第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化し、化学製品のグローバル化、コモディティ化が進む一方、求められる機能も多様化しております。激しい変化に柔軟に対応し、さらなる成長を実現するため、2021年4月策定の長期ビジョン「TechnoAmenity for the future」並びに2022年3月策定の新中期経営計画「TechnoAmenity for the future-Ⅰ」のもと、スピード感をもって3つの変革を進めてまいります。
 

( セグメント別の概況 

マテリアルズ事業では、アクリル事業・吸水性樹脂(SAP)事業の競争激化により収益性が低下する中、収益力強化を目的に「SAPサバイバルプロジェクト」を推進し一定の効果を上げてまいりました。2021年度からは酸化エチレン(EO)及びその誘導品への水平展開(EOレジリエンスプロジェクト)も開始し、収益性改善に取り組んでおります。
 また、社会要請が高まっているカーボンニュートラル対応に関しては、当社グループが貢献できる機会が多くあると考えており、「環境対応への変革」として推進しております。
 ソリューションズ事業では、保有技術・既存製品を活かした用途展開余地があると考えており、成長分野の注目10市場において戦略製品群等の拡販を推進します。
 顧客課題の複雑化や市場変化のスピードが加速する中、多様なニーズに対して強みを活かしたソリューションを提供するために、2021年度からマーケティング機能の強化を始めました。

 

 長期ビジョン「TechnoAmenity for the future」の概要 

長期ビジョンでは、「人と社会から必要とされる素材・ソリューションを提供」、「社会の変化を見極め、進化し続ける化学会社」、「社内外の様々なステークホルダーとともに成長」を「2030年の目指す姿」とし、その実現に向けた3つの変革を掲げております。
 


 

( 新中期経営計画「TechnoAmenity for the future-Ⅰ」 )

長期ビジョン実現に向けた最初の3ヵ年(2022~2024年度)計画として、新中期経営計画を策定しました。2024年度までの3年間を、各分野における基盤作りを行うとともに、変革に向けたさまざまな取り組みのスタート期間と位置付けております。新中期経営計画を着実に実行することにより、長期ビジョンで定めた「2030年の目指す姿」のマイルストーンとして、2024年度には過去最高益を目指します。
 
 

 

〔 企業理念体系 〕

長期ビジョン実現に向けて理念体系と内容を整理し、企業理念を頂点とする価値観、行動規範の体系に見直しました。

 


 

〔 経営目標 〕

「事業の変革」としてソリューションズ事業の営業利益割合を50%まで高め、過去最高益となる営業利益330億円を目指します。また「環境対応への変革」、「組織の変革」及び「資本政策」に関する目標も定め、各取り組みを着実に進めてまいります。

 

 

 

2024年度

2030年の目指す姿

財務目標

営業利益

330億円

600億円規模

ソリューションズ事業営業利益

170億円

400億円規模

ROE

7.5%

9%以上

ROA

6.9%

9%以上

総還元性向

50%

-

新規製品売上収益

(単体・SAP除く・5年以内上市)

280億円

-

投資額

成長投資及び

競争力維持投資

1,200億円

(FY2022-2024累計)

4,000億円

(FY2022-2030累計)

カーボン

ニュートラル目標

CO2排出量削減

(2014年度比・国内・Scope1&2)

-

30%削減

環境貢献製品売上収益

550億円

1,350億円

D&I目標

(単体)

事務系・化学系女性採用比率

30%

-

女性管理職(基幹職)比率

6%

-

男性の育児休職取得率

30%

-

 

<前提条件>2024年度:ナフサ50,000円/kL、ドル110円、ユーロ130円

 

当社は事業の収益性や成長性を表す営業利益を重視していることに加え、新中期経営計画では、既存分野から成長分野へのポートフォリオ変革を目指しているため、ソリューションズ事業営業利益を財務目標として設定しております。
 また、当社は装置産業であること等から、従来から収益性と資産効率を重視し、ROA(資産合計税引前利益率)を財務目標のひとつとしております。さらに、株主に対する十分な還元を行うことを目指しており、自己資本に対する経営の効率性を表すROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)も新中期経営計画より財務目標のひとつとしております。
 

 

3つの変革 〕

① 事業の変革

ポートフォリオ変革として、ソリューションズ事業の営業利益割合50%を目指します。

 


 

 a. ソリューションズ事業拡大に向けた取り組み

ソリューション提案力強化に向け、企画・開発・マーケティングに関するプラットフォームを整備します。具体的には、1)柔軟かつ機動的なリソース配分、2)自社の強みが活かせる注目市場の設定、3)顧客情報の可視化と共有化などにより課題把握力を強化し、顧客視点での課題解決を実現します。さらにタイムリーな生産体制を構築すべく、研究開発テーマに生産技術部門が早期に関与できる仕組みを構築し、グループ内設備の効率的活用など初期投資を抑制した迅速な製品化を進めます。
 

 b. マテリアルズ事業強靭化に向けた取り組み

アクリル事業では、収益力強化として、前中期経営計画中に取り組んできた「SAPサバイバルプロジェクト」を継続するとともに、高効率生産技術を導入し製造コストの削減を進めてまいります。また、サステナビリティへの取り組みとしては、バイオマス原料アクリル酸(バイオAA)の開発、バイオマス由来高吸水性樹脂(バイオSAP)への取り組み、SAPリサイクルの推進とサプライチェーンを通じた取り組みを進めます。
 なお、インドネシアの年産10万トンのアクリル酸製造設備の増設については、2023年に商業運転開始を予定しております。
 


