文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2019年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。
当社は、長年培ってきた含窒素有機化合物群におけるコアテクノロジーをさらに進化させるほか、新たなコアテクノロジーの確立を図ることにより、新しい柱としての基幹化合物、機能製品、気相製品を創出し、高付加価値高機能製品を提供してまいります。これらを通じて社会の発展に貢献するとともに、株主の皆様のために公正な収益活動を営み、併せて地域社会と協調し、あらゆる取引先等の信頼と期待に応え、また従業員にとりまして働きがい、生きがいの感じられる企業を目指します。
当社を取り巻く環境
今後の見通しにつきましては、設備投資や個人消費など堅調な国内需要に支えられ、緩やかな回復基調の持続が見込まれる一方、中国経済やIT関連需要の減速が当面継続することが懸念されることに加え、国内では消費増税を控えているなど、先行き不透明な状況が続くことが予想されます。
このような状況におきまして、当社は、引き続き拡販及び競争力の強化に一層注力するとともに、新製品の早期上市に取り組み、収益改善に努めてまいります。
2019年度~2021年度中期経営計画(Transformation KOEI)
「KOEI 2021~伝承と挑戦~」
当社は2019年度を初年度とする中期経営計画を策定いたしました。中期経営計画では、「KOEI 2021 ~伝承と挑戦~」をスローガンとし、100年の歴史で培ってきた「変えずに伝承していくもの」と「新たに挑戦し革新していくもの」を融合して、新たな広栄化学を生み出すことを目指します。
中期経営計画基本方針及び数値目標は以下の通りです。
① 早期上市に向けて、次世代製品の開発を加速する。
② 既存事業の競争力を強化し、事業及び収益を拡大する。
③ 業務プロセスを見直し、高付加価値業務へシフトすると共に、働き方を変革する。
④ 安全・安定操業を確保し、コンプライアンスを遵守する。
⑤ 事業拡大のための投資を積極的に行い、経営基盤を強化する。
⑥ 事業拡大に必須となる人的資源の確保(採用、育成)に万全を期す。
「安全・安定操業の確保」、「コンプライアンスの遵守」、「人的資源の確保」という企業としてのベースを確実に実行した上で、「次世代製品の開発」、「既存事業の競争力強化」、「業務プロセスの見直し」を三位一体として、事業及び収益の拡大を目指します。また、事業拡大のための投資についても積極的に行ってまいります。
次世代製品は、現在開発中のウレタン硬化触媒(URECKOⓇ)をはじめとする新規自前製品であり、本中期計画期間中に事業化すべく取り組んでおります。
この3年間で150億円の設備投資を計画しております。主な設備投資は、新マルチプラント(CMⅣ)建設及びアミンプラント(SA)再構築の2件です。
マルチプラント系列(CMⅠ、CMⅡ、CMⅢ)は需要拡大が続いており、フル稼働の状態です。需要拡大に伴う増強及び次世代製品生産のためのプラントとして、新マルチプラント(CMⅣ)建設計画を検討しております。2019年度末までに意思決定を行い、2021年度末に完工予定です。
アミンプラントは建設から約50年経過し、老朽化が著しい状況です。今後、事業を継続していくためには大規模な更新が必要な時期にきております。今回の再構築では、主要機器の抜本的な更新を予定しており、この更新を機に、生産性向上、自動化、省力化及び安全性強化を図り、アミン事業の競争力を強化いたします。2019年度に着手し、2024年度に全ての更新が完了する計画です。
当社の経営成績、財務状況等(株価を含む)に影響を及ぼすリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2019年3月31日)現在において当社が判断したものであり、また本記載は将来発生し得るすべてのリスクを網羅したものではありません。
当社は輸出売上高の比率が高く、その多くは外貨建で取引を行っているため、当該通貨に対して円高が進行した場合、輸出債権回収額が減少することになります。円高の進行は当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の主要原料のうち、アセトアルデヒドやメタノール等の原料価格は市況で変動するため、その価格の上昇を製品価格に転嫁できなかった場合は、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社の事業は、厳しい価格競争に直面しております。国内企業との競争のほか、インドや中国等の安価な海外品との競争により、製品価格や販売シェアが低下し、この影響がコストの削減を上回った場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社にとって、新製品の開発、上市は最重要課題のひとつでありますが、ユーザー事情、厳しい競争環境等の不確定要素が大きいため、目標どおり進捗しなかった場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、安全、安定操業の徹底を図り、製造設備の停止や設備に起因する事故などによる潜在的なリスクを最小化するために、すべての設備について定期的な点検を実施しております。しかし、万一製造設備で発生する事故、地震、噴火、津波等自然災害により人的、物的被害が生じた場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
