文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
第92期からスタートしました中期経営計画「MGC Advance2020:MGCグループ もっと大きな夢に!」では、MGCグループビジョン「社会と分かち合える価値の創造」のもと、新たな基本方針「MGCグループの企業価値の向上」と「MGCグループを取り巻くステークホルダーからの信頼の醸成」を掲げ、これらを実現するために、5項目からなる施策を進めていきます。
◆MGCグループビジョン 「社会と分かち合える価値の創造」
◆中期経営計画「MGC Advance2020:MGCグループ もっと大きな夢に!」
●基本方針
-MGCグループの企業価値の向上
-MGCグループを取り巻くステークホルダーからの信頼の醸成
■施策
-中核事業を中心とした既存事業の収益力強化
-新規事業の創出と育成
-最適な事業ポートフォリオに向けた投資戦略の実行
-MGCグループ一体となった経営の推進
-持続的成長を支える<質>の向上
当社グループは、中核事業として、資源エネルギーから、メタノール、過酸化水素、ポリカーボネート、メタキシレンジアミン・MXナイロンといった化学品・素材製品、さらにはシート・フィルム、発泡プラスチック、エレクトロニクスケミカル、BT系材料、脱酸素剤「エージレス®」といった機能製品まで幅広く事業を展開し、社会に価値を提供しています。これら中核事業に今後も重点的に経営資源を投じ、収益力を更に強化します。第93期においては、超純過酸化水素の北米新工場の建設や光学樹脂ポリマーの能力増強を進めたほか、湯沢地熱株式会社の山葵沢地熱発電所の営業運転、安比地熱株式会社の安比地熱発電所の建設工事をそれぞれ開始するとともに、巨菱精密化學股份有限公司(台湾)による工業用過酸化水素製造設備の建設を決定しました。
「新規事業の創出と育成」の面では、社会のメガトレンドを念頭に置き「医・食」「情報・通信」「モビリティ」といった領域をターゲットに積極的な投資を行っていく方針のもと、工場野菜の生産・販売事業を行うMGCファーミックス株式会社が完全人工光型植物工場を竣工しました。
「最適な事業ポートフォリオに向けた投資戦略の実行」については、外部環境の変化に強い収益構造を構築すべく、M&Aを含めた積極的な投資戦略を立案・実行していきます。
「MGCグループ一体となった経営の推進」については、MGCトレーディング株式会社を存続会社とするグループ3商社(㈱東京商会、菱江化学㈱、菱陽商事㈱)の吸収合併を決定し、グループ内商社機能の効率化・強化を進めたほか、日本ユピカ株式会社及び株式会社東邦アーステックの連結子会社化を行いました。経理システムのグループ共通化・統合化についても引き続き調査・導入作業を行いました。
「持続的成長を支える〈質〉の向上」につきましては、引き続き、グループ全体に亘る安全意識・文化の一層の向上と内部統制・コンプライアンス体制の一層の強化に加えて、MGCグループが保有する人材、技術、情報、資金、ブランド、特許などの経営資源の<質>を向上させることで、持続的な成長を実現していきます。
●目標とする経営指標(MGC Advance2020最終年度)
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連結指標 |
2020年度 目標値 ※ |
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売上高(億円) |
7,500 |
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営業利益(億円) |
650 |
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経常利益(億円) |
800 |
|
ROE(自己資本利益率) |
12%以上 |
※ 2019年5月13日修正値
<前提条件> 為替:110円/US$、原油価格(Dubai):60US$/BBL
当社は、全体最適の観点から経営資源を最大限に活用し、顧客や市場ニーズに的確・迅速に応えられる体制を構築すべく、2020年4月1日付で社内組織の再編を行いました。
本中期経営計画の最終年度となる第94期については、新型コロナウイルス感染の全世界的な拡大に伴う経済活動の停滞による需要の減退など、当社グループにとっては厳しい収益環境が予想されます。当期の需要が堅調であった電子材料、光学樹脂ポリマーへの影響は限定的と見込まれる一方で、自動車関連、住宅・インフラ、電気・電子機器など幅広い分野で需要が減退し、それらの製品の原材料となる発泡プラスチック、エンジニアリングプラスチックス、特殊芳香族化学品などへの悪影響が懸念されますが、今後も5つの施策への取り組みに努めるとともに、経営目標に少しでも近づけるよう、新体制の下で当社グループ一体となって邁進していきます。とりわけ外部環境の変化に左右されにくい事業ポートフォリオの構築を進めること、並びに新規事業の創出と育成を加速させることが最重要課題です。この課題達成に向け、本中期経営計画期間中の投融資計画額2,000億円並びに研究開発計画額660億円を維持します。さらにメタキシレンジアミンの生産能力増強をはじめとして、既存事業基盤強化に資する戦略投資を積極的に実施するとともに、研究所を各事業部門から切り離して一つの研究開発部門下に収めた新たな研究開発体制の下、グループ内外の技術・人員を最大限活用することにより、新規事業の創出と育成を加速させます。
加えて、当社は、今期設置したCSR推進室が中心となり、MGCグループビジョン「社会と分かち合える価値の創造」を実現するために経営として取り組むべき最重要課題(マテリアリティ)を特定しました。今後は、マテリアリティを意識した事業計画の策定、進捗管理を行うことでCSR経営にこれまで以上に注力していきます。
この経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に記載されている計画、目標等の将来に関する記述は、当連結会計年度末現在において当社が入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいて判断したものであり、不確実性を内包するものです。実際の業績等は、様々な要因によりこうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。
