第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 会社経営の基本方針

 世の中が変化しても変えてはいけない当社グループが大切にする思いを示すため、基本理念の表現を改めるとともに、サステナブル経営方針を定めました。

 

<基本理念>

「価値共創によって人々を幸せにする会社 ~ Sustainable Value Together ~ 」

 

<サステナブル経営方針>

・人々の豊かな生活を実現する新しい価値を創造し提供します

  Sustainable Product

・全てのステークホルダーとともに地球環境と共生する循環型プロセスを構築します

  Sustainable Process

・多様な社員が全員、存在感と達成感を味わいながら成長する「人間中心の経営」を

進めます

  Sustainable People

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標

 当社グループが変わらず大切にする思いとともに、今後大胆に変えなければならないことを、2020年度を開始年度とする新長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』および新中期戦略『Accelerate 2025』で明確にいたしました。

 

①長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』の概要

 

 めざすこと

  ・社会と人々の幸せに貢献する

 ・地球や人にやさしい方法で実現する

 ・働く人がやりがいを実感できる

 四つのトリガーと注力する市場

 ・健康(ヘルスケア)

   コスメ・健康食品・メディカル

 ・安全・安心(セイフティ)

   モビリティ・インダストリー

 ・便利・快適(スマート)

   ディスプレイ・IC/半導体・センシング

 ・環境

   水処理・生分解性樹脂

 

 成長&加速戦略

 ・Operation-Ⅰ 原ダイセル

   現状の事業に加え注力するドメインを含めた領域

 ・Operation-Ⅱ 新ダイセル

   既存事業の周辺領域で M&A や提携による領域拡大

 ・Operation-Ⅲ 新企業集団

   垂直統合型のサプライチェーンに水平方向の統合を視野に入れたクロスバリューチェーン

 

②中期戦略『Accelerate 2025』の概要

 本中期戦略は長期ビジョンで示す「原ダイセル」と「新ダイセル」の実行と「新企業集団」の実行準備を同時に進めるフェーズとして位置づけております。

 

1.全社戦略

 クロスバリューチェーン実現に向けた取り組み

 ・サプライチェーンの垂直/水平方向との連携

  ・新企業集団を見据えた、組織変更に対して柔軟に組み替え可能なデジタルアーキテクチャの構築

 事業ポートフォリオ

 ・「健康」・「安全・安心」・「便利・快適」・「環境」における価値提供型事業へシフト

 ・ビジネスユニット(BU)の特性に応じた KPI の設定とその進捗による資源配分

 

2.事業戦略

 事業領域ごとのありたい姿と主要施策

 ・ヘルスケア SBU

   ありたい姿

    ヘルスケア分野において特徴ある素材・技術で微と健康に貢献し続ける

   主要施策

    コスメBU  :化粧品市場でさらなら存在感のあるプレーヤーへ

    健康食品BU :独自素材/エビデンスに強みを持つプレーヤーへ

 ・メディカル SBU

   ありたい姿

    キラルを中心とする低分子から、成長市場の中・高分子/バイオ製薬市場でソリューションを提供し続ける

   主要施策

    Analytical Tools BU  :キラル事業を軸に分離・分析市場で新たな価値提供へ

    Pharma Service BU   :製薬市場での開発を加速させるサービスを提供する事業へ

    Specialty chemical BU :医薬品開発用試薬・標品のグローバルサプライヤーへ

    Biotech BU       :診断市場を中心に製品・サービスを提供する事業へ

 ・スマート SBU

   ありたい姿

    快適なスマート社会に必要な技術・製品で、ソリューションを提供し続ける

   主要施策

    ディスプレイBU :多様化するディスプレイ市場に応えるプレイヤーへ

    センシングBU  :可視化技術の新たなパイオニアへ

 ・セイフティ SBU

   ありたい姿

    火工技術と自動車安全領域で培ったノウハウを土台に新たな安全安心を社会に提供し続ける

   主要施策

    モビリティBU   :次世代モビリティの安全・安心を支える新たな価値提供へ

    インダストリーBU :火工技術で創造する安全安心を更に広い領域へ

 ・マテリアル SBU

   ありたい姿

    ダイセルの原点である素材事業で培った技術で地球規模のニーズに多様なソリューションを提供し続ける

   主要施策

    アセチルBU :素材の力で世界中の人々のより豊かな生活を実現へ

    ケミカルBU :社会変化に適応したモノづくりによるソリューションを世界へ

 ・エンジニアリングプラスチックセグメント

   ありたい姿

    持続可能な社会に向けてエンプラをはじめとする素材の力でソリューションを提供し続ける

   主要施策

    ポリプラスチックス :世界に認められるエンプラNo.1のSolution Providerへ

    ダイセルミライズ  :樹脂・化成品・ライフ分野で社会・顧客ニーズを解決へ

 

