第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績が回復する中、雇用・所得環境が改善し、緩やかな回復基調を辿りました。ただ、消費税率引上げの影響、更には、外国人観光客の所謂“爆買い”の終了もあって個人消費は低迷し、民間設備投資も、大企業を中心に持ち直しの兆しが見られたものの、総じて力強さを欠く展開となりました。

海外では、難民・移民問題に端を発した保護主義が俄かに台頭し、米国新大統領の誕生、英国の欧州連合(EU)離脱など、今後の世界経済の行方は全く不透明な状況となっています。

一方、住宅市場では、昨年2月16日よりマイナス金利政策が、また、9月には「長短金利操作付き量的・質的金融政策」が導入されたこともあって、住宅ローン需要が喚起され、特に、相続税対策としての貸家需要は高い伸びを示しました。ただ、価格の高騰もあり、首都圏でのマンション供給は20余年振りの低水準となり、分譲住宅全体の伸びは抑えられることとなりました。その結果、平成28年度の新設住宅着工は、戸数974千戸(前年比5.8%増)、床面積78,705千㎡(同4.1%増)となりました。

このような環境の下、当社グループの主な取組みとして、建築資材分野では、非住宅市場向けに施工付製品の拡大に努めました。中でも、オフィスの新築・リニューアル市場へOAフロアの新製品を投入し、売上げを伸長させることができました。一方、主力の新設住宅市場向けでは、長期優良住宅といった住宅の長寿命化に寄与できる防水対策部材の普及に努めたことにより、関連部材の売上げが伸長しました。また、フランチャイズ展開をしている自然エネルギーを積極的に活用する『エアサイクルの家』においては、“建物内の空気を自然に循環させる”というエアサイクル工法の特長を体感できるように、本社敷地内のモデルハウスを全面改装しました。新たな登録工務店の獲得や既存登録工務店の提案機会の拡大の場となり、受注が拡大しています。更に、「2015年度グッドデザイン賞グッドデザイン・ベスト100」を受賞した『不燃幕天井』に続き、森林保護に貢献する試みとして『ふくいWOODバイオマスセンターによる取り組み』が「2016年度グッドデザイン賞」を受賞し、同センターで生産された新素材を使用した住宅向け新製品『プラスッド ソライエデッキ』を発売いたしました。同製品は、環境共生素材だけでなく、“質感” や“施工性向上” ニーズを捉えた製品コンセプトが、市場から評価を得ております。また、新築・リフォーム双方のニーズに応える製品でもあることから新規顧客からも高評価をいただいており、受注および施工体制の強化を図っております。

産業資材分野では、非住宅市場での省エネ強化と技術向上により窓枠の受注が拡大する一方、自動車分野での積極的な設備投資により受注が拡大しました。また、精密分野では、高品質製品の開発や新規分野への開拓、海外市場への展開にも注力しました。海外事業では、米国での受注が好調に推移し、ASEAN事業ではビジネス基盤の強化と新規顧客獲得に取り組んでおります。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高396億90百万円(前期比2.5%増)、営業利益13億47百万円(同2.8%増)、経常利益15億93百万円(同4.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益11億44百万円(同22.6%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

① 建築資材事業

主力の建築資材事業の売上は、290億26百万円(前期比1.4%増)で、売上高全体の73.1%を占めました。

うち外装建材は、58億19百万円(同1.0%増)でした。左官資材が低調に推移しましたが、防水部材は順調に推移しました。

内装建材は、115億15百万円(同3.6%増)でした。断熱材・見切部材が伸び悩みましたが、養生材・浴室用パネルは堅調な伸びを示しました。

床関連材は、78億11百万円(同0.2%増)でした。乾式遮音二重床システム部材・機能束が低調に推移しましたが、床タイル・OAフロア・床支持具は好調に推移しました。

システム建材は、38億81百万円(同1.7%減)でした。木粉入り樹脂建材・リフォーム用システム建材が伸び悩みましたが、空気循環式断熱システム部材・防蟻材は順調に推移しました。

 

