第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「化学に立脚し、新たな価値を創造、提案する」、「企業経営を通じて、地域に貢献し、環境共生型社会形成に寄与する」の企業理念のもと、プラスチックを中心とする異形押出成形技術をコア技術として、常に新しい技術と製品の開発に専念し、企業価値の向上に努めてまいりました。

今後さらに、フクビの絶対主義、即ち「絶対品質、絶対スピード、絶対コスト」に裏付けられた製品とサービスの提供を通して、お客様の企業価値の増大に貢献し、開発型メーカーとしての事業基盤を一層強化してまいります。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループでは、令和5年度より5ヶ年の第7次中期経営計画がスタートしています。中長期ビジョンのあるべき姿「新たな技術開発と市場創造に絶え間なく挑戦し、快適な社会の実現に貢献する」「一人一人の成長と企業の成長が一体となることで、喜びを実感できるフクビグループを目指す」に対し、現状とのギャップを埋めるための戦略と位置付けました。企業理念に立脚した事業活動を具現化することによって、企業としての存在価値を高めるとともに、VUCAの時代において安定的な経営を目指すため、3つの基本戦略を掲げました。

① 循環型ビジネス拡大

・プラスチックリサイクルへ事業領域を拡大し、循環型社会に貢献する。

・環境配慮型商品のブランド展開とフクビの5R(Reduce、Reuse、Recycle、Renewable、Revalue)実践によりグループの存在感を高める。

② 強靭な収益基盤構築

・当社の強みである、材料配合・成形加工技術に関するバリューポジションを更に拡大する。

・社会のニーズに沿った商品開発や採算性を意識した事業PFの再構築、生産性向上による更なる原価低減を通じて付加価値をさらに高める。

③ 成長を後押しする組織づくり

・人的資本への積極的取り組みにより、従業員エンゲージメントを高め、従業員の力を最大限発揮できる清新な組織への改革を加速させる。

・戦略を確実に実行するためのガバナンス体制を強化する。 

当社グループは、上記諸施策を推進することで100年企業へ向けた強固な基盤づくりを行い、更には、地域の皆様や社会に貢献する経営を継続することで、常にステークホルダーに信頼され、選ばれ続ける企業を目指します。

 

(3) 会社の対処すべき課題

新型コロナウイルスの影響が正常化される中で、ロシア・ウクライナ問題が長期化し、世界的インフレが進むなど社会環境において不確実性が更に高まっています。そのような変化の中で持続的成長を維持していくためには革新的な企業改革を行いつつ、社会や環境に配慮したビジネス活動を推進していくことが重要になってきており、フクビグループの事業活動を通じ、社会貢献することで長期的な発展を目指します。

しかしながら、長期的な成長と企業価値をさらに高めていくには、以下のような解決すべき課題があると認識しております。

① ESGを経営の中核に据えた事業運営

企業の社会的責任がますます重くなる中で、今後もサステナブルな企業であり続けるため、これまで以上にESGを意識した取り組みを進めます。企業理念「企業経営を通じて、地域に貢献し、環境共生型社会形成に寄与する」に立脚した事業活動を具現化し、企業としての存在価値を高め、環境・社会・企業統治の問題に意識を向けることでリスクの予測や対応を行いやすい安定的な経営を目指します。

② 成長するための事業戦略立案と推進

前述した第7次中期経営計画における3つの基本戦略「循環型ビジネス拡大」「強靭な収益基盤の構築」「成長を後押しする組織作り」に則り、各事業で具体的施策を設定し、確実に実行することで外部環境に左右されない新たな価値を創造していきます。

中でも既存事業の周辺領域、または新規事業への取り組みを加速し、グループ会社全体の成長に繋げてまいります。

 

③ サステナビリティ経営の推進・強化

サステナビリティ経営をさらに推進・強化すべく、組織・体制を整備し持続可能な社会の実現に向けた役割を果たしていきます。詳細は、2サステナビリティに関する考え方及び取組に記載のとおりです。

