文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、プラスチックのより高度な機能を創出し、顧客価値の創造を通じて、機能性化学品分野での持続的成長を続けるグローバル・エクセレント・カンパニーを目指します。
中期経営計画(2016年-2018年度)について
当社グループは、2016年度からの3ヶ年の中期経営計画において、「基盤となるプラスチック保有技術を生かし、より高付加価値な事業構造の構築を目指す」ことを基本方針とし、最終年度となる2018年度の目標として営業利益(日本基準)200億円、自己資本利益率(ROE)8%を設定し、グループ一丸となって取り組みを進めてまいりました。
利益面では、事業環境の変化等に伴い、最終年度こそ目標の達成は叶わなかったものの、初年度より取り組んできた事業構造改革の成果が大きく寄与し、2016年度および2017年度は当初目標値を上回り、安定して利益を出せる事業基盤の構築を進めることができました。一方、売上面では、新製品の戦力化の遅延や戦略製品の市場環境の変化などにより、課題を残す結果となりました。
新中期経営計画(2019年度-2021年度)について
当社グループは、前述の中期経営計画に基づいて構築した体制を維持するとともに、さらなる事業の拡大および持続的成長に向けて、「未来に夢を提供する会社」をありたい姿として掲げ、2019年度を初年度とする3ヶ年の新たな中期経営計画を策定し、事業活動に取り組んでまいります。その概要は、以下のとおりであります。

*1 SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月の国連サミットで採択された2016年から2030年の15年間で達成するために掲げられた17の分野目標(Goals)と169のターゲット(具体的目標)で構成される国際目標です。
当社グループは、社会的問題を解決し、持続的な成長と価値創造を実現していくためには、経済的価値のみならず社会的価値向上への取り組みが不可欠と考えています。すべての事業活動において、当社の社是である「我が社は、信用を重んじ確実を旨とし、事業を通じて社会の進運及び民生の向上に貢献することを期する。」の理念に基づいて「開発・モノづくり」を行い、サステナブルな社会の実現に寄与できるよう取り組んでいます。世界共通の目標であるSDGsは究極の潜在ニーズであり、その具現化に向けた研究開発を推進することは、当社の社是の理念に通じるものであると考えています。
当社グループでは、「高集積デバイス」「自動車・航空機」「ヘルスケア」の3つを今後の成長に向けた創生領域と位置付けていますが、これに対して、SDGsの分野目標のうち「健康と福祉」「エネルギー」「働きがい・経済成長」「産業と技術革新」「つくる責任・つかう責任」の5つのほか、プラスチックメーカーの使命として海洋プラスチックごみ問題の解決などに取り組むべく「海の豊かさを守ろう」を加え、5+1を重点領域と設定し、課題解決に向けた研究開発を進めてまいります。
*2 新たな中期経営計画においては、「One Sumibe」活動による顧客へのアプローチをワールドワイドにさらに展開することで、グローバルに展開する当社グループ全体で顧客の潜在ニーズの掘り起こしを進め、事業機会を創出し、国・地域、製品や事業部門などの枠を越えた全社横断的な価値を顧客に提供していくこととしています。
事業分野ごとの重点施策は、次のとおりです。
(半導体関連材料)
グローバルに設置したオープンラボの活用や社外との協業による車載等の成長領域における市場創造、生・販・研一体での対応によるシェアの拡大。
モールドアンダーフィル材*や圧縮成形用顆粒封止材などの高付加価値製品の適用範囲の拡大および先端パッケージ用材料の開発促進による、高集積デバイス領域でのラインアップの強化。
* モールドアンダーフィル材とは、基板と半導体素子との間の隙間の充填(アンダーフィル)と、半導体素子の封止(オーバーモールド)とを一括して行うことができる半導体封止用エポキシ樹脂成形材料です。半導体パッケージの組立コストや工数を削減する効果があります。
(高機能プラスチック)
グローバルベースでの自動車関連製品の拡販、地域ごとの競争優位製品の横展開・事業強化。
航空機分野での北米拠点の事業効率化および顧客層の拡大による事業基盤強化・領域拡大。
社外との協業拡大による、車載用大容量部品の金属・樹脂の複合化の推進。
(クオリティオブライフ関連製品)
・ヘルスケア事業
成長領域と位置付ける血管内治療や内視鏡治療などの低侵襲治療*分野への積極展開。医療機器の高度化・専門化に対応するため改編を行った製品別営業組織体制の活用。
* 低侵襲治療とは、内視鏡やカテーテルなどを用いた、苦痛の少ない、身体にやさしい手術により、患者の負担を軽減する治療法です。
