第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当事業年度末(2021年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。

(1)経営方針

当社は、長年培ってきた含窒素有機化合物群におけるコアテクノロジーをさらに進化させるほか、新たなコアテクノロジーの確立を図ることにより、新しい柱としての基幹化合物、機能製品、気相製品を創出し、高付加価値高機能製品を提供してまいります。これらを通じて社会の発展に貢献するとともに、株主の皆様のために公正な収益活動を営み、併せて地域社会と協調し、あらゆる取引先等の信頼と期待に応え、また従業員にとりまして働きがい、生きがいの感じられる企業を目指します。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題等

当社を取り巻く環境

今後の見通しにつきましては、全世界に広がった新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だ不透明であるものの、各国におけるワクチン接種の進展や、米国の大型財政政策等により、緩やかな回復基調を辿ることが期待されますが、一方で新型コロナウイルス変異株の拡大懸念もあり、経営環境は厳しい状況が続くものと予想されます。

このような状況におきまして、当社は引き続き売価是正、拡販に取り組み、収益の確保を図るとともに、中期経営計画に掲げた課題を着実に実行し、事業環境に左右されない強い事業基盤をもった会社を目指してまいります。

① 中期経営計画進捗

2020年度は、売上高目標207億円に対し、新型コロナウイルス感染症治療薬原材料の販売など医薬関連需要が堅調に推移した一方で、機能性化学品及びその他ファイン製品の需要が減少し175億89百万円と伸び悩みました。営業利益は、交易条件の好転や医薬関連の販売増加等により中期経営計画での目標13億円に対し14億84百万円と増加しました。

2021年度は、現中期経営計画の最終年度に当たり、売上高200億円、営業利益20億円の目標を上げておりますが、これに対して売上高165億円、営業利益5億円と減収減益となる見込みです。

主な要因としては、次世代製品の販売が2022年度以降にずれ込むことに加え、電材製品、光学材料製品、農薬製品等、一部既存製品の需要の回復が遅れていることによるものです。また、2021年度の操業計画は、定期修繕の時期変更に伴い春季と冬季に2回予定しており、操業可能日数が大幅に減少するなどの特殊要因もございます。

したがって、2021年度はこれまで以上に厳しい事業環境でありますが、現中期経営計画で掲げた重要課題を着実に遂行するとともに新製品開発及び経営効率化を加速し、業績水準の回復に向け全社一丸となって取り組んでまいります。

② マルチプラント系列(CMⅣ)増強工事及び工場再構築の進捗

・CMⅣプラントの建設工事

当社は2020年5月に、86億円を投じ、4系列目となるマルチプラント(CMⅣ)の建設を決定いたしました。2021年3月に現地工事を着工し、計画通り2022年9月の操業スタートを目指しております。

・工場再構築

アミン類、ピリジン類、ホルマリンの既存品プラントは、操業から約50年経過しております。これまで以上に安定的な収益を確保するためには、工場再構築が必要不可欠となっており、継続的に実施し、生産性向上、自動化、省力化を進め競争力向上を図ってまいります。

③ 新中期経営計画策定に向けて

今年度は、次期(2022年度~2024年度)中期経営計画を策定します。マルチプラントの増強に加え、工場再構築、研究開発の推進等により付加価値の高い事業ポートフォリオの構築を進めると共に、財務基盤の更なる強化を図ってまいります。

従業員一人一人が、広栄化学の安定的・持続的成長を目指し、より一層の企業価値向上に向け取り組んでまいります。

 

2 【事業等のリスク】

当社の経営成績、財務状況等(株価を含む)に影響を及ぼすリスクには以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであり、また本記載は将来発生し得るすべてのリスクを網羅したものではありません。

 

(1) 為替レートの変動に係るリスク

当社は輸出売上高の比率が高く、その多くは外貨建で取引を行っているため、当該通貨に対して円高が進行した場合、輸出債権回収額が減少することになります。円高の進行は当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原料価格の変動に係るリスク

当社の主要原料のうち、アセトアルデヒドやメタノール等の原料価格は市況で変動するため、その価格の上昇を製品価格に転嫁できなかった場合は、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 製品価格やシェアの変動に係るリスク