④ 持続的な成長を支える体制整備

持続的成長を支える体制として、常に新しいビジネスを探索することを目的とした、新事業企画室を新設しました。新事業に対する企画業務を強化し、変化の激しい時代の中で、新たな芽を探求し続けてまいります。また、リスクマネジメントの強化を引き続き行います。地政学リスクやその他リスクに向け、順次BCP改定を進め、体制整備を図ります。

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

当社グループは、サステナビリティを重要な経営課題として捉え、事業活動において環境、社会、ガバナンスの観点から持続可能な発展を目指します。

このため、当グループではサステナビリティ委員会を経営会議の下部組織として設置し、その事務局、運営機能を主とするサステナビリティ推進室を立ち上げました。サステナビリティ委員会は、ESGに関する情報の収集・分析を行い、持続的な企業価値の向上に向けた方針、戦略の企画・立案・提言を行います。また、サステナビリティ推進室は、サステナビリティに関する情報の開示やステークホルダーとのコミュニケーションの強化など、当社のサステナビリティ活動の支援や資源循環の取り組みに関する企画検討・起案を行います。

 


 

(2)重要なサステナビリティ項目

上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された、当社グループにおける重要なサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りです。

①環境、社会、ガバナンスの観点から、持続可能な企業価値の向上を目指すためのマテリアリティを特定し2030年に向けたKPIを設定し取り組んでいます。

 


 


 

② ステークホルダーとの積極的なコミュニケーションを通じて、サステナビリティに関する課題を共有し、解決策を模索します。

③ 持続可能な社会の実現に向けたサステナビリティ活動を積極的に推進します。

当社は、サステナビリティに関する取り組みを強化することで、企業価値の向上に努めるともに、持続可能な社会の実現に向けた役割を果たしてまいります。

(3)人的資本に関する事項

当社グループは、「人がいてフクビがあり、人が成長してフクビが成長する」という考えのもと、会社との信頼関係に基づく従業員の成長と活躍を永続的発展の土台と捉え、個々のキャリア観に応じた多様性のある能力開発と、人材を最大発揮・最大活用できる仕組み並びに働きがいのある環境づくりを推進しています。

   人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針

(a)自律的なキャリア形成の促進と自己啓発支援による学ぶ風土づくり

従業員一人一人が能力を最大限に発揮するために、多様なキャリア観に応じた能力開発とキャリア自律を促進しています。希望者には、社内キャリアコンサルタントによる面談や自己申告によるキャリア支援も実施しています。また、通信教育や資格取得の支援を通して、学ぶ風土づくりを醸成しています。

(b)持続的な企業価値創造に向けた次世代幹部育成・OJTリーダー育成

組織成果の最大化ひいては持続的な企業価値創造を目指し、管理職を中心として、次世代幹部人材の開発・育成も全社的に実施しています。また、当社グループ固有の専門知識とスキル伝承に向けた取り組みとして、人を教えることができる人材の育成に力を入れています。

 (c)成長機会と活躍の場の創出による多様な人材の最大発揮・最大活用

経営層をメンバーとする「全社人材開発会議」にて、重要な人材開発施策を審議・決定すると共に、経営戦略に連動した主要ポジションの任免、経営人材・女性管理職候補人材の登用に関する検討と決定を行っています。また、各部門には「部門別人材開発会議」を設置し、人事部門も一体となって人材の発掘や多様な人材が活躍できる環境整備を推進することで、女性の採用拡大や総合職への登用を進めています。

 (d)柔軟で働きがいのある環境づくり

個々の状況に応じて多様な人材が活躍できるように、在宅勤務制度の拡充などリモートワークの環境整備を進めると共に、従業員エンゲージメントサーベイにより課題を見える化し、働きがいのある環境づくりに取り組んでいます。

②   人的資本に係る「戦略」で記載した方針に関する指標の内容、当該指標を用いた目標及び実績

 


 

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状態などに重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクは次のとおりです。当社グループは、各種リスクの所在、発生の可能性並びにその影響度を適切に分析し、リスクの低減、移転並びに回避に努める一方、発現時には逸早く認識し、迅速かつ的確な対応ができるよう体制の整備に努めています。なお、下記事項には、将来に関する事項が含まれますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループ自ら判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。 

