第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「化学に立脚し、新たな価値を創造、提案する」、「企業経営を通じて、地域に貢献し、環境共生型社会形成に寄与する」の企業理念のもと、プラスチックを中心とする異形押出成形技術をコア技術として、常に新しい技術と製品の開発に専念し、企業価値の向上に努めてまいりました。
  今後更に、フクビの絶対主義、即ち「絶対品質、絶対スピード、絶対コスト」に裏付けられた製品とサービスの提供を通して、お客様の企業価値向上に貢献し、開発型企業集団としての事業基盤を一層強化してまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループでは、令和2年度より3ヶ年の第6次中期経営計画がスタートしています。当中期経営計画では「新たな技術開発と市場創造に絶え間なく挑戦し、快適な社会の実現に貢献する」「一人一人の成長と企業の成長が一体となることで、喜びを実感できるフクビグループを目指す」という中長期ビジョンのもと、私たちは100 年企業となるべく、これまでの部材メーカーから「暮らしを変えるCreators」へ、一歩先をいく「安心」と「驚き」の価値を提供する創造者集団となることを「10 年後のありたい姿」と定め、3つの挑戦を掲げました。

① 新たな分野に積極的に挑戦する

② 徹底的に差別化を図り、高収益化に挑戦する

③ 社会的価値の創造により、持続的な企業価値向上に挑戦する

フクビグループはこれらの挑戦により、2030 年に向けた社会課題の解決に貢献し、継続的な事業の拡大と高収益を実現します。また、これらを実現すべく3つの基本方針を策定しています。

① 成長分野への積極展開

新規事業、グローバル事業、既存事業における新規分野を成長分野と定め、積極的な新技術領域への挑戦、新分野売上高比率の向上、グローバルビジネスの加速化を行う。

② 収益構造の改革推進による利益の創造

構造変革のスピードアップ、バリューチェーンによる高収益化の実現、合理化、効率化の推進を行う。

③ 社会的価値の創造により、持続的な企業価値向上に挑戦する

更なる人材基盤の強靭化、確固たるグループ経営の確立、ESG 経営の実践を行う。 

当社グループは、上記諸施策を推進することで100年企業へ向けた強固な基盤づくりを行い、更には、地域の皆様や社会に貢献する経営を継続することで、常にステークホルダーに信頼され、選ばれ続ける企業を目指します。

 

(3) 会社の対処すべき課題

世界経済は、中国で発生した新型コロナウイルスが世界へと感染が拡大しており、リーマンショック時よりも景気の後退が懸念されるなど、影響は計り知れず、先行きが不透明な状況にあります。また、国内経済も緊急事態宣言や、各自治体による外出自粛の要請などが経済活動にも大きな影響を与えており、消費行動の冷え込みが憂慮されます。

事業別に見ますと、当社グループが軸足を置く建築資材事業では、新設住宅着工戸数は、少子高齢化や世帯数の頭打ち等の影響により低迷しており、特に貸家は前年比二桁減と全体の数字を押し下げております。この傾向は続くものと見込まれ、また昨年10月からの消費増税による反動減や今般の新型コロナウイルスの影響も相まって、今後当市場が成長に転ずることは容易ではないと想定しております。一方で生活スタイルの変化や、ZEH・IoTなどによる住宅性能の高度化に伴い、住まいに求められるニーズは一段と多様となっており、当社グループはこれを新たな価値を提供できるチャンスと捉え、商品の開発や顧客の開拓に取り組んでまいります。

産業資材事業においては、国内市場は縮小の傾向が続くと想定されるなか、当社グループとしましても自社の強みに磨きをかけ、従来の垣根を超えて事業領域の拡大を図ってまいります。海外においては、当社グループが市場としておりますアメリカとASEANも新型コロナウイルスの影響を受けており、それに伴いナフサ価格や為替相場など予測困難な状況が想定されるものの、終息後は再び成長が見込める市場と考えております。

