文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは企業理念の中で存在価値を「信頼の品質と真摯な対応による安心の提供」と定め、その実現のために「ものづくりのプロセスを、お役立ちで支える」という使命に基づいた事業活動を行っています。また、現状にとどまらず変化を先取りし成長を続けるためには、目指す姿として「「はじめて」に挑み「違い」をつくる」と定めました。この企業理念に基づく事業活動を行うことで、ニッチトップを磨き続ける企業文化をつくり、2030年に向けてグレートニッチトップ企業へと飛躍することを目指しています。また当社グループは、世界の人々(社会・地域)に対しSDGsの視点での取り組みを推進しているお客様に対して、お役立ちの精神で支えることにより、持続的な企業価値の向上を目指す一方で、事業活動及びサステナビリティ推進活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを目指してまいります。
当社グループは、これらのことを具体化すべく、2025年度を最終年度とする中期経営計画GNT2025(Great Niche Top 2025)を策定し、以下の4つの経営方針のもと事業活動を行っています。
① 海外(管材システム事業・樹脂事業)、半導体関連製品を中心に成長を追求する
② 「違い」をつくり付加価値を高め、利益率を向上させる
③ SDGs視点で事業展開を行い、経済価値と社会価値の両立を図る
④ 新たな社会課題の解決に貢献する新事業を創出する
当社グループは、プラスチックバルブなどの配管材料、フェノール樹脂を用いた素形材製品、発泡材料を用いた断熱材製品や土木材料、半導体製造に必要な電子材料や小型精密バルブ、各種水処理設備の設計・施工とメンテナンス、および温泉井や地熱蒸気井の掘削などの事業において技術開発と品質及びサービスの向上に努めます。
なお、国内外の半導体製造装置市場や半導体関連の工場建設需要、半導体デバイス用途などにおいて、事業環境がGNT2025策定時の想定より大きく変化し、旺盛な半導体関連需要を取り込んだ結果、2025年度の数値目標を2022年度に達成したことから、今後の事業環境や市場機会を見直しGNT2025の修正を行っております。
当社グループは、GNT2025において、事業ポートフォリオ戦略として、事業を3つの基本方針「強化拡大」、「深化・安定成長」、「再構築」に分類し、その基本方針に沿って各事業部が継続的な成長と収益力の向上を目指して課題解決に向けた施策を着実に実行してまいります。
管材システム事業は、樹脂バルブの耐食性がつくりだすロングライフを広く知ってもらうことにより金属代替市場の創造に取り組んでいます。海外市場に関しては、継続成長が期待される米中の電子産業分野(半導体・液晶等)での深耕と拡販を行い、更にミドルレンジ製品による新興国での市場開拓と戦略商品(大口径バタフライバルブ、自動バルブ等)の投入により事業拡大を図ります。また、需要拡大に対応するため延岡製造所の製造能力の増強を推進してまいります。今後も継続した成長が見込める半導体関連市場に対しては、Dymatrix製品の低パーティクル化技術を更に追求し商品ラインアップ拡充による事業拡大を推進していきます。Dymatrix製品の旺盛なグローバル需要に応えるために新工場建設の検討も進めてまいります。国内市場においてはお役立ちの強化として、樹脂配管施工における工期短縮や人手不足の課題に対し、これまでに培った施工技術を活用した樹脂配管のプレハブ化及びプレハブ品の生産能力を増強します。併せて、最適な耐食ソリューションを提案できる人財の育成にも取り組みます。これらを生産面で支える延岡製造所においてはデジタル化推進に注力し、まずは製造現場データの見える化による生産性向上によりボトルネックの解消を図ります。そして、一気通貫生産による納期遵守率の向上を実現するデマンド・サプライチェーンを進化させ収益の向上を図ります。
樹脂事業は、自動車や建設機械等に必要な鋳物製品の製造に使われる素形材製品において、国内では高機能製品によるお客様の生産性や品質の向上、作業環境の改善等のお役立ちで収益性向上に貢献いたします。また自動車のEV化に伴う新たな事業機会を追求します。薄肉軽量化や複雑化していく傾向にある鋳物部品に対応し、CO2削減にも寄与する次世代の戦略商品を開発することにより、多様な鋳造工程に最適な製品を提案しお客様へのお役立ちに貢献します。海外では日本で培った技術の海外移転を加速させてレジンコーテッドサンド(RCS)のグローバルNo.1を目指します。また、現場発泡断熱材においては、原料となる原液システムの高断熱技術等による高機能化や施工機械の開発に加え、現場施工のしやすさや施工品質の向上を実現する材工一体プラットフォームを構築します。電子材料においては、当社の強みである低メタル技術・合成技術・精製技術を活かして電子材料の領域拡大を目指します。また将来の半導体市場の需要増に応えるべく、建設中の電子材料第二工場(愛知)および増設した南通工場(中国)のフル生産を早期に実現し、更に国内の第三工場と中国第二工場の検討も開始します。
