当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針について
当社グループは、「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」を企業理念とし、大地(ゼオ)と永遠(エオン)からなるゼオンの名にふさわしく、独創的な技術・製品・サービスの提供を通じ、「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献することを目指しております。
その企業理念のもと、当社が社会とともに持続的な成長を続けていくために「サステナビリティ基本方針」を定め、これを当社企業活動の基本的な考え方と位置付けております。今後も当社グループでは、社員一人ひとりがより良い未来を考えた行動・活動を実践し、ステークホルダーとの対話・協働を行っていくことで、社会と当社の持続的な発展を目指します。
(2) 経営環境について
①全般
2023年3月期の経営環境は、インフレの進行や金融不安による世界経済の減速に加え、米中関係の緊迫化やウクライナ紛争の長期化など、先行き不透明な状況で推移しました。こうしたなか、ゼオングループは2030年のビジョン「社会の期待と社員の意欲に応える会社」を見据えた中期経営計画のもとでの諸課題に取り組むとともに、エラストマー素材事業においては採算性の重視とグローバル展開の強化、高機能材料事業においては付加価値の高い新製品の開発と事業の拡大に注力しました。
②2030年のビジョンと中期経営計画『STAGE30』
私たちゼオングループは、「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」、すなわち「持続可能な地球」と「安心で快適な人々のくらし」に貢献することを企業理念に掲げています。この理念を実現すべく2030年のビジョンを「社会の期待と社員の意欲に応える会社」と定めています。そして、「まずやってみよう」「つながろう」「磨き上げよう」を大切にする価値観として掲げ、この3つの行動を大切にすることで2030年のビジョン実現を目指します。
また、2021年度から2030年度までの中期経営計画を『STAGE30』(ステージ30)と名付け、「サステナビリティ基本方針」の下、「社会の期待と社員の意欲に応える会社」の実現を目指します。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、2030年のビジョン「社会の期待と社員の意欲に応える会社」の実現のため、2030年に以下を達成することを目標として掲げております。
①CO2排出量50%削減(2019年度比、当社単体のScope1+2を対象)
②SDGs貢献製品の売上高比率50%
③既存事業のROIC9.0%
④新規事業の売上高600億円増加(2019年度比)
⑤従業員エンゲージメント75%
⑥外国人/女性役員比率30%(取締役および監査役 社内・社外を問わない)
なお、上記2030年度の目標値に対する2022年度の進捗状況は以下の通りです。
①CO2排出量:21年度実績77.9万トン(22年度実績集計中)
②SDGs貢献製品の売上高比率:SDGs貢献製品の社内認定制度を設計中
③既存事業のROIC:6.6%
④新規事業の売上高:21億円増加
⑤従業員エンゲージメント:48%(2022年6月調査時点)
⑥外国人/女性役員比率:7%
(4) 対処すべき課題について
当社グループは、「社会の期待と社員の意欲に応える会社」と定めた2030年のビジョンを達成するため、2021年度と2022年度の2年間の新中期経営計画を策定し、以下3つの全社戦略に取り組んでまいりました。
①カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する「ものづくり」への転換を推進するため、2050年を見据えたカーボンニュートラルマスタープランを策定し、2030年度に当社単体のCO2排出量(Scope1+2)を半減する計画としました。
②「既存事業の磨き上げ」と「新規事業の探索」の両立で社会課題解決に貢献すべく、既存事業のROIC向上を目指した高機能樹脂と電池材料等の能力増強、CVCを通じたスタートアップ企業への出資やM&Aを実施しました。
③個々の強みを発揮できる「舞台」を全員で創る基盤づくりとして、健康経営を推進し、社員により多くの人生の選択肢を提供するよう努めたほか、各部門にて社員エンゲージメント向上に取り組みました。
当期よりスタートする『STAGE30』第2フェーズ(2023年度-2026年度)では、基盤づくりが進んだ前述の3つの全社戦略に加え、ガバナンス強化を重視して企業価値の向上を実現してまいります。具体的には、以下4つの全社戦略に取り組んでまいります。
・カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する「ものづくり」への転換を推進する
・「既存事業の磨き上げ」と「新規事業の探索」の両立によって社会課題解決に貢献する
・個々の強みを発揮できる「舞台」を全員で創る
・経営基盤を「磨き上げる」
地球規模の課題である「カーボンニュートラル」は 当社単体Scope1+2の取り組みから当社グループに範囲を広げ、更なる推進を図ります。そして『安定安全な生産に基づいた「ものづくり」』と『「既存事業の磨き上げ」と「新規事業の探索」を両立する』ことで資本収益力を高めます。また、社員の心身の健康を重要な経営資源と捉え、幸せな気持ちでやりがいのある仕事に取り組むことができる環境を整備するとともに、経営の透明性向上を始めとするガバナンスの強化にも注力してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)ガバナンス
2021年にスタートした中期経営計画では、「社会の期待と社員の意欲に応える会社」を2030年のビジョンとし、サステナビリティ経営の実現に向け取り組んでいます。基本的な考え方や対応の組織的な枠組みを明確にするため、CSR基本方針を「サステナビリティ基本方針」に改訂するとともに、サステナビリティに関する取り組みを全社的に検討・推進するための会議体として、これまでの「CSR会議」に加え「サステナビリティ会議」と、その下に「サステナビリティ委員会」を新たに設置しました。「サステナビリティ会議」「CSR会議」ともに代表取締役が議長となり、サステナビリティやCSRに関する諸施策を議論、決定し、必要に応じて取締役会への報告を行います。主にリスク管理・コンプライアンスについては「CSR 会議」で取り扱い、それ以外のサステナビリティ全般については「サステナビリティ会議」で扱います。
また、中期経営計画の中で注力するSDGsのゴールを定め、それらと対応させた全社戦略を展開していますが、当社として注力すべき事項をより明確にし、メリハリのある実効性の高い施策を打ち出せるよう、現在、社内横断的組織(プロジェクト)で「マテリアリティ(重要課題)」の特定に取り組んでいます。
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応については下記のように取り組みを行っています。
・気候関連リスクおよび機会についての取締役会の監視体制