 
 EO事業では、「SAPサバイバルプロジェクト」の知見をEO及びその誘導品にも活かし、製造所・グループ会社一体での収益性改善を図ります(EOレジリエンスプロジェクト)。また、サステナビリティへの取り組みとして、バイオ原料を使用したエチレン誘導品の製造・販売に向けた取り組みを進めます。 

 

 

② 環境対応への変革

2050年カーボンニュートラル実現に向け、2030年の自社排出CO2削減目標30%(対2014年実績、Scope1&2)を設定しました。従来の省エネ活動等に加え、製造プロセス・技術の革新、原料及びエネルギーの転換等、複合的な活動を通じ目標達成を目指します。
 また、社会全体での排出量削減に貢献する環境貢献製品の売上収益目標を設定し、当該製品を拡販する事により事業活動を通じたCO2削減(Scope3)にも努めます。
 

 


 

③ 組織の変革

個人と組織が成長できる仕組みの実現を目指し、3つの課題を設定し、さまざまな施策を実施していきます。具体的には、1)人財育成・活躍推進(新人事制度導入、多様な人財の活躍推進、多様な働き方を支える制度・インフラの整備等)、2)組織の成長(間接部門の生産性向上、組織判断の迅速化に向けた権限委譲、経営と従業員の対話強化等)、3)コーポレート・ガバナンスの強化(取締役会の実効性強化、役員に対する中長期のインセンティブ強化等)に取り組み、企業成長の基盤を築いてまいります。

 

〔 DX推進 〕

全社横断で活動を先導・サポートするDX推進組織を設置し、DX推進を加速します。

 


 

 

〔 資本政策 〕

成長投資、競争力維持投資及び株主還元の最適なバランスを取ることで、新中期経営計画最終年度(2024年度)にROE7.5%、ROA6.9%達成を目指します。

 


 

〔 2021年度進捗状況について(新中期経営計画のゼロ年度として) 〕

長期ビジョンのもと、2021年度は新中期経営計画のゼロ年度として、必要な取り組みを順次進めてまいりました。
 「事業の変革」においては、ソリューションズ事業拡大に向け、企画・開発・マーケティング機能強化の中心となる組織の新設と増員を完了し、導入済のマーケティングオートメーション等を活用し情報の収集・分析・共有化を開始しております。また、タイムリーな生産体制構築を目的に、研究開発・事業化の進捗を関連部門で随時共有するシステムの構築を進め、2022年度からの本格運用開始を予定しております。マテリアルズ事業強靭化に向けては、関連するコスト削減プロジェクトを開始するとともに、欧州の子会社ニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.ではバイオSAP生産の認証取得を完了し、今後、顧客の要望に応じてその供給体制を順次整えてまいります。
 「環境対応への変革」においては、2030年目標に向けたCO2削減シナリオの策定を終え、使用エネルギーの転換を開始し、現在研究開発しているテーマの多くも、環境貢献製品として市場へ投入していく見込みであります。
 「組織の変革」においては、人財育成・活躍推進を目的とした新人事制度や組織の成長に向けた職務権限の見直しを行い、2022年4月より運用を開始しております。
 DX推進は多様な働き方を支えるIT基盤、基幹業務システム(ERP)の更新を計画通りに進めており、新たに設置した組織を中心により効果的な運用を図ります。
 

 

2 【事業等のリスク】

 当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあり、当社グループは、当該リスクの発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応には最大限努力してまいります。
 なお、文中にある将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1) 国内外の政治・経済・景気動向に関するリスク

当社グループは、化学品の製造販売事業をグローバルに展開しており、海外売上収益は売上収益の約57%を占めております。さらに製品は主に中間原料として様々な国・地域において多様な用途製品に使用されていることから、特定の国・地域や用途製品市場に大きく依存せず、それらの動向が経営成績及び財政状態に与える影響を抑えられる反面、各国・地域の政治・経済・景気の悪化及びそれに伴う製品需要の減少によって様々な製品の販売に影響が波及する可能性があります。また、当社グループは、日本・アジア・欧州・北米にアクリル酸、アクリル酸エステル及び高吸水性樹脂(SAP)などの生産拠点を有しているため、当該地域では販売に加えて設備稼働にも影響を及ぼす可能性があり、結果として経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原油・ナフサの市場変動に関するリスク

当社グループが調達している主原料は原油・ナフサ価格との連動性が高いため、中東地域やウクライナ情勢などの地政学リスク、米国シェールオイルの生産状況及び為替の変動等により原油・ナフサ価格が急激に変動した場合、原料価格の上昇分全てを製品価格に転嫁できない、又は遅れる可能性があります。一部の製品や取引先との間では、国産ナフサ価格の変動を製品価格に反映させるフォーミュラ方式による製品価格を設定すること等により当該リスクを7~8割程度軽減しておりますが、全ての製品及び取引先に設定していないため、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 財務に関するリスク

① 在外連結子会社等の業績
当社グループでは、在外連結子会社等の資産及び負債は期末日レート、収益及び費用は期中平均為替レートにより円換算しているため、為替レートの変動により経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

