文中の将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において当社が合理的と判断した一定の前提に基づいたものであります。これらの記載は実際の結果とは異なる可能性があり、確実性を保証するものではありません。
(1) 会社経営の基本方針
世の中が変化しても変えてはいけない当社グループが大切にする考え方を示すため、基本理念の表現を「価値共創によって人々を幸せにする会社 ~ Sustainable Value Together ~ 」と改めるとともに、新たにサステナブル経営方針を定めました。
<サステナブル経営方針>
・Sustainable Product:人々の豊かな生活を実現する新しい価値を創造し提供します
・Sustainable Process:全てのステークホルダーとともに地球環境と共生する循環型プロセスを構築します
・Sustainable People:多様な社員が全員、存在感と達成感を味わいながら成長する「人間中心の経営」を進めます
私たちダイセルの経営方針の最上位にあるのが基本理念です。SDGs実現のために「サステナブル経営方針」を基本理念の直下に位置付けました。またこのサステナブル経営方針をProduct、Process、Peopleの3つの要素で実現します。そして、それを実現するための戦略が長期ビジョンと中期戦略になります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略及び目標とする経営指標
当社グループが変わらず大切にする思いとともに、今後大胆に変えなければならないことを、2020年度を開始年度とする新長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』および新中期戦略『Accelerate 2025』、『Accelerate 2025-II』で明確にいたしました。
① 長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』の概要
注力するドメイン
サステナブル経営方針の具現化に向け、以下の四つのトリガーと注力する市場で価値を提供し、人々の幸せの実現と、当社グループの持続的な成長を目指します。
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四つのトリガー |
注力する市場 |
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健康(ヘルスケア) |
コスメ・健康食品・メディカル |
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安全・安心(セイフティ) |
モビリティ・インダストリー |
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便利・快適(スマート) |
ディスプレイ・IC/半導体・センシング |
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環境 |
水処理・生分解性樹脂 |
長期ビジョン実現への道のり
Operation-I(原ダイセル)では自社の現状の事業に加え、注力するドメインを含めた領域で、事業構造の転換とアセットライト化(徹底したコストダウン)を進めます。
Operation-II(新ダイセル)では、既存事業の周辺領域でのM&Aや提携による領域拡大、既存事業の再編や合弁会社の抜本的見直しに取り組むとともに、グループ全体でのアセット・スーパーライト化を目指します。
Operation-III(新企業集団)では、グループの枠を超えて、まず垂直統合方向のバリューチェーン(サプライチェーン)を強化し、その共通顧客に対する価値創造(共創)に取り組むとともに、同業他社や大学など、水平方向にも共創を拡大することで、より大きな価値の提供を目指します。
② 中期戦略『Accelerate 2025』および『Accelerate 2025-II』の概要
基本理念実現に向けて、以下の基本的な戦略に沿った取り組みを推進することで、既存事業の強化・成長による価値の提供と、「循環型社会構築への貢献」を目指します。
1.全社戦略
クロスバリューチェーン実現に向けた取り組みとしてバリューチェーンの垂直/水平方向との連携を推進し、新企業集団を見据えた、組織変更に対して柔軟に組み替え可能なバーチャルカンパニーの実現を図り、その基盤となるデジタルアーキテクチャの構築を進めます。
また、事業ポートフォリオとして「健康」「安全・安心」「便利・快適」「環境」における価値提供型事業へシフトし、ビジネスユニット(BU)の特性に応じた KPI の設定とその進捗に応じた資源配分により、売上高、営業利益ともに「次世代育成」事業と「成長牽引」事業のシェアを高めてまいります。
2.事業戦略
ヘルスケアSBUでは、化粧品原料である1,3BGの生産2拠点化による安定供給と世界No.1品質を提供するとともに、アジア域内における強固な販売ネットワークも生かして既存製品のシェア拡大を図ってまいります。さらに、生分解性のある酢酸セルロース真球微粒子などサステナブル素材のラインアップも拡充し、新製品の拡販を進めます。
スマートSBUのIC/半導体分野では、マーケットニーズに沿った品質管理体制と独自のモノマーを使用したレジスト用ポリマーを生かして、最先端のニーズに即した半導体関連事業の強化を図ってまいります。また、ディスプレイ分野では過去から培ったコーティング技術と特異性のある素材を生かした機能フィルムの多機能化や事業拡大とともに、品質改善、コストダウンを通じた液晶表示向けフィルム用途の酢酸セルロースの収益力強化を目指してまいります。
セイフティSBUのエアバッグ用インフレータ事業については、トヨタ生産方式(TPS)で培ったコストダウンやガス発生剤から一貫生産できるパイロ技術を生かしたコスト競争力強化と、それによる市場シェア拡大を図ってまいります。また民生用事業については、インフレータ事業で培ったパイロ技術を意訳・応用することで、従来とは異なる新用途を開拓するとともに、顧客との共創による新事業創出を目指してまいります。
マテリアルSBUでは、世界シェア、製造能力No.1の脂環式エポキシについて、新たな生産拠点の確立と、素材・機能提案力の強化を目指してまいります。また酢酸セルロースについては、強みである分子設計コントロール技術を駆使し、誘導品であるアセテート・トウも含めた用途開発を進める一方、生産革新で培ったコストダウンノウハウを生かして安定したキャッシュフローの創出を図ってまいります。