2021年7月にコーポレートサステナビリティ推進本部を設置し、当社のサステナビリティ推進とその結果および進捗の開示を行っています。さらに2022年7月に同本部内にカーボンニュートラル統括推進部門を設置し、中期経営計画での全社戦略である「カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する「ものづくり」への転換を推進する」ための活動を行っています。これらの体制整備は、取締役会承認のもとに行っています。
サステナビリティ会議およびサステナビリティ委員会では、重要なサステナビリティ課題の一つとして「気候変動への対応」を掲げて必要な議論を行い、その内容について必要に応じて取締役会への報告を行う体制となっています。
・気候関連リスクおよび機会の評価・管理における経営者の役割
当社は、経営理念「大地の永遠と人類の繁栄に貢献する」の実現に向けた気候変動を含むサステナビリティ課題に対応するために、前述のとおり推進組織を整備し、取締役であるコーポレートサステナビリティ推進本部長がこれを統括しています。その対応状況については、前述のサステナビリティ会議にて報告・審議が行われ、最終的に議長である代表取締役がサステナビリティ実現の責任を負う体制となっています。
当社の気候変動への対応としては、2050年でのカーボンニュートラル実現にむけた取り組みとして、2021年に第1次カーボンニュートラルマスタープランを策定し、CO2排出量の現状把握・削減目標の設定を行いました。
また当社は2020年にTCFDに賛同し、TCFDシナリオ分析をはじめとするTCFD要請事項への対応を進めています。ここでは財務的インパクトの定量開示(指標化と達成状況)が今後の主な課題と認識しています。
(2)戦略
①気候関連
・組織が特定した、短期・中期・長期の気候関連リスクおよび機会
当社の気候変動に関するリスクと機会を把握するため、2020年度にゴム事業部で、2℃シナリオ分析および4℃シナリオ分析を実施しました。更に、2021年度には全社に展開し、同様のシナリオ分析を実施しました。
リスクおよび機会の認識のために実施したリスク重要度評価の結果は次の通りです。
・気候関連リスクおよび機会が組織のビジネス・戦略・財務計画に及ぼす影響
事業インパクト評価(財務計画への影響)に関して、前述のシナリオ分析に基づき、4℃・2℃各シナリオにおいて想定される事業への財務影響を把握しました。4℃シナリオにおいては物理リスクの影響や調達コスト増により利益が減少、2℃シナリオにおいては炭素税の導入やEVの普及により利益が減少する一方、新たな事業機会獲得が利益に貢献するとの結果が得られました。
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・2℃以下のシナリオを含むさまざまな気候関連シナリオに基づく検討を踏まえた、組織の戦略のレジリエンス
今後は1.5℃シナリオ分析を実施します。その結果を受けて、中期経営計画の全社戦略と連携しながら対応策を実行していきます。脱炭素戦略ではカーボンニュートラルを目指すための方策を全社的に検討しています。資源戦略ではサーキュラーエコノミーの促進やバイオマス原料を使用した製品の開発などを進めていきます。また、顧客の行動変化を想定した製品開発・ポートフォリオ管理を行い、事業の拡大を目指します。
②人材の育成及び社内環境整備に関する方針
・人材の育成方針
企業理念とサステナビリティ基本方針のもとに定めている人材育成の基本理念「従業員一人ひとりの能力を引き出し、育成し、活用する」が日本ゼオンの人材育成方針です。
当社では、「高い目標に向かって、自ら考え抜いて行動し、変え続けられる人材」を「ありたい人材」と掲げ、人材育成を行っています。各人が「ありたい人材」に近づけるよう、専門スキルの強化、自己啓発支援などの教育を実施しています。また、事業の拡大を支える多様な人材の確保を併せて進めています。
・社内環境整備に関する方針
2030年のビジョン「社会の期待と社員の意欲に応える会社」に向けた人材戦略の骨子は「健康経営の実践」と「Well-being, Freedom(自分らしく よく生きる)」です。当社では社内環境整備方針を「すべての社員が働きやすい職場環境づくり」と定め、2023年度からの中期経営計画では掲げた指標及び目標に向けて取り組みを強化しています。
(3)リスク管理
①気候関連
・気候関連リスクを識別・評価するプロセス
4℃および2℃におけるシナリオ分析に基づき、2030年およびそれ以降を想定した気候変動に伴う移行リスク、物理的リスクを識別し、重要度に応じた分類をしています。
・気候関連リスクを管理するプロセス
気候関連リスクについては、リスクマネジメント室を設置し、全社共通のリスク管理一覧表のなかで気候変動リスクを認識し、リスク対応については該当部門においてリスク評価と対応策を明確にしてリスク管理を行っていきます。
・気候関連リスクを識別・評価・管理するプロセスが、組織の総合的なリスク管理にどのように統合されているか
識別した気候変動リスクに関してはインパクト評価結果や研究開発の方針とリンクさせながら将来のありたい姿を
描き、それに向けての経営方針や事業計画を作成し、3か年計画や年度予算にて具体的な数値目標に落とし込んでいく体制を作っています。
②人権尊重に向けた取り組み
ゼオングループでは、人権尊重に向けた取り組みを、サステナビリティ経営実現のための重要な基盤の一つと位置づけ、自らの事業活動において影響を受ける全ての人の人権を尊重するべく、2021年度より本格的に取り組みを開始しています。まずはビジネスの全体像の中から人権リスクマップを策定して人権リスクを特定しました。さらに経営層向け、関係部署向けセミナーを実施して、人権尊重の重要性を社内に浸透させた上で、外部専門家からのアドバイザリーを受けながら、関係部署で人権デューディリジェンスの具体的な進め方を検討して進めています。具体的には、日本ゼオン、グループ企業、サプライチェーンの3つに分類し、それぞれで課題を設定して取り組みを進めています。
今後は、海外のグループ企業における人権デューディリジェンスや、実際に人権侵害が発生した際のサプライチェーン、地域社会における救済窓口の設置、CSR調達ガイドブックの策定や購買基本契約への導入などを課題と認識しており、これらへの対応を含め、引き続き人権尊重に向けた取り組みを進めていきます。
③サプライチェーンでの取り組み
サプライチェーンでの取り組みとして、調達先の CSR 調達アセスメントを実施しています。2019年度から本格的に調査を開始し、2021年度は、事業部独自に購買している原材料まで対象を広げ、各部門における取引金額の上位80%以上に加え、人権などのリスクが高いと想定される調達先を選定し、延べ262社の調達先に対して調査を実施しました。回答のあった全ての取引先に対してフィードバックを行うとともに、得点率の高い取引先、得点率の低い取引先、サプライチェーンの上流でリスクの高い原材料を取り扱っている取引先といった観点で16社を選定し、訪問やオンラインでの面談も実施しています。面談では、取引先企業のCSRに関わる戦略・方針や考え方、環境、安全、人権、労働、地域への貢献といったCSRの取り組み状況を確認し、今後のさらなる改善に向けた取り組みを要請しています。また、実施した取引先に対し、「人権方針」や「CSR 調達ガイドライン」、「お取引先さまへのお願い」といった当社のCSR調達に対する考え方に関しての同意書を提出いただき、当社の考え方を上流の取引先に展開しています。今後、グループ企業のサプライチェーンにおいてCSR 調達アセスメントの実施も検討しています。