このような環境下、当社グループは、今般策定いたしました第6次中期経営計画の基本方針に則り、事業毎に定めた成長分野に対し設定した具体的施策を確実に実行することで、外部環境の変化にも負けない新たな価値を創造し、持続的な利益創出に努める所存です。

 

2 【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財務状態などに重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクは次のとおりです。当社グループは、各種リスクの所在、発生の可能性並びにその影響度を適切に分析し、リスクの低減、移転並びに回避に努める一方、発現時には逸早く認識し、迅速かつ的確な対応ができるよう体制の整備に努めています。なお、下記事項には、将来に関する事項が含まれますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループ自ら判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。 

 

(1) 事業環境の変化による影響
 当社グループは、住宅建築資材の生産・販売を中核事業としています。このため、個人消費動向、住宅関連税制・消費税の改定並びに長期金利の動向等は、戸建住宅やマンション等の集合住宅の新築・増改築需要に影響を及ぼし、その結果、帳簿価額を回収できないと判断された場合には、固定資産やたな卸資産の帳簿価額に対する減損損失の計上により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(2) 原材料の市況変動による影響
 当社グループの主要製品は、塩ビ・オレフィン等の汎用プラスチック樹脂を主原料としており、これらの原材料価格の変動を、適時に生産技術の向上により吸収できない場合、あるいは製品価格に転嫁できない場合には、当社グル-プの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(3) 販売先の信用悪化による影響
 当社グループは、大手建材問屋あるいは大手商社を主たる販売先とし、取引信用保険の活用等により信用補完を実施する一方で、意図しない集中が発生しないように、信用リスクの分散にも努めていますが、販売先の予期せぬ信用悪化により貸倒リスクが顕在化した場合には、追加的な損失や引当金の計上が必要となり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 製造物責任による影響
 当社グループでは、開発製品等が、予期しない品質問題等により大規模な補償問題を引き起こす可能性があると認識しています。そのため、品質管理基準を明定し、また、開発工程で厳格な品質管理に努める一方、必要に応じて賠償責任保険を付保していますが、補償金額あるいは補償範囲が、想定の範囲を超えた場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 大規模災害等による影響
 当社グループの生産拠点並びに物流拠点の中核は福井県に所在しています。拠点の分散化には配慮していますが、福井県で地震、台風等の大規模災害が発生した場合には、生産設備の壊滅、物流機能の麻痺等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染拡大のようなパンデミックや大規模災害により当社グループの基幹事業(製品)に係るサプライチェーンが寸断あるいは大きく毀損した場合にも、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、当社グループでは安全確保及び業務継続のための取り組みとして、在宅勤務や時差出勤、オフィスの分散等を実施しております。

 

(6) 法規制による影響
 当社グループの事業活動は、環境、製造物責任、知的財産権、労務等各種の法令、規則の適用を受けます。関連法規の制定、改変には、その適時把握と事前の対応準備に努めていますが、関連法規の改変等は、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループでは、内部統制システムの再構築を進めておりますが、リスクの抽出、評価、対策の検討・実施並びに効果の検証のプロセスを重ねながら、引続きリスク管理態勢の強化を図っております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の概況

当社グループでは、第5次中期経営計画「Vision2019 CHALLENGE&CHANGE 目指せ100年企業!」(2017年度~2019年度)の最終年度として、次の3つの基本方針に則り具体的施策を実践してまいりました。

・成長分野への積極展開

エンジニアリングセールス(技術提案型営業)の拡大を引き続き進め、高付加価値型製品の提案活動により従来から推進している非住宅分野に更に注力、集合住宅や大型案件(一部オリンピック関連施設を含む)への木粉入り樹脂建材・乾式二重床といったシステム建材の販売が伸長しました。

