第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用所得の改善が見られるものの、個人消費については消費者マインドに足踏みがみられ、本格的な回復には至りませんでした。

海外では、米国経済は企業部門の一部に弱さも見られましたが、個人消費や民間設備投資が堅調で、景気回復基調が続いております。欧州経済は緩やかに回復しているものの、失業率や物価の動向、地政学的リスクの影響などに留意すべき状況が続いております。また、中国の景気減速による金融市場の不安定化や原油価格の下落が、アジア地域や新興資源国の経済成長を減速させました。

産業別には、国内の自動車業界は、税率変更の影響により軽自動車の販売落ち込みからの回復が遅れているものの、全体としては復活の兆しが見られます。また、建材業界では、消費税率引き上げの影響が一巡し、低迷が続いていた住宅着工件数も下げ止まりの兆しが見られます。家電業界においては、高付加価値品への買い替えが進み、回復傾向となりました。

このような環境の中、当社グループは、マーケットインの思想のもと営業体制を改組し、グローバルな視点で顧客ニーズを確実に捉えて受注に繋げることで、業績の向上に努めました。また、海外需要を確実に獲得する取り組みの一環として、ベトナム国の製造子会社の新設、中国のコンパウンド工場の増設および北米のコンパウンド工場の増設を進めました。

その結果、連結売上高は90,589百万円、前連結会計年度比(以下「前年同期比」)1.5%減少連結営業利益は5,084百万円(前年同期比39.2%増加)、連結経常利益は4,931百万円(前年同期比21.4%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,482百万円(前年同期比30.6%増加)となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

[コンパウンド]

国内のコンパウンド事業のうち、塩ビコンパウンドは、住宅向け建材市場、電材市場および自動車市場において、総じて本格的な受注の回復には至らず、また原材料価格の下落に伴う製品価格調整の影響もあり、減収となりました。エラストマ-コンパウンドは、主力の自動車市場において生産台数に回復が見られるものの、製品価格の調整もあり、売上が減少いたしました。生活資材市場では、医療・食品関係の売上が伸長いたしました。

海外においては、中国現地法人では経済成長率の鈍化により売上が低迷していましたが、後半、自動車市場で回復の兆しが見られました。また、タイ国現地法人では自動車市場、インドネシア国現地法人では電線市場が堅調に推移し、増収となりました。米国現地法人では、建材市場および自動車市場の好景気に支えられ、増収となりました。

利益面につきましては、国内での景気が横ばいとなる中、海外での需要を確実に取り込み、増益となりました。

その結果、売上高は63,889百万円(前年同期比1.6%増加)、セグメント利益は5,333百万円(前年同期比26.6%増加)となりました。

 

 

[フイルム]

国内のフイルム事業は、主力の建装材市場において、前半は長引く消費税率引き上げの影響と流通段階での在庫調整もあり売上は低迷いたしましたが、後半は新築住宅の着工および住宅リフォームの需要がともに上向いたため、売上は回復傾向となりました。非住宅市場では、積極的な投資が行われ、商業施設向けなどの製品を中心に好調に推移いたしました。しかしながら、慢性的な人手不足や資材の高騰により、着工ペースは鈍く、市場全体としては本格的な回復に至らず、売上が伸び悩みました。電材市場では、自動車用は堅調に推移したものの、一般家電用は中国経済の減速が大きく影響し、売上が減少いたしました。

輸出は、堅調に推移した米国向けにおいて後半よりやや陰りが見られ、欧州向けにおいて安価品の流入など市場構造が変化したことや大手顧客の在庫調整が長引いたことにより、売上が減少いたしました。また、アジア・オセアニア向けも、経済成長の減速により、低調な動きとなりました。

光学分野は、本格的に売上に寄与するまでには至りませんでしたが、新製品開発に注力した結果、一部販売を開始いたしました。

利益面につきましては、生産性合理化施策を推し進めましたが、新製品開発への投資と売上の減少に伴い、減益となりました。

その結果、売上高は12,006百万円(前年同期比13.7%減少)、セグメント損失は725百万円(前年同期は546百万円の損失)となりました。

 

[食品包材]

国内の食品包材事業は、実質所得の目減りに伴い個人消費が伸び悩む中、主要販売先であるレジャー・外食産業が需要期の天候不順により低調に終わったことなどにより、売上は低調に推移いたしました。また、低採算商品の見直しを断行したことも減収の一因となりました。利益面につきましては、製品価格の維持に加え、赤字品目の削減、生産コストや販売管理費の削減に努める中で、原材料価格の低下もあり、改善することができました。