(4)指標及び目標
①気候関連
・組織が自らの戦略とリスク管理プロセスに即して、気候関連リスクおよび機会を評価する際に用いる指標
2021年に第1次カーボンニュートラルマスタープランを策定し、2050年のカーボンニュートラル達成に向けた2030年度での削減目標値を設定しました。この目標は日本ゼオン単体のScope1とScope2の合計を対象としており、2030年度CO2排出量を2019年度比で50%減としています。今後は適宜、プランをアップデートしていきます。
・Scope1、Scope2および該当する場合はScope3のGHG排出量とその関連リスク
ゼオングループとしてのScope1、2、3の開示のために、グループ企業を含めたScope 1、2、3の排出量の把握を行う体制を確立し、その成果としてCDPへの開示やSBT認定を目標としていきます。
部門課題として、特にSDGs13ゴール(気候変動対応)に対応する指標や目標の設定を進めています。
・気候関連リスクおよび機会を管理するために用いる目標、およびその目標に対する実績
2030年度のCO2排出量を2019年度比で50%減とする、という目標にむけて、様々な取り組みを推進しています。
前述のScope1、2での排出量削減方策として、省エネルギー、プロセス革新、エネルギー転換、という3つのアプローチで取り組みます。なお、エネルギー転換はエネルギーの元であるボイラ等の燃料を再生可能エネルギーや証書付の燃料※に転換することにより進めていきます。
※ 証書付き燃料:採掘から燃焼に至るまでの工程で発生する温室効果ガスを、CO2クレジットで相殺することにより、地球規模では、この燃料を使用してもCO2が発生しないとみなされます。
2022年度は以下に示す通り、国内生産拠点のエネルギー転換を推進しました。今後も各削減方策を展開し2030年度の削減目標を達成するよう取り組みを進めていきます。
・国内生産拠点のうち 4 事業所(高岡工場・氷見二上工場・敦賀工場・徳山工場)において購入電力のすべてを100%再生可能エネルギー電力に転換。
・高岡工場にて CO2排出量が実質ゼロのカーボンニュートラルLNGの購入を契約。
・徳山工場にて蒸気の CO2排出量削減のためグリーン熱証書の購入を契約。
・川崎工場にて、東京ガス株式会社(以下、東京ガス)のカーボンニュートラル都市ガスを導入するとともに、カーボンニュートラルLNGバイヤーズアライアンスに加盟。
②人材の育成及び社内環境整備
・人材の育成方針に関する指標及び目標(実績と目標)
a.女性管理職比率
2022年実績は5.7%、2030年目標は20%としています。 ※算出日2023年3月31日
b.従業員エンゲージメント指数
・人材の育成に関する具体的な取り組み
a.採用活動
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新卒採用、キャリア・中途採用 |
事業の拡大を支える人材の確保やイノベーションの創出に向け、国籍を問わず、異なる発想や感性を持つ多様な人材の確保を進めています。 |
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障がい者雇用 |
2020年12月からは障がい者就労施設「ゼオンふぁーむ」を千葉県柏市に、2022年9月からは「ゼオンふぁーむ徳山」を山口県周南市に開園するなど、積極的にディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)の機会を提供しています。 |
b.人事制度
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シニア社員制度の導入 |
2022年4月に定年後60歳以上の社員全員を対象としたシニア社員制度を導入しました。満70歳までの再雇用の枠組みを整備するとともに、魅力ある処遇とパートタイム勤務や副業を含めた柔軟な働き方によって、シニア世代が当社で磨き上げた個々の強みを発揮し活躍できる「舞台」を創っています。 |
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幹部職人事制度改定 |
2023年度には幹部職人事制度を改定する計画です。新しい人事制度では、「職務」と「人材要件」を明確にし、これらの見える化を図ることによって経営・事業戦略と人材マネジメントとの連動や個々の強みを発揮し成長を促していきます。また、評価や報酬の納得性向上やキャリアパスの可視化等を通じたエンゲージメントの向上につなげていきます。 |
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「先の見える異動」の仕組みづくり |
自己申告機会の確保やキャリア面談、公募制の活用など、デジタル技術による人材マネジメント基盤整備とともに、「先の見える異動」の仕組みづくりを進めています。 |
・社内環境整備方針に関する指標及び目標(実績と目標)
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項目 |
2022年実績 |
2026年目標 |
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社員を活かす環境※1 |
48 |
55 |
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年次有給休暇取得率※2 |
60% |
70% |
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アブセンティーイズム※3 |
0.6% |
0.4% |
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日本ゼオン健康行動指標※4 |
60% |
65% |
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休業災害度数率※5 |
0.36% |
0% |
※1 エンゲージメントサーベイ結果 (毎年6月実施)
※2 算定期間1月1日~12月31日 当社全従業員の取得日数/当社全従業員への年間付与日数
※3 算出日2023年4月1日
※4 算定期間1月1日~12月31日 日本ゼオンの定期健康診断を受診した社員のうち、「BMIが基準値内」「運動習慣がある」「煙草を吸わない」の3つの健康行動から構成される当社オリジナル指標。2項目以上の達成を個人及び会社の目標とする。
※5 算定期間1月1日~12月31日
・社内環境整備に関する具体的な取り組み
a.社員を活かす環境の改善
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社内公募の推進プロジェクト |