 

(1) 事業環境の変化による影響

 当社グループは、住宅建築資材の生産・販売を中核事業としています。このため、個人消費動向、住宅関連税制・消費税の改定並びに長期金利の動向等は、戸建住宅やマンション等の集合住宅の新築・増改築需要に影響を及ぼし、その結果、帳簿価額を回収できないと判断された場合には、固定資産や棚卸資産の帳簿価額に対する減損損失の計上により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(2) 原材料の市況変動による影響

 当社グループの主要製品は、塩ビ・オレフィン等の汎用プラスチック樹脂を主原料としており、これらの原材料価格の変動を、適時に生産技術の向上により吸収できない場合、あるいは製品価格に転嫁できない場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 

 

(3) 販売先の信用悪化による影響

 当社グループは、大手建材問屋あるいは大手商社を主たる販売先とし、取引信用保険の活用等により信用補完を実施する一方で、意図しない集中が発生しないように、信用リスクの分散にも努めていますが、販売先の予期せぬ信用悪化により貸倒リスクが顕在化した場合には、追加的な損失や引当金の計上が必要となり、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 製造物責任による影響

 当社グループでは、開発製品等が、予期しない品質問題等により大規模な補償問題を引き起こす可能性があると認識しています。そのため、品質管理基準を明定し、また、開発工程で厳格な品質管理に努める一方、必要に応じて賠償責任保険を付保していますが、補償金額あるいは補償範囲が、想定の範囲を超えた場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 大規模災害等による影響

 当社グループの生産拠点並びに物流拠点の中核は福井県に所在しています。拠点の分散化には配慮していますが、福井県で地震、台風、豪雪等の大規模災害が発生した場合には、事業活動の中断、生産設備の壊滅、物流機能の麻痺等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染拡大のようなパンデミックや大規模災害により当社グループの基幹事業(製品)に係るサプライチェーンが寸断あるいは大きく毀損した場合にも、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 法規制による影響

 当社グループの事業活動は、環境、製造物責任、知的財産権、建設業、労務等各種の法令、規則の適用を受けます。関連法規の制定、改変には、その適時把握と事前の対応準備に努めていますが、関連法規の改変等は、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報流出による影響

 当社グループは、様々な事業活動を通じ、多数の個人情報や機密情報を保有しています。これらの情報については社内規程のもと管理には万全を期しておりますが、万一情報が流出した場合には、社会的信用の失墜や損害賠償請求等により、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

当社グループでは、内部統制システムの再構築を進めておりますが、リスクの抽出、評価、対策の検討・実施並びに効果の検証のプロセスを重ねながら、引続きリスク管理態勢の強化を図っております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の概況

当社グループでは、第6次中期経営計画「FUKUVI NEXT」(2020年度~2022年度)で掲げた3つの基本方針に基づき取り組んでまいりました。

 

・成長分野への積極展開

主力の建築資材分野では、戦略的に攻める製品や分野を定めて顧客に価値を訴求する販売活動を強化しました。中でも環境配慮型商品ブランド「Fukuvalue」のラインナップである人工木材『プラスッド』は、大型案件の販売強化が受注に繋がりました。また新たに「東京の木多摩産材」を使用した人工木材『プラスッド−TM』をブランドに加え、2022年12月より販売開始しました。

米国においては、『Victory Bear』ブランドを中心とした高付加価値製品分野への転換を推進し、ベトナム及びタイでは建材ビジネス基盤の構築に向けて現地ローカル代理店との販売強化に取り組みました。新事業分野では、まちづくり事業を推進すべく屋外空間向けブランド『ファンダライン』の認知度拡大に向けた展示会出展やアイテム拡充に取り組みました。

 

・収益構造の改革推進による利益の創造

原材料、エネルギー価格が高騰するなか、価格改定や販管費や原価低減活動に取り組みました。物流費関連においては、費用の見える化や運送方法の改善検討を全社横断で取り組んだ結果、計画を上回る成果につなげることができました。また、事業ポートフォリオ再構築の観点から、建材事業本部、CSE事業本部各々で注力分野への積極展開や不採算分野の見直しに継続的に取り組んでいます。

