文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年12月31日現在)において当社グループが判断したものであります。
近年、薬剤費抑制策の推進、後発品の使用促進等は各国共通の課題である一方、アンメットメディカルニーズに対する画期的な医薬品は、依然として世界中で待ち望まれております。このような環境下で、研究開発志向型の製薬企業は、世界をビジネスの舞台として、スピード感を持って環境変化に対応することが必要となってきております。
当社グループは、最先端のバイオテクノロジーを基盤として絶えずイノベーションで変化に対応し、独自性の高い製品やサービスによりお客様の真のニーズを満たす新しい価値を創造することで企業価値を高める「CSV(Creating Shared Value)経営」を推進することにより、世界の人々の健康と豊かさに貢献し、日本発の世界トップクラスの研究開発型ライフサイエンス企業を目指します。そのために、抗体技術を核にした最先端のバイオテクノロジーを駆使し、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の各カテゴリーを研究開発の中心に据え、資源を効率的に投入することにより、新たな医療価値の創造と創薬の更なるスピードアップを図ります。
2016年1月公表の5ヵ年中期経営計画で示したように、当社グループは、「グローバル・スペシャリティファーマへの飛躍」をテーマに、「グローバル競争力の向上」、「イノベーションへの挑戦」、「卓越した業務プロセスの追求」、「健康と豊かさの実現」の4つの戦略課題の達成に取組んでまいりました。2019年はCrysvita(日本製品名:クリースビータ)とPoteligeo(日本製品名:ポテリジオ)の欧米での販売拡大とNourianz(日本製品名:ノウリアスト)の米国上市を達成し、グローバル・スペシャリティファーマとしての第一歩を踏み出すことができました。引き続き4つの戦略課題に取組み、グローバル戦略品の価値最大化とグローバル・スペシャリティファーマとしての基盤整備を進めてまいります。
第一の戦略課題である「グローバル競争力の向上」では、グローバル戦略品の価値最大化に向けて、市場浸透施策や欧米を中心とした事業地域の拡大を進めてまいります。また、医薬品という高い品質が求められる製品をグローバルに安定的に供給するために、強固な生産体制を確立すると共に、品質保証体制及びサプライチェーンマネジメントの強化に努めます。
第二の戦略課題である「イノベーションへの挑戦」では、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の4つのカテゴリーの深耕により得られた知見に最先端の創薬基盤技術を組み合わせることで、魅力ある開発パイプラインの構築、特にグローバル戦略3品に続くグローバル品候補の創出を目指してまいります。ADCC活性を増強するポテリジェント技術とヒト抗体産生技術を利用して創製した抗OX40完全ヒト抗体KHK4083については、中等症から重症のアトピー性皮膚炎を対象とした国際共同第Ⅱ相臨床試験を実施中であります。また、リアタ ファーマシューティカルズ社から導入した低分子化合物RTA 402(一般名:バルドキソロンメチル)については、糖尿病性腎臓病を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験を実施しており、既に患者登録を完了しております。RTA 402は厚生労働省が定める「先駆け審査指定制度」の対象品目に指定されております。
第三の戦略課題である「卓越した業務プロセスの追求」では、「One Kyowa Kirin」としてのグローバルマネジメント体制の定着に引き続き取組んでまいります。EMEAと北米ではグローバル戦略品、アジア/オセアニアでは主力品と新製品の価値最大化のため、地域統括会社を中心としたガバナンスの強化をそれぞれ進めます。日本では、ハルロピ、クリースビータなどの新製品の浸透に取組むと共に、地域医療構想に対応したエリア戦略を加速し、引き続き、質の高い医療情報を提供していきます。コンプライアンスの徹底、「健康経営」の推進、多様な人材がお互いを尊重しながら活躍できる環境づくりに引き続き取組み、グローバル・スペシャリティファーマにふさわしい企業文化の醸成に力を入れてまいります。
第四の戦略課題である「健康と豊かさの実現」では、アンメットメディカルニーズを充足する革新的医薬品の創出、臨床研究を通じた臨床エビデンスの創出、適応拡大・剤形追加や高品質な製品の安定供給を実施しつつ、CSV経営の一環として、医療費抑制策に対する社会的要請への対応を進めております。2019年8月にはネスプのオーソライズドジェネリックであるダルベポエチン アルファ注シリンジ「KKF」を協和キリンフロンティア(株)より発売しました。富士フイルム(株)との合弁事業であるバイオシミラー事業では、販売提携会社であるマイラン社が2018年より欧州にてヒト型抗ヒトTNF-αモノクローナル抗体製剤アダリムマブのバイオシミラーを販売しております。これら社会的要請に応える高品質な製品の生産・供給にも引き続き取組んでまいります。
2019年10月に公表しましたとおり、協和発酵バイオ(株)の防府工場の製造過程において、抗悪性腫瘍剤原薬(マイトマイシンC)の無菌性の確保に影響しうる事実が判明したことから、当社ではマイトマイシン注用の無菌性を保証できないと判断し、同製品の自主回収を実施しました。なお、当社内においては、全ての当社製品について最終の出荷試験を実施し、品質に問題ないことを確認しております。かかる事態が発生したことを真摯に受け止め、客観性と独立性を担保した第三者が主導するグループ調査委員会による事実の調査と根本原因の究明をグループとして徹底的に行ってまいりました。グループ調査委員会による調査報告書につきましては、2020年1月に公表しております。
本件につきましては、協和発酵バイオ(株)と共に本製品における原因究明にとどまらず、品質管理全般における問題点及び再発防止策について継続して取組んでまいります。当社におきましてもこれまでの自社内での調査・検討に加えて、調査結果報告を受け、再発防止に向けては単に製造・品質保証体制の強化にとどまらず、企業グループガバナンスの強化に取組むべきと考えております。特に(1)経営の最優先事項として強固な品質保証体制の構築(2)リスクマネジメントの改善(3)企業文化の改革を重要課題として医薬品製造販売業者としての責務を十分に果たすために必要な改善策を徹底して実行することで、製品の品質管理に一層万全を期し、かかる事態の再発防止に努めてまいります。