② 外貨建債権・債務
当社グループでは、グローバルに事業を展開しているため、米ドルやユーロ等の外貨建の債権・債務があり、短期的な為替レート変動に対して為替予約によるリスクヘッジを行っておりますが、為替レートの変動により円換算額が影響を受けることで、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③ 外貨ベースの円貨建債権・債務
当社グループでは、一部の主原料調達において、米ドル建の原油・ナフサ価格の円換算値を指標として主原料価格(円貨建)を決定しているため、為替レートの変動により当該調達原料価格が変動し、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

詳細は、「第5 経理の状況1(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 28. 金融商品」をご参照ください。

 

(4) 海外展開に関するリスク

当社グループは、最適地での生産・販売を目的とした海外展開により、アジア・欧州・北米に生産・販売拠点を有しており、アクリル酸、高吸水性樹脂(SAP)の海外拠点生産能力はグループ全体の約4割を占めております。海外事業においては、通常では予期し得ない法律や規則の変更、自然災害、産業基盤の脆弱性及び人材の採用・確保難、並びにテロ、戦争その他の社会的又は政治的混乱といったリスクが存在しております。これらのリスクに対して、専門家や政府関係機関等から情報を収集した上で適宜対策を講じておりますが、これらのリスクが顕在化することによって、海外の事業活動に支障が生じ、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 事業ポートフォリオ変革に関するリスク

 当社グループは、酸化エチレン、アクリル酸及び高吸水性樹脂(SAP)などの製品を中心に事業を拡大してまいりましたが、近年はこれらマテリアルズ事業※1の競争激化により市況変動の影響を受けやすくなってきたため、より安定した収益と成長が見込めるソリューションズ事業※2へのポートフォリオの変革を掲げ、中長期的な成長を目指しております。しかしながら、事業ポートフォリオ変革の遅れや市場ニーズの急変などによりソリューションズ事業で十分な収益が得られないなどのリスクが顕在化した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

※1 マテリアルズ事業

ベーシックケミカルズ事業(酸化エチレン等)

アクリル事業(アクリル酸、アクリル酸エステル及び高吸水性樹脂(SAP))

※2 ソリューションズ事業

インダストリアル&ハウスホールド事業(生活消費財、自動車、建材分野等)

エナジー&エレクトロニクス事業(電池、エレクトロニクス分野等)

ライフサイエンス事業(健康医療、化粧品分野)

 

(6) 研究開発に関するリスク

当社グループは、シーズを創出する基礎研究から顧客の真のニーズに迅速かつ的確に応える応用研究まで多層的な研究開発を行っております。また、国内外の大学を含めた第三者パートナーとの研究開発や事業提携等のオープンイノベーションも積極活用して研究開発を促進しております。しかしながら、研究開発の失敗、あるいは予測の範囲を超えた市場ニーズの急変といった予期し得ない事象が発生する恐れが常にあり、投資に見合う収益を得られない場合や収益性の高い製品を創出することができない場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 知的財産権に関するリスク

当社グループは、他社が当社グループの特許を侵害している場合には、警告・訴訟提起等の対策を講じておりますが、他社が当社グループの特許や製品を調査解析して類似の技術や製品を開発することを完全には防止できない可能性があります。一方、当社グループの新たな事業展開を目指した新規製品分野においては、他社の知的財産権を十分に調査解析した上で独自の技術や新製品を開発しておりますが、将来的に他社の知的財産権について紛争が生じた際に当社グループに不利な判断がなされる可能性があります。上記のようなリスクが顕在化した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 情報セキュリティに関するリスク

当社グループは、これまでの研究開発活動で培った独自の技術・ノウハウ、販売製品・顧客等の営業情報、製造活動で蓄積した生産データ及び会計データ等の機密情報を電子データなどとして保有しております。これらの機密情報は当社グループの事業活動の基礎であると共に競争力の源泉でもあることから、情報セキュリティポリシーを定めた上で、情報システム、インフラのセキュリティ高度化、データセンターの複数化、アクセス権の設定、機密情報の表示、運用マニュアルの整備等の対策に加えて、従業員のモラルやセキュリティに対する意識を高める教育も実施しながら情報管理の徹底に努めております。しかしながら、外部への情報漏洩や情報の喪失等が生じた場合には、競合他社に対する事業の優位性低下や類似品の出現等当社グループの事業活動に大きな支障が生じる可能性があり、リスクが顕在化した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) DXに関するリスク

 当社グループは、基幹システムの刷新、研究開発・製造におけるデータ及びデジタル技術活用や新規顧客開拓へのデジタルツールの活用など、専門部署を中心に組織横断的に取り組んでおります。しかしながら、急速に進歩するITやデジタル技術に適応できず、それらを研究開発、製造、販売等の事業活動に有効に活用できない場合、将来的に競合他社に対する事業の優位性が低下する可能性があり、リスクが顕在化した場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 

 

(10) 自然災害・事故等の発生に関するリスク

当社グループは、レスポンシブル・ケア(RC)の推進を公約し、グループ全社で環境保全、化学品安全、保安防災等の活動を積極的に展開し、顧客や地域社会からの高い信頼を獲得するよう努力しております。また、大災害を想定した事業継続計画(BCP)を立て対策を適宜講じております。しかしながら、自然災害や停電・電力不足、感染症の流行、製造所における事故災害等により、生産活動の継続が困難となる可能性を完全に解消することは不可能であります。
 例えば当社の基幹工場である姫路製造所及び川崎製造所の所在地区において、大規模な地震や津波、事故その他操業を中断せざるを得ない事象が発生した場合には、主要製品の生産能力が著しく低下する可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症に関しては、感染の拡大状況に応じて在宅勤務の推奨や出張の自粛などの対策を講じておりますが、感染拡大や収束の遅れの影響により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 気候変動に関するリスク

