第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「化学に立脚し、新たな価値を創造、提案する」、「企業経営を通じて、地域に貢献し、環境共生型社会形成に寄与する」の企業理念のもと、プラスチックを中心とする異形押出成形技術をコア技術として、常に新しい技術と製品の開発に専念し、企業価値の向上に努めてまいりました。
  今後更に、フクビの絶対主義、即ち「絶対品質、絶対スピード、絶対コスト」に裏付けられた製品とサービスの提供を通して、お客様の企業価値向上に貢献し、開発型企業集団としての事業基盤を一層強化してまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループでは、平成29年度より3ヶ年の第5次中期経営計画をスタートしています。当中期経営計画では「新たな技術開発と市場創造に絶え間なく挑戦し、快適な社会の実現に貢献する」「一人一人の成長と企業の成長が一体となることで、喜びを実感できるフクビグループを目指す」というグループビジョンを掲げ、これらを実現すべく3つの基本方針を策定しています。

① 成長分野への積極展開

 事業・部門の枠を超えて成長分野へ経営資源を積極的に配分するとともに、快適な社会の実現に向けて新規
 に拘った技術開発・商品開発を行う。

② 生産性向上による利益の創造 

  全社合理化運動を実施する。ビジネスモデルの変革を推進する。 

③ 挑戦と変革を実現する経営基盤の確立

 一人一人の成長と企業の成長が一体となるために、人材育成制度を革新し、全社員の総戦力化を実現する。

当社グループは、上記諸施策を推進することで100年企業へ向けた強固な基盤づくりを行い、更には、地域の皆様や社会に貢献する経営を継続することで、常にステークホルダーに信頼され、選ばれ続ける企業を目指します。

 

(3) 会社の対処すべき課題

世界経済は、米中貿易摩擦に端を発した中国経済の減速や、英国のEUからの「合意なき離脱」の現実味等により、依然先行きが不透明な状況にあります。また、国内では運送業界における人手不足とガソリン価格の上昇基調により、運送費の更なる高騰が懸念されます。

事業別に見ますと、当社グループが軸足を置く建築資材事業では、重要な指標となります新設住宅着工戸数において、長年下支えをしてきた貸家が少子高齢化による空室率の増加や、世帯数の頭打ち等の需要減により前年割れが続いており、また本年10月からの消費増税も加味すると、今後当市場が成長に転ずることは容易ではないと想定しております。一方で、建築に携わる職人不足に対応する省力化工法や、生活スタイルの変化に伴う住まいに求められる性能や機能の高度化および多様化により、従来の枠を超えた新たなニーズが生み出されることが想定されます。

産業資材事業では、国内市場は縮小に向かう中で、プレーヤーは自社の持つ固有の技術に磨きをかけるとともに、事業領域の拡大を図り、従来の垣根を越えて、生き残りをかけた新たな競争が激化しております。

海外においては、為替の急激な変動によるリスクがあるものの、当グループが市場としておりますアメリカとASEANは当面成長が見込めるとみております。

このような環境下、当社グループは第5次中期経営計画の基本方針に則り、事業毎に定めた成長分野に対し設定した具体的施策を確実に実行することで、外部環境の変化にも負けない新たな価値を創造し、持続的な利益創出に努める所存です。

 

(4) 株式会社の支配に関する基本方針について

当社は、令和元年5月14日開催の取締役会において、令和元年6月19日開催の第85期定時株主総会の終結の時をもって「当社株式の大規模買付行為に対する対応策(買収防衛策)」を継続せず、これを廃止することを決議いたしました。

 

なお、詳細につきましては、当社ホームページ(https://www.fukuvi.co.jp/)をご参照ください。

(令和元年5月14日付プレスリリース「当社株式の大規模買付行為に対する対応策(買収防衛策)の廃止につい
  て」)

 

Ⅰ.当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

当社は、公開会社である以上、当社株主の判断は、当然に個々の株主の自由意思に基づき、株式市場における自由な売買取引を通じて具現されるものと考えております。従いまして、たとえ大規模買付者から当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合でも、これに応じるべきか否かの判断は、最終的には当社株式を保有する個々の株主の判断に委ねられるべきものであると考えます。

