第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

ダイセルグループ基本理念

<企業目的>

社会の求める機能を形に変えて、人々の生活の豊かさ向上に役立ちます。

当社グループは、「化学の無限の可能性」を信じ、独自の技術・ノウハウを駆使して「社会が求める機能」を具現化し、暮らしと社会の豊かさ向上に貢献する企業グループであり続けます。

<ダイセルスピリッツ>

① 誠実さと地道な努力の積み重ね

あるべき姿を描き、誠実に、地道な努力を積み重ねることが革新の原点であると考えます。

② モノづくりへのこだわり

「新たに意義のある価値を創造すること」=「モノづくり」にこだわります。

③ 存在感と達成感の尊重

グループ構成員ひとりひとりが強みを活かして存在感を示し、あるべき姿を実現して達成感を得ることが、グループの成長の原動力であると考えます。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

① 『Grand Vision 2020』について

 『Grand Vision 2020』では、上記 (1) 会社の経営の基本方針 に記載の「ダイセルグループ基本理念」のもと、社会の価値観やお客様の視点に立ってニーズを発掘し、最良の解決策を創造、提供することを、『ベストソリューション』と呼称し、

「世界に誇れる『ベストソリューション』実現企業グループ(The Best Solution for You)であること」

を将来のありたい姿として定め、今後の事業運営の中心に据えてまいります。

 具体的な平成32年(2020年)時点の目標につきましては、

・各事業が、社会やお客様から、「世界No.1」と認められる強みを持つ

・売上高100億円規模を狙える5つの新規事業ユニットを創出する

ことを設定しております。

② 中期計画『3D-Ⅲ』および重視する経営指標について

 ダイセルグループでは、平成32年(2020年)までの10年間で当社グループがめざす姿を示した長期ビジョン『Grand Vision 2020』で掲げる、「世界に誇れる『ベストソリューション』実現企業」達成に向け、『3D Step-up Plan』として、期間中に3回の中期計画を策定・遂行しております。

 中期計画『3D-Ⅲ』(平成29年5月10日策定)では、急速な環境変化を新たな成長の機会ととらえ、自らの働き方を変革することで取り組みのスピードを上げていきます。そして、日々進化する技術、一層のグローバル化、安全・安心・健康の追求など、多様化する世の中のニーズに対して継続的にソリューションを提供し続け、当社グループの持続的成長を実現していきます。

 

中期計画『3D-Ⅲ』の概要

1.目標

① 変化に対応したベストソリューションの提供によって持続的成長を実現する

② 平成31年度(平成32年3月期)連結業績

売上高 5,000億円、営業利益 700億円

<重視する経営指標>

自己資本利益率(ROE)、売上高営業利益率

2.基本方針

a)基盤とする考え方

・意識をカエル ~ 3Cスピリッツ「Change Challenge Courage」

変革(Change)

従来の延長線上で考えるのではなく、戦略の発想を「変革」します

挑戦(Challenge)

「挑戦」し続けることで、現状を打破し、大きな成果・成長を実現します

勇気(Courage)

今まで踏み入れたことのない領域に「勇気」をもって飛び込みます

・行動・環境をカエル

行動をカエル

ビジネスユニット(BU)を単位とする戦略立案・遂行への変革

企業としての共通文化と多種多様な価値観の組み合わせ

すべての事業行為、意思決定のスピードアップ

環境をカエル

イノベーション創出を加速させる環境の整備

IoT、ビッグデータの積極的活用

b)基本戦略

基盤とする考え方に基づき、以下を基本戦略として持続的成長を目指します。

・経営資源の成長BUへの傾斜配分

・オープンイノベーションによる成長BUの創出・育成加速

c)主要施策

基本戦略の展開にあたり、主に以下の施策を実行いたします。

①BUマネジメントによる選択と集中の推進

持続的成長の布石となるBUマネジメント

当社グループの既存事業を、セグメントよりも細分化した単位(ビジネスユニット=BU)に区分し、高い成長性や収益性が期待されるBUに経営資源を傾斜配分することで成長を加速させるとともに、成長性が低いものは、高いBUに資源を振り向けられるよう、資源の効率性を高めていきます

②技術・商材等を外部から積極的に取り込むための戦略的投資

『3D-Ⅱ』でやりきれなかった積極的な投資の実行

これまで注力してきたメディカル・ヘルスケア、エレクトロニクスの領域で新規事業ユニット候補を5つ定め、経営資源を集中的に投下していきます

また、既存事業領域で計画している社外との協業やM&Aにも積極的に取り組み、成長を加速させます

③成長を促進するための環境整備

主要施策①、②を進めるための体制作り

オープンラボ(顧客や大学・研究機関との協業・連携の強化)による新技術や新商材の獲得、部門間連携を強化するオープンなオフィス環境の整備や新しいIT技術の導入、個々人に合った多様な働き方を可能とする制度など、グループ全体で、成長を促進するための環境を整備いたします

