第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針、および経営戦略等

当社グループは、2021年より2025年度を最終年度とする中期経営計画「Great Niche Top 2025」(以下、「GNT2025」)をスタートさせました。中期経営計画の策定にあたり、創業以来、お客様が当社グループを評価してくださる点や当社グループがニッチトップ企業として成長できた、「旭有機材グループらしさ」に加えて、ニッチトップを更に磨き続ける企業文化を構築するために、新企業理念を策定いたしました。 

この企業理念のもと、2021年度からの10年間を「利益をともなう持続的な成長期」と位置付け、2030年度までに、グレートニッチトップ企業への転換を図っていくことを経営方針としています。

当社グループは、プラスチックバルブなどの配管材料、フェノール樹脂を用いた素形材製品、発泡材料を用いた断熱材製品や土木材料、半導体製造に必要な電子材料や小型精密バルブ、各種水処理施設の建設とメンテナンス、および温泉井や地熱蒸気井の掘削などの事業に関する技術開発と品質及びサービスの向上に努めることで、SDGs視点で取り組むお客様のものづくりのプロセスを、「お役立ち」で支えるとともに、「はじめて」に挑み「違い」をつくることで、経済価値と社会価値の両立を目指します。

 

なお、2025年度までの中期経営計画では、具体的に以下4点に注力いたします。

①    海外(管材システム事業・樹脂事業)、半導体関連製品を中心に成長を追求する

②    「違い」をつくり付加価値を高め、利益率を向上させる

③    SDGs視点で事業展開を行い、経済価値と社会価値の両立を図る

④    あらたな社会課題の解決に貢献する新事業を創出する

 

(2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、中期経営計画にて事業ポートフォリオ戦略を定め、「強化拡大」、「深化・安定成長」、「再構築」の3つの事業分類とその基本方針に沿って各事業部が継続的な成長と収益力の向上を目指して課題解決に向けた施策を着実に実行してまいります。

 

管材システム事業は、海外市場に対して成長期待の高い新興国(アセアン・中東など)の海水淡水化や化学分野において樹脂バルブの耐食性がつくりだすロングライフを広く知ってもらうことにより金属代替市場の創造に取り組んでまいります。半導体市場においては、半導体の微細化にともなって管材製品に対しても高い性能が求められており、特にお客様の収率向上に寄与する微細異物の発生が少ない小型精密バルブの開発に注力することで半導体製造工程の高度化に貢献します。国内市場においては、樹脂配管施工における人材不足や技術伝承などの課題に対して、樹脂加工業者の育成や技術支援、施工技術の開発を行い、全国に樹脂加工業者のネットワークを拡げ、樹脂バルブをはじめとした樹脂配管材料の使用範囲の拡大とお客様のお役立ちに注力した活動に取り組んでまいります。

樹脂事業は、自動車や建設機械等に必要な鋳物製品の製造に使われる素形材製品において、国内ではお客様の作業環境を改善する製品に加え、多様な鋳造工程に最適な製品を提案することでお客様へのお役立ちを、海外は国内で培った技術を進出地域に展開することで販路の拡大に取り組んでまいります。また、発泡材料製品においては、原液システムの不燃化や低熱伝導率化などの機能性に加え、現場発泡断熱材の施工のしやすさや施工品質の向上に取り組むことで、お客様へ安心・安全を提供し断熱材の付加価値を追求していきます。電子材料においては、最先端の半導体に必要な電子材料の低メタル化精製技術を追求し、半導体の高度化に貢献します。

水処理・資源開発事業は、水処理事業において処理難易度の高い産業排水分野へ挑戦し領域の拡大を目指します。また水処理施設の維持管理分野においては、遠隔監視システムなどを用いて安心できるサービスの提供に努めます。資源開発事業においては、脱炭素化を担う地熱発電分野における、蒸気井の工期短縮などの掘削技術を追求し再生可能エネルギーの普及に貢献いたします。

新事業の探索については、当社グループの保有技術が活きる領域で他社と協業し、社会課題の解決につながる新規事業創出に注力いたします。

研究開発については、顧客ニーズに基づいた製品開発に注力し、製品化のスピードアップを図り、また、当社の基幹事業の成長に必要な基盤技術や生産技術の継続的な向上を図ります。