当社グループは、気候変動を解決すべき重要な社会課題と認識し、事業活動に伴って発生する温室効果ガスを継続的に削減するだけでなく、事業を通してサプライチェーン全体の温室効果ガス削減に貢献する取り組みを推進しております。また、気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への賛同を表明しており、情報開示にも努めております。しかしながら、気候変動に伴う天災リスクや脱炭素社会への移行などに適切に対応できない場合には事業活動に悪影響を及ぼし、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12) 環境に関するリスク

当社グループは、化学物質の開発から製造、物流、使用、最終消費を経て廃棄・リサイクルに至る全ての過程において、自主的に「環境・安全・健康」を確保することを目的に、レスポンシブル・ケア(RC)活動を積極的に展開しております。また、環境に関する法規制を遵守するとともに、化学物質の排出抑制、省エネ活動の推進、廃棄物削減や資源有効利用など、環境負荷低減に向け取り組んでおります。しかしながら、環境規制の強化や新たな法的・社会責任の発生、法整備以前の行為に起因する環境汚染の発生などが生じた場合は、法令遵守等の対策費用増加や行政の指導などによる製造販売の制限により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13) 人財に関するリスク

当社グループは、多様な価値観を持ち、自律した人財を確保・育成するために、ダイバーシティ&インクルージョンを推進する組織を中心に、リーダー人財の育成、シニア人財及び女性活躍の推進などの施策に取り組んでおります。また、2022年4月からチャレンジする人財を評価する新人事制度も導入いたしました。しかしながら、人財育成計画の遅れや人財の定着が進まなかった場合には、中長期的な成長を達成することができず、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14) 資産の減損損失に関するリスク

当社グループは、製造設備等の有形固定資産を多数所有しており、資産合計の約37%を占めております。また、棚卸資産については、資産合計の約15%に相当します。そのため、急激な需給バランスの悪化等により製品市況が著しく下落した場合には、固定資産の減損損失や棚卸資産の評価減により、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15) 企業買収、資本提携等に関するリスク

当社グループは、事業の拡大や競争力の強化等を目的として、国内外において企業買収や資本提携などを実施することがあります。これらを行う際には、対象企業の調査を十分に行い、リスクを検討することとしておりますが、当社グループや対象企業を取り巻く事業環境の変化等により、当初期待していたシナジー効果や新規事業創出その他のメリットを得られない場合や出資先企業の業績不振により「のれん」や「株式簿価」等の減損損失を計上する場合には、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度(以下、当年度)における当社グループ(当社及び当社の関係会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

(単位:百万円)

 

前年度

当年度

増減

 

 

 

(金額)

(伸び率)

売上収益

273,163

369,293

96,130

35.2

%

営業利益(△損失)

△15,921

29,062

44,982

 

税引前利益(△損失)

△12,926

33,675

46,601

 

親会社の所有者に帰属する
当期利益(△損失)

△10,899

23,720

34,619

 

基本的1株当たり当期利益(△損失)

△273.33

594.86

868.19

 

ROA(資産合計税引前利益率)

△2.7

6.8

9.5ポイント

ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)

△3.4

7.2

10.6ポイント

為替レート(USD、EUR)

106.12円/USD

112.42円/USD

6.30円/USD

123.77円/EUR

130.55円/EUR

6.78円/EUR

国産ナフサ価格

31,300円/kl

56,600円/kl

25,300円/kl

 

 

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(単位:百万円)

 

前年度

当年度

増減

種類別

基礎
化学品

機能性
化学品

環境・触媒

基礎
化学品

機能性
化学品

環境・触媒

基礎
化学品

機能性
化学品

環境・触媒

売上収益

110,261

155,272

7,629

158,896

200,004

10,393

48,634

44,732

2,764

営業利益

4,535

△19,119

203

21,042

8,669

△941

16,507

27,788

△1,144

 

 

 

当年度末における当社グループの財政状態は次のとおりとなりました。

当年度末における資産合計は、前連結会計年度(以下、前年度)末に比べて465億3千4百万円増加5,181億5千1百万円となりました。流動資産は、前年度末に比べて458億5千1百万円増加しました。原料価格の上昇に伴い販売価格が上昇したことから営業債権が増加したことや、原料価格の上昇に伴い棚卸資産が増加したことなどによるものです。非流動資産は、前年度末に比べて6億8千4百万円増加しました。保有株式の公正価値の変動によりその他の金融資産が減少したものの、持分法で会計処理されている投資の増加やソフトウェアの取得により無形資産が増加したことなどによるものです。

負債合計は、前年度末に比べて191億3千7百万円増加1,670億2千8百万円となりました。原料価格の上昇に伴い営業債務が増加したことや、課税所得の増加に伴い未払法人所得税等が増加したことなどによるものです。

資本合計は、前年度末に比べて273億9千8百万円増加3,511億2千3百万円となりました。当期利益の計上により利益剰余金が増加したことや、為替相場の変動により在外営業活動体の換算差額が増加したことなどによるものです。

