当事業年度のわが国経済は、前半、景気が足踏み状態で推移しましたが、後半には、中国、アジアの景気回復により輸出高が増加し、加えて民間設備投資も増加するなど、企業部門に好影響を与えました。一方民間消費の回復は依然鈍く、緩やかな景気回復にとどまりました。
このような情勢のもとで、当社は一層のコスト削減に取り組むとともに、新製品・新技術開発、売価是正、拡販に注力し、全社を挙げて収益確保に努めてまいりました。
当期の売上高は前期比5.5%減収の172億78百万円となりましたが、利益面におきましては、原燃料価格が低位に推移したことにより、営業利益は14億2百万円(前期比15.8%増益)、経常利益は13億90百万円(前期比25.9%増益)となりました。当期純利益につきましては、大阪工場に係る譲渡関連損益、事業譲渡関連損失ならびに千葉地区不要設備撤去費用等を計上した結果、11億35百万円(前期比160.9%増益)と大幅な増益となりました。
セグメントの状況は、次のとおりであります。
(ファイン製品部門)
医農薬関連化学品は、アジア向け医薬中間体の販売は伸長しましたが、北米向け農薬中間体の出荷が大幅に減少しました。機能性化学品は、イオン液体の販売が減少し減収となりました。その他ファイン製品は、関連業界の需要増加により増収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は120億46百万円(前期比5.5%減)、営業利益は10億96百万円(前期比9.5%減)となりました。
(化成品部門)
多価アルコール類は、販売数量の増加はあったものの、原料価格の下落による販売価格の下落があり、減収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は52億32百万円(前期比5.3%減)、営業利益は3億5百万円(前期は2百万円の損失)となりました。
当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益、減価償却費、売上債権の増加及び仕入債務の減少により13億37百万円の収入(前期は25億35百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産売却収入があったものの多額の有形固定資産の取得などにより17億77百万円の支出(前期は19億58百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の借入により4億91百万円の収入(前期は5億86百万円の支出)となりました。
この結果、現金及び現金同等物残高は前事業年度末に比べ55百万円増加し、8億7百万円となりました。
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
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ファイン製品部門 |
10,695,862 |
△11.5 |
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化成品部門 |
4,101,904 |
△4.9 |
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合計 |
14,797,767 |
△12.1 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は原則的に過去の販売実績と将来の予想に基づいて見込生産を行っております。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
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ファイン製品部門 |
12,046,069 |
△5.5 |
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化成品部門 |
5,232,573 |
△5.3 |
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合計 |
17,278,643 |
△5.5 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において、当社が判断したものであります。
当社は、長年培ってきた含窒素有機化合物群におけるコアテクノロジーをさらに進化させるほか、新たなコアテクノロジーの確立を図ることにより、新しい柱としての基幹化合物、機能製品、気相製品を創出し、高付加価値高機能製品を提供してまいります。これらを通じて社会の発展に貢献するとともに、株主の皆様のために公正な収益活動を営み、併せて地域社会と協調し、あらゆる取引先等の信頼と期待に応え、また従業員にとりまして働きがい、生きがいの感じられる企業を目指します。
今後の見通しにつきましては、世界経済は総じて好調に推移し、輸出の増加が続き、さらに経済対策効果の顕在化により公共投資が増加し、緩やかな景気回復が続くと予想されます。
このような状況におきまして、当社は、引き続きコスト削減に注力するとともに、製品の競争力強化及び新製品の早期上市に取り組み、収益改善に努めてまいります。
当社は、平成28年3月に策定した3ヵ年間の中期経営計画(平成28年度から平成30年度まで)で掲げた「100年の技術と信頼を明日へ」のスローガンの下、平成29年度以降も以下の項目を基本的な取り組みとして着実に推進してまいります。
・売上高200億円、営業利益率8%を回復
・新プラント稼働により、生産効率向上と競争力強化を達成
・新製品及び次世代製品に経営資源を積極的に投入
・安全と信頼のモノづくりを徹底
また、環境問題並びに製品の安全性、品質の確保には引き続き万全を期し、顧客の期待に応えられる信頼性の高い企業グループを目指してまいります。
当社の経営成績、財務状況等(株価を含む)に影響を及ぼすリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成29年3月31日)現在において当社が判断したものであり、また本記載は将来発生し得るすべてのリスクを網羅したものではありません。
当社は輸出売上高の比率が高く、その多くは外貨建で取引を行っているため、当該通貨に対して円高が進行した場合、輸出債権回収額が減少することになります。このようなリスクに対して、為替予約を実施して、短期的なリスクをヘッジするように努めているほか、原料購入を外貨建に切り替えること等により、為替脆弱性の軽減を図るように努めております。しかし、中長期的な為替変動によるリスクを完全にヘッジすることはできないため、円高の進行は当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の主要原料のうち、アセトアルデヒドやメタノール等の原料価格は市況で変動するため、その価格の上昇を製品価格に転嫁できなかった場合は、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業は、厳しい価格競争に直面しております。国内企業との競争のほか、インドや中国等の安価な海外品との競争により、製品価格や販売シェアが低下し、この影響がコストの削減を上回った場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社にとって、新製品の開発、上市は最重要課題のひとつでありますが、ユーザー事情、厳しい競争環境等の不確定要素が大きいため、目標どおり進捗しなかった場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、安全、安定操業の徹底を図り、製造設備の停止や設備に起因する事故などによる潜在的なリスクを最小化するために、すべての設備について定期的な点検を実施しております。しかし、万一製造設備で発生する事故、地震、噴火、津波等自然災害により人的、物的被害が生じた場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
