第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(平成30年4月1日~平成30年12月31日)における世界経済は、全体としては緩やかな回復基調が続きましたが、通商問題の動向や中国経済の減速、金融資本市場が与える影響が懸念され、先行きへの不透明感が高まりました。国内経済は、人手不足による生産・物流コストの上昇がありましたが、雇用・所得環境の改善が継続するなど、緩やかな回復の動きを見せました。

当社グループを取り巻く経営環境は、原燃料価格の上昇に加え、これまで高い水準を維持してきたポリカーボネート、高純度イソフタル酸の市況が下落基調に転じるなどの変化もみられました。

このような経営環境において、当社グループは、グループビジョン「社会と分かち合える価値の創造」のもと、当期より新たにスタートした中期経営計画「MGC Advance2020」の基本方針に基づき、基本施策「中核事業を中心とした既存事業の収益力強化」、「新規事業の創出と育成」、「最適な事業ポートフォリオに向けた投資戦略の実行」等を進め、企業価値の向上に努めてまいりました。

 

当社グループの売上高は、メタノールの市況が昨年11月以降に下落したものの前年同期に比べ高水準であったことや、販売数量が全体として堅調に推移したことなどから、増収となりました。

営業利益は、特殊ポリカーボネートの販売数量が増加しましたが、原燃料価格が上昇するなかで、発泡プラスチック事業の採算が悪化したほか、高純度イソフタル酸およびポリカーボネートの市況も下落したことなどから、減益となりました。

経常利益は、海外メタノール生産会社を中心に持分法利益が増加したものの、営業利益が減少したことにより、減益となりました。

親会社株主に帰属する四半期純利益は、カナダ シェールガス・LNGプロジェクトに関する投資有価証券評価損を計上した前年同期に比べ特別損失が減少したことなどにより、増益となりました。

 

以上の結果、売上高4,996億円(前年同期比285億円増(6.1%増))、営業利益383億円(前年同期比105億円減(21.6%減))、持分法利益244億円(前年同期比104億円増(74.9%増))、経常利益626億円(前年同期比15億円減(2.5%減))、親会社株主に帰属する四半期純利益501億円(前年同期比62億円増(14.2%増))となりました。

 

なお、当社の持分法適用関連会社である日本・サウジアラビアメタノール株式会社(以下、JSMC)とサウジ基礎産業公社(Saudi Basic Industries Corp.(以下、SABIC))は、平成30年11月29日を合弁契約期限とするSaudi Methanol Company(以下、AR-RAZI)について、JSMCが所有するAR-RAZI株式の50%(AR-RAZI総株式の25%相当)を150 百万米ドルにてSABICに売却(以下、「本株式売却」)し、出資比率を25:75にするとともに、平成31年3月末までに合弁事業の継続に関し最終的な意思決定を行うことで合意しております。

本株式売却に伴い、当社の連結業績への影響として、株式売却による損失が50億円程度発生する見込みですが、当第3四半期連結累計期間においては、現時点で負担が見込まれる税金関連費用17億円について持分法投資損益に計上しております。また、JSMCのAR-RAZIへの出資比率減少に伴い、持分法投資損益が減少することが見込まれます。ただし、本株式売却手続きは各国の公正競争当局の承認後に手続きが完了する予定であり、業績に影響を与える時期については現時点で未定のため、当第3四半期連結累計期間においては、合弁契約期限である平成30年11月29日以降の期間についても、本株式売却前の出資比率(50:50)によりJSMCに係る持分法損益を計上しております。

 

 

当第3四半期連結会計期間末における当社グループの財政状態は、次のとおりであります。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて178億円増加の8,035億円となりました。

流動資産は、11億円増加の3,854億円となりました。増加の要因は、たな卸資産の増加などであります。

固定資産は、167億円増加の4,181億円となりました。増加の要因は、投資有価証券の増加などであります。

負債は、前連結会計年度末に比べて147億円減少の2,517億円となりました。流動負債は、短期借入金が減少したことなどにより82億円減少しました。固定負債は、長期借入金が減少したことなどにより65億円減少しました。

純資産は、前連結会計年度末に比べて326億円増加の5,517億円となりました。増加の要因は、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上に伴い利益剰余金が増加したことなどであります。

この結果、自己資本比率は62.2%となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントごとの業績をより適切に評価管理するため、セグメント間取引の調整方法及び当社の共通費等の配賦方法を見直し、事業セグメントの利益又は損失の算定方法の変更を行っております。そのため、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を当該変更後の数値で比較しております。

