第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、年初からの円高の進行や新興国経済の減速、個人消費の伸び悩みなどの要因から一時は足踏み状態となりましたが、政府の各種経済施策や日銀の金融政策にも支えられ、また米国新大統領決定後には円安への流れも加わり、極めて緩やかながら概ね回復基調で推移してまいりました。
 このような状況のもと、当社グループでは、当連結会計年度から始まった第五次中期経営計画に則り、各種施策を実行に移してまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は、合成樹脂事業、建材事業及びその他の事業が増加しましたが、一方で新規材料事業が減少したため、860億7千9百万円と前年同期比0.1%の増収にとどまりました。
 利益面では、合成樹脂事業における原材料価格低下の影響や新規材料事業における新用途製品の取扱開始等により、営業利益は47億1千万円(前年同期比100.1%増)、経常利益は46億5千5百万円(前年同期比100.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、遊休資産の譲渡に伴う特別利益が発生しましたが、新規材料事業において減損損失を計上したため、25億7百万円(前年同期比110.4%増)となりました。

セグメント別の業績は次のとおりであります。

〔合成樹脂事業〕

新規顧客獲得に向けて営業活動を強化した結果、シュリンクフィルムを筆頭に販売数量が前年同期比3.4%増加しました。しかしながら販売単価引き下げの影響により、売上高は486億1千3百万円(前年同期比0.8%増)となりました。営業利益は、原材料価格低下の影響や販売数量の増加効果に加え、不採算製品の見直しや歩留り改善等を進めた結果、48億1千6百万円(前年同期比42.3%増)となりました。

〔新規材料事業〕

スマートフォン市場の成長が鈍化している影響により、売上高は233億1千9百万円(前年同期比5.0%減)となりました。一方、営業利益は当連結会計年度より生産を開始した新用途製品が順調に伸びたことや新工場において歩留り改善と固定費削減に努めた結果、8億8千7百万円(前年同期比813.8%増)となりました。

〔建材事業〕

パーティクルボードがフロア関連向けを中心に堅調に推移したことにより、売上高は81億4千万円(前年同期比2.7%増)となりました。営業利益は、10月にパーティクルボードリース設備一式を期限到来時に買取ったことに伴う減価償却費の増加がありましたが、増販及び接着剤等の原材料費低下効果が上回り、4千8百万円(前年同期比76.4%増)となりました。

〔その他〕

住宅着工数の増加を背景に木材加工(プレカット)事業並びに宅地造成及び建物建築事業が着実に伸びました。また、ホテル事業では、閏年に行われる四国遍路の逆打ちと3年毎に行われる瀬戸内国際芸術祭の集客効果が重なり、順調に推移しました。その結果、売上高は60億5百万円(前年同期比13.0%増)となりました。営業利益はコスト削減に努めたことに加え、前年同期に多額の貸倒引当金を積み増した反動増もあり6億5千4百万円(前年同期比60.7%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8千7百万円(1.2%)増加し、74億7千3百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により増加した資金は75億5千8百万円となりました。
 これは、主として減価償却費42億9千3百万円、税金等調整前当期純利益38億1千8百万円による資金の増加によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は7億1千5百万円となりました。
 これは、合成樹脂事業、建材事業を中心に製造装置及び建屋などの有形固定資産の取得に伴う支出21億3千5百万円があったものの、遊休資産の譲渡などによる有形固定資産の売却収入14億3千9百万円による資金の増加があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は66億9千5百万円となりました。
 これは、主として借入金の減少56億7千6百万円、リース債務の減少5億6千8百万円、配当金の支払い4億4千4百万円による資金の減少によるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

合成樹脂事業

 

 

 合成樹脂製品

46,568

2.2

新規材料事業

 

 

 光学機能性フィルム等

22,148

△7.2

建材事業

 

 

 加工合板・パーティクルボード等

7,473

5.8

合計

76,189

△0.4

 

  (注) 1.金額は、販売価格によっております。

  2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。

 

(2) 受注状況

当社グループはその他のセグメントのうち、宅地造成及び建物建築事業において一部受注生産を行っており、その受注状況は次のとおりであります。

その他の製品については見込生産を主として行っているので特記すべき受注生産はありません。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

その他

669

41.5

293

△4.8

 

  (注) 上記金額には、消費税等を含んでおりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

合成樹脂事業

 

 

 合成樹脂製品

48,613

0.8

新規材料事業

 

 

 光学機能性フィルム等

23,319

△5.0

建材事業

 

 

 加工合板・パーティクルボード等

8,140

2.7

その他

6,005

13.0

合計

86,079

0.1

 

  (注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

住友化学株式会社

14,320

16.7

12,787

14.9

 

  2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループの対処すべき課題は、平成28年度を初年度とする平成30年度までの第五次中期経営計画の目標を達成することであります。

今回の中期経営計画では、得意分野を伸ばす一方で、成長分野に対しては高度な加工技術と機能材料によるソリューションを提供できる技術優位な企業集団を目指してまいります。また、事業組織等の再編を行い、成長している分野やユーザーの新たなニーズに対応することで事業規模を拡大させ、収益基盤の安定強化を図ってまいります。さらには、これまで自社で蓄積した技術を活用できる新規事業の探索にも注力してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼし、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクには以下のようなものがあります。
 当社グループといたしましては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 合成樹脂事業の経営成績が、原料価格の変動等により影響を受ける可能性があることについて

当社の合成樹脂事業で製造するフィルムの主原料は石油化学製品であるため、原油価格や為替の変動が原料価格動向に影響を及ぼす傾向があります。

 