エンジニアリングプラスチック事業では、ポリプラスチックスがアジアで培った技術力と製品/サービス供給網、そして顧客ニーズに迅速に対応するテクニカルソリューション体制を生かして、欧米プレミアム市場での販路拡大を進めるとともに、迅速な意思決定による供給力増強とプロダクトポートフォリオの拡充や新規事業の創出を図ってまいります。
またポリプラスチックスの完全子会社化に伴うシナジー効果を最大化するために、新たにパフォーマンス・マテリアルズ事業本部を新設し、ポリプラスチックスの社長が当社の専務執行役員として本部長を兼務し、グループ全体の樹脂事業の強化に取り組みます。具体的には、ポリプラスチックスのグローバル展開の加速(将来需要取り込みのための増産投資、欧米市場への拡販)、コストダウンシナジーの実現(ダイセル式生産革新の展開加速、間接部門の効率的運営)、グループシナジーの最大化(ポリプラスチックスのマーケティング力の活用、R&Dリソースの相互活用、触媒効率改善など既存事業の改善および改良)などに取り組み、2025年度までにEBITDAで200億円のシナジー効果を見込んでおります。
事業創出戦略の一つとして、メディカル・ヘルスケア領域では、ヘルスケアSBUのバイオ発酵技術、セイフティSBUの新規薬剤投与デバイス、CPIカンパニーのキラル分割技術や診断薬関連製品、事業創出本部によるDDSキャリア開発などについて、協業やM&Aによるプラットフォームの獲得により、関連する技術や製品を集約し、遺伝子薬・バイオ医薬やそれに対応する投与デバイスや診断システム領域を強化することで大きく伸ばしていきたいと考えております。
3.機能別戦略
事業創出力の向上のため、R(Research:ユーザー目線によるシーズの掘り起こし)とD(Development:事業化力の強化)の自立を図り、Proactive IP(開発、事業化のアンテナ機能)、R、D の相互作用による事業創出を目ざしてまいります。
生産(プロダクション)については、安全・品質のあくなき追求、究極のアセットライト、現場活躍の基盤強化を実践し、現場の力を結集してバーチャルカンパニーでパートナーに価値を提供することを目指します。
デジタルトランスフォーメーションについては、権限委譲を進める組織改革やそれに伴う働き方改革をサポートすることを主眼に、あらゆる業務領域への AI、IoT の活用を進めてまいります。
人事については、多様な社員が存在感と達成感を味わいながら成長できる、変える!変わる!人事を目指してまいります。
4.全社業績・経営指標
中期戦略最終年度となる2025年度に以下の全社業績および経営指標をターゲットとしております。
全社業績:
売上高 5,000億円、営業利益 700億円、親会社株主に帰属する当期純利益 480億円、
EBITDA 1,160億円
経営指標:
営業利益率 14.0%、ROE 18.0%、ROIC 10.0%、ROA 8.0%
総還元性向:現行一株当たり配当金額を下限、総還元性向 40%以上
また、アセットライト方針に基づき、業容拡大期間においても総資産残高をキープしつつ、自己資本比率45%超、ネットD/Eレシオ 0.5以下を実現し財務安定性強化を図ることにより2026年3月末のバランスシートとして以下をイメージしております。
2026年3月期末(見込み) (億円)
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流動資産 |
2,900 |
負債 |
3,100 |
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うち現預金 |
800 |
うち有利子負債 |
1,600 |
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運転資産 |
1,900 |
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固定資産 |
3,000 |
純資産 |
2,800 |
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うち有形・無形 |
2,300 |
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政策保有株式 |
300 |
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資産合計 |
5,900 |
負債・資本合計 |
5,900 |
5.資金創出力
収益力強化に加え適正在庫化などキャッシュコンバージョンサイクル削減効果で資金創出力向上を図ります。また、政策投資株式売却などにより資金創出力をさらに高め、余裕資金を成長投資や株主還元に活用します。株主還元は総還元性向40%以上とし、自己株式取得も視野に柔軟に対応してまいります。
(3) 経営環境及び会社の対処すべき課題
世界規模で拡大した新型コロナウイルス感染症は、一過性の現象ではなく今後、人々の生活様式や企業活動にも大きな変化を起こすものと考えています。当社グループでは、こうした環境の激変に対して、以下の観点から対策を講じてまいりました。
・新型コロナウイルス対策への貢献 :ワクチン投与デバイス(アクトランザ)の治験提供
・景気低迷に対する足元固め :需給バランスに応じた在庫水準の適正化や稼働率に合わせたコストダウン手法の切り替えなど、コストダウンの徹底、不採算事業からの撤退、不採算拠点の統廃合、働き方改革
・ウィズコロナへの対応:コーポレート機能の強化、カンパニー制からマーケットイン、カスタマーインに焦点を当てたSBU(戦略ビジネスユニット)制への移行定着化、課題発掘型企業への取り組み、自律型生産システムの開発、ポリプラスチックス㈱の完全子会社化によるシナジー効果の最大化、産産学学連携の取り組み強化、製法転換などによる技術革新
以上の取り組みを進めながら、当社グループの基本理念、「価値共創によって人々を幸せにする会社~ Sustainable Value Together ~」の具現化とSDGsの実現に向けて、サステナブル経営方針を基本として、新長期ビジョン(『DAICEL VISION 4.0』)、中期戦略(『Accelerate 2025』、『Accelerate 2025-Ⅱ』)を策定しました。その着実な遂行を通じて、既存事業の収益力の強化やポートフォリオマネジメントによる事業構造転換に取り組むとともに、社会的課題解決への貢献と当社グループの成長の両立を目指して、「バイオマスプロダクトツリー構想」による「循環型社会構築への貢献」を中・長期的なゴールに定めました。