とはいえ、大規模買付行為の中には、①真に会社経営に参加する意思がないにもかかわらず、株価をつり上げて高値で会社または会社関係者に引き取らせるもの、②会社経営を一時的に支配して、当該会社の事業経営上必要な知的財産権、ノウハウ、企業情報、主要取引先・顧客等を当該買収者やそのグループ会社等に移譲させるもの、③会社経営を支配した後に当該会社の資産を当該買収者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資とするものなど、その目的等からみて、必ずしも企業価値および株主の共同の利益の維持・向上に資するとはいえないものが存在します。

当社は、上記の例を含め、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある当社株式の大規模買付行為またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者としては適切でないと考えます。

 

Ⅱ.当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み

 

Ⅱ-Ⅰ.当社における企業価値向上への取組み

企業理念と経営の基本姿勢

当社グループは、「化学に立脚し、新たな価値を創造、提案する」、「企業経営を通じて、地域に貢献し、環境共生型社会形成に寄与する」の企業理念のもと、プラスチックを中心とする異形押出成形技術をコア技術として、常に新しい技術と製品の開発に専念し、企業価値の向上に努めてまいりました。

今後更に、フクビの絶対主義、即ち「絶対品質、絶対スピード、絶対コスト」に裏付けられた製品とサービスの提供を通して、お客様の企業価値の増大に貢献し、開発型メーカーとしての事業基盤を一層強化していくために、第5次中期経営計画(平成30年3月期~令和2年3月期)を策定いたしました。

当中期経営計画では「新たな技術開発と市場創造に絶え間なく挑戦し、快適な社会の実現に貢献する」「一人一人の成長と企業の成長が一体となることで、喜びを実感できるフクビグループを目指す」というグループビジョンを掲げ、これらを実現すべく3つの基本方針を策定しています。

① 成長分野への積極展開

② 生産性向上による利益の創造

③ 挑戦と変革を実現する経営基盤の確立

当社グループは、上記諸施策を推進することで100年企業への基盤づくりを行い、更には、地域の皆様や社会に貢献する経営を継続することで、常にステークホルダーに信頼され、選ばれ続ける企業を目指します。

 

Ⅱ-Ⅱ.コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取組み

当社グループにおきましては、コーポレート・ガバナンスの充実・強化を経営の最重要課題の一つと位置付けております。グループにとっての重要なステークホルダーであります株主、取引先および従業員にとっての企業価値の持続的な向上を図り、更に、企業経営を通じて地域に貢献するなどの企業の社会的責任、社会的使命を果たしていくためにも、

①意思決定機能と業務執行機能の分離による効率的な企業経営の実践

②監視・牽制機能強化による企業経営の透明性・公正性の向上

③内部統制システム構築による適時かつ的確なリスクコントロール態勢の整備

④役職員の企業倫理・遵法マインドの徹底的な高揚

を通じて、コーポレート・ガバナンスの強化に向け不断の努力を続けております。

 

 

Ⅲ.会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、企業価値および株主の皆様の共同の利益を確保し、かつ向上させることを目的として、議決権割合が20%以上となることを目的とする当社株券等の買付行為者に対し、情報開示など事前に定めたルールが守られない場合に一定の対抗措置をとることを定めた対応策(以下、「本プラン」という。)を導入することをもって、会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みといたします。

 

本プランの詳細につきましては、以下の当社ホームページにてご確認ください。
 https://www.fukuvi.co.jp/

 

Ⅳ.本プランが会社支配に関する基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではないこと、会社役員の地位の維持を目的とするものでないことおよびその理由

 

Ⅳ-Ⅰ.本プランが会社支配に関する基本方針に沿うものであること

当社取締役会における会社支配に関する基本方針は、当社株主の共同利益の尊重を前提としており、本プランはこの基本方針に沿って策定されています。具体的には、大規模買付時のルールの内容、大規模買付行為が為された場合の対応策、株主および投資家の皆様に与える影響、独立委員会の設置と権限、並びに本プランの有効期間等を規定しています。
 本プランは、大規模買付者に対して、大規模買付行為に関する必要十分かつ適切な情報を当社取締役会に事前に提供すること、および一定の評価期間が経過した後にのみ当該大規模買付行為を開始することを求め、これを遵守しない大規模買付者に対して当社取締役会が対抗措置を講じることがあることを明記しています。真に、当社の会社経営に参加する意思を持ち、当社企業価値の持続的かつ安定的な向上を目的とする者であれば、他の多くの同種のプランと同様の内容であり、受け入れできるものであると考えます。
 従いまして、本プランは、会社支配に関する基本方針の考えに沿うものであると考えます。