その他、当社には、退職給付債務の変動リスク、金利変動及び株式相場変動リスク、重大な製品欠陥等に係る品質リスク、知的財産や製造物責任などに係る訴訟リスク、環境問題に係る法的規制の強化リスク、取引先に対する債権に係る貸倒リスク、情報システムへの不正侵入リスク、情報漏洩によるリスク、インフルエンザ等疫病による人的被害のリスクなどがあり、これらのリスクが顕在化した場合は、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
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契約会社名 |
相手方の名称 |
借地 |
借地面積(㎡) |
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広栄化学工業株式会社 |
住友化学株式会社 |
千葉工場用地(千葉県市原市) |
10,453 |
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千葉工場用地(千葉県袖ヶ浦市) |
120,730 |
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駐車場(千葉県袖ヶ浦市) |
2,480 |
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計 |
133,663 |
当社は、常に独創技術の開発を理念として、新製品の開発からプロセスの合理化に至るまで、積極的な研究開発活動に取り組んでおります。
研究部門は、研究所及び生産技術部から構成されております。更に、国内外の企業・大学・研究機関など、社外との共同研究を積極的に展開し、高度技術の修得と新規コアテクノロジーの確立に努めております。
当事業年度の研究開発費の総額は8億50百万円となりました。
主に研究所及び生産技術部が中心となって、医薬中間体及び機能性材料等の新製品の開発や合理化研究に取り組んでおります。当事業年度の主な成果として、主要ピリジン誘導体、アミン類のプロセス合理化及び新技術の開発が大きく進展しました。機能性材料であるポリマー合成触媒用有機金属錯体化合物についてはプロセス合理化を中心に展開、イオン液体化合物については、従来の電解質や電子材料用途に加え新規分野への展開に進展が見られました。
主に、生産技術部が中心となって、プロセス合理化に取り組んでおります。
当社に関する財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析内容は、原則として財務諸表に基づいて分析した内容であります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成29年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この財務諸表の作成にあたって、過去の実績や当事業年度末の状況に応じて合理的と考えられる方法に基づき、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付引当金、繰延税金資産等に関する見積り及び判断を行っております。これら見積り等については、見積り特有の不確実性を伴うため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5〔経理の状況〕の財務諸表の「重要な会計方針」に記載しております。
当事業年度の売上高は172億78百万円と前事業年度に比べ10億円の減収となりました。セグメント別には、ファイン製品部門の売上高は前事業年度に比べ5.5%減収の120億46百万円となりました。化成品部門の売上高は同5.3%減収の52億32百万円となりました。
当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ14億71百万円減少し、127億74百万円となりました。販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ2億79百万円増加の31億2百万円となりました。この結果、営業利益は前事業年度に比べ1億91百万円増益の14億2百万円となりました。
営業外収益は前事業年度に比べ4百万円増加し61百万円となりました。営業外費用は、為替差損の減少により前事業年度に比べ89百万円減少し73百万円となりました。この結果、当事業年度の営業外損益は前事業年度に比べ94百万円改善し、11百万円の損失となりました。
これにより、経常利益は前事業年度に比べ、2億86百万円増加し13億90百万円となりました。
特別利益10億35百万円(大阪工場に係る譲渡関連損益)、特別損失8億79百万円(事業譲渡関連損失、千葉地区不要設備撤去費用等)を計上した結果、税引前当期純利益は15億46百万円となり、前事業年度に比べ8億83百万円増加しました。法人税、住民税及び事業税4億44百万円と法人税等調整額△33百万円を控除した、当期純利益は、前事業年度に比べ、7億円増加の11億35百万円となりました。
流動資産は、売掛金の増加により、前事業年度末に比べ2億46百万円増加し112億52百万円となりました。
固定資産は、ファイン製品設備の新設等有形固定資産の増加により、前事業年度末に比べ29億83百万円増加し127億16百万円となりました。
この結果、総資産は、前事業年度末に比べ32億29百万円増加し、239億69百万円となりました。
流動負債は、短期借入金及び設備関係未払金の増加により、前事業年度末に比べ16億83百万円増加し70億15百万円となりました。
固定負債は、設備停止引当金の増加により前事業年度末に比べ4億37百万円増加し24億67百万円となりました。
この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ21億21百万円増加し、94億82百万円となりました。
純資産は、前事業年度末に比べ11億8百万円増加し144億87百万円となりました。なお、自己資本比率は総資産の増加に伴い前事業年度末の64.5%から60.4%となりました。
当事業年度の現金及び現金同等物の期末残高は8億7百万円となり、前事業年度末に比べて55百万円増加しました。これは営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローが4億39百万円の支出となる一方で、財務活動によるキャッシュ・フローが短期借入金の増加などにより4億91百万円の収入となったことによります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益、減価償却費、売上債権の増加及び仕入債務の減少により13億37百万円の収入(前期は25億35百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産売却収入があったものの多額の有形固定資産の取得などにより17億77百万円の支出(前期は19億58百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の借入により4億91百万円の収入(前期は5億86百万円の支出)となりました。
当事業年度においては、営業キャッシュ・フローの収入を投資キャッシュ・フローの支出が上回り、フリー・キャッシュ・フローがマイナスとなり借入金を調達しました。今後については投資キャッシュ・フローの収入が見込まれるため、借入金は減少する見通しであります。