 

これらの施策を実行することで、次の10年、ひいては100年に向けた持続的成長につなげてまいります。

 

※上記のうち、将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、確実性を保証するものではありません。

 

(3) 経営環境及び会社の対処すべき課題

 今後の世界経済は、先進国の企業収益の増加、雇用・所得環境の改善や新興国の経済減速懸念の後退を背景に、緩やかな回復が続くものと見込まれます。一方、通商政策の保護主義化や地政学的リスクなど、経済見通しに対する懸念は依然として存在しており、不確実性をはらんだ環境が続くものと予想されます。

 このような情勢下、当社グループは、メーカーとしての基本である安全操業および製品安全・品質確保を変わらぬ最重要課題としつつ、長期ビジョン『Grand Vision 2020』の実現に向け、平成29年度から31年度までの3年間を計画期間とする中期計画『3D-Ⅲ』を遂行しております。

 本中期計画では、『3D-Ⅰ』、『3D-Ⅱ』で進めてきた『ベストソリューション』実現企業に向けた取り組みをさらに発展させ、M&Aも含めた積極的な投資などにより既存事業の成長および新規事業ユニットの創出を加速させます。新規事業ユニットについては、グループ外の顧客、大学等のアイデアを広く取り入れるオープンイノベーションの活用などにより、次の成長の柱となる事業の構築を進めております。

 

 なお、当社の「株式会社の支配に関する基本方針」は次のとおりであります。

(1) 基本方針の内容

 当社は、当社グループの存在理由である「企業目的」とグループ構成員が共有する価値観である「ダイセルスピリッツ」からなる「ダイセルグループ基本理念」を掲げております。

 当社は、この基本理念のもと、企業価値を向上させる経営を行うためには、現有事業や将来事業化が期待される企画開発案件等に関する専門知識、経験、ノウハウ、および国内外の顧客、取引先、従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係を維持、発展させていくことが不可欠であると考えます。

 当社は、上場会社として、当社株式の売買は原則として市場における株主および投資家の皆様の自由な判断に委ねるべきものと考えており、特定の者による大規模な株式買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。しかしながら、大規模な株式買付行為の中には、その目的等から見て大規模な株式買付の対象となる会社の企業価値または株主様共同の利益(株主共同の利益)に資さないものもあります。

 当社は、当社の企業価値または株主共同の利益を毀損するおそれのある大規模な株式買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適切ではないと考えます。

 

(2) 基本方針の実現に資する特別な取組み

 当社グループは、セルロース化学、有機合成化学、高分子化学、火薬工学をコア技術に、パルプなどの天然素材を原料とする酢酸セルロース、たばこフィルター用トウなどのセルロース誘導品、幅広い分野で原料として使用されている酢酸と酢酸誘導体を中心とする有機化学品、過酢酸誘導体などを電子材料分野やコーティング用途などに展開している有機機能品、安全な医薬品開発に貢献している光学異性体分離カラム、自動車部品や電子デバイス向けのポリアセタール樹脂などのエンジニアリングプラスチックや樹脂コンパウンド製品などの合成樹脂製品および自動車エアバッグ用インフレータや航空機搭乗員緊急脱出装置、ロケットモーター推進薬等の防衛関連製品などの火工品等を製造・販売し、グループとして特徴ある事業展開を行っております。また、当社が構築した生産革新手法については、国内他企業への普及にも努め、わが国の装置型産業の競争力向上に貢献しております。

 当社は、当社の企業価値が、セルロイド事業を原点に発展・拡大してきた特徴ある技術・製品・サービスがシナジーを発揮し、コア事業の拡大、事業基盤の強化、新技術の開発さらには新規事業の創出がなされること等によって生み出されているものと考えております。

 当社は、平成22年4月、今後10年間で当社グループが目指す姿を示したダイセルグループ長期ビジョン『Grand Vision 2020』を策定いたしました。この『Grand Vision 2020』において、当社グループは、これまでに培ってきた「パートナーとの強固な信頼の絆」「ユニークで多彩な技術」「先進の生産方式」を発展・融合して世界に誇れる「モノづくりの仕組み」を構築し、社会や顧客のニーズを的確にとらえ、最良の解決策を創造・提供することで、株主、顧客、取引先、従業員等のステークホルダーにとって魅力のある、「世界に誇れる『ベストソリューション』実現企業になる」ことを目指しております。

 この長期ビジョンを実現するためのマイルストーンとして、当社グループは、『Grand Vision 2020』期間中に3回の中期計画を策定・遂行してまいります。

 当社は、これらの経営計画を達成していくことが、当社の企業価値の一層の向上に繋がるものと確信しております。

 

(3) 不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 上記(1)で述べましたように、当社は、上場会社として当社株式の自由な売買を認める以上、大規模な買付行為に応じて当社株式を売却するか否かは、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆様の判断に委ねられるべきであると考えており、当社の企業価値および株主共同の利益に資する大規模買付行為を否定するものではありません。