水処理・資源開発事業は、水処理事業において多種多様な排水処理技術と工事力を磨き、最適なソリューション提供で収益力を向上します。また、省エネ、創エネに繋がる排水処理技術の探求により、バイオガス発電分野など新領域の事業拡大を目指します。更に水処理施設の維持管理分野においては、遠隔監視システムや再生塩素システム等の効率的な維持管理サービスを新たに提供いたします。資源開発事業では掘削の新工法導入で、工期短縮・コスト削減・安全対策の強化実現を目指します。また地熱発電分野における蒸気井案件も積極的に取込み再生可能エネルギーの普及に貢献いたします。
新事業の探索については事業探索で見出した社会課題(環境汚染・タンパク質クライシス)に貢献する「循環式閉鎖型陸上養殖」の技術確立に取り組むとともにビジネスモデルの検討も行います。
投資戦略については成長を加速化させるべくGNT2025の修正を行い、200億円増となる420億円の投資を中計期間(5年間累計)で見込んでおります。財務戦略は、設備投資・投融資の資金の源泉を資産の効率化を含む営業キャッシュ・フローとし、不足分はD/Eレシオ0.3を目安に借入による調達を実施してまいります。また株主還元については、業績動向・財務体質・将来のための投資に必要な内部留保等を総合的に勘案しつつ安定配当を確保し、継続的な収益拡大の達成による増配を目指します。
当社はGNT2025のもとGreat Niche Top(グレートニッチトップ)企業を目指して、4つの経営方針を掲げ、様々な施策を推進し、旺盛な海外需要や好調な半導体市場の需要を取り込んだ結果、従来目標であった2025年度の数値目標を2022年度に達成しました。そこで今後の事業環境や市場機会を整理し、中期経営計画の進捗状況を確認し、施策や投資計画の見直しを行い数値目標等の修正を行いました。
最終年度(2025年度)における連結数値目標
※ 新たな数値目標としてEBITDAの項目を設けました。
当社は、サステナビリティを巡る課題に積極的・能動的に取り組むことを重要な経営課題と認識しており、これに対応するため、下図のように取締役会の直下に社長執行役員を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置しております。また、サステナビリティに関する考え方として、「旭有機材グループ サステナビリティ基本方針」を次のとおり定めております。

上記方針に基づいたサステナビリティ活動を推進するうえで特に重要なテーマを以下のとおり定め、テーマごとに分科会等を設置し、グループ一体となって活動しております。
・人的資本経営の推進
・人権の尊重
・気候変動など地球環境に配慮した事業活動の推進
・知財、無形資産に対する投資および活用促進
・取引先(お客様)との公正・適正な取引(品質マネジメントシステムの継続的な改善)
・取引先(購買先)との公正・適正な取引(持続可能なサプライチェーンの構築)
・事業を通じて社会課題の解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献する(SDGsへの取り組み)
・企業活動を行う地域社会へ貢献する
当社は、サステナビリティを巡る様々な課題に積極的・能動的に取り組むことを重要な経営課題と認識しており、これに対応するため、「サステナビリティ推進委員会運営規程」を制定し、取締役会の直下に社長執行役員を委員長とするサステナビリティ推進委員会を設置しております。サステナビリティ推進委員会は、半期に1回以上開催することとなっており、当社の社長執行役員の他、事業部・本部を所管する執行役員および常勤監査委員が参加し、活動状況のモニタリングをしております。
また、取締役会はサステナビリティ推進委員会から年に1回以上報告を受け、監視・監督を行っていきます。
人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関する方針、戦略
当社は、次のような「人事方針」を定め、人材の多様性の確保、人材の育成及び社内環境整備に努めております。
・リスクを選別・評価するプロセス