中国現地法人では、代理店と連携した販路拡大活動により増収を確保し、生産性の向上や原材料価格の低下により増益となりました。

その結果、売上高は11,184百万円(前年同期比2.6%減少)、セグメント利益は582百万円(前年同期比750.0%増加)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ537百万円減少し、13,444百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ2,450百万円増加し、6,825百万円でした。その主な内容は、税金等調整前当期純利益4,334百万円、減価償却費3,265百万円、売上債権の減少1,513百万円等による資金の増加、退職給付に係る負債の減少1,897百万円、法人税等の支払1,411百万円等による資金の減少であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ2,134百万円増加し、6,607百万円でした。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出5,621百万円、無形固定資産の取得による支出616百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の支出は526百万円(前連結会計年度は2,088百万円の収入)でした。その主な内容は、長期借入による収入1,210百万円等による資金の収入、長期借入金の返済による支出1,484百万円や配当金の支払額(非支配株主への配当を含む)1,359百万円等による資金の支払であります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連会計年度
(自 平成27年4月1日
 至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

コンパウンド(千円)

62,508,534

127.9

フイルム(千円)

10,706,131

79.7

食品包材(千円)

6,964,976

96.1

 報告セグメント計(千円)

80,179,642

115.3

その他(千円)

3,138,264

92.3

合計(千円)

83,317,907

114.2

 

(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

コンパウンド

63,512,524

99.4

4,439,902

92.2

フイルム

11,819,087

88.5

1,229,902

86.8

食品包材

11,193,406

97.5

62,230

116.3

 報告セグメント計

86,525,018

97.5

5,732,034

91.1

その他

3,615,197

99.7

292,949

157.3

合計

90,140,215

97.6

6,024,983

93.1

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連会計年度
(自 平成27年4月1日
 至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

コンパウンド(千円)

63,889,493

101.6

フイルム(千円)

12,006,439

86.3

食品包材(千円)

11,184,703

97.4

 報告セグメント計(千円)

87,080,636

98.6

その他(千円)

3,508,444

96.7

合計(千円)

90,589,081

98.5

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、当連結会計年度をもちまして、グローバルな視点で顧客ニーズを確実に捉え業績向上を目指した3ヵ年中期経営計画を終了いたしました。従来のスピードをはるかに超えて変化する世界情勢に柔軟に対応し需要を確実に取り込むべく、従来の延長線ではなく次元を超えた取り組みを行うことで、主要課題の解決を実現してまいりました。

「コンパウンド事業の更なるグローバル展開」につきましては、当中期経営計画期間中において、インドネシア国での塩ビコンパウンド工場の増設、北米でのエラストマーコンパウンド工場の増設を行い、稼働を開始いたしました。また、中国および北米での塩ビコンパウンド工場の増設、ベトナム国での塩ビコンパウンド工場の新設を決定いたしました。重点市場と位置付けました自動車市場・医療ヘルスケア市場では、グローバルに拡販が進み、当社グループのプレゼンスを更に高めることができました。「フイルム事業の抜本的な立て直し」につきましては、建材市場でのリフォーム需要や高級壁装材等の非住宅市場での需要の取り込みにより、主力事業での安定黒字化を達成し、また、最適な生産体制の構築と徹底したコスト削減を目指し、海外でのOEM生産を開始いたしました。光学分野では、積極的な投資を行い、ディスプレイ市場での新製品の上市に至りました。「最適な営業推進体制の構築」につきましては、各市場に敏速に対応すべく、マーケットインの思想のもと国内の営業体制を従来の製品別組織から市場別組織へと改組し、顧客ニーズを確実に取り込むべく営業体制を整えました。「ソリューション事業の事業化実現」につきましては、マーケティング活動を広く展開したものの、本格的な事業化には至りませんでした。「徹底した人材育成」につきましては、グローバル人材育成を目指し、若手社員の早期海外派遣などを行いました。

これら主要課題への取り組みを行った結果、計数目標には届かなかったものの、当連結会計年度では、連結決算を開始して以来、連結経常利益において最高益を達成することができました。

さて、当社グループは、次期事業年度より新3ヵ年中期経営計画を開始いたします。新3ヵ年中期経営計画では、「ACT NOW! ACT TOGETHER! 2018」を経営方針とし、すべての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指してまいります。前3ヵ年中期経営計画における事業展開を更に発展させ、新たな取り組みを行ってまいります。

