当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
また、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(会計方針の変更)(追加情報)」に記載のとおり、当連結会計年度より、一部の在外関連会社において国際財務報告基準(IFRS)を適用しており、当該取扱いを反映した遡及適用後の数値で前年同期及び前連結会計年度末との比較を行っております。
(1)業績
当連結会計年度の世界経済は、米国が回復基調にあるものの、中国をはじめとする新興国の景気減速や資源価格の下落等もあり、全体としては不透明な状況が続きました。国内経済は、企業収益や雇用環境の改善等により、緩やかな回復基調で推移しました。
当社グループの売上高は、高純度テレフタル酸事業からの撤退に伴う汎用芳香族化学品の販売数量減少やメタノールの市況下落等がありましたが、㈱JSP等の連結子会社化等により、増収となりました。
営業利益は、電子材料やポリカーボネートシート・フィルムの販売数量が減少しましたが、円安及び原燃料価格の下落による芳香族化学品やエンジニアリングプラスチックス等の採算改善に加え、㈱JSP等の連結子会社化もあり、増益となりました。
経常利益は、メタノール市況の下落等に伴う持分法利益の減少や為替差損益の悪化により営業外損益が悪化したものの、営業利益の増加により、増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益の減少や、税金費用及び非支配株主に帰属する当期純利益の増加により、減益となりました。
以上の結果、売上高5,935億円(前期比639億円増(12.1%増))、営業利益340億円(前期比190億円増(126.8%増))、持分法利益166億円(前期比112億円減(40.2%減))、経常利益454億円(前期比34億円増(8.2%増))、親会社株主に帰属する当期純利益341億円(前期比92億円減(21.3%減))となりました。
事業セグメント別の業績
〔天然ガス系化学品事業〕
メタノールは、市況下落により減収となりましたが、単価の高い期首在庫を有していた前期に比べ、損益は改善しました。
メタノール・アンモニア系化学品は、円安及び原料価格の下落によりMMA系製品等の採算が改善したことから、増益となりました。
原油その他のエネルギー販売は、原油価格の下落等により、減収減益となりました。
以上の結果、売上高1,654億円(前期比193億円減(10.5%減))、営業利益41億円(前期比13億円増(49.5%増))となりました。一方、海外メタノール生産会社を中心とする持分法利益が、メタノール市況の下落やブルネイ国生産拠点での定期修繕の実施等により、113億円と前期を大幅に下回ったことから、経常利益は139億円(前期比133億円減(48.9%減))となりました。
〔芳香族化学品事業〕
特殊芳香族化学品は、円安及び原燃料価格の下落に加え、メタキシレンジアミンやMXナイロンの販売数量増加もあり、増収増益となりました。
汎用芳香族化学品は、高純度テレフタル酸事業からの撤退により売上高は減少したものの、メタキシレンや高純度イソフタル酸の輸出採算改善等により、増益となりました。
なお、㈱JSP等の連結子会社化に伴い、当連結会計年度より発泡プラスチック事業の業績を計上しております。
以上の結果、売上高2,033億円(前期比822億円増(67.9%増))、営業利益152億円(前期比122億円増(405.6%増))、経常利益137億円(前期比126億円増)となりました。
〔機能化学品事業〕
無機化学品は、半導体及び液晶向けハイブリッドケミカルの販売数量が減少しましたが、米国や韓国拠点における超純過酸化水素の販売数量増加に加え、過酸化水素の売価是正や原燃料価格の下落もあり、損益は前期並みとなりました。
エンジニアリングプラスチックスは、原料価格の下落によるポリカーボネート及びポリアセタールの採算改善や、モバイル機器のカメラレンズ向け特殊ポリカーボネートの販売数量増加等により、損益が改善しました。
ポリカーボネートシート・フィルムは、フラットパネルディスプレイ向けフィルムの販売数量が前期を下回り、減収減益となりました。
以上の結果、売上高1,687億円(前期比40億円増(2.5%増))、営業利益130億円(前期比47億円増(57.7%増))となりました。また、エンジニアリングプラスチックス関連会社を中心とする持分法利益を52億円計上した結果、経常利益は155億円(前期比64億円増(70.1%増))となりました。
〔特殊機能材事業〕
電子材料は、プリント配線板製造子会社の採算改善があったものの、主力の半導体パッケージ向けBT材料の販売数量が、低調な半導体需要に伴う在庫調整の影響により減少したことから、減収減益となりました。