 

② 産業資材事業

産業資材事業の売上は、106億64百万円(同5.6%増)で、売上高全体の26.9%を占めました。精密化工品が低調に推移しましたが、窓枠・車輌部材が堅調に推移しました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前期と比べ3億42百万円(前期末比3.2%)減少し、104億52万円となりました。
 営業活動によるキャッシュ・フローは、18億51百万円の収入となりました。前期比では1億92百万円収入が増加しました。  
 投資活動によるキャッシュ・フローは、14億52百万円の支出となりました。前期比では6億18百万円支出が増加しました。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、7億66百万円の支出となりました。前期比では55百万円支出が増加しました。
 なお、キャッシュ・フローの詳細は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(4)資本の
財源及び資金の流動性についての分析」に記載しております。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製商品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製商品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため生産、受注及び販売の状況については、「1 業績等の概要」におけるセグメント業績に関連付けて示しております。

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

伊藤忠建材㈱

9,116

23.5

8,889

22.4

三井物産プラスチック㈱

4,211

10.9

4,359

11.0

SMB建材㈱ ※

3,547

9.2

3,928

9.9

 

本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

※平成29年1月1日付で三井住商建材㈱と丸紅建材㈱が事業統合し、SMB建材㈱と商号を変更しました。前連結会計年度の金額には合併前の三井住商建材㈱の金額を記載しており、当連結会計年度の金額には平成28年4月1日から平成28年12月31日までの期間における三井住商建材㈱および丸紅建材㈱の取引金額を含めております。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「化学に立脚し、新たな価値を創造、提案する」、「企業経営を通じて、地域に貢献し、環境共生型社会形成に寄与する」の企業理念のもと、プラスチックを中心とする異形押出成形技術をコア技術として、常に新しい技術と製品の開発に専念し、企業価値の向上に努めてまいりました。
今後更に、フクビの絶対主義、即ち「絶対品質、絶対スピード、絶対コスト」に裏付けられた製品とサービスの提供を通して、お客様の企業価値の増大に貢献し、開発型メーカーとしての事業基盤を一層強化してまいります。
 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループでは、平成29年度より3ヶ年の新たな中期経営計画がスタートしています。当中期経営計画では「新たな技術開発と市場創造に絶え間なく挑戦し、快適な社会の実現に貢献する」「一人一人の成長と企業の成長が一体となることで、喜びを実感できるフクビグループを目指す」というグループビジョンを掲げ、これらを実現すべく3つの基本方針を策定しています。

① 成長分野への積極展開

 事業・部門の枠を超えて成長分野へ経営資源を積極的に配分するとともに、快適な社会の実現に向けて新規
 に拘った技術開発・商品開発を行う。

② 生産性向上による利益の創造 

  全社合理化運動を実施する。ビジネスモデルの変革を推進する。 

③ 挑戦と変革を実現する経営基盤の確立

 一人一人の成長と企業の成長が一体となるために、人材育成制度を革新し、全社員の総戦力化を実現する。

前中期経営計画では、最終年度である平成28年度の経常利益率が4.0%と目標とする係数の達成には至りませんでした。当中期経営計画の初年度である本年は、昨今のダイナミックな環境の変化に対応すべく、今まで以上のスピード感をもって実効性のある施策を実行し、計画の達成を目指してまいります。

 

(3) 会社の対処すべき課題

世界経済は、英国のEU離脱や米国新政権の発足の影響、更には欧州主要国において重要な選挙が予定されていることもあり、依然先行きが不透明な状況にあります。また、昨年10月以降緩やかにナフサ価格が上昇傾向を辿っており、原材料の価格高騰が懸念されます。