 

・挑戦と変革を実現する経営基盤の確立

基幹システム(ERP)と管理会計システムの導入のプロセスを通じて、収益構造の改革や、業務の効率化などに継続して取り組んでいます。また、人事面では、挑戦を後押しする仕組みを人事評価制度に取り入れるなどして従業員エンゲージメントのさらなる向上を図っています。また、社会に貢献するSDGsの取り組みでは、自社製品製造過程におけるCO2排出量算定の取り組みに着手しています。

 

以上により、当連結会計年度の売上高は、395億67百万円と、前期に比べ7.7%の増収となりました。

利益面につきましては、収益性改善に向けた取り組みによる売上高総利益率改善と、経費抑制から、営業利益15億54百万円(前期比22.4%増)、経常利益19億2百万円(同17.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億82百万円(同30.4%増)となりました。

なお、特別利益として退職給付信託資産返還益1億89百万円を計上しています。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増 減

 

分 類

金 額

(百万円)

構成比

(%)

金 額

(百万円)

構成比

(%)

金 額

(百万円)

増減比

(%)

 

外装建材

5,274

14.4

5,593

14.1

319

6.1

 

内装建材

11,709

31.9

12,744

32.2

1,034

8.8

建築資材

床関連材

7,475

20.3

7,977

20.2

502

6.7

 

システム建材

3,756

10.2

4,066

10.3

310

8.2

 

28,214

76.8

30,379

76.8

2,165

7.7

産業資材

 

8,527

23.2

9,188

23.2

661

7.8

合 計

 

36,741

100.0

39,567

100.0

2,826

7.7

 

 

 

〔建築資材事業〕

建築資材事業では環境配慮型商品ブランド「Fukuvalue」の拡充に注力するとともに、新製品、既存製品問わず新市場に向けた販路の拡大に取り組みました。特に注力製品についてはデジタルマーケティング、ウェブセミナー、展示会を通じて、新たな顧客の開拓と関係強化に努めています。

製品別では、外装建材において樹脂製瓦桟『エコランバー』、住宅用防水部材『ウェザータイト』などが堅調に推移し、55億93百万円(前期比6.1%増)となりました。

内装建材においては、行政などの宿泊施設支援施策が後押しとなり、浴室用パネル『バスパネル』が好調に推移し、また、断熱材分野では、高性能断熱材『フェノバボード』、リフォーム用断熱材『フクフォーム』が順調な伸びを示した結果、127億44百万円(同8.8%増)となりました。

床関連材においては、床支持具『プラ木レン』、樹脂系床仕上材などが好調に推移し、79億77百万円(同6.7%増)となりました。

システム建材においては、防蟻関連商材は伸び悩みましたが、一方で人工木材『プラスッド』が好調に推移し、40億66百万円(同8.2%増)となりました。

以上より、建築資材事業の売上高は、303億79百万円(前期比7.7%増)となりました。

 

〔産業資材事業〕

産業資材事業の売上は、91億88百万円(同7.8%増)で、売上高全体の23.2%を占めました。

住宅設備部材では、リフォーム需要の伸びと価格改定前の需要増により堅調に推移し、物流施設や倉庫・工場向け製品においては、フォークリフトの壁面衝突を防ぐ視認材『樹脂製フォークガード』が伸長しました。

乗用車の車載向け精密化工品は、半導体不足や中国市場経済の停滞による影響から、受注は弱含みで推移しました。

 

 