当社の事業は、厳しい価格競争に直面しております。国内企業との競争のほか、インドや中国等の安価な海外品との競争により、製品価格や販売シェアが低下し、この影響がコストの削減を上回った場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 新製品の開発に係るリスク

当社にとって、新製品の開発、上市は最重要課題のひとつでありますが、ユーザー事情、厳しい競争環境等の不確定要素が大きいため、目標どおり進捗しなかった場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 事故、災害の発生に係るリスク

当社は、安全、安定操業の徹底を図り、製造設備の停止や設備に起因する事故などによる潜在的なリスクを最小化するために、すべての設備について定期的な点検を実施しております。しかし、万一製造設備で発生する事故、地震、噴火、津波等自然災害により人的、物的被害が生じた場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) その他のリスク

新型コロナウイルス感染拡大の影響

当社は、新型コロナウイルス感染症に対して、顧客、取引先及び社員の安全第一を考え、また更なる感染拡大を防ぐために、手洗い、うがい、咳エチケットの徹底をはじめとして、感染リスクが高い国、地域への海外出張の原則禁止、国内出張の自粛、テレワーク(在宅勤務)などの対応を実施しております。提出日現在、新型コロナウイルス感染拡大による業績への影響は軽微でありますが、今後、事態が長期化又は更なる感染拡大の状況が進行すれば、世界的な景気の悪化、サプライチェーン等への影響が懸念され、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

その他、当社には、退職給付債務の変動リスク、金利変動及び株式相場変動リスク、重大な製品欠陥等に係る品質リスク、知的財産や製造物責任などに係る訴訟リスク、環境問題に係る法的規制の強化リスク、取引先に対する債権の貸倒リスク、情報システムへの不正侵入リスク、情報漏洩によるリスク、インフルエンザ等疫病による人的被害のリスクなどがあり、これらのリスクが顕在化した場合は、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当事業年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大の影響を受け、経済活動の停滞や個人消費の低迷が続くなど、厳しい状況で推移しました。政府による景気対策などの効果や、段階的に社会経済活動が再開されたことなどにより一時的な回復の兆しが見えたものの、新型コロナウイルス感染症が再び拡大傾向にあるほか、新型コロナウイルス変異株の割合が増えており、依然として先行きは不透明な状況が続いております。

当社製品関連分野におきましては、ファイン製品関係は医薬関連、電子材料関連及び触媒関連需要が堅調に推移したものの、光学材料関連や農薬関連製品の出荷減少に加え、その他ファイン製品の国内関連需要も減少しました。化成品関係では塗料・樹脂など国内関連需要が大幅に減少しました。

このような情勢のもとで、当社は、売価是正、拡販に注力するとともに、生産の合理化・効率化による製造原価低減など一層のコスト削減に取り組み、全社を挙げて収益確保に努めてまいりました。

この結果、当事業年度の売上高は175億89百万円前事業年度比5.1%減収)となりました。利益面では、新型コロナウイルス感染症治療薬原材料など、収益性が高い医薬中間体の販売増加や原料コストが低下しましたが、労務費、修繕費及び減価償却費など固定費の増加により営業利益は14億84百万円前事業年度比20.0%減益)、経常利益は16億78百万円前事業年度比16.8%減益)となりました。当期純利益につきましては、株式売却による特別利益8億71百万円、固定資産除却損など97百万円を特別損失にそれぞれ計上した結果18億51百万円前事業年度比18.1%増益)となりました。

 

(部門別売上高)

 

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

前事業年度

当事業年度

増  減

製品グループ

金額

構成比

金額

構成比

金額

増減率

 

 

 

 

 

医農薬関連化学品

6,507

35.1

6,784

38.6

276

4.3

機能性化学品

(注)6,808

36.8

6,766

38.5

△42

△0.6

その他

2,202

11.9

1,805

10.2

△396

△18.0

15,518

83.8

15,356

87.3

△162

△1.0

 

多価アルコール類

2,739

14.8

2,002

11.4

△736

△26.9

その他

(注)  270

1.4

230

1.3

△40

△15.0

3,010

16.2

2,233

12.7

△776

△25.8

合 計

18,528

100.0

17,589

100.0

△939

△5.1

 