DI&B(Diversity, Inclusion and Belonging)の組織風土定着のため、社内公募の推進プロジェクトが発足しています。社員同士の助け合いを軸とする「キャリアと組織の相談室」や「メンタリング」は、自律性やBetter Together(共に成長)を育む取り組みです。子育てやキャリア・中途採用など同じ悩み・境遇に置かれた社員が対話できる場である「お話会」、誰でもフラットに話せる関係の構築を目的とした「アイデア提案ゲーム」など、メンバーの「まずやってみよう」スピリットから生まれた取り組みを行っています。 |
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工場における「新しい定員制」の導入 |
「新しい定員制」とは、従来の安定・安全生産のための操業定員に加え新たな定員を設定することで、教育・改善時間の確保、仕事と生活の両立、また生産革新の加速を目指すものです。これにより、生産革新、教育を推進するほか、年次有給休暇取得率の向上や育児・介護休業取得を促進しています。 |
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サポート休暇制度の拡充 |
失効した年次有給休暇を積立する休暇をサポート休暇として改めました。また、入社時から安心して働ける環境を整備するため、本採用時に「16日」のサポート休暇を付与しています。私傷病やお子様の学級閉鎖など万が一の際にも安心して使用できるように取得要件も見直しました。 |
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時間と場所にとらわれない働き方の拡充 |
一人ひとりのWell-being実現をさらに後押しするため、テレワークの拡充やフレックスタイム制・時間単位年次有給休暇の導入を通じて、「時間や場所にとらわれない柔軟な働き方ができる環境」の整備を進めています。 |
b.年次有給休暇取得率向上
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年次有給休暇取得奨励週間(一部事業所)・奨励日の設定 |
各事業所で年次有給休暇取得奨励週間及び奨励日を設定し、周知することで該当日に休暇を取得しやすい環境づくりを行っています。 |
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時間単位及び半日単位の年次有給休暇の導入 |
1時間単位で年次有給休暇を取得できる時間単位年次有給休暇及び半日単位で年次有給休暇を取得できる半日単位年次有給休暇を導入しています。 |
c.アブセンティーイズム低減
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メンタルヘルスへの取り組み |
幹部職対象のラインケア研修だけでなく、全社員対象のセルフケア研修など、各種メンタルヘルス研修、研修動画の配信を実施しています。 |
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EAPの設置 ※EAP:従業員支援プログラム (Employee Assistance Program) |
心身の健康づくりを目的として社外カウンセリング支援を導入し、対面・オンライン・電話・メールの4つから、希望する方法を選ぶことができます。 |
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社内相談体制の整備 |
心身の不調がある場合には、各事業所産業医に相談することが可能です。また、全ての事業所に看護職が常駐しており、社員の相談窓口となっています。 |
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定期健康診断 |
年に1回、定期健康診断を実施しています。法定項目だけでなく、一部法定外項目を実施することで、病気の早期発見に努めています。 |
d.日本ゼオン健康行動指標の達成
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健康支援アプリの活用 |
16種類の健康管理メニューを搭載した健康支援アプリを導入。アプリを活用したイベントを開催し、社員の運動習慣づくりにつなげています。 |
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禁煙への支援 |
各事業所での禁煙施策の実施や禁煙外来受診時のカフェテリアプランによる費用補助を行うことで、社員の禁煙への後押しを行っています。 |
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健康情報の提供 |
ヘルスリテラシーの向上を目的として、健康動画の配信、健康ニュースの発行、健康セミナーの開催など、健康に関する情報提供を随時実施しています。 |
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糖尿病重症化予防と特定保健指導の実施 |
健康保険組合が主管となって行う「糖尿病重症化予防」と「特定保健指導」(法定40歳以上)では、対象を40歳未満にも広げて実施をしています。 |
e.労働安全に関する取り組み
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危険予知(KY)の活動 (4R-KY(4 ラウンド危険予知)活動) |
4R-KY とは、作業前に作業分析し、理解することで自らの危険な行動を防止する危険予知手法の1 つです。手順を1 ラウンドから4 ラウンドに分けて行います。事業所に配置した「KY トレーナー」を中心に活動しています。 |
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ヒヤリハット抽出 |
ヒヤリハットとは、重大な災害や事故にはいたらないものの、ヒヤリとしたり、ハッとしたりするなどした事象のことをいいます。この背景には、「重大な事故1 件の陰には、29件の軽微な事故と、300 件のニアミスが存在する」というハインリッヒの法則があります。ヒヤリ、ハッとしたニアミス事例を蓄積・共有することで、重大事故の防止につなげています。 |
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
1.外部事業環境に係るリスク
日本、北米、欧州、アジアの当社グループの主要市場の経済状況は、当社グループの製品販売に大きな影響を与えます。当社グループは、「ZΣ運動」による徹底したコスト削減を進めるとともに、エラストマー素材事業においては採算性の向上と生産・販売のグローバル展開、高機能材料事業においては付加価値の高い新製品の開発と事業拡大に努めておりますが、これらの市場における景気後退(金融・資本市場の混乱や大規模な自然災害、感染症の蔓延等に起因するものを含みます)、およびそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループの事業には、主に日本、北米、欧州、アジアにおける生産と販売が含まれております。各地域における売上高、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。換算時のレートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受けるおそれがあります。