 

Ⅳ-Ⅱ.本プランが当社株主の共同の利益を損なうものではないこと

 本プランは、大規模買付者が出現した場合に、①大規模買付者の身元、②大規模買付行為の目的、方法および内容、③大規模買付行為完了後に意図する当社企業価値の持続的かつ安定的な向上策等に関する情報の提供を受けるとともに、当社取締役会が意見の提供あるいは代替案の提示を行うために必要な時間を確保し、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要かつ十分な情報を提供することを主たる目的としております。従いまして、本プランの実施により、当社株主および投資家の皆様は適切な投資判断が可能となりますので、本プランは当社株主の共同の利益を損なうものではなく、むしろその利益に資するものであると考えます。

 更に、本プランの発効並びに更新は、当社株主の皆様の承認を条件としており、また、当社株主の皆様の意向により本プランの廃止も可能であることは、本プランが当社の株主の共同利益を損なわないことを担保していると考えます。

 

Ⅳ-Ⅲ.本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

第一に、本プランは、経済産業省および法務省が平成17年5月27日付で公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定められた3原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しており、かつ、企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえております。この指針は、企業買収に対する過剰防衛を防止するとともに、企業買収および企業社会の公正なルールの形成を促すために策定されたものです。
 第二に、本プランは、大規模買付者に賛同するか否かの判断は最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきという大原則に則り、大規模買付者に対する大規模買付ルールの遵守の要請や対抗措置の発動は、当社株主全体の共同利益を確保するために必要と判断される場合に限定されます。この担保のため、本プランは当社取締役会が対抗措置を発動する場合の合理的かつ客観的な要件を予め詳細に開示しており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しています。
 第三に、本プランには3年の有効期間が定められており、取締役会が単独で有効期間の更新を行うことはできず、更新する場合には株主の皆様の承認を要することとしています。尚、有効期間内であっても、本プランを取締役会の決議により廃止することが可能となっております。
 第四に、大規模買付行為に関して当社取締役会が対抗措置等を検討し決定する際には、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を当社取締役会は最大限尊重するものとされています。更に、独立委員会は、当社の費用で独立した第三者(投資銀行、証券会社、弁護士、公認会計士、経営コンサルタント等)の助言を得ることもできます。
 このように、本プランは、政府が企業買収に対する過剰防衛を防止するために策定した上記指針等に準拠している一方、当社取締役会による適正な運用を担保するための十分な手続きを掲示しています。以上から、本プランが当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明白であると考えております。

 

(ご参考)

本プランの有効期間は、令和元年6月19日開催の第85期定時株主総会の終結の時までとなっており、当社は令和元年5月14日開催の取締役会において、本プランの有効期間満了をもって、本プランを非継続(廃止)することを決議いたしました。

なお、本プラン廃止後も、当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講じてまいりますとともに、引き続き中長期的な企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上にグループをあげて取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財務状態などに重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクは次のとおりです。当社グループは、各種リスクの所在、発生の可能性並びにその影響度を適切に分析し、リスクの低減、移転並びに回避に努める一方、発現時には逸早く認識し、迅速かつ的確な対応ができるよう体制の整備に努めています。なお、下記事項には、将来に関する事項が含まれますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループ自ら判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。 

 