・生産性向上による利益の創造

生産性向上による収益の改善を図るため、働き方改革における事務作業(非営業工数)の削減や、昨今の運送費高騰への対策および物流機能強化として加工拠点・在庫拠点の変更・梱包の簡素化を実施する等の取組みを進めました。また業務の平準化やデジタルの活用による作業の合理化、工場再編による生産効率の改善も図ってまいりました。

・挑戦と変革を実現する経営基盤の確立

中期経営計画に基づき整備された新人材育成制度や新昇格制度がスタートしており、順調に運用されてまいりました。

以上により、当連結会計年度の売上高は、412億65百万円と前期に比べ0.6%の増収となりました。

一方、利益面につきましては、車載用製品の売上減少による固定費負担割合増加や、深刻な人手不足に伴う物流費の高騰などにより、営業利益11億68百万円(前期比33.9%減)、経常利益13億97百万円(同29.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9億46百万円(同29.8%減)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増 減

 

分 類

金 額

(百万円)

構成比

(%)

金 額

(百万円)

構成比

(%)

金 額

(百万円)

増減比

(%)

 

外装建材

5,487

13.4

5,360

13.0

△127

△2.3

 

内装建材

11,641

28.4

12,705

30.8

1,064

9.1

建築資材

床関連材

8,438

20.6

8,568

20.8

129

1.5

 

システム建材

3,989

9.7

4,187

10.1

198

5.0

 

29,556

72.1

30,820

74.7

1,264

4.3

産業資材

 

11,454

27.9

10,444

25.3

△1,010

△8.8

合 計

 

41,010

100.0

41,265

100.0 

254

0.6

 

 

〔建築資材事業〕

主力の建築資材事業の売上は、308億20百万円(前期比4.3%増)で、売上高全体の74.7%を占めました。非住宅・リフォーム・組織需要家の3つを重点分野と定めて、拡販活動に取り組みました。

うち外装建材は、53億60百万円(同2.3%減)でした。樹脂製瓦桟は順調に推移しましたが、換気部材、防水部材が伸び悩みました。

内装建材は、127億5百万円(同9.1%増)でした。養生材・樹脂開口枠が順調に推移し、また高性能断熱材フェノバボードの製造販売を昨年1月に開始したことに伴い、売上は大きく伸長しました。

床関連材は、85億68百万円(同1.5%増)でした。床支持具の売上が減少しましたが、非住宅向け販売を積極的に推し進めたことにより、OAフロア材や乾式遮音二重床システム部材が順調に推移しました。

システム建材は、41億87百万円(同5.0%増)でした。ビルダーや非住宅向けへのエンジニアリングセールスが奏功し、請負工事付きの木粉入り樹脂建材の受注が売上増加に寄与しました。
 

〔産業資材事業〕

産業資材事業の売上は、104億44百万円(同8.8%減)で、売上高全体の25.3%を占めました。

販売拡大に取り組んだ結果、住宅設備部材や車輌部材は順調に推移しました。

また、精密分野では低反射パネルの技術革新による製品機能の向上と顧客への付加価値の提供に注力しておりますが、米中貿易摩擦や、第4四半期の中国での新型コロナウイルス蔓延に伴う工場操業停止による自動車産業の落ち込みを受けて、主軸の車載用製品が減少しました。

 

② キャッシュ・フローの概況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、103億22百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びその主な要因は次のとおりであります。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益14億31百万円、減価償却費14億7百万円、および売上債権の減少額29億75百万円などの収入に対し、仕入債務の増加額3億34百万円、および法人税等の支払額6億90百万円などの支出により、合計45億37百万円の収入となりました。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入89百万円に対し、機械設備等の有形固定資産の取得による支出24億91百万円などにより、合計で24億8百万円の支出となりました。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出1億99百万円、リース債務の返済による支出2億65百万円、および配当金の支払額3億61百万円などにより、合計8億28百万円の支出となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製商品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製商品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため生産、受注及び販売の状況については、「① 経営成績の概況」におけるセグメント業績に関連付けて示しております。