当社グループの経営成績及び財政状態等につき投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。当社グループでは、リスクマネジメント基本方針の下、リスクマネジメント推進体制を構築しております。当社グループが保有するリスクをグループCSR委員会に提示して、経営に与える影響が大きいリスクをグループ重要リスクとして認識、対応策を協議、実行し、取締役会に報告しております。また、リスクの顕在化を早期に発見し対処するとともに業務改善へと進めておりますが、リスクが万一クライシスに転化したときには、クライシス対策本部を立ち上げ、影響を最小限に留め、正常な事業運営に復帰するための行動を迅速に行ってまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年12月31日現在)において当社グループが判断したものであります。
(1) 研究開発に関するリスク
当社グループは、4大モダリティ(次世代抗体医薬、核酸医薬、新たな低分子医薬、再生医療)を機軸とした新薬創出型の製薬企業として魅力ある開発パイプラインの構築を目指しております。また、当社グループは、創薬研究のプロセスに社外の情報・知見を活用するオープンイノベーションを意欲的に組み込んでおり、大学や医療機関、ベンチャー企業と一体となり、早い段階から共同で新薬の研究開発を進めております。しかしながら、長期間にわたる新薬の開発の過程において、期待どおりの有効性が認められない場合や安全性などの理由により研究開発の継続を断念しなければならない場合には、将来の成長性と収益性を低下させることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 知的財産権に関するリスク
当社グループは、知的財産権を厳しく管理し、第三者からの侵害に注意を払っておりますが、当社グループの知的財産権が侵害された場合、製品の売上収益又は技術収入が予定より早く減少することとなり、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、他者の知的財産権を侵害することのないよう常に注意を払っておりますが、第三者から侵害しているとして訴訟を提起された場合、差止め、損害賠償金や和解金の支払い等の発生により、当社グループの事業活動や経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 副作用に関するリスク
医薬品は、開発段階において厳しい安全性の評価を行い各国の規制当局の審査を経て承認されますが、市販後の使用成績が蓄積された結果、新たに副作用が見つかることも少なくありません。市販後に予期していなかった副作用が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 薬事行政等の影響に関するリスク
当社グループが従事する医薬事業は、事業を行っている各国の薬事行政によりさまざまな規制を受けております。日本においては公定薬価制度による薬価の引下げに加え、ジェネリック医薬品の使用促進など医療制度改革の動向は、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
海外においても、医療費抑制への圧力は高まっており、販売価格の下落を販売数量の伸長等でカバーできない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 各種の法的規制リスク
当社グループの事業の遂行にあたっては、事業展開する各国において、遵守すべき各種の法令等の規制があります。これら法令等の規制を遵守できなかったことにより、新製品開発の遅延や中止、製造活動や販売活動ほかの制限、企業グループとしての信頼性の失墜等につながる可能性があります。当社グループではコンプライアンスを法令遵守だけではなく、社会の要請をいち早く察知し、倫理的に行動することと捉え、役員及び従業員一人ひとりがとるべき全般的な行動を「協和キリングループ行動規範」として定めております。コンプライアンスを強化するために、四半期ごとに開催されるグループCSR委員会において、コンプライアンスの遵守状況と重要課題への対策の進捗状況を議論し、取締役会に報告することで継続的な改善を進めております。また、行動規範に反する行為やグループのブランド価値を著しく損ねる行為を予防し早期発見・是正するために、内部通報窓口を設けております。
(6) 為替レートの変動によるリスク
当社グループは、海外への製品販売・技術導出や海外からの原料購入等の外貨建取引を行っており、急激な為替レートの変動は、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。加えて、為替レートの変動は、当社グループと外国企業が同一市場において販売する製品の価格競争力にも影響を及ぼす場合があります。
また、海外の連結子会社の現地通貨建ての損益及び資産・負債等は、連結財務諸表作成のために円換算されるため、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
(7) 災害・事故等の影響を受けるリスク
各地で起こりうる地震・台風などの自然災害、インフルエンザ等のパンデミック、大規模停電、その他の災害・事故等により、当社グループの本社、工場、研究所、事業所等が閉鎖又は事業活動が停止する可能性があります。また、当社グループは、さまざまな法的(ガイドライン)規制を受ける物質を取扱っており、自然災害など何らかの原因で社外へ漏出した場合には、周辺地域に被害が及ぶ可能性があります。甚大な事故・災害等が発生した場合には、多大な損害の発生のみならず、内容によっては企業グループとしての社会的な信頼性の低下を招く可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、通常の事業活動が継続困難に陥った場合においても、医薬品の安定供給を継続するために、事業継続計画(Business Continuity Plan:BCP)を策定し、訓練やワークショップを通してBCPの継続的な改善を進めております。
(8) 訴訟に関するリスク
事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引等の問題で訴訟を提起される場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9) ITセキュリティと情報管理に関するリスク
当社グループは、各種情報システムを使用しているため、システムへの不正アクセスやサイバー攻撃を受けた場合は、システムの停止や秘密情報が社外に漏洩する可能性があります。当社グループでは、年々多様化かつ巧妙化するサイバーセキュリティ上の脅威への対策として、グループ情報セキュリティ管理体制の下、情報セキュリティレベルを向上するための取組みを進めております。また、サイバーセキュリティの脅威に対する技術的な対策に加え、従業員の情報セキュリティに対する意識レベル向上のための教育・研修を実施し、情報の適切な管理を徹底するため継続的な改善を進めております。