「エージレス®」等の脱酸素剤は、国内食品用途の販売数量が増加したことに加え、輸出も伸長したことから、増収増益となりました。
以上の結果、売上高552億円(前期比29億円減(5.1%減))、営業利益40億円(前期比2億円増(6.8%増))、経常利益38億円(前期比2億円減(5.2%減))となりました。
〔その他の事業〕
その他の事業の売上高は6億円(前期比0億円増(6.4%増))、営業利益は2億円(前期比0億円増(18.0%増))、経常利益は2億円(前期比11億円減(79.9%減))となりました。
(注)「第2 事業の状況 1.業績等の概要 (1)業績」に記載している金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前期末より31億円増加し758億円となりました。
1)営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度は、前期比で76億円収入が増加し846億円の収入となりました。これは主に、持分法による投資利益が増加したことなどによります。
2)投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度は、前期比で83億円支出が増加し319億円の支出となりました。これは主に、固定資産の取得による支出が増加したことなどによります。
3)財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度は、前期比で223億円支出が増加し473億円の支出となりました。これは主に、借入金の返済による支出や自己株式の取得による支出が増加したことなどによります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
天然ガス系化学品事業(百万円) |
54,569 |
△9.6 |
|
芳香族化学品事業(百万円) |
153,708 |
135.0 |
|
機能化学品事業(百万円) |
151,605 |
△4.0 |
|
特殊機能材事業(百万円) |
39,458 |
△13.2 |
|
その他の事業(百万円) |
- |
- |
|
合計(百万円) |
399,341 |
21.3 |
(注)1.生産金額は、生産総量から自家消費分を差引いた販売向けの生産量に当連結会計年度の販売単価を乗じて算出しており、セグメント間の内部振替前の数値であります。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
3.芳香族化学品事業の生産実績が前年同期に比べて著しく増加しておりますが、これは前連結会計年度末において㈱JSP等を連結の範囲に追加したことによるものです。
(2)受注状況
当社グループ(当社及び連結子会社)は原則として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
天然ガス系化学品事業(百万円) |
165,497 |
△10.5 |
|
芳香族化学品事業(百万円) |
203,348 |
67.9 |
|
機能化学品事業(百万円) |
168,721 |
2.5 |
|
特殊機能材事業(百万円) |
55,251 |
△5.1 |
|
その他の事業(百万円) |
684 |
6.4 |
|
合計(百万円) |
593,502 |
12.1 |
(注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
2.芳香族化学品事業の販売実績が前年同期に比べて著しく増加しておりますが、これは前連結会計年度末において㈱JSP等を連結の範囲に追加したことによるものです。
第89期からスタートいたしました中期経営計画「MGC Advance2017 MGCグループだからできる大きな夢に!」では、創立50周年にあたる2021年における「ありたい姿」の実現に向けて、長期的な視野に立って今後当社がどこに向かうのかを明確化する指針として、新たなグループビジョン「社会と分かち合える価値の創造」を掲げました。
当社グループでは、「MGC Advance2017」において5つの事項を基本方針とし、MGCグループだからできる大きな夢の実現に向けて、各種施策を進めてまいります。
◆中期経営計画「MGC Advance2017 MGCグループだからできる大きな夢に!」
●基本方針
-中核事業を中心とした既存事業の収益力強化
-不採算事業の再構築
-新規事業の創出と育成
-グループ全体の経営効率改善
-持続的成長を支える<質>の向上
●目標とする経営指標(MGC Advance2017最終年度)
|
連結指標 |
目標値(2017年度) |
|
売上高 |
7,000億円 |