事業別に見ますと、建材事業においては、最も市場の大きい新設住宅着工戸数が少子高齢化や増加を続ける空き家等の影響を受けて、需要の鈍化は避けられず後退局面にさしかかっています。その結果、建材メーカーや流通で多く見られた再編のうねりは、今まで以上のスピードで建築業界全体に大きな波として押し寄せることは間違いないと想定しています。一方で、IoTやAIといった技術革新によって住生活は大きな変化が発生し、今後、従来の枠を超えた新たなニーズが生み出されることが想定されます。産業資材事業においては、国内における市場縮小により、生き残りをかけた同業他社が領域の拡大を目指し、従来の垣根を超えた新たな競争が生じ始めています。海外は、急激な為替の乱高下等の予測困難な変化が生じ、収益への影響が懸念されるものの、当面成長を望める市場です。

このような環境下、当社グループは、新中期経営計画の基本方針に則り具体的に落とし込んだ実施事項を愚直に取り組むことで新たな強みの創造を目指します。その為には、変化をチャンスに導くことが可能な企業集団とすべく人材育成の強化が必要不可欠であり、最重要課題として取り組みます。そして、如何なる環境においても競争力を保持するために、開発型企業集団として成長分野に対して積極的に資源配分を行い、新たな独自の価値を創造し、持続的な企業価値の向上に努める所存です。

 

買収防衛策について

Ⅰ.当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、公開会社である以上、当社株主の判断は、当然に個々の株主の自由意思に基づき、株式市場における自由な売買取引を通じて具現されるものと考えております。従いまして、たとえ大規模買付者から当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合でも、これに応じるべきか否かの判断は、最終的には当社株式を保有する個々の株主の判断に委ねられるべきものであると考えます。

とはいえ、大規模買付行為の中には、①真に会社経営に参加する意思がないにもかかわらず、株価をつり上げて高値で会社または会社関係者に引き取らせるもの、②会社経営を一時的に支配して、当該会社の事業経営上必要な知的財産権、ノウハウ、企業情報、主要取引先・顧客等を当該買収者やそのグループ会社等に移譲させるもの、③会社経営を支配した後に当該会社の資産を当該買収者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資とするものなど、その目的等からみて、必ずしも企業価値および株主の共同の利益の維持・向上に資するとはいえないものが存在します。

当社は、上記の例を含め、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある当社株式の大規模買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者としては適切でないと考えます。

 

Ⅱ.当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み

 

Ⅱ-Ⅰ.当社における企業価値向上への取組み

企業理念と経営の基本姿勢

当社グループは、「化学に立脚し、新たな価値を創造、提案する」、「企業経営を通じて、地域に貢献し、環境共生型社会形成に寄与する」の企業理念のもと、プラスチックを中心とする異形押出成形技術をコア技術として、常に新しい技術と製品の開発に専念し、企業価値の向上に努めてまいりました。

今後更に、フクビの絶対主義、即ち「絶対品質、絶対スピード、絶対コスト」に裏付けられた製品とサービスの提供を通して、お客様の企業価値の増大に貢献し、開発型メーカーとしての事業基盤を一層強化していくために、新中期経営計画(平成30年3月期~平成32年3月期)を策定いたしました。

当中期経営計画では「新たな技術開発と市場創造に絶え間なく挑戦し、快適な社会の実現に貢献する」「一人一人の成長と企業の成長が一体となることで、喜びを実感できるフクビグループを目指す」というグループビジョンを掲げ、これらを実現すべく3つの基本方針を策定しています。

① 成長分野への積極展開

② 生産性向上による利益の創造

③ 挑戦と変革を実現する経営基盤の確立

当中期経営計画の初年度である本年は、昨今のダイナミックな環境の変化に対応すべく、実効性のある施策を今まで以上のスピードで実行し、計画の達成を目指してまいります。

 

Ⅱ-Ⅱ.コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取組み

当社グループにおきましては、コーポレート・ガバナンスの充実・強化を経営の最重要課題の一つと位置付けております。グループにとっての重要なステークホルダーであります株主、取引先および従業員にとっての企業価値の持続的な向上を図り、更に、企業経営を通じて地域に貢献するなどの企業の社会的責任、社会的使命を果たしていくためにも、