財務戦略においては、中期経営計画「GNT2025」の期間内において、220億円の水準で設備投資・投融資案件を厳選したうえで、意思決定を行う計画としています。株主還元においては、適切な内部留保を保ったうえで、安定配当を基本としながら継続的な収益拡大による増配を目指すこととしています。それらの資金の源泉として、営業キャッシュ・フローを中心として不足分はD/Eレシオ0.3を目安に借入による調達を実施してまいります。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは2021年より始まる5ヵ年の中期経営計画「GNT2025」をスタートいたしました。「GNT2025」では前中期経営計画「ARS2020」での取り組み効果を最大化させるとともに、ポストコロナ下での成長に向けた仕掛けや追加投資の期間と位置付けています。2025年度に当社グループがありたい姿を示す指標として、連結売上高、連結営業利益、各事業の売上高および営業利益、ROE、およびROICを設定しております。

なお、目標値については、2021年度に到達しているものもあることから、2022年度中に見直しを行う予定です。

 

 

2021年度

(実績)

GNT2025

(2025年度目標)

連結売上高

647

億円

730

億円

 

管材システム

377

億円

400

億円

樹脂

186

億円

235

億円

水処理・資源開発

84

億円

95

億円

連結営業利益

66

億円

60

億円

 

管材システム

49

億円

35

億円

樹脂

8

億円

18

億円

水処理・資源開発

7

億円

7

億円

ROE

9.7

%

8

%

ROIC

8.7

%

6

%

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(リスク管理方針、および体制)

当社グループでは、「内部統制システム構築の基本方針」に基づき、社内規程として、「リスク管理規程」を設け、事業活動にかかわるリスクを「経営戦略リスク」と「業務リスク」の2つに分類し、それぞれ管理方法を定めリスク管理を行っています。

「経営戦略リスク」については、M&Aや新規事業等の利益または損失の両面を生じさせるリスクが該当しますが、最適なコーポレート・ガバナンス体制の構築および当社の取締役会・経営会議等の主要会議での充分な審議、ならびに当社の決裁権限規程・グループ会社運営規程等の諸規則に基づく適正な経営判断により、適切に管理しています。また、これら一連の意思決定の仕組みと運用状況の有効性を評価・検証の上、継続的改善を図っています。

「業務リスク」については、業務遂行を阻害し、損失や不利益のみを生じさせるリスクが該当しますが、より適切な業務リスクの管理を実行するために、本部・事業部担当執行役員を「リスク管理責任者」として定め、当社取締役会の直属機関として、社長執行役員を委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、リスクの洗い出しや評価をもとに、重要リスクを決定しています。リスク管理委員会では、リスクの顕在化を未然に防止するための予防策や、顕在化した場合の対処方法等を報告・検討し、対策状況のモニタリングを定期的に実施しています。

 


 

(リスクとその対策について)

当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があると考えられる業務リスクについては、重要項目ごとに以下のようなものがあります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点で予見できない事項または重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性がありますが、リスク管理委員会で定期的に業務リスクを見直すことで、リスクの発生回避、およびリスクが顕在化した際の影響の極小化に最大限努めています。

 

(1)政治情勢の変化

当社グループは、国内外に生産・営業拠点を有し、製品の製造・販売を行っています。投資した市場における予期しない法令改正・規制強化や、戦争・紛争等の政治的又は社会的混乱が顕在化することによって、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの生産活動および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当リスクに対しては、現地のコンサルタントや領事館の情報を適宜取得しており、リスクが顕在化した際の被害を最小限に食い止める措置を講じています。

 

(2)重大事故の発生

当社グループは、国内においては、宮崎、愛知、栃木、広島に、海外においては、アメリカ、中国、インド、メキシコに生産工場を有し、製造・加工を行っております。設備の故障、メンテナンス不良等に起因して火災・爆発・漏洩等の事故が発生することで、従業員の労働災害はもちろんのこと、取引先への供給不能、地域被災者への賠償等、当社グループの信頼性や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