新3ヵ年中期経営計画の主要課題といたしましては、①全事業のグローバル経営の深化、②収益力・財務体質の強化、③革新的な生産体制の創造、④光学分野における事業化の確立、⑤戦略的な人材育成による企業基盤の強化の5つを掲げております。また、注力すべき重点市場として、①自動車、②医療ヘルスケア、③光学分野・ディスプレイ、④食品包材、⑤オリンピック関連需要を掲げて集中的に取り組んでまいります。

 

事業別には、コンパウンド事業では、自動車市場においてアジア・北米における圧倒的な存在感を確立いたします。医療ヘルスケア市場においては、アジア市場を凌駕するとともに、新市場を開拓すべく積極的に行動してまいります。また、オリンピック関連需要を取り込むため、建材・電材用にも拡販を行ってまいります。海外拠点につきましては、中国および北米での増設設備の稼働開始、ベトナム国での新規製造拠点の稼働開始など、グローバル供給体制を整え、世界のどの地域でもリケンテクノス品質の製品を供給できるよう取り組んでまいります。

フイルム事業では、光学分野やディスプレイ向けに未来製品の創出を目指し、新規事業成功のモデルケースを実現してまいります。国内の主力製品である建材につきましては、オリンピック関連需要を確実に取り込み、特に非住宅内装材の拡販を図ってまいります。また、革新的な生産体制の創造により、海外OEM生産を含めた生産の合理化・最適化を推し進め、海外市場においても競争力のある製品を拡販してまいります。

食品包材事業では、小売や外食産業向け市場に対し「塩ビ回帰」の流れを浸透させ、塩ビ製ラップの拡販活動に邁進してまいります。また、中国現地法人は、国内と緊密な連携を図り、コスト対応力を更に高めるとともに、品質の優位性を武器に販売活動に取り組むことで事業拡大を図ってまいります。引き続き、国内外ともに、業務の効率化に努め、競争力を高めてまいります。

 

 

環境対応につきましては、当社グループは、様々な合成樹脂を取り扱う加工メーカーであり、環境・化学物質に関する諸法規・諸規制を遵守するとともに、環境負荷の高い化学物質使用量の削減、太陽光発電の活用、ゼロエミッションの推進等、より高いレベルでの環境管理を行い、環境負荷軽減を目指した製品開発、製造方法の改善に全力を挙げて取り組んでまいります。

また、コーポレート・ガバナンスにつきましては、取締役会の監督機能の強化のため、次期事業年度より監査等委員会設置会社への移行を予定しております。併せて、執行役員制度を導入することにより、業務執行権限の委譲を推進し、事業環境の急激な変化にも適切かつ迅速に対応できる機動的・戦略的な経営体制を構築してまいります。

 

今後、ますますグローバルに競争が激化する中、技術本部、製造本部、品質保証本部、営業本部、購買本部、経営企画本部、管理本部の各本部が一丸となって有機的に各課題に取り組み、新3ヵ年中期経営計画の完遂に向けて、全社員が一丸となって邁進してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。但し、これらは当社グループに係るすべてのリスクを網羅したものではなく、これら以外に投資家の判断に影響を及ぼす可能性があるリスクは存在します。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.技術革新及び顧客ニーズへの対応について

当社グループが事業を展開する合成樹脂加工等の市場は、急速な技術変化と技術革新及び顧客ニーズの変化に対応する新商品・サービスの提供の必要性を特徴としております。新技術の開発とその製品化及び新製品・サービスの提供により、既存の製品・サービスは陳腐化しまたは市場性を失う傾向があります。

当社グループは、常に技術と顧客ニーズの急速な変化を的確に把握し、それに対応した製品・サービスのマーケティングを行っておりますが、かかる製品・サービスを提供することができるという保証はありません。当社グループがこれら新技術のトレンドや顧客ニーズの予測や対応を誤った場合、当社グループの事業、業績及び業務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2.資材等の調達について

当社グループの生産活動には、原材料、原反、製造装置等の設備、貯蔵品、その他の供給品のタイムリーな納入が必要です。当社グループの購入する原材料等には特殊なものがあるため、その中には、仕入先や供給品の切り替えが困難なものや、少数特定の仕入先からしか入手できないものもあります。当社グループは、当社グループが使用する主原材料、原反、設備、その他の供給品が現在十分に確保されているものと認識しておりますが、供給の遅延・中断や業界内の需要増加があった場合、必要不可欠な主原材料等の供給不足が生じる場合があります。これらの原因等により、当社グループが供給品を機動的に調達できない場合や、供給品の調達のために極めて多額の資金の支払が必要となる場合には、当社グループの業績が悪化する可能性があります。また、欠陥のある主原材料、原反、設備、その他の供給品は、当社グループの製品の信頼性及び評判に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3.海外市場での事業拡大に伴うリスクについて

