文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成30年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。
当社は、長年培ってきた含窒素有機化合物群におけるコアテクノロジーをさらに進化させるほか、新たなコアテクノロジーの確立を図ることにより、新しい柱としての基幹化合物、機能製品、気相製品を創出し、高付加価値高機能製品を提供してまいります。これらを通じて社会の発展に貢献するとともに、株主の皆様のために公正な収益活動を営み、併せて地域社会と協調し、あらゆる取引先等の信頼と期待に応え、また従業員にとりまして働きがい、生きがいの感じられる企業を目指します。
今後の見通しにつきましては、堅調な海外景気や企業業績の改善を受けた設備投資の高まりにより、緩やかな景気回復が続くと予想されます。
このような状況におきまして、当社は、引き続き拡販及び競争力の強化に一層注力するとともに、新製品の早期上市に取り組み、収益改善に努めてまいります。
平成30年度は、中期経営計画(平成28年度から平成30年度まで)の最終年度に当たりますので、本計画で掲げた「100年の技術と信頼を明日へ」のスローガンの下、次の基本的な取り組みを着実に遂行し、計画の達成に全社を挙げて取り組んでまいります。
・売上高200億円、営業利益率8%を回復
・新プラント稼働により、生産効率向上と競争力強化を達成
・新製品及び次世代製品に経営資源を積極的に投入
・安全と信頼のモノづくりを徹底
また、環境問題並びに製品の安全性、品質の確保には引き続き万全を期し、顧客の期待に応えられる信頼性の高い企業を目指してまいります。
当社の経営成績、財務状況等(株価を含む)に影響を及ぼすリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成30年3月31日)現在において当社が判断したものであり、また本記載は将来発生し得るすべてのリスクを網羅したものではありません。
当社は輸出売上高の比率が高く、その多くは外貨建で取引を行っているため、当該通貨に対して円高が進行した場合、輸出債権回収額が減少することになります。円高の進行は当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の主要原料のうち、アセトアルデヒドやメタノール等の原料価格は市況で変動するため、その価格の上昇を製品価格に転嫁できなかった場合は、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業は、厳しい価格競争に直面しております。国内企業との競争のほか、インドや中国等の安価な海外品との競争により、製品価格や販売シェアが低下し、この影響がコストの削減を上回った場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社にとって、新製品の開発、上市は最重要課題のひとつでありますが、ユーザー事情、厳しい競争環境等の不確定要素が大きいため、目標どおり進捗しなかった場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、安全、安定操業の徹底を図り、製造設備の停止や設備に起因する事故などによる潜在的なリスクを最小化するために、すべての設備について定期的な点検を実施しております。しかし、万一製造設備で発生する事故、地震、噴火、津波等自然災害により人的、物的被害が生じた場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
その他、当社には、退職給付債務の変動リスク、金利変動及び株式相場変動リスク、重大な製品欠陥等に係る品質リスク、知的財産や製造物責任などに係る訴訟リスク、環境問題に係る法的規制の強化リスク、取引先に対する債権の貸倒リスク、情報システムへの不正侵入リスク、情報漏洩によるリスク、インフルエンザ等疫病による人的被害のリスクなどがあり、これらのリスクが顕在化した場合は、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度のわが国経済は、個人消費の回復は鈍いものの海外経済の堅調な成長に支えられ輸出が増加し、好調な企業業績を背景に設備投資が改善するなど、景気は緩やかに回復しました。
当社製品関連分野におきましては、ファイン製品関係では医農薬及び触媒関連需要が堅調に推移しましたが、化成品関係は国内関連需要が伸び悩みました。
このような情勢のもとで、当社は、売価是正、拡販及びコスト削減に注力し、全社を挙げて収益確保に努めてまいりました。
この結果、当期の売上高は前期比5%増収の181億44百万円となりました。利益面におきましては、原料コスト上昇の影響がありましたが、販売数量の増加及び固定費削減により、営業利益は15億27百万円(前期比8.9%増益)、経常利益は17億3百万円(前期比22.5%増益)となりました。当期純利益につきましては、大阪工場に係る譲渡関連損益63億71百万円の特別利益の計上により、54億41百万円(前期比379.4%増益)と大幅な増益となりました。
セグメントの状況は、次のとおりであります。
(ファイン製品部門)
医農薬関連化学品は、北米向け農薬関連製品及び欧州向け医薬中間体の販売が伸長し増収となりました。機能性化学品は、光学材料関連の新製品の販売に加え、触媒関連製品の需要が順調に推移し増収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は142億99百万円(前期比18.7%増)、営業利益は13億63百万円(前期比24.3%増)となりました。
(化成品部門)
多価アルコール類は、原料価格上昇による売価是正を進めましたが、ペンタエリスリトール類の事業譲渡に伴う輸出の減少に加え、国内関連需要が大幅に減少し減収となりました。その他化成品は原料価格変動による売価上昇により増収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は38億44百万円(前期比26.5%減)、営業利益は1億63百万円(前期比46.6%減)となりました。
