当連結会計年度におけるわが国経済は、米国をはじめとする世界経済の回復基調が継続したことや、国内においても好調な企業収益を背景として設備投資が持ち直したこと、雇用情勢の改善持続が個人消費を押し上げたことにより、緩やかな回復が継続しました。その一方で、米国政権の政治動向や、北朝鮮をめぐる地政学的リスクの高まり等の景気下押しリスクは続いており、先行き不透明な状況で推移しました。
このような状況のもと、当社グループでは、新規案件の獲得や地道な販売活動に努めた結果、すべてのセグメントで前年の売上を上回り、当連結会計年度の売上高は908億1千2百万円と前年同期比5.5%の増収となりました。
利益面では、増収に加えて、新規材料事業における新工場の損益改善により、営業利益は57億8千9百万円(前年同期比22.9%増)、経常利益は58億9千1百万円(前年同期比26.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、当期末においてホテル事業の減損損失を計上したため、27億2千万円(前年同期比8.5%増)にとどまりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
〔合成樹脂事業〕
営業活動の強化によりシュリンクフィルムや衛生材料向けフィルムを中心に販売数量が増加したため、売上高は493億4千1百万円(前年同期比1.5%増)となりました。営業利益は当期首より上昇している原材料価格が第1四半期連結会計期間までは前年同四半期を下回っていたものの、第2四半期連結会計期間以降は一転して前年同四半期を大きく上回って推移したことがコストアップとなり、40億2千9百万円(前年同期比16.4%減)となりました。
〔新規材料事業〕
新製品向けの量産開始や大型液晶パネルの需要増加に伴い、光学フィルムの販売数量が増加したことで、売上高は270億1千万円(前年同期比15.8%増)となりました。営業利益は販売数量の増加に加えて、前期から新工場で取り組んできた歩留り改善、生産性向上等の収益改善施策が実を結んだことにより、27億2千万円(前年同期比206.7%増)となりました。
〔建材事業〕
パーティクルボードがフロア向けを中心に堅調に推移しましたが、化粧板事業においてラワン合板製品の市場が縮小する中で、新基材製品の展開が遅れたことなどにより、売上高は81億8千8百万円(前年同期比0.6%増)にとどまりました。営業利益は、第4四半期連結会計期間でパーティクルボード製造設備のトラブルにより収益性が悪化しましたが、通期ではパーティクルボードの増販及び減価償却費などの固定費の減少もあり、1億2千3百万円(前年同期比152.7%増)となりました。
〔その他〕
木材加工(プレカット)事業並びに情報処理システム開発事業の受注が好調だったことにより、売上高は62億7千2百万円(前年同期比4.4%増)となりました。営業利益は販売数量の増加により、7億1千5百万円(前年同期比9.4%増)となりました。
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11億6千8百万円(15.6%)増加し、86億4千1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は90億9千8百万円となりました。
これは、主として税金等調整前当期純利益40億4千5百万円、減価償却費39億2千6百万円による資金の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は40億2千万円となりました。
これは、主として合成樹脂事業、新規材料事業における製造装置等の有形固定資産の取得による資金の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は39億6百万円となりました。
これは、主として借入金の減少32億7千9百万円、配当金の支払い5億9千3百万円による資金の減少によるものです。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
合成樹脂事業 |
|
|
|
合成樹脂製品 |
47,217 |
1.4 |
|
新規材料事業 |
|
|
|
光学機能性フィルム等 |
27,134 |
22.5 |
|
建材事業 |
|
|
|
加工合板・パーティクルボード等 |
7,495 |
0.3 |
|
合計 |
81,847 |
7.4 |
(注) 1.金額は、販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
当社グループはその他のセグメントのうち、宅地造成及び建物建築事業において一部受注生産を行っており、その受注状況は次のとおりであります。
その他の製品については見込生産を主として行っているので特記すべき受注生産はありません。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
受注残高(百万円) |
前期比(%) |
|
その他 |
623 |
△7.0 |
303 |
3.5 |
(注) 上記金額には、消費税等を含んでおりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
前期比(%) |
|
合成樹脂事業 |
|
|
|
合成樹脂製品 |