循環型社会を構築するためには、これまでの社会の作り方を大きく変えていく必要があります。そのために、「4つのシフト」を実現していきます。
まずは、「新企業集団の形成」です。新しい社会を構築することは、自社だけでできることではありません。そして、自社の利益のみを求めていては、それを成し遂げることは不可能です。部署の壁はもちろんのこと会社や業界の壁も超えて、共に志し、社会や地球のために思考し、創造する。そのような新たな共同体を実現します。
次に、「バイオマスプロダクトツリーの実現」です。従来の石油化学プロダクトツリーは非常に効率的で多岐にわたる製品を生み出してきました。しかし限りある資源の浪費、エネルギーの多消費、二酸化炭素の多量排出などの課題があります。それに対してこれまでに取り組んできたバイオマスプロダクトツリーでは、天然由来原料を元にし、生分解性を実現しておりますが、エネルギー消費・コスト・機能面で石油化学製品にかないません。そこで私たちは、天然資源である木材の成分を余すことなく使え、さらにはそれをマイルドに溶解するプロセスを確立し、石油化学製品や金属製品に劣らない機能を実現する新バイオマスプロダクトツリーの実現を目指しております。
次に、「カーボンオフセット、エネルギーオフセットの実現」です。当社は素材産業としてその製品開発だけではなく、そのプロセスもサステナブルでなければなりません。とりわけセルロース事業のプロセスはエネルギー消費量が多いという問題点がありました。私たちは率先してカーボンニュートラルに向けて、まずはカーボンオフセット・エネルギーオフセットから取り組み、持続可能な社会の実現に向けて大きな役割を果たしてまいります。
そして、「健康・安心安全・便利快適・環境といった4つのトリガーによる幸せの提供」です。社会課題を解決し、人々に幸せをもたらし続ける製品やサービスを提供していきます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、ここに記載した事項は、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。
また、将来に関する事項につきましては、有価証券報告書提出日(2021年6月28日)現在において判断したものであります。
(1) 市場リスク
①市場の急激な変動に係るリスク
経済の変調により需要が急激に減少した場合、また他社による大型プラントの建設等により供給過剰となった場合や競合各社間の競争激化等により当社グループの製品の低価格化が進んだ場合は、当該事業の収益を悪化させる可能性があります。当社グループの製品は多岐に亘る分野に使用されており、特に自動車、電機、半導体、医療などの各業界における需要の変動に大きな影響を受けます。
②為替変動に係るリスク
為替相場の変動は、当社グループの輸出入取引に係る交易条件、および海外グループ会社の業績の邦貨換算結果等に対して影響を与えます。
通常、円安は当社グループの業績に好影響を及ぼし、円高は悪影響を及ぼすと考えております。また、海外グループ会社においては、その所在国通貨と異なる外国通貨との為替相場変動により、業績等に影響を及ぼす可能性もあります。
これら為替変動に係るリスクに対して、先物為替予約取引などを用いてヘッジを行っておりますが、当該リスクを完全に回避できるものではなく、経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
当社グループの海外売上高比率は、2021年3月期において55.6%であります。また、当社の試算では米ドル・円レートが1円変動すると、連結売上高で年間約20億円、連結営業利益で年間約6億円の変動をもたらすと算定しております。
③主要原料(メタノール)の価格変動に係るリスク
当社グループは、主力製品の酢酸やポリアセタール樹脂の原料として、メタノールを大量に購入しております。長期契約やメタノール製造会社への出資など、比較的安価なメタノールを安定的に購入するための手段を講じておりますが、メタノール市況が上昇した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
④その他原燃料価格の変動に係るリスク
当社グループは、常に安価かつ価格の安定した原燃料への転換や、製造方法改善によるコストダウンをはかっております。原燃料の高騰が続く場合には、これらに加えて、製品販売価格への転嫁等によりできる限りの吸収をはかっておりますが、それを超えて高騰が続く場合は、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(2) 事業リスク
①海外事業展開拡大に係るリスク
当社グループは、中国・アジア地域を中心に、北米・ヨーロッパなど海外事業展開を拡大しつつありますが、海外での事業活動では、予期しえない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、人材の採用・確保の困難、テロ、戦争等による社会的又は政治的混乱等のリスクが存在します。また特に米中対立の激化により米国の再輸出規制が強化されている中での中国向けの取引については違反と判断されるリスクが存在します。これらのリスクが現実化する場合、当社グループの海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの業績および今後の事業計画に悪影響を与える可能性があります。
②原材料等の調達に係るリスク
当社グループは、原材料を複数のサプライヤーから購入することにより安定調達を図り、生産に必要な原材料が十分に確保されるよう努めております。しかしながら、複数のサプライヤーからの調達を進めてはいるものの、一部の特殊な原材料については限られたサプライヤーに依存する場合があります。また、サプライヤーの被災、事故、倒産などによる原材料の供給中断、需要の急増による供給不足が発生した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
③資本提携・企業買収等に係るリスク
当社グループは、さらなる事業成長を目指し国内外における企業買収・資本提携等に取り組んでおります。これらの投資について予期したとおりの成果が獲得できない場合、また事業環境等の急激な変化により事業計画に大幅な修正が生じた場合には、のれんの減損や投資損失が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(3) 環境リスク