3.機能別戦略

 事業創出力

 ・R(Research:ユーザー目線によるシーズの掘り起こし)と

  D(Development:事業化力の強化)の自立

 ・Proactive IP(開発、事業化のアンテナ機能)、R、D の相互作用による事業創出

 プロダクション

 ~現場の力を結集し、バーチャルカンパニーでパートナーに価値を提供する

 ・安全・品質のあくなき追及

 ・究極のアセットライト

 ・現場活躍の基盤強化

 デジタルトランスフォーメーション

 ~あらゆる業務領域への AI、IoT の活用で働き方を改革

 変える!変わる!人事

 ~多様な社員が存在感と達成感を味わいながら成長

 

4.経営目標/株主還元

 2025年度ターゲット

 ・ROIC 10.0%

 ・EBITDA 1,000億円超

 ・営業利益 最高益更新

 資本政策、株主還元

 ・資産効率の最大化と最適資本構成の実現

 ・資金調達力維持のための健全性確保

 ・安定的かつ連結業績を反映した配当ダイセルグループ基本理念

 

※上記のうち、将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、確実性を保証するものではありません。

 

(3) 経営環境及び会社の対処すべき課題

 今後の世界経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により、サプライチェーンの分断による生産活動の低下、消費マインドの悪化による需要減少などに加え、金融・商品市場の大きな変動も予想され、さらには地政学リスクが懸念材料としてくすぶるなど、先行きは極めて不透明であり、当社グループを取り巻く環境も予断を許さないものと認識しております。今般の世界規模で拡大した新型コロナウイルス感染症が人々の生活様式や企業活動を大きく変化させましたが、そのような中にあっても、当社グループが、企業の存続基盤である安全・品質・コンプライアンスを最優先に、人にやさしいモノづくりの実現に取り組んでいくことに何ら変わりはありません。感染予防・感染拡大防止対策を徹底し、お客様への商品の安定供給と各種サービス活動を継続するとともに、このような予期せぬ環境変化にも迅速、柔軟に対応できる組織や仕組みに改革し、不透明な状況でも、業績回復と次の成長に向けた取り組みを強力に推進してまいります。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、ここに記載した事項は、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

 また、将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日(2020年8月7日)現在において判断したものであります。

 

(1) 市場リスク

①市場の急激な変動に係るリスク

 経済の変調により需要が急激に減少した場合、また他社による大型プラントの建設等により供給過剰となった場合は当該事業の収益を悪化させる可能性があります。

 当社グループの製品は多岐に亘る分野に使用されており、特に自動車、電機、半導体、医療などの各業界における需要の変動に大きな影響を受けます。

②為替変動に係るリスク

 為替相場の変動は、当社グループの輸出入取引に係る交易条件、および海外グループ会社の業績の邦貨換算結果等に対して影響を与えます。

 通常、円安は当社グループの業績に好影響を及ぼし、円高は悪影響を及ぼすと考えております。また、海外グループ会社においては、その所在国通貨と異なる外国通貨との為替相場変動により、業績等に影響を及ぼす可能性もあります。

 これら為替変動に係るリスクに対して、先物為替予約取引などを用いてヘッジを行っておりますが、当該リスクを完全に回避できる保証はなく、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

 当社グループの海外売上高比率は、2020年度3月期において54%であります。また、当社の試算では米ドル・円のレートが1円変動すると、連結売上高で年間約21億円、連結営業利益で年間約6億円の変動をもたらすと算定しております。