各工場では、製造設備の定期的な点検及び設備保守、安全活動の推進、災害・事故を想定した定期的な訓練の実施、および損害保険加入等の対策を講じています。

 

(3)人財流出

人財の流出は、技能やノウハウの継承に支障をきたし、特に若手中堅社員が退職することで会社の成長力が低下するリスクが想定されます。

当社グループでは、先輩社員が新入社員の育成を支援するエルダー制度の導入、研修制度や自己啓発支援講座の充実、働きやすい労働環境の整備、および外部機関による相談窓口を設置することにより人財の確保、定着に取り組んでいます。

 

(4)ハラスメント

ハラスメントに起因したマスコミや労働局への告発・相談による信用失墜や株価下落のリスクが想定されます。

当社グループでは、安全で働きやすい職場環境づくりの規範に則り、ハラスメント予防に関する社員教育の徹底、内部通報窓口の設置等により、ハラスメントリスクの低減に取り組んでいます。

 

(5)資金調達

当社グループの経営資金の源泉は、主に営業活動によるキャッシュフローから得ております。当社は、十分な手元資金を有しており、また銀行からの借入枠もあり、資金調達のリスクは極小化されております。一方グループ会社では、急激な経済悪化などにより重要な取引先が倒産した際に、営業活動によるキャッシュフローが減少し、資金繰りが困難になるリスクが想定されます。

当社グループでは、緊急事態に備えて、各会社で手元資金を保有しており、それでも資金が不足する場合には、当社がグループ会社にファイナンスを実行し、または各グループ会社が銀行の借入枠を設定し、これを活用することで、資金繰りに関するリスクを回避するなど、資金面での安定化に取り組んでいます。

 

(6)情報セキュリティ関連

サイバー攻撃や不正アクセス等の不測の事態により、万一、当社のシステムが正常に利用できない場合や個人情報が外部へ漏洩した場合、当社グループの営業活動や業務処理の遅延、信用の失墜およびそれに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、情報のセキュリティレベルの維持向上を図ることを目的として、外部によるサイバーリスク評価の実施、および「情報管理基本規程」に沿った定期的な社員教育や啓蒙を行うなど、情報システムの適切なセキュリティ対策を講じています。

 

 

(7)知的財産の侵害

当社製品の模倣品に対して有効な特許が登録出来ず、当社保有の知的財産権が認められないことにより巨額の損失に繋がる可能性があります。また一方で、当社製品が他社の知的財産権を侵害し、過去に遡って巨額のライセンス料や損害賠償の支払いが発生する可能性や、販売差し止めに繋がるリスクがあり、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社では、従業員向けに知的財産権に関する定期的な教育・研修を実施するとともに、当社従業員による知財侵害者発見奨励制度を導入し、知的財産権保護に努めています。また、他社の知的財産権の侵害を未然に防止するために、先行する知的財産権の調査を徹底するとともに、外部の特許事務所を活用するなどの対策を講じています。

 

(8)債権回収・与信管理

当社グループは、お客様に製品・サービスを提供しており、その多くが掛売り又は手形取引となっています。重要なお客さまが破綻し、その債権が回収できない場合には、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、定期的な信用調査や信用に応じた取引限度額の設定等を行い、債権回収リスクの回避に努めています。

 

(9)製造物責任・リコール・品質不良等

当社は、ISO9001に基づいた厳格な品質基準のもと、製品の品質確保に細心の注意を払っています。しかしながら製品に欠陥が生じた場合、欠陥に起因する直接的・間接的損害に対して、当社は賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用の支出が生じる可能性があります。また当該問題に関する報道により、当社のブランドイメージの低下、顧客の流出等を招き、当社の事業、経営成績および財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

当社は、不適合品を出さないよう製造品質手法の構築と定期的な見直しを実施するとともに、クレーム発生時の徹底した原因追求と再発防止対策の立案・実施等の措置を講じています。

 