当社グループでは、「リスク」を、その顕在化により人的被害、物的被害、機会損失、風評被害等が発生し、最終的に会社に経済的損失をもたらす可能性又は危険と捉えており、平時並びに緊急時においてリスクの管理を行う体制を構築しております。具体的には、「内部統制リスク管理基本規程」を定め、リスク管理及びリスク対応に際しての基本方針を定めるとともに、社長直轄の決定機関として、内部統制リスク管理担当役員を委員長とする「内部統制リスク管理委員会」を設置しております。当該委員会は、リスク管理制度等に係る方針、施策、計画に係る事項、事業及び業務に関するリスク管理に係る事項及びこれに付随する指導、指示、監督に係る事項、事業継続計画策定に関する指導、指示、監督に係る事項などを決定します。また、リスク管理に関する状況は定期的に取締役会に報告が行われております。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクとして考えられる主な事項として、以下のものがあります。これらはいずれも、有価証券報告書提出日(2020年6月25日)現在において、顕在化の程度、時期、具体的な影響等を見積もることは困難であるものの、起こり得るものとして当社グループが判断したものです(但し、あらゆるリスクを網羅したものでは必ずしもありません)。
なお、目下の懸念事項として、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響があります。当社グループの事業内容の大部分は新型コロナウイルスの感染拡大やその防止策により直接的に影響を受けるものではありません。しかしながら、当社グループの製品は幅広い顧客において原材料や資材・薬剤などとして用いられるものであり、新型コロナウイルスによる国内外の経済の停滞は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす懸念があります。
また、新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては、原材料の調達や製品の製造、物流などに影響が生じる可能性があります。後述のとおり、当社グループでは、原材料、製品によっては、複数の供給元からの調達や海外も含めた複数拠点での製造等を行っておりますが、新型コロナウイルスの影響は全世界に及んでおり、その状況によっては当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす懸念があります。
新型コロナウイルス感染症に関しては、危機対策本部を早期に設置し、従業員とその家族、お客様をはじめとするステークホルダーの安全確保を最優先として在宅勤務を推奨するとともにモチベーションの維持に努め、供給責任を果たすべく、製造・物流を維持し、事業を継続しております。
いずれにしても、有価証券報告書提出日現在において新型コロナウイルス感染症の収束の時期や影響の程度について見通しは立っておらず、業績予想等に修正の必要が生じた場合には速やかに開示を行います。
① 事業特性に関するリスク
[リスクの内容]
当社グループの事業の中心は製造業であり、その製品の多くは顧客の事業活動に用いられる原材料や資材・薬剤であることから、製品販売先の国、地域の経済状況の影響を受けます。特にメタノール、メタノール誘導品、汎用芳香族製品や汎用ポリカーボネート樹脂等の市況製品では、一般的に、景気後退局面において販売数量の減少、販売価格の下落等が起きやすく、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、特殊品・高付加価値製品においても価格、品質、機能、納期、カスタマーサービス等の面で競争しており、機能を代替する製品の出現など競争の水準が上がることで、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、エレクトロニクス業界を主な顧客としている電子材料関連製品等は、一般的に製品寿命が短く、常に技術革新競争にさらされているため、既存製品の陳腐化や新規製品開発の遅延によって、売上高が減少する可能性があります。また、当社グループの製品の中には、特定の顧客に対してのみ販売しているものがあり、顧客が当該製品の使用を中止することにより、売上高が減少する可能性があります。
当社グループは、原料キシレン等の原材料や電力等を外部から購入しており、必要な原材料等が調達できなくなると製造活動に支障が出る可能性があるほか、価格が急騰した場合にも当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
[主な取り組み]
当社グループは、新しい製品・製造プロセスの開発や既存製品・製造プロセスの改善・改良を実現すべく基礎研究・応用研究に取り組むとともに、新たな市場、事業分野の開発にも取り組んでいます。また、開発部門なども含めた顧客との密接な情報交換に努めるとともに、長期供給契約の締結などによりリスクの低減を図るほか、原材料等の購買においても、複数の供給元からの調達や長期購買契約の締結などによりリスクの低減を図っています。
② 事業投資その他各種投資に係るリスク
[リスクの内容]
当社グループは、事業成長の実現や競争力の強化等のために設備投資や研究開発投資を行い、既存事業の強化や将来の市場ニーズに合致する新規事業の創出に注力しています。また、国内外において、合弁会社を含む新会社の設立や出資等、さらには既存の会社の買収などの事業投資を実施し、今後も実施することがあります。
これらの投資がその額に見合う収益を得られない場合や、保有する有価証券の評価額が大幅に下落した場合などには、固定資産の減損、有価証券評価損、持分法損失等の損失が発生するなど、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
[主な取り組み]
当社グループは、投資に際して社内審査体制を整備・運用しているほか、その内容に応じて事業の状況等を適宜確認し、関係部門により対策を講じるべく努めております。
③ 自然災害、事故等に関するリスク
[リスクの内容]
当社グループは、国内外に多数の製造拠点を有しており、これら拠点において地震、風水害等の自然災害や戦争、テロ・暴動、ストライキ、通信インフラの障害、感染症の拡大、設備のトラブルや人為的ミス、その他予期せぬ事態の影響によって製造活動が停止する可能性があります。当社グループでは危険性を有する化学物質を日常的に取り扱っていることから、爆発、火災、有毒ガスの漏洩等の事故が発生し、製造設備や従業員に被害が生じたり、当該製造拠点周辺や顧客に損害を与えたり、環境汚染等が生じるといった可能性を完全には排除できません。また、当社グループの製造拠点の多くは複数の製造設備を有し、それらが電気、用水、スチーム等のユーティリティー設備を共用していることから、当該設備が停止すると、製造拠点全体の製造活動が停止する可能性があります。このような事態が生じた場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