|
営業利益 |
400億円 |
|
経常利益 |
550億円 |
|
ROE(自己資本利益率) |
9%以上 |
中期経営計画では、最終年度(2017年度)の連結経営指標として、売上高7,000億円、営業利益400億円、経常利益550億円、ROE(自己資本利益率)9%以上の目標を掲げました。中国や新興国での景気減速等により世界経済は不透明感が強く、加えて円高の進行もあり、今後の見通しにつきまして楽観視できる状況にはありませんが、当社グループは外部環境の変化を踏まえつつ、中期経営計画の基本方針に沿った各種施策を着実に推進することにより、持続的成長を目指します。
当社グループは、中核事業として、事業基盤を支える資源エネルギーから、メタノール、過酸化水素、ポリカーボネート、MXDA・MXナイロンといった化学品・素材製品、シート・フィルム、発泡プラスチック、エレクトロニクスケミカル、BT系材料、脱酸素剤エージレス®といった機能製品まで幅広く事業を展開し、グループビジョン「社会と分かち合える価値の創造」のもと、多様な価値を提供しております。これら中核事業を中心に経営資源を投じ、収益力の強化に努めてまいります。第89期においては、トリニダード・トバゴ共和国におけるメタノール/ジメチルエーテルの製造販売事業に関する投資を決定いたしました。
不採算事業の再構築につきましては、環境の変化に対応した事業構造の改革に迅速に取り組んでまいります。第89期においては、新潟工場のアンモニア生産装置を停止しました。またプリント配線板の製造・販売を行っておりました子会社の解散を決定いたしました。
一方、新規事業の創出と育成の面では、「エネルギー」「情報・通信」「モビリティ」「医・食」「インフラ」といった、将来トレンドに合致する新規事業の創出を加速し、新たな価値の提供に注力してまいります。これらの領域への取り組みは、新規事業開発部が中心となり、継続的に事業化を立案してまいります。第89期に福島県白河市にて「QOLイノベーションセンター白河」計画に着手しております。生活の質を高めるための様々な差異化製品をイノベートし、社会と分かち合える価値を創造するための製造・研究開発拠点として、新規事業の創出と育成に、より一層注力してまいります。
グループ全体の経営効率改善につきましては、当社グループ内でビジョンを共有し、グループ一体となった戦略の構築と実践により、企業価値の向上を図ります。
持続的成長を支える<質>の向上の点では、安全・安定生産、内部統制・コンプライアンス体制の強化、グループの未来を担う人材の確保・育成、及び健全で強靭な財務体質の実現等を重点課題として取り組んでまいります。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。
なお、以下の記述は必ずしも全てのリスクを網羅したものではありません。また、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月28日)現在において当社グループが判断したものです。
① 経済状況
当社グループの事業収入は、製品販売先の国、地域の経済状況の影響を受けます。
特にメタノール、メタノール誘導品、キシレン系製品等の市況製品では、一般的に、景気後退局面において販売数量の減少、販売価格の下落等がおきやすく、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすほか、原材料価格が急騰した場合にも当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 海外事業
当社グループは、アジア、北米、南米、中東等で現地法人を設立し、製造販売活動を行っています。海外現地法人では製造設備に多額の投資を実施しており、様々なリスク回避策をとっていますが、現地の政情不安、社会的、経済的混乱等の理由により、現地製造活動自体のみならず、利益配当の送金、投資の回収等が困難となる可能性があります。
そのほか、法制の違いの問題、外国政府による投資等への制限の可能性、人事・労務問題等のリスクがあり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 事業特性
当社グループは、様々な化学製品を製造、販売し、競争的な環境下で事業を行っています。当社グループは、汎用製品においては価格を中心に競争し、特殊品・高付加価値製品においては価格、市場動向、品質、機能、納期、カスタマーサービス等の面で競争していますが、こういった競争の水準が上がることで、販売価格の低下、販売量の減少につながる可能性があります。
また、その事業特性から以下に例示するようなリスクを有しています。