当事業年度末の総資産は294億円70百万円となり、前事業年度末に比べ55億円増加しました。
流動資産は、前事業年度末に比べ39億13百万円増加の151億65百万円となりました。土壌対策費用に係る前渡金が4億41百万円減少しましたが、大阪工場跡地売却代金の入金により預け金が36億円増加しました。
固定資産は、ファイン製品製造設備及び厚生施設の新設などにより、前事業年度末に比べ15億87百万円増加の143億4百万円となりました。
流動負債は、当期純利益に対応した未払法人税等が8億43百万円増加しましたが、短期借入金10億10百万円の返済により、前事業年度末に比べ2億36百万円減少し、67億78百万円となりました。
固定負債は、固定資産圧縮積立金に係る繰延税金負債が10億34百万円増加し、前事業年度末に比べ7億64百万円増加の32億31百万円となりました。
この結果、負債合計は100億9百万円となり、前事業年度末の94億82百万円から5億27百万円増加しました。
純資産は194億60百万円となり、前事業年度末に比べ49億73百万円増加しました。自己資本比率は前事業年度末の60.4%から5.6ポイント増加し、66.0%となりました。
当事業年度の現金及び現金同等物の期末残高は44億60百万円となり、前事業年度末の8億7百万円から36億52百万円増加しました。これは財務活動によるキャッシュ・フローが短期借入金の返済などにより14億62百万円の支出となる一方で、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローが、大阪工場跡地売却により51億27百万円の収入となったことによります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益は77億93百万円となりましたが、大阪工場譲渡関連損益の調整、土壌対策費用等の支払、営業活動に係る資産・負債の増減により9億77百万円の収入(前期は13億37百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、大阪工場跡地売却による収入により41億49百万円の収入(前期は17億77百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の返済により14億62百万円の支出(前期は4億91百万円の収入)となりました。
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
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ファイン製品部門 |
13,196,283 |
23.4 |
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化成品部門 |
502,526 |
△87.7 |
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合計 |
13,698,809 |
△7.4 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 当事業年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、化成品部門におきまして、ペンタエリスリトール類の事業譲渡があったことによるものであります。
当社は原則的に過去の販売実績と将来の予想に基づいて見込生産を行っております。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(千円) |
前期比(%) |
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ファイン製品部門 |
14,299,990 |
18.7 |
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化成品部門 |
3,844,064 |
△26.5 |
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合計 |
18,144,055 |
5.0 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、原則として財務諸表に基づいて分析した内容であります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(平成30年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この財務諸表の作成にあたって、過去の実績や当事業年度末の状況に応じて合理的と考えられる方法に基づき、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付引当金、繰延税金資産等に関する見積り及び判断を行っております。これら見積り等については、見積り特有の不確実性を伴うため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5〔経理の状況〕の財務諸表の「重要な会計方針」に記載しております。
(売上高と営業利益)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ8億65百万円の増加し、181億44百万円となりました。セグメント別には、ファイン製品部門の売上高は前事業年度に比べ18.7%増収の142億99百万円となりました。化成品部門の売上高は前事業年度に比べ26.5%減収の38億44百万円となりました。
当事業年度の売上原価は、前事業年度に比べ10億47百万円増加し、138億21百万円となりました。販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ3億6百万円減少し、27億95百万円となりました。この結果、営業利益は15億27百万円となり、前事業年度に比べ1億24百万円の増益となりました。
(営業外損益と経常利益)
営業外収益は、受取補償金の受け取りにより、前事業年度に比べ1億95百万円増加し2億57百万円となりました。営業外費用は、為替差損が増加しましたが、PCB処理費用及び固定資産除却損の減少により、前事業年度に比べ7百万円増加の80百万円となりました。