①感染症に係るリスク
新型インフルエンザや新型コロナウイルスなどの重大な感染症については、感染拡大予防のために経済活動が制限されたり、当社グループや取引先で罹患者が大量に出た場合は、プラントの稼働低下や生産停止、サプライチェーンの分断などが発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
②自然災害に係るリスク
当社グループの主要な生産拠点のひとつであるポリプラスチックス㈱富士工場は「東海地震に係る地震防災対策強化地域」内に立地しており、設備面の対策や地震防災訓練などを実施しております。また、グループの他の事業場においても、防災訓練などの緊急時対応訓練を行っております。
しかし、自然災害により重大な損害を被った場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
③環境規制に係るリスク
環境保全に対する社会要請の高まりにより、環境規制の強化が進み、法令遵守のための設備投資や関連するビジネスの再編成などの事態が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
④気候変動に係るリスク
当社グループは、全てのステークホルダーとともに、地球環境と共生する循環型プロセスの構築を目指し、持続可能な低炭素社会の実現に向けて、生産プロセスの抜本的な見直しや新技術の導入、グループ全体のエネルギー使用最適化など、省エネルギーに努め、GHG(温室効果ガス)排出量の削減に取り組んでおります。
しかしながら、気候変動に伴う異常気象等が当社グループの工場の操業やサプライチェーンに影響を与える物理的リスク、あるいは低炭素社会への移行に対応できずに原燃料価格や電力価格が上昇するリスクは、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(4) 品質・製造リスク
①製品品質保証・製造物責任に係るリスク
当社グループは、製品の品質保証体制を確立し、製品の安全性確保および不具合品の流出防止に努めております。また、万一に備え、賠償責任保険も付保しております。しかし、当社グループが製造した製品に起因する損害が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
②事故に係るリスク
当社グループは、保安防災活動に継続的に取り組むなど、日頃から工場の安全確保に努めております。しかし、万一、火災・爆発等の産業事故災害が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(5) 研究開発リスク
①研究開発及び技術人材の確保に係るリスク
当社グループでは、既存事業の強化および新規事業創出のため積極的に研究開発活動を行っております。しかし、技術革新のスピードが速くタイムリーに新製品の開発ができないなど、期待した成果が得られず計画を断念することになった場合には、投下した研究開発費を回収できないため、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、これらの研究開発体制の維持・強化のためには、高度な技術を持った人材の確保が不可欠であり、技術者が十分に確保できない場合には当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
②知的財産権に係るリスク
当社グループは、「知的財産権が重要な資産であることを認識し、その保全・確保に努めるとともに、第三者が保有する知的財産権についてもその権利を尊重します」との行動規範のもと、知的財産関連情報の調査、知的財産権の取得・管理、適切な契約の締結・管理など戦略的な活動に取り組んでおります。しかしながら、当社グループが第三者の知的財産権を侵害している等の予期せぬ警告や訴えを受けたり、第三者に知的財産権を無断で使用される恐れがあります。このような事態が発生した場合には当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(6) コンプライアンスリスク
①訴訟に係るリスク
当社グループは、国内外の法令遵守に努めております。しかしながらグローバル、かつ多様な分野で事業を行う中で、訴訟、係争、その他の法的手続きの対象となるリスクがあり、重要な訴訟等の提起を受ける可能性があります。
裁判等において不利益な決定や判決がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。
②情報セキュリティに係るリスク
当社グループは、事業を遂行する上で多くの機密情報や個人情報を保有しております。これらの情報を取り扱うにあたり、管理体制の構築、従業員教育の実施およびIT技術動向の変化に応じたセキュリティソフトの導入・更新などの対策をとっております。
しかしながら、通信ネットワークに生じた障害や、ネットワーク又はコンピュータシステム上のハードウエアもしくはソフトウエアの不具合・欠陥、コンピュータウィルス・マルウェア等外部からの不正な手段によるコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為や使用人もしくは委託業者の過誤等により、これらの情報が流出し、または改ざんされる事態が発生した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。
(7) その他のリスク
固定資産の減損に係るリスク
当社グループが自ら使用、または第三者に貸与する機械及び装置、土地及び建物などは、投資計画どおりに収益が得られず、投資額の回収が見込めないなど資産価値の下落に起因する潜在的な減損のリスクにさらされています。当連結会計年度末において、有形固定資産及び無形資産の帳簿価額の合計は2,303億円です。固定資産の減損損失が発生した場合、当社の経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動停滞に一部で持ち直しの動きがみられるものの、年度末にかけて半導体不足や北米寒波の問題が発生するなど、先行き不透明な状況のうちに推移しました。
このような環境の中、年度前半に様々な産業における需要低迷の影響を受けましたが、当社グループでは、徹底したコストダウンに取り組むとともに、自動車生産などの需要回復による販売機会を着実に捉えることで、期の経過とともに業績を回復させてまいりました。当連結会計年度の業績は、前年度と比較し減収となったものの、利益面では増益となりました。