② キャッシュ・フローの概況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前期と比べ2億16百万円(前期末比1.8%)減少し、121億19百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及びその主な要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益21億10百万円、減価償却費12億90百万円、および仕入債務の増加額2億87百万円などの収入に対し、売上債権の増加額10億25百万円、法人税等の支払額5億46百万円、および棚卸資産の増加額3億13百万円などの支出より、合計17億83百万円のプラスとなり、前期比では2億72百万円減少しました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、機械設備等の有形固定資産の取得による支出8億92百万円に対し、投資有価証券の売却による収入87百万円などにより、合計9億8百万円のマイナスとなり、前期比では1億55百万円減少しました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額3億89百万円、自己株式の取得による支出3億51百万円、およびリース債務の返済による支出2億79百万円などの支出により、合計11億91百万円のマイナスとなり、前期比では5億60百万円減少しました。

 

 

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製商品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製商品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

このため生産、受注及び販売の状況については、「① 経営成績の概況」におけるセグメント業績に関連付けて示しております。

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

伊藤忠建材㈱

7,509

19.0

8,106

19.0

三井物産プラスチック㈱

3,471

8.8

3,706

8.7

 

 

④ 財政状態の概況

(資産)

総資産は前連結会計年度末に比べ13億82百万円(前期末比2.8%)増加し、507億60百万円となりました。主な増減要因としましては、流動資産では、現金及び預金が2億16百万円減少した一方で、電子記録債権が9億64百万円増加したことや、棚卸資産が3億43百万円増加したことなどにより、11億80百万円(同3.5%)の増加となりました。固定資産では、有形固定資産が2億57百万円減少した一方で、無形固定資産が2億40百万円増加、また投資その他の資産が2億19百万円増加したことなどにより、2億2百万円(同1.3%)の増加となりました。

 

(負債)

負債は前連結会計年度末に比べ3億81百万円(前期末比2.4%)増加し、165億5百万円となりました。主な増減要因としましては、流動負債では、未払金が1億34百万円減少した一方で、支払手形及び買掛金が3億9百万円増加したことや、賞与引当金が86百万円増加したことなどにより、2億61百万円(同1.8%)の増加となりました。固定負債では、借入金が34百万円減少した一方で、リース債務が1億8百万円増加、また繰延税金負債が37百万円増加するなど、1億20百万円(同7.6%)の増加となりました。

 

(純資産)

純資産は前連結会計年度末に比べ10億1百万円(前期末比3.0%)増加し、342億54百万円となりました。主な増減要因としましては、退職給付に係る調整累計額が1億73百万円減少した一方で、利益剰余金が10億93百万円増加しました。株主資本合計は316億48百万円となり、この結果、自己資本は335億21百万円、自己資本比率は66.0%となりました。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り及び予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

なお、当社グループの連結財務諸表に影響を及ぼす可能性がある主な見積りとして、以下の会計処理があります。

 

(棚卸資産の評価)

当社グループは、棚卸資産を取得原価で測定しておりますが、塩ビ・オレフィン等の汎用プラスチック樹脂を主原料としており、これらの原材料価格の変動を、適時に生産技術の向上により吸収できない場合、あるいは製品価格に転嫁できない場合や、市場環境の悪化により市場価格の下落が生じ、その結果として正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額で測定し、取得原価との差額を当期の費用として処理しております。また、棚卸資産の種類ごとに期間を定め、当該期間に出荷や使用がない場合等、営業循環過程から外れて滞留する棚卸資産については、将来の需要や市場動向を反映して正味売却価額等を算定しております。市場環境が予測より悪化して正味売却価額が著しく下落した場合には、簿価切下げが必要となる可能性があります。

 

(繰延税金資産)

当社グループは、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(固定資産の減損)

当社グループは、国内外において取引先のニーズに応えるため継続的な設備投資を行っておりますが、生産設備の稼働率が当初予定していた生産計画を大幅に下回り、投資額の回収が困難となる可能性があります。その結果として固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は395億67百万円と、前期に比べ7.7%の増収となりました。

利益面につきましては、収益性改善に向けた取り組みによる売上高総利益率改善と、経費抑制から、営業利益15億54百万円(前期比22.4%増)、経常利益19億2百万円(同17.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益14億82百万円(同30.4%増)となりました。

