当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢の改善ならびに外国人観光客の増加などによって、概ね緩やかな回復基調を続けてまいりましたが、中国をはじめとする新興国や資源価格下落による資源輸出国の経済減速の影響及び地政学リスクの高まりなどによって、先行きに対する不透明感が次第に広がってまいりました。
このような状況のもと、当社グループでは、新規顧客の開拓などに努めた結果、年後半においては前年同期比3.0%の増収を確保することができましたが、年前半における6.3%のマイナス分を補うまでには至らず、当連結会計年度の売上高は859億9千6百万円と前年同期比1.8%の減収となりました。
利益面では、新規材料事業部において新工場の本格稼働に時間と費用を要したために大幅な減益となったものの、合成樹脂事業において原材料価格低下の影響などにより3年前の利益水準近くにまで利益をやっと回復できたため、営業利益は23億5千4百万円(前年同期比12.0%増)、経常利益は23億2千6百万円(前年同期比18.5%増)となりました。当期純利益は、法人税法上の繰越欠損金を解消したのが前期途中であったことから、当期より期中を通して法人税の支払い負担が発生したことに伴い、11億9千1百万円(前年同期比32.3%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
〔合成樹脂事業〕
販売先における市場環境変化の影響を受けた電子材料保護フィルムや天候不順の影響が重なった農業向けフィルムなどの販売数量が減少したため、売上高は482億1千3百万円(前年同期比3.1%減)となりました。営業利益は、原材料価格低下の影響により、これまでの原材料上昇時に価格転嫁もれとなっていた分の一部を戻すことができたうえに、コスト削減などにも努めた結果、33億8千6百万円(前年同期比54.4%増)となりました。
〔新規材料事業〕
新工場稼働に伴う売上増が寄与し、売上高は245億4千4百万円(前年同期比0.5%増)となりましたが、営業利益は新工場の本格稼働に向けて時間と費用を要したうえに、生産数量拡大のための試作費用などがかさんだため、9千7百万円(前年同期比91.4%減)となりました。
〔建材事業〕
パーティクルボードの拡販に注力したため、売上高は79億2千5百万円(前年同期比3.7%増)となり、営業利益は2千7百万円(前年同期は営業損失8千7百万円)ながらやっと黒字化するに至りました。
〔その他〕
木材加工(プレカット)事業ならびに宅地造成及び建物建築事業の売上が減少したため、売上高は53億1千3百万円(前年同期比7.1%減)となりました。営業利益は個別貸倒引当金を5千4百万円積み増したため、4億7百万円(前年同期比10.7%減)となりました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億4千5百万円(9.6%)増加し、73億8千5百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は57億5千6百万円となりました。
これは、主として減価償却費42億7千1百万円、税金等調整前当期純利益19億4千9百万円による資金の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は21億3千9百万円となりました。
これは、主として合成樹脂事業、新規材料事業における製造装置及び建屋などの有形固定資産の取得による資金の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は30億4千2百万円となりました。
これは、主として借入金の減少18億6千4百万円、リース債務の減少7億2千4百万円、配当金の支払い4億4千5百万円による資金の減少によるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
合成樹脂事業 |
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合成樹脂製品 | 45,589 | △5.9 |
新規材料事業 |
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光学機能性フィルム等 | 23,853 | 0.7 |
建材事業 |
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加工合板・パーティクルボード等 | 7,063 | 3.9 |
合計 | 76,506 | △3.1 |
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
当社グループはその他のセグメントのうち、宅地造成及び建物建築事業において一部受注生産を行っており、その受注状況は次のとおりであります。
その他の製品については見込生産を主として行っているので特記すべき受注生産はありません。
セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
その他 | 473 | △28.7 | 308 | △0.5 |
(注) 上記金額には、消費税等を含んでおりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
合成樹脂事業 |
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合成樹脂製品 | 48,213 | △3.1 |
新規材料事業 |
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光学機能性フィルム等 | 24,544 | 0.5 |
建材事業 |
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加工合板・パーティクルボード等 | 7,925 | 3.7 |
その他 | 5,313 | △7.1 |
合計 | 85,996 | △1.8 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
住友化学株式会社 | 15,567 | 17.8 | 14,320 | 16.7 |
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
当社グループの対処すべき課題は、平成28年度から始まる第五次中期経営計画の目標を達成することであります。
今回の中期経営計画では、既存事業での不採算製品の整理を進める一方で、得意分野を伸ばしてまいります。また、事業組織等の再編を行い、成長している分野やユーザーの新たなニーズに対応することで事業規模を拡大させ、収益基盤の安定強化を図ってまいります。さらには、これまで自社で蓄積した技術を活用できる新規事業の探索にも注力してまいります。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼし、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクには以下のようなものがあります。