当連結会計年度の売上高は3,935億68百万円(前年度比4.7%減)、営業利益は317億23百万円(同7.0%増)、経常利益は346億83百万円(同9.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、2020年10月のポリプラスチックス株式会社の完全子会社化などもあり、197億13百万円(同296.0%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より報告セグメントを変更しております。
[メディカル・ヘルスケア事業部門]
コスメ・健康食品事業は、中国での需要の回復などにより化粧品原料の販売数量が増加したものの、国内での需要減少により市況が下落し、減収となりました。
キラル分離事業は、キラルカラムの販売増加や、中国、インドでの事業が好調に推移したことにより、増収となりました。
当部門の売上高は、162億9百万円(前年度比7.4%増)、営業利益は、販売数量の増加などにより、15億61百万円(同16.6%増)となりました。
[スマート事業部門]
液晶表示向けフィルム用の酢酸セルロースや高機能フィルムなどのディスプレイ事業は、車載向けなど高機能フィルムの販売数量が増加したものの、年度前半のディスプレイ用途の低迷などにより、液晶表示向けフィルム用酢酸セルロースの販売数量が減少し、減収となりました。
電子材料向け溶剤やレジスト材料などのIC/半導体事業は、半導体市場の需要が堅調に推移したことにより、販売数量が増加し、増収となりました。
当部門の売上高は、247億1百万円(前年度比2.6%減)、営業利益は、原燃料価格の低下などにより、34億12百万円(同1.9%増)となりました。
[セイフティ事業部門]
自動車エアバッグ用インフレータ(ガス発生装置)などのモビリティ事業は、年度前半に自動車生産台数減少の影響を受けましたが、年度後半の生産台数の回復に対応して販売数量を伸ばしたことで年間の販売数量は微減でとどまりました。また、為替の影響などもあり、売上高は減収となりました。
当部門の売上高は、672億18百万円(前年度比10.1%減)、営業利益は、年度前半の販売数量減少による稼働率低下などにより、22億31百万円(同32.4%減)となりました。
[マテリアル事業部門]
酢酸は、年度後半に需要が回復し市況も上昇しました。需要の回復により販売数量は増加したものの、年度前半の市況低下の影響により、減収となりました。
酢酸誘導体は、一部製品の需要増加により販売数量が増加し、年度後半には酢酸市況の上昇により販売価格も上昇しましたが、年度前半の酢酸市況低下の影響により、減収となりました。
アセテート・トウの販売数量は横這いで推移しましたが、為替の影響などにより、販売価格が低下し、減収となりました。
カプロラクトン誘導体やエポキシ化合物などは、一部用途での需要の回復が見られるものの、年度前半の落ち込みや欧米向けの需要が低調であることなどから販売数量が減少し、減収となりました。
当部門の売上高は、1,042億3百万円(前年度比4.7%減)、営業利益は、コスト削減や原燃料価格の低下などにより、179億21百万円(同13.3%増)となりました。
[エンジニアリングプラスチック事業部門]
ポリアセタール樹脂、PBT樹脂、液晶ポリマーなどのエンジニアリングプラスチック事業は、年度前半に自動車、スマートフォンなどの需要が大きく減少したものの、後半には需要が回復しました。需要の回復に伴い販売数量を伸ばしたものの、前半の需要減少の影響が大きく、減収となりました。
ABS樹脂、エンプラアロイを中心とした樹脂コンパウンド事業は、景気後退による需要の減少により、減収となりました。
シート、成形容器、包装フィルムなどの樹脂加工事業は、包装フィルムの販売減少などにより、減収となりました。
当部門の売上高は、1,685億56百万円(前年度比4.3%減)、営業利益は、原燃料価格の低下などにより、211億72百万円(同1.3%増)となりました。
[その他事業部門]
その他部門は、防衛関連事業での販売数量が増加したことなどにより、増収となりました。
当部門の売上高は、126億79百万円(前年度比4.9%増)、営業利益は、14億82百万円(同82.1%増)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
総資産は、たな卸資産等の減少がありましたが、受取手形及び売掛金や有形固定資産等の増加により、前連結会計年度末に比し423億93百万円増加し、6,403億85百万円となりました。
負債は、主に社債や短期借入金等の増加により、前連結会計年度末に比し1,899億76百万円増加し、3,953億84百万円となりました。
また純資産は、2,450億円となりました。純資産から非支配株主持分を引いた自己資本は、2,378億52百万円となり自己資本比率は37.1%となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し100億73百万円増加し、907億47百万円(前連結会計年度末比12.5%増)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は578億69百万円(前年同期は、571億93百万円の増加)となりました。資金増加の主な内容は、税金等調整前当期純利益330億40百万円および減価償却費263億23百万円であり、資金減少の主な内容は、法人税等の支払額99億76百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は342億20百万円(前年同期は、458億64百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、投資有価証券の売却及び償還による収入50億48百万円であり、資金減少の主な内容は、有形固定資産の取得による支出346億98百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は170億50百万円(前年同期は、478億83百万円の減少)となりました。資金増加の主な内容は、社債の発行による収入995億42百万円および長期借入れによる収入881億77百万円であり、資金減少の主な内容は、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出1,673億30百万円、長期借入金の返済による支出104億84百万円および配当金の支払額104億15百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