当社では、気候関連リスクを含む、当社グループの事業活動にかかわるリスクを未然に認知・評価し、これを可能な限り排除・軽減して、経営の一層の安定を図るため「リスク管理規程」を定め、取締役会の直下にリスク管理委員会を設置しております。気候関連リスクに関しては、サステナビリティ推進委員会の分科会にて当社グループの事業(管材システム事業、樹脂事業、水処理・資源開発事業)への影響を考慮し、新規リスクの抽出・評価を行った後にサステナビリティ推進委員会にて、管理すべき「重要リスク」を特定することとしています。
・全社のリスク管理への統合プロセス
サステナビリティ推進委員会で「重要リスク」と特定されたリスクについては、そのリスクの軽減のためにリスク管理委員会にて対応方針を検討・決定します。取締役会はリスク管理委員会の活動状況について少なくとも年に一回以上報告を受けて、必要に応じて指示を行い、リスク管理委員会を通して各本部・事業部に展開し、その対応状況をモニタリングします。
・リスクを管理するプロセス
全社リスクを管理するリスク管理委員会は定期的に開催され、各本部・事業部を管理するリスク管理責任者からの報告を評価し、全社リスクの把握と対応方針を審議し、取締役会に報告しております。また、リスク管理員会はサステナビリティ推進委員会が特定、評価した気候変動リスクのうち、時間軸が短期かつ緊急性を要するリスクに関して対応策の実施、モニタリングを行います。
人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた指標及び目標
①管理職に占める女性割合
当社の2022年3月期末時における女性管理職比率は1.4%となっております。
当該指標については、2031年3月期末時点で、10%とすることを目標としております。
②男性育休取得率
当社の2022年度(2022年4月~2023年3月)における男性育休取得率は58.3%となっております。
当該指標については、2025年度(2025年4月~2026年3月)に、80%とすることを目標としております。
③有給休暇取得率
当社の2022年(2022年1月~2022年12月)における有給休暇取得率は67.2%となっております。
当該指標については、2025年(2025年1月~2025年12月)に、70%とすることを目標としております
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、「内部統制システム構築の基本方針」に基づき、社内規程として、「リスク管理規程」を設け、事業活動にかかわるリスクを「経営戦略リスク」と「業務リスク」の2つに分類し、それぞれ管理方法を定めリスク管理を行っています。
「経営戦略リスク」については、M&Aや新規事業等の利益または損失の両面を生じさせるリスクが該当しますが、最適なコーポレート・ガバナンス体制の構築および当社の取締役会・経営会議等の主要会議での充分な審議、ならびに当社の決裁権限規程・グループ会社運営規程等の諸規則に基づく適正な経営判断により、適切に管理しています。また、これら一連の意思決定の仕組みと運用状況の有効性を評価・検証の上、継続的改善を図っています。
「業務リスク」については、業務遂行を阻害し、損失や不利益のみを生じさせるリスクが該当しますが、より適切な業務リスクの管理を実行するために、本部・事業部担当執行役員を「リスク管理責任者」として定め、当社取締役会の直属機関として、社長執行役員を委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、リスクの洗い出しや評価をもとに、重要リスクを決定しています。リスク管理委員会では、リスクの顕在化を未然に防止するための予防策や、顕在化した場合の対処方法等を報告・検討し、対策状況のモニタリングを定期的に実施しています。

当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があると考えられる業務リスクについては、重要項目ごとに以下のようなものがあります。ただし、すべてのリスクを網羅したものではなく、現時点で予見できない事項または重要とみなされていないリスクの影響を将来的に受ける可能性がありますが、リスク管理委員会で定期的に業務リスクを見直すことで、リスクの発生回避、およびリスクが顕在化した際の影響の極小化に最大限努めています。
当社グループは、国内外に生産・営業拠点を有し、製品の製造・販売を行っています。投資した市場における予期しない法令改正・規制強化や、戦争・紛争等の政治的又は社会的混乱が顕在化することによって、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの生産活動および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当リスクに対しては、現地のコンサルタントや領事館の情報を適宜取得しており、リスクが顕在化した際の被害を最小限に食い止める措置を講じています。