(10) 環境に関するリスク
当社グループは、大気、水質、騒音、振動、悪臭、土壌汚染、地盤沈下、廃棄物等の環境諸法令遵守を徹底しております。しかしながら、環境汚染等の環境保全上の問題が発生した場合や関係法令の改正等により、周辺地域への補償責任や環境改善に要する費用発生、又は新たな設備投資等の必要性が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11) 他社との提携等に関するリスク
当社グループは、他社との共同開発、共同販売、技術提携及び合弁会社設立等の提携、又は他医薬品の原料供給、製造、物流、販売等に関して国内外のサプライヤーへ業務を委託しております。しかしながら、何らかの原因により提携・業務委託による成果物に問題が発生又は成果物が得られなかった場合や、契約変更や提携解消等が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、契約書にコンプライアンス条項の明記を進め、サプライヤーに対して、コンプライアンスの徹底を求めております。また、サプライチェーンを構成するサプライヤーの心構えや行動を「サプライヤー行動指針」として定め、サプライヤーに理解いただいております。さらに、サプライヤー行動指針に記載された項目についてアンケートを実施し、結果をサプライヤーにフィードバックするとともに、コンプライアンス活動の実態把握や、その取組み状況の改善を促す活動にも取組んでおります。
(12) 人材確保・育成に関するリスク
当社グループは、日本、EMEA、北米、アジア/オセアニアという4つの地域軸と、地域を越えた機能軸のマトリックスにより、多様な背景を持つ人たちが、自らの持つ能力を発揮して国内外の事業活動を推進するグローバルマネジメント体制「One Kyowa Kirin」の定着を進めております。しかしながら、グローバルマネジメント体制を担う人材を育成、採用できない場合は、当社事業活動の継続に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、「協和キリングループ 人材マネジメント基本方針」を定め、社員と会社の関係及び社員の能力開発に対するグローバル共通の考え方を明示しております。
(13) 安定供給に関するリスク
当社グループは、事業のグローバル展開にあたり、強固な生産体制の構築を進めております。しかしながら、製造施設・物流施設において技術上又は法規制上の問題、原材料及び燃料の供給停止により、製品の供給が停止又は遅延した場合や、予想を上回る製品の需要増により製品の供給が不足した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14) 他社競合・特許権満了に関するリスク
当社グループ製品と他社製品との競合や、当社グループ製品の特許権満了後の後発品参入により売上収益が減少する場合があります。当社グループの主力製品の一つである腎性貧血治療剤ネスプの物質特許満了に伴う売上減少が、新製品の売上でカバーされない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(15) 海外事業展開に関するリスク
当社グループは、グローバルマネジメント体制の下、事業のグローバル展開を進めており、2018年には二つのグローバル戦略品Crysvita(日本製品名:クリースビータ)及びPoteligeo(日本製品名:ポテリジオ)を、2019年にはパーキンソン病治療薬であるNourianz(日本製品名:ノウリアスト)の米国承認を取得しました。成長のキードライバーであるこれらグローバル戦略品の価値最大化を図ることで、経営目標の達成を目指しております。しかしながら、海外事業展開を担うグローバルマネジメント体制構築が計画どおり進まない、新規上市国での薬価が想定より大幅に下回る、上市準備が遅延し事業エリア拡大が遅れる、予定どおり市場に浸透しない、売上が予測を大きく下振れする又は品質や製造トラブルの発生等により売上が想定と異なる場合は、目標の達成が困難になる可能性があります。
また、海外への事業展開に当たっては、テロ又は紛争による政情不安、経済情勢の不確実性、文化や慣習の違いに起因するトラブルなどのリスクが存在します。このようなリスクを回避できない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(16) 製品品質に関するリスク
医薬品製造には、GMP(Good Manufacturing Practice:医薬品の製造管理および品質管理に関する基準)に適合した設備とシステムが求められます。さらに、製造した医薬品に関わる記録や分析データが取得された状態で完全に保管されることを保証するデータインテグリティが世界標準となっております。従って、各国当局のGMP査察や社内監査においてデータインテグリティ違反等、GMP上の重大な問題が見つかった場合には規制当局より製造停止を指示される可能性があります。また、使用する原料や製造工程において、何らかの原因により製品の安全性や品質に懸念が生じた場合は、製品回収が発生する可能性があります。当社グループでは、高品質な医薬品の安定供給のために、グローバル会議体の下で、各地域統括会社から報告される重大な品質関連事項についての協議、新たな製造場所の選定における品質面からの評価、製品の品質の定期的レビュー、課題別のグローバルタスクフォースの活動状況のレビュー、監査で確認された課題及びその対応状況のモニタリング等を通じて、グローバル品質保証体制の継続的な改善を進めております。
2019年には抗悪性腫瘍剤原薬(マイトマイシンC)の製造委託先である協和発酵バイオ(株)の製造過程において、無菌性の確保に影響しうる事実が判明したことから、マイトマイシン注用の無菌性が保証できないと判断し、同製品の自主回収を実施しました。本件につきましては、協和発酵バイオ(株)と共に本製品における原因究明にとどまらず、品質管理全般における問題点及び再発防止策について継続して取組んでおります。さらに、事実の調査と根本原因の究明をグループとして徹底的に行った結果、再発防止に向けては単に製造・品質保証体制の強化にとどまらず、企業グループガバナンス強化に取組むべきと考えております。特に①経営の最優先事項として強固な品質保証体制の構築 ②リスクマネジメントの改善 ③企業文化の改革を重要課題として医薬品製造販売業者としての責務を十分に果たすために必要な改善策を徹底して実行することで、製品の品質管理に一層万全を期し、かかる事態の再発防止に努めてまいります。
(17) その他のリスク
上記のほか、当社グループの経営成績及び財政状態等に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクとして、株価や金利の変動、固定資産の減損などが考えられます。
