性の高いコーポレート・ガバナンスの実現が重要であると捉え、株主の権利・平等性の確保と対話、様々なステークホルダーとの適切な協働、適切な情報開示と透明性の確保、取締役会・経営陣の役割・責務の適切な遂行、執行に対する適切な監督、内部統制システムの充実・強化等、コーポレート・ガバナンスの強化・充実の取り組みを行っております。

当社は、3名の社外取締役を招聘し、当社経営への有効な助言と独立した立場からの監督を行っていただくことにより、コーポレート・ガバナンス体制の強化を図っております。また、執行役員制度を導入し、経営の意思決定機能・監督機能と執行機能を分離することにより、コーポレート・ガバナンス体制の強化並びに経営意思決定及び業務遂行の迅速化を図っております。

 

ⅲ)基本方針に照らして不適切な者によって、当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要

当社は、平成19年6月20日開催の第95期定時株主総会において、当社の企業価値を安定的かつ継続的に維持・向上させることにより株主共同の利益を図ることを目的として、特定株主グループによる当社の議決権割合が20%以上となる当社株券等の大規模買付行為(以下、単に「大規模買付行為」といいます)に関する対応策(買収防衛策)の導入を株主の皆様にご承認いただき、平成22年6月22日開催の第98期定時株主総会及び平成25年6月20日開催の第101期定時株主総会において、この一部改定及び継続について、株主の皆様にご承認いただきました。また、平成28年6月21日開催の第104期定時株主総会において、同総会から3年以内に終了する最終の事業年度に関する定時株主総会まで同一の内容で継続することを諮り、原案どおり承認可決されました(以下、継続された当社株式の大規模買付行為に関する対応策を「本ルール」といいます)。

本ルールは、当社取締役会が、買収行為を行おうとする者(大規模買付者)に、事前に、遵守すべき手続きを提示し、必要かつ十分な時間を確保することにより、買収提案内容の検証・評価・検討後、買付情報及び当社代替案を株主の皆様に開示した上で、どちらの提案が当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に結びつくかを株主総会で、株主の皆様に直接意思表示していただくものです。ただし、例外的に、①大規模買付者が本ルールを遵守しない場合または②大規模買付行為が当社株主全体の利益を著しく損なうことが明らかであると認められる場合には、株主総会の決議によらず、当社取締役会の決議により対抗措置が発動されることとなっております。②を理由とする対抗措置の発動に関して、当社取締役会の恣意的判断を排除するために、当社の業務執行を行う経営陣から独立している独立社外取締役及び独立社外監査役(それらの補欠者を含みます)の中の3名以上から構成される外部委員会に諮問いたします。外部委員会は、当社取締役会の諮問を受けて、特定の大規模買付行為が当社株主全体の利益を著しく損なうことが明らかであるか否かの検討及び判断を行い、対抗措置の発動または不発動を当社取締役会に勧告いたします。当社取締役会は、外部委員会の勧告を最大限に尊重して、対抗措置の発動または不発動を決定いたします。

本ルールの詳細については、平成28年5月10日付ニュースリリース「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)の継続について」を、当社ウェブサイト(http://www.shokubai.co.jp/ja/)に掲載しております。

 

ⅳ)上記取組みについての取締役会の判断及びその判断理由

本ルールは、買収提案がなされた場合に、対抗措置(新株予約権の発行)を発動するか否かを、株主の皆様に、必要な情報と相当な検討期間に基づき判断していただくためのルール及び手続きを定めたものです。本ルールは、買収提案を受け入れるか否かの最終的な判断を当社株主の皆様に委ねることにより、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を図るものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的にするものでもありません。以上から、本ルールが、上記「当社の財務及び事業の方針を支配するものの在り方に関する基本方針」に沿うものであると判断しております。

また、本ルールは、1回の当社株主総会における通常決議の取締役の選解任を通じて、取締役会により廃止することが可能です。また、当社の取締役の任期は1年であり、かつ、取締役の選任に関して期差任期制を採用しておりません。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況などに影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあり、当社グループは、当該リスクの発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応には最大限努力してまいります。

なお、文中にある将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1) 経済状況

当社グループは、化学品の製造販売を主な事業内容としており、化学品の需要は製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けることから、日本、アジア、欧州、北米を含む主要市場における景気動向及びそれに伴う需要の変動は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原油・ナフサの市況変動リスク