当社グループは、国内においては、宮崎、愛知、栃木、広島に、海外においては、アメリカ、中国、インド、メキシコに生産工場を有し、製造・加工を行っております。設備の故障、メンテナンス不良等に起因して火災・爆発・漏洩等の事故が発生することで、従業員の労働災害はもちろんのこと、取引先への供給不能、地域被災者への賠償等、当社グループの信頼性や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
各工場では、製造設備の定期的な点検及び設備保守、安全活動の推進、災害・事故を想定した定期的な訓練の実施、および損害保険加入等の対策を講じています。
人材の流出は、技能やノウハウの継承に支障をきたし、特に若手中堅社員が退職することで会社の成長力が低下するリスクが想定されます。
当社グループでは、先輩社員が新入社員の育成を支援するエルダー制度の導入、研修制度や自己啓発支援講座の充実、働きやすい労働環境の整備、および外部機関による相談窓口を設置することにより人材の確保、定着に取り組んでいます。
ハラスメントに起因したマスコミや労働局への告発・相談による信用失墜や株価下落のリスクが想定されます。
当社グループでは、安全で働きやすい職場環境づくりの規範に則り、ハラスメント予防に関する社員教育の徹底、内部通報窓口の設置等により、ハラスメントリスクの低減に取り組んでいます。
当社グループの経営資金の源泉は、主に営業活動によるキャッシュフローから得ております。当社は、十分な手元資金を有しており、また銀行からの借入枠もあり、資金調達のリスクは極小化されております。一方グループ会社では、急激な経済悪化などにより重要な取引先が倒産した際に、営業活動によるキャッシュフローが減少し、資金繰りが困難になるリスクが想定されます。
当社グループでは、緊急事態に備えて、各会社で手元資金を保有しており、それでも資金が不足する場合には、当社がグループ会社にファイナンスを実行し、または各グループ会社が銀行の借入枠を設定し、これを活用することで、資金繰りに関するリスクを回避するなど、資金面での安定化に取り組んでいます。
サイバー攻撃や不正アクセス等の不測の事態により、万一、当社のシステムが正常に利用できない場合や個人情報が外部へ漏洩した場合、当社グループの営業活動や業務処理の遅延、信用の失墜およびそれに伴う売上高の減少や損害賠償費用の発生等により、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、情報のセキュリティレベルの維持向上を図ることを目的として、外部によるサイバーリスク評価の実施、および「情報管理基本規程」に沿った定期的な社員教育や啓蒙を行うなど、情報システムの適切なセキュリティ対策を講じています。
当社製品の模倣品に対して有効な特許が登録出来ず、当社保有の知的財産権が認められないことにより巨額の損失に繋がる可能性があります。また一方で、当社製品が他社の知的財産権を侵害し、過去に遡って巨額のライセンス料や損害賠償の支払いが発生する可能性や、販売差し止めに繋がるリスクがあり、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社では、従業員向けに知的財産権に関する定期的な教育・研修を実施するとともに、当社従業員による知財侵害者発見奨励制度を導入し、知的財産権保護に努めています。また、他社の知的財産権の侵害を未然に防止するために、先行する知的財産権の調査を徹底するとともに、外部の特許事務所を活用するなどの対策を講じています。
当社グループは、お客様に製品・サービスを提供しており、その多くが掛売り又は手形取引となっています。重要なお客さまが破綻し、その債権が回収できない場合には、当社グループの経営成績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、定期的な信用調査や信用に応じた取引限度額の設定等を行い、債権回収リスクの回避に努めています。
当社は、ISO9001に基づいた厳格な品質基準のもと、製品の品質確保に細心の注意を払っています。しかしながら製品に欠陥が生じた場合、欠陥に起因する直接的・間接的損害に対して、当社は賠償責任保険で十分補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用の支出が生じる可能性があります。また当該問題に関する報道により、当社のブランドイメージの低下、顧客の流出等を招き、当社の事業、経営成績および財務状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社は、不適合品を出さないよう製造品質手法の構築と定期的な見直しを実施するとともに、クレーム発生時の徹底した原因追求と再発防止対策の立案・実施等の措置を講じています。