 一方、上記(2)の当社の企業価値の源泉や当社グループとしてシナジーを発揮することなどにより企業価値を向上させている当社の経営の特質を考慮すると、株主の皆様が当社株式に対する大規模な株式買付行為に応じるか否かを適切に判断するためには、大規模な株式買付者から適切かつ十分な情報が提供されることが不可欠であると考えます。

 大規模買付者からの情報提供に関しては、金融商品取引法に一定の定めがありますが、公開買付制度の適用がない市場内での買付の場合や公開買付けが開始される前には、大規模買付者は事前の情報提供の必要がなく、公開買付けが開始された後であっても、株主の皆様が継続して保有するか否かを判断するための十分な情報が提供されない可能性も否定できません。また、情報が提供されても、それが公開買付け開始後である場合には、株主の皆様が検討する時間を十分に確保できないことが考えられます。これらのことから、わが国の法制度下にあっては、大規模買付行為に際し、株主の皆様が適切に判断するための十分な情報や検討する時間を確保することは困難と言わざるを得ず、当社は、株主の皆様が当社株式に対する大規模な株式買付行為に応じるか否かを適切に判断できないおそれがあると考えております。

 これらを考慮し、大規模な株式買付行為に際しては、当社株主の皆様の判断のために必要かつ十分な大規模な株式買付行為に関する情報が大規模な株式買付者から事前に提供されるべきであり、また、当社株主の皆様がその情報に基づき、当社株式に対する大規模な株式買付行為に応じるか否かを判断するための十分な検討時間が確保されることが不可欠である、という結論に至りました。

 以上の見解に基づき、当社取締役会は、一定の合理的なルールに従って大規模買付行為(特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とした、または結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社株券等の買付行為)が行われることが、当社株主共同の利益に合致すると考え、大規模買付者(大規模買付行為を行う者)からの事前の情報提供に関する一定のルール(大規模買付ルール)を設定することといたしました。

 なお、当社取締役会は、大規模買付ルールを適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止するための機関として、独立委員会を設置します。独立委員会は、1.大規模買付ルールが遵守されているか否か 2.対抗措置を発動するか否か 3.その他当社の企業価値および株主共同の利益を守るために必要な事項 について判断し、取締役会に勧告するものとし、当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重した上で、取締役会としての意見を慎重にとりまとめ、公表します。また、必要に応じ、大規模買付者と条件改善について交渉し、取締役会として代替案を提示することもあります。

 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、当社取締役会は、当社の企業価値および株主共同の利益を守ることを目的として、原則として、対抗措置をとり、大規模買付行為に対抗します。なお、対抗措置を発動するか否かを判断するにあたっては、当社取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重します。独立委員会が株主意思の確認を勧告した場合には、当該勧告を最大限尊重し、対抗措置の発動前または発動後に書面投票または株主総会に準じて開催する総会(株主意思確認総会)の開催などにより株主意思の確認を行うことがあります。

 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合、当社は、原則として、対抗措置を発動するか否かについて、書面投票または株主意思確認総会の開催などにより株主意思を確認し、当社取締役会は、株主様の判断に従って、対抗措置を発動するか否かを決定します。ただし、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案に対する反対意見の表明、代替案の提示、当社株主の皆様への説得等を行うに留め、大規模買付者の買付提案に応じるか否かを株主様個々の判断に委ねるのが相当と判断する場合には、当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。また、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合であっても、当該大規模買付行為が結果として当社の企業価値または株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、当社取締役会は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、当社の企業価値および株主共同の利益を守ることを目的として、株主意思の確認を行わずに、当該大規模買付行為に対する対抗措置を発動することがあります。

 この取組みに関する詳細につきましては、平成29年5月10日付プレスリリース「当社株券等の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)の継続に関するお知らせ」を当社ウェブサイト(https://www.daicel.com)に掲載しております。

(4) 上記取組みについての取締役会の判断およびその判断に係る理由

①上記(2)の取組みについての取締役会の判断およびその判断に係る理由

 当社取締役会は、上記(2)の取組みが、専門知識、経験、ノウハウ、および国内外の顧客、取引先、従業員等のステークホルダーとの信頼関係に基づくものであり、当社の企業価値の向上を目的とするものであることから、基本方針に沿うものであり、また当社株主共同の利益を損なうものではないと考えます。

②上記(3)の取組みについての取締役会の判断およびその判断に係る理由

 上記(3)の取組みは、大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるか否かを株主の皆様が適切に判断し、または当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保すること、ならびに株主の皆様のために大規模買付者と交渉等を行うこと等を可能にすることにより、当社の企業価値および株主共同の利益を守ることを目的としております。

  また、この取組みは、株主様の意思を重視した株主意思の確認の仕組みや、独立性の高い社外者によって構成され、取締役会に勧告を行う独立委員会を設置し、さらに大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合、または遵守しなかった場合に、当社取締役会が対抗措置を発動する合理的な客観的要件を規定するなど、取締役会の恣意的な判断を防止する仕組みを有しております。