・フィルム・シート事業
既存製品の国内外での拡販推進。機能性医療用包材の開発や食品包材の適用範囲拡大など技術を生かした領域拡大。
・産業機能性材料事業および防水関連事業
光学・工業・自動車などの高機能分野への競争優位製品の投入。建装材分野でのBtoBビジネスモデルの強化・拡大。
当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあり、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある事項と考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①経済環境、景気動向について
当社グループの事業活動は日本国内のみならず広く海外に展開しており、当社グループ製品の需要は、日本経済および世界経済の景気動向、特にパソコン、携帯端末、家電製品、自動車などの生産水準・消費の動向の影響を強く受けるため、これらが当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
②他社との競合と販売価格の変動について
当社グループの主要需要先である半導体・情報通信関連、自動車業界は厳しい競争にさらされていることから、その材料の市場において、当社グループは激しい競争に直面しております。
技術革新が急速であるため、競合メーカーとの間の製品開発競争と価格低減競争は熾烈化する一方であり、これらが当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③特定の業界の特性による売上への影響について
当社グループの事業のうち、半導体関連材料は関連業界の影響を大きく受けるため、業界特性として市況の変化が激しく、比較的短期間で収益力が変化する可能性があります。
また、世代交代が早い先端技術分野であり、かつ技術革新が激しいため、その材料となる製品をタイムリーに開発し提供する必要があります。
従って需要予測を誤ったり、製品開発が遅れた場合には当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④貸倒れについて
当社グループ取引先の信用不安により予期せぬ貸倒れが発生し、追加的な損失や引当金の計上が必要となる場合は当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤為替レートの変動について
当社グループは事業を全世界に展開しており、各地域における売上、費用、資産、負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表を作成するため円換算しておりますが、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。
また、当社グループは短期的な為替レートの変動による影響を極小化するため為替予約取引などを行っておりますが、予想外の為替レートの変動は当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥海外での事業活動について
当社グループは国際的に事業を展開しておりますが、海外での事業活動については、予期しない法律・規制・租税などの制度の変更、不利な政治または経済要因の発生、人材の採用と確保の難しさ、未整備のインフラに起因する事業活動への悪影響の発生、テロ・戦争その他の要因による社会的混乱などのリスクがあり、そのため、これらが発生した場合は当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦原料価格の変動について
当社グループで生産している製品の原材料は、各種プラスチックなどの石油化学製品が多いため、原油・ナフサの価格変動や石油化学製品の市況変動が当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑧製品の品質にかかるものについて
当社グループは厳格な品質管理のもとで製品を製造しておりますが、すべての製品が完全無欠という保証はありません。
また、製造物賠償責任保険などに加入しておりますが、これらの保険が最終的に負担する賠償額の全額をカバーできる保証もありません。
従って製品の欠陥が当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑨知的財産保護の限界について
当社グループが保有している知的財産権は必ずしも保護が完全な状態になっているとは言い切れないため、第三者に当社グループの知的財産権が侵害される可能性があり、この場合には当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩技術革新スピードへの対応の必要性について