当社グループが生産を行う地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における生産と調達のコストを押し上げる可能性があります。コストの増加は、当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、為替予約等により短期的な変動による悪影響を最小限にとどめる努力はしておりますが、急激な短期変動もしくは中長期的な通貨変動により、計画された調達、生産、流通及び販売活動が確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、事業活動上の関係の深化や原材料の安定調達等を目的に取引先の株式を保有しております。当社グループは毎年個別銘柄ごとに保有目的の適切性や保有に伴う便益およびリスクが資本コストに見合っているか等を精査し、保有の適否を検証しておりますが、大幅な市場価格の下落、又は株式保有先の財政状態の悪化によりその評価が著しく下落した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループの事業、特にエラストマー素材事業では、原油価格、ナフサ価格及び主要原材料価格の動向が製造コストに大きな影響を与えます。当社グループは、当該価格の変動分を適時適切に製品価格に転嫁すること等による収益性の維持に努めておりますが、地政学的要因等による想定を超える市況の高騰や資源ナショナリズム等により需給が逼迫し、製造コストが急激に上昇する場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、研究開発・生産・販売・管理等のさまざまな分野にわたり、高度の専門性を有する人材の計画的な採用・育成に努めております。しかし、特に日本国内においては少子高齢化に伴う労働人口の減少等が見込まれるところ、必要な人材を継続的に獲得するための競争が激化し、人材確保や育成が計画通りに進まない場合には、将来の成長が阻害され、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
2.投資に係るリスク
当社グループの将来の成長は、継続して新製品を開発し販売することに依存すると予想しております。
特に高機能材料事業においては、その主要マーケットであるエレクトロニクス業界の技術革新のスピードが著しいため、顧客のニーズを的確に把握し、タイムリーかつスピーディに新製品を上市すべく研究開発投資を行っておりますが、予測を超えた市場の変化や技術の急速な進歩等によりこれらの投資が奏功せず、魅力ある新製品を開発できない場合は、将来の成長と収益性が低下し、業績と財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、将来の事業拡大を目的とした成長投資を行っております。その判断にあたっては社内基準に基づく厳格な審査を行い、案件の事後管理に係る手続も整備・運用しておりますが、外部環境の急激な変化等により期待通りの収益が上がらなかった場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
3.事業のグローバル化に伴うリスク
当社グループの生産および販売活動の一部は、米国、欧州、ならびにアジア各国市場等の日本国外で行われており、さらなる事業展開を計画しております。これらの海外市場への進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在します。
① 予期しない法律または規制の変更
② 不利な政治または経済要因
③ 人材の採用と確保の難しさ
④ 未整備な技術、基盤インフラが、生産等の当社グループの活動に悪影響を及ぼす可能性、または当社グループの製
品やサービスに対する顧客の支持を低下させる可能性
⑤ 潜在的に不利な税制
⑥ 戦争、テロ、その他の要因による社会的混乱
当社グループは現地駐在員の教育や本社-現地間のコミュニケーションの活性化等によるリスク低減に努めておりますが、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
4.知的財産保護に係るリスク
当社グループは他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、他社が類似する、もしくは当社より優れている技術を開発したり、当社グループの特許や企業秘密を模倣、または解析調査したりすることを防止できない可能性があります。さらに、当社グループの製品または技術は、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされるおそれがあります。これらのリスク低減のため、当社グループでは国内外における自社技術の権利化、ノウハウのブラックボックス化、新製品上市前の他社知的財産の調査・対応などに取り組んでおります。
5.製品の品質に係るリスク
当社グループは世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品を生産しております。しかし、すべての製品について欠陥が無く、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできる保証はありません。さらに、引き続き当社グループがこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売り上げが減少し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
6.コンプライアンスに係るリスク
当社グループは、サステナビリティ基本方針において公正で誠実な活動を貫くことを標榜し、コンプライアンスを法令遵守にとどまらず、社会の構成員として求められる価値観・倫理観によって誠実に行動することと考えています。しかし、さまざまな環境問題や人権問題をはじめ、企業の社会的責任がより広範かつ高度に求められていくことにより、当社や当社のサプライチェーンの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、公務員に対する不正な利益の供与・贈収賄規制、関税をはじめとするその他の輸出入規制等、様々な公的規制の適用を受けております。今後、当社グループに関連する法令の改正や規制の強化により事業活動が制限され、或いはコストの増加につながるなどの可能性は否定できず、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
7.環境に係るリスク
各種の化学物質を取り扱う当社グループは、環境に関する各種法令や規制を遵守するとともに、環境影響物質の排出抑制に継続的に取り組んでおりますが、今後環境に関する国内外の規制強化等により、事業活動の制限あるいは追加の設備投資を余儀なくされるなど、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
8.訴訟に係るリスク
当社グループが様々な事業活動を行うなかで、訴訟、係争、その他の法的手続きの対象となるリスクも想定されます。これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