 これらのことから、当社取締役会は、この取組みが基本方針に沿うものであり、当社株主共同の利益を損なうものではなく、また当社取締役の地位の維持を目的とするものではないと考えます。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、ここに記載した事項は、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

 また、将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日(平成30年6月25日)現在において判断したものであります。

 

① 為替変動に係るリスク

 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の比率は高まっていく傾向にあり(平成30年3月期53.2%)、当社グループの業績は為替変動の影響を受けやすくなってきております。一般的には、円安は当社グループの業績に好影響を及ぼし、円高は悪影響を及ぼすと考えております。為替予約等によるリスクヘッジを行っておりますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はありません。

② 海外事業展開拡大に係るリスク

 当社グループは、中国・アジア地域を中心に、北米・ヨーロッパなど海外事業展開を拡大しつつありますが、海外での事業活動では、予期しえない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、人材の採用・確保の困難等、テロ、戦争による社会的又は政治的混乱等のリスクが存在します。これらのリスクが現実化する場合、当社グループの海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの業績および今後の事業計画に悪影響を与える可能性があります。

③ 原材料等の調達に係るリスク

 当社グループは、原材料を複数のサプライヤーから購入することにより安定調達を図り、生産に必要な原材料が十分に確保されるよう努めております。しかしながら、複数のサプライヤーからの調達を進めてはいるものの、一部の特殊な原材料については限られたサプライヤーに依存する場合があります。また、サプライヤーの被災、事故、倒産などによる原材料の供給中断、需要の急増による供給不足が発生した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

④ 主要原料(メタノール)価格変動に係るリスク

 当社グループは、主力製品の酢酸やポリアセタール樹脂の原料として、メタノールを大量に購入しております。長期契約やメタノール製造会社への出資など、比較的安価なメタノールを安定的に購入するための手段を講じておりますが、メタノール市況が上昇した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

⑤ その他原燃料価格の変動に係るリスク

 当社グループは、常に安価かつ価格の安定した原燃料への転換や、製造方法改善によるコストダウンをはかっております。原燃料の高騰が続く場合には、これらに加えて、製品販売価格への転嫁等によりできる限りの吸収をはかっておりますが、吸収しうる範囲には限界があり、それを超えて高騰が続く場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

⑥ 製品品質保証・製造物責任に係るリスク

 当社グループは、製品の品質保証体制を確立し、製品の安全性確保および流出防止に努めております。また、万一に備え、賠償責任保険も付保しております。しかし、当社グループが製造した製品に起因する損害が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

⑦ 産業事故災害に係るリスク

 当社グループは、保安防災活動に継続的に取り組むなど、日頃から工場の安全確保に努めております。しかし、万一、火災・爆発等の産業事故災害が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

⑧ 地震等自然災害に係るリスク

 当社グループの主要な生産拠点のひとつであるポリプラスチックス株式会社富士工場は「東海地震に係る地震防災対策強化地域」内に立地しており、設備面の対策や地震防災訓練などを実施しております。また、グループの他の事業場においても、防災訓練などの緊急時対応訓練を行っております。しかし、自然災害により重大な損害を被った場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

⑨ 製品・技術の陳腐化に係るリスク

 業界によっては製品の世代交代が早く、当初の販売見込みから販売数量が減少し、個々の研究開発投資を回収できず、当該事業の収益を悪化させる可能性があります。

 末端における価格引下げ圧力が強い製品においては、コストダウンが販売価格低下に追いつかず、当該事業の収益を悪化させる可能性があります。

⑩ 市場の急激な変動に係るリスク

 他社による大型プラントの建設等により供給過剰となった場合や、経済の変調により需要が急激に減少した場合、当該事業の収益を悪化させる可能性があります。

 

⑪ 知的財産権に係るリスク

 当社グループは、「知的財産権の保全・確保に努めるとともに、第三者が権利を有する知的財産権を侵害しない」との行動規範のもと、知的財産関連情報の調査、知的財産権の取得・管理、適切な契約の締結・管理など戦略的な活動に取り組んでおります。しかしながら、当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの予期せぬ警告や訴えを受けたり、第三者に知的財産権を無断で使用される恐れがあります。このような事態が発生した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

⑫ 環境規制に係るリスク

 当社グループは、省エネルギー・省資源活動などを通して地球温暖化防止、資源の有効活用・廃棄物削減などの環境負荷低減および化学物質の適正管理に取り組んでおります。しかしながら、今後環境規制の強化が進むことにより、法令遵守のための設備投資や関連するビジネスの再編成などの事態が発生した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