(10)法令違反および規制強化への対応

当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、各地域の法令、規制の適用を受けています。当社グループは、事業活動に関連する法令、規制の遵守の徹底はもとより、より高い基準のグループ行動規範を制定し、社員教育および定期的な内部監査によりコンプライアンス体制の強化を図っています。なお、法律の改正が行われた場合には、当社グループの事業活動が制限され、経営成績および財務状態に悪影響を及ぼす可能性があるため、国内においては、当社に関連する法令の変更を通知するサービスの活用を、海外においてはコンサルタントからの情報提供等により、法律改正にいち早く対応できる体制を整え、リスクの低減に努めています。

 

(11)原材料価格の高騰・供給不足への対応

当社の製品は、塩ビ樹脂やフェノール樹脂等を用いており、石油系原料の占める比率が高く、これら素材が高騰し、製品価格への反映が遅れる場合や、原材料の需給バランスが崩れ、供給不足になった場合、当社の生産活動および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクを回避すべく、日頃より原材料購入先の情報を幅広く収集し、特定の企業に偏ることなく調達を進めることで最適な価格で必要数量の原材料購入を行っています。なお、原材料が高騰した場合においては、適時適切に製品価格へ反映してまいります。

需給バランスが崩れ供給不足が発生した場合に備えて、日頃より複数社から調達することでそのリスクを回避できるようにしております。

 

(12)新型コロナウイルスへの対応

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行に関して、当社グループは、主要事業所における新型コロナウイルスワクチンの職域接種を実施しました。また本社や営業所においては、在宅勤務を推奨し、工場や倉庫においては、部外者の立ち入りを原則禁止するとともに、マスク着用、手洗いうがいの励行をはじめとした感染症予防策を講じ、出張者の受入制限や従業員の日常検温を実施するなど、従業員の安全確保と事業継続に向けた対策に取り組んでおります。引き続き、従業員の感染予防策の徹底に努め、お客様への供給責任を果たしてまいります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1) 財政状態及び経営成績の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績
(売上高と営業利益)

当連結会計年度の当社グループをとりまく経営環境は、未だ新型コロナウイルス感染症の収束を見通せない中にありますが、当社グループの事業範囲においては、感染拡大防止対策を取りながらも通常の事業活動を行える状況にまで戻ってまいりました。

当連結会計年度の国内の設備投資は、半導体関連産業が引き続き堅調に推移したことに加えて、その他の産業においても一部回復基調がみられました。海外においても、半導体関連産業を中心に設備投資が伸長しました。半導体デバイス用途においても、引き続き旺盛な需要が続き、電子材料の需要が伸長しました。国内自動車生産台数は、半導体不足に加えて新型コロナウイルス感染症による東南アジアからの部品供給停滞の影響を受けて、前年を下回りました。一方、国内の建設機械の生産台数は、前年に比べ増加しました。また、国内の建築着工についても前年に比べて増加しました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高は64,732百万円(前年同期比+20.9%)、営業利益は6,575百万円(前年同期比+93.1%)となりました。

(営業外損益と経常利益)

為替差益などを計上したこと等により当連結会計年度の営業外損益の純額は437百万円の利益で、前連結会計年度比+193百万円(前年同期比+79.0%)となりました。

この結果、経常利益は7,012百万円(前年同期比+92.2%)となりました。

(特別損益)

固定資産除却損を計上したこと等により、当連結会計年度の特別損益の純額は240百万円の損失で、前連結会計年度比△357百万円(前連結会計年度の特別損益の純額は117百万円の利益)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

経常利益の7,012百万円に特別損益の240百万円を減算し、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は6,772百万円となりました。これから法人税、住民税及び事業税2,217百万円を減算および法人税等調整額259百万円を加算し、非支配株主に帰属する当期純利益41百万円を減算した親会社株主に帰属する当期純利益は4,773百万円(前年同期比+71.2%)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(管材システム事業)

管材システム事業は、主力製品の樹脂バルブを軸に樹脂管材市場を拡大することを基本戦略としています。また、耐食問題の解決と樹脂管材の機能性を追求した製品開発によりお客様のお役立ちに注力した営業活動を推進しています。