親会社所有者帰属持分比率は、前年度末の67.3%から66.4%へと0.9ポイント減少しました。なお、1株当たり親会社所有者帰属持分は、前年度末に比べて664.95円増加8,624.02円となりました。

 

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当年度末における現金及び現金同等物は、業活動によるキャッシュ・フローの収入が、設備投資等の投資活動によるキャッシュ・フローの支出及び財務活動によるキャッシュ・フローの支出を上回ったため、前年度末に比べて30億2千2百万円増加393億6千3百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前年度の352億7千7百万円の収入に対し、350億5千8百万円の収入となりました。税引前利益の増加や営業債務の増加などがあったものの、営業債権が販売価格上昇に伴い増加したことや、原料価格の上昇により棚卸資産が増加したこと、減損損失の計上額が減少したことなどにより、前年度に比べて2億1千9百万円の収入の減少となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前年度の306億2千3百万円の支出に対し、231億5千8百万円の支出となりました。有形固定資産の取得による支出が減少したことなどにより、前年度に比べて74億6千6百万円の支出の減少となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前年度の127億5千万円の支出に対し、107億5千1百万円の支出となりました。当年度において社債の償還があったことに加え、長期借入金の返済による支出が増加したものの、短期借入金が増加したことなどにより、前年度に比べて19億9千9百万円の支出の減少となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

基礎化学品事業

168,833

50.2

機能性化学品事業

183,359

35.9

環境・触媒事業

7,058

50.0

合計

359,250

42.6

 

(注) 1.金額は、販売価格によっております。

2.生産実績が増加した主な要因は、国産ナフサや原料価格の上昇による販売価格の上昇があったことに加え、販売数量増加に伴い生産数量が増加したためであります。

 

b. 受注実績

当社グループは、主として見込生産を行っているため、受注実績は記載しておりません。

 

c. 販売実績

当年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

基礎化学品事業

158,896

44.1

機能性化学品事業

200,004

28.8

環境・触媒事業

10,393

36.2

合計

369,293

35.2

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度(以下、当年度)末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループは、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。重要な会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況1(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「同 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から持ち直しの動きが続き、景気回復の程度は国や産業により異なるものの、経済活動の再開が進められるなかで推移しました。足元ではウクライナ情勢等による先行きの不透明感がみられるなかで、資源価格の高騰や供給面での制約等による景気下押しが懸念されております。
 米国では景気が着実に持ち直している一方、欧州では天然ガスなどの原燃料の高騰を受けて景気は減速しております。中国では景気の緩やかな回復が続いておりましたが、感染再拡大とそれに伴うゼロコロナ政策等により回復のペースは鈍化しました。アジア新興国では景気の持ち直しの動きがみられました。

日本経済は、オミクロン株感染拡大による厳しい状況が続くなかで、個人消費には足踏みがみられるものの、設備投資や生産活動は持ち直しの動きが続くなど、輸出や企業収益は総じて改善の動きがみられました。

化学工業界におきましては、日米の金融政策の違い等により円安が進み、また原油価格も上昇したことで国産ナフサなど原燃料価格が上昇しました。また、世界的な物流網の混乱が続き、海上輸送費が上昇しました。

このような状況のもと、当社グループの当年度の売上収益は、原料価格の上昇や製品海外市況の上昇に伴い販売価格が上昇したことや、販売数量が増加したことにより、前連結会計年度(以下、前年度)に比べて961億3千万円増収35.2%)の3,692億9千3百万円となりました。

利益面につきましては、海上輸送費の高騰などにより販売費及び一般管理費が増加したものの、一部製品の海外市況の上昇によるスプレッドの拡大や、生産・販売数量の増加、原料価格上昇による在庫評価差額の影響などが増益要因となり、加えて、前年度に計上したニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.(以下、NSE)の固定資産に対する減損損失119億3百万円及びシラス, Inc.に係るのれん及び技術関連資産等に対する減損損失92億8千2百万円や、当社と三洋化成工業株式会社との経営統合の中止に伴う関連費用17億1千3百万円がなくなったため、営業利益は、前年度に比べて449億8千2百万円増益290億6千2百万円となりました。

税引前利益は、営業利益や持分法による投資利益の増加などにより、前年度に比べて466億1百万円増益336億7千5百万円となりました。

その結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前年度に比べて346億1千9百万円増益237億2千万円となりました。

なお、スプレッドの拡大や販売数量の増加、前年度に計上した連結子会社における減損損失がなくなったことなどにより、売上収益税引前利益率は前年度を上回りました。また、販売価格の上昇や販売数量の増加による売上収益の増加により、資産合計回転率は前年度を上回りました。以上の結果、ROA(資産合計税引前利益率)は、△2.7%から6.8%9.5ポイント増加しました。

 

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。

当年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。当年度末における当社グループの有利子負債の合計残高は、主に海外子会社で金融機関からの借入金の返済が進んだことにより、前年度末に比べて18億9千5百万円減少し、596億7千7百万円となりました。なお、今後の設備投資計画等につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであり、その資金につきましては自己資金及び金融機関からの借入金により調達する予定であります。

当社グループの所要資金は、主に運転資金、設備投資、戦略投資、研究開発投資、借入金返済並びに社債償還等であり、これらを自己資金、金融機関からの借入金により賄っております。