⑬ 情報セキュリティに係るリスク

 当社グループは、事業を遂行する上で多くの機密情報や個人情報を保有しております。これらの情報を取り扱うにあたり、管理体制の構築、従業員教育の実施およびIT技術動向の変化に応じたセキュリティソフトの導入・更新などの対策をとっております。しかしながら、現時点で予期しえない外部からの不正アクセス等により、これらの情報が流出し、または改ざんされる事態が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度の世界経済は、米国、欧州で景気の回復が続くとともに、中国でも景気の持ち直しの動きがみられました。日本経済においても、景気の緩やかな回復基調が続きました。

 このような環境の中、当社グループは、販売数量を伸ばすとともに継続的なコストダウンを行うなど業績の向上に懸命に取り組んでまいりましたが、原燃料調達価格の上昇に加え、一部主要製品の市況軟化や大竹工場で発生した火災事故の影響を受け、当連結会計年度の業績は前連結会計年度と比較し増収減益となりました。

 当連結会計年度の売上高は4,629億56百万円(前連結会計年度比5.2%増)、営業利益は589億32百万円(前連結会計年度比8.4%減)、経常利益は610億93百万円(前連結会計年度比7.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は370億62百万円(前連結会計年度比14.2%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

セルロース事業部門

 酢酸セルロースは、液晶表示向けフィルム用途の販売数量が減少したものの、その他用途の販売数量が増加したことなどにより、売上高は横這いとなりました。

 たばこフィルター用トウは、世界的に需給が緩んでいる中、主要顧客との関係強化や新規顧客開拓による販売数量の増加、為替の影響があったものの、市況軟化の影響を受け、売上高は微減となりました。

 当部門の売上高は、890億71百万円(前連結会計年度比0.5%減)、営業利益は、原燃料価格の上昇や市況軟化の影響などにより、193億54百万円(前連結会計年度比15.9%減)となりました。

 

有機合成事業部門

 主力製品の酢酸は、網干工場で2年に1度の定期修繕を実施したことにより販売数量が減少したものの、市況の上昇などにより、売上高は増加いたしました。

 合成品は、販売数量の増加や原燃料価格の上昇に伴う販売価格の改定などにより、売上高は増加いたしました。

 機能品は、平成29年7月18日に大竹工場で発生した火災事故の影響で過酢酸誘導体の販売数量が減少したものの、その他製品の電子材料分野への販売数量が増加したことや、コスメ・ヘルスケア分野の需要が堅調に推移したことなどにより、売上高は横這いとなりました。

 光学異性体分離カラムなどのキラル分離事業は、カラムや充填剤の販売が増加したことや、インドでの新規事業が伸びたことなどにより、売上高は増加いたしました。

 当部門の売上高は、820億43百万円(前連結会計年度比7.7%増)、営業利益は、原燃料調達価格の上昇や、研究開発費、減価償却費の増加、火災事故の影響などにより、79億18百万円(前連結会計年度比31.4%減)となりました。

 

合成樹脂事業部門

 ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどのエンジニアリングプラスチック事業は、自動車部品およびスマートフォンの需要増加、ならびに新規採用が進んだことによる販売数量の増加や原燃料価格上昇に伴う販売価格の改定、為替の影響などにより、売上高は増加いたしました。

 ABS樹脂、エンプラアロイ樹脂を中心とした樹脂コンパウンド事業は、海外を中心に販売数量が減少したものの、原燃料価格上昇に伴う販売価格の改定や為替の影響などにより、売上高は増加いたしました。

 シート、成形容器、フィルムなどの樹脂加工事業は、シートの販売が減少し、売上高は減少いたしました。

 当部門の売上高は、1,682億60百万円(前連結会計年度比7.2%増)、営業利益は、原燃料調達価格上昇の影響があったものの、販売数量の増加などにより、232億53百万円(前連結会計年度比7.9%増)となりました。

 

火工品事業部門

 自動車エアバッグ用インフレータ(ガス発生器)などの自動車安全部品事業は、インフレータの販売数量増加や為替の影響などにより、売上高は増加いたしました。

 防衛関連製品などの特機事業は、一部製品の防衛省による調達数量減少により、売上高は減少いたしました。

 当部門の売上高は、1,171億86百万円(前連結会計年度比5.4%増)、営業利益は、販売数量の増加などにより、221億73百万円(前連結会計年度比4.2%増)となりました。

 

その他部門

 水処理用分離膜モジュールなどのメンブレン事業の売上高は横這いとなりました。

 運輸倉庫業など、その他の事業の売上高は増加いたしました。

 当部門の売上高は、63億94百万円(前連結会計年度比2.4%増)、営業利益は、7億53百万円(前連結会計年度比1.6%増)となりました。

 

 財政状態は、次のとおりであります。

 総資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金及びたな卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比し443億70百万円増加し6,440億78百万円となりました。

 負債は、長期借入金や繰延税金負債の減少等がありましたが、支払手形及び買掛金や社債の増加等により、前連結会計年度末に比し302億58百万円増加し、2,305億36百万円となりました。

 また、純資産は、4,135億41百万円となりました。純資産から非支配株主持分を引いた自己資本は3,848億76百万円となり、自己資本比率は59.8%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し320億14百万円増加し、1,282億90百万円(前連結会計年度末比33.3%増)となりました。