その他、当社には、退職給付債務の変動リスク、金利変動及び株式相場変動リスク、重大な製品欠陥等に係る品質リスク、知的財産や製造物責任などに係る訴訟リスク、環境問題に係る法的規制の強化リスク、取引先に対する債権の貸倒リスク、情報システムへの不正侵入リスク、情報漏洩によるリスク、インフルエンザ等疫病による人的被害のリスクなどがあり、これらのリスクが顕在化した場合は、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当事業年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前事業年度との比較・分析を行っております。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当事業年度のわが国経済は、相次ぐ自然災害の影響があったものの、企業収益の改善により設備投資は底堅く推移し、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、景気は緩やかな回復基調が続きました。一方、中国経済及びIT関連需要の減速を背景に景況感が悪化するなど、先行き不透明な状況が続いております。
当社製品関連分野におきましては、ファイン製品関係は医農薬関連需要が伸び悩んだものの、電子材料関連需要が好調に推移しました。化成品関係では市況の上昇により小幅な改善が見られました。
このような情勢のもとで、当社は、売価是正、拡販に取り組むとともに、コスト削減に注力し、全社を挙げて収益確保に努めてまいりました。
この結果、当事業年度の売上高は前事業年度に比べ微増の183億9百万円(前事業年度比0.9%増収)となりました。利益面におきましては、原料コスト上昇、修繕費など固定費増加により、営業利益は11億69百万円(前事業年度比23.4%減益)、経常利益は13億61百万円(前事業年度比20.1%減益)、当期純利益につきましては、減損損失を計上した結果、9億60百万円(前事業年度比82.3%減益)となりました。
(部門別売上高)
セグメントの状況は、次のとおりであります。
(ファイン製品部門)
医農薬関連化学品は、欧州向け医薬中間体の販売は堅調に推移したものの、農薬関連製品の需要が減少し減収となりました。機能性化学品は、電子材料関連需要が好調に推移し増収となりました。
この結果、当セグメントの売上高は143億80百万円(前事業年度比0.6%増)、営業利益は12億3百万円(前事業年度比11.8%減)となりました。
(化成品部門)
多価アルコール類は、市況上昇による売価是正を進め増収となりました。その他化成品は原料価格変動による売価上昇がありましたが、販売数量が減少しました。利益面においては、製造コストの上昇などにより減益となりました。
この結果、当セグメントの売上高は39億28百万円(前事業年度比2.2%増)、営業損失は33百万円(前事業年度は1億63百万円の利益)となりました。
当事業年度末の総資産は293億23百万円となり、前事業年度末に比べ1億20百万円増加しました。
流動資産は、棚卸資産が増加しましたが、法人税等の支払及び設備投資による預け金の減少により、前事業年度末に比べ11億64百万円減少し、137億33百万円となりました。
固定資産は、ファイン製品製造設備の増強などにより、前事業年度末に比べ12億84百万円増加の155億89百万円となりました。
流動負債は、買掛金が増加しましたが、未払法人税等の減少により、前事業年度末に比べ5億5百万円減少し、62億73百万円となりました。
固定負債は、長期預り金の減少により、前事業年度末に比べ44百万円減少し、29億18百万円となりました。
この結果、負債合計は91億91百万円となり、前事業年度末に比べ5億50百万円減少しました。
純資産は201億31百万円となり、前事業年度末に比べ6億70百万円増加しました。自己資本比率は前事業年度末の66.6%から68.7%となりました。
当事業年度の現金及び現金同等物の期末残高は24億24百万円となり、前事業年度末の44億60百万円から20億35百万円減少しました。これは営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローが、法人税等の支払及び固定資産の取得による支出などにより17億29百万円の支出となったことによります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益は12億71百万円となり、減価償却費12億79百万円を計上しましたが、法人税の支払及び営業活動に係る運転資金の増減などにより7億29百万円の収入(前事業年度は9億77百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、ファイン製品製造設備増強など固定資産の取得による支出により24億59百万円の支出(前事業年度は41億49百万円の収入)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払により3億3百万円の支出(前事業年度は14億62百万円の支出)となりました。
当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は原則的に過去の販売実績と将来の予想に基づいて見込生産を行っております。
当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、原則として財務諸表に基づいて分析した内容であります。なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2019年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この財務諸表の作成にあたって、過去の実績や当事業年度末の状況に応じて合理的と考えられる方法に基づき、貸倒引当金、賞与引当金、退職給付引当金、繰延税金資産等に関する見積り及び判断を行っております。これら見積り等については、見積り特有の不確実性を伴うため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5〔経理の状況〕の財務諸表の「重要な会計方針」に記載しております。
(売上高と営業利益)
当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ1億64百万円増加し、183億9百万円となりました。セグメント別には、ファイン製品部門の売上高は前事業年度に比べ0.6%増収の143億80百万円となりました。化成品部門の売上高は前事業年度に比べ2.2%増収の39億28百万円となりました。