当社グループは、グローバル戦略品を海外で上市したことを受け、2019年はグローバル戦略品の価値最大化、グローバルガバナンスの強化、将来の成長に向けた価値創造など、グローバル・スペシャリティファーマとしての更なる飛躍に向けた取組みを進めてまいりました。
3月には、グローバルな事業モデルへのスピーディーな転換と日本国内事業基盤の強化を目指し、特別希望退職の募集を実施いたしました。4月には「One Kyowa Kirin」として、日本、EMEA、北米、アジア/オセアニアという4つの地域軸と、地域を超えた機能軸のマトリックスによるグローバルマネジメント体制へと移行しました。また、医薬事業への経営資源集中と協和発酵バイオ(株)の価値最大化を目指し、当社が保有する協和発酵バイオ(株)の95%の株式を4月24日付でキリンホールディングス(株)に譲渡しました。これにより、協和発酵バイオ(株)は当社の連結の範囲から外れることになりました。7月にはグループ運営の更なる一体感の醸成とグローバルでのブランド浸透を推進するため、「協和発酵キリン」から「協和キリン」へ商号を変更し、ロゴを一新しました。
(1)当期の経営成績の概況
① 業績の概況
当社グループは、グローバルに事業を展開しておりますことから、国際会計基準(以下「IFRS」という。)を適用しておりますが、事業活動による経常的な収益性を示す段階利益として「コア営業利益」を採用しております。当該「コア営業利益」は、「売上総利益」から「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」を控除し、「持分法による投資損益」を加えて算出しております。
なお、当連結会計年度より、バイオケミカル事業を非継続事業に分類しております。これにより、非継続事業からの利益は、連結損益計算書上、継続事業と区分して表示しております。これに伴い、売上収益、コア営業利益及び税引前利益は、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しており、対応する前連結会計年度についても同様に組替えて比較分析を行っております。
また、当社グループは、「医薬事業」、「バイオケミカル事業」の2事業を報告セグメントとしておりましたが、協和発酵バイオ(株)株式譲渡契約の締結に伴い「バイオケミカル事業」を非継続事業に分類したため、当連結会計年度より、当社グループの報告セグメントは「医薬事業」の単一セグメントに変更しております。
(単位:億円)
|
|
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
前期比 % |
|
売上収益 |
3,058 |
2,715 |
343 |
12.6% |
|
コア営業利益 |
594 |
503 |
90 |
18.0% |
|
税引前利益 |
445 |
668 |
△223 |
△33.4% |
|
継続事業からの当期利益 |
377 |
492 |
△116 |
△23.5% |
|
非継続事業からの当期利益 |
294 |
52 |
242 |
467.4% |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
671 |
544 |
127 |
23.3% |
当連結会計年度の売上収益は3,058億円(前期比12.6%増)、コア営業利益は594億円(同18.0%増)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は671億円(同23.3%増)となりました。
◎ 売上収益は、日本における薬価基準引下げの影響等があったものの、欧米におけるグローバル戦略品や日本の新製品群が順調に市場に浸透し、アジアにおいても中国を中心に好調に推移した結果、増収となりました。コア営業利益は、販売費及び一般管理費や研究開発費の増加があったものの、グローバル戦略品の売上伸長や持分法による投資損益の改善により増益となりました。
◎ 親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に協和メデックス(株)(現日立化成ダイアグノスティックス・システムズ(株))の株式の譲渡に伴う子会社株式売却益や減損損失戻入益の計上があった一方で、当連結会計年度は減損損失や事業構造改善費用等の計上があり、継続事業からの当期利益は減益となったものの、協和発酵バイオ(株)の株式の譲渡に伴う子会社株式売却益の計上により非継続事業からの当期利益が増加したことから増益となりました。
② 地域ごとの売上収益
(単位:億円)
|
|
|
当連結会計年度 |
比率% |
前連結会計年度 |
比率% |
増減 |
|
日本 |
|
1,862 |
60.9% |
1,835 |
67.6% |
27 |
|
海外 |
|
1,196 |
39.1% |
880 |
32.4% |
317 |
|
|
米州 |
497 |
16.3% |
230 |
8.5% |
267 |
|
|
欧州 |
422 |
13.8% |
423 |
15.6% |
△1 |
|
|
アジア |
276 |
9.0% |
225 |
8.3% |
51 |
|
|
その他 |
1 |
0.0% |
2 |
0.1% |
△0 |
|
売上収益合計 |
3,058 |
100.0% |
2,715 |
100.0% |
343 |
|
(注)売上収益は、顧客の所在地を基礎とし、国又は地域に分類しております。
◎ 日本の売上収益は、2018年4月及び2019年10月に実施された薬価基準引下げや、後発医薬品及び競合品の影響があったことに加え、特許満了となった腎性貧血治療剤ネスプのオーソライズドジェネリックであるダルベポエチン アルファ注シリンジ「KKF」を8月に発売したことによる同剤への切り替え影響等がありましたが、新製品群の伸長等により前連結会計年度を上回りました。
・ダルベポエチン アルファ注シリンジ「KKF」は、主力製品である腎性貧血治療剤ネスプからの切り替えが速やかに進み、順調に市場に浸透しました。
・抗アレルギー剤アレロック、高血圧症・狭心症治療剤コニール、抗てんかん剤デパケン等の長期収載品は、後発医薬品の浸透の影響等により売上収益が減少しました。
・2018年5月に発売した二次性副甲状腺機能亢進症を適応症とする新製品オルケディアは売上収益を伸ばしました。一方で、二次性副甲状腺機能亢進症治療剤レグパラはオルケディアへの切り替えが進み、加えて競合品の影響もあり売上収益が減少しました。
・発熱性好中球減少症発症抑制剤ジーラスタ、慢性特発性血小板減少性紫斑病治療剤ロミプレート、尋常性乾癬治療剤ドボベット、乾癬治療剤ルミセフ、パーキンソン病治療剤ノウリアスト等も堅調に売上収益を伸ばしました。
・2018年1月に発売した抗悪性腫瘍剤リツキシマブBS「KHK」は、順調に市場浸透し伸長しました。
・12月には、パーキンソン病治療剤ハルロピ及びFGF23関連疾患治療剤クリースビータの販売を開始しました。