①意思決定機能と業務執行機能の分離による効率的な企業経営の実践

②監視・牽制機能強化による企業経営の透明性・公正性の向上

③内部統制システム構築による適時かつ的確なリスクコントロール態勢の整備

④役職員の企業倫理・遵法マインドの徹底的な高揚

を通じて、コーポレート・ガバナンスの強化に向け不断の努力を続けております。

 

Ⅲ.会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、企業価値および株主の皆様の共同の利益を確保し、かつ向上させることを目的として、議決権割合が20%以上となることを目的とする当社株券等の買付行為者に対し、情報開示など事前に定めたルールが守られない場合に一定の対抗措置をとることを定めた対応策(以下、「本プラン」という。)を導入することをもって、会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みといたします。

 

本プランの詳細につきましては、以下の当社ホームページにてご確認ください。
 http://www.fukuvi.co.jp/

 

Ⅳ.本プランが会社支配に関する基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではないこと、会社役員の地位の維持を目的とするものでないことおよびその理由

 

Ⅳ-Ⅰ.本プランが会社支配に関する基本方針に沿うものであること

当社取締役会における会社支配に関する基本方針は、当社株主の共同利益の尊重を前提としており、本プランはこの基本方針に沿って策定されています。具体的には、大規模買付時のルールの内容、大規模買付行為が為された場合の対応策、株主および投資家の皆様に与える影響、独立委員会の設置と権限、並びに本プランの有効期間等を規定しています。
 本プランは、大規模買付者に対して、大規模買付行為に関する必要十分かつ適切な情報を当社取締役会に事前に提供すること、および一定の評価期間が経過した後にのみ当該大規模買付行為を開始することを求め、これを遵守しない大規模買付者に対して当社取締役会が対抗措置を講じることがあることを明記しています。真に、当社の会社経営に参加する意思を持ち、当社企業価値の持続的かつ安定的な向上を目的とする者であれば、他の多くの同種のプランと同様の内容であり、受け入れできるものであると考えます。
 従いまして、本プランは、会社支配に関する基本方針の考えに沿うものであると考えます。

 

Ⅳ-Ⅱ.本プランが当社株主の共同の利益を損なうものではないこと

 本プランは、大規模買付者が出現した場合に、①大規模買付者の身元、②大規模買付行為の目的、方法および内容、③大規模買付行為完了後に意図する当社企業価値の持続的かつ安定的な向上策等に関する情報の提供を受けるとともに、当社取締役会が意見の提供あるいは代替案の提示を行うために必要な時間を確保し、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要かつ十分な情報を提供することを主たる目的としております。従いまして、本プランの実施により、当社株主および投資家の皆様は適切な投資判断が可能となりますので、本プランは当社株主の共同の利益を損なうものではなく、むしろその利益に資するものであると考えます。

 更に、本プランの発効並びに更新は、当社株主の皆様の承認を条件としており、また、当社株主の皆様の意向により本プランの廃止も可能であることは、本プランが当社の株主の共同利益を損なわないことを担保していると考えます。

 

Ⅳ-Ⅲ.本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

第一に、本プランは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日付で公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定められた3原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しており、かつ、企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえております。この指針は、企業買収に対する過剰防衛を防止するとともに、企業買収および企業社会の公正なルールの形成を促すために策定されたものです。
 第二に、本プランは、大規模買付者に賛同するか否かの判断は最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきという大原則に則り、大規模買付者に対する大規模買付ルールの遵守の要請や対抗措置の発動は、当社株主全体の共同利益を確保するために必要と判断される場合に限定されます。この担保のため、本プランは当社取締役会が対抗措置を発動する場合の合理的かつ客観的な要件を予め詳細に開示しており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しています。
 第三に、本プランには3年の有効期間が定められており、取締役会が単独で有効期間の更新を行うことはできず、更新する場合には株主の皆様の承認を要することとしています。尚、有効期間内であっても、本プランを取締役会の決議により廃止することが可能となっております。
 第四に、大規模買付行為に関して当社取締役会が対抗措置等を検討し決定する際には、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を当社取締役会は最大限尊重するものとされています。更に、独立委員会は、当社の費用で独立した第三者(投資銀行、証券会社、弁護士、公認会計士、経営コンサルタント等)の助言を得ることもできます。
 このように、本プランは、政府が企業買収に対する過剰防衛を防止するために策定した上記指針等に準拠している一方、当社取締役会による適正な運用を担保するための十分な手続きを掲示しています。以上から、本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明白であると考えております。