なお、特別利益として退職給付信託資産返還益1億89百万円を計上しています。

当グループが主要マーケットとする住宅業界は、原材料高騰を背景とした建築価格上昇が消費マインドに与える影響などを要因として、今後も新設住宅着工戸数の伸びは弱含むと予想されます。一方で、環境に配慮した住宅の市場は成長が見込まれ、また、非住宅、リフォーム分野でも伸長の余地があることから、顧客の求めるニーズに真摯に耳を傾けて新たな市場を創造する必要があると考えています。

2023年度より新たにスタートする第7次中期経営計画における3つの基本戦略「循環型ビジネス拡大」「強靭な収益基盤の構築」「成長を後押しする組織作り」を積極的に推し進めてまいります。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大防止と経済活動の両立が図られ、緩やかに回復が進む展開となりました。しかしながら、ウクライナ情勢等の不透明感や急激な円安の進行から、エネルギーコストや原材料価格の高騰による物価上昇の家計への影響、供給面での制約等に注意が必要な状況で推移しました。  

住宅業界においては、材料高による建築費の上昇や建築資材の供給不足等の影響もあり、令和4年度の新設住宅着工戸数は、戸数861千戸(前年比0.6%減)、床面積68,651千㎡(同3.5%減)となりました。

〔新設住宅着工の推移〕

 

平成30年度

令和元年度

令和2年度

令和3年度

令和4年度

前年比 増減数

前年比 

増減率

着工戸数(千戸)

953

884

812

866

861

△5

△0.6%

着工面積(千㎡)

76,573

73,107

66,299

71,161

68,651

△2,510

△3.5%

 

   (出典:国土交通省)

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、円滑な営業活動のための流動的な資金確保と長期的かつ安定的な資金調達を基本とし、資本効率にも考慮したうえで、運転資金および設備投資資金については、自己資金又は金融機関からの借入による調達を行っております。また、事業展開等に伴う資金需要に機動的に対応するため、十分な現金及び現金同等物を保有しております。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

2,055

1,783

△272

投資活動によるキャッシュ・フロー

△753

△908

△155

財務活動によるキャッシュ・フロー

△631

△1,191

△560

現金及び現金同等物に係る換算差額

140

101

△39

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

811

△216

△1,027

現金及び現金同等物の期首残高

11,524

12,335

811

現金及び現金同等物の期末残高

12,335

12,119

△216

 

(注)( )内は期末休日要因を除いた実質ベースの金額であります。

 

 営業活動によるキャッシュ・フローは、17億83百万円のプラスとなりました。前期比では2億72百万円減少しました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、機械設備等の有形固定資産の取得による支出8億92百万円などにより、9億8百万円のマイナスとなり、前期比では1億55百万円減少しました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額などにより11億91百万円のマイナスとなり、前期比では5億60百万円減少しました。

これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、121億19百万円となり、前期比では2億16百万円(前期末比1.8%)減少しました。現金及び現金同等物の自己資本に対する比率は、36.2%(同1.7%減)となりました。

また、フリーキャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は、前期末比4億28百万円減少し、8億75百万円となりました。インタレスト・カバレッジ・レシオは790.2(同79.4増)となりました。

 

当連結会計年度末における財政状態は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度末

当連結会計年度末

増減額

 

流 動 資 産

33,597

34,777

1,180

 

固 定 資 産

15,780

15,982

202

資  産  合  計

49,378

50,760

1,382

 

流 動 負 債

14,543

14,804

261

 

固 定 負 債

1,581

1,701

120

負  債  合  計

16,124

16,505

381

純 資 産 合  計

33,254

34,254

1,001

 

 

当連結会計年度において親会社株主に帰属する当期純利益14億82百万円を計上したことなどにより、株主資本合計は316億48百万円(前期末比2.5%増)となりました。この結果、自己資本は335億21百万円(同2.8%増)となり、自己資本比率は66.0%(前期比0.0%増)となりました。なお、時価ベースの自己資本比率は23.3%(同1.5%減)であります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおいて、研究開発活動は主に当社が行っております。