当社グループの事業のうち、特に半導体・情報通信関連製品の業界は技術的な進歩が極めて急速であるという特性があり、顧客の技術革新スピードに対応して継続的に新製品を開発し、これを販売に結びつける必要があります。
新技術に追いつけなかった、技術動向の変化を予測できなかったことなどから、顧客の要求に対応できなかった場合には当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑪環境対応について
当社グループの各製造工場においては各種の化学物質を取り扱っておりますが、これらが社外に流出する可能性がないとはいえません。このような事故を未然に防止するべく万全の対策をとっておりますが、万一事態が発生した場合には、社会的信用の失墜、補償などを含む対策費用の発生、生産活動停止による機会損失および顧客に対する補償などにより当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは事業活動において、事業展開している各国の環境関連諸法令・諸規制を遵守し、加えて産業廃棄物を限りなくゼロに近づけることをめざして様々な施策を実施しております。さらに、顧客使用時に環境負荷を少なくする製品の開発・販売にも力を入れております。これらの活動に対しては相当額の費用を負担しております。
しかし、今後法的規制が改廃されたり新たな法的規制が設けられたりした場合などには、費用負担が増大したり、あるいは事業活動が制限されたりするおそれがあり、結果としてこれらが当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑫退職給付会計について
当社グループの確定給付制度債務および退職給付費用は、数理計算上で使用される割引率などに基づき算出されております。制度資産の公正価値変動、金利の変動、年金制度の変更など、前提条件に大きな変動があった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑬人材の確保および育成について
当社グループの事業活動は人材に大きく依存しており、優秀なエンジニアをはじめとする戦力となるべき人材を確保あるいは育成できなかった場合、既存の人材が当社グループ外に流出した場合、さらに人材を確保するために給与などの人件費を増額した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑭非流動資産の評価について
当社グループが保有している土地・建物、製造設備、株式などの非流動資産について、収益性の低下または公正価値の下落などにより資産価値が著しく減少し、減損処理を行わなければならない場合は当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑮資金の調達について
当社グループは、事業の必要資金の一部を金融機関からの借入およびコマーシャル・ペーパーの発行により調達しております。今後、市場金利が上昇した場合や格付機関が当社の格付けを引き下げた場合は、支払利息が増加したり、資金調達の条件が悪化することにより、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑯その他
テロ、戦争、疫病、自然災害、産業事故災害などが発生した場合は当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記は当社グループの事業その他に関し予想される主なリスクを具体的に例示したものであり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。
当期の世界経済は、米国では個人消費や設備投資が増加し景気回復が続きましたが、欧州では輸出の停滞などから低成長となり、中国では金融引き締めや米中貿易摩擦の影響で減速傾向となりました。日本経済は緩やかな回復が続いていましたが、外需の下振れを受けて弱含みの状況です。
当社グループを取り巻く経営環境については、半導体においては市場が拡大してきましたが、夏場以降、スマートフォン向けの伸び悩みや米中貿易摩擦に伴う景気不透明感から需要の減速が顕著となりました。自動車においては、日本や米国では堅調でしたが、欧州では9月の新しい燃費試験導入以降に販売台数が減少し、中国でも景気減速や買い控えのため落ち込みました。国内の住宅着工件数は横ばいでした。
当社グループはこのような経営環境のなか、次の3つの基本戦略を掲げ、事業規模の拡大と収益構造の改善を進めてまいりました。
①新製品の早期立ち上げ、創生
②成長分野の収益力強化、規模拡大
③既存事業の再生、事業転換