当社グループは、グローバルに事業活動を展開しており、各地域の法令、規制の適用を受けています。当社グループは、事業活動に関連する法令・規制の遵守の徹底はもとより、より高い基準のグループ行動規範を制定し、社員教育および定期的な内部監査によりコンプライアンス体制の強化を図っています。なお、法律の改正が行われた場合には、当社グループの事業活動が制限され、経営成績・財務状態に悪影響を及ぼす可能性があるため、国内においては、当社に関連する法令の変更を通知するサービスの活用を、海外においてはコンサルタントからの情報提供等により、法律改正にいち早く対応できる体制を整え、リスクの低減に努めています。
当社の製品は、塩ビ樹脂やフェノール樹脂等を用いており、石油系原料の占める比率が高く、これら素材が高騰し、製品価格への反映が遅れる場合や、原材料の需給バランスが崩れ、供給不足になった場合、当社の生産活動および経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクを回避すべく、日頃より原材料購入先の情報を幅広く収集し、特定の企業に偏ることなく調達を進めることで最適な価格で必要数量の原材料購入を行っています。なお、原材料が高騰した場合においては、適時適切に製品価格へ反映してまいります。
需給バランスが崩れ供給不足が発生した場合に備えて、日頃より複数社から調達することでそのリスクを回避できるようにしております。
当社グループが国内で事業展開するエリアは全国各地に及んでおり、巨大地震が発生した場合、当社グループの設備の損害や従業員の人的被害等により当社グループの一部または全部にわたり事業継続不能な状態に陥る可能性があります。
当社グループは、巨大地震を想定した事業継続計画(BCP)の見直しに着手しており、BCPの各プロセスを通じて、従業員とその家族の安全確保、および事業中断による影響を最小限に抑えることを最優先に取組んでおります。また、BCPの実効性を高めるため、定期的に従業員の安否確認や地震が起きた際の初動訓練を実施しております。
業績等の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要及び経営者の視点による分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の国内の設備投資は、前年度に引き続き半導体関連産業が好調で全体としては堅調に推移しました。一方海外においては、期後半から半導体製造装置市場において一部需要にかげりが出始めましたが、半導体関連の工場建設需要は引き続き伸長しました。半導体デバイス用途においても、需要は比較的堅調に推移しているものの下期後半から一部メモリ分野やFPD分野において減速が見られました。
国内自動車生産は前年度と比較して、半導体不足や新型コロナウィルス感染拡大に伴う海外からの部品供給調達難といった生産への影響が年間を通して段階的に改善され、前年度を上回る生産台数となりました。また、国内の建築着工についても前年度に比べ増加しました。
この結果、当連結会計年度の売上高、及び各利益は、主に半導体関連産業への販売が大きく増加したことにより、過去最高となりました。売上高は77,099百万円(前年同期比+19.1%)、営業利益は11,947百万円(前年同期比+81.7%)となりました。
受取配当金を計上したこと等により、当連結会計年度の営業外損益の純額は193百万円の利益で、前連結会計年度比△244百万円(前年同期比△55.9%)となりました。
この結果、経常利益は12,140百万円(前年同期比+73.1%)となりました。
固定資産除却損を計上したこと等により、当連結会計年度の特別損益の純額は147百万円の損失で、前連結会計年度比+93百万円(前連結会計年度の特別損益の純額は240百万円の損失)となりました。
経常利益の12,140百万円に特別損益の147百万円を減算し、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は11,993百万円となりました。これから法人税、住民税及び事業税3,668百万円を減算および法人税等調整額1,143百万円を加算し、非支配株主に帰属する当期純利益43百万円を減算した親会社株主に帰属する当期純利益は9,425百万円(前年同期比+97.5%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(管材システム事業)