(1) 事業環境の変化による影響
 当社グループは、住宅建築資材の生産・販売を中核事業としています。このため、個人消費動向、住宅関連税制・消費税の改定並びに長期金利の動向等は、戸建住宅やマンション等の集合住宅の新築・増改築需要に影響を及ぼし、その結果、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(2) 原材料の市況変動による影響
 当社グループの主要製品は、塩ビ・オレフィン等の汎用プラスチック樹脂を主原料としており、これらの原材料価格の変動を、適時に生産技術の向上により吸収できない場合、あるいは製品価格に転嫁できない場合には、当社グル-プの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(3) 販売先の信用悪化による影響
 当社グループは、大手建材問屋あるいは大手商社を主たる販売先とし、取引信用保険の活用等により信用補完を実施する一方で、意図しない集中が発生しないように、信用リスクの分散にも努めていますが、販売先の予期せぬ信用悪化により貸倒リスクが顕在化した場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 製造物責任による影響
 当社グループでは、開発製品等が、予期しない品質問題等により大規模な補償問題を引き起こす可能性があると認識しています。そのため、品質管理基準を明定し、また、開発工程で厳格な品質管理に努める一方、必要に応じて賠償責任保険を付保していますが、補償金額あるいは補償範囲が、想定の範囲を超えた場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 大規模災害等による影響
 当社グループの生産拠点並びに物流拠点の中核は福井県に所在しています。拠点の分散化には配意していますが、福井県で地震、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の壊滅、物流機能の麻痺等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、大規模災害により当社グループの基幹事業(製品)に係るサプライチェーンが寸断あるいは大きく毀損した場合にも、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法規制による影響
 当社グループの事業活動は、環境、製造物責任、知的財産権、労務等各種の法令、規則の適用を受けます。関連法規の制定、改変には、その適時把握と事前の対応準備に努めていますが、関連法規の改変等は、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループでは、内部統制システムの再構築を進めておりますが、リスクの抽出、評価、対策の検討・実施並びに効果の検証のプロセスを重ねながら、引続きリスク管理態勢の強化を図っております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の概況

当社グループでは、第5次中期経営計画「Vision2019 CHALLENGE&CHANGE 目指せ100年企業!」(2017年度~2019年度)の2年目として、次の3つの基本方針に則り、具体的施策を実践してまいりました。

・成長分野への積極展開

リフォームや事務所・施設向け内装関連製品、人工木材や浴室改修製品、また住設や車両向けの製品など、成長分野への経営資源の積極投入を図りました。また、フクビベトナムの新工場建設やフェノバボード事業の譲受、精密事業部の低反射樹脂パネル増産に伴う新工場建設等への投資も積極的に推し進めました。

・生産性向上による利益の創造

中計当初より組成した組織横断PJや各本部と中計委員会との連動により、今まで実現できなかった原価低減の活動に取り組みました。具体的には、業務の平準化やデジタルの活用による作業の合理化を図ったほか、工場再編による生産効率の改善を進めました。

・挑戦と変革を実現する経営基盤の確立

社員自身が成長を実感できるような人材育成制度や、評価基準の明確化と目標達成に対する適正評価を目的とした、新たな昇格制度の運用をスタートさせました。

以上により、当連結会計年度の売上高は、410億10百万円と前期に比べ2.1%の増収となりました。

一方、利益面につきましては、工場再編等の生産体制の効率化を推し進めた効果が寄与し、営業利益17億66百万円(前期比29.7%増)、経常利益19億78百万円(同25.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益13億46百万円(同2.4%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増 減

分 類

金 額

(百万円)

構成比

(%)

金 額

(百万円)

構成比

(%)

金 額

(百万円)

増減比

(%)

外装建材

5,529

13.8

5,487

13.4

△41

△0.7

内装建材

11,342

28.2

11,641

28.4

299

2.6

建築資材

床関連材

7,930

19.7

8,438

20.6

508

6.4

システム建材

4,125

10.3

3,989

9.7

△136

△3.3

28,926

72.0

29,556

72.1

630

2.2

産業資材

11,251

28.0

11,454

27.9

203

1.8

合 計

40,177

100.0

41,010

100.0

833

2.1

 

 

〔建築資材事業〕

主力の建築資材事業の売上は、295億56百万円(前期比2.2%増)となり、売上高全体の72.1%を占めました。重点分野として、新築戸建分野とリフォーム、非住宅分野に注力いたしました。
 うち外装建材は、54億87百万円(同0.7%減)でした。換気部材の売上が減少しましたが、樹脂製瓦桟・外壁通気工法用防虫部材は順調に推移しました。
 内装建材は、116億41百万円(同2.6%増)でした。浴室改修製品の販売拡大に注力した結果、ホテルなど宿泊施設向けの浴室用パネルは需要も旺盛で、順調に推移しました。また、当連結会計年度において積水化学工業株式会社環境・ライフラインカンパニーが保有するフェノールフォーム断熱ボード事業(フェノバボード事業)を譲受したことにより、断熱材も売上の伸長に寄与しました。
 床関連材は、84億38百万円(同6.4%増)でした。非住宅分野の販売を積極的に推し進めたことにより、事務所・施設向けのフリーアクセスフロアや乾式遮音二重床システム部材が順調に受注を確保し、売上が伸長しました。
 システム建材は、39億89百万円(同3.3%減)でした。技術提案型営業が奏功し、請負工事付きの木粉入り樹脂建材の受注が順調に推移しました。しかしながら、空気循環式断熱システム部材などの販売が低調に推移し、全体の売上は減少しました。