[主な取り組み]
当社グループは、環境安全マネジメントシステムに基づく継続的改善を図る中で、リスクアセスメントの強化や安全教育の徹底により保安防災体制構築に最善を尽くしながら製造設備の維持、安定操業に努めることはもちろん、事業継続計画の策定や海外も含めた製造拠点の複数化にも取り組んでおります。加えて、火災保険、利益保険、油濁保険、賠償責任保険といった各種の保険を付保するなどの対応を行っています。
④ 海外事業に関するリスク
[リスクの内容]
当社グループは、アジア、北米、南米、中東等に現地法人を設立し、製造販売活動を行っていますが、各国の情勢によっては、前述のような自然災害、戦争等、インフラの障害、感染症の拡大、その他予期せぬ事態による政情不安、社会的、経済的混乱等により、事業活動のみならず、利益配当の送金等が困難となる可能性もあります。そのほか、法制の違いの問題、外国政府による投資等への制限や資産の国有化・収用の可能性、人事・労務問題等のリスクがあり、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
[主な取り組み]
当社グループは、可能な限り効果的かつ速やかな対応を可能とするべく、現地に派遣している役職員、合弁相手、関係当局その他からの情報収集に努めております。
⑤ 合弁事業に関するリスク
[リスクの内容]
当社グループは、日本国内はもとよりサウジアラビア、ベネズエラ、タイ、中国、韓国、トリニダード・トバゴといった海外においても製造合弁会社を多数有し、メタノール、合成樹脂、その他の各種製品を調達・販売しています。これら合弁相手は当社グループの支配下にあるわけではないため、合弁相手が当社グループや合弁事業にとって最良の意思決定をするという保証は無く、合弁が維持されないなどの事態が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
[主な取り組み]
当社グループは、これまで築き上げてきた合弁相手先との良好なコミュニケーションの維持・強化を図り、目標・目的の共有や関係維持に努めるとともに、合弁契約その他の事業関連契約等により当社グループの利益の確保に努めております。
⑥ 製品の品質に関するリスク
[リスクの内容]
前述のとおり、当社グループの製品の多くは顧客の事業活動に用いられる原材料や資材・薬剤であり、顧客と合意した規格に沿った製品を出荷しています。しかしながら、万一、品質上瑕疵ある製品が出荷された場合、当該製品を用いた顧客や最終製品の使用者等における直接的損害のみならず、機会損失に対する補償の必要が生じたり、当社の社会的信用が損なわれるなどして、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
[主な取り組み]
実際には当社グループの製造拠点のほとんどは世界的に認知された品質管理基準に基づき製造活動を行っておりますが、万一のリスクに対処するため、生産物賠償責任保険をはじめとした賠償責任保険を付保するほか、必要に応じ、顧客との契約によって責任範囲を明確化するなどの対応を行っております。
⑦ 為替変動に関するリスク
[リスクの内容]
輸出入等の外貨建て取引においては、為替の動向によって、売上高の減少や損失の増大が生じるなど、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの海外現地法人の現地通貨建ての財務諸表項目は、当社連結財務諸表の作成のため円貨換算されており、換算時の為替レートによって、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
[主な取り組み]
当社グループは、外貨建て債権・債務に係る為替変動リスクに対し、社内規程に基づく先物為替予約取引等によって一定程度のリスクヘッジを行っております。
⑧ 資金調達・金利変動に関するリスク
[リスクの内容]
当社グループは、必要な資金の調達に際し、一定程度、金融機関から借り入れ等を行っていますが、金融環境が急変した場合などには、資金調達が困難になったり金利上昇によって支払利息が増加するなど、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
[主な取り組み]
当社グループは、負債資本倍率、自己資本比率などを指標に一定の財務健全性を維持するよう努めるとともに、固定金利・変動金利の適宜の組み合わせの実施や、金融機関などとの健全かつ良好な関係の維持に努めるなどしております。
⑨ コンプライアンス・環境課題等に関するリスク
[リスクの内容]
当社グループは、事業の特性上、毒劇物、危険物、高圧ガス等の危険性を有する化学物質を取り扱い、製造、保管、流通、販売等の各段階で、国内外を問わず法令等により種々の規制を受けています。また、気候変動や海洋プラスチックといった環境問題に対する世界的な意識の高まり等から、化学物質や温室効果ガスをはじめとする排出物を対象とした各種規制や社会的な要請はますます強まる傾向にあります。
このような環境関連のほか、それに限られない、各種の法令・社会的規範を遵守できなかった場合の刑事、民事又は行政上の責任、是正コストや社会的制裁、信用の失墜は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
[主な取り組み]
当社グループは、環境問題への積極的、能動的対応やコンプライアンス等の強化などを経営として取り組むべき最重要課題(マテリアリティ)の一つとしており、環境規制・環境課題に対応するこれまでの専門部署に加え、タスクフォースチームを新たに設置し、コンプライアンスについても、役職員にこれを意識づける各種施策の実施や、内部通報制度をはじめとする体制を構築し、法令等の遵守に努めています。
⑩ 訴訟に関するリスク
[リスクの内容]
当社グループの国内外の事業に関連して、将来訴訟その他の法的手続が提起され、不利な結果が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。例えば、当社グループは、国内外において特許を出願し取得するなど知的財産の保護を図るとともに、他者の権利を侵害しないようにも努めています。しかし、これらに関して第三者との間で訴訟が生じ、当社の主張が認められなかった場合、当社グループの業績や成長に悪影響を及ぼす可能性があります。
[主な取り組み]