 

当社グループにおける、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標及びその進捗状況については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。

 

基礎化学品事業

アクリル酸及びアクリル酸エステルは、原料価格の上昇や製品海外市況の上昇などにより販売価格が上昇したことや、販売数量が増加したことにより、増収となりました。

酸化エチレンは、原料価格の上昇により販売価格が上昇したことや、販売数量が増加したことにより、増収となりました。

エチレングリコールは、販売数量が減少しましたが、製品海外市況の上昇による販売価格の上昇などにより、増収となりました。

セカンダリーアルコールエトキシレートは、販売数量が増加したことや、原料価格の上昇などに伴い販売価格が上昇したことにより、増収となりました。

以上の結果、基礎化学品事業の売上収益は、前年度に比べて44.1%増加1,588億9千6百万円となりました。

営業利益は、製品海外市況の上昇によるスプレッドの拡大や、生産・販売数量の増加、原料価格上昇による在庫評価差額の影響などが増益要因となり、前年度に比べて165億7百万円増益210億4千2百万円となりました。

基礎化学品事業の資産は、前年度末に比べて296億2千9百万円増加1,862億7千1百万円となりました。主として営業債権や棚卸資産が増加したことによるものです。

 

機能性化学品事業

高吸水性樹脂は、原料価格や製品海外市況の上昇に伴う販売価格の上昇や、販売数量が増加したことなどにより、増収となりました。

特殊エステルは、製品海外市況の上昇などに伴い販売価格が上昇したことや、販売数量が増加したことにより、増収となりました。

コンクリート混和剤用ポリマー、洗剤原料などの水溶性ポリマー、エチレンイミン誘導品及び塗料用樹脂は、販売数量が増加したことなどにより、増収となりました。

無水マレイン酸は、原料価格の上昇などに伴い販売価格が上昇したことにより、増収となりました。

ヨウ素化合物は、製品販売構成や販売数量が増加したことにより、増収となりました。

樹脂改質剤、電子情報材料及び粘着加工品は、販売数量が減少したことにより、減収となりました。

以上の結果、機能性化学品事業の売上収益は、前年度に比べて28.8%増加2,000億4百万円となりました。

営業利益は、海上輸送費の高騰などにより販売費及び一般管理費が増加したものの、生産・販売数量の増加や、原料価格上昇による在庫評価差額の影響などが増益要因となり、加えて、前年度に計上したNSEの固定資産に対する減損損失及びシラス, Inc.に係るのれん及び技術関連資産等に対する減損損失がなくなったため、前年度に比べて277億8千8百万円増益86億6千9百万円となりました。

機能性化学品事業の資産は、前年度末に比べて250億9千1百万円増加2,620億2千5百万円となりました。主として営業債権や棚卸資産が増加したことによるものです。

 

 

環境・触媒事業

プロセス触媒、脱硝触媒及び燃料電池材料は、販売数量が増加したことにより、増収となりました。

リチウム電池材料は、販売価格が下落したものの販売数量が増加したことにより、増収となりました。

湿式酸化触媒は、販売数量が減少したことにより、減収となりました。

以上の結果、環境・触媒事業の売上収益は、前年度に比べて36.2%増加103億9千3百万円となりました。

営業利益は、在庫評価差額の影響や、販売費及び一般管理費の増加などが減益要因となり、前年度に比べて11億4千4百万円減益△9億4千1百万円となりました。

環境・触媒事業の資産は、前年度末に比べて13億4千9百万円増加364億9千4百万円となりました。主として棚卸資産が増加したことによるものです。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

技術援助契約のうち、技術供与関係で重要なものは次のとおりであります。

契約会社名

相手方の名称

内容

有効期間

株式会社日本触媒
(当社)

(大韓民国)
エルエックス・エムエムエイ Corp.

メタクリル酸メチルエステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額であります。

1991年6月
~合弁契約の解消まで

(シンガポール共和国)
シンガポール・メチルメタクリレート PTE.
LTD.

メタクリル酸メチルエステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

1996年8月
~プラント存続期間中

(大韓民国)
エルエックス・エムエムエイ Corp.

メタクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額であります。

1996年8月
~合弁契約の解消まで

(インドネシア共和国)
PT. ニッポンショクバイ・インドネシア

アクリル酸及びアクリル酸エステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

1997年6月
~プラント存続期間中

(アメリカ合衆国)
アメリカン・アクリル・エヌエイ LLC
及びアメリカン・アクリル L.P.

アクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

1997年7月
~合弁契約の解消まで

(ベルギー王国)
ニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.

高吸水性樹脂製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

1999年5月
~プラント存続期間中

(アメリカ合衆国)
ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズ Inc.

コンクリート混和剤用ポリマーの製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2000年2月
~プラント存続期間中

(大韓民国)
エルエックス・エムエムエイ Corp.

メタクリル酸メチルエステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2001年3月
~合弁契約の解消まで

(ドイツ連邦共和国)
ダウ・オレフィンフェアブンド GmbH

アクリル酸及びアクロレイン製造技術実施権許諾契約及び触媒供給契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2002年10月
~双方終了合意まで

(シンガポール共和国)
シンガポール・メチルメタクリレート PTE.
LTD.

メタクリル酸メチルエステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2003年4月
~プラント存続期間中

(アメリカ合衆国)
ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズ Inc.