上記の遂行に当たっては、CS(顧客満足)最優先を基本とし、積極的な社内外の連携や協業を行うとともに、「One Sumibe」の全社活動を実践することで顧客の深耕に継続して取り組んでおります。この結果、当期の売上収益は2,129億52百万円と、前期比で0.5%、11億33百万円の増収となりました。利益につきましては、事業利益は、原料価格の上昇などがあり前期比10.2%減の172億93百万円となり、営業利益は、減損損失の計上などのため前期比で26.9%減の135億87百万円となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は、負ののれん発生益を持分法による投資利益に含めて計上したことなどにより前期なみの150億84百万円となりました。
① 半導体関連材料
[売上収益 48,860百万円(前期比 5.4%減)、事業利益 7,997百万円(同 16.3%減)]
半導体封止用エポキシ樹脂成形材料は、当期の前半までは販売数量が増加していましたが、秋口以降に顧客で在庫調整の動きがあり、売上収益は減少しました。半導体用液状樹脂も減少しましたが、感光性ウェハーコート用液状樹脂は、新規顧客の獲得もあり売上収益が増加しました。
② 高機能プラスチック
[売上収益 93,792百万円(前期比 1.3%増)、事業利益 6,664百万円(同 12.2%減)]
フェノール樹脂成形材料は、中国の自動車部品向けのほか、北米で長繊維材料がシェール油井採掘部品向けに販売数量が増え、売上収益が増加しました。工業用フェノール樹脂は、北米の自動車部品向けが堅調で原料高に伴う売価是正もありましたが、欧州の建材向けの数量減少があり、売上収益は横ばいでした。
航空機内装部品や自動車部品用成形品では、新規の受注により売上収益が増加しました。
銅張積層板は、売価是正を行いましたが、販売数量が減少し売上収益は減少しました。
一方、セグメント全体では売価是正を超える原料価格の上昇などのため、事業利益は減少しました。
③ クオリティオブライフ関連製品
[売上収益 69,541百万円(前期比 4.0%増)、事業利益 5,420百万円(同 6.1%増)]
医療機器製品では、血管内治療や内視鏡治療の分野で品揃えを強化し、海外での販売も貢献して売上収益は増加しました。
ビニル樹脂シートおよび複合シートでは、産業用用途のカバーテープやダイシングフィルムで顧客の在庫調整があり減少しましたが、医薬品包装用途で需要が戻って伸長し、売上収益は増加しました。鮮度保持フィルム「P-プラス®」は、キノコ向けなどで採用が増えましたが売上収益は横ばいでした。
ポリカーボネート樹脂板および塩化ビニル樹脂板では、サンレンズ用の偏光板や災害復旧のための建装材で販売数量が増加し、売価是正も寄与して売上収益は増加しました。
防水関連製品では、マンションや蓄熱槽など建築物向けでの受注が拡大しましたが、新築住宅向けが減少し、売上収益は横ばいでした。
①資産の部
資産合計は、前連結会計年度末に比べ126億51百万円増加し、2,848億98百万円となりました。
これは主に、「持分法で会計処理されている投資」が84億17百万円、「棚卸資産」が38億82百万円、「現金及び現金同等物」が30億81百万円増加したことによるものであります。
②負債の部
負債合計は、前連結会計年度末に比べ22億78百万円増加し、1,042億63百万円となりました。
これは主に、「借入金」が17億7百万円、「引当金」が8億94百万円増加したことによるものであります。
③資本の部
資本合計は、前連結会計年度末に比べ103億73百万円増加し、1,806億35百万円となりました。
これは主に、「親会社の所有者に帰属する当期利益」を150億84百万円計上した一方で、配当金の支払31億77百万円があったことによるものであります。
当連結会計年度末の現金および現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べ30億81百万円増加し、596億40百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動により得られた資金は201億91百万円となりました。
これは主に、税引前利益および減価償却費の計上による収入と、持分法による投資利益の計上、法人税等の支払による支出の結果であります。前期と比べると18億63百万円の収入の減少となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動に用いた資金は156億16百万円となりました。
これは主に、有形固定資産の取得および持分法で会計処理されている投資の取得による支出の結果であります。前期と比べると38億71百万円の支出の増加となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動に用いた資金は22億24百万円となりました。