なお、当社グループの研究開発活動は、以下のとおりであります。

当社グループの研究開発は、既存事業分野で急務となっている研究課題はもとより、中期経営計画に基づく新規事業分野への進出、さらには長期的成長の基盤となる基礎研究にも努めております。当社のコアビジネスである住宅・建材分野では、マーケティングを通じてSDGs宣言に則した商品群別ターゲットを設定し、顧客ニーズをつかみ共感を生む価値ある商品開発を目標に、保有技術・資源をベースとしつつ、さらに新技術を活用した研究開発活動を推進しております。

当連結会計年度の研究開発費用として1,152百万円投入しました。左記の額を事業のセグメントに区分することは困難でありますので、省略しております。

 当連結会計年度における主要課題及び研究成果は、次のとおりであります。

(1) 建築資材事業での取り組み

環境対応を念頭に新製品の開発に取り組むとともに、食品工場など、新分野である非住宅建築の新製品探索•開発に注力しました。

①環境対応として、オフィス空間の配線や増設を容易に行えるフリーアクセスフロア「クリーンOAフロア TN-50」について製品の全ライフサイクルステージにわたる環境情報を定量的に開示する「エコリーフ環境ラベル」を取得しました。また、海洋プラスチックゴミで問題となっている漁網や車のエアバック、結束バンドなどをリサイクルした原材料を使用した、集合住宅向け二重床「フリーフロアー資源循環型支持脚」を発売しました。

②食品工場など非住宅施設向けに販売してきたGRC押出成形による不燃R巾木の新規格「ソリッドライン200」の上市に加え、樹脂製にて台車などに対する低温耐衝撃性を付加した製品「プロテクトライン15」、「クリーンライン100-30R」を追加しました。

③新型コロナウイルスの影響がやわらぎ、まちに人が多く集まる機会の増加を見据えて、公共空間向け屋外家具ブランド「ファンダライン」に、「より身近に、より使いやすく」をコンセプトにしたベンチ2種とプランター1種の3アイテムを新たに追加しました。

 

(2)産業資材事業での取り組み

当事業の取り組みとして、「唯一無二の高付加価値製品による差別化」「ソリューション営業とグローバル市場展開」を目指し、光学コーティング技術により「視認性」・「安全性」の向上など、社会の発展に貢献する製品開発を行っております。

また、2種類以上の樹脂を同時に用いる共押出成形技術により、成長を続ける産業界に求められる高性能・高付加価値のある樹脂製品の開発にも取り組んでおります。

①精密化工品では、反射防止パネル「ハーツラスAR」の製品性能向上をはかり、「車載表示器」や「カメラレンズ、センサー、モニター等の電子機器」の保護パネルとしての採用拡大に努めております。また、防曇性や抗ウイルス性といった新たな機能を付加した製品開発にも取り組んでおります。 

②物流施設や倉庫・工場向け樹脂製フォークガードを開発し、販売を開始しました。当製品は、高い視認性によるフォークリフトの壁面への衝突回避を目的とし、鋼鉄製のフォークガードに比べ軽量で、搬入作業の負担が軽減されるだけでなく、現場での施工や切断等の加工が容易となっております。また、樹脂練り込み着色のため、塗装の様な塗膜剥がれがなく、錆びないため長期間使用可能な特長を有しております。製品高さ175mmおよび200mmの2サイズをラインナップしております。

③ビニル系の床材・壁材において、客先で廃棄される現物見本やデッドストックなどを回収・再利用した床材の開発に取り組んでおります。また、不燃性を付与した腰壁シートの開発も進めております。

 

 

 (3)その他

近年、カーボンニュートラルに対する意識が高まり、省エネルギーへの取り組みやリサイクル可能な材料開発が重要視される中で、熱可塑性炭素繊維複合材(CFRTP)の生産性向上と製造コスト低減を目的に、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて、熱可塑性プリプレグシートのフィルム製膜からプレス成形までの一貫製造プロセスの量産化技術開発に引き続き取り組んでおります。モビリティなどの軽量高強度が求められる部品への展開を目指します。

 

今後も顧客ニーズをつかみ共感を生む価値ある商品開発を念頭に、快適・安心・安全を提供できるような開発推進にチャレンジしてまいります。