当社グループは、事業に関連する各種法令を遵守するのはもちろんのこと、弁護士その他の専門家の協力も得ながら、適切な契約の締結による権利義務の明確化、他者の権利の調査等、紛争の未然防止に努めております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要は以下のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、米中間の通商問題を巡る緊張が高まったほか、年度末にかけて世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響による経済の減速が顕在化し、先行きへの不透明感が一段と高まりました。
当社グループを取り巻く事業環境は、半導体向け製品の需要が堅調に推移したほか、複眼化が進むスマートフォン用カメラレンズや車載カメラ向けなどの光学用途の需要拡大の動きもみられましたが、メタノール、ポリカーボネート、高純度イソフタル酸等の汎用品の市況が低水準で推移するなど厳しい状況が続きました。
このような環境下において、当社グループは、グループビジョン「社会と分かち合える価値の創造」のもと、昨年度よりスタートした中期経営計画「MGC Advance2020」の基本方針に基づき、「中核事業を中心とした既存事業の収益力強化」、「新規事業の創出と育成」、「最適な事業ポートフォリオに向けた投資戦略の実行」等の施策を進めました。当期は、超純過酸化水素の北米新工場の建設や光学樹脂ポリマーの能力増強を進めたほか、日本ユピカ株式会社及び株式会社東邦アーステックの連結子会社化やグループ3商社の統合に向けた取り組みの進捗などにより、グループ経営の強化も進みました。
当社グループの売上高は、メタノールやポリカーボネートの市況が下落したことなどにより、減収となりました。
営業利益は、光学樹脂ポリマーや半導体パッケージ用BT材料の販売数量が増加したものの、ポリカーボネート、高純度イソフタル酸、メタノール等の市況が下落したことなどから、減益となりました。
経常利益は、営業利益の減少に加え、後述するサウジアラビア合弁事業での一過性費用の計上や市況下落等で海外メタノール生産会社の持分法損益が大幅に悪化したことなどから、減益となりました。
以上の結果、売上高6,133億円(前期比356億円減(5.5%減))、営業利益342億円(前期比71億円減(17.2%減))、持分法損失12億円(前期比296億円悪化)、経常利益311億円(前期比380億円減(55.0%減))、親会社株主に帰属する当期純利益211億円(前期比338億円減(61.5%減))となりました。
なお、既に公表いたしましたとおり、当連結会計年度より、当社の持分法適用関連会社である日本・サウジアラビアメタノール株式会社のSaudi Methanol Company(以下、「AR-RAZI」)への持分比率の減少、AR-RAZI合弁事業延長対価の償却費相当額が、持分法による投資損失に反映されております。加えて、一過性費用として、AR-RAZI株式売却に伴う損失や追加の税金費用など78億円が持分法による投資損失に含まれております。
〔天然ガス系化学品〕
メタノールは、市況が前期に比べ下落したことなどから、減収減益となりました。
メタノール・アンモニア系化学品は、MMAやネオペンチルグリコールの市況が下落したことなどから、前期を下回る損益となりました。
原油その他のエネルギー販売は、原油販売数量が増加したものの、原油価格が下落したことなどから前期並みの損益となりました。
以上の結果、売上高1,571億円(前期比233億円減(13.0%減))、営業利益1億円(前期比32億円減(96.4%減))となりました。また、海外メタノール生産会社を中心とする持分法損失を49億円計上した結果、経常損失は57億円(前期比283億円悪化)となりました。
〔芳香族化学品〕
特殊芳香族化学品は、芳香族アルデヒドの販売数量が増加したものの、メタキシレンジアミンの需要が当期末にかけてやや弱含みで推移したことなどから、前期を下回る損益となりました。
汎用芳香族化学品は、高純度イソフタル酸やメタキシレンの販売価格が前期に比べ下落したことなどから、減収減益となりました。
発泡プラスチック事業は、需要低迷の影響や新規需要へ向けた生産体制構築に伴う固定費の増加などにより減益となりました。
以上の結果、売上高2,001億円(前期比109億円減(5.2%減))、営業利益111億円(前期比35億円減(23.9%減))、経常利益104億円(前期比34億円減(25.0%減))となりました。
〔機能化学品〕
無機化学品は、半導体向け薬液の販売数量が増加したものの、北米新工場立ち上げに伴う固定費の増加に加え、過酸化水素の採算悪化や液晶向け薬液の販売数量減少などもあり、減益となりました。
エンジニアリングプラスチックスは、スマートフォン用カメラレンズの複眼化の進展や生産能力の増強等により光学樹脂ポリマーの販売数量が増加したものの、ポリカーボネートの市況が前期に比べ大幅に下落したことなどから、前期並みの損益となりました。
以上の結果、売上高2,003億円(前期比42億円減(2.1%減))、営業利益199億円(前期比13億円減(6.5%減))となりました。また、エンジニアリングプラスチックス関連会社を中心とする持分法利益を33億円計上した結果、経常利益は223億円(前期比58億円減(20.8%減))となりました。
〔特殊機能材〕
電子材料は、前年度下期に落ち込んだ需要が回復したことに加え、第3四半期以降、スマートフォンやメモリー向けの需要も増加し、主力の半導体パッケージ用BT材料の販売数量が増加したことなどから、増収増益となりました。
「エージレス®」等の脱酸素剤は、自然災害や新型コロナウイルスの影響により国内菓子用途が減少したことなどから、前期を下回る損益となりました。
以上の結果、売上高547億円(前期比27億円増(5.3%増))、営業利益56億円(前期比17億円増(44.5%増))となりました。また、持分法利益を3億円計上した結果、経常利益は58億円(前期比13億円増(30.5%増))となりました。
〔その他の事業〕
その他の事業の売上高は8億円(前期比2億円増(30.8%増))、営業利益は0億円(前期比1億円減(81.3%減))、経常利益は0億円(前期比4億円減(98.1%減))となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ323億円減少し7,717億円となりました。
流動資産は、201億円減少し3,586億円となりました。減少の要因は、受取手形及び売掛金や現金及び預金の減少などであります。
固定資産は121億円減少し4,130億円となりました。減少の要因は、投資有価証券の減少などであります。