③主要原料(メタノール)の価格変動に係るリスク

 当社グループは、主力製品の酢酸やポリアセタール樹脂の原料として、メタノールを大量に購入しております。長期契約やメタノール製造会社への出資など、比較的安価なメタノールを安定的に購入するための手段を講じておりますが、メタノール市況が上昇した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

④その他原燃料価格の変動に係るリスク

 当社グループは、常に安価かつ価格の安定した原燃料への転換や、製造方法改善によるコストダウンをはかっております。原燃料の高騰が続く場合には、これらに加えて、製品販売価格への転嫁等によりできる限りの吸収をはかっておりますが、吸収しうる範囲には限界があり、それを超えて高騰が続く場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(2) 事業リスク

①海外事業展開拡大に係るリスク

 当社グループは、中国・アジア地域を中心に、北米・ヨーロッパなど海外事業展開を拡大しつつありますが、海外での事業活動では、予期しえない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、人材の採用・確保の困難等、テロ、戦争による社会的又は政治的混乱等のリスクが存在します。これらのリスクが現実化する場合、当社グループの海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの業績および今後の事業計画に悪影響を与える可能性があります。

②原材料等の調達に係るリスク

 当社グループは、原材料を複数のサプライヤーから購入することにより安定調達を図り、生産に必要な原材料が十分に確保されるよう努めております。しかしながら、複数のサプライヤーからの調達を進めてはいるものの、一部の特殊な原材料については限られたサプライヤーに依存する場合があります。また、サプライヤーの被災、事故、倒産などによる原材料の供給中断、需要の急増による供給不足が発生した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

③資本提携・企業買収等に係るリスク

 当社グループは、さらなる事業成長を目指し国内外における企業買収・資本提携等に取り組んでおります。これらの投資について予期した通りの成果が獲得できない場合、また事業環境等の急激な変化により事業計画に大幅な修正が生じた場合には、のれんの減損や投資損失が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

(3) 環境リスク

①感染症に係るリスク

 新型インフルエンザや新型コロナウイルスなどの重大な感染症については、感染拡大予防のために経済活動の制限が行われたり、または感染症が蔓延し、社員・取引先での罹患者が大量に発生した場合は、プラントの稼働低下や生産停止、サプライチェーンの分断などが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

②自然災害に係るリスク

 当社グループの主要な生産拠点のひとつであるポリプラスチックス株式会社富士工場は「東海地震に係る地震防災対策強化地域」内に立地しており、設備面の対策や地震防災訓練などを実施しております。また、グループの他の事業場においても、防災訓練などの緊急時対応訓練を行っております。

 しかし、自然災害により重大な損害を被った場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

③環境規制に係るリスク

 環境保全に対する社会要請の高まりにより、環境規制の強化が進み、法令遵守のための設備投資や関連するビジネスの再編成などの事態が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

④気候変動に係るリスク

 当社グループは、全てのステークホルダーとともに、地球環境と共生する循環型プロセスの構築を目指し、持続可能な低炭素社会の実現に向けて、生産プロセスの抜本的な見直しや新技術の導入、グループ全体のエネルギー使用最適化など、省エネルギーに努め、GHG(温室効果ガス)排出量の削減に取り組んでおります。

 しかしながら、気候変動に伴う異常気象等が当社グループの工場の操業やサプライチェーンに影響を与える物理的リスクや、低炭素社会への移行に対応できずに原燃料価格や電力価格が上昇するリスクは、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(4) 品質・製造リスク

①製品品質保証・製造物責任に係るリスク

 当社グループは、製品の品質保証体制を確立し、製品の安全性確保および流出防止に努めております。また、万一に備え、賠償責任保険も付保しております。しかし、当社グループが製造した製品に起因する損害が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

②事故に係るリスク

 当社グループは、保安防災活動に継続的に取り組むなど、日頃から工場の安全確保に努めております。しかし、万一、火災・爆発等の産業事故災害が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(5) 研究開発リスク

①研究開発及び技術人材の確保に係るリスク

 当社グループでは、既存事業の強化および新規事業創出のため積極的に研究開発活動を行っております。しかし、技術革新のスピードが速くタイムリーに新製品の開発ができないなど、期待した成果が得られず計画を断念することになった場合には、投下した研究開発費を回収できないため、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、これらの研究開発体制の維持・強化のためには、高度な技術を持った人材の確保が不可欠であり、技術者が十分に確保できない場合には当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