◎ 海外の売上収益は、2018年に発売したグローバル戦略品が順調に伸長し、前連結会計年度を上回りました。
・米州及び欧州は、2018年4月より欧米で販売を開始したX染色体連鎖性低リン血症治療剤Crysvita(日本製品名:クリースビータ)が、発売以来順調に売上を伸ばしており、投与患者数を着実に伸ばしております。また、米国では、2018年10月に発売した抗悪性腫瘍剤Poteligeo(日本製品名:ポテリジオ)も順調に市場に浸透しており、10月にはパーキンソン病治療剤Nourianz(日本製品名:ノウリアスト)の販売を開始しました。
・アジアは、中国を中心に二次性副甲状腺機能亢進症治療剤Regpara(日本製品名:レグパラ)が伸長していることに加え、中東において1月より発熱性好中球減少症発症抑制剤Neulasta(日本製品名:ジーラスタ)等の販売を開始したため、前連結会計年度を上回りました。
・技術収入については、アストラゼネカ社からのベンラリズマブに関する売上ロイヤルティが増加した一方で、2018年には優先審査バウチャー売却収益の計上があったことから、前連結会計年度を下回りました。
③ コア営業利益
◎ コア営業利益は、グローバル戦略品に係る販売費及び一般管理費や、研究開発費の増加があったものの、当該グローバル戦略品の販売伸長等による売上総利益の増加や、持分法による投資損益の改善があったため、前連結会計年度に比べ増益となりました。
(2)当期の財政状態の概況
(単位:億円)
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当連結会計年度 |
前連結会計年度末 |
増減 |
|
資産 |
7,845 |
7,420 |
425 |
|
非流動資産 流動資産 |
3,358 4,486 |
3,561 3,858 |
△203 628 |
|
負債 |
1,062 |
924 |
138 |
|
資本 |
6,782 |
6,496 |
286 |
|
親会社所有者帰属持分比率(%) |
86.5% |
87.6% |
△1.1% |
◎ 資産は、前連結会計年度末に比べ425億円増加し、7,845億円となりました。
・非流動資産は、IFRS第16号「リース」の適用に伴う有形固定資産の増加等がありましたが、協和発酵バイオ(株)及び同社の子会社を連結の範囲から除外したことによる減少等により、前連結会計年度末に比べ203億円減少し、3,358億円となりました。
・流動資産は、協和発酵バイオ(株)及び同社の子会社を連結の範囲から除外したことによる減少等がありましたが、同社株式の譲渡収入等による資金運用としての親会社に対する貸付金の増加等により、前連結会計年度末に比べ628億円増加し、4,486億円となりました。
◎ 負債は、協和発酵バイオ(株)及び同社の子会社を連結の範囲から除外したことによる減少等がありましたが、IFRS第16号「リース」の適用に伴うその他の金融負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ138億円増加し、1,062億円となりました。
◎ 資本は、配当金の支払いに加えて、自己株式の取得及び消却といった株主還元策の実施による減少等がありましたが、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上による増加等により、前連結会計年度末に比べ286億円増加し、6,782億円となりました。この結果、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べて1.1ポイント低下し、86.5%となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
(単位:億円)
|
|
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
増減 |
前期比 % |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
537 |
562 |
△25 |
△4.5% |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△9 |
△399 |
390 |
△97.7% |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△474 |
△165 |
△309 |
187.1% |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
159 |
147 |
12 |
8.0% |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
208 |
159 |
49 |
30.9% |
◎ 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の159億円に比べ49億円増加し、208億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
◎ 営業活動によるキャッシュ・フローは、537億円の収入(前期比4.5%減)となりました。主な収入要因は、継続事業からの税引前利益445億円、減価償却費及び償却費188億円等であります。一方、主な支出要因は、法人所得税の支払額227億円等であります。
◎ 投資活動によるキャッシュ・フローは、9億円の支出(前期比97.7%減)となりました。主な収入要因は、協和発酵バイオ(株)の株式の譲渡に伴う子会社株式の売却による収入1,051億円(非継続事業からの投資活動キャッシュ・フローに含む)及び貸付金の回収による収入243億円等であります。一方、主な支出要因は、親会社に対する貸付金の純増加額1,044億円のほか、無形資産の取得による支出142億円、有形固定資産の取得による支出70億円等であります。
◎ 財務活動によるキャッシュ・フローは、474億円の支出(前期比187.1%増)となりました。主な支出要因は、自己株式の取得による支出226億円、配当金の支払額217億円等であります。
(4)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
医薬 |
198,820 |
166.5 |
|
合計 |
198,820 |
166.5 |
(注)1.当社グループは、当連結会計年度よりバイオケミカル事業を非継続事業へ分類したことに伴い、報告セグメントを「医薬事業」の単一セグメントに変更しております。
2.金額は販売価格によっております。
3.当社グループ内において原材料等として使用する中間製品については、その取引額が僅少であるため相殺消去等の調整は行っておりません。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