たとえば、当社グループは、原料キシレン等の原材料や電力等を外部から購入しています。複数の供給元から購入する等、調達不能となるリスクの軽減を図っていますが、必要な原材料等を主要な供給元が供給できない場合、生産活動に支障が出る可能性があります。
当社グループの製造拠点の多くは複数の製造設備を有し、それらが電気、用水、スチーム等のユーティリティー設備を共用しています。このため、事故やトラブルにより共有しているユーティリティー設備が停止すると、当該製造拠点全体の製造活動が停止する可能性があります。
当社グループで製造、販売している特殊化学製品には、特定の顧客に対してのみ販売している製品があります。
当該顧客との間では、長期安定供給契約を締結する等によりリスクの軽減を図っていますが、顧客が当該製品の使用を中止することにより、売上高が減少する可能性があります。
エレクトロニクス業界を主な顧客としている電子材料関連製品等の機能製品類は、一般的に製品寿命が短く、常に技術革新競争にさらされているため、既存製品が陳腐化したり新規製品開発が遅れた場合、売上高が減少する可能性があります。
また、合成樹脂、機能化学品等、汎用基礎化学品以外の製品には、安価な代替競合品の出現によって販売価格が下落したり売上数量が減少する可能性があります。
これらのリスクに対しては可能な範囲で回避策を講じていますが、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 製品の瑕疵
当社グループの製造拠点のほとんどは、世界的に認知された品質管理基準に基づき製造活動を行い、顧客と合意した規格に沿った製品を出荷していますが、品質上瑕疵ある製品が製造されたり、出荷される可能性がないとは言えません。品質上瑕疵ある製品を出荷した場合、当該製品を使用した顧客に対する直接的損害のみならず、機会損失に対する補償を行わなければならない可能性があり、また、当社の社会的信用が損なわれる可能性があります。
当社グループではこの種のリスクに対処するため、必要に応じて製造物責任賠償保険をはじめとした賠償責任保険を付保していますが、最終的に負担すべき賠償額の全てがこれらの保険で補填されるとは限らず、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
⑤ 為替レートの変動
当社グループの業績及び財務状況は為替レートの変動により影響を受けます。当社グループは、輸出入等の外貨建て取引に係る為替レートの変動による影響について、先物為替予約取引等によるリスクヘッジを一定程度行っていますが、中長期的な為替レートの変動によるリスクを完全にヘッジすることはできないため、円高が進行した場合には、売上高の減少、損失の増大等、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの海外現地法人の現地通貨建ての財務諸表項目は、当社連結財務諸表の作成のため円貨換算されており、換算時の為替レートによって、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 金利の変動
当社グループは、必要な資金の調達に際し、その内容や財務状況及び金融環境を考慮し、調達の金額・期間・方法等を判断しています。今後の金利の変動に備え、固定金利・変動金利を適宜組み合わせて調達を行っていますが、金利が上昇した場合、支払利息が増加し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 有価証券の市場価格の変動
当社グループの資産には、時価のある有価証券も含まれています。当社グループが保有する有価証券の市場価格が大幅に下落した場合、評価損の発生により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 法的規制
当社グループは、事業の特性上、毒劇物、危険物、高圧ガス等の危険性を有する化学物質を取り扱い、製造、保管、流通、販売等の各段階で、国内外を問わず法令等により種々の規制を受けています。また、環境問題に対する世界的な意識の高まり等から、化学物質を対象とした各種規制はますます強まる傾向にあり、当社グループの事業活動に何らかの支障を来たす可能性があります。
このため、当社グループの事業活動に関連した法的規制を遵守できなかった場合の罰則、社会的制裁や是正コスト等は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 自然災害
当社グループは、国内のみならずアジア、北米、南米、中東等に多数の製造拠点を有していますが、地震、風水害等の自然災害の影響によって設備が破損したりトラブルが発生して製造活動が停止する等の可能性があります。自然災害による物損や機会損失は、損害保険の免責事項となる場合もあり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑩ 事故、災害