②知的財産権に係るリスク

 当社グループは、「知的財産権が重要な資産であることを認識し、その保全・確保に努めるとともに、第三者が保有する知的財産権についてもその権利を尊重します」との行動規範のもと、知的財産関連情報の調査、知的財産権の取得・管理、適切な契約の締結・管理など戦略的な活動に取り組んでおります。しかしながら、当社グループが第三者の知的財産権を侵害しているとの予期せぬ警告や訴えを受けたり、第三者に知的財産権を無断で使用される恐れがあります。このような事態が発生した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(6) コンプライアンスリスク

①訴訟に係るリスク

 当社グループは、国内外の法令遵守に努めております。しかしながらグローバル、かつ多様な分野で事業を行う中で、訴訟、係争、その他の法的手続きの対象となるリスクがあり、重要な訴訟等の提起を受ける可能性があります。

 裁判等において不利益な決定や判決がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

②情報セキュリティに係るリスク

 当社グループは、事業を遂行する上で多くの機密情報や個人情報を保有しております。これらの情報を取り扱うにあたり、管理体制の構築、従業員教育の実施およびIT技術動向の変化に応じたセキュリティソフトの導入・更新などの対策をとっております。

 しかしながら、通信ネットワークに生じた障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウエアもしくはソフトウエアの不具合・欠陥、コンピュータウィルス・マルウェア等外部からの不正な手段によるコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為や役職員の過誤等により、これらの情報が流出し、または改ざんされる事態が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

(7) その他のリスク

 固定資産の減損に係るリスク

 当社グループが自ら使用、または第三者に貸与する機械及び装置、土地及び建物などは、投資計画どおりに収益が得られず、投資額の回収が見込めないなど資産価値の下落に起因する潜在的な減損のリスクにさらされています。当連結会計年度末において、有形固定資産及び無形資産の帳簿価額の合計は2,177億円です。固定資産の減損損失が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度の世界経済は、米中貿易摩擦の深刻化、中国の景気減速、日韓関係の悪化に加え、新型コロナウイルスの感染拡大など、先行き不透明な状況のうちに推移しました。

このような環境の中、当社グループは、コストダウンを徹底するとともに、基盤強化の取り組みを加速させるなど業績の向上に懸命に取り組んでまいりましたが、中国の景気減速の影響や自動車エアバッグ用インフレータ(ガス発生装置)の他社リコール代替品供給の終息に伴う販売品種構成の変化などの影響を受けました。さらに第4四半期に新型コロナウイルス感染症拡大による中国での需要減少により、自動車エアバッグ用インフレータやエンジニアリングプラスチックなどの販売が減少したこともあり、当連結会計年度の業績は前年度と比較し減収減益となりました。

当連結会計年度の売上高は4,128億26百万円(前年度比11.2%減)、営業利益は296億44百万円(同42.1%減)、経常利益は317億81百万円(同40.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、火工品事業で147億57百万円の減損損失を特別損失として計上したこともあり、49億78百万円(同85.9%減)となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

セルロース事業部門

 酢酸セルロースは、たばこフィルター用途や、液晶表示向けフィルム用途の販売数量減少などにより、減収となりました。

 たばこフィルター用トウは、世界的に需給が緩んでいる中、主要顧客でのシェア拡大や新規顧客開拓に取り組んだことにより、販売数量は増加し、増収となりました。

 当部門の売上高は、757億44百万円(前年度比9.0%減)、営業利益は、酢酸セルロースの販売数量の減少などにより、114億71百万円(同28.3%減)となりました。

 

有機合成事業部門

 主力製品の酢酸及び合成品は、市況の下落および中国の景気減速の影響などによる国内外の販売数量の減少により、減収となりました。

 機能品は、需給の逼迫が続いている脂環式エポキシの販売数量が増加したものの、中国の景気減速などの影響により自動車分野、電子材料分野、化粧品分野向け製品の需要が減少し、全体としては、減収となりました。