営業活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は668億88百万円(前連結会計年度は、861億68百万円の増加)となりました。資金増加の主な内容は、税金等調整前当期純利益592億29百万円及び減価償却費322億29百万円であり、資金減少の主な内容は、法人税等の支払額166億7百万円であります。

投資活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は331億89百万円(前連結会計年度は、347億22百万円の減少)となりました。資金減少の主な内容は、有形固定資産の取得による支出321億10百万円であります。

財務活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は19億62百万円(前連結会計年度は、199億42百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、社債の発行による収入298億49百万円であり、資金減少の主な内容は、長期借入金の返済による支出44億99百万円、自己株式の取得による支出99億79百万円、配当金の支払額114億12百万円及び非支配株主への配当金の支払額81億53百万円であります。

生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

生産高(百万円)

前年同期比(%)

セルロース事業

79,853

△5.41

有機合成事業

69,254

12.47

合成樹脂事業

167,380

11.59

火工品事業

113,085

3.83

報告セグメント計

429,573

6.09

その他

2,268

△3.65

合計

431,842

6.04

 (注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

b. 受注実績

 受注生産を行っているのは専ら火工品事業のうちの特機関連部門であり、主として発射薬等で受注状況は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

火工品事業

8,701

15.6

9,667

23.8

 (注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

c. 販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年4月1日

至 平成30年3月31日)

販売高(百万円)

前年同期比(%)

セルロース事業

89,071

△0.45

有機合成事業

82,043

7.68

合成樹脂事業

168,260

7.21

火工品事業

117,186

5.38

報告セグメント計

456,561

5.24

その他

6,394

2.40

合計

462,956

5.20

 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績等

 中期計画『3D-Ⅲ』では、最終年度となる平成31年度の売上高5,000億円、営業利益700億円を目標とし、ROE(自己資本利益率)と売上高営業利益率を重視する経営指標としております。

 『3D-Ⅲ』の初年度である当連結会計年度は、目標値の達成に向け売上高を着実に伸ばしてまいりましたが、営業利益は、原燃料調達価格の上昇に加え、たばこフィルター用トウの市況軟化や大竹工場の火災事故の影響などもあり、減少することとなりました。

 当社グループは、中長期的に資本コストを上回るROEの向上に取り組むため、平成31年度までROE10%以上を継続させることを目指しております。当連結会計年度におけるROEは9.8%(前連結会計年度比2.4ポイント低下)となりました。また、当連結会計年度の売上高営業利益率は12.7%(前連結会計年度比1.9ポイント低下)となりました。

 ベストソリューションを通じた付加価値の向上、コストダウンの徹底による収益力強化や生産能力の向上などにより、これらの指標の改善を進めていきます。

 

経営成績

売上高および営業利益

 売上高、営業利益の概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 なお、米ドルに対する円の為替レートの変動によって、当連結会計年度の売上高および営業利益は前連結会計年度に比し、それぞれ55億円、15億円増加したと試算されます。

 

営業外損益

 営業外損益は22億円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比し3億円改善いたしました。

 主に為替損益の改善や持分法による投資利益の増加によるものであります。

特別損益

 特別利益は52億円を計上いたしました。投資有価証券売却益39億円などによるものであります。

 特別損失は70億円を計上いたしました。固定資産除却損23億円のほか、環境対策引当金繰入額40億円などによるものであります。

法人税等

 税効果会計適用後法人税の負担率(実効税率)は24.9%と、前連結会計年度に比し2.8ポイント増加いたしました。

非支配株主に帰属する当期純利益

 非支配株主に帰属する当期純利益は74億円と、前連結会計年度に比し5億円(6.9%)増加いたしました。

親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は371億円と、前連結会計年度に比し61億円(14.2%)の減益となりました。

 また、ROEは9.8%となり、前連結会計年度に比し2.4ポイント低下いたしました。

財政状態

 資産、負債および純資産の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 なお、社債300億円を発行したこと等により、有利子負債比率は15.5%となりました。

 また、平成29年8月3日取締役会決議に基づく自己株式の取得を100億円実施しております。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営に重要な影響を与える要因としては市場動向、為替動向、原燃料費動向、事故・災害等があります。

 市場動向については、国内市場だけでなくグローバル市場におけるリスク対応力をもさらに高めるため、企業統治体制を高度化していきます。

 為替動向については、為替リスクの低減を図るため、タイムリーな為替予約の実施によるリスクヘッジに取り組んでおります。

 原燃料費動向については、主要原料であるメタノールに関し、長期契約やメタノール製造会社への出資など、比較的安価なメタノールを安定的に購入するための手段を講じております。その他原燃料に関しては、常に安価かつ価格の安定した原燃料への転換や、製造方法改善によるコストダウンを図っており、また原燃料の高騰が続く場合には、製品販売価格への転嫁等によりできる限りの吸収を図ります。