これにより、経常利益は17億3百万円となり、前事業年度の13億90百万円から3億13百万円の増益となりました。
(特別損益と当期純利益)
特別利益63億71百万円(大阪工場に係る譲渡関連損益)、特別損失2億82百万円(控除対象外消費税等、千葉地区生産拠点集中に係る整理損等)を計上した結果、税引前当期純利益は77億93百万円となり、前事業年度の15億46百万円から62億46百万円の増益となりました。法人税、住民税及び事業税13億93百万円及び法人税等調整額9億58百万円を控除した結果、当期純利益は54億41百万円となり、前事業年度に比べ43億6百万円の増益となりました。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、以下の通りと考えております。
(為替レートの変動による影響)
当社は輸出売上高の比率が高く、その多くは外貨建で取引を行っているため、当該通貨に対して円高が進行した場合、輸出売上高が減少することになりますので、このようなリスクに対して適宜、為替予約を実施して、短期的なリスクをヘッジするように努めております。また、原料購入を外貨建に切り替えること等により、為替脆弱性の軽減を図るように努めております。
(原料価格の変動による影響)
当社の主要原料のうち、アセトアルデヒドやメタノール等の原料価格は市況で変動するため、原燃料価格の動向を注視し、適正な製造原価への見直しを行うと共に、売価是正に努めております。
(製品価格やシェアの変動による影響)
当社の事業は、国内企業との競争のほか、インドや中国等の安価な海外品との競争など、厳しい価格競争に直面しております。製品価格や販売シェアが低下し、この影響がコストの削減を上回った場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。このため、設備投資による工場の競争力の強化・合理化を推進し、コスト削減を行うと共に、環境問題並びに製品の安全性、品質の確保に注力し、顧客の期待に応えられる信頼性の高い製品を供給すべく努めております。
(新製品の開発に係るリスク)
当社にとって、新製品の開発、上市は最重要課題のひとつであります。営業部門、研究開発部門を中心に次世代新製品の開発、新製品の早期上市を重要課題として取り組んでおります。
当社の経営者は、円滑な事業活動に必要な水準の流動性の確保と財務の健全性維持を資金調達の基本方針としております。
当社は、上記の資金調達の基本方針に則り、国内金融機関との間で長期間に亘って築き上げてきた幅広く良好な関係に基づき、短期借入金を中心に必要資金を調達しております。
直接金融または間接金融の多様な手段の中から、その時々の市場環境も考慮した上で当社にとって有利な手段を機動的に選択し、資金調達を行っております。
当事業年度末の現金及び現金同等物は44億60百万円となりました。この現金及び現金同等物の過半は円建てであり、円滑な事業活動に必要な流動性を充分に満たしていると認識しています。
(ファイン製品部門)
売上高は、医農薬関連化学品、機能性化学品を中心に増加してきており、当社の方針に沿って進捗しております。
営業利益は、原料コスト上昇の影響がありましたが、販売数量の増加、固定費削減及び光学材料関連の新製品の販売などが寄与し前事業年度に比べ増益となりました。
この部門の資産合計は203億84百万円となり、前事業年度末の175億23百万円から28億61百万円増加しました。これは、ファイン製品製造設備新設による固定資産の増加などによります。
ファイン製品部門は、更なる事業拡大を図るべく、設備投資を行っていきます。また、研究開発を強力に推し進め、新製品の開発、新製品の早期上市に努めてまいります。
(化成品部門)
売上高は、ペンタエリスリトール類の事業譲渡に伴う輸出の減少を想定していたものの、予想を超えて国内関連需要が減少し、国内、輸出ともに前事業年度に比べ減収となりました。
営業利益は、原料価格上昇に対応した売価是正を進めましたが、販売数量の大幅な減少により前事業年度に比べ減益となりました。
今後は、国内関連需要のシェア回復及び売価是正に努めてまいります。
この部門の資産合計は15億29百万円となり、前事業年度末の23億36百万円から8億8百万円減少しました。これは、ペンタエリスリトール類の事業譲渡に伴う棚卸資産の減少などによります。
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契約会社名 |
相手方の名称 |
借地 |
借地面積(㎡) |
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広栄化学工業株式会社 |
住友化学株式会社 |
千葉工場用地(千葉県市原市) ※ |
10,453 |
|
千葉工場用地(千葉県袖ケ浦市) |
120,730 |
||
|
駐車場(千葉県袖ケ浦市) |
2,480 |
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計 |
133,663 |
※平成30年5月31日を以って、賃貸借契約を終了しました。
当社は、常に独創技術の開発を理念として、新製品の開発からプロセスの合理化に至るまで、積極的な研究開発活動に取り組んでおります。
研究部門は、研究所及び生産技術部から構成されております。更に、国内外の企業・大学・研究機関など、社外との共同研究を積極的に展開し、高度技術の修得と新規コアテクノロジーの確立に努めております。
当事業年度の研究開発費の総額は8億71百万円となりました。
主に研究所及び生産技術部が中心となって、医薬中間体及び機能性材料等の新製品の開発や合理化研究に取り組んでおります。当事業年度の主な成果として、主要ピリジン誘導体、アミン類のプロセス合理化及び新技術の開発が大きく進展しました。機能性材料であるポリマー合成触媒用有機金属錯体化合物についてはプロセス合理化を中心に展開、イオン液体化合物については、従来の電解質や電子材料用途に加え新規分野への展開に進展が見られました。
主に、生産技術部が中心となって、プロセス合理化に取り組んでおります。