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

伊藤忠建材㈱

8,706

20.4

8,610

19.6

三井物産プラスチック㈱

4,155

9.8

4,022

9.2

 

本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

④ 財政状態の概況

 (資産)

総資産は、前連結会計年度末に比べ12億54百万円(前期末比2.6%)減少し、471億32百万円となりました。主な増減要因としましては、流動資産では、現金及び預金が12億59百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が22億34百万円減少、電子記録債権が7億23百万円減少したことなどにより、16億96百万円(同5.0%)の減少となりました。固定資産では、有形固定資産が14億47百万円増加した一方で、投資その他の資産が10億8百万円減少したことなどにより、4億42百万円(同3.0%)の増加となりました。

 

 (負債)

負債は、前連結会計年度末に比べ9億53百万円(前期末比5.5%)減少し、164億50百万円となりました。主な増減要因としましては、流動負債では、支払手形及び買掛金が3億33百万円減少し、また、未払法人税等が2億73百万円減少したことなどにより、7億10百万円(同4.4%)の減少となりました。固定負債では、繰延税金負債が2億52百万円減少するなど、2億43百万円(同17.8%)の減少となりました。

 

 (純資産)

純資産は、前連結会計年度末に比べ3億1百万円(前期末比1.0%)減少し、306億82百万円となりました。主な増減要因としましては、その他有価証券評価差額金が4億59百万円減少し、また、退職給付に係る調整累計額が2億39百万円減少しました。株主資本合計は、利益剰余金が5億86百万円増加した一方で、自己株式の取得等で1億70百万円減少したことなどにより、294億81百万円となりました。この結果、自己資本は301億5百万円となり、自己資本比率は63.9%となりました。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り及び予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある主な見積りとして、以下の会計処理があります。

 

(たな卸資産の減損)

当社グループは、たな卸資産を取得原価で測定しておりますが、正味売却価額が取得原価より下落している場合には、当該正味売却価額で測定し、取得原価との差額を原則として売上原価に認識しております。また、営業循環過程から外れて滞留するたな卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味売却価額等を算定しております。市場環境が予測より悪化して正味売却価額が著しく下落した場合には、減損処理が必要となる可能性があります。

 

(繰延税金資産)

当社グループは、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

 

(固定資産の減損)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

当社グループは、新型コロナウイルスの影響が少なくとも一定期間続くとの仮定の下、期末時点で入手可能な情報を基に会計上の見積りを行っております。しかしながら、新型コロナウイルスの影響は不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もあり、翌連結会計年度の当社グループの財政状態、経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は412億65百万円となり、前連結会計年度に比べ0.6%の増収となりました。売上総利益率は27.0%となりました。

一方、利益面につきましては、車載用製品の売上減少による固定費負担割合増加や、深刻な人手不足に伴う物流費の高騰などにより、営業利益11億68百万円(前期比33.9%減)、経常利益13億97百万円(同29.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9億46百万円(同29.8%減)となりました。

当社グループが軸足を置きます住宅市場は、少子高齢化に起因する人口減少に伴い、近い将来に予測される世帯数や世帯当たりの平均人数の減少を背景に、戸建て住宅や賃貸住宅の需要減や住まいに求められる性能や機能の高度化・多様化、今般の新型コロナウイルスによる消費マインドへの影響もあり、今後市場環境は大きく変化するものと予測されます。

このような環境の中、当社は100年企業に向けた強固な体制を作るべく、第5次中期経営計画に則った成長分野への展開として、建材事業ではフェノバボード事業譲受、精密事業と海外事業では新工場建設等、積極的に経営資源を配分してまいりました。また今般新たに策定いたしました第6次中期経営計画では各事業毎に定めましたターゲット別戦略に対し、新規顧客開拓と新たな技術開発をより一層のスピードアップを図り、推進してまいります。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続いたものの、企業収益は人件費などのコスト増等が影響し弱含み傾向にあり、また輸出、生産も引き続き横這い圏で推移するなど回復の動きが鈍る展開となりましたが、個人消費は総じて緩やかに持ち直しており、景気は弱いながらも回復基調が維持されていました。