これは主に、コマーシャル・ペーパーの増加および配当金の支払による支出の結果であります。前期と比べると2億29百万円の支出の減少となりました。
④資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの資本管理は、経営の健全性・効率性を維持し、持続的な成長を実現するため、事業のリスクとリターンに見合った適正な資本水準を維持することを基本方針としております。
当社および連結子会社は、新たな成長へ向けた取り組みとして「新製品の早期立ち上げ、創生」、「成長分野の収益力強化、規模拡大」および「既存事業の再生、事業転換」の基本戦略のもと、当連結会計年度において113億46百万円の設備投資を実施しました。設備投資額には、有形固定資産の他、無形資産への投資が含まれており、その所要金額については、主として自己資金を充当しております。
(4) 生産、受注および販売の実績
①生産実績および受注実績
当社グループの生産品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産を行わないため、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産の実績については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (セグメント別販売状況)」に関連付けて示しております。
②販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、「中期経営計画2016-2018」の最終年度に当たる当期において、売上収益2,500億円、営業利益(日本基準)200億円、ROE8%の達成を数値目標として掲げ取り組んでまいりました。
その結果、車載向け製品の拡販、不採算・低採算事業の縮小や撤廃などの成果を挙げた一方、新製品の戦力化遅延や中期経営計画策定時の想定を超える外部環境の変化があり、ROEは8.7%と中期経営計画で掲げた目標を達成したものの、売上収益が2,129億52百万円、事業利益(IFRS)は172億93百万円と、売上収益および事業利益については目標を下回りました。
2019年度以降につきましては、さらなる事業の拡大および持続的成長に向けて、新たな「中期経営計画2019-2021」を策定し、事業活動に取り組んでまいります。「中期経営計画2019-2021」に関しては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表と日本基準により作成した連結財務諸表の経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異は次のとおりであります。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
(のれんの償却停止)
日本基準では当社グループは、のれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べ、販売費及び一般管理費が1,499百万円減少しております。
(退職給付に係る調整)
日本基準では数理計算上の差異について、主として発生した年度に一括で損益処理しておりましたが、IFRSでは数理計算上の差異は発生時にその他の包括利益に認識し、直ちに利益剰余金に振替えるものとしております。この影響により、IFRSでは日本基準に比べ、売上原価が170百万円、販売費及び一般管理費が364百万円減少しております。
技術援助契約のうち、主要なものは次のとおりであります。
該当事項はありません。
当社は、2019年3月20日付で川澄化学工業株式会社との間で資本業務提携契約を締結し、2019年3月26日付で同社の既存株主から同社の普通株式4,762,980株(自己株式を除く発行済株式総数に対する所有割合23.10%)を譲り受けました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 34.追加情報」に記載のとおりであります。
当社は、持続可能な世界を実現するために2015年に国連で採択された「Sustainable Development Goals」(以下、SDGs)を経営方針の一つとして取り入れることを決め、注力するSDGsの領域を明確にし、かつ必要な施策を全社規模で推進するため、2018年10月1日付で「SDGs推進準備プロジェクトチーム」を発足しました。研究・開発においても、社会課題解決につながる顕在ニーズのみならず潜在ニーズにも応えていくために、3つの創生領域として掲げる「高集積デバイス」、「自動車・航空機」、「ヘルスケア」領域において、SDGsを意識した新規事業創出に必要な競争優位性の高い革新的製品および技術の開発を推進しております。