49,341 |
1.5 |
|
新規材料事業 |
|
|
|
光学機能性フィルム等 |
27,010 |
15.8 |
|
建材事業 |
|
|
|
加工合板・パーティクルボード等 |
8,188 |
0.6 |
|
その他 |
6,272 |
4.4 |
|
合計 |
90,812 |
5.5 |
(注) 1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
住友化学株式会社 |
12,787 |
14.9 |
15,286 |
16.8 |
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
当社の創業精神は、社会が必要とする事業を営み、従業員の生活を守ることです。そして、当社グループの製品群は、それぞれ「真心を包み(パッケージ)、幸せを守り(プロテクト)、技術を進化させる(プログレス)」ことを通して社会に貢献してまいりました。今後もこの誇るべき事業価値を守り、高めてまいります。
また、企業の使命は「悪をなさない」、「利益を生み出す」、「永続する」ことと考えており、あらゆる経営判断のベースとしております。
当社グループは、平成28年度を初年度とする平成30年度までの第五次中期経営計画を策定しております。
今回の中期経営計画では、得意分野を伸ばす一方で、成長分野に対しては高度な加工技術と機能材料によるソリューションを提供できる技術優位な企業集団を目指してまいります。また、事業組織等の再編を行い、成長している分野やユーザーの新たなニーズに対応することで事業規模を拡大させ、収益基盤の安定強化を図っております。さらには、これまで自社で蓄積した技術を活用できる新規事業の探索にも引き続き注力してまいります。
上記を踏まえ、当社グループの対処すべき課題は、平成28年2月18日に公表しました第五次中期経営計画の達成を期することであります。
当社グループは、投下資本の運用効率や収益性を測る指標としてROA(総資産経常利益率)を重視しております。当社の目標はROA5%をコンスタントに達成することであります。なお、第五次中期経営計画期間内のROAは、平成28年度5.5%、平成29年度6.9%であり目標を達成している状況であります。今後も、安定的な目標達成のため、第五次中期経営計画で掲げた戦略に引き続き取り組んでまいります。
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼし、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクには以下のようなものがあります。
当社グループといたしましては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 合成樹脂事業の経営成績が、原料価格の変動等により影響を受ける可能性があることについて
当社の合成樹脂事業で製造するフィルムの主原料は石油化学製品であるため、原油価格や為替の変動が原料価格動向に影響を及ぼす傾向があります。
(2) 住友化学株式会社への依存度が高いことについて
当社の新規材料事業における光学機能性フィルム関連製品の過半は住友化学株式会社へ販売しておりますが、将来にわたり当社製品が同社に採用される保証はありません。
(3) 建材事業の経営成績が、新設住宅着工戸数の増減により影響を受ける可能性があることについて
当社の建材事業の製品は、主に住宅の建築資材となっているため新設住宅着工戸数の減少による需要の減少及び価格競争の激化により、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4) 連結子会社を除く関係会社に対する保証債務について
当社は、連結子会社を除くオー・エル・エス㈲等の関係会社に対し、資金調達を円滑に行うための債務保証を行っております。当連結会計年度末現在の保証債務の合計は12億1百万円であります。
今後、これらの関係会社(非連結)の業績動向により債務履行又は引当を要する場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(5) 固定資産の減損について
産業用途向けなどの一部の製品分野においては、技術革新のスピードが速く、市場環境が急激に変化し続けているため、これまでに投資した設備について、資金回収が終わらないうちに稼働率が著しく低下し、その結果、減損損失などの特別損失が発生する可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループにおける研究開発の基本方針は、コア・コンピタンスとしての「加工技術」の向上及び「機能材料」の開発であり、これらは競争戦略である「差別化・特殊化」を達成するための鍵と捉えております。
この基本方針のもと、当社グループの強みである押出・延伸等のプラスチック加工技術を基礎に、より競争力のある製品を生み出すべく経営資源を集中し、グループ一体となって取り組んでおります。
当社グループの研究開発活動は、R&Dセンターを中心に各事業部門が密接に連携を取りながら、短期的成果の実現と中期的先行開発のバランスに配慮し、効率的に新たな技術や製品開発に取り組んでおります。
また、各種研究機関、大学、企業とのプロジェクト、共同研究もR&Dセンターを中心に推進しております。