(2) 住友化学株式会社への依存度が高いことについて

当社の新規材料事業における光学機能性フィルム関連製品の過半は住友化学株式会社へ販売しておりますが、将来にわたり当社製品が同社に採用される保証はありません。

 

(3) 建材事業の経営成績が、新設住宅着工戸数の増減により影響を受ける可能性があることについて

当社の建材事業の製品は、主に住宅の建築資材となっているため新設住宅着工戸数の減少による需要の減少及び価格競争の激化により、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 連結子会社を除く関係会社に対する保証債務について

当社は、連結子会社を除くオー・エル・エス㈲等の関係会社に対し、資金調達を円滑に行うための債務保証を行っております。当連結会計年度末現在の保証債務の合計は18億2千4百万円であります。

今後、これらの関係会社(非連結)の業績動向により債務履行又は引当を要する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 固定資産の減損について

産業用途向けなどの一部の製品分野においては、技術革新のスピードが速く、市場環境が急激に変化し続けているため、これまでに投資した設備について、資金回収が終わらないうちに稼働率が著しく低下し、その結果、減損損失などの特別損失が発生する可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループにおける研究開発の基本方針は、コア・コンピタンスとしての「加工技術」の向上及び「機能材料」の開発であり、これらは競争戦略である「差別化・特殊化」を達成するための鍵と捉えております。
 この基本方針のもと、当社グループの強みである押出・延伸等のプラスチック加工技術を基礎に、より競争力のある製品を生み出すべく経営資源を集中し、グループ一体となって取り組んでおります。
 当社グループの研究開発活動は、R&Dセンターを中心に各事業部門が密接に連携を取りながら、短期的成果の実現と中期的先行開発のバランスに配慮し、効率的に新たな技術や製品開発に取り組んでおります。
 また、各種研究機関、大学、企業とのプロジェクト、共同研究もR&Dセンターを中心に推進しております。
 当連結会計年度における主な活動内容は次のとおりであります。

[R&Dセンター]
 今後も伸長が期待される「環境・エネルギー」「ライフサイエンス」「情報電子」、及び3つの分野を横断する自動車用途向け部材をターゲットに、当社の持つ要素技術をより高度化・深化させ、事業に繋がる新製品を開発するべく取り組んでおります。
 当連結会計年度では、技術革新が加速しております医療用途、自動車用途向け部材に注力し開発活動を進めてきました。
 医療用途については、手術時に使用される部材の開発に取り組み、当該製品の設計を完了し、要求される各種規制に対応した品質管理体制も構築しました。また、特許出願も実施することで、競争力の向上を図りました。さらに、進化する医療機器に貢献する製品の開発を進めていく足掛かりとして、神戸医療産業都市に活動拠点を設けました。自動車用途向け部材については、省エネルギー化に貢献する部材の開発に着手しました。情報電子分野については、高粘度材料を加工した部材の設計及び量産性確認を完了し、平成29年から販売を開始します。
 また、香川県先端技術活用型研究開発支援事業にて産業技術総合研究所との共同開発で、国が開発を推進している植物由来の素材であるセルロースナノファイバーを活用した機能性フィルムの開発に着手しました。

[合成樹脂事業]
 近年は、食品のシェルライフ延長を目的として、食品の包装形態が変化してきており、ガス充填を行ったMAP ( Modified Atmosphere Packaging ) システムが望まれるようになってきました。このような要望に応えるため、当社のチューブラー2軸延伸技術と共押多層製膜技術を駆使し、ガスバリアー性フィルムを改良し販売しました。
 また、医療用・化粧品用ユーザーの要望に対応するため、内容物成分を吸着しにくく、さらに開封性の優れた機能性フィルムも開発し販売しました。

[建材事業]
 建築物の耐震化が促進される中、特に木造住宅の構造用面材として使用できるパーティクルボードを開発し、量産化を進めました。今後、さらに軸組工法での利用が進み、市場は拡大するものと考えております。期待される水平構面での利用などについても、研究開発を進めてまいります。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は9億4千8百万円であり、各セグメントに配分できないR&Dセンターの研究開発費用5億3千4百万円が含まれております。
 なお、当連結会計年度末における特許権及び実用新案権の総数は143件であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、開示に影響を与えると思われる見積りは合理的な基準に基づき、適正に実施されておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ53億6千6百万円減少し、824億3千4百万円となりました。その主な内訳は、売上債権の減少8億2百万円や製品など棚卸資産の減少8億6千4百万円による流動資産の減少16億8千3百万円及び投資が減価償却を大幅に下回ったことや減損損失の計上などによる固定資産の減少36億8千3百万円によるものであります。
 一方、負債につきましては、借入金の減少56億8千万円、仕入債務の減少26億3千2百万円などにより、前連結会計年度末に比べ70億4千1百万円減少し420億2千万円となりました。
 また、純資産は、その他有価証券評価差額金の減少3億3千9百万円などがありましたが、利益剰余金の増加20億6千万円により、前連結会計年度末に比べ16億7千4百万円増加し、404億1千4百万円となりました。
 以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて4.9ポイント上昇し、49.0%となりました。

 

(3) 経営成績の分析

経営成績の分析につきましては「1.業績等の概要、(1) 業績」に記載しております。

 

(4) 資金の流動性についての分析

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8千7百万円(1.2%)増加し、74億7千3百万円となりました。

なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。

 

平成26年12月期

平成27年12月期

平成28年12月期

自己資本比率(%)

42.7

44.1

49.0

時価ベースの自己資本比率(%)

23.8

23.9

35.9

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

4.2

3.6

1.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

16.9

21.1

40.0

 

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注) 1.いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。