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|
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
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メディカル・ヘルスケア事業 |
11,035 |
△8.19 |
|
スマート事業 |
22,221 |
△1.03 |
|
セイフティ事業 |
63,168 |
△18.44 |
|
マテリアル事業 |
101,500 |
△4.64 |
|
エンジニアリングプラスチック事業 |
144,946 |
△7.06 |
|
報告セグメント計 |
342,872 |
△8.40 |
|
その他 |
10,622 |
58.25 |
|
合計 |
353,494 |
△7.23 |
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
受注生産を行っているのは「その他」のうちの特機関連部門であり、主として発射薬等で受注状況は次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
|||
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受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
その他 |
6,791 |
△12.98 |
8,244 |
△15.03 |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
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販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
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メディカル・ヘルスケア事業 |
16,209 |
7.43 |
|
スマート事業 |
24,701 |
△2.56 |
|
セイフティ事業 |
67,218 |
△10.14 |
|
マテリアル事業 |
104,203 |
△4.73 |
|
エンジニアリングプラスチック事業 |
168,556 |
△4.30 |
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報告セグメント計 |
380,888 |
△4.96 |
|
その他 |
12,679 |
4.95 |
|
合計 |
393,568 |
△4.66 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績等
新中期戦略『Accelerate 2025』および『Accelerate 2025-II』では2025年度に以下の全社業績および経営指標を
ターゲットとしております。
全社業績:
売上高 5,000億円、営業利益 700億円、親会社株主に帰属する当期純利益 480億円、
EBITDA 1,160億円
経営指標:
営業利益率 14.0%、ROE 18.0%、ROIC 10.0%、ROA 8.0%
総還元性向:現行一株当たり配当金額を下限、総還元性向 40%以上
本中期戦略の初年度である当連結会計年度は、新型コロナウイルスによる様々な需要低迷の影響を受けましたが、徹底したコストダウンに取り組むとともに自動車生産などの需要回復による販売機会を捉えることで業績を回復させてまいりました。当連結会計年度の業績は、前年度と比較し減収となったものの、利益面では増益となりました。
上記の増益要因に加え、2020年10月にポリプラスチックス㈱の完全子会社化を実施した影響もあり、親会社株主に帰属する当期純利益が増加したことで、当連結会計年度におけるROEは6.6%(前連結会計年度比5.3ポイント改善)となりました。また、当連結会計年度の売上高営業利益率は8.1%(前連結会計年度比0.9ポイント改善)となりました。
経営成績
売上高および営業利益
売上高、営業利益の概況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
営業外損益
営業外損益は30億円の収益(純額)となり、前連結会計年度に比し8億円改善いたしました。
主に為替損益の改善等によるものであります。
特別損益
特別利益は32億円を計上いたしました。投資有価証券売却益32億円などによるものであります。
特別損失は49億円を計上いたしました。固定資産除却損11億円のほか、減損損失38億円などによるものであります。
法人税等
税効果会計適用後法人税の負担率(実効税率)は32.1%と、前連結会計年度に比し0.8ポイント増加いたしました。
非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は27億円と、前連結会計年度に比し37億円(57.9%)減少いたしました。
親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は197億円と、前連結会計年度に比し147億円(296.0%)の増益となりました。
また、ROEは6.6%となり、前連結会計年度に比し5.3ポイント改善しました。ROICは4.1%、EBITDAは586億円となりました。
財政状態
資産、負債および純資産の状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
なお、有利子負債比率は42.3%となりました。
また、2019年11月1日取締役会決議に基づく自己株式の取得を83億円実施しております。
② 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
資金需要
当社グループにおける主な運転資金需要は、製品製造のための原材料の購入、労務費など製造費用と、製品の仕入、販売費及び一般管理費等の支払いであります。
当社グループでは、製造設備の増強および更新などのほか、安全向上対策ならびに現業各設備の合理化・省力化を継続的に行っております。当連結会計年度の設備投資額は前連結会計年度に比し80億円減少し、396億円(前連結会計年度比16.9%減)、減価償却費は前連結会計年度に比し32億円減少し、258億円(前連結会計年度比10.9%減)となりました。