原油・ナフサ価格の市況が変動し、当社グループにおいて、この変動幅を速やかに製品価格に転嫁できず、利幅を十分に確保できなかった場合には、原油・ナフサの市況変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 為替レートの変動リスク

当社グループの事業には全世界における製品の生産と販売が含まれていることから、当社グループでは為替予約によって為替レートの短期的な変動の影響を最小限に留める努力をしておりますが、予測を超えた為替レートの変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、海外事業の業績のうち、現地通貨建て部分の円換算後の価値が、換算時の為替レートの変動の影響を受ける可能性もあります。

 

(4) 海外展開に潜在するリスク

当社グループは、北米、欧州及びアジアに生産・販売拠点を設立し、最適地生産を目的とした海外展開を進めております。このような海外展開に際しては、通常では予期しえない法律や規則の変更、産業基盤の脆弱性及び人材の採用・確保の困難など、経済的に不利となる要因の存在または発生並びにテロ、戦争またはその他の要因による社会的または政治的混乱といったリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化することによって、当社グループの海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの業績及び将来の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 新規製品の研究開発に潜在するリスク

当社グループは、これまでに蓄積した強みを活かして研究開発のさらなる精度向上及び迅速化を図るとともに、共同開発の推進など顧客との積極的な連携により真のニーズの発掘を目指しております。しかし、新規製品開発と販路拡大は、開発の行き詰まり、あるいは市場ニーズの急変といった予期しえない事象が発生するおそれが常にあり、結果として当社グループの将来の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 知的財産権をとりまく潜在的なリスク

当社グループは、既存製品分野において、これまでの研究開発活動で得た数多くの特許やノウハウなどの知的財産権を強みとした事業展開を進めており、現在でも継続して新たな特許出願と適正な情報管理によるノウハウの保護を行なっております。また、他社が当社の特許を侵害している場合には、警告・訴訟提起等の対策を講じておりますが、他社が当社グループの特許や製品を調査解析して類似の技術や製品を開発することを完全には防止できない可能性があります。一方、当社の新たな事業展開を目指した新規製品分野においては、他社の知的財産権を十分に調査解析した上で独自の技術や新製品を開発しておりますが、将来的に他社の知的財産権に抵触しているとされる可能性があります。また、知的財産権にかかわるインフラや罰則規定が十分に整っていない国々においては、技術上の秘密を含むいわゆる営業秘密が漏洩したり、人材の流出などによって当社製品の模倣品が出現したりするおそれがあります。

 

 

(7) 自然災害・事故等の発生するリスク

当社グループは、レスポンシブル・ケア(RC)の推進を公約し、全社で環境保全、化学品安全、保安防災などの活動を積極的に展開し、顧客や地域社会からの高い信頼を獲得するよう努力しております。また、大災害を想定した事業継続計画を立て対策を適宜講じております。しかし、自然災害や停電・電力不足、製造所における事故災害などにより、生産活動の継続が困難となる可能性を完全に解消することは不可能であります。たとえば当社の基幹工場である姫路製造所及び川崎製造所の所在地区において、大規模な地震や津波、事故その他操業を中断せざるをえない事象が発生した場合には、主要製品の生産能力が著しく低下し、当社グループの業績及び将来の事業計画が影響を受ける可能性があります。

 

(8) 環境対策に伴うリスク

当社グループは、環境保護に寄与する技術、製品を提供し、社会に貢献することを重要な経営施策と位置付けるとともに、地球規模での環境保全に調和させるよう配慮することを基本としてRCの推進に取り組んでおります。しかし、環境規制の強化や環境保全に対する時流の変化による新たな社会責任の発生、法整備以前の過去の行為に起因する環境汚染の発生などが考えられ、これらによるコスト増大が、当社グループの業績及び将来の事業計画に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 製造設備等の固定資産に係る減損損失が発生するリスク

当社グループは、製造装置等の固定資産を多数所有しており、また、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。よって将来、業績の大幅な悪化や不動産価格の下落等があった場合、減損損失が発生し、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

技術援助契約のうち、技術供与関係で重要なものは次のとおりであります。

 

契約会社名

相手方の名称

内容

有効期間

株式会社日本触媒
(当社)

(大韓民国)
エルジー・エムエムエイ Corp.