 光学異性体分離カラムなどのキラル分離事業は、充填剤の販売などが減少したものの、新規事業が順調に伸びたことにより、売上高は横這いとなりました。

 当部門の売上高は、801億42百万円(前年度比10.5%減)、営業利益は、製品市況の下落などにより、101億円(同29.8%減)となりました。

 

合成樹脂事業部門

 ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどのエンジニアリングプラスチック事業は、中国の景気減速による自動車生産台数の減少やスマートフォンの需要低迷、第4四半期における新型コロナウイルス感染拡大の影響により、減収となりました。

 ABS樹脂、エンプラアロイ樹脂を中心とした樹脂コンパウンド事業は、中国の景気減速や第4四半期における新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより、販売数量が減少し、減収となりました。

 シート、成形容器、フィルムなどの樹脂加工事業は、主に高機能フィルムの販売が増加したものの、シートなどの販売が減少したことにより、減収となりました。

 当部門の売上高は、1,657億79百万円(前年度比5.7%減)、営業利益は、販売数量の減少などにより、201億9百万円(同2.5%減)となりました。

 

火工品事業部門

 自動車エアバッグ用インフレータ(ガス発生装置)などの自動車安全部品事業は、新車用通常ビジネスでは国内や中国市場での拡販を進めたものの、第4四半期に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、販売数量は前年並みとなりました。事業全体としては、他社リコール代替品供給が終息に向かっているため、販売数量が減少し、減収となりました。

 防衛関連製品などの特機事業は、販売数量の減少などにより、減収となりました。

 当部門の売上高は、812億76百万円(前年度比24.7%減)、営業利益は、自動車エアバッグ用インフレータの他社リコール代替供給の縮小により、34億71百万円(同77.7%減)となりました。

 

その他部門

 その他部門は、前年度に買収した海外の製剤事業会社が寄与したことなどにより、増収となりました。

 当部門の売上高は、98億84百万円(前年度比18.2%増)、営業利益は、のれん償却負担の増加により、3億70百万円(同37.2%減)となりました。

 

 財政状態は、次のとおりであります。

 総資産は、有形固定資産の増加等がありましたが、現金及び預金や受取手形及び売掛金の減少等により、前連結会計年度末に比し567億99百万円減少し5,979億92百万円となりました。

 負債は、支払手形及び買掛金、社債や環境対策引当金の減少等により、前連結会計年度末に比し261億39百万円減少し、2,054億8百万円となりました。

 また純資産は、3,925億83百万円となりました。純資産から非支配株主持分を引いた自己資本は3,625億45百万円となり、自己資本比率は60.6%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し393億42百万円減少し、806億74百万円(前連結会計年度末比32.8%減)となりました。

営業活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は571億93百万円(前連結会計年度は、585億23百万円の増加)となりました。資金増加の主な内容は、税金等調整前当期純利益166億56百万円および減価償却費293億96百万円であり、資金減少の主な内容は、法人税等の支払額98億20百万円であります。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は458億64百万円(前連結会計年度は、410億95百万円の減少)となりました。資金減少の主な内容は、有形固定資産の取得による支出441億27百万円であります。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は478億83百万円(前連結会計年度は、256億36百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、長期借入れによる収入72億31百万円であり、資金減少の主な内容は、社債の償還による支出100億円、自己株式の取得による支出178億14百万円、配当金の支払額104億10百万円および非支配株主への配当金の支払額48億78百万円であります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

生産高(百万円)

前年同期比(%)

セルロース事業

60,977

△21.28

有機合成事業

78,849

△3.12

合成樹脂事業

157,802

△12.55

火工品事業

77,453

△28.42

報告セグメント計

375,082

△16.18

その他

5,949

42.56

合計

381,032

△15.64

 (注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

b. 受注実績

 受注生産を行っているのは専ら火工品事業のうちの特機関連部門であり、主として発射薬等で受注状況は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

火工品事業

7,804

28.6

9,702

15.5

 (注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

c. 販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

販売高(百万円)

前年同期比(%)

セルロース事業

75,744

△9.01

有機合成事業

80,142

△10.47

合成樹脂事業

165,779

△5.73

火工品事業

81,276

△24.66

報告セグメント計

402,942

△11.73

その他

9,884

18.17

合計

412,826

△11.19

 (注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績等

 中期計画『3D-Ⅲ』では、最終年度となる2019年度の売上高5,000億円、営業利益700億円を目標とし、ROE(自己資本利益率)と売上高営業利益率を重視する経営指標としておりました。