9.気候変動に係るリスク
当社グループはサステナビリティ基本方針において「持続可能な地球への貢献」を標榜し、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーを実現する「ものづくり」への転換を推進するために、省エネルギーや燃料転換等の施策を推進するとともに長期的な研究開発を実施しております。また、当社は「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に賛同し、気候変動が事業に及ぼすリスク・機会を分析し経営戦略に反映することで経営基盤の強化を図り、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指しております。しかし気候変動に起因する、異常気象の激甚化による事業所やサプライチェーンの被災、原材料やユーティリティ価格の上昇、顧客の行動変化あるいは気候変動対応に係る社会的責任の発生などは当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
10.情報セキュリティに係わるリスク
当社グループは重要インフラ事業者としてプラント制御システムを有する他、各種の業務用システムを開発・運用し、また個人情報を含む営業秘密情報を保有しています。当社グループはシステムの保守更新や不正なアクセスからの防衛、ならびに情報管理の徹底を進めておりますが、サイバーテロなどによる悪意ある侵入や業務妨害行為を完全に防止できる保証はなく、当社グループの生産をはじめとする事業活動が中断するなどして業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
11.事業継続に係るリスク
当社グループは生産ラインの中断による潜在的なマイナスの影響を最小化するために、定期的な災害防止検査と設備点検を行っており、また、事業継続計画(BCP)の策定や非常時を想定した訓練などにも取り組んでおります。しかし、生産設備で発生する災害、停電または地震その他の中断事象による影響、あるいは感染症の流行による事業活動の制限に伴う影響などを完全に防止または軽減できる保証はなく、当社グループの生産及び業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
当社グループの主原料は、ナフサに大きく依存しております。また、その供給を外部に依存しております。生産国の政治情勢が不安定になるなど日本が原油及びナフサの輸入が困難になる、もしくは購入先が事故や災害により操業困難となりそれが長期にわたるなどの状況は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼすおそれがあります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当期の経営環境を振り返りますと、インフレと金融緩和政策の転換による金融不安、それを受けた金利環境や株式
市場の変動および消費者の購買心理の変化等により世界経済の動向に不確実性が高まる中、依然として緊張状態にあ
る米中関係の影響やロシアのウクライナ侵攻による影響等も加わり、当社グループを取り巻く環境としては先行き不
透明な状況で推移しました。
当社グループはこのような環境のもとで、「ZΣ運動」による徹底したコスト削減や、生産革新活動に注力すると
ともに、エラストマー素材事業におきましては採算性の重視と生産・販売のグローバル展開、高機能材料事業におき
ましては付加価値の高い新製品の開発と事業拡大に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末のエラストマー素材事業の資産は、前連結会計年度末に比べ、108億85百万円増加し、2,342億61
百万円となりました。当連結会計年度末の高機能材料事業の資産は、前連結会計年度末に比べ157億66百万円増加
し、1,344億90百万円となりました。当連結会計年度末のその他及び全社資産等の資産は、前連結会計年度末に比
べ、115億57百万円増加し、1,541億17百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ、382億8百万円増加し、5,228億68百万円
となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ、207億35百万円増加し、1,835億60百万円となりまし
た。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ、174億73百万円増加し、3,393億8百万円となりまし
た。
b.経営成績
当期の連結売上高は3,886億14百万円と前年同期間に比べて268億84百万円の増収、連結営業利益は271億79百万円と前年同期間に比べて172億53百万円の減益、連結経常利益は313億93百万円と前年同期間に比べて180億75百万円の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は105億69百万円と前年同期間に比べて228億43百万円の減益となりました。
セグメントの業績は、次の通りであります。
(エラストマー素材事業部門)
合成ゴム関連では、半導体不足等により自動車生産台数が伸び悩む中、国内販売は底堅い需要に支えられ堅調に推
移しましたが、合成ゴムの主力生産工場の定期修理に伴い出荷量を調整した結果、輸出販売数量は前年同期間を下回
りました。一方、原料及び燃料高騰分等の価格転嫁が進んだことから、全体の売上高、営業利益はともに前年同期間
を上回りました。
合成ラテックス関連では、期を通じて医療・衛生用手袋の流通在庫が過剰に推移し需給が大幅に緩んだことから、
売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。
化成品関連では、為替円安の影響並びに原料及び燃料高騰分の価格転嫁を進めたことにより、売上高は前年同期間
を上回りましたが、期後半になって主用途である粘着テープの流通在庫が過剰になった影響に加え、棚卸資産関連費
用を計上したこと等により、営業利益は前年同期間を下回りました。
以上の結果、エラストマー素材事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて216億64百万円増加し2,222億30百万
円、営業利益は前年同期間に比べて84億39百万円減少し101億84百万円となりました。
(高機能材料事業部門)
高機能樹脂関連では、医療用途向けの需要は堅調に推移したものの、大型テレビ向け光学フィルムはパネルの流通
在庫が過剰に推移した影響を受け、高機能樹脂関連全体の売上高、営業利益ともに前年同期間を下回りました。
電池材料関連では、中国経済低迷による需要落ち込みの影響を受けたものの、売上高は前年同期間を上回りまし
た。一方、原料及び燃料高騰の影響や新製品開発費用の増加等により、営業利益は前年同期間を下回りました。
化学品関連では、合成香料、特殊溶剤用途ともに需要が堅調に推移したことに加え、為替円安の影響並びに原料及