メタクリル酸メチルエステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額であります。

1991年6月
~合弁契約の解消まで

(シンガポール共和国)
シンガポール・メチルメタクリレート PTE.
LTD.

メタクリル酸メチルエステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

1996年8月
~プラント存続期間中

(大韓民国)
エルジー・エムエムエイ Corp.

メタクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額であります。

1996年8月
~合弁契約の解消まで

(インドネシア共和国)
PT. ニッポンショクバイ・インドネシア

アクリル酸及びアクリル酸エステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

1997年6月
~プラント存続期間中

(アメリカ合衆国)
アメリカン・アクリル・エヌエイLLC
及びアメリカン・アクリルL.P.

アクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

1997年7月
~合弁契約の解消まで

(ベルギー王国)
ニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.

高吸水性樹脂製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

1999年5月
~ロイヤリティ
  支払い完了まで

(アメリカ合衆国)
ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズ Inc.

コンクリート混和剤用ポリマーの製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2000年2月
~ロイヤリティ
  支払い完了まで

(大韓民国)
エルジー・エムエムエイ Corp.

メタクリル酸メチルエステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2001年3月
~合弁契約の解消まで

(大韓民国)
旭成化学 Co.,Ltd.

エポカラーの販売事業譲渡と製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2002年11月~2017年11月

(ドイツ連邦共和国)
ダウ・オレフィンフェアブンド GmbH

アクリル酸及びアクロレイン製造技術実施権許諾契約及び触媒供給契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2002年10月~双方終了合意まで

(アメリカ合衆国)
ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズ Inc.

アクリルエマルションの製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2003年1月
~ロイヤリティ
  支払い完了まで

(シンガポール共和国)
シンガポール・メチルメタクリレート PTE.
LTD.

メタクリル酸メチルエステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2003年4月
~プラント存続期間中

(アメリカ合衆国)
ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズ Inc.

アクリル酸ポリマーの製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2004年3月
~ロイヤリティ
  支払い完了まで

(ベルギー王国)
ニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.

高吸水性樹脂製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2004年6月
~ロイヤリティ
  支払い完了まで

(シンガポール共和国)
シンガポール・アクリリック PTE LTD

アクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2004年7月
~合弁契約の解消まで

 

 

契約会社名

相手方の名称

内容

有効期間

株式会社日本触媒
(当社)

(シンガポール共和国)
ニッポンショクバイ(アジア) PTE.LTD.

精製アクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2004年7月
~ロイヤリティ
  支払い完了まで

(大韓民国)
エルジー・エムエムエイ Corp.

メタクリル酸メチルエステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2005年10月
~合弁契約の解消まで

(シンガポール共和国)
シンガポール・メチルメタクリレート PTE.
LTD.

メタクリル酸メチルエステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2006年2月
~ロイヤリティ
  支払い完了まで

(中華人民共和国)
日触化工(張家港)有限公司

コンクリート混和剤用ポリマーの製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2007年3月
~ロイヤリティ
  支払い完了まで

(アメリカ合衆国)
ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズ Inc.

制振剤用エマルション製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2007年7月
~ロイヤリティ
  支払い完了まで

(アメリカ合衆国)
ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズ Inc.

洗剤用ポリマー製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2008年8月
~ロイヤリティ
  支払い完了まで

(アメリカ合衆国)
ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズ Inc.

高吸水性樹脂製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2010年4月
~ロイヤリティ
  支払い完了まで

(インドネシア共和国)
PT. ニッポンショクバイ・インドネシア

精製アクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2010年8月
~プラント存続期間中

(インドネシア共和国)
PT. ニッポンショクバイ・インドネシア

高吸水性樹脂製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2010年8月
~プラント存続期間中

(大韓民国)
エルジー・エムエムエイ Corp.

精製メタクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額であります。

2011年10月
~合弁契約の解消まで

(中華人民共和国)
フォルモサ・インダストリーズ (寧波) Co., Ltd.

アクリル酸、アクリル酸エステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額であります。

2012年6月~2022年6月

(中華人民共和国)

日触化工(張家港)

有限公司

高吸水性樹脂製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。


2015年1月~2024年12月
 

(ベルギー王国)

ニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.