負債合計は、271億円減少し2,235億円となりました。流動負債は、短期借入金の減少などにより、248億円減少しました。固定負債は、社債の減少などにより、23億円減少しました。
純資産は、51億円減少し5,481億円となりました。減少の要因は、その他有価証券評価差額金の減少などであります。
この結果、自己資本比率は63.8%になりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ103億円減少し700億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ101億円収入が増加し742億円の収入となりました。増加の要因は、売掛金の回収がすすんだことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ88億円支出が減少し339億円の支出となりました。減少の要因は、投資有価証券の売却による収入の増加などであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度は、前連結会計年度に比べ181億円支出が増加し495億円の支出となりました。増加の要因は、自己株式の取得による支出の増加などであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
天然ガス系化学品事業(百万円) |
63,312 |
10.1 |
|
芳香族化学品事業(百万円) |
171,838 |
0.1 |
|
機能化学品事業(百万円) |
177,475 |
△5.6 |
|
特殊機能材事業(百万円) |
35,131 |
23.1 |
|
その他の事業(百万円) |
3 |
- |
|
合計(百万円) |
447,760 |
0.4 |
(注)1.生産金額は、生産総量から自家消費分を差引いた販売向けの生産量に当連結会計年度の販売単価を乗じて算出しており、セグメント間の内部振替前の数値であります。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当社グループ(当社及び連結子会社)は原則として見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
天然ガス系化学品事業(百万円) |
157,158 |
△13.0 |
|
芳香族化学品事業(百万円) |
200,174 |
△5.2 |
|
機能化学品事業(百万円) |
200,396 |
△2.1 |
|
特殊機能材事業(百万円) |
54,716 |
5.3 |
|
その他の事業(百万円) |
898 |
30.8 |
|
合計(百万円) |
613,344 |
△5.5 |
(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
中期経営計画「MGC Advance2020」2年目にあたる当連結会計年度の経営成績は以下のとおりであり、最終年度(2020年度)の目標値と大きな乖離が発生しております。
|
連結指標 |
2019年度実績 |
2020年度目標 ※ |
|
売上高 |
6,133億円 |
7,500億円 |
|
営業利益 |
342億円 |
650億円 |
|
経常利益 |
311億円 |
800億円 |
|
ROE(自己資本利益率) |
4.3% |
12%以上 |
※ 2019年5月13日修正値
乖離の発生には、メタノール、ポリカーボネート等の汎用化学品市況の市況の低迷など、外部環境の前提が当初計画策定時から相当変化したことが大きく影響しております。
今後も、新型コロナウイルス感染拡大による影響を含む経済状況の変化・市況の変動により経営成績が大きな影響を受けることも事実ではありますが、コロナウイルスの影響が限定的な事業もあり、残り1年弱の期間で目標に少しでも近づけるべく、挽回を図ってまいります。具体的な挽回策については、セグメント毎に後述いたします。
中長期的な課題への対処としては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、当社は、2020年4月1日付で社内組織の再編を行いました。新体制の下、中期経営計画の2つの基本方針、5つの施策および3か年の投融資計画2,000億円、研究開発費計画660億円を維持し、既存事業基盤強化に資する戦略投資を積極的に実行するとともに、新たな研究開発部門体制のもとグループ内外の技術・人員を最大限活用し、特に最重要課題である、外部環境の変化に左右されにくい事業ポートフォリオの構築、並びに新規事業の創出と育成を加速に向け、グループ一体となり邁進していきます。
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
[天然ガス系化学品事業]
天然ガス系化学品事業の経営成績は以下のとおりであります。
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連結指標 |
2019年度実績 |
2020年度目標 ※1 |
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売上高 ※2 |
1,637億円 |
2,100億円 |
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営業利益 |
1億円 |
70億円 |
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経常利益 |
△57億円 |
150億円 |
※1 2019年5月13日修正値
※2 セグメント間の内部売上高又は振替高を含む
「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載の一過性費用の発生に加え、メタノール市況の低迷、トリニダード・トバコのメタノール新工場の稼働遅れなどにより、中期経営計画の目標値と乖離が発生しております。
今後、メタノールの製品調達価格の改善や物流・生産の効率化によるコスト削減、海外メタノール生産会社の安定運転の実現などにより、目標に近づけるべく挽回を図ってまいります。
[芳香族化学品事業]
芳香族化学品事業の経営成績は以下のとおりであります。
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連結指標 |
2019年度実績 |
2020年度目標 |
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売上高 ※ |
2,011億円 |