国内の設備投資では、建設資材価格が高騰していることから設備投資に対する慎重姿勢が継続しているものの、コロナ禍からの回復基調が一般設備関連で見られ始めました。樹脂バルブ等の基幹製品については、継続する半導体関連の大型工事案件に支えられて、販売が堅調に推移しました。また樹脂管材等を用いた請負工事も堅調に推移したことから、売上は前年を上回りました。

海外では、米国において半導体関連産業をはじめとした設備投資需要が継続しており、売上は前年を上回りました。また、中国と韓国においても半導体や液晶関連への設備投資による需要増を受けて、売上は前年を大きく上回りました。

半導体製造装置向けのダイマトリックス製品は、日本をはじめ、韓国、台湾、中国向けの販売が伸長したことから、売上は前年を大きく上回りました。

利益面においては、人件費の増加や原材料価格高騰の影響はあったものの、国内外での売上高が増加したことに加え、円安の影響もあり前年を大きく上回りました。

この結果、売上高は37,725百万円(前年同期比+22.4%)、営業利益は4,897百万円(前年同期比+129.3%)となりました。

 

(樹脂事業)

素形材用途向けの製品は、国内においてお客様の製造品質や作業環境の改善につながる提案と新規のお取引先様への営業活動を行い、海外においてはお客様の品質要求に合わせた提案活動を継続して推進した結果、売上は前年を上回りました。

発泡材料製品は、現場発泡断熱材において、回復基調にあるビル・マンション等の建築需要の取込みに注力したことや、トンネル掘削用の土木材料において、採用を頂いている工事案件が計画通りに推移した結果、売上は前年を上回りました。

電子材料用途を主力製品とする高機能樹脂は、半導体の微細化に対応している国内大手レジストメーカー向けの低メタル製品に加え、レガシー半導体向けの製品の需要も引き続き堅調に推移しました。中国では、LED、印刷版、およびFPD用途で販売が増加し、売上は前年を大きく上回りました。

利益面においては、高機能樹脂は増益となったものの、素形材製品や発泡材料製品が原材料価格高騰の影響を受けて前年を下回りました。

この結果、売上高は18,608百万円(前年同期比+17.1%)、営業利益は819百万円(前年同期比△11.9%)となりました。

 

(水処理・資源開発事業)

水処理事業は、お客様のニーズに基づいた水資源を有効に活用できる水処理・水再生システムの設計・施工を行っています。国内の民間および公共工事は、受注した案件が見込み通りに進捗したことに加えて、民間の大型工事案件が完工したことから、売上は前年を大きく上回りました。中国においては、大型の排水処理案件の受注、完工により売上は前年を上回りました。

資源開発事業は、再生可能エネルギーである地熱発電の蒸気井などの掘削工事や温泉開発工事を行い資源の有効活用に貢献しています。地熱発電の掘削工事は、深度の深い蒸気井掘削工事案件が完工したこと、また温泉設備工事も堅調に進捗にしたことから、売上は前年を大きく上回りました。

メンテナンス事業及び薬剤事業は、施設や設備の安定稼働のためのサービスや水処理薬剤を提供することでお客様へのお役立ちに注力しています。メンテナンス事業は、水処理施設の水処理水量の増加により維持管理に伴う売上は回復したものの、修繕工事案件が減少し売上は前年を下回りました。薬剤事業の売上は、前年並みに推移しました。

利益面においては、水処理事業や資源開発事業での売上の増加に加え、固定費の減少により前年に比べ大きく上回りました。

この結果、売上高は8,398百万円(前年同期比+22.8%)、営業利益は724百万円(前年同期比+253.5%)となりました。

 

② 財政状態

当連結会計年度末における総資産は、74,925百万円(前年同期比+10.6%)となりました。

流動資産は、主として現金及び預金や受取手形、売掛金及び契約資産が増加したことなどから、47,830百万円(前年同期比+18.0%)となりました。

固定資産は、主として機械装置及び運搬具や退職給付に係る資産が減少したことなどから、27,095百万円(前年同期比△0.4%)となりました。

流動負債は、主として未払法人税等や支払手形及び買掛金が増加したことなどから、18,365百万円(前年同期比+15.2%)となりました。

固定負債は、主として退職給付に係る負債が増加したことなどから、4,693百万円(前年同期比+0.1%)となりました。

純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどから51,867百万円(前年同期比+10.1%)となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況・資本の財源及び資金の流動性