 事故・災害等については、保安防災活動に継続的に取り組むなど、日頃から工場の安全確保に取り組んでおります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資金需要

 当社グループにおける主な運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入、労務費など製造費用と、製品の仕入、販売費及び一般管理費等の支払いであります。

 当社グループでは、製造設備の増強および更新などのほか、安全向上対策ならびに現業各設備の合理化・省力化を継続的に行っております。当連結会計年度の設備投資額は前連結会計年度に比し87億円減少し、308億円(前連結会計年度比22.0%減)、減価償却費は前連結会計年度に比し27億円増加し、317億円(前連結会計年度比9.3%増)となりました。

 当社グループでは、既存事業の強化拡大および新事業創出のための研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費は前連結会計年度に比し20億円増加し、188億円(前連結会計年度比12.1%増)となりました。

 

財務政策

 当社グループは、設備投資計画に照らして、必要な資金を銀行借入や社債発行により調達しております。短期的な運転資金は、キャッシュマネジメントサービスを通じてグループ内で余剰資金を活用しておりますが、地域、通貨、金利動向等を考慮した結果、銀行借入による調達を行う場合があります。当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は997億円であります。

 利益配分に関しては、平成29年度から3年間の中期計画『3D-Ⅲ』におきましては、配当性向30%を目標とし、自己株式の取得につきましても配当を補完する株主還元策として機動的に実施してまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

  合弁関係

株式会社ダイセル(当社)

締結先

合弁会社名

設立の目的

資本金

設立年月日

Celanese Netherlands

Holdings B.V.

(オランダ)

ポリプラスチックス㈱

(連結子会社)

ポリアセタール樹脂他の製造・販売

3,000百万円

当社出資比率

55%

昭和39年5月8日

KHネオケム㈱

JNC㈱

協同酢酸㈱

(連結子会社)

メタノール法による酢酸の製造・販売

3,000百万円

当社出資比率

87%

昭和52年7月5日

三菱ケミカル㈱

富山フィルタートウ㈱

(持分法適用関連会社)

たばこフィルター用トウの製造・販売

50百万円

当社出資比率

35%

平成24年10月1日

 

ポリプラスチックス株式会社(連結子会社)

締結先

合弁会社名

設立の目的

資本金

設立年月日

長春石油化学股份有限公司

(台湾)

長春人造樹脂厰
股份有限公司(台湾)

長連産業股份有限公司

(台湾)

Polyplastics Taiwan

Co., Ltd.(台湾)

(連結子会社)

ポリアセタール樹脂の製造・販売

1,590百万NT$

ポリプラスチックス㈱
出資比率

75%

昭和63年6月18日

三菱瓦斯化学㈱

Korea Engineering

Plastics Co., Ltd.(韓国)

Ticona LLC(アメリカ)

ピーティーエム・ホールディングス㈱

(連結子会社)

PTM Engineering

Plastics

(Nantong) Co.,

Ltd.の持株会社

10百万円

ポリプラスチックス㈱
出資比率

70.1%

平成14年7月15日

 

Daicel (China) Investment Co., Ltd. (連結子会社)

締結先

合弁会社名

設立の目的

資本金

設立年月日

西安北方恵安化学工業有限公司(中国)

陜西中煙投資管理有限公司(中国)

Xi'an Huida Chemical

Industries Co., Ltd.

(中国)

(持分法適用関連会社)

たばこフィルター用トウの製造・販売

248百万元

Daicel

(China)

Investment

Co., Ltd.
出資比率

30%

平成4年7月1日

西安北方恵安化学工業有限公司(中国)

陜西中煙投資管理有限公司(中国)

Ningbo Da-An Chemical

Industries Co., Ltd.

(中国)

(持分法適用関連会社)

酢酸セルロース等の製造・販売

517百万元

Daicel

(China)

Investment

Co., Ltd.
出資比率

30%

平成17年3月11日

西安北方恵安化学工業有限公司(中国)

陜西中煙投資管理有限公司(中国)

Ningbo Da-An Chemical Industries Co., Ltd.

(中国)

(持分法適用関連会社)

Xi'an Da-An Chemical Industries Co., Ltd.

(中国)

たばこフィルター用トウの製造・販売

210百万元

Ningbo Da-An Chemical Industries

 Co., Ltd.