(注) 従来、化成品部門のその他に含めていた自製ホルマリンの売上高は、当事業年度からファイン製品部門の機能性化 

   学品に含め表示しております。これに伴い、前事業年度における自製ホルマリンの売上高413百万円を、化成品部

     門のその他からファイン製品部門の機能性化学品に組替えております。

 

 

セグメントの状況は、次のとおりであります。

(ファイン製品部門)

医農薬関連化学品は、農薬関連製品の出荷が減少したものの、欧州向けの医薬中間体や新型コロナウイルス感染症治療薬原材料の販売など、医薬関連需要が堅調に推移し増収となりました。機能性化学品は電子材料関連製品や触媒関連製品の出荷は増加しましたが、光学材料関連製品の販売が大幅に減少しました。その他ファイン製品は、新型コロナウイルス感染症拡大による外出自粛の影響で印刷インキ関係の樹脂や添加剤などの国内関連需要が減少しました

この結果、当セグメントの売上高は153億56百万円(前事業年度比1.0%減収)、営業利益は14億9百万円(前事業年度比20.0%減益)となりました。

 

(化成品部門)

多価アルコール類は、新型コロナウイルス感染症の影響で、塗料・樹脂など国内関連需要が大幅に減退したことに加え、一部のリセール品の販売を終了したことにより減収となりました

この結果、当セグメントの売上高は22億33百万円(前事業年度比25.8%減収)、営業利益は75百万円(前事業年度比19.0%減益)となりました。

 

流動資産は、たな卸資産が増加しましたが、売掛金及び預け金の減少などにより、前事業年度末に比べ8億30百万円減少し、129億40百万円となりました。 

固定資産は、株式売却により投資有価証券が減少しましたが、ファイン製品製造設備の新設など建設仮勘定の増加により、前事業年度末に比べ30億86百万円増加191億17百万円となりました。

この結果、総資産は、前事業年度末に比べ22億55百万円増加320億58百万円となりました。

流動負債は、設備関係未払金が増加しましたが、買掛金、未払金及び未払法人税等の減少などにより、前事業年度末に比べ6億40百万円減少し、54億39百万円となりました。 

固定負債は、ファイン製品製造設備建設を目的として長期借入金20億円を調達し、前事業年度末に比べ18億26百万円増加45億51百万円となりました。 

この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ11億86百万円増加99億91百万円となりました。

純資産は、当期純利益の計上及び配当金の支払いにより、前事業年度末に比べ10億69百万円増加220億66百万円となりました。自己資本比率は前事業年度末の70.5%から68.8%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度の現金及び現金同等物の期末残高は2億60百万円となり、前事業年度末の6億88百万円から4億27百万円減少しました。これは営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローが、固定資産の取得による支出などにより19億85百万円の支出となったことによります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益を24億52百万円、減価償却費を16億1百万円計上しましたが、投資有価証券売却益の調整8億71百万円や法人税等の支払8億12百万円により、19億22百万円の収入(前事業年度は7億76百万円の収入)となりました。 

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入がありましたが、ファイン製品製造設備新設など総額49億1百万円の固定資産の取得による支出により、39億8百万円の支出(前事業年度は22億30百万円の支出)となりました。 

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入により、15億58百万円の収入(前事業年度は2億80百万円の支出)となりました。

 

 

③ 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

ファイン製品部門

16,372,190

0.1

化成品部門

3,782

△72.1

合計

16,375,973

0.1

 

(注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

④ 受注状況

当社は原則的に将来の予想に基づいて見込生産を行っております。

 

⑤ 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前期比(%)

ファイン製品部門

15,356,553

△1.0

化成品部門

2,233,015

△25.8

合計

17,589,569

△5.1

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容は、原則として財務諸表に基づいて分析した内容であります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社の財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。
 財務諸表作成にあたり、当社が採用している会計方針において使用している重要な会計上の見積り及び前提条件は、以下のとおりであります。

(貸倒引当金)

当社は、支払実績及び信用情報等を査定して販売先から営業担保を預っており、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に債権の回収可能性を検討して貸倒引当金を計上しております。

販売先の財務状況及び支払能力に重要な変動が生じた場合、これらの貸倒引当金の見積りに重要な影響を及ぼす可能性があります。

(たな卸資産)

当社は、たな卸資産の貸借対照表価額については、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により計上しております。