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,913百万円増加し、14,311百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は、売上債権の増加1,388百万円、棚卸資産の増加1,240百万円などの資金減よりも、税金等調整前当期純利益6,772百万円などの資金増が上回ったため、7,175百万円(前年同期は3,420百万円の資金獲得)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、有形固定資産の取得による支出1,500百万円などの資金減により、1,655百万円(前年同期は2,069百万円の資金使用)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、配当金の支払額962百万円、短期借入金の減少967百万円などの資金減により、2,064百万円(前年同期は1,146百万円の資金使用)となりました。

 

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費のほか、製品の仕入れ、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。

当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,836百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、14,311百万円となっております。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

管材システム事業

19,887

+23.9

樹脂事業

11,551

+14.1

合計

31,438

+20.1

 

(注)  金額は販売価格によっております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における管材システム事業、樹脂事業及び水処理・資源開発事業の受注実績は、次のとおりであります。

なお、管材システム事業の一部、樹脂事業の一部及び水処理・資源開発事業を除くその他の事業については、見込み生産を行っております。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

管材システム事業(一部)

3,479

+125.3

2,472

+768.8

樹脂事業(一部)

2,153

△11.1

1,645

+7.0

水処理・資源開発事業

7,361

+20.9

1,914

+17.2

合計

12,992

+29.2

6,031

+74.5

 

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

管材システム事業

37,725

+22.4

樹脂事業

18,608

+17.1

水処理・資源開発事業

8,398

+22.8

合計

64,732

+20.9

 

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

⑦ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」、達成状況は、「① 経営成績」に記載のとおりであります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動は、各事業部門の顧客ニーズを的確に把握し、基盤事業の強化・拡大を図るとともに、各事業の周辺分野の探索を行い、新規事業確立に向けた研究開発を推進してまいりました。

当連結会計年度における当社グループの研究開発スタッフは109名であり、当連結会計年度の研究開発費の総額は1,117百万円であります。

当連結会計年度における各セグメント別の主要研究開発の概要と成果は、次のとおりであります。

 

(1) 管材システム事業

当セグメントにおきましては、「耐食No.1」「使い勝手No.1」を目指した商品ラインナップ拡充を中心に大型バタフライバルブ、ピンチバルブ、樹脂製エア式および電動式アクチュエーターの開発を推進し市場投入を果たしました。また、半導体製造装置向けの精密バルブにおいては、半導体の先端製造プロセスに対応するため、バルブからの発塵抑制に関する独自の設計手法・製造技術を更に追及し、商品ラインナップを強化し、販売に貢献しました。

以上の結果、当セグメントに係る研究開発費は709百万円となりました。

 

(2) 樹脂事業

当セグメントにおきましては、近年、高まる環境対応要求に対して研究開発を推進し、樹脂製品のラインナップ拡充を図り、販売拡大に貢献しました。素形材分野においては、環境対応型RCSであるヘキサパスの更なる臭気低減、耐焼き付き性を改善した新規RCSの開発、環境対応型コールドボックス用樹脂の開発を継続的に推進しました。発泡材料分野においては、現場発泡断熱材製品ER-X/Pの改良を重ね、また独自の施工機と組み合わせた材工一体による高機能化を市場に提案することで販売に繋げました。また、不燃ウレタンの開発、土木分野ではトンネル掘削現場でのより厳しい排水基準を満たす製品の開発を推進しました。電子材料分野においては、最先端の半導体に必要な樹脂や材料の金属含有量を極限にまで低減する処方や技術を開発しました。

以上の結果、当セグメントに係る研究開発費は331百万円となりました。

 

(3) 水処理・資源開発事業

当セグメントにおきましては、環境負荷の低減、お客様のコスト削減、省力化に貢献するため、排水設備の遠隔監視システム機能の向上、再生塩素システムの開発、産業廃棄物削減薬剤の改良・開発を推進しました。

以上の結果、当セグメントに係る研究開発費は78百万円となりました。