当社グループは、事業の特性上、毒劇物、危険物、高圧ガス等危険性を有する化学物質を日常的に取り扱っています。当社グループでは、世界最高水準の保安防災体制により、製造設備の維持、安定操業に努めていますが、設備のトラブルや人為的ミスにより爆発、火災、有毒ガスの漏洩等の事故が発生し、製造設備に損害を与えるだけでなく、場合によっては当該製造拠点周辺や顧客に損害を与えてしまう可能性があります。このようなリスクに対して火災保険、利益保険、油濁保険、賠償責任保険等を付保していますが、最終的に負担すべき賠償額の全てがこれらの保険で補填されるとは限らず、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
⑪ 研究開発
当社グループは、新しい製品・プロセスの開発や既存製品・プロセスの改善・改良のために、基礎研究・応用研究に取り組んでいます。研究開発は、複雑で長期にわたる一方で成果の不確実な取り組みであり、当社グループが市場に受け入れられる新製品を開発し続けられない場合や、当社グループが新たに開発した製品の市場が期待されたほど成長しない場合には、当社グループの将来の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑫ 合弁事業
当社グループは、誘導品も含めると最大の売上高になるメタノールをサウジアラビア、ベネズエラ及びブルネイのメタノール生産合弁会社からほぼ全量調達しています。また、その他の製品を生産する合弁会社も多数有しています。当社グループは合弁相手を支配下においているわけではないため、合弁相手が当社グループや合弁事業にとって最良の意思決定をするという保証は無く、合弁協定上の義務を履行しない可能性もあります。そのような結果、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 知的財産
当社グループは、事業やライセンスに用いる研究成果について国内外において特許を出願・取得するとともに、数多く締結している特許ライセンス契約や技術協定においては秘密保持義務を相手に課す等、知的財産の保護を図っていますが、その保護に失敗した場合には、当社グループの業績や成長に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑭ 訴訟
当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、その他の法的手続の対象となるリスクがあり、将来重要な訴訟等が提起され当社グループに不利な結果が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)資本業務提携に関する契約
当社は、平成27年2月、㈱JSPとの間で、両社の収益力の強化、新規事業の創出・育成や経営効率の改善等を図ることにより、両社のシナジーを実現し、それぞれの企業価値を向上させ、以てグループ企業価値の向上を図ること目的として、資本業務提携に関する基本合意書を締結しております。
(2)技術供与契約関係
|
契約会社名 |
契約締結先 |
契約締結年月日 |
契約項目 |
対価 |
契約期間 |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
THAI POLYCARBONATE (タイ) |
平成8.4.16 |
ポリカーボネート樹脂の製造に関するノウ・ハウの非独占的実施権 |
一時金及び契約製品の売上高に対する一定の実施料 |
平成10年5月より18年11カ月 |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
METANOL DE ORIENTE, (ベネズエラ) |
平成18.12.19 |
メタノールの製造に関する特許及びノウ・ハウの非独占的実施権 |
一時金 |
平成19年2月より15年 |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
BRUNEI METHANOL (ブルネイ) |
平成19.4.12 |
メタノールの製造に関する特許及びノウ・ハウの非独占的実施権 |
一時金 |
平成19年4月より15年 |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
三菱瓦斯化学工程塑料(上海)有限公司 (中国) |
平成22.7.30 |
ポリカーボネート樹脂の製造に関する特許技術及び専有技術 |
一時金及び契約製品の売上高に対する一定の実施料 |
平成24年4月より10年 |
(3)合弁事業契約関係
|
契約会社名 |
契約締結先 |
