第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間における国内経済は緩やかな回復基調にあり、設備投資意欲は底堅い状況が続いています。一方、米国経済は底堅く推移しているものの、製造業においては設備投資の調整局面が継続しています。

このような環境の中、当社グループは中期経営計画GNT2025で掲げた海外及び半導体関連製品を中心に成長を追求するなどの経営方針に基づき、各種施策に取り組みました。しかしながら、当社グループを取り巻く経営環境は、国内においては、企業の設備投資に対する慎重な姿勢や、管材製品の流通在庫の調整が継続しました。米国においては、水処理や埋立等の分野では堅調に推移したものの、半導体関連は資材価格高騰及び人手不足等による工場建設の見直しや延期が大きく影響しました。これらの要因により減収となり、更に労務費や減価償却等の固定費が増加したことなどで減益となりました。

この結果、当中間連結会計期間の売上高は41,730百万円(前年同期比△4.8%)となり、営業利益は5,887百万円(前年同期比△29.0%)、経常利益は5,806百万円(前年同期比△32.2%)、親会社株主に帰属する中間純利益は、3,815百万円(前年同期比△30.3%)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

① 管材システム事業

管材システム事業は、樹脂バルブを主力製品として樹脂管材市場を拡大することを基本戦略としています。耐食問題の解決と樹脂管材の機能性を追求した製品開発により、お客様へのお役立ちに貢献する営業活動を推進しています。

樹脂バルブ等をはじめとする基幹製品は、国内では設備投資が前年度下期から全体的に落ち着いており、流通在庫の調整局面となっています。海外では、米国において半導体工場建設への投資が2025年度以降に延期や見直しが進むなど、需要が非常に高水準であった前年度に比し、谷間の時期となり、来期以降の本格回復に向けた踊り場状態となりました。これらの要因により前年同期比減収となりました。

樹脂配管材料等を用いたエンジニアリング事業は、半導体関連案件の進捗に伴い堅調に推移しましたが、前年度の大型案件の反動により前年同期比減収となりました。

半導体製造装置向けダイマトリックス製品は、韓国においては生成AI関連の需要拡大がみられるものの本格回復には至りませんでした。一方、中国においては需要に回復の兆しが見えており、国内では半導体製造装置市場の拡大を背景に堅調に推移したことで前年同期比増収となりました。

利益面では、売上高の減少に加え、労務費や修繕費等の固定費増加の影響により、減益となりました。

この結果、当セグメントの売上高は26,629百万円(前年同期比△10.5%)、営業利益は5,148百万円(前年同期比△32.6%)となりました。

 

② 樹脂事業

自動車や建設機械等に必要な鋳物製造に用いる素形材製品では、お客様の製造品質や生産性の向上、臭気低減による作業環境の改善等、国内外共に多様な鋳造工程に最適な製品を提案することでお客様へのお役立ちに取り組んでいます。原料価格高騰に対応するため価格改定を実施しつつ、高付加価値品への切り替え等の提案営業を推進しておりますが、自動車メーカーの型式認証問題による自動車減産の影響が継続しており、国内売上高は前年同期比減収となりました。一方で、海外の自動車生産台数は前年度を上回っており、品質改善要求の高まりなどを受け、お客様毎に提案営業を積極的に行った結果、海外売上高は前年同期比増収となりました。

発泡材料製品は、現場で施工することで最終製品となるため、施工品質向上に向けた取組みにより、お客様への安心・安全の提供に取り組んでいます。現場発泡断熱材においては住宅及び建築工事の遅延、トンネル掘削用の土木材料においては受注済物件の一部工期遅れ等により出荷量が減少し、前年同期比減収となりました。

電子材料製品は、低メタル化技術を追求し、半導体の高度化に貢献しています。国内は、センサー、パワー半導体などのレガシー半導体向けフォトレジスト材料の需要回復に加え、生成AI関連の後工程向け材料も需要が拡大しており、中国でも液晶・有機ELなどのFPD(フラットパネルディスプレイ)分野の需要が旺盛で、前年同期比増収となりました。

利益面においては、断熱材の吹き付け施工を行う子会社のランドウィック社にて、前年度は大型物件を受注していた影響により、前年同期比減益となりました。

この結果、当セグメントの売上高は11,051百万円(前年同期比+3.0%)、営業利益は496百万円(前年同期比△25.1%)となりました。

 

③ 水処理・資源開発事業

水処理事業では、水処理設備や水資源を有効に活用できる水再生システムの設計・施工を行っています。民間の大型工事案件が順調に進捗し、前年同期比増収となりました。

資源開発事業では、再生可能エネルギーである地熱発電の蒸気井などの掘削工事や温泉開発工事を通じて資源の有効活用に貢献しています。温泉開発工事及び地熱掘削工事は共に計画通りに進捗し、前年同期比増収となりました。

メンテナンス事業及び環境薬剤事業では、施設や設備の安定稼働を支えるサービスや水処理薬剤を提供しています。メンテナンス事業は、複数の修繕工事が順調に進捗し、前年同期比増収となりました。環境薬剤事業は、製品出荷量の減少により、前年同期比減収となりました。

利益面では、設備工事や修繕工事が順調に進捗したことにより前年同期比増益となりました。

この結果、当セグメントの売上高は4,050百万円(前年同期比+20.1%)、営業利益は181百万円(前年同期比+584.4%)となりました。

 

当中間連結会計期間末の資産は102,211百万円となり、前連結会計年度末に比べ840百万円増加しました。これは主に有形固定資産等の固定資産の増加によるものです。負債は24,963百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,734百万円減少しました。これは主に支払手形及び買掛金、電子記録債務等の流動負債の減少によるものです。純資産は77,248百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,575百万円増加しました。これは主に利益剰余金や為替換算調整勘定の増加によるものです。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,022百万円増加し、19,784百万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により獲得した資金は税金等調整前中間純利益や売上債権の減少等による資金増により、5,623百万円(前年同期は3,577百万円の資金獲得)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、有形及び無形固定資産の取得による支出等があったため、3,788百万円(前年同期は2,967百万円の資金使用)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、配当金の支払いによる資金減等により、1,560百万円(前年同期は25百万円の資金使用)となりました。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発活動の総額は779百万円であります。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。