当事業年度の売上原価は、原料コスト上昇、修繕費など固定費増加により前事業年度に比べ5億2百万円増加し、143億24百万円となりました。販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ19百万円負担が増加し、28億15百万円となりました。この結果、営業利益は11億69百万円となり、前事業年度に比べ3億57百万円減益となりました。
(営業外損益と経常利益)
営業外収益は、為替差益を計上したことにより、前事業年度に比べ34百万円増加し2億91百万円となりました。営業外費用は、固定資産除却損の増加により、前事業年度に比べ18百万円増加の99百万円となりました。この結果、当事業年度の営業外損益は1億92百万円の利益となり、前事業年度に比べ16百万円改善しました。
これにより、経常利益は13億61百万円となり、前事業年度の17億3百万円から3億41百万円の減益となりました。
(特別損益と当期純利益)
特別利益14百万円(設備停止引当金戻入額)、特別損失1億4百万円(一部の化成品設備の減損損失)を計上した結果、税引前当期純利益は12億71百万円となり、前事業年度の77億93百万円から65億21百万円の減益となりました。法人税、住民税及び事業税2億71百万円及び法人税等調整額39百万円を控除した結果、当期純利益は9億60百万円となり、前事業年度に比べ44億81百万円の減益となりました。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、以下の通りと考えております。
(為替レートの変動による影響)
当社は輸出売上高の比率が高く、その多くは外貨建で取引を行っているため、当該通貨に対して円高が進行した場合、輸出売上高が減少することになりますので、このようなリスクに対して適宜、為替予約を実施して、短期的なリスクをヘッジするように努めております。また、原料購入を外貨建に切り替えること等により、為替脆弱性の軽減を図るように努めております。
(原料価格の変動による影響)
当社の主要原料のうち、アセトアルデヒドやメタノール等の原料価格は市況で変動するため、原燃料価格の動向を注視し、適正な製造原価への見直しを行うと共に、売価是正に努めております。
(製品価格やシェアの変動による影響)
当社の事業は、国内企業との競争のほか、インドや中国等の安価な海外品との競争など、厳しい価格競争に直面しております。製品価格や販売シェアが低下し、この影響がコストの削減を上回った場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。このため、設備投資による工場の競争力の強化・合理化を推進し、コスト削減を行うと共に、環境問題並びに製品の安全性、品質の確保に注力し、顧客の期待に応えられる信頼性の高い製品を供給すべく努めております。
(新製品の開発に係るリスク)
当社にとって、新製品の開発、上市は最重要課題のひとつであります。営業部門、研究開発部門を中心に次世代新製品の開発、早期上市を重要課題として取り組んでおります。
当社の経営者は、円滑な事業活動に必要な水準の流動性の確保と財務の健全性維持を資金調達の基本方針としております。
当社は、上記の資金調達の基本方針に則り、国内金融機関との間で長期間に亘って築き上げてきた幅広く良好な関係に基づき、短期借入金を中心に必要資金を調達しております。
直接金融または間接金融の多様な手段の中から、その時々の市場環境も考慮した上で当社にとって有利な手段を機動的に選択し、資金調達を行っております。
当事業年度末の現金及び現金同等物は24億24百万円となりました。この現金及び現金同等物の過半は円建てであり、円滑な事業活動に必要な流動性を充分に満たしていると認識しています。
(ファイン製品部門)
売上高は、医農薬関連化学品は需要減少により伸び悩みましたが、機能性化学品は電子材料関連製品を中心に順調に増加してきており、当社の方針に沿って進捗しております。
営業利益は、原料コスト上昇、修繕費など固定費増加により前事業年度に比べ減益となりました。
この部門の資産合計は226億58百万円となり、前事業年度末の203億84百万円から22億73百万円増加しました。ファイン製品製造設備増強による固定資産の増加などによります。
ファイン製品部門は、更なる事業拡大を図るべく、設備投資を行っていきます。また、研究開発を強力に推し進め、新製品の開発、早期上市に努めてまいります。
(化成品部門)
売上高は、販売数量は減少したものの、市況上昇による売価是正を進め、増収となりました。
営業利益は、原料価格上昇に対応した売価是正を進めましたが、製造コストの上昇分をカバーできず前事業年度に比べ減益となりました。
今後は、国内関連需要のシェア回復及び売価是正に努めてまいります。
この部門の資産合計は16億3百万円となり、前事業年度末の15億29百万円から74百万円増加しました。
※2018年5月31日を以って、賃貸借契約を終了しました。
当社は、常に独創技術の開発を理念として、新製品の開発からプロセスの合理化に至るまで、積極的な研究開発活動に取り組んでおります。
研究部門は、研究所及び生産技術部から構成されており、医薬中間体、機能性材料、有機金属錯体等の新規受託案件の工業化研究、イオン液体等の自前機能材料の開発に加え既存製品の合理化研究に取り組んでおります。
また、社内だけでなく、国内外の企業・大学・研究機関など、社外との共同研究を積極的に活用し、高度技術の修得と新規コアテクノロジーの確立に努めております。
当事業年度の研究開発費の総額は
主に研究所及び生産技術部が中心となって、医薬中間体及び機能性材料等の新製品の開発や合理化研究に取り組んでおります。当事業年度の主な成果として、主要ピリジン誘導体、アミン類のプロセス合理化及び新技術の開発が大きく進展しました。機能性材料であるポリマー合成触媒用有機金属錯体化合物についてはプロセス合理化を中心に展開、イオン液体化合物については、従来の電解質や電子材料用途に加え新規分野への展開に進展が見られました。当事業年度における研究開発費の金額は
主に、生産技術部が中心となって、プロセス合理化に取り組んでおります。当事業年度における研究開発費の金額は