 

 

4 【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財務状態などに重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクは次のとおりです。当社グループは、各種リスクの所在、発生の可能性並びにその影響度を適切に分析し、リスクの低減、移転並びに回避に努める一方、発現時には逸早く認識し、迅速かつ的確な対応ができるよう体制の整備に努めています。なお、下記事項には、将来に関する事項が含まれますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループ自ら判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。 

 

(1) 事業環境の変化による影響
 当社グループは、住宅建築資材の生産・販売を中核事業としています。このため、個人消費動向、住宅関連税制・消費税の改定並びに長期金利の動向等は、戸建住宅やマンション等の集合住宅の新築・増改築需要に影響を及ぼし、その結果、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 近時、マイナス金利を始めとする異次元の金融緩和政策や相続税対策により、住宅着工は伸長しましたが、金融緩和政策の解除等による長期金利の上昇や相続税対策の終息により、住宅着工が減少に転ずるリスクがあります。

 

(2) 原材料の市況変動による影響
 当社グループの主要製品は、塩ビ・オレフィン等の汎用プラスチック樹脂を主原料としており、これらの原材料価格の変動を、適時に生産技術の向上により吸収できない場合、あるいは製品価格に転嫁できない場合には、当社グル-プの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
 汎用プラスチック樹脂の主原料であるナフサは、米ドル建てで取引されており、今後米ドル為替相場が円高に進めば円貨ベースでの調達コストが低下する一方、OPECの減産合意等により原油価格が上昇、即ち、ナフサ価格が上昇すれば、調達コストが逆に上昇することになります。

 

(3) 販売先の信用悪化による影響
 当社グループは、大手建材問屋あるいは大手商社を主たる販売先とし、取引信用保険の活用等により信用補完を実施する一方で、意図しない集中が発生しないように、信用リスクの分散にも努めていますが、販売先の予期せぬ信用悪化により貸倒リスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 製造物責任による影響
 当社グループでは、開発製品等が、予期しない品質問題等により大規模な補償問題を引き起こす可能性があると認識しています。そのため、品質管理基準を明定し、また、開発工程で厳格な品質管理に努める一方、必要に応じて賠償責任保険を付保していますが、補償金額あるいは補償範囲が、想定の範囲を超えた場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 大規模災害等による影響
 当社グループの生産拠点並びに物流拠点の中核は福井県に所在しています。拠点の分散化には配意していますが、福井県で地震、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の壊滅、物流機能の麻痺等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、大規模災害により当社グループの基幹事業(製品)に係るサプライチェーンが寸断あるいは大きく毀損した場合にも、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法規制による影響
 当社グループの事業活動は、環境、製造物責任、知的財産権、労務等各種の法令、規則の適用を受けます。関連法規の制定、改変には、その適時把握と事前の対応準備に努めていますが、関連法規の改変等は、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループでは、内部統制システムの再構築を進めておりますが、リスクの抽出、評価、対策の検討・実施並びに効果の検証のプロセスを重ねながら、引続きリスク管理態勢の強化を図っております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおいて、研究開発活動は主に当社が行っております。

なお、当社グループの研究開発活動は、以下のとおりであります。

 

当社グループの研究開発は、既存事業分野で急務となっている研究課題はもとより、中期経営戦略に基づく新規事業分野への進出、更には長期的成長の基盤となる基礎研究にも努めております。当社のコアビジネスである住宅・建材分野では、社会的要請である「安心・安全」「環境配慮・省エネルギー」「高齢化対応」を踏まえ、当社が保有する技術とインフラを最大限活用できる研究開発活動を推進しております。

当連結会計年度の研究開発費用として9億14百万円投入しました。左記の額を事業のセグメントに区分することは困難でありますので、省略しております。

 