 本中期計画の最終年度である当連結会計年度は、『3D-Ⅲ』目標値の達成に向け取り組んでまいりましたが、中国の景気減速や自動車エアバッグ用インフレータの品種構成の変化、新型コロナウイルス感染症拡大により自動車エアバッグ用インフレータやエンジニアリングプラスチック等の販売が減少したことなどを受け、減収減益となりました。

 当社グループは、中長期的に資本コストを上回るROEの向上に取り組むため、当連結会計年度までROE10%以上を継続させることを目指しておりましたが、上記の減益要因に加え、減損損失計上により親会社株主に帰属する当期純利益が減少したことで、当連結会計年度におけるROEは1.3%(前連結会計年度比7.8ポイント低下)となりました。また、当連結会計年度の売上高営業利益率は7.2%(前連結会計年度比3.8ポイント低下)となりました。

 2020年度を開始年度とする新長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』および新中期戦略『Accelerate 2025』を策定し、2025年度ターゲットとして、ROIC10.0%、EBITDA1,000億円超、営業利益の最高益更新を掲げております。これらの実現へ向け、業績回復と次の成長に向けた取り組みを強力に推進してまいります。

 

経営成績

売上高および営業利益

 売上高、営業利益の概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

営業外損益

 営業外損益は21億円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比し1億円悪化いたしました。

 主に為替損益の悪化によるものであります。

特別損益

 特別利益は27億円を計上いたしました。投資有価証券売却益26億円などによるものであります。

 特別損失は179億円を計上いたしました。固定資産除却損31億円のほか、減損損失148億円などによるものであります。

法人税等

 税効果会計適用後法人税の負担率(実効税率)は31.3%と、前連結会計年度に比し9.3ポイント増加いたしました。

非支配株主に帰属する当期純利益

 非支配株主に帰属する当期純利益は65億円と、前連結会計年度に比し2億円(2.5%)減少いたしました。

親会社株主に帰属する当期純利益

 親会社株主に帰属する当期純利益は50億円と、前連結会計年度に比し303億円(85.9%)の減益となりました。

 また、ROEは1.3%となり、前連結会計年度に比し7.8ポイント低下いたしました。

財政状態

 資産、負債および純資産の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 なお、有利子負債比率は15.5%となりました。

 また、2019年2月21日および2019年11月1日取締役会決議に基づく自己株式の取得を178億円実施しております。

 

② 経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性

キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資金需要

 当社グループにおける主な運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入、労務費など製造費用と、製品の仕入、販売費及び一般管理費等の支払いであります。

 当社グループでは、製造設備の増強および更新などのほか、安全向上対策ならびに現業各設備の合理化・省力化を継続的に行っております。当連結会計年度の設備投資額は前連結会計年度に比し29億円増加し、476億円(前連結会計年度比6.4%増)、減価償却費は前連結会計年度に比し10億円減少し、290億円(前連結会計年度比3.5%減)となりました。

 当社グループでは、既存事業の強化拡大および新事業創出のための研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費は前連結会計年度に比し5億円増加し、213億円(前連結会計年度比2.6%増)となりました。

 

財務政策

 当社グループは、設備投資計画に照らして、必要な資金を銀行借入や社債発行により調達しております。短期的な運転資金は、キャッシュマネジメントサービスを通じてグループ内で余剰資金を活用しておりますが、地域、通貨、金利動向等を考慮した結果、銀行借入による調達を行う場合があります。当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は928億円であります。

 利益配分に関しては、2020年度から6年間の中期戦略『Accelerate 2025』におきましては、

・資産効率の最大化と最適資本構成の実現(ROE≧ROIC≧ROA>WACC)

・資金調達力維持のための健全性確保

・安定的かつ連結業績を反映した配当

これら方針に沿い決定いたします。自己株式の取得につきましても配当を補完する株主還元策として機動的に実施してまいります。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。

 減損損失

 当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産グループについて、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。

 減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当っては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失額の算定に影響を与える可能性があります。

 

 なお、会計上の見積りに対する新型コロナウイルス感染症の影響については「第5.経理の状況(追加情報)」に記載しております。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

  合弁関係

株式会社ダイセル(当社)

締結先

合弁会社名

設立の目的

資本金

設立年月日

Celanese Sales

Netherlands B.V.