アクリル酸ポリマーの製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2004年3月
~プラント存続期間中

(ベルギー王国)
ニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.

高吸水性樹脂製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2004年6月
~プラント存続期間中

(シンガポール共和国)
シンガポール・アクリリック PTE LTD

アクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2004年7月
~合弁契約の解消まで

 

 

契約会社名

相手方の名称

内容

有効期間

株式会社日本触媒
 (当社)

(シンガポール共和国)
ニッポンショクバイ(アジア) PTE.LTD.

精製アクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2004年7月
~プラント存続期間中

(大韓民国)
エルエックス・エムエムエイ Corp.

メタクリル酸メチルエステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2005年10月
~合弁契約の解消まで

(シンガポール共和国)
シンガポール・メチルメタクリレート PTE.
LTD.

メタクリル酸メチルエステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2006年2月
~プラント存続期間中

(アメリカ合衆国)
ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズ Inc.

制振剤用エマルション製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2007年7月
~プラント存続期間中

(アメリカ合衆国)
ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズ Inc.

洗剤用ポリマー製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2008年8月
~プラント存続期間中

(アメリカ合衆国)
ニッポンショクバイ・アメリカ・インダストリーズ Inc.

高吸水性樹脂製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2010年4月
~プラント存続期間中

(インドネシア共和国)
PT. ニッポンショクバイ・インドネシア

精製アクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2010年8月
~プラント存続期間中

(インドネシア共和国)
PT. ニッポンショクバイ・インドネシア

高吸水性樹脂製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2010年8月
~プラント存続期間中

(大韓民国)
エルエックス・エムエムエイ Corp.

精製メタクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額であります。

2011年10月
~合弁契約の解消まで

(中華人民共和国)
フォルモサ・インダストリーズ (寧波) Co., Ltd.

アクリル酸、アクリル酸エステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額であります。

2012年6月~2022年6月

(ベルギー王国)
ニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.

精製アクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2015年6月
~プラント存続期間中

(ベルギー王国)
ニッポンショクバイ・ヨーロッパ N.V.

高吸水性樹脂製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2015年6月
~プラント存続期間中

(シンガポール共和国)
ニッポンショクバイ(アジア) PTE.LTD.

精製アクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2015年12月
~プラント存続期間中

(大韓民国)
エルエックス・エムエムエイ Corp.

メタクリル酸メチルエステル製造技術実施権許諾契約であり、対価は定額による頭金とランニングロイヤリティであります。

2017年7月
~合弁契約の解消まで

(インドネシア共和国)
PT. ニッポンショクバイ・インドネシア

精製アクリル酸製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2018年10月
~プラント存続期間中

(中華人民共和国)
日触化工(張家港)
有限公司

高吸水性樹脂製造技術実施権許諾契約であり、対価はランニングロイヤリティであります。

2022年1月

~プラント存続期間中

 

 

5 【研究開発活動】

2021年4月策定の長期ビジョン「TechnoAmenity for the future」並びに2022年3月策定の新中期経営計画「TechnoAmenity for the future-Ⅰ」で定めた2030年の目指す姿である「人と社会から必要とされる素材・ソリューションを提供」を実現するために、研究開発活動に積極的に取り組んでおります。具体的には、「事業の変革」として、既存分野から成長分野へのポートフォリオ変革に向けた「ソリューションズ事業拡大」、「マテリアルズ事業強靭化」に取り組んでおり、このうち、ソリューションズ事業拡大については、

(イ)情報ネットワーク事業分野 (半導体、イメージング)

(ロ)ライフサイエンス事業分野 (医薬品、ヘルスケア、化粧品)

(ハ)エネルギー・資源事業分野 (モビリティ、エネルギー変換、水)

を新規事業ターゲットの3分野8領域に選定し、研究開発活動を推進しております。加えて、環境対応への変革として、持続的な社会の実現に貢献するため、2050年カーボンニュートラル実現に向けた研究開発に注力して取り組んでおります。

当社グループの研究開発は、当社の研究開発部門、製造所の技術部門及び各連結子会社の研究・技術部門により推進しております。

当社の研究開発体制としては、新規事業の創出を推進する事業創出本部、既存事業の強化及びその周辺領域への拡大を進める各事業部の研究部、創薬支援事業の確立を推進する健康・医療事業開発室の中分子研究グループ、化粧品分野における新規事業化を推進する化粧品事業室の研究グループを設置し、推進しております。当連結会計年度(以下、当年度)において、事業創出を目指した市場開拓機能の強化のために、事業創出本部内の「企画推進部」を「事業開拓部」に改称するとともに、特定テーマについての早期事業化を目的とした「事業化推進プロジェクト」、及び、循環型社会・脱炭素社会の実現に向けた研究開発及び事業化推進を目的とした「グリーンイノベーション推進部」を設置しました。また関連部門として、生産に適したプロセスを設計・開発することにより製品化を加速する生産技術センターを設置しており、さらに、R&D 組織全体を俯瞰し、イノベーション戦略と推進方策を立案する経営直轄の部署として「R&D統括部」を設置しました。

 

(事業創出本部)

 

 