当社グループでは、既存事業の強化拡大および新事業創出のための研究開発に取り組んでおります。当連結会計年度の研究開発費は前連結会計年度に比し18億円減少し、195億円(前連結会計年度比8.2%減)となりました。
財務政策
当社グループは、設備投資計画に照らして、必要な資金を銀行借入や社債発行により調達しております。短期的な運転資金は、キャッシュマネジメントサービスを通じてグループ内で余剰資金を活用しておりますが、地域、通貨、金利動向等を考慮した結果、銀行借入による調達を行う場合があります。当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は2,709億円であります。
利益配分に関しては、2020年度から6年間の中期戦略『Accelerate 2025-II』におきましては、収益力強化に加え適正在庫化などキャッシュコンバージョンサイクル削減効果で資金創出力向上を図ります。また、政策投資株式売却などにより資金創出力をさらに高め、余裕資金を成長投資や株主還元に活用します。株主還元は総還元性向40%以上とし、自己株式取得も視野に柔軟に対応してまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(1)合弁関係
株式会社ダイセル(当社)
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締結先 |
合弁会社名 |
設立の目的 |
資本金 |
設立年月日 |
|
Celanese Sales Netherlands B.V. (オランダ) ※ |
ポリプラスチックス㈱ (連結子会社) |
ポリアセタール樹脂他の製造・販売 |
3,000百万円 当社出資比率 55% |
1964年5月4日 |
|
KHネオケム㈱ JNC㈱ |
協同酢酸㈱ (連結子会社) |
メタノール法による酢酸の製造・販売 |
3,000百万円 当社出資比率 87% |
1977年7月5日 |
|
三菱ケミカル㈱ |
富山フィルタートウ㈱ (持分法適用関連会社) |
アセテート・トウの製造・販売 |
50百万円 当社出資比率 35% |
2012年10月1日 |
(注)※ 当社は、2020年10月9日付で、Celanese Sales Netherlands B.V.と当社とのポリプラスチックス株式会社に
関する合弁契約を終了いたしました。
ポリプラスチックス株式会社(連結子会社)
|
締結先 |
合弁会社名 |
設立の目的 |
資本金 |
設立年月日 |
|
長春石油化学股份有限公司 (台湾) 長春人造樹脂厰 長連産業股份有限公司 (台湾) |
Polyplastics Taiwan Co., Ltd.(台湾) (連結子会社) |
ポリアセタール樹脂の製造・販売 |
1,590百万NT$ ポリプラスチックス㈱ 75% |
1988年6月18日 |
|
三菱瓦斯化学㈱ Korea Engineering Plastics Co., Ltd.(韓国) Ticona LLC(アメリカ) |
ピーティーエム・ホールディングス㈱ (連結子会社) |
PTM Engineering Plastics (Nantong) Co., Ltd.の持株会社 |
10百万円 ポリプラスチックス㈱ 70.1% |
2002年7月15日 |
Daicel (China) Investment Co., Ltd. (連結子会社)
|
締結先 |
合弁会社名 |
設立の目的 |
資本金 |
設立年月日 |
|
西安北方恵安化学工業有限公司(中国) 陜西中煙投資管理有限公司(中国) |
Xi'an Huida Chemical Industries Co., Ltd. (中国) (持分法適用関連会社) |
アセテート・トウの製造・販売 |
248百万元 Daicel (China) Investment Co., Ltd. 30% |
1992年7月1日 |
|
西安北方恵安化学工業有限公司(中国) 陜西中煙投資管理有限公司(中国) |
Ningbo Da-An Chemical Industries Co., Ltd. (中国) (持分法適用関連会社) |
酢酸セルロース等の製造・販売 |
7,322.4万US$ Daicel (China) Investment Co., Ltd. 30% |
2005年3月11日 |
|
西安北方恵安化学工業有限公司(中国) 陜西中煙投資管理有限公司(中国) Ningbo Da-An Chemical Industries Co., Ltd. (中国) (持分法適用関連会社) |
Xi'an Da-An Chemical Industries Co., Ltd. (中国) |
アセテート・トウの製造・販売 |
210百万元 Ningbo Da-An Chemical Industries Co., Ltd. 出資比率 100% |
2012年5月9日 |
(注)合弁会社として記載しておりますXi'an Da-An Chemical Industries Co., Ltd.は、Ningbo Da-An Chemical Industries Co., Ltd.の100%出資でありますが、同社が西安北方恵安化学工業有限公司(中国)、陜西中煙投資管理有限公司(中国)およびDaicel (China) Investment Co., Ltd.の合弁会社であることから、Xi'an Da-An Chemical Industries Co., Ltd.につきましては、合弁会社とみなして記載しております。
(2)ポリプラスチックス株式会社の株式取得について
当社は、当社の連結子会社であるポリプラスチックス株式会社の発行済株式のうち、Celanese Corporationが子会社を通じて保有する全株式を取得する旨の契約を締結しました。
なお、詳細については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載しています。
(3)株式会社三井住友銀行との特殊当座貸越契約の締結について
当社は、上記のポリプラスチックス株式会社の追加株式取得にあたり、以下の特殊当座貸越契約を締結しました。
① 契約先 株式会社三井住友銀行
② 契約日 2020年7月20日
③ 極度額 200,000百万円
④ 契約条件 基準金利+スプレッド
⑤ 契約期限 2021年3月31日
⑥ 担保の有無または保証の内容 なし
(注)提出日現在において、上記特殊当座貸越契約は、返済が完了し終了しております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、