当社は、得意先の需要予測に基づき生産計画を策定しており、また、当社の生産設備であるマルチプラントでは、生産切替回数増加によるロスを極力抑えたまとめ生産を行っております。このため、生産から販売まで長期間を要する場合があります。長期保有在庫の販売予測の見積りにおいては、将来の販売時期及び数量が重要な構成要素となりますが、これらは国内外における需要等の外部経営環境の影響を受けることから不確実性を伴い、見積りにおける仮定の選択に係る判断が長期保有在庫の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(投資の評価)

当社は、長期的な取引関係の維持・強化のため株式を所有しております。当社は、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合に株式の減損処理を実施しております。時価のある「その他有価証券」については、期末時価が帳簿価額を50%以上、若しくは3期連続で30%以上50%未満下回った場合に減損処理を実施しております。また、時価のない「その他有価証券」については、原則として評価対象となる純資産額が帳簿価額を50%以上下回った場合に減損処理を実施しております。
 将来の株式市場の動向、投資先の業績動向によりこれら投資の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(繰延税金資産)

当社は、繰延税金資産の計上にあたり、今後の事業計画及び将来減算(加算)一時差異の解消スケジュール等を基に合理的で実現可能なタックス・プランニングを検討し、将来の課税所得等の予測を行っております。その結果、将来実現が困難と判断される繰延税金資産については、評価性引当額を計上しております。
 将来の業績及び課税所得実績の変動等により、繰延税金資産の計上に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(退職給付費用及び債務)

当社の従業員退職給付費用及び債務は、年金数理計算上で設定される前提条件に基づいて計上しております。この前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率が含まれており、退職給付債務を計算する際に用いる数理上の前提の変更、年金制度の変更による未認識の過去勤務費用の発生等により、退職給付費用及び債務の算定に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(減損損失)

当社は、収益性の低下や時価の下落といった減損の兆候の見られる固定資産については、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて減損処理を実施しております。
 将来の収益性の低下や時価の下落等により、これら固定資産の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(受注損失引当金)

当社は、受注契約のうち損失が発生する可能性が高く、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能な受注契約について、損失見込額を受注損失引当金として計上しております。

将来の市場環境の変動等により製造原価が見積原価を超過することが見込まれる場合、追加の受注損失又は引当金計上が必要となる可能性があります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(売上高、売上原価、売上総利益と営業利益)

当事業年度の売上高は、前事業年度に比べ9億39百万円減少し、175億89百万円となりました。セグメント別には、ファイン製品部門の売上高は前事業年度に比べ1.0%減収153億56百万円となりました。化成品部門の売上高は前事業年度に比べ25.8%減収22億33百万円となりました。

当事業年度の売上原価は、修繕費及び減価償却費など固定費は増加しましたが、原料コストの低下、販売数量の減少などにより、前事業年度に比べ6億26百万円減少し、130億円となりました。

この結果、売上総利益は、収益性が高い医薬中間体の販売増加や原料コストが低下しましたが、光学材料関連製品やその他ファイン製品の販売数量が減少したことに加え、固定費が増加したことより、前事業年度に比べ3億12百万円減益の45億89百万円となりました。

販売費及び一般管理費は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う出張自粛の影響により、旅費交通費が減少しましたが、労務費の増加などにより、前事業年度に比べ57百万円負担が増加し、31億4百万円となりました。この結果、営業利益は14億84百万円となり、前事業年度に比べ3億70百万円減益となりました。

 

 

(営業外損益と経常利益)

営業外収益は、当事業年度末に円安が進行したため為替差益に転じましたが、多価アルコール類の需要減少による受取補償金の減少などにより、前事業年度に比べ24百万円減少2億9百万円となりました。営業外費用は、固定資産除却損が減少したため、前事業年度に比べ56百万円減少15百万円となりました。この結果、当事業年度の営業外損益は前事業年度に比べ32百万円増加の1億93百万円の利益となりました。

これにより、経常利益は16億78百万円となり、前事業年度の20億16百万円から3億38百万円の減益となりました。

 

(特別損益と当期純利益)