研究センター

当社がターゲットとする重点分野・領域において、次のコア事業となりうる新しい事業の創出を目指した、要素技術の獲得と次世代材料の創製

事業開拓部

中長期的視野での新規事業・新規テーマの企画、新規技術/用途でのテーマ開発推進・支援

事業化推進プロジェクト

特定テーマについての早期事業化支援

グリーンイノベーション
推進部

2050年のカーボンニュートラル達成を目指したテーマの開発推進と次世代技術の開発

知財部

当社知的財産の有効利用、他社懸案特許の影響の排除、ライセンス・契約面からの既存事業拡大と新規事業開拓支援

解析技術センター

各部門(研究、技術、生産等)が抱える技術課題に対して、最先端分析機器による分析・解析、コンピューターサイエンスを駆使し、迅速かつ精度の高いソリューションを提供

(事業部研究部)

 

 

プロセス触媒研究部

環境配慮型の化学品製造技術の確立を目指した、アクリル酸製造用触媒を中心とする化学品製造用触媒の開発及び次世代触媒技術の創製

吸水性樹脂研究部

吸水性樹脂に関する基礎研究、新規製品・新規プロセスの開発、用途開発、技術サービス

インダストリアル&
ハウスホールド研究部

洗剤等の日用品分野から自動車、住宅・土木建築、水処理等の工業分野まで幅広い用途で使用できる機能性材料の研究開発

エナジー研究部

リチウム二次電池材料、燃料電池材料等の新エネルギー関連材料、及び脱硝触媒、ダイオキシン分解触媒等の環境浄化用触媒の研究開発

エレクトロニクス&
イメージング研究部  

光学フィルム材料、レジスト材料、微粒子材料など、当社独自モノマー/キーテクノロジーを最大限に活用した、エレクトロニクス、イメージング分野における高機能材料の研究開発

 

 

(健康・医療事業開発室)

 

 

中分子研究グループ

中分子医薬品である核酸及びペプチドのGMP原薬受託製造事業を拡充させ、合成検討から製造、分析に至るまでの一貫したサービスを提供。また、提携企業との関係強化を図りながら、独自のDDS(ドラッグデリバリーシステム)を開発

 

(化粧品事業室)

 

 

研究グループ

スキンケア及びその周辺領域をコアターゲットとし、当社保有の素材・技術を活用した化粧品用多機能素材を開発、独自素材に加え、外部提携を通して獲得した天然素材や加工技術、さらに処方開発や効果効能評価を組合せ、ストーリー性のある「提案型化粧品事業」を目指す

(関連部門)

 

 

生産技術センター

ベンチスケール実験やパイロットプラントによる実験、プラント設計や経済評価などプロセス工学を駆使した新規生産技術の確立

R&D統括部

R&D組織横断機能として、イノベーション戦略と推進方策の立案、オープンイノベーションや産学連携の推進・支援

データサイエンス&
インフォマティクス推進室

情報技術と化学的な専門知識を融合することで、材料研究や生産におけるデータ駆動型の意思決定を支援し、持続的な競争力強化のためインフォマティクス基盤の構築と組織的なデータリテラシーを深耕

 

 

 

研究開発スタッフはグループ全体で約800名にのぼり、これは、総従業員数の約2割にあたります。

当年度におけるグループ全体の研究開発費は、15,182百万円であります。

 

当年度における主な研究開発活動とその成果及び研究開発費は次のとおりであります。

 

(基礎化学品事業)

当社の基幹製品であるアクリル酸及びアクリル酸エステルや酸化エチレンなどの生産性向上及び新規基礎化学品の研究開発を行っております。2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組みとして、アクリル酸、酸化エチレンのバイオマス原料からの製法開発を進めております。

当事業における研究開発費は、5,105百万円であります。

 

(機能性化学品事業)

主に生活消費財、土木建築関連材料、エレクトロニクス関連材料、粘接着剤・塗料用樹脂、新規機能化学品、新規高分子材料の開発及びヨード、シアン、臭素などの応用展開を目的とした研究開発を行っております。
 当年度の主な成果として、iOLEDフィルム光源では、パイロットラインでの製造を開始することで顧客評価を進展させ、協業メーカーと共に細い紐状のiOLEDフィルム光源を開発、織物に組み込み、展示するなど用途開発も進めました。

曲面印刷領域に優れたUV硬化材料であるモノマーAOMA、VEEAでは、3Dプリンターメーカーやインクジェットプリンターメーカーでの顧客評価が進展しております。また、高吸水性樹脂(SAP)について、大人用紙おむつメーカー大手の株式会社リブドゥコーポレーション及びリサイクル業者のトータルケア・システム株式会社と共同で、新規リサイクル技術の開発を進めております。

さらに、新規事業創出に向け、健康・医療分野での原薬受託製造事業では、GMP対応の核酸合成ラインを1系列増設しました。化粧品分野では、評価手法や処方ノウハウを蓄積し、顧客へのソリューション提案を進めております。

当事業における研究開発費は、8,330百万円であります。

 

(環境・触媒事業)

各種プロセス触媒、自動車排ガス等各種排ガス、及び排液処理用触媒やエネルギー関連材料などの研究開発を行っております。

当年度の主な成果として、グリーン水素製造に貢献するアルカリ水電解用セパレータでは、実用化に向けて顧客での評価が進展しております。

また、リチウムイオン電池の充電時間短縮や長寿命化に貢献するリチウムイオン2次電池用電解質「イオネル」の製造設備の増設の検討を進めております。

当事業における研究開発費は、1,746百万円であります。