び燃料高騰分の価格転嫁を進めたことにより、売上高、営業利益ともに前年同期間を上回りました。
電子材料関連では、期後半になって半導体メーカーの稼働率低下が顕著となった影響を受け、売上高、営業利益と
もに前年同期間を下回りました。
トナー関連では、テレワーク特需が一巡し流通在庫が過剰に推移した影響を受け、売上高、営業利益ともに前年同
期間を下回りました。
以上の結果、高機能材料事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて14億36百万円減少し1,053億56百万円、営業
利益は前年同期間に比べて80億63百万円減少し182億96百万円となりました。
(その他の事業部門)
その他の事業においては、子会社の商事部門等の売上高が前年同期間を上回りました。
以上の結果、その他の事業部門全体の売上高は前年同期間に比べて74億49百万円増加し652億70百万円、営業利益
は前年同期間に比べて64百万円増加し23億81百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ162億51百
万円(前年度比36.5%減)減少し、282億70百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は143億58百万円となり、前連結会計年度末に比べ187億83百万
円の減少(前年度比56.7%減)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、売上債権の増減額が純増から純
減へと転じたことにより資金が増加したものの、棚卸資産の純増加額が増加したこと及び仕入債務の純増加額が減少
したことにより資金が減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は288億99百万円となり、前連結会計年度末に比べ24億63百万
円の資金支出の増加(前年度比9.3%増)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、投資有価証券の売却
による収入が増加したことにより資金が増加したものの、無形固定資産の取得による支出が増加したこと及び投資有
価証券の取得による支出が増加したことにより資金が減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は28億20百万円となり、前連結会計年度末に比べ90億63百万円
の資金支出の減少(前年度比76.3%減)となりました。前連結会計年度との差の主な要因は、社債の償還による支出
が増加したものの、コマーシャル・ペーパーの純増減額が増加したことにより資金が増加したこと等によるものであ
ります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
エラストマー素材事業 |
180,159 |
14.1 |
|
高機能材料事業 |
81,621 |
9.3 |
|
その他 |
7,117 |
24.6 |
(注)連結会社間およびセグメント間の取引が複雑で、セグメントごとの生産高を正確に把握することが困難なため、概算値で表示しております。
b.受注実績
特記すべき事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
エラストマー素材事業 |
218,631 |
10.6 |
|
高機能材料事業 |
105,335 |
△1.3 |
|
その他 |
64,648 |
12.7 |
|
合計 |
388,614 |
7.4 |
(注)セグメント間の取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたっては、連結決算日における資産・負債および連結会計年度における収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを実施する必要があります。これらの見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しておりますが、以下の事項について連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.貸倒引当金
当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。従って、顧客の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合など、追加引当が必要となる可能性があります。また、貸倒損失の発生により貸倒実績率が上昇し、一般債権に係る貸倒引当金の追加計上が発生する可能性があります。
b.棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の、市場状況等に基づく正味売却価額の見積額と原価との差額について、評価減を計上しております。実際の市場状況等が見積りより悪化した場合、評価減の追加計上が必要となる可能性があります。
c.有価証券
当社グループは、価格変動性が高い上場会社の株式と、株価の決定が困難である非上場会社の有価証券を所有しております。当社グループは、社内ルールに従って、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合、有価証券の減損損失を計上しております。このため、将来の市況悪化または投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
d.繰延税金資産
当社グループは、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して、繰延税金資産を計上しております。ただし繰延税金資産の回収可能性に不確実性がある場合は、評価性引当額の計上を行い、将来実現する可能性が高いと考えられる金額を繰延税金資産として計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、主に将来の課税所得の見積もりによるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場動向や当社グループの事業活動の状況及びその他の要因により変化いたします。この為、繰延税金資産の回収可能性の変化により、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。
e.固定資産
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローを見積もり、見積もられた割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては、慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境等の諸前提の変化により、追加の減損処理又は新たな減損処理が必要となる可能性があります。
f.退職給付費用および債務