精製アクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2015年6月
~プラント存続期間中

(ベルギー王国)

ニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.

高吸水性樹脂製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2015年6月
~ロイヤリティ
  支払完了まで

(シンガポール共和国)
ニッポンショクバイ(アジア) PTE.LTD.

精製アクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2015年12月
~プラント存続期間中

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループの企業理念「TechnoAmenity~私たちはテクノロジーをもって人と社会に豊かさと快適さを提供します」の実現に向け重点分野として、

(イ)当社グループがもっとも得意とする触媒技術などの革新技術による基幹化学品の開発

(ロ)スペシャリティーポリマーの開発

(ハ)触媒技術を応用した環境浄化技術及びエネルギー関連材料の開発

(ニ)情報・記録・光・電子分野の機能材料の開発

を掲げております。

現在、当社グループの研究開発部門は、主に当社の研究所、企画開発部門、製造所の技術部門及び各連結子会社の研究・技術部門により構成されております。

なお、当社は新規製品の早期事業化を目指す研究本部と、テーマ創出と市場開発を推進する企画開発本部の2本部体制で研究開発を進めており、研究本部は次の7研究部門、企画開発本部は次の3部門で構成されております。

 

<研究本部>

 

 

(コーポレート研究所)

 

 

先端材料研究所

燃料電池や二次電池などの次世代電池分野の革新的材料開発、新規基幹事業の創出

基盤技術研究所

革新的化学品製造技術の開発と基幹化学品の創製、分析技術やコンピューターサイエンスによる研究開発支援

生産技術センター

プロセス工学を駆使した新規生産技術の確立

(事業部研究所)

 

 

吸水性樹脂研究所

吸水性樹脂に関する基礎研究、新規製品・新規プロセスの開発、用途開発、技術サービス

機能性化学品研究所

コンクリート混和剤・洗剤向け水溶性ポリマーやコーティング・粘接着用アクリルポリマーの研究開発

情報・機能性材料研究所

特殊反応性ポリマーや表示材料向け機能性材料など情報・機能性材料分野への展開、新規事業の創出

触媒技術研究所

環境配慮型の化学品製造技術開発を目指した各種触媒の開発及び触媒技術の創製

 

 

<企画開発本部>

 

 

企画部

中長期的視野での新規事業・新規テーマの企画、オープンイノベーション・産学連携推進・支援、新規技術/用途でのテーマ開発推進・支援

開発部

コア技術及び既存事業/市場周辺での新規事業・新規テーマの創出、技術ニーズ・シーズ情報の収集・評価

  知財部

当社知的財産の有効利用、他社懸案特許の影響の排除、ライセンス・契約面からの既存事業拡大と新規事業開拓支援

 

 

研究開発スタッフはグループ全体で約740名にのぼり、これは、総従業員数の約2割にあたります。

 

当連結会計年度(以下、当年度)におけるグループ全体の研究開発費は、132億8千3百万円であります。

 

当年度における主な研究開発活動とその成果及び研究開発費は次のとおりであります。

 

 

(基礎化学品事業)

アクリル酸及びアクリル酸エステルや酸化エチレンなどの生産性向上及び新規基礎化学品の研究開発を行っております。

当事業における研究開発費は、42億4千9百万円であります。

 

(機能性化学品事業)

主に生活消費財、土木建築関連材料、エレクトロニクス関連材料、粘接着・塗料用樹脂、新規機能化学品、新規高分子材料の開発及びヨード、シアン、臭素などの応用展開を目的とした研究開発を行っております。
 当年度の主な新規開発の成果としては、ジルコニアナノ粒子と酸化グラフェン系材料があげられます。ジルコニアナノ粒子は、特性を生かした新規用途を開拓し、拡販に繋げました。NEDOのプロジェクトにおいて量産試作に成功した酸化グラフェン系材料は、炭素系新素材として近年注目されており、その構造から様々な特性の発現が期待されます。今後、サンプルワークを進め、新規用途・需要開拓を進めてまいります。

当事業における研究開発費は、81億1千7百万円であります。

 

(環境・触媒事業)

各種プロセス触媒、自動車排ガス等各種排ガス、及び排液処理用触媒やエネルギー関連材料などの研究開発を行っております。

当事業における研究開発費は、9億1千7百万円であります。 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度(以下、当年度)の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