一方、米中貿易摩擦や中国経済減速の長期化など海外情勢の不透明感が増す中、第4四半期以降、中国を発端とした新型コロナウイルスの感染拡大により、世界的に景気が急速に下振れしてきており、日本でも企業収益、設備投資、個人消費、雇用情勢など多くの面で重大な影響が懸念されています。今後、流行の収束までは当分留意が必要な状況が続くものと予想されます。

住宅業界におきましては、消費税率引き上げに伴う需要減や融資審査の厳格化による貸家の落ち込み幅が大きく、その結果、令和元年度の新設住宅着工戸数は、戸数884千戸(前年比7.3%減)、床面積73,107千㎡(同4.5%減)となりました。

〔新設住宅着工の推移〕

 

平成27年度

平成28年度

平成29年度

平成30年度

令和元年度

前年比 増減数

前年比 

増減率

着工戸数(千戸)

921

974

946

953

884

△69

△7.3%

着工面積(千㎡)

75,592

78,705

75,829

76,573

73,107

△3,466

△4.5%

 

   (出典:国土交通省)

 

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、円滑な営業活動のための流動的な資金確保と長期的かつ安定的な資金調達を基本とし、資本効率にも考慮したうえで、運転資金および設備投資資金については、自己資金又は金融機関からの借入による調達を行っております。また、事業展開等に伴う資金需要に機動的に対応するため、十分な現金及び現金同等物を保有しております。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,935(4,226)

4,537

2,602(311)

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,719

△2,408

△689

財務活動によるキャッシュ・フロー

△583

△828

△245

現金及び現金同等物に係る換算差額

△9

△28

△18

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△376(1,915)

1,273

1,649(△642)

現金及び現金同等物の期首残高

9,439

9,064

△376

現金及び現金同等物の期末残高

9,064(11,354)

10,322

1,259(△1,032)

 

(注)( )内は期末休日要因を除いた実質ベースの金額であります。

 

営業活動によるキャッシュ・フローは、45億37百万円の収入となりました。前期比では収入が26億2百万円増加しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、設備投資計画に基づく機械設備等の取得による支出24億91百万円などにより、24億8百万円の支出となりました。前期比では支出が6億89百万円増加しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、リース債務の返済などにより8億28百万円の支出となりました。前期比では支出が2億45百万円増加しました。

これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、103億22百万円となり、前期比では12億59百万円(前期末比13.9%)増加しました。現金及び現金同等物の自己資本に対する比率は、34.3%(同4.5%増)となりました。

また、期末休日調整後のフリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、前期末比3億78百万円減少し、21億29百万円となりました。インタレスト・カバレッジ・レシオは518.1(同379.2減)となりました。

 

当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減額

 

流 動 資 産

33,883

32,188

△1,696

 

固 定 資 産

14,503

14,944

442

資  産  合  計

48,386

47,132

△1,254

 

流 動 負 債

16,037

15,326

△710

 

固 定 負 債

1,366

1,123

△243

負  債  合  計

17,403

16,450

△953

純 資 産 合  計

30,983

30,682

△301

 

 

当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益9億46百万円を計上したことなどにより、株主資本合計は294億81百万円(前期末比1.4%増)となりました。この結果、自己資本は301億5百万円(同1.0%減)となり、自己資本比率は63.9%(前期比1.0%増)となりました。なお、時価ベースの自己資本比率は17.0%(同7.1%減)であります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループにおいて、研究開発活動は主に当社が行っております。