 

〔産業資材事業〕

産業資材事業の売上は、114億54百万円(同1.8%増)となり、売上高全体の27.9%を占めました。
 窓枠製品や住宅設備製品の販売拡大に取り組んだ結果、売上が増加しました。精密分野では、エンジニアリングセールスの強化により、車載を中心とした低反射樹脂パネルの受注を確保しております。

 

② キャッシュ・フローの概況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、90億64百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びその主な要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益19億54百万円、減価償却費12億26百万円および仕入債務の増加額21百万円などの収入に対し、売上債権の増加額3億51百万円、たな卸資産の増加額5億61百万円および法人税等の支払額6億33百万円などの支出により、合計19億35百万円の収入となりました。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の償還による収入21百万円に対し、機械設備等の有形固定資産の取得による支出15億46百万円などにより、合計で17億19百万円の支出となりました。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、リース債務の返済による支出2億62百万円および配当金の支払額3億61百万円などにより、合計5億83百万円の支出となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製商品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製商品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため生産、受注及び販売の状況については、「① 経営成績の概況」におけるセグメント業績に関連付けて示しております。

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

伊藤忠建材㈱

8,559

21.3

8,706

20.4

三井物産プラスチック㈱

4,137

10.3

4,155

9.8

 

本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

④ 財政状態の概況

 (資産)

総資産は、前連結会計年度末に比べ1億20百万円(前期末比0.2%)増加し、483億86百万円となりました。主な増減要因としましては、流動資産では、現金及び預金が3億76百万円減少し、また、受取手形及び売掛金が2億53百万円減少した一方で、電子記録債権が6憶3百万円増加し、また、商品および製品が5億19百万円増加したことなどにより、6億87百万円(同2.1%)の増加となりました。固定資産では、有形固定資産が2億7百万円増加した一方で、投資その他の資産が7億73百万円減少したことなどにより、5億66百万円(同3.8%)の減少となりました。

 

 (負債)

負債は、前連結会計年度末に比べ2億40百万円(前期末比1.4%)減少し、174億3百万円となりました。主な増減要因としましては、流動負債では、支払手形及び買掛金が21百万円増加し、また、未払費用が1億79百万円増加した一方で、設備関係支払手形が4億21百万円減少し、また、未払法人税等が8百万円減少したことなどにより、32百万円(同0.2%)の減少となりました。固定負債では、リース債務が51百万円増加した一方で、繰延税金負債が2億82百万円減少するなど、2億9百万円(同13.3%)の減少となりました。

 

 (純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ3億61百万円(前期末比1.2%)増加し、309億83百万円となりました。主な増減要因としましては、その他有価証券評価差額金が4億9百万円減少し、また、退職給付に係る調整累計額が2億14百万円減少しました。株主資本合計は、利益剰余金が9億85百万円増加し、290億62百万円となりました。この結果、自己資本は304億4百万円となり、自己資本比率は62.8%となりました。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り及び予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は410億10百万円となり、前連結会計年度に比べ2.1%の増収となりました。売上総利益率は27.6%となりました。

一方、利益面につきましては、工場再編等の生産体制の効率化を推し進めた効果が寄与し、営業利益17億66百万円(前期比29.7%増)、経常利益19億78百万円(同25.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益13億46百万円(同2.4%増)となりました。

当社グループが軸足を置きます住宅市場は、少子高齢化に起因する人口減少に伴い、近い将来に予測される世帯数の減少を背景とした賃貸住宅の需要減や、本年10月に予定されております10%への消費増税の影響、また住まいに求められる性能や機能の高度化・多様化もあり、今後、市場環境は大きく変化するものと予測されます。また、運送業界における運転手不足やガソリン価格上昇に伴う運賃改定により、物流費の更なる高騰が懸念されます。