契約締結年月日 |
契約項目 |
適用 |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
国際協力機構 三井化学㈱ 住友化学㈱ ㈱クラレ 伊藤忠商事㈱ 日本化成㈱ 新日鉄住金化学㈱ |
昭和54.11.12 |
サウジアラビア王国にてサウジ基礎産業公社(SABIC)と合弁でメタノールの生産・販売を目的とする事業を営むための日本側投資法人への出資 |
合弁会社名 日本・サウジアラビアメタノール㈱ 当社出資比率 47% |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
三井化学㈱ 住友化学㈱ ㈱クラレ 日本化成㈱ 新日鉄住金化学㈱ |
昭和56.5.27 |
輸入メタノール(主として日本・サウジアラビアメタノール㈱よりのメタノール)の受入基地の設置に関する合弁事業 |
合弁会社名 木江ターミナル㈱ 当社出資比率 75% |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
CELANESE HOLDINGS,B.V. 三菱商事㈱ |
昭和62.5.13 |
ポリアセタール樹脂の製造・販売に関する合弁事業 |
合弁会社名 韓国エンジニアリングプラスチックス㈱ 当社出資比率 40% |
|
契約会社名 |
契約締結先 |
契約締結年月日 |
契約項目 |
適用 |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
三菱化学㈱ |
平成6.3.1 |
エンジニアリングプラスチックスの販売業務に関する合弁事業 |
合弁会社名 三菱エンジニアリングプラスチックス㈱ 当社出資比率 50% |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
MITSUBISHI GAS 三菱商事㈱ MITSUBISHI |
平成6.12.9 |
超純過酸化水素の製造・販売に関する合弁事業 |
合弁会社名 MGC PURE CHEMICALS 当社出資比率 70% |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
保土谷化学工業㈱ |
平成12.6.20 |
過酸化水素の製造・販売に関する合弁事業 |
合弁会社名 共同過酸化水素㈱ 当社出資比率 75% |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
三菱化学㈱ |
平成17.10.20 |
多価アルコールの製造・販売に関する合弁事業 |
合弁会社名 ポリオールアジア㈱ 当社出資比率 66% |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
伊藤忠商事㈱ BRUNEI NATIONAL PETROLEUM COMPANY |
平成17.11.21 |
メタノールの製造・販売に関する合弁事業 |
合弁会社名 BRUNEI METHANOL COMPANY SDN. BHD. 当社出資比率 50% |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
江蘇蘇化集団有限公司 |
平成19.6.12 |
過酸化水素及び化学研磨液の製造及び販売に関する合弁事業 |
合弁会社名 蘇州菱蘇過酸化物有限公司 当社出資比率 60% |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
三菱エンジニアリング プラスチックス㈱ |
平成21.7.7 |
ポリカーボネート樹脂の製造・販売に関する合弁事業 |
合弁会社名 三菱瓦斯化学工程塑料(上海)有限公司 当社出資比率 91% |
|
三菱瓦斯化学株式会社 (当社) |
TAMINCO N.V. 菱陽商事㈱ 伊藤忠ケミカルフロンティア㈱ 伊藤忠商事㈱ |
平成22.11.22 |
メチルアミン及びその誘導品の製造・販売に関する合弁事業 |
合弁会社名 特胺菱天(南京)精細化工有限公司 当社出資比率 37% |
「2021年におけるありたい姿」に向けた新中期経営計画『MGC Advance2017』の初年度である2015年(第89期)は、グループビジョン「社会と分かち合える価値の創造」の実現に向け、その基本方針である「中核事業を中心とした既存事業の収益力強化」、「不採算事業の再構築」、「新規事業の創出と育成」、「グループ全体の経営効率改善」、[持続的成長を支える<質>の向上」に沿って、グループ各社との密接な連携の下、研究開発活動を精力的に行いました。