5.前期から著しく増加しておりますが、主に海外でグローバル戦略品の売上収益が伸長したことによるものであります。
② 受注実績
当社グループは、主として販売計画に基づいた生産を行っております。一部の製品で受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
医薬 |
305,820 |
112.6 |
|
合計 |
305,820 |
112.6 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
当連結会計年度 |
前連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
アルフレッサ(株) |
42,006 |
13.7 |
44,592 |
12.9 |
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年12月31日現在)において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 当期の経営成績の概況」に記載のとおりであります。
◎ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2016-2020年中期経営計画における目標指標については、下記のとおりであります。
・GSP(グローバル・スペシャリティファーマ)への飛躍の指標である「海外売上比率」は、欧米におけるグローバル戦略品が順調に伸長し、前連結会計年度の32.4%から6.7ポイント上昇し39.1%となりました。
・持続的成長の指標である「コア営業利益」は、当該グローバル戦略品の伸長等により、前連結会計年度の503億円から90億円増加し594億円となりました。
・企業価値向上の指標である「ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)」は、協和発酵バイオ(株)株式の一部譲渡に伴う売却益の影響により、前連結会計年度の8.6%から1.5ポイント改善し10.1%となりました。
目標達成に向けた主な取組課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
③ 財政状態の分析
当社グループの財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 当期の財政状態の概況」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
◎ 資本の財源及び資金需要の主な内容
当社グループは、主に営業活動から得た資金を財源としており、当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは537億円でした。グループで得た資金はグローバルCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を活用し本社に集約しており当社グループ全体の資金を効率的に運用し、金融費用の削減に努めております。
資金需要には、製品製造のための原材料の購入、商品の仕入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費、研究開発費等の営業費用によるものがあります。
また、当社グループは、生産設備の拡充・合理化及び研究開発力の強化などを目的とした継続的な設備投資のほか、新薬候補物質や上市品の導入など、開発パイプライン及び製品ポートフォリオの価値最大化に向けた戦略的な投資を実施しております。
◎ 資金の流動性及び資金調達の可能性
当社グループは、余剰資金について安全性を重視しながら相対的に有利な資金運用を実行し、かつ資金需要に迅速に対応できる体制を整えております。親会社に対する貸付金を含めた手元資金は3,065億円であり、当社グループの資金需要に必要な流動性を十分に確保しております。
さらに、戦略的な投資にも機動的に対応するため、資金調達手段の拡充に努めています。コミットメントラインによる資金調達手段を確保するとともに、短期格付を維持することにより、国内CP(コマーシャル・ペーパー)の発行による資金調達も可能としております。
これらのことから当面の運転資金及び設備資金に加え、戦略的な投資にも耐えられる十分な流動性を確保していると考えます。
また、資金状況等を勘案しつつ財務体質改善、信用力向上のための取組みにも努めております。
⑤ 次期の見通し
|
売上収益 |
3,270億円 |
(当期比 212億円 6.9%増) |
|
コア営業利益 |
650億円 |
(当期比 56億円 9.5%増) |
|
税引前利益 |
630億円 |
(当期比 185億円 41.6%増) |
|
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
490億円 |
(当期比 △181億円 27.0%減) |
(注)為替レートは、105円/米ドル、130円/ポンドを前提としております。
◎ 次期(2020年1月1日から2020年12月31日まで)の連結業績については、売上収益は3,270億円(当期比6.9%増)、コア営業利益は650億円(同9.5%増)、税引前利益は630億円(同41.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は490億円(同27.0%減)を見込んでおります。
◎ 日本において主力製品であるネスプのオーソライズドジェネリックであるダルベポエチン アルファ注シリンジ「KKF」への切り替えや薬価基準引下げの影響等を受けることが予想されるものの、2018年に米国及び欧州において発売を開始したCrysvita及びPoteligeo、2019年に米国で発売を開始したNouriantzのグローバル戦略品の伸長が見込まれることから、売上収益は当連結会計年度に比べ増収となる見通しであります。また、グローバル戦略品の収益拡大・価値最大化に向けた販売費の増加が見込まれますが、海外売上収益の増加により、コア営業利益は増益となる見通しです。
◎ 税引前利益については、コア営業利益の増益に加え、その他の費用の減少により、当連結会計年度に比べ増益となる見通しです。
◎ 親会社の所有者に帰属する当期利益については、当連結会計年度において計上した協和発酵バイオ(株)株式の譲渡に伴う非継続事業からの当期利益がなくなるため減益となる見通しです。
◎ 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益が当連結会計年度に比べ増加することが見込まれますが、法人税の支払いが増加する見込みのため、当連結会計年度に比べ収入が減少する見通しです。