なお、当連結会計年度において、当社グループの研究開発活動の状況で特筆すべき内容は、次のとおりであります。
2020年4月1日付の組織変更により設置された「戦略ビジネスユニット(SBU)」は、事業企画、マーケティング、研究開発の機能を有しております。対象とする市場やお客様に主眼を置いた「マーケットイン」型の研究開発を、より強化してまいります。
また、長期ビジョン『DAICEL VISION 4.0』に基づき、新たに策定した中期戦略『Accelerate 2025』の機能別戦略において、事業創出力として研究開発に係る方策をまとめております。未来社会課題からの要求の実用化を目指し、ユーザー目線でシーズを掘り起こすR(Research、研究)と、Rで掘り起こしたシーズを活用するとともに、事業化力を磨き、お客様とニーズを具現していくD(Development、開発)との相互作用による事業創出を進めてまいります。
さらに、「攻め」の知的財産活動であるProactive IP活動(市場・技術・知財等の各種動向を情報解析することにより事業の方向性を積極的に提案するためのアンテナ機能)により、事業創出を加速していきます。
さらに、2020年7月1日付の組織変更により、生産技術に関わる技術者を事業創出本部で一元管理して、当社グループ横断的な体制で、プロセス革新による新規プロセス・技術構築を加速し、地球環境と共生する循環型プロセス構築も図ってまいります。
パイロテクニックを活用した薬剤の投与制御技術をベースとした新規投与デバイスでは、大阪大学とアンジェス株式会社による新型コロナウィルス(COVID-19)向けDNAワクチン共同開発プロジェクトに参画しております。2020年12月、大阪大学医学部附属病院が実施する「COVID-19 DNAワクチンの第I/II 相試験」(医師主導治験)において、症例登録された被験者(健康成人)に対して、当社新規投与デバイスを用いたワクチン投与が開始されました。
ダイキン工業株式会社(以下「ダイキン社」という)と当社は、両社の長年にわたる信頼関係に基づく、それぞれの専門分野での強みを生かした世界初・世界No.1の商品創出に向けた協創活動を加速させます。2016年からは、当社が持つ先進の「材料技術」と、ダイキン社が持つ「空調要素技術」の双方の強みを活かすことで、お客様にとって価値のある商品を創出することを目的とする協創に取り組んできました。こうした活動の成果として、2020年度は世界的な空気質ニーズの高まりを受け、換気機器向けの「透湿膜全熱交換エレメント」および大型空調機向けの「低圧力損失エアフィルタろ材」を両社で開発しました。
セグメント別の活動状況は以下の通りです。
(1) メディカル・ヘルスケア事業
当事業に係る研究開発費は
【ヘルスケアSBU】
ヘルスケアSBUは、ヘルスケア分野において特徴ある素材・技術の開発を進めております。
コスメBUでは、サステナブルな素材を化粧品市場へ提供するため、酢酸セルロースの真球状微粒子「BELLOCEA®(ベロセア)」を開発し、2020年12月に販売開始いたしました。健康食品BUでは、腸内細菌によって体内で生成される成分(腸内細菌代謝物)に着目した研究・開発を行っております。これまでに、大豆イソフラボンの腸内細菌代謝物として、エクオール含有素材を開発し、販売してまいりました。
【CPIカンパニー】
CPIカンパニーは、キラルを中心とする低分子合成医薬に加え、成長市場の中・高分子/バイオ医薬市場においてソリューションを提供いたします。新規製品の継続的開発・上市とテクニカルサービスの充実により世界トップシェアを維持しております光学分割用(キラル)カラム事業では、新規耐溶剤型カラム第9弾のCHIRALPAK IJの高性能分析用3μm製品および分取用充填剤(10μm、20μm)の品揃えを完了いたしました。バイオ分野では、新型コロナウイルス感染細胞を検出するキットや血中の癌細胞由来のDNAを検出するキットなど、遺伝情報を活用した4製品を新たに上市いたしました。今後も新製品を投入することで、バイオ分野でのプレゼンスを高めてまいります。
(2) スマート事業
当事業に係る研究開発費は
(3) セイフティ事業
当事業に係る研究開発費は
(4) マテリアル事業
当事業に係る研究開発費は
(5) エンジニアリングプラスチック事業
当事業に係る研究開発費は
【ポリプラスチックス㈱】
世界に認められるエンジニアリングプラスチックNo.1のソリューションプロバイダーに向け、Post 5G/6Gの最先端通信、次世代自動車、メディカル分野など、エンジニアリングプラスチックの次の成長を実現する市場をターゲットに、当社の価値提供型ビジネスの更なる高度化、ダイセルグループ内技術とのシナジー創出による新技術開発を行ってまいります。またグローバル市場展開の促進に向け、5拠点の海外テクニカルソリューションセンターとネットワーク体制を形成し、新規市場開発案件の創出、ならびにコンセプト提案を進めております。
【ダイセルミライズ㈱】
樹脂・化成品・ライフ分野で社会・顧客ニーズを解決いたします。リチウムイオン電池市場を主体にカルボキシメチルセルロース事業の更なる拡大、環境対応型樹脂上市に向けたコンパウンド技術の確立と製品開発、および海外ネットワーク活用による各種製品のグローバル展開を進めております。
(6) その他事業
当事業に係る研究開発費は170百万円であります。
【ダイセン・メンブレン・システムズ㈱】
分離膜および膜装置システムの開発などを行っております。特に、水処理および医薬分野における新規分離膜の開発に注力しています。
(7) コーポレート
当社では、新規事業創出のための研究開発や基盤研究をコーポレート部門が行っております。その研究開発費4,466百万円であります。
これまで培ってきた計算科学・AI、有機合成技術、評価解析技術、加工技術を生かし、各SBUやグループ会社の中長期の研究開発テーマや社外との協創テーマに取り組むとともに、研究開発の初期ステージより工業化技術構築の視点を加え、検討を進めています。また大学・外部研究機関と共同研究体制を構築し、新規素材、新規加工技術、新規生産技術創出の検討を進めています。評価解析技術では、ミクロ・ナノ構造解析技術の強化・新技術獲得(電子顕微鏡、走査プローブ顕微鏡、X線放射光)並びにシミュレーション、計算科学、マテリアルズ・インフォマティクス技術の充足、強化を進めております。
工業化技術では、酢酸セルロース及び有機主力製品のプロセス革新による大幅なコストダウンおよび省エネルギー化のための技術の開発を進めております。