なお、当社グループの研究開発活動は、以下のとおりであります。

当社グループの研究開発は、既存事業分野で急務となっている研究課題はもとより、中期経営戦略に基づく新規事業分野への進出、更には長期的成長の基盤となる基礎研究にも努めております。当社のコアビジネスである住宅・建材分野では、当社が保有する技術・資源をベースに、マーケティングを通じて顧客が求める価値を解明し、新規性の高い企画立案とモノづくりに取り組み、新たな市場を創造すべく、研究開発活動を推進しております。

当連結会計年度の研究開発費用として1,044百万円投入しました。左記の額を事業のセグメントに区分することは困難でありますので、省略しております。

当連結会計年度における主要課題及び研究成果は、次のとおりであります。

①建築資材事業での取り組み

当年度は、「組織需要家(ハウスメーカーやホームセンター等)」「リフォーム」「非住宅」関連を成長領域と捉え、機能性商品等の開発に注力しました。

「リフォーム」関連では、主力である浴室向けリフォーム製品の新アイテムとして「浴室壁面収納 シェルファイン」を発売しました。このシェルファインは、グループ子会社であるアリス化学の生産技術を活用し、透明感のある滑らかな質感と深みのある色彩感が特徴の、継ぎ目のない浴室壁面収納で、収納スペースの大きさと掃除のしやすさ、デザイン性を追求しました。また、同じくグループ子会社のフクビ岡山で生産しているフェノバボード(フェノールフォーム断熱材)に、遮熱性を付加した屋根用断熱材「フェノバボード遮熱」を開発上市しました。業界最高クラスの断熱材に透湿防水シートの遮熱タイプ開発で培ったノウハウで遮熱性をプラスしたハイブリッド機能商品で、屋根用断熱材として使用することで室内の温度上昇を抑制することができ、住宅における省エネ性にも寄与する商品です。今後もグループ子会社とのシナジーによる新商品開発を進めてまいります。

「非住宅」関連では、福井県の伝統工芸品である手すき越前和紙に独自のコーティング技術で耐久性と不燃性を付与し、不燃材料の大臣認定を取得した不燃手すき和紙化粧板「越柊」を開発しました。和紙と板材を複合することにより、熟練した職人でなくても施工が容易な汎用性と意匠性が評価され、2019年度グッドデザイン賞を受賞しました。また、事務所改修市場の拡大を図るべく、好評を頂いている床高さ50㎜×大きさ500㎜角のTN-50に続き、床高さ100㎜に対応するサイズ500㎜の「OAフロア TN-100」を上市しました。施工性・配線収納力を向上させることの他、強度を保ちながら積み重ねられる工夫を施し小梱包で持ち運びしやすい形状となっおります。

今後も建築空間にクリエイティブな商品の提供、機能の満足度と施工効率化を追求することで、顧客に喜ばれ選ばれる快適・安心・安全を提供できるような開発推進にチャレンジしてまいります。

 

②産業資材事業での取り組み

当事業の取り組みの一つとして、「唯一無二の高付加価値製品による差別化」「ソリューション営業とグローバル市場展開」を目指し、光学コーティング技術により「視認性」・「安全性」の向上など付加価値を創出し、社会の発展に貢献する製品開発を行っております。 

「車載用途」では、メーターやCID(センターインフォメーションディスプレイ)のカバー材として、個々のお客様のニーズに応える製品開発に注力しております。樹脂ARシートの他、インサート用ARフィルム、ガラス基板に塗布するガラスARシートなど、あらゆる素材に対応した製品を市場供給するための開発に注力しております。

「非車載用途」では、IoT情報化社会に向けて需要の高まりが期待できるセンサーカバーをはじめ、セキュリティーやテレワークに必要なカメラレンズのカバーなど、個々にカスタマイズした高付加価値製品の開発を進めております。

また、昨年6月には新工場を建設し、表示機器の大型化、広幅化を見据えた開発に取り組んでおります。

 

今後も、これら新規開発製品の性能向上や市場が求める商品の開発に取り組んでまいります。