◎ 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産・無形資産の取得による支出の増加が見込まれるため、当連結会計年度に比べ支出が増加する見通しです。
◎ 財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得を実施した当連結会計年度に比べ支出が減少する見通しです。なお、今後も自己株式の取得、資金調達等の財務活動については、経済情勢や資金状況等を勘案しながら機動的に対応してまいります。
以上の結果、次期における現金及び現金同等物の期末残高は、当連結会計年度末並みとなる見通しです。
(注)上記の予想は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(6)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準ではのれんの償却は20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって定額法により規則的に償却しておりましたが、IFRSでは非償却であり、毎期減損テストを実施することが要求されます。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が当連結会計年度において11,465百万円減少しております。
(1) 技術導出契約
|
会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
対価 |
|
当社 |
メディミューン社 |
米国 |
IL-5R抗体の欧米並びに一部のアジア諸国における開発及び製造販売の許諾 |
2006年12月18日から販売開始後10年又は特許有効期限末日までのいずれか長い期間 |
契約一時金 マイルストン収入 一定料率のロイヤルティ |
|
当社 |
アステラス製薬(株) |
日本 |
抗CD40抗体医薬品の共同開発及び共同販売の許諾 |
2007年1月24日から販売終了時まで |
契約一時金 マイルストン収入 一定料率のロイヤルティ |
|
当社 |
アストラゼネカ社 |
スウェー デン |
IL-5R抗体の日本における開発及び販売の許諾 |
2015年7月1日から販売開始後10年間 以降2年毎の自動更新 |
契約一時金 マイルストン収入 一定料率のロイヤルティ |
|
当社 |
アストラゼネカ社 |
スウェー デン |
IL-5R抗体のアジア13ヵ国における開発及び販売の許諾 |
2017年3月23日から販売開始後10年間 以降2年毎の自動更新 |
契約一時金 マイルストン収入 一定料率のロイヤルティ |
(2) 技術導入契約
|
会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
対価 |
|
当社 |
キリン・アムジェン社 |
米国 |
G-CSFの製造販売の許諾 |
1986年7月1日からキリン・アムジェン社の存続期間(無期限) |
一定料率のロイヤルティ |
|
当社 |
シャイアー-NPSファーマシューティカルズ社 |
米国 |
カルシウム受容体作動薬の開発及び製造販売の許諾 |
1995年6月30日から販売開始後10年又は特許有効期限末日までのいずれか長い期間(その後、当社が販売を継続する権利を有する) |
マイルストン支出 一定料率のロイヤルティ |
|
当社 |
キリン・アムジェン社 |
米国 |
持続型赤血球造血刺激因子の製造販売の許諾 |
1996年3月1日からキリン・アムジェン社の存続期間(無期限) |
一定料率のロイヤルティ |
|
当社 |
キリン・アムジェン社 |
米国 |
血小板造血刺激因子製剤の製造販売の許諾 |
2005年7月1日からキリン・アムジェン社の存続期間(無期限) |
一定料率のロイヤルティ |
|
当社 |
ゼリア新薬工業(株) |
日本 |
炎症性腸疾患治療剤の共同開発及び共同販売 |
2007年1月29日から2020年3月31日まで |
契約一時金 マイルストン支出 契約製品の購入 |
|
当社 |
田辺三菱製薬(株) |
日本 |
CaRS作動薬の共同研究及びアジア5ヵ国における開発、製造販売の許諾 |
2008年3月27日から販売開始後10年又は特許有効期限末日までのいずれか長い期間(その後、当社が販売を継続する権利を有する) |
契約一時金 マイルストン収入・支出 一定料率のロイヤルティ |
|
当社 |
キリン・アムジェン社 |
米国 |
ヒト型抗ヒトIL-17受容体Aモノクローナル抗体製剤の製造販売の許諾 |
2010年10月29日からキリン・アムジェン社の存続期間(無期限) |
一定料率のロイヤルティ |
|
当社 |
大塚製薬(株)及びアストラゼネカ社 |
日本及び英国 |
糖尿病治療剤の開発及び販売の許諾 |
2012年6月29日から特許有効期限末日まで(その後、当社が販売を継続する権利を有する) |
契約一時金 マイルストン支出 一定料率のロイヤルティ |
|
Kyowa Kirin Services Ltd |
アストラゼネカ社 |
スウェーデン |
オピオイド誘発性 便秘治療剤の欧州 における開発及び 販売の許諾 |
2016年2月29日から対象国ごとに販売開始 後10年又は特許有効期 限末日までのいずれか 長い期間(その後、当社グループが販売を継続する権利を有する) |
契約一時金 マイルストン支出 一定料率のロイヤルティ |
(3) 販売契約
|
会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
当社 |
ノバルティス(株) |
日本 |
抗アレルギー点眼剤に関する共同販売促進契約 |
2006年6月27日から日本での販売終了時まで |
|
当社 |
久光製薬(株) |
日本 |
経皮吸収型持続性疼痛治療剤に関する共同販売契約 |
2008年6月18日から販売終了時まで |
|
Kyowa Kirin Services Ltd |
オレクソ社 |
スウェーデン |
癌疼痛治療剤(舌下錠)に関する販売契約 |
2012年6月1日から販売開始後10年又は特許有効期限末日までのいずれか長い期間 |
|
当社 |
レオ ファーマ社 |
デンマー ク |
尋常性乾癬治療外用剤に関する販売提携契約 |
2013年12月19日から販売開始後8年間 以降2年毎の自動更新 |
|
当社 |
サンド(株) |
日本 |
リツキシマブバイオシミラーに関する販売契約 |
2015年12月24日から販売開始後10年間 以降両社が合意した場合に限り2年毎の自動更新 |
|
当社 |
久光製薬(株) |
日本 |
経皮吸収型パーキンソン病治療剤に関する販売契約 |
2019年2月5日から販売開始後7年間 |
(4) 協業契約
|
会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
当社 |
ウルトラジェニクス・ファーマシューティカル社 |