当社グループといたしましては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 合成樹脂事業の経営成績が、原料価格の変動等により影響を受ける可能性があることについて
当社の合成樹脂事業で製造するフィルムの主原料は石油化学製品であるため、原油価格や為替の変動が原料価格動向に影響を及ぼす傾向があります。
(2) 住友化学株式会社への依存度が高いことについて
当社の新規材料事業における光学機能性フィルム関連製品の過半は住友化学株式会社へ販売しておりますが、将来にわたり当社製品が同社に採用される保証はありません。
(3) 建材事業の経営成績が、新設住宅着工戸数の増減により影響を受ける可能性があることについて
当社の建材事業の製品は、主に住宅の建築資材となっているため新設住宅着工戸数の減少による需要の減少及び価格競争の激化により、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 連結子会社を除く関係会社に対する保証債務について
当社は、連結子会社を除くオー・エル・エス㈲等の関係会社に対し、資金調達を円滑に行うための債務保証を行っております。当連結会計年度末現在の保証債務の合計は23億3千8百万円であります。
今後、これらの関係会社(非連結)の業績動向により債務履行又は引当を要する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5) 固定資産の減損について
産業用途向けなどの一部の製品分野においては、技術革新のスピードが速く、市場環境が急激に変化し続けているため、これまでに投資した設備について、資金回収が終わらないうちに稼働率が著しく低下し、その結果、減損損失などの特別損失が発生する可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発の基本方針は、コア・コンピタンスとしての「加工技術」の向上及び「機能材料」の開発であり、これらは競争戦略である「差別化・特殊化」を達成するための鍵と捉えております。
この基本方針のもと、当社グループの強みである押出・延伸等のプラスチック加工技術を基礎に、より競争力のある製品を生み出すべく経営資源を集中し、グループ一体となって取り組んでおります。
当社グループの研究開発活動は、R&Dセンターを中心に各事業部門が密接に連携を取りながら、短期的成果の実現と中期的先行開発のバランスに配慮し、効率的に新たな技術や製品開発に取り組んでおります。
また、各種研究機関、大学、企業とのプロジェクト、共同研究もR&Dセンターを中心に推進しております。
当連結会計年度における主な活動内容は次のとおりであります。
[R&Dセンター]
今後も伸長が期待される「環境・エネルギー」「ライフサイエンス」「情報電子」の3つの分野をターゲットに、当社の持つ要素技術をより高度化・深化させ、事業に繋がる新製品を開発するべく取り組んでおります。当連結会計年度においては、技術進化が進んでおります医療用途、自動車用途に注力しマーケティング活動を進めてきました。その中で、医療用途においては、足掛かりとして手術時に使用される部材の開発に取り組んでおります。
また、高粘度材料や、高温領域での加工を必要とする材料のフィルム加工技術についても、当連結会計年度において基礎技術を取得できたことから、具体的な用途開発を進めております。
[合成樹脂事業]
当連結会計年度において、汎用エンジニアリングプラスチックであるポリブチレンテレフタレートを使用したフィルムについては、成型加工性及び難燃性が評価され、建材用途で採用されました。引続き更なる用途展開を目指して改質しております。また、最近では食品のシェルフライフの延長を目的として、食品包装の形態が変化しており、ガスバリアー性を有したフィルムの要望が高まっています。これに対応する為、当社のチューブラー2軸延伸技術を応用した製品作りに取り組んでおります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は10億5千万円であり、各セグメントに配分できないR&Dセンターの研究開発費用5億6千3百万円が含まれております。
なお、当連結会計年度末における特許権及び実用新案権の総数は136件であります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、開示に影響を与えると思われる見積りは合理的な基準に基づき、適正に実施されておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ10億1千万円減少し、878億1百万円となりました。その主な内訳は、受取手形及び売掛金など流動資産の増加12億9千7百万円、有形固定資産など固定資産の減少23億7百万円によるものであります。
一方、負債につきましては、1年内返済予定の長期借入金など流動負債の減少45億6千9百万円及び長期借入金など固定負債の増加27億7千7百万円により、前連結会計年度末に比べ17億9千2百万円減少し490億6千1百万円となりました。
また、純資産は、その他有価証券評価差額金の増加4億9千4百万円などにより、前連結会計年度末に比べ7億8千2百万円増加し、387億3千9百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて1.4ポイント上昇し、44.1%となりました。
(3) 経営成績の分析
経営成績の分析につきましては「1.業績等の概要、(1) 業績」に記載しております。
(4) 資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億4千5百万円(9.6%)増加し、73億8千5百万円となりました。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
| 平成25年12月期 | 平成26年12月期 | 平成27年12月期 |
自己資本比率(%) | 40.2 | 42.7 | 44.1 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 23.9 | 23.8 | 23.9 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 6.1 | 4.2 | 3.6 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 10.8 | 16.9 | 21.1 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1.いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。