(オランダ)

ポリプラスチックス㈱

(連結子会社)

ポリアセタール樹脂他の製造・販売

3,000百万円

当社出資比率

55%

1964年5月4日

KHネオケム㈱

JNC㈱

協同酢酸㈱

(連結子会社)

メタノール法による酢酸の製造・販売

3,000百万円

当社出資比率

87%

1977年7月5日

三菱ケミカル㈱

富山フィルタートウ㈱

(持分法適用関連会社)

たばこフィルター用トウの製造・販売

50百万円

当社出資比率

35%

2012年10月1日

 

ポリプラスチックス株式会社(連結子会社)

締結先

合弁会社名

設立の目的

資本金

設立年月日

長春石油化学股份有限公司

(台湾)

長春人造樹脂厰
股份有限公司(台湾)

長連産業股份有限公司

(台湾)

Polyplastics Taiwan

Co., Ltd.(台湾)

(連結子会社)

ポリアセタール樹脂の製造・販売

1,590百万NT$

ポリプラスチックス㈱
出資比率

75%

1988年6月18日

三菱瓦斯化学㈱

Korea Engineering

Plastics Co., Ltd.(韓国)

Ticona LLC(アメリカ)

ピーティーエム・ホールディングス㈱

(連結子会社)

PTM Engineering

Plastics

(Nantong) Co.,

Ltd.の持株会社

10百万円

ポリプラスチックス㈱
出資比率

70.1%

2002年7月15日

 

Daicel (China) Investment Co., Ltd. (連結子会社)

締結先

合弁会社名

設立の目的

資本金

設立年月日

西安北方恵安化学工業有限公司(中国)

陜西中煙投資管理有限公司(中国)

Xi'an Huida Chemical

Industries Co., Ltd.

(中国)

(持分法適用関連会社)

たばこフィルター用トウの製造・販売

248百万元

Daicel

(China)

Investment

Co., Ltd.
出資比率

30%

1992年7月1日

西安北方恵安化学工業有限公司(中国)

陜西中煙投資管理有限公司(中国)

Ningbo Da-An Chemical

Industries Co., Ltd.

(中国)

(持分法適用関連会社)

酢酸セルロース等の製造・販売

7,322.4万US$

Daicel

(China)

Investment

Co., Ltd.
出資比率

30%

2005年3月11日

西安北方恵安化学工業有限公司(中国)

陜西中煙投資管理有限公司(中国)

Ningbo Da-An Chemical Industries Co., Ltd.

(中国)

(持分法適用関連会社)

Xi'an Da-An Chemical Industries Co., Ltd.

(中国)

たばこフィルター用トウの製造・販売

210百万元

Ningbo Da-An Chemical Industries

 Co., Ltd.

出資比率

100%

2012年5月9日

(注)合弁会社として記載しておりますXi'an Da-An Chemical Industries Co., Ltd.は、Ningbo Da-An Chemical Industries Co., Ltd.の100%出資でありますが、同社が西安北方恵安化学工業有限公司(中国)、陜西中煙投資管理有限公司(中国)およびDaicel (China) Investment Co., Ltd.の合弁会社であることから、Xi'an Da-An Chemical Industries Co., Ltd.につきましては、合弁会社とみなして記載しております。

 

5【研究開発活動】

当社グループ(当社および連結子会社)では、既存事業の強化拡大および新事業創出のための研究開発に取り組んでおります。

研究開発人員は、グループ全体で1,376名であり、これは総従業員数の12%にあたります。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、21,295百万円であります。

 当社グループは、長期ビジョン『Grand Vision 2020』の実現に向け、2020年3月期を最終年とする中期計画『3D-Ⅲ』を遂行しております。本中期計画では、『3D-Ⅰ』『3D-Ⅱ』で進めてきた『ベストソリューション』実現企業に向けた取り組みをさらに発展させ、既存事業の成長および新規事業ユニットの創出を強化しております。