特別利益8億71百万円(投資有価証券売却益)、特別損失97百万円(固定資産除却損、設備撤去引当金繰入額)を計上した結果、税引前当期純利益は24億52百万円となり、前事業年度の21億円から3億52百万円の増益となりました。法人税、住民税及び事業税6億18百万円及び法人税等調整額△16百万円を控除した結果、当期純利益は18億51百万円となり、前事業年度に比べ2億83百万円の増益となりました。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因

当社の経営成績に重要な影響を与える要因は、以下のとおりと考えております。

(為替レートの変動による影響)

当社は輸出売上高の比率が高く、その多くは外貨建で取引を行っているため、当該通貨に対して円高が進行した場合、輸出売上高が減少することになりますので、このようなリスクに対して適宜、為替予約を実施して、短期的なリスクをヘッジするように努めております。また、原料購入を外貨建に切り替えること等により、為替脆弱性の軽減を図るように努めております。

 

(原料価格の変動による影響)

当社の主要原料のうち、アセトアルデヒドやメタノール等の原料価格は市況で変動するため、原燃料価格の動向を注視し、適正な製造原価への見直しを行うと共に、売価是正に努めております。

 

(製品価格やシェアの変動による影響)

当社の事業は、国内企業との競争のほか、インドや中国等の安価な海外品との競争など、厳しい価格競争に直面しております。製品価格や販売シェアが低下し、この影響がコストの削減を上回った場合、当社の経営成績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。このため、設備投資による工場の競争力の強化・合理化を推進し、コスト削減を行うと共に、環境問題並びに製品の安全性、品質の確保に注力し、顧客の期待に応えられる信頼性の高い製品を供給すべく努めております。

 

(新製品の開発に係るリスク)

当社にとって、新製品の開発、上市は最重要課題のひとつであります。営業部門、研究開発部門を中心に次世代新製品の開発、早期上市を重要課題として取り組んでおります。

 

(新型コロナウイルス感染症による影響

新型コロナウイルス感染症の収束時期については不確実性があり不透明であるものの、当社の事業及び業績への影響は軽微であると判断しております。しかしながら、今後の新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外部環境の変化などにより、当社の業績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

④ 資本の財源及び資金の流動性の分析

当社は、円滑な事業活動に必要な水準の流動性の確保と財務の健全性維持を資金調達の基本方針としております。

当社は、上記の資金調達の基本方針に則り、国内金融機関との間で長期間に亘って築き上げてきた幅広く良好な関係に基づき、短期借入金及び長期借入金により必要資金を調達しております。

直接金融又は間接金融の多様な手段の中から、その時々の市場環境も考慮した上で当社にとって有利な手段を機動的に選択し、資金調達を行っております。

なお、ファイン製品製造設備(CMⅣプラント)を2021年3月に着工済みであり、今後も所要資金を金融機関から調達する計画であります。

 

⑤ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

 

4 【経営上の重要な契約等】

土地賃貸借契約

契約会社名

相手方の名称

借地

借地面積(㎡)

広栄化学株式会社
(当社)

住友化学株式会社

千葉工場用地(千葉県袖ケ浦市)

120,730

駐車場(千葉県袖ケ浦市)

2,480

 

 

123,209

 

 

5 【研究開発活動】

当社は、常に独創技術の開発を理念として、新製品の開発からプロセスの構築・合理化に至るまで、積極的な研究開発活動に取り組んでおります。

研究開発部門は、研究所及び生産技術部から構成されており、医農薬中間体、有機金属錯体等の受託案件の工業化研究、ウレタン関連製品・イオン液体等の自前機能性製品の開発に加え、既存製品の合理化研究に取り組んでおります。

また、社内だけでなく、国内外の企業・大学・研究機関などを積極的に活用し、高度技術の修得と新規コアテクノロジーの確立に努めております。

当事業年度の研究開発費の総額は1,007百万円となりました。

 

(1) ファイン製品部門

当事業年度の主な成果として、受託製品では、医農薬中間体や有機金属触媒/助触媒等の新規受託を拡大し、工業化に至っております。機能性製品では、近年取り組んでおりますウレタン関連製品の事業化、イオン液体の新規用途開発を推進しております。基幹製品でありますアミン類、ピリジン類におきましても、プロセス合理化及び新規誘導体開発を推進しております。当事業年度における研究開発費の金額は1,007百万円であります。