確定給付型の制度に関わる従業員退職給付費用および債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率および年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付費用および債務が変動する可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高と営業利益
当連結会計年度の売上高は3,886億14百万円(前期比7.4%増)、営業利益は271億79百万円(前期比38.8%減)となりました。
詳細につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 に記載しておりますセグメントの業績をご参照願います。
b.営業外損益と経常利益
為替差益の減少等により、営業外損益は前期比で8億22百万円悪化し42億15百万円の利益となりました。
以上の結果、経常利益は、前期比36.5%減の313億93百万円となりました。
c.特別損益
減損損失の発生等により、特別損益は前期比で136億84百万円悪化し169億27百万円の損失となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の総額は38億58百万円となり、非支配株主に帰属する当期純利益は、前期比2億54百万円減少し39百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比68.4%減の105億69百万円となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
a.財務戦略の基本的な考え方
当社グループは、企業価値の向上のために経営資源の配分を行うこととしております。当社グループの企業価値の源泉は、独創的技術であると考えており、財務健全性と資本コストを踏まえ、独創的技術の強化・創出に繋がる設備投資や研究開発等を推進しております。
b.経営資源の配分に関する考え方
当社グループは、必要な手元現預金を確保しつつ、設備投資や独創的技術の開発等への継続的な経営資源の配分に努めます。また、安定的、継続的な配当等を通じた株主還元への配分を行うこととしております。
c.資金需要の主な内容
当社グループの営業活動に係る資金需要は、原材料費、物流費、研究開発費、人件費などがあります。投資活動に係る資金需要は、独創的技術の維持・強化・創出に繋がる設備投資およびIT投資などがあります。
d.資金調達
当社グループの継続と発展のために必要となる資金を安定的に確保するため、内部資金と外部資金を活用しております。運転資金および設備投資資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーおよび社債の発行などを活用しております。財務健全性および信用格付の維持により外部資金調達能力を確保するとともに、必要に応じてコミットメントラインの設定により流動性を確保しております。
④経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループでは、2030年のビジョン「社会の期待と社員の意欲に応える会社」の実現のため、2030年に以下を達成することを目標として掲げております。
a.CO2排出量50%削減(2019年度比、当社単体のScope1+2を対象)
b.SDGs貢献製品の売上高比率50%
c.既存事業のROIC9.0%
d.新規事業の売上高600億円増加(2019年度比)
e.従業員エンゲージメント75%
f.外国人/女性役員比率30%(取締役および監査役 社内・社外を問わない)
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社、以下同じ)の研究開発部門として、当社が当社グループの研究開発の中枢組織として川崎地区に総合開発センター(13研究所、創発推進センター、3研究室および3スタジオより構成)、高岡地区に精密光学研究所及びメディカル研究所、徳山地区にCNT研究所、水島地区に化成品研究室、米沢地区に化学品研究棟、加えて4工場(高岡、川崎、徳山、水島)に所属する製造課内に技術グループを有するほか、国外関係会社等の研究部門として、ゼオン・ケミカルズ・リミテッド・パートナーシップ研究所(米国)並びにゼオン・リサーチ・ベトナム(ベトナム)を有しております。
主な研究開発活動
エラストマー素材事業(ゴム、ラテックス、化成品等)
・H-NBR、NBR、ACMを中心とする特殊ゴムの世界のリーダーとして日・米の研究部門が緊密な協力体制を構築して新製品開発、新規用途開発、新規市場開拓を進めると共に、各種用途への最適な配合研究や技術サービスを推進いたしました。
・SBR、BR、IR等の汎用ゴムについては、圧倒的コスト優位の製造方法を確立すると共に、次世代をにらんだ低燃費タイヤ用新規ゴム開発を進めました。
・手袋用NBRラテックスやIRラテックスの新製品開発、および技術サービス、新製品による新規市場開拓に注力いたしました。
・ホットメルト接着剤用石油樹脂「クイントン®」や熱可塑性エラストマー「クインタック®」における新品種開発を推進すると共に、新規市場開拓や各種用途での技術サービスに注力いたしました。
高機能材料事業(化学品、高機能樹脂、高機能部材、電子材料、トナー、電池材料、健康、CNT等)
・特殊化学品では、工業薬品、新規医薬・農薬の原料、特殊溶剤・洗浄剤として、新規用途開発、新規市場開拓に注力いたしました。
・非晶質環状オレフィンポリマーの「ZEONEX®」シリーズでは、光学、医療、通信分野を中心に開発を推進しております。
・非晶質環状オレフィンポリマーの「ZEONOR®」シリーズでは、新規用途開発を進めています。
・液晶ディスプレイに使用される光学フィルムや、その他機能性部材の開発を進めております。
・絶縁材料、半導体製造用エッチングガス等の情報材料関係で製品開発が計画通り進んでおります。
・重合法トナーは、省エネルギー対応次世代カラートナーの開発を計画通り進めております。
・電池材料の研究では、リチウムイオンバッテリー用の材料の開発を推進しております。
・医療器材関連の研究において循環器系カテーテル分野では、より低侵襲なデバイスの開発を進めております。また、消化器内視鏡処置具の拡充を図り、市場ニーズを先取りした製品群の拡充を進めております。
・カーボンナノチューブ(CNT)の研究では、大容量のリチウム金属電極など特徴のある用途開発を進めております。
なお、当連結会計年度における研究開発費をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
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エラストマー素材事業 |
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高機能材料事業 |
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その他 |
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全社(共通) |
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合計 |
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