当連結会計年度における主要課題及び研究成果は、次のとおりであります。

 

①建築資材事業での取り組み

当年度は、住宅分野のトレンドである低炭素社会に向けての「環境・省エネルギー」やストック住宅活用に伴った「リフォーム・リノベーション」関連の商品開発の強化に加え、「非住宅市場」への開発も進めてまいりました。
 「リフォーム」関連では、近年、浴室リフォームに係る新商品を充実させてきましたが、当年度は居室リフォーム用部材を新たに開発し市場投入いたしました。傷んだ窓枠や壁の角コーナーなどに対して上から被せることで簡単に補修できる『カバー工法』部材で、賃貸住宅の物件管理業者から入居者入れ替えの際に簡単に施工できると高評価をいただいております。
 「環境」関連では、木粉樹脂原料を採用した戸建住宅のエクステリア向け『プラスッド ソライエデッキ』を開発いたしました。当社独自の多色同時成形技術で表面・コア部・裏面に異なった原料を用いることで、剛性・耐候性・耐湿性など優れた性能を付与させ、機能性を高めることができました。また、デッキ・ステップ・フェンス全ての部材を同じ環境素材で統一した自然で木質感あふれるデザインも、好評をいただいております。
 「省エネルギー・リノベーション」関連では、自然エネルギーを積極的に活用する『エアサイクルの家』の本社敷地内モデルハウスを、ZEH(ゼロエネルギーハウス)対応の実験棟として全面改装いたしました。“外張り断熱壁体内通気”効果により、損傷がなく良好な状態を保たれていた躯体を再利用した、高性能型へのフルリノベーションです。新しい基準に適合した断熱材などを導入したその効果を継続して測定し、販促ツールへ展開するとともに、更なる開発の材料として活用してまいります。
 「非住宅分野」関連では、食品工場・医療品工場・厨房等の施設向け商品であるセミックス製『不燃R巾木』を開発いたしました。同商品は、衛生面の向上や清掃作業のために床と壁との取り合い部をアール形状にする部材であり、当部材の採用により、左官工事で行っていた作業を乾式工法で簡単に施工することが可能となりました。従来、現場では温度環境の影響による部材劣化や職人の個人差による仕上がりの不統一、職人不足による工期遅れ等の問題が生じておりましたが、諸問題を解消できる部材として工場系の設計事務所などから好評をいただいております。

今後も市場トレンド・ニーズを掴みながら、社会情勢にマッチしお客様に喜んでいただける商品開発に取り組んでまいります。

 

②産業資材事業での取り組み

当事業の取り組みの一つとして、光学コーティング技術の開発を通して「視認性」・「安全性」の向上など経済的付加価値を創出し、社会の発展に貢献することに努めた製品開発を行っております。
 最近では、自動車業界での自動運転に向けたセンサー精度向上やメーター・ナビ等の表示モニターを見易くするための反射防止機能に対するニーズが高まってきております。更に、「医療・介護」「エレクトロニクス」業界でも同様なニーズが高まってきており、市場の要求に応えるべく研究開発活動に注力しております。
 反射防止機能製品(AR製品)では、「高精細液晶に対応したAGAR製品」や「3D曲面形状向けで伸び耐性を改善したARフィルム」等の新規開発を推進し、「車載用途」「医療用途」「エレクトロニクス用途」において継続して採用をいただいております。
 また、増反射製品(HM製品)や高硬度製品を開発し、新しい市場創出に努めております。

今後も、これら新規開発製品の性能向上や市場が求める商品の開発に取り組んでまいります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

売上高は396億90百万円となり、前連結会計年度に比べ2.5%の増加になりました。売上総利益率は26.3%となりました。営業利益は前連結会計年度と比べ36百万円増加し、13億47百万円(2.8%増)となりました。経常利益は前連結会計年度と比べ72百万円増加し、15億93百万円(4.8%増)となりました。売上高経常利益率は4.0%(0.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べ2億11百万円増加し、11億44百万円(22.6%増)となりました。