管材システム事業は、主力製品の樹脂バルブを軸に樹脂管材市場を拡大することを基本戦略としています。また、耐食問題の解決と樹脂管材の機能性を追求した製品開発によりお客様のお役立ちに注力した営業活動を推進しています。
国内の設備投資においては前年度並みの水準で推移しましたが、引続き半導体関連の大型工事案件に支えられ樹脂バルブ等の基幹製品の販売は堅調に推移しました。樹脂配管材料等を用いたエンジニアリング事業についても堅調に推移しました。その結果、国内の売上は前年度を上回りました。
海外では、米国、中国において半導体をはじめとした電子関連産業の設備投資に伴う好調な需要が継続しました。また円安の影響もあり売上は前年度を上回りました。
半導体製造装置向けのダイマトリックス製品は、下期後半から韓国において需要の停滞が見え始めたものの、国内・海外ともに販売は伸長したことから、売上は前年度を大きく上回りました。
利益面においては、人件費の増加や原材料価格高騰の影響があったものの、国内外で売上が増加したことに加え、円安の影響もあり前年度を大きく上回りました。
この結果、当セグメントの売上高は48,532百万円(前年同期比+28.6%)、営業利益は10,669百万円(前年同期比+117.9%)となりました。
(樹脂事業)
自動車や建設機械等に必要な鋳物製造に用いる素形材製品は、お客様の作業環境の改善や、多様な鋳造工程に最適な製品を提案することでお客様へのお役立ちに取り組んでいます。素形材は、お客様の製造品質の向上や作業時に発生する臭気低減につながる提案と、新規のお客様への営業活動を積極的に行いました。更に原材料価格高騰に伴い製品の価格改定を実施し売上は前年度を上回りました。
発泡材料製品は、現場施工により最終製品となることから、施工のしやすさに加え、吹付施工後の品質向上に取り組むことで、お客様へ安心・安全を提供しています。現場発泡断熱材においては、当社の得意とするビル・マンション等の建築着工案件に対して、その需要を取り込むため製品の設計折込みに注力したことや、トンネル掘削用の土木材料では、施工現場に適した製品の提案型営業活動に取組んだことで、売上は前年度を上回りました。
電子材料用途を主力製品とする高機能樹脂は、最先端の半導体に必要な電子材料の低メタル化精製技術を追求し、半導体の高度化に貢献しています。半導体の微細化に対応している国内大手レジストメーカー向けの低メタル製品に加え、レガシー半導体向けの製品の需要が引き続き堅調に推移しました。FPD用途向けに加え、メモリ半導体用途の需要の減速が見られたものの、売上は前年度を上回りました。
利益面においては、高機能樹脂は前年度並みに推移し、発泡材料は前年度を上回りましたが、素形材に関しては製品の価格改定を実施するも原材料価格高騰分との乖離があり、樹脂事業全体では前年度を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は20,550百万円(前年同期比+10.4%)、営業利益は801百万円(前年同期比△2.3%)となりました。
(水処理・資源開発事業)
水処理事業は、お客様のニーズに基づいた水処理設備や、水資源を有効に活用できる水再生システムの設計・施工を行っています。半導体等の部材不足の影響で請負工事案件の一部において着工の遅れに加え、施工中の工事案件の進捗遅れが継続しました。また、前年度は大型の設備工事を行っていたこともあり売上は前年度を大きく下回りました。
資源開発事業は、再生可能エネルギーである地熱発電の蒸気井などの掘削工事や温泉開発工事を行い資源の有効活用に貢献しています。温泉設備工事及び地熱発電に伴う掘削工事が計画通りに進捗したことにより売上は前年度を上回りました。
メンテナンス事業及び環境薬剤事業は、施設や設備の安定稼働のためのサービスや水処理薬剤を提供することでお客様へのお役立ちに注力しています。メンテナンス事業は修繕工事案件が順調に進捗したこと、環境薬剤事業は製品出荷量が増加したことにより売上は前年度を上回りました。
利益面においては、売上の減少に加え固定費が増加したことにより前年度を下回りました。
この結果、当セグメントの売上高は8,017百万円(前年同期比△4.5%)、営業利益は472百万円(前年同期比△34.8%)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、86,256百万円(前年同期比+15.1%)となりました。
流動資産は、主として売掛金や棚卸資産が増加したことなどから、55,720百万円(前年同期比+16.5%)となりました。
固定資産は、主として建設仮勘定や繰延税金資産が増加したことなどから、30,536百万円(前年同期比+12.7%)となりました。
流動負債は、主として支払手形及び買掛金や電子記録債務が増加したことなどから、20,765百万円(前年同期比+13.1%)となりました。