2019年7月、新たに共同研究講座「先導科学技術共同研究講座」と同研究室を国立大学法人金沢大学内に設置し、当社の主力事業であるセルロース分野での新規商材創出を目指しております。

2019年10月1日付でコーポレート部門の組織改革を行いました。生産技術本部の一部機能と研究開発本部、新事業開発室を統合して「事業創出本部」を新設し、新事業テーマの規模拡大、立ち上げ、事業化を加速していきます。さらに保有する製品・技術などと顧客ニーズを結びつけるシンクタンク兼リサーチ機能を持つ、社長直下の「リサーチセンター」も新設いたしました。

2020年1月、当社は、パイクリスタル㈱の発行する株式を取得し、子会社化いたしました。今後のAI/IoTの急速な成長に対応すべく、当社の材料開発力・生産技術とパイクリスタル㈱の最先端技術を融合し有機半導体デバイス(集積回路、センサー)の量産体制を速やかに整え、事業化を加速いたします。

2020年3月、当社は、国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」という。)とアンジェス㈱による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)向けDNAワクチンの共同開発に、当社の細胞内へ薬剤を送達する新規投与デバイス「アクトランザ™ラボ」技術を提供しております。これにより、大阪大学とアンジェス㈱の共同開発、当社の新規投与デバイスを用いた薬剤送達技術でのDNAワクチン開発の加速化、プラスミドDNAの製造技術と製造設備を有するタカラバイオ㈱の製造と、開発から製造までの一貫したプロセスで、出来る限り早い時期の臨床試験開始を目指しております。

 

セグメント別の活動状況は以下の通りです。

 (1) セルロース事業

当社が中心となって、セルロースの特性を活かし、反応および形態加工を施すことによる付加価値のある新規材料、用途開発を進めております。

一方、既存製品である酢酸セルロース、たばこフィルター用トウの競争力強化のため、プロセス革新技術による製造プラントへの適応を継続しております。当事業に係る研究開発費は1,300百万円であります。

 (2) 有機合成事業

当社が中心となって、酢酸製造技術の改良研究、過酢酸誘導体、コスメ、電子材料向け有機機能品の開発・商品化、新規光学異性体分離カラムおよび分離精製用関連製品の開発などを行っております。また、高機能材料開発では、半導体レジスト、プリンテッドエレクトロニクス向けに樹脂材料ならびに機能性溶剤の開発を進めております。一方、既存製品の競争力強化のため、プロセス革新技術により製造プラントへの適応を進めております。当事業に係る研究開発費は4,042百万円であります。

 (3) 合成樹脂事業

ポリプラスチックス㈱およびダイセルポリマー㈱が中心となって、エンジニアリングプラスチックの高品質化および環境対応樹脂、高機能コンパウンド樹脂の開発、スチレン製品の商品開発などを行っております。当事業に係る研究開発費は3,794百万円であります。

 (4) 火工品事業

当社が中心となって、自動車エアバック用新規ガス発生剤や新規インフレータの研究開発を行っております。また、自動車用電流遮断器の開発や産業用アクチュエータの研究開発も行っております。当事業に係る研究開発費は5,143百万円であります。

 (5) その他事業

ダイセン・メンブレン・システムズ㈱において分離膜および膜装置システムの開発などを行っております。当事業に係る研究開発費は295百万円であります。

 (6) コーポレート

当社では、新規事業創出のための研究開発や基盤研究をコーポレート部門が行っております。その研究開発費は6,719百万円であります。

当社独自の素材の強みを活かし、加工度を上げて、高度な機能を持つ製品群をお客様に提供する事業の創出を目指し、市場開拓・顧客開拓が進んだ機能フィルム(車載用途向け等)、オプトセンシング(ウエハレンズおよびカメラモジュール)、医薬品添加剤、機能性食品素材(「エクオール」「セラミド」)、新規投与デバイス(「アクトランザ™ラボ」)などの新規製品の実績化を進めております。

2020年1月、大人の女性のためのウェルエイジング・ブランド「WELLMETHOD®(ウェルメソッド)」から、大豆イソフラボンの腸内代謝物である「エクオール」を配合した、大人の女性の“女性らしさ”を保つためのサプリメント新商品「ソイエクオール®」を発売いたしました。