当連結会計年度における主な活動内容は次のとおりであります。
[R&Dセンター]
今後も伸長が期待される「環境・エネルギー」「ライフサイエンス」「情報電子」、及び3つの分野を横断する自動車用途向け部材をターゲットに、当社の持つ要素技術をより高度化・深化させ、事業に繋がる新製品を開発するべく取り組んでおります。
医療市場では、Quality of Lifeの概念のもと、低侵襲医療への取り組みや医療従事者の負荷低減への要求から、先端医療技術を導入したスマート手術室化が進んでおります。当連結会計年度では、スマート手術室で使用される先端医療機器の滅菌工程を削減し、効率的に使用するためのプロテクトフィルムの開発に着手しました。
自動車市場では、自動車の電動化が進む中、電池の消耗を削減し快適な空間を提供する部材が求められております。当連結会計年度では、前連結会計年度に着手しました省エネルギー化に貢献する部材の開発を継続して実施し、ユーザーで評価をいただく段階へ進めました。
情報電子市場では、電子黒板やデジタルサイネージなどの市場が伸張しており、今まで検討してきました大型用途に対応したタッチパネル用部材の販売が具現化しました。また、品質をさらに向上させるための製造技術も開発し、成果を特許出願しました。
また、香川県先端技術活用型研究開発支援事業にて産業技術総合研究所と共同開発しております植物由来の素材であるセルロースナノファイバーを活用した機能性フィルムの基礎検討及び具体的用途探索を取り進めました。
[合成樹脂事業]
食品パッケージの市場では、シェルフライフを延長し廃棄ロスを削減するためにガス充填を行ったMAP(Modified Atmosphere Packaging)システムの採用が日本国内で増加しております。当連結会計年度では、ユーザーからのさらなる長期保管の要望により、ガスバリアー性フィルムの防曇性能を強化した製品の販売を開始しました。
また、容器包装リサイクル法の基本方針に示されているリデュース推進のため、ボトル容器からスタンドパウチ包装への要望が高まり、業務用洗浄剤メーカーと強酸・強アルカリ・アルコール等の洗浄剤に耐性のある高機能ラミネート基材の開発を進めております。
さらに、包装機メーカーとタイアップして開発した、従来のパレットシュリンク包装に替わる省エネルギータイプのパレット包装用フィルムの販売を平成30年から開始します。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は9億4千4百万円であり、各セグメントに配分できないR&Dセンターの研究開発費用5億7千3百万円が含まれております。
なお、当連結会計年度末における特許権及び実用新案権の総数は139件であります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、開示に影響を与えると思われる見積りは合理的な基準に基づき、適正に実施されておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ51億8千3百万円増加し、876億1千8百万円となりました。その主な内訳は、現金及び預金の増加11億6千8百万円、売上債権の増加17億円による流動資産の増加34億7千2百万円及び投資有価証券の増加20億8千5百万円によるものであります。
一方、負債につきましては、仕入債務の増加33億2千5百万円、借入金の減少32億8千3百万円、設備投資が増加したことによる未払金の増加16億1千8百万円などにより、前連結会計年度末に比べ15億5千8百万円増加し435億7千9百万円となりました。
また、純資産は、利益剰余金の増加21億2千4百万円、その他有価証券評価差額金の増加14億5千5百万円などにより、前連結会計年度末に比べ36億2千4百万円増加し、440億3千9百万円となりました。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べて1.2ポイント上昇し、50.3%となりました。
(3) 経営成績の分析
経営成績の分析につきましては「1.業績等の概要、(1) 業績」に記載しております。
(4) 資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ11億6千8百万円(15.6%)増加し、86億4千1百万円となりました。
なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
|
|
平成27年12月期 |
平成28年12月期 |
平成29年12月期 |
|
自己資本比率(%) |
44.1 |
49.0 |
50.3 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
23.9 |
35.9 |
47.0 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
3.6 |
1.9 |
1.2 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
21.1 |
40.0 |
63.3 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1.いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。