固定負債は、主として繰延税金負債が減少したことなどから、4,312百万円(前年同期比△8.1%)となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことなどから61,179百万円(前年同期比+18.0%)となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ383百万円減少し、13,928百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、棚卸資産の増加4,954百万円、法人税等の支払額3,483百万円などの資金減よりも、税金等調整前当期純利益11,993百万円などの資金増が上回ったため、5,841百万円(前年同期は7,175百万円の資金獲得)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、有形固定資産の取得による支出4,411百万円などの資金減により、4,836百万円(前年同期は1,655百万円の資金使用)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、配当金の支払額1,254百万円、短期借入金の減少540百万円などの資金減により、1,871百万円(前年同期は2,064百万円の資金使用)となりました。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費のほか、製品の仕入れ、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は2,270百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、13,928百万円となっております。
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
b.受注実績
当連結会計年度における管材システム事業、樹脂事業及び水処理・資源開発事業の受注実績は、次のとおりであります。
なお、管材システム事業の一部、樹脂事業の一部及び水処理・資源開発事業を除くその他の事業については、見込み生産を行っております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」、達成状況は、「① 経営成績」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、各事業部門の顧客ニーズを的確に把握し、基盤事業の強化・拡大を図るとともに、各事業の周辺分野の探索を行い、新規事業確立に向けた研究開発を推進してまいりました。
当連結会計年度における当社グループの研究開発スタッフは111名であり、当連結会計年度の研究開発費の総額は
当連結会計年度における各セグメント別の主要研究開発の概要と成果は、次のとおりであります。
当セグメントにおきましては、「”流れる”を支える」のスローガンのもと商品ラインナップ拡充を中心に大口径バタフライバルブおよび樹脂製エア式アクチュエータのラインナップ拡大、フッ素樹脂バタフライバルブの長寿命化を推進してまいりました。
また、半導体製造装置向けの精密バルブにおいては、半導体の微細化に対応するため、バルブからの発塵抑制に関する独自の設計手法・製造技術を更に追求しております。
以上の結果、当セグメントに係る研究開発費は
当セグメントにおきましては、近年、高まる環境対応要求に対して研究開発を推進し、製品のラインナップ拡充を図りました。素形材分野においては、環境対応型レジンコーテッドサンドであるヘキサパスの更なる臭気低減、鋳造後の鋳型の離形性能を改善した新規レジンコーテッドサンドの開発、環境対応型コールドボックス用樹脂の開発を継続的に推進しました。
発泡材料分野においては、建築用途向けに現場発泡断熱材ゼロフロン「ER-X/P」の改良を重ね、また独自の施工機と組み合わせた材工一体による高機能化を市場に提案することで販売に繋げました。また、土木用途ではトンネル掘削現場における排水の環境負荷低減を目標に地山固結材AGSRの開発改良を推進しました。
電子材料分野においては、最先端の半導体に必要な樹脂や材料の金属含有量を極限まで低減する処方や技術を開発しました。
以上の結果、当セグメントに係る研究開発費は
当セグメントにおきましては、環境負荷の低減、お客様のコスト削減、省力化に貢献するため、再生塩素システムの改良、排水処理技術探求によるバイオガス発電など新領域に向けた開発、産業廃棄物削減薬剤の開発を推進しました。
以上の結果、当セグメントに係る研究開発費は