当社グループの研究・開発活動は、中長期的視野に立ち新製品およびそれに必要な要素技術の研究を担当する先端材料研究所、新製品の商品化と市場要求への対応および現製品の改良研究を担当する各製品別5研究所(情報通信材料研究所、HPP技術開発研究所、フィルム・シート研究所および産業機能性材料研究所、子会社の秋田住友ベーク株式会社のヘルスケア研究所)を主体に、光電気複合インターポーザ事業開発推進部、イノベア生産準備プロジェクトチーム、有機半導体用絶縁材料開発プロジェクトチーム、次世代バイオ医薬品基盤技術開発プロジェクトチーム、炭素材開発プロジェクトチーム、エンドバスキュラーデバイス技術開発プロジェクトチームとそれらを生産技術開発で支えるコーポレートエンジニアリングセンターという体制をとっており、当社のコア事業分野である、①半導体関連材料、②高機能プラスチック、③クオリティオブライフ関連製品における各マーケット動向に即座に対応すべく、研究・開発活動を進めております。また、海外研究・開発拠点としてコーポレート部門拠点を米国に、情報通信材料関係拠点を中国、台湾、シンガポールに、高機能プラスチック関係拠点を米国、カナダ、ベルギー、スペイン、中国、インドネシアにそれぞれ設けており、国内組織と緊密な連携をとりながらグローバル市場のニーズに対応しております。
また、2018年10月9日、大日本住友製薬株式会社と当社の合弁会社としてSBバイオサイエンス株式会社を設立しました。大日本住友製薬株式会社の100%子会社であるDSファーマバイオメディカル株式会社の体外診断薬事業を承継し、2019年4月1日から営業しております。DSファーマバイオメディカル株式会社のノウハウと当社の技術を組み合わせ、骨領域や感染症領域で新たな診断薬の開発を加速するとともに、当社は今回の合弁会社設立により診断薬分野の技術・知見を向上し、他の診断薬企業様向けの部材提供事業を更に高付加価値化していきます。
当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は
各セグメント別の研究・開発活動は次のとおりであります。
①半導体関連材料
半導体封止用エポキシ樹脂成形材料、半導体用液状樹脂、半導体用感光性樹脂およびパッケージ基板用材料の開発に重点的に力を入れております。当連結会計年度は、「ウエハーレベル圧縮成形用顆粒封止材」、「モーター磁石固定用エポキシ樹脂」、「ECU一括封止用樹脂」、「高放熱Agシンタリングペースト」、「DRAM向け高解像型感光性ウェハーコート材」、「フラッシュメモリPKG向け極薄基板用プリプレグ材」を開発、上市しました。また、「次世代ファンアウト型パッケージ用感光性絶縁膜の開発」について重点注力し開発中であります。
なお、当セグメントにかかる研究開発費は、
②高機能プラスチック
高機能成形材料と精密成形技術を基盤技術として、自動車、電機部品用等の産業資材用樹脂、成形材料および成形品の開発を進めております。当連結会計年度は、「車載機構部品用高寸法精度フェノール樹脂成形材料」、「車載、産業機器ポンプ、軸受け用高摺動フェノール樹脂成形材料」、「高解像感光剤用フェノール樹脂」、「建材用環境対応フェノール樹脂」、「車載LEDヘッドランプ用高放熱銅張り積層板」等を開発、上市しました。
なお、当セグメントにかかる研究開発費は、
③クオリティオブライフ関連製品
医療機器・用具、バイオ関連製品、医薬・食品等各種包装用材料および建築材料を中心に開発を進めております。当連結会計年度は、「高耐圧CVポート」、「内視鏡用高周波処置具」、「大腸憩室結紮具」、「低侵襲心臓手術用器具」、「細径胆管ステント」、「生体接着剤噴霧塗布器具」、「術後ドレーン及び吸引器」、「再生医療分野の自動細胞培養システム向けカスタム培養器」、「抗体医薬糖鎖分析用自動サンプル調整装置と専用キット」、「青果物用防カビフィルム」、「サラダチキン用多層フィルム」、「高追従スキンパック用多層フィルム」、「LCDドライバー用ダイシングテープ」、「FPC生産工程用離形フィルム」、「エージング工程用電子部品搬送フィルム」、「サングラス向け色彩強調機能付ポリカーボネート偏光板新グレード」、「サングラス向けポリカーボネート板新意匠グレード」、「航空機内装向け難燃シート新意匠グレード」、「簡易施工、軽量高断熱耐火ルーフィングユニット『スミルーフDN™®』」等を開発、上市しました。また、鉄道車両用内装材向けの「リニューアル用上貼りシートアルミイノベア」ならびに「壁用イノベアパネル」等を開発、上市し、メラミン樹脂化粧シート材『デコライノベア®』のラインナップを強化しました。
なお、当セグメントにかかる研究開発費は、