2011年に発足した未来事業創出プロジェクトグループを発展的に解消し、中長期的に取り組む新規事業領域の選定と継続的な事業化構想立案の機能を新たに付加した組織として新規事業開発部を新設し、より一層、新規事業の創出と育成に注力しています。
東京、新潟、平塚の3研究所とMGC分析センター、これにコーポレート部門である新規事業開発部、研究推進部、カンパニーの企画開発部、工場の研究部門を加えた研究開発体制において、当社が長年培ってきた技術の共有と深化、それらの複合化によるシナジー、更には子会社との共同開発や研究受委託による総合力を活かした研究開発を展開し、既存製品の競争力強化、新規製品あるいは新規グレードの開発を推進しております。
子会社の研究開発部門も含めた当社グループの研究開発スタッフは、グループ全体で約870名であり、総従業員数の約11%にあたります。また研究費の総額は18,936百万円であります。当連結会計年度における各セグメント別の研究内容、研究成果、及び研究開発は次のとおりであります。
[天然ガス系化学品事業]
メタノール系;原料調達から誘導品まで展開する当社メタノール事業のコアとなる合成触媒開発、製造技術改善を継続しております。またメタノール事業の裾野を更に広げるため、メタノール改質水素製造プロセスの市場展開、メタノール燃料電池の技術開発・市場開拓を推進しております。
有機化学品系;メチルアミンや特殊ポリオール製品群の競争力強化を図ると共に、MMA系製品ではMMAの製造技術改良、中間体からの誘導品の市場開拓、並びに新規メタクリル酸系誘導品の開発を行っております。また、高機能の熱硬化性樹脂原料となるシアネートモノマーの新規開発、市場展開を進めております。
バイオ系;これまでに蓄積した培養技術・発酵技術を利用し新規製品群を開発しています。現在、脳機能改善食品素材として期待される補酵素ピロロキノリンキノン(PQQ)や酵母栄養成分(ビタミン、アミノ酸、ミネラルなど)を豊富に含むS-アデノシルメチオニン(SAMe)含有乾燥酵母を販売している他、さまざまな食品素材の開発を行っております。
また、抗体医薬事業ではMGCファーマ株式会社を設立し、抗体医薬のプロセス開発受託サービス、およびサンプル製造受託サービスを展開しており、事業実績を積み重ねつつ競争力の強化に取り組んでおります。
当該事業に係る研究開発費は3,312百万円であります。
[芳香族化学品事業]
混合キシレンの分離・異性化によって製造する各キシレン異性体および、その誘導品を中心とする事業展開を行っております。汎用製品群はプロセス改善・品質改良・コストダウンを継続する一方、当社固有の特殊化学製品群は、より川下への展開およびより確度の高い新規製品の研究開発を重点的に進め、高収益かつ持続的成長可能な事業構造の構築を目指しております。
メタキシレンジアミン、MXナイロン系製品は、コスト競争力強化のための技術開発を継続すると同時に、ユーザーの幅広い性能・品質要求に応える品揃えの拡大を進めております。エポキシ樹脂硬化剤用途では従来の欧米市場に加え、アジアでの需要が伸びており、これに対応すべく生産技術の改善のみならず、使用法の提案等も進めております。また既存のMXナイロン設備を活用し、既に販売している植物由来ポリアミドの他、新規ポリアミドの開発を継続しており、自動車・電子部品向けからフィルム・繊維への加工、更に樹脂のバリア性改質など幅広い用途で拡販を図っております。
独自の強酸技術、酸化・還元技術等を駆使し、樹脂・高機能添加剤原料、医薬品原料、香料原料等の高付加価値製品の開発を継続的に行っております。芳香族アルデヒドについて新規香料原料の開発等、芳香族ポリカルボン酸を核水添して得られるシクロヘキサンポリカルボン酸誘導体については、樹脂原料や特殊硬化剤原料として実需化の加速を図っております。また透明ポリイミドワニス・フィルムはフレキシブルディスプレイ・タッチパネル・光学フィルム・センサー関連等の着実な実需の高まりに呼応し早期事業化を目指しております。
当該事業に係る研究開発費は5,001百万円であります。
[機能化学品事業]
無機化学品事業;中核事業の一つである過酸化水素については高付加価値化のための用途開発及びコスト削減のためのプロセス開発を継続しています。超純過酸化水素を中心とした半導体・液晶ディスプレイ・プリント配線分野では当社の高い技術開発力を活かした最先端のハイブリッドケミカルズの開発に注力し、国内外でユーザー採用実績を広げております。眼鏡用レンズモノマーについては、高屈折率材料の分野でユーザーニーズに対応した製品ラインナップのより一層の拡充のため、グレード開発を継続しています。
合成樹脂事業;ポリカーボネート樹脂については品質向上のための技術開発、中国生産拠点の収益改善における支援、高屈折率・低複屈折率を有する光学用特殊ポリカーボネートでは、新プラント完工に伴って新規グレードの開発、市場投入を進めております。機能性シート・フィルム分野では精密加工技術と特殊材料を組み合わせた要素技術により、LCD、タッチパネル、筺体加飾、偏光・調光用途等で差異化されたグレード開発を行っています。ポリアセタール樹脂については製造コスト削減のための技術検討、製品品質の向上検討、特殊グレードの新規市場開発を進めています。