このような環境の中、当社は100年企業に向けた強固な体制を作るべく策定いたしました3ヶ年の中期経営計画に則り、成長分野への展開として、建築資材事業でのフェノバボード事業譲受、精密事業と海外事業では新工場建設等、積極的に経営資源を配分してまいりました。これらを含めた建築資材事業での「リフォーム・非住宅・組織需要家」、産業資材事業での「住設・車輌・精密」を注力市場と位置づけ、新規顧客開拓と新たな商品や技術の開発を推進しております。

 

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業業績の回復が続き、緩やかな回復基調を辿りました。設備投資、生産が増加し、輸出も持ち直しが見られ、企業の景況感も改善しました。また、個人消費も、雇用・所得環境の改善により底堅く推移しました。一方、資源価格の上昇、人件費の増加や、近年相次ぐ自然災害の発生、また各国間の通商問題や政治的混乱など海外情勢の不透明感の影響により、景気回復の減速が懸念されつつあり、今後も留意が必要な状況が続くものと予想されます。

住宅業界におきましては、金利水準が低位で推移し、住宅取得環境が良好であったことから、持家は前年比2.0%増と回復傾向が見られました。また、都市圏におけるマンションなど分譲住宅は10月の消費税増税前の駆け込み需要もあったと考えられ大きく伸長しました。一方、貸家については、投資用アパートをめぐる建築問題や金融庁が不動産向け投資への監視を強めたことで金融機関の融資審査の厳格化が影響したと考えられ減少しました。その結果、平成30年度の新設住宅着工戸数は、戸数953千戸(前年比0.7%増)、床面積76,573千㎡(同1.0%増)となり、戸数が2年ぶりに増加し、リーマンショック後では平成25年度、平成28年度に次いで3番目に高い水準となりました。

〔新設住宅着工の推移〕

 

平成26年度

平成27年度

平成28年度

平成29年度

平成30年度

前年比 増減数

前年比 

増減率

着工戸数(千戸)

880

921

974

946

953

7

0.7%

着工面積(千㎡)

74,007

75,592

78,705

75,829

76,573

744

1.0%

 

   (出典:国土交通省)

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、円滑な営業活動のための流動的な資金確保と長期的かつ安定的な資金調達を基本とし、資本効率にも考慮したうえで、運転資金および設備投資資金については、自己資金又は金融機関からの借入による調達を行っております。また、事業展開等に伴う資金需要に機動的に対応するため、十分な現金及び現金同等物を保有しております。

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

87(2,313)

1,935(4,226)

1,848(1,913)

投資活動によるキャッシュ・フロー

△533

△1,719

△1,186

財務活動によるキャッシュ・フロー

△545

△583

△38

現金及び現金同等物に係る換算差額

△23

△9

14

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△1,013(1,213)

△376(1,915)

637(702)

現金及び現金同等物の期首残高

10,452

9,439

△1,013

現金及び現金同等物の期末残高

9,439(11,665)

9,064(11,354)

△376(△311)

 

(注)( )内は期末休日要因を除いた実質ベースの金額であります。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、19億35百万円の収入となり、前期比では収入が18億48百万円増加しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資計画に基づく機械設備等の取得による支出15億46百万円などにより17億19百万円の支出となりました。前期比では支出が11億86百万円増加しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、リース債務の返済などにより5億83百万円の支出となりました。前期比では支出が38百万円増加しました。

これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、90億64百万円となり、前期比では3億76百万円(前期末比4.0%)減少しました。現金及び現金同等物の自己資本に対する比率は、29.8%(同1.6%減)となりました。

また、期末休日調整後のフリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、前期末比7億27百万円増加し、25億7百万円となりました。インタレスト・カバレッジ・レシオは897.3(同381.9増)となりました。

 

当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減額

 

流 動 資 産

33,197

33,883

687

 

固 定 資 産

15,069

14,503

△566

資  産  合  計

48,266

48,386

120

 

流 動 負 債

16,068

16,037

△32

 

固 定 負 債

1,575

1,366

△209

負  債  合  計

17,643

17,403

△240

純 資 産 合  計

30,623

30,983

361

 

 

当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益13億46百万円を計上したことなどにより、株主資本合計は290億62百万円(前期末比3.5%増)となりました。この結果、自己資本は304億4百万円(同1.2%増)となり、自己資本比率は62.8%(前期比0.6%増)となりました。なお、時価ベースの自己資本比率は24.1%(同11.5%減)であります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループにおいて、研究開発活動は主に当社が行っております。