2,400億円 |
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営業利益 |
111億円 |
230億円 |
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経常利益 |
104億円 |
220億円 |
※ セグメント間の内部売上高又は振替高を含む
需要低迷で発泡プラスチックおよび特殊芳香族化学品の販売数量が計画策定時の前提に及ばないことや、高純度イソフタル酸の市況低迷などにより、中期経営計画の目標値と乖離が発生しております。
今後、㈱JSPにおける差異化・成長戦略の推進、メタキシレンジアミン・MXナイロンの拡販などにより、目標に近づけるべく挽回を図ってまいります。
[機能化学品事業]
機能化学品事業の経営成績は以下のとおりであります。
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連結指標 |
2019年度実績 |
2020年度目標 |
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売上高 ※ |
2,020億円 |
2,400億円 |
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営業利益 |
199億円 |
300億円 |
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経常利益 |
223億円 |
370億円 |
※ セグメント間の内部売上高又は振替高を含む
ポリカーボネートの市況が低迷していることなどにより、中期経営計画の目標値と乖離が発生しております。
今後、ポリカーボネートの高付加価値品比率の上昇、北米超純過酸化水素の稼働開始、半導体向け薬液の研究開発の海外シフトによる成長市場の顧客に密着した開発の強化などにより、目標に近づけるべく挽回を図ってまいります。また、堅調に推移してきた光学樹脂ポリマーについては、さらなる拡販を目指していきます。
[特殊機能材事業]
特殊機能材事業の経営成績は以下のとおりであります。
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連結指標 |
2019年度実績 |
2020年度目標 |
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売上高 ※ |
548億円 |
600億円 |
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営業利益 |
56億円 |
60億円 |
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経常利益 |
58億円 |
70億円 |
※ セグメント間の内部売上高又は振替高を含む
脱酸素剤における、台風・水害・猛暑といった自然災害の影響、競合との価格競争、大口案件の採用遅れなどにより、目標値と乖離が発生しております。一方、電子材料は、半導体パッケージ用BT材料の販売が堅調に推移しております。
今後、電子材料において、海外製造子会社の生産能力増強等を進めBT材料のさらなる拡販を目指すとともに、脱酸素剤における価格競争力ある開発品の強化などにより、目標に近づけてまいります。
② 経営成績等に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
今後の経済情勢については、新型コロナウイルスの世界・日本での感染拡大による経済活動への影響とその収束に関して、先行き不透明感が極めて強い状況です。
次期の業績見通しは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、上半期中は世界経済の低迷が続くものの、下半期から回復軌道に乗る前提で算定しております。当社グループの業績への影響も懸念されますが、当期の需要が堅調であった半導体パッケージ用BT材料、光学樹脂ポリマーへの影響は限定的とみております。一方で、自動車関連、住宅・インフラ、電気・電子機器など幅広い分野で需要が減退し、それらの製品の原材料となる発泡プラスチック、エンジニアリングプラスチックス、特殊芳香族化学品などの当社グループ製品への悪影響が懸念されます。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。
投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。これらの資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの借入、社債等を基本としております。
なお、当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
また、当連結会計年度末における有利子負債の残高は747億円、現金及び現金同等物の残高は700億円となっております。
④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。事業に対する投資や撤退判断等、経営の意思決定を迅速に行うため、売上規模や利益額に加え、資本効率を分析値に加えております。
⑤ 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、当連結会計年度における経営成績等の状況に影響を与える見積りが必要となります。当社グループは、過去の実績やその他の合理的と考えられる様々な要素に基づき、見積りを行っております。新型コロナウイルス感染拡大の影響につきましては、「② 経営成績等に重要な影響を与える要因」に記載の前提に基づいております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成のための重要な会計方針等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載のとおりであります。特に次の会計方針が、連結財務諸表作成における見積りの判断に重要な影響を及ぼすと考えております。
[固定資産]
当社グループの保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、適時かつ厳格な処理を実施しております。