新規製品;既存技術、既存事業周辺分野において外部研究機関との連携を強化し新規用途開発、新規素材開発を積極的に実施しています。
当該事業に係る研究開発費は5,416百万円であります。
[特殊機能材事業]
電子材料分野では、BTレジンを用いた半導体パッケージ用材料を中心に開発を進め、業界最高レベルの低反り材を開発し、各種用途への量産を進めています。更に次世代の低反り材についても開発を進めています。また、次世代モバイル向けに極薄のプリプレグを開発し、量産準備を進めています。今後も、これら次世代材の開発を進めつつ、市場要求の変化に対応した製品の研究開発を効率良く推進します。
脱酸素剤分野では、医薬分野及び海外市場の開拓・拡販に向けて、脱酸素機能を付与したフィルム・ボトル・PTP、および低温下で機能する脱酸素フィルムを開発中です。また、事業基盤製品である小袋状エ-ジレス製品では、コスト競争力向上を目的とした製品開発を進めています。
新規分野では、電子材料事業や脱酸素剤事業からの事業拡大を目的として、エレクトロニクス、ライフサイエンスをキーワードに探索研究を推進しています。
当該事業に係る研究開発費は5,205百万円であります。
(1)財政状態
当連結会計年度末の総資産は、前期末比で512億円減少し7,395億円となりました。
流動資産は、309億円減少し3,412億円となりました。減少の主な要因は、受取手形及び売掛金が減少したことなどによるものです。
固定資産は202億円減少し3,983億円となりました。減少の主な要因は、有形固定資産や投資有価証券が減少したことなどによるものです。
負債合計は、514億円減少し3,164億円となりました。流動負債は、支払手形及び買掛金が減少したことなどにより、103億円減少しました。固定負債は社債や長期借入金が減少したことなどにより410億円減少しました。
純資産は、2億円増加し4,231億円となりました。増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上があった一方で、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定が減少したことなどによります。
この結果、自己資本比率は51.0%(前期末は47.8%)になりました。また、1株当たりの純資産額は853円51銭(前期末は836円13銭)になりました。
なお、キャッシュ・フローの状況については「第2 事業の状況 1.業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
(2)経営成績
当社グループにおきましては、高純度テレフタル酸事業からの撤退に伴う汎用芳香族化学品の販売数量減少やメタノールの市況下落等がありましたが、㈱JSP等の連結子会社化等により、増収となりました。
営業利益は、電子材料やポリカーボネートシート・フィルムの販売数量が減少しましたが、円安及び原燃料価格の下落による芳香族化学品やエンジニアリングプラスチックス等の採算改善に加え、㈱JSP等の連結子会社化もあり、増益となりました。
この結果、売上高は5,935億円(前期比639億円増(12.1%増))、営業利益は340億円(前期比190億円増(126.8%増))となりました。
営業外収益は218億円(前期比112億円減(33.9%減))となりました。減少の主な要因は、持分法による投資利益が減少したことによるものであります。営業外費用は104億円(前期比43億円増(71.6%増))となりました。増加の主な要因は、為替差損の計上によるものであります。この結果、経常利益は454億円(前期比34億円増(8.2%増))となりました。
特別利益は41億円(前期比52億円減(55.6%減))となりました。減少の主な要因は、前連結会計年度において㈱JSPの連結子会社化に伴う段階取得に係る差益の計上などがあったことによります。特別損失は37億円(前期比16億円減(29.9%減))となりました。減少の主な要因は、前連結会計年度において固定資産圧縮損の計上などがあったことによります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は458億円(前期比1億円減(0.4%減))、親会社株主に帰属する当期純利益は341億円(前期比92億円減(21.3%減))となりました。
なお、セグメント別の売上高及び営業利益の状況については「第2 事業の状況 1.業績等の概要(1)業績」をご参照ください。