なお、当社グループの研究開発活動は、以下のとおりであります。

当社グループの研究開発は、既存事業分野で急務となっている研究課題はもとより、中期経営戦略に基づく新規事業分野への進出、さらには長期的成長の基盤となる基礎研究にも努めております。当社のコアビジネスである住宅・建材分野では、社会が要請する「安全・安心」や「快適さ」などを踏まえ、当社独自の新技術と商品開発力を最大限活用し、研究開発活動を推進しております。

当連結会計年度の研究開発費用として960百万円投入しました。左記の額を事業のセグメントに区分することは困難でありますので、省略しております。

当連結会計年度における主要課題及び研究成果は、次のとおりであります。

①建築資材事業での取り組み

当年度は、成長分野である「リフォーム」「組織需要家(ハウスメーカーやホームセンター等)」「非住宅」関連を中心に、樹脂成形技術とコート技術を融合させることによる新しい機能性商品の開発等に注力しました。

「リフォーム」関連では、浴室リフォーム周辺の強化商材として「鏡面アルパレージ」を上市致しました。異形押出成形板にインクジェット印刷で生産していた現行品のアルパレージの表面に、独自に開発した液剤とコート成形技術により、鮮やかで深みのある鏡面性壁材を造り上げました。鏡面になってもカッターのみで切断でき、両面テープと接着による簡単施工が可能で、工務店様からも好評頂いております。また、市場のニーズにあった浴室リフォーム向け商材の新柄として、床材「あんからプラス」や天井材「バスパネルブラック」も追加しています。

「組織需要家」関連では、防汚コートを施した床材を開発し納入を開始しています。三方工場における塗布発泡成形技術にコート成形技術を組み合わせたことにより、防汚性の高い床材シートを完成させました。また、気密性と施工性を考慮した集合住宅用パイプスペースや壁点検口、防蟻処理用の水抜きキャップや遮音性能向上のための巾木など、個別ユーザー様の困りごとを解決できる商品開発に努めました。

「非住宅」関連では、名古屋大学、東レ他のメンバーと平成29年より取り組んでいる次世代橋梁部材事業化研究会において、福井県工業技術センターの敷地内で小型橋梁の試作に取り組み、弊社が開発したCFRP(炭素繊維強化プラスチック)引抜部材の施工に関する課題の抽出を行っています。CFRPの加工の容易さ・作業性の高さが長所であることが確認され、切断時の集塵や接合検証の課題を把握できました。来期以降も実用化に向けて開発を継続してまいります。

今後も市場トレンド・ニーズを掴みながら、オンリーワン・ナンバーワンによる競争優位の獲得を目指した開発推進にチャレンジしてまいります。

 

②産業資材事業での取り組み

当事業の取り組みの一つとして、光学コーティング技術の開発により「視認性」・「安全性」の向上など経済的付加価値を創出し、社会の発展に貢献する製品開発を行っております。 

車載を中心に表示パネルの液晶化の流れを受け、低反射性、防眩性、防汚性、耐傷性に優れた光学薄膜ニーズに応えるため、技術開発に取り組んでいます。

「車載用途」では、表示機器のフル液晶化が進んでおり、一方では安全性のための視認性向上に向けて、AR(アンチリフレクション:反射防止)製品や高精細AG(アンチグレア)AR製品の要求が高まっています。また、タッチパネル仕様が増えてきており、表示パネル素材を樹脂だけではなくガラスを採用する動きも見られます。弊社では、これまでのコート技術を応用し、あらゆる素材に対応した製品を市場供給するために開発に注力しております。

「非車載用途」では、反射防止機能が要求されるレンズカバー(スマホやパソコン)以外に、セキュリティー用途向けに赤外線域での透過率を高めた製品等、高付加価値製品の開発に注力しております

なお、光学コーティング技術事業の更なる拡大を目指し、令和元年秋には新工場が完成し、同製品の増産体制が整います。

また、光学透明押出成形においては、光ガイディングバーの用途に応じた開発に努めました。家電・車輛・インフラなど多用途への検討・採用が進む中、屈曲部における輝度確保や高輝度品・耐候性など性能向上を推し進めています。押出多層成形技術によりLED1灯で長い線材として光らせることが出来る優位性をもとに、意匠性・安全性向上という需要をベースに開発を継続してまいります。

今後も、これら新規開発製品の性能向上や市場が求める商品の開発に取り組んでまいります。