米国 |
抗FGF23完全ヒト抗体に関する共同開発及び共同販売契約 |
2013年8月29日から販売終了時まで |
(5) 合弁契約
|
会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
出資額 |
合弁会社名 |
設立年月 |
|
当社 |
富士フイルム(株) |
日本 |
バイオシミラー医薬品の開発・製造・販売に関する合弁契約 |
当社 50百万円 富士フイルム(株) 50百万円 |
協和キリン富士フイルムバイオロジクス(株) (資本金100百万円) |
2012年3月 |
(6) キリンホールディングス(株)との統合契約
|
会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約締結日 |
|
当社 |
キリンホールディングス(株) |
日本 |
当社グループとキリングループの戦略的提携に関する基本契約 |
2007年10月22日 |
(7) その他
|
会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
契約締結日 |
|
当社 |
日立化成(株) |
日本 |
協和メデックス(株)(現 日立化成ダイアグノスティックス・システムズ(株))の株式譲渡契約及び株主間契約(注) |
2017年9月29日 |
|
当社 |
キリンホールディングス(株) |
日本 |
協和発酵バイオ(株)の株式譲渡契約(注) |
2019年2月5日 |
(注)詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 27.子会社株式の譲渡」に記載のとおりであります。
当社グループでは、抗体技術を核にした最先端のバイオテクノロジーを駆使し、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の各カテゴリーを研究開発の中心に据え、資源を効率的に投入することにより、新たな医療価値の創造と創薬の更なるスピードアップを目指しております。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
腎カテゴリー
・日本においてカルシウム受容体作動薬KHK7580(日本製品名:オルケディア)の副甲状腺癌及び副甲状腺摘出術不能又は術後再発の原発性副甲状腺機能亢進症における高カルシウム血症を対象とした効能効果及び用法用量に関する一部変更承認を12月に取得しました。また、中国及び韓国等において二次性副甲状腺機能亢進症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を5月に開始しました。
・日本においてRTA 402(一般名:バルドキソロンメチル)の糖尿病性腎臓病を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
・中国において持続型赤血球造血刺激因子製剤KRN321(日本製品名:ネスプ)の維持透析下の腎性貧血を効能・効果とする承認再申請を2月に実施しました。
・日本においてNHE3阻害剤KHK7791(一般名:Tenapanor)の維持透析下の高リン血症を対象とした第Ⅱ相臨床試験を2月に開始しました。
・日本においてKW-3357(一般名:アンチトロンビン ガンマ(遺伝子組換え)、日本製品名:アコアラン)の妊娠高血圧腎症を対象とした国内第Ⅲ相臨床試験を11月に開始しました。
がんカテゴリー
・日本において持続型顆粒球コロニー形成刺激因子製剤KRN125(日本製品名:ジーラスタ)の造血幹細胞の末梢血中への動員を対象とした第Ⅱ相臨床試験を6月に開始しました。
免疫・アレルギーカテゴリー
・抗IL-17受容体A完全ヒト抗体KHK4827(日本製品名:ルミセフ)は、韓国において乾癬を適応症とした承認を申請中です(2018年7月申請)。また、中国において乾癬を適応症とした承認申請を4月に行いました。さらに、日本において全身性強皮症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を5月に、掌蹠膿疱症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を8月に開始し、体軸性脊椎関節炎を適応症とした一部変更承認申請を12月に行いました。
・日本、北米及び欧州において抗OX40完全ヒト抗体KHK4083のアトピー性皮膚炎を対象とした第Ⅱ相臨床試験を実施中です。
中枢神経カテゴリー
・米国においてアデノシンA2A受容体拮抗剤KW-6002(米国製品名:Nourianz、日本製品名:ノウリアスト)のウェアリングオフ現象を有する成人パーキンソン病患者におけるレボドパ/カルビドパとの併用療法を適応症とした承認を8月に取得しました。また、欧州において、ウェアリングオフ現象を有する成人パーキンソン病患者におけるレボドパ/カルビドパとの併用療法を適応症とした承認申請を11月に行いました。
・日本において抗CCR4ヒト化抗体KW-0761(日本製品名:ポテリジオ)のHTLV-1関連脊髄症を対象とした第Ⅲ相臨床試験を実施中です。
・日本においてアデノシンA2A受容体拮抗剤KW-6356のパーキンソン病を対象とした第Ⅱ相臨床試験を実施中です。
その他
・ヒト型抗線維芽細胞増殖因子23(FGF23)抗体KRN23(日本製品名:クリースビータ、欧米製品名:Crysvita)は、日本においてFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症を適応症とした承認を9月に取得しました。また、欧州において成人X染色体連鎖性低リン血症を適応症とした追加の承認申請を11月に行いました。さらに、韓国においてFGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症を適応症とした承認申請を5月に、中国においてX染色体連鎖性低リン血症を適応症とした承認申請を6月に行いました。加えて、米国、日本及び韓国において腫瘍性骨軟化症又は表皮母斑症候群を対象とした第Ⅱ相臨床試験を実施中で、米国において、腫瘍性骨軟化症を適応症とした生物学的製剤承認一部変更申請を12月に行いました。
・トロンボポエチン受容体作動薬AMG531(日本製品名:ロミプレート)は、日本において既存治療で効果不十分な再生不良性貧血を適応症とする承認を6月に取得しました。また、中国において慢性特発性(免疫性)血小板減少性紫斑病を対象とした承認申請を12月に行いました。さらに、免疫抑制療法未治療の再生不良性貧血を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験を、日本を含む国際共同治験として6月に開始しました。加えて、韓国において既存治療で効果不十分な再生不良性貧血を対象とした第Ⅱ/Ⅲ相臨床試験を実施中です。