出資比率

100%

平成24年5月9日

(注)合弁会社として記載しておりますXi'an Da-An Chemical Industries Co., Ltd.は、Ningbo Da-An Chemical Industries Co., Ltd.の100%出資でありますが、同社が西安北方恵安化学工業有限公司(中国)、陜西中煙投資管理有限公司(中国)およびDaicel (China) Investment Co., Ltd.の合弁会社であることから、Xi'an Da-An Chemical Industries Co., Ltd.につきましては、合弁会社とみなして記載しております。

 

5【研究開発活動】

当社グループ(当社および連結子会社)では、既存事業の強化拡大および新事業創出のための研究開発に取り組んでおります。

研究開発人員は、グループ全体で1,183名であり、これは総従業員数の10%にあたります。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、188億43百万円であります。

平成29年5月に発表した中期計画『3D-Ⅲ』に基づき、研究開発部門は引き続き、新規事業の創出、既存事業の強化に取り組んでおります。新規事業の創出に関しては、注力領域であるメディカル・ヘルスケア、エレクトロニクスの分野で定めた5つの「新規事業ユニット候補」に経営資源を集中して投下いたします。これらの取り組みを具体的に実行するため、平成29年4月1日に新たに「新事業開発室」を発足いたしました。

また、新製品や革新的プロセス技術の研究、高効率の生産設備の検討など、ダイセルグループのさまざまな技術の変革・革新を推し進める中核拠点として、平成29年4月1日に「イノベーション・パーク」(兵庫県姫路市)を開設いたしました。研究開発、生産技術、エンジニアリング、環境・安全などの技術スタッフが同じ執務室に集まり、営業部門などの社内関連部門だけでなく、社外の顧客や協力会社とも活発なコミュニケーション、協業ができる施設として、イノベーション・パーク内に新棟「iCube(アイ・キューブ)」を開所いたしました。コミュニケーションを活性化し、ワークスタイルの変革をもたらしていくことで、新規商材開発から量産技術の確立、事業化の加速を図り、新規事業の創出を推進いたします。

オープンイノベーションの取り組みとして、国立大学法人大阪大学と平成28年に開始した高速エネルギー治療学共同研究講座に引き続き、高エネルギー体の燃焼時に生じる衝撃現象の根本原理の解明とそれに基づく利用技術の開発を行う衝撃科学共同研究講座を平成29年4月より開始いたしました。

また、平成29年7月1日より、合同会社ウェルネスオープンリビングラボ(以下「WOLL」という。)に出資参加いたしました。WOLLは、健康寿命延伸のため、認知症などの健康科学関連の課題解決を目標として設立された合同会社で、新たな研究領域の開拓による製品・サービスの提供、データの利活用による健康増進など、さまざまな活動への寄与を目指しております。その取り組みに当社が参画することで、人々の健康寿命の延伸に貢献するソリューションの開発、提供を加速してまいります。

さらに、平成29年8月25日に公立大学法人兵庫県立大学と包括連携協定を締結いたしました。互いの知見と人材の活用を図り、グローバル時代における当社の創業地の一つである兵庫県の存在感を強めるべく、地域産業の育成と地域から世界に向けたイノベーション発信を行ってまいります。

新事業創出に繋がる新たなモノづくりの仕組みを構築するため、平成29年12月1日に生産技術本部に「メカトロ技術センター」と「シミュレーション技術センター」を設置し、メカトロニクス技術とシミュレーション技術の基盤技術強化および全社展開加速に取り組んでおります。

セグメント別の活動状況は以下のとおりであります。

(1)セルロース事業

当社が中心となって、酢酸セルロース、たばこフィルター用トウの競争力強化のため、プロセス革新技術による製造プラントへの適応を進めております。また、セルロースをベースとした新用途開拓や新製品開発にも力を入れております。当事業に係る研究開発費は14億72百万円であります。

(2)有機合成事業

当社が中心となって、酢酸製造技術の改良研究、過酢酸誘導体、コスメ、電子材料向け有機機能品の開発・商品化、新規光学異性体分離カラムおよび分離精製用関連製品の開発などを行っております。また、高機能材料開発では、半導体レジスト、プリンテッドエレクトロニクス向けに樹脂材料ならびに機能性溶剤の開発を進めております。一方、既存製品の競争力強化のため、プロセス革新技術により製造プラントへの適応を進めております。当事業に係る研究開発費は41億81百万円であります。

(3)合成樹脂事業

ポリプラスチックス㈱およびダイセルポリマー㈱が中心となって、エンジニアリングプラスチックの高品質化および環境対応、高機能樹脂やポリマーアロイの開発、スチレン製品の商品開発などを行っております。当事業に係る研究開発費は35億92百万円であります。

(4)火工品事業

当社が中心となって、自動車エアバッグ用新規ガス発生剤や新規インフレータの研究開発、および緊急脱出装置用関連製品の開発を行っております。当事業に係る研究開発費は35億51百万円であります。

(5)その他事業

ダイセン・メンブレン・システムズ㈱において分離膜および膜装置システムの開発などを行っております。当事業に係る研究開発費は1億56百万円であります。

(6)コーポレート

当社では、新規事業創出のための研究開発や基盤研究をコーポレート部門が行っております。その研究開発費は58億89百万円であります。

当社独自の素材の強みを活かし、加工度を上げて、高度な機能を持つ製品群をお客様に提案することのできる事業の創出を目指し、市場開拓・顧客開拓が進んだ機能フィルム、光学部材、医薬品添加剤、機能性食品素材などの機能性材料の事業化を進めております。