 

(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績が回復する中、雇用・所得環境が改善し、緩やかな回復基調を辿りました。ただ、消費税率引上げの影響、更には、外国人観光客の所謂“爆買い”の終了もあって個人消費は低迷し、民間設備投資も、大企業を中心に持ち直しの兆しが見られたものの、総じて力強さを欠く展開となりました。

海外では、難民・移民問題に端を発した保護主義が俄かに台頭し、米国新大統領の誕生、英国の欧州連合(EU)離脱など、今後の世界経済の行方は全く不透明な状況となっています。

一方、住宅市場では、昨年2月16日よりマイナス金利政策が、また、9月には「長短金利操作付き量的・質的金融政策」が導入されたこともあって、住宅ローン需要が喚起され、特に、相続税対策としての貸家需要は高い伸びを示しました。ただ、価格の高騰もあり、首都圏でのマンション供給は20余年振りの低水準となり、分譲住宅全体の伸びは抑えられることとなりました。その結果、平成28年度の新設住宅着工は、戸数974千戸(前年比5.8%増)、床面積78,705千㎡(同4.1%増)となりました。

次期の見通しとしましては、当社グループが軸足を置きます住宅市場は、賃貸住宅着工の需要が後退局面にさしかかっているものの、低水準が続く住宅ローン金利の影響により戸建住宅の需要は堅調であると予測されます。また、外国人旅行客の増加が起因した宿泊施設や、高齢化に伴う医療福祉施設といった非居住施設に対する需要も当面高い水準が期待できることから、非住宅市場も底堅く推移すると思われます。

 

(3) 財政状態についての分析

(資産)

総資産は、前連結会計年度末に比べ13億72百万円(前期末比3.1%)増加し、462億21百万円となりました。主な増減要因としましては、流動資産では、現金及び預金が3億42百万円減少し、また、商品および製品が2億83百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金、電子記録債権が7億22百万円増加したことなどにより、1億14百万円(同0.4%)の減少となりました。固定資産では、リース資産が82百万円減少した一方で、投資有価証券が3億86百万円増加し、また、退職給付に係る資産が4億87百万円増加したことなどにより、14億85百万円(同11.9%)の増加となりました。

 

(負債)

負債は、前連結会計年度末に比べ88百万円(前期末比0.5%)減少し、171億83百万円となりました。主な増減要因としましては、流動負債では、支払手形及び買掛金が3億31百万円減少し、また、1年内返済の長期借入金が2億円減少した一方で、未払法人税等が54百万円増加したことなどにより、3億71百万円(同2.3%)の減少となりました。固定負債では、リース債務が50百万円減少した一方で、繰延税金負債が3億13百万円増加するなど、2億84百万円(同23.2%)の増加となりました。

 

(純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ14億59百万円(前期末比5.3%)増加し、290億37百万円となりました。主な増減要因としましては、その他有価証券評価差額金が2億85百万円増加し、また、退職給付に係る調整累計額が2億64百万円増加しました。株主資本合計は、利益剰余金が8億35百万円増加し、270億70百万円となりました。この結果、自己資本は284億77百万円となり、自己資本比率は61.6%となりました。

 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、3億42百万円(前期末比3.2%)減少し、104億52百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益16億67百万円、減価償却費11億41百万円、ならびにたな卸資産の減少額3億96百万円などの収入に対し、売上債権の増加額5億99百万円および仕入債務の減少額3億71百万円、ならびに法人税等の支払額3億60百万円などの支出により、合計18億51百万円の収入となりました。前期比では収入が1億92百万円増加しました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入60百万円に対し、機械設備等の有形固定資産の取得による支出13億69百万円および連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出99百万円などにより、合計で14億52百万円の支出となりました。前期比では支出が6億18百万円増加しました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー) 

財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配株主からの払込みによる収入57百万円に対し、長期借入金の返済による支出2億円および配当金の支払額3億9百万円などにより、合計7億66百万円の支出となりました。前期比では支出が55百万円増加しました。