減損の測定に至った場合に見積ることになる回収可能価額は、事業に供している資産については経済的残存使用年数における将来キャッシュ・フローもしくは正味売却価額を使用し、遊休及び休止資産については主として正味売却価額を使用しております。将来キャッシュ・フローについては、社内における管理会計の計画数値を基に見積り、正味売却価額については不動産鑑定評価額等から見積っております。また当社グループにおいては、減損リスクの管理として、新たな案件発生の可能性の把握と対応及び既に減損処理した案件についての定期的な回収可能価額の見直しを行っております。
事業損益見込の悪化、新たな遊休及び休止資産の発生、並びに正味売却価額の変更等があった場合には、回収可能価額を見積ることになり、減損損失を計上する可能性があります。
(1)資本業務提携に関する契約
当社は、2015年2月、㈱JSPとの間で、両社の収益力の強化、新規事業の創出・育成や経営効率の改善等を図ることにより、両社のシナジーを実現し、それぞれの企業価値を向上させ、以てグループ企業価値の向上を図ることを目的として、資本業務提携に関する基本合意書を締結しております。
(2)技術供与契約関係
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契約会社名 |
契約締結先 |
契約締結年月日 |
契約項目 |
対価 |
契約期間 |
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三菱瓦斯化学(株) (当社) |
METANOL DE ORIENTE, (持分法適用関連会社) |
2006.12.19 |
メタノールの製造に関する特許及びノウ・ハウの非独占的実施権 |
一時金 |
2007年2月より15年 |
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三菱瓦斯化学(株) (当社) |
BRUNEI METHANOL (持分法適用関連会社) |
2007.4.12 |
メタノールの製造に関する特許及びノウ・ハウの非独占的実施権 |
一時金 |
2007年4月より15年 |
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三菱瓦斯化学(株) (当社) |
三菱瓦斯化学工程塑料(上海)有限公司 (連結子会社) |
2010.7.30 |
ポリカーボネート樹脂の製造に関する特許技術及び専有技術 |
一時金及び契約製品の売上高に対する一定の実施料 |
2012年4月より10年 |
(3)合弁事業契約関係
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契約会社名 |
契約締結先 |
設立年月 |
内容 |
合弁会社名 |
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三菱瓦斯化学(株) (当社) |
国際協力機構 三井化学㈱ 住友化学㈱ ㈱クラレ 伊藤忠商事㈱ 三菱ケミカル㈱ 日鉄ケミカル&マテリアル㈱ |
1979年11月 |
サウジアラビア王国にてサウジ基礎産業公社(SABIC)と合弁でメタノールの生産・販売を目的とする事業を営むための日本側投資法人への出資 |
日本・サウジアラビアメタノール㈱ (持分法適用関連会社) 当社出資比率 47% |
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三菱瓦斯化学(株) (当社) |
CELANESE HOLDINGS, B. V. 三菱商事㈱ |
1987年3月 |
ポリアセタール樹脂の製造・販売に関する合弁事業 |
韓国エンジニアリングプラスチックス㈱ (持分法適用関連会社) 当社出資比率 40% |
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三菱瓦斯化学(株) (当社) |
HANSOL CHEMICAL CO., LTD. |
1989年10月 |
超純過酸化水素の製造・販売に関する合弁事業 |
三永純化(株) (連結子会社) 当社出資比率 51% |
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三菱瓦斯化学(株) (当社) |
PETROQUIMICA DE VENEZUELA, S. A. 三菱商事㈱ INTERNATIONAL PETROCHEMICAL HOLDINGS LTD. |
1992年3月 |
メタノールの製造・販売に関する合弁事業 |
METANOL DE ORIENTE, METOR, S. A. (持分法適用関連会社) 当社出資比率 23.75% |
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三菱瓦斯化学(株) (当社) |
三菱ケミカル㈱ |
1994年3月 |
エンジニアリングプラスチックスの販売業務に関する合弁事業 |
三菱エンジニアリングプラスチックス㈱ (持分法適用関連会社) 当社出資比率 50% |
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三菱瓦斯化学(株) (当社) |
TOA DOVECHEM INDUSTRIES CO., LTD. |
1995年7月 |
ポリアセタール樹脂の製造・販売に関する合弁事業 |
THAI POLYACETAL CO., LTD. (連結子会社) 当社出資比率 70% |
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三菱瓦斯化学(株) (当社) |
伊藤忠商事㈱ BRUNEI NATIONAL PETROLEUM COMPANY |
2006年3月 |
メタノールの製造・販売に関する合弁事業 |
BRUNEI METHANOL COMPANY SDN. BHD. (持分法適用関連会社) 当社出資比率 50% |
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三菱瓦斯化学(株) (当社) |
三菱エンジニアリングプラスチックス㈱ |
2009年8月 |
ポリカーボネート樹脂の製造・販売に関する合弁事業 |
三菱瓦斯化学工程塑料(上海)有限公司 (連結子会社) 当社出資比率 91% |
「2021年におけるありたい姿」に向けた中期経営計画『MGC Advance2020』の2年目である2019年度(第93期)は、グループビジョン「社会と分かち合える価値の創造」を道標として、「中核事業を中心とした既存事業の収益力強化」と「新規事業の創出と育成」の実現に向けて、研究開発活動に精力的に取り組みました。
カンパニーの各研究開発部門、コーポレートの研究開発部門である新規事業開発部及びコーポレートの支援部門である研究推進部がシナジー効果を発揮する体制で、既存事業の収益力強化と新規事業の創出を推進しました。