 

1 経営成績の分析

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

 

 

(金額)

(伸び率)

売上高

323,124

293,970

△29,154

△9.0%

営業利益

31,234

21,151

△10,083

△32.3%

経常利益

34,342

24,664

△9,678

△28.2%

親会社株主に帰属する当期純利益

26,003

19,361

△6,642

△25.5%

1株当たり当期純利益

640.69円

478.36円

△162.33円

△25.3%

ROA(総資産経常利益率)

8.3%

5.9%

△2.4ポイント

ROE(自己資本当期純利益率)

9.6%

6.8%

△2.8ポイント

為替($、EUR)

$=¥120.14

$=¥108.36

¥△11.78

EUR=¥132.59

EUR=¥118.76

¥△13.83

ナフサ価格

42,800円/kl

34,700円/kl

△8,100円/kl

 

(注)平成27年10月1日付で普通株式5株につき1株の割合をもって株式併合を実施いたしました。これに伴い、

   1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の期首に当該株式併合が行われたと仮定し、算定しております。

 

(1) 売上高

当年度の売上高は、原料価格や製品海外市況が下落したことによる販売価格の低下や、円高の影響などにより、前連結会計年度(以下、前年度)に比べて291億5千4百万円減収(△9.0%)の2,939億7千万円となりました。

(2) 営業利益

営業利益は、生産・販売数量が増加したことによる数量効果に加え、加工費も減少しましたが、原料価格の下がり幅以上に製品市況が低下したことによるスプレッドの縮小により、前年度に比べて100億8千3百万円減益(△32.3%)の211億5千1百万円となりました。

(3) 経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益

経常利益は、持分法投資利益は減少したものの、為替差損益が改善したことや技術供与等関連費用が減少したことなどの結果、営業外損益が前年度に比べて4億5百万円の増益となり、前年度に比べて96億7千8百万円減益(△28.2%)の246億6千4百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度に比べて66億4千2百万円減益(△25.5%)の193億6千1百万円となりました。投資有価証券売却益があった一方で、研究所閉鎖損失があったことや関係会社株式売却益がなくなったことなどにより、特別損益が前年度に比べて8億3千8百万円の減益となったことなどによるものです。

 

1株当たり当期純利益は478.36円となり、ROA(総資産経常利益率)は前年度に比べて2.4ポイント減少の5.9%となりました。ROE(自己資本当期純利益率)は前年度に比べて2.8ポイント減少の6.8%となりました。

 

 

 

2 財政状態の分析

(1) 資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末(以下、前年度末)に比べて256億1千3百万円増加の4,336億1千万円となりました。流動資産は、前年度末に比べて111億7千3百万円減少しました。原材料及び貯蔵品が増加したものの、現金及び預金や受取手形及び売掛金が減少したことによるものです。固定資産は、前年度末に比べて367億8千6百万円増加しました。設備投資により有形固定資産が増加したことや、時価の上昇により投資有価証券が増加したことなどによるものです。

負債は、前年度末に比べて158億2千3百万円増加の1,413億3千5百万円となりました。長期借入金が減少したものの、社債の発行や支払手形及び買掛金が増加したことなどによるものです。

純資産は、前年度末に比べて97億9千万円増加の2,922億7千5百万円となりました。円高の進捗により為替換算調整勘定が減少したことや、自己株式の取得を行ったものの、利益剰余金や有価証券評価差額金が増加したことなどによるものです。

自己資本比率は、前年度末の68.3%から66.6%へと1.7ポイント減少しました。また、1株当たり純資産額は、前年度末に比べて367.49円増加の7,238.33円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しているため省略しております。

 

キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

 

平成25年
3月期

平成26年
3月期

平成27年
3月期

平成28年
3月期

平成29年
3月期

自己資本比率

61.1%

59.3%

63.2%

68.3%

66.6%

時価ベースの自己資本比率

47.5%

62.1%

85.3%

57.0%

69.7%

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

2.4年

4.0年

2.0年

1.0年

1.5年

インタレスト・カバレッジ・レシオ

39.5

27.7

52.6

123.7

87.2

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利息支払額

※各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

※キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。

※利息支払額は、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。