 

〔天然ガス系化学品事業〕

メタノールは、市況が前年同期に比べ上昇したことなどから、増収増益となりました。

メタノール・アンモニア系化学品は、全般的な販売数量の増加に加え、MMA系製品の市況上昇などもあり増収となりましたが、原料価格が上昇したことなどから、減益となりました。

原油その他のエネルギー販売は、原油価格が上昇したものの、原油販売数量が減少したことなどから、前年同期並みの損益となりました。

以上の結果、売上高1,380億円(前年同期比199億円増(16.9%増))、営業利益31億円(前年同期比1億円減(4.6%減))となりました。また、海外メタノール生産会社を中心とする持分法利益を179億円計上した結果、経常利益は207億円(前年同期比97億円増(89.0%増))となりました。

 

〔芳香族化学品事業〕

特殊芳香族化学品は、原燃料価格の上昇があったものの、メタキシレンジアミンや芳香族アルデヒドの販売が堅調に推移したことなどから、増収増益となりました。

汎用芳香族化学品は、原燃料高に加え、高純度イソフタル酸の市況下落により採算が悪化したこともあり、減益となりました。

以上の結果、売上高1,623億円(前年同期比13億円増(0.9%増))、営業利益155億円(前年同期比61億円減(28.2%減))、経常利益150億円(前年同期比59億円減(28.3%減))となりました。

 

〔機能化学品事業〕

無機化学品は、販売数量の増加により売上高は増加したものの、半導体・液晶向け薬液の競争環境の激化などにより、減益となりました。

エンジニアリングプラスチックスは、スマートフォンのカメラレンズ向け等に使用される特殊ポリカーボネートの販売数量が増加したものの、ポリカーボネート・ポリアセタールの採算悪化やフラットパネルディスプレイ向けフィルムの販売数量の減少もあり、減益となりました。

以上の結果、売上高1,578億円(前年同期比62億円増(4.1%増))、営業利益178億円(前年同期比44億円減(20.0%減))となりました。また、エンジニアリングプラスチックス関連会社を中心とする持分法利益を57億円計上した結果、経常利益は230億円(前年同期比49億円減(17.6%減))となりました。

 

 

〔特殊機能材事業〕

電子材料は、第3四半期に入り、スマートフォン向けの需要減退やメモリーの供給過剰感が見られたものの、主力の半導体パッケージ用BT材料の販売数量が前年同期を上回り、増収増益となりました。

「エージレス®」等の脱酸素剤は、国内食品市場における競争激化などにより、減益となりました。

以上の結果、売上高408億円(前年同期比9億円増(2.3%増))、営業利益37億円(前年同期比2億円増(5.9%増))となりました。また、持分法利益を6億円計上した結果、経常利益は43億円(前年同期比3億円減(8.3%減))となりました。

 

〔その他の事業〕

その他の事業の売上高は4億円(前年同期比0億円増(14.4%増))、営業利益は1億円(前年同期比0億円減(18.3%減))、経常利益は1億円(前年同期比0億円減(41.6%減))となりました。

 

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題は、次のとおりであります。

当社の持分法適用関連会社である日本・サウジアラビアメタノール株式会社(以下、JSMC)とサウジ基礎産業公社(Saudi Basic Industries Corp.(以下、SABIC))は、平成30年11月29日に合弁期限を迎えましたSaudi Methanol Company(以下、AR-RAZI)について、JSMCが所有するAR-RAZI株式の50%(AR-RAZI総株式の25%相当)を150百万米ドルにてSABICに売却(以下、本株式売却)し、出資比率を25:75にするとともに平成31年3月末までに合弁事業の継続に関し最終的な意思決定を行うことで合意致しました。

JSMCはSABICとの今後のAR-RAZIに関する協議の結果、以下の条件を含めて合弁事業を20年間継続する形の新たな枠組み案について一定の合意に至りました。

①JSMCからSABICへの合弁事業延長対価(1,350百万米ドル)の支払い

②省エネ効果を高めるメタノール新技術の商業化の共同検討、および新技術によるメタノール設備更新の検討

JSMCは平成31年3月末までに、JSMC株主による検討を含め、当該枠組みについて経済合理性等を総合的に判断し、合弁事業を継続するのか、残り25%についても150百万米ドルにて売却して合弁事業を解消するのかを最終判断いたします。

なお、本株式売却は、各国の公正競争当局の承認後に手続きが完了することとなります。

 

(3)研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、13,833百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。