新規事業開発部は、ベンチャー企業との連携及び出資、公的研究機関との共同研究など、社外との連携による研究開発活動によって新規事業領域での事業創出を継続しております。また、自ら生み出した医療包材や固体電解質などの事業化を推進するとともに、オープン・イノベーションによるアレルギー診断薬などの事業化を推進致します。福島県白河市において工場生産野菜の出荷を開始し、安心・安全な野菜を社会に提供しています。
子会社の研究開発部門も含めた当社グループの研究開発スタッフは、グループ全体で約917名であり、総従業員数の約10%にあたります。また研究費の総額は
[天然ガス系化学品事業]
メタノール系;原料調達から誘導品まで展開する当社メタノール事業のコアとなる合成触媒開発、製造技術改善を継続しており、パイロット装置を用いて最先端技術の確立を進めております。またメタノール事業の裾野を更に広げるため、メタノール改質水素製造プロセスの市場展開、メタノール燃料電池の技術開発・市場開拓を推進しております。
有機化学品系;メチルアミンや特殊ポリオール製品群の競争力強化を図ると共に、MMA系製品では各種誘導品の増強技術確立や製造法改善、並びに独自性のある新規誘導品の開発を行っております。また、高耐熱特殊ポリエステルなどの樹脂製品、さらに高機能の熱硬化性樹脂原料となるシアネートモノマーの新規開発、市場展開を進めております。
ライフサイエンス系;これまでに蓄積した培養技術・発酵技術を活用し新規製品群を開発しています。現在、高齢化社会のニーズに即したアンチエイジング素材として期待されるピロロキノリンキノン(PQQ)や酵母栄養成分(ビタミン、アミノ酸、ミネラルなど)を豊富に含むS-アデノシルメチオニン(SAMe)含有乾燥酵母、スペルジミン(SPD)含有乾燥酵母を販売している他、さまざまな食品素材の開発を行っております。
また、抗体医薬事業ではMGCファーマ株式会社においてプロセス開発を中心とした開発受託サービスを展開するとともに、治験薬・原薬製造受託事業への参入を目的として設立した合弁会社である株式会社カルティベクスの製造工場稼働を開始し、複数の案件を受託しております。
当該事業に係る研究開発費は
[芳香族化学品事業]
混合キシレンの分離・異性化によって製造する各キシレン異性体、及びその誘導品を中心とする事業展開を行っております。汎用製品群はプロセスコストダウン、品質改善による差別化を継続する一方、当社固有の特殊化学製品群は、既存装置の増産や新装置のプロセス検討などに加え、より川下分野への展開と、より確度の高い新規製品の研究開発を重点的に進めております。事業のベースとなる汎用製品群と収益率の高い特殊化学製品群をバランスよく展開することで、安定的かつ持続的成長可能な事業構造の構築を目指しております。
既存特殊化学品事業を構成する主製品は、メタキシレンジアミン、MXナイロン系製品、及び芳香族アルデヒドがあります。メタキシレンジアミンは、硬化剤、イソシアネート向けが好調に推移しており、コスト改善のための技術開発を継続すると共に、増産検討が進んでおります。MXナイロン系製品では、植物由来のポリアミドが自動車・電子部品向け等の用途で販売量が拡大しています。芳香族アルデヒドは、香料や高機能樹脂添加剤向けの販売が好調で、新規芳香族アルデヒドの開発とともに増産検討を進め、事業基盤の強化に努めています。
本事業ではさらに、独自の強酸技術、酸化・還元技術と長年培った重合技術を駆使し、新規の高付加価値製品の開発を進めています。これらの高付加価値製品の一つである透明ポリイミドワニス及びフィルムは、フレキシブルディスプレイ・タッチパネル・TFT基板・光学フィルム・センサー関連等、今後の伸張が期待される用途に対して検討を幅広く実施し、高い評価を得るとともに一部事業化、デモ品への採用が進んでおります。その他にも、半導体関連材料向け原体および熱可塑性ポリイミドなどの新規案件についても事業化を急いでおります。
当該事業に係る研究開発費は
[機能化学品事業]
無機化学品事業;過酸化水素とその誘導体については、高付加価値化のための研究開発及び生産技術改善を継続的に進めています。過酸化水素及び過酢酸では新グレードを開発し、市場開発に取り組んでいます。生産技術改善ではタイムリーに実プラントへの適用を実施しています。エレクトロニクス向けでは、当社の高い技術開発力と原材料から製品までの一貫生産チェーンを活かした最先端のハイブリッドケミカルズの開発や高純度化技術の開発を行い、半導体・液晶ディスプレイ・プリント配線分野を中心に新規薬液・プロセス開発で採用実績を広げております。また、海外各拠点での開発体制の整備・拡充や生産能力増強を継続して進めており、顧客要望への対応力強化に努めています。
合成樹脂事業;ポリカーボネート樹脂は、品質向上のための技術開発や新規光学フィルム向け素材開発を中心に、新たな複合材料の創成にも取り組んでいます。中でも機能性シート・フィルム分野では、製造技術の根幹となる精密加工技術とシート・フィルム向けの特殊材料を組み合わせ、タッチパネルや筺体加飾、熱成形用ハードコートフィルム、セキュリティカード等の特徴ある差異化グレードの開発を行っています。また、ポリアセタール樹脂については、新規用途開発や特殊グレードの開発を中心に進めています。
光学材料事業;眼鏡用レンズモノマーについては、機能向上材料や加工性改良材料など、ユーザーニーズに対応した製品開発を進めると共に、培った光学関連の知見を活かし、眼鏡用以外の新規光学材料の開発に取り組んでいます。光学樹脂ポリマーは、スマートフォン向け等の小型カメラレンズ用材料として新規グレード開発と市場投入が進展しておりますが、今後も高屈折率・低複屈折化技術をベースとした独自グレードの開発を進めてまいります。
当該事業に係る研究開発費は
[特殊機能材事業]
電子材料分野では、反りが生じ難いことを特徴とした半導体パッケージ用材料、及び、高速通信用途に高周波特性に優れた材料の拡販と量産の準備をしています。更に、これら製品の次世代品の開発にも取り組んでいます。また、半導体チップとサブストレート基板間を埋めるアンダーフィル材の製品開発に取り組んでいます。今後も、電子材料分野に必要な材料の開発を効率良く推進します。
脱酸素剤分野では、事業基盤製品である小袋状エ-ジレス製品にて、コスト競争力向上を目的とした製品の量産を準備しています。また、既存の脱酸素剤製法のブラッシュアップにて差異化にも取り組んでいます。
新規分野としては、電子材料事業や脱酸素剤事業の周辺材料、及び両事業の技術を他の市場に展開した製品の開発を精力的に進めています。
当該事業に係る研究開発費は