当社グループは海外市場での事業拡大を戦略の一つとしております。当社グループの生産及び販売活動の大部分は、米国やヨーロッパ、並びに東南アジアや中国市場であります。これらの海外における事業活動においては、政治経済情勢の悪化、輸出入及び外資の規制、予期しない法令の変更、テロ・戦争、その他の要因による社会的混乱、疫病の発生、人材及び技術の流失など、当社グループの事業活動を阻害し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクがあります。

 

4.法的事項に関して

1) 法的リスクの概要

当社グループは、合成樹脂の中間材料の製造から、家庭用品のような最終製品まで幅広い樹脂加工を行っており、使用原材料の安全性確保に始まり、適正加工にいたるまでの多岐にわたる規制を確実に遵守することが義務づけられています。また、当社グループは、グローバルに事業を展開しており、国内外における予想外の規制変更によるリスク、国による規制の違いによるリスクにさらされています。

また、欠陥のある製品を供給しその製品の使用者に損害を与えたり、法的に保護される権利を侵害することによる、社会的信用失墜による売上減少、多額の損害賠償のリスクにも配慮する必要があります。さらに、不公正な取引を行わないことは勿論、公正な競争にうち勝つ努力を続けなければ、脱落していくというリスクにみまわれる可能性があります。

2) 製品の欠陥

当社グループは、世界的に認められている品質基準に従って製品を製造しております。しかし、全ての製品について全く欠陥がなく、製造物責任を負うこともなく、リコールが発生しないという保証はありません。また、保険によってこれらに起因する費用の全てを賄う保証もありません。大規模なリコールや多額の製造物責任賠償を負担することにより、当社グループの財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3) 知的財産権

当社グループは、他社製品との差別化をはかるために、種々の技術とノウハウを蓄積してきました。しかし、これらの当社独自の技術やノウハウは当社グループの権利として確保していますが、ことに国外においては、この権利を十分に確保できない場合もあり、また、類似製品の製造を完全には防止できない場合もあり、これらの権利侵害によって当社が損害を被る可能性を排除できません。 また、当社グループは他者の知的財産権を侵害することのないように十分に注意しておりますが、海外において知的財産権の制度が異なる場合、当社グループとしては侵害していないとしている場合においても、結果として他者の権利を侵害する場合も排除できません。

以上のような、知的財産権にかかるリスクも、それが大きな費用負担となる場合には、当社グループの財務状況に悪影響を及ぼすことになります。

4) 環境に関する規制

当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質の取扱、廃棄物処理並びに土壌・地下水汚染を規制する環境諸法令による規制を広範囲にわたって受けております。これらの規制は強化される傾向にあり、特に化学物質に対する法規制は国内外を問わず強化される方向にあり、迅速かつ的確に対応しなければ市場を失うというリスクにさらされております。これらに対応するための費用が、当社グループの事業にとって重大な金額となる可能性があり、また社会の求める環境への対応水準が高まることにより、追加の費用が発生する可能性があります。これらの費用負担が、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5.関係会社の債務保証

当社グループの関係会社の中には、親会社である当社が債務保証を行っている場合があります。また、今後事業拡大(設備投資含む)等、収益向上を図るため債務保証を行う場合もあります。予期に反し業績が悪化し債務保証が実行された場合、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

6.原材料価格の大幅な変動による採算性悪化について

当社グループは、原油から精製されるナフサ由来のエチレン、プロピレン等の石化基礎製品から作られる誘導品を主原材料としているため、その原材料価格は原油価格の変動の影響を大きく受けることになります。原油価格は、全世界的な需給バランスのほか戦争、テロ、投機的な動き等予期せざる様々な原因により、乱高下を繰返しており、今後もこの傾向は続くことが予想されます。原材料価格の変動を適時に製品価格に反映できない場合やコスト削減等により吸収できない場合等には、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

7.貸倒リスクについて

当社グループの取引先に対し、予期せぬ貸倒リスクが顕在化した場合、売上債権・貸付金等に追加的な損失や引当金の計上が必要となり、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

8.外国為替相場の変動について

当社グループの事業には、海外における製品の生産・販売が含まれております。海外現地法人において、現地通貨で取引されている収支の各項目は、連結財務諸表を作成する際に円に換算されるため、結果として換算する時点での外国為替の変動に影響される可能性があります。また、為替相場の変動は、当社グループが現地で販売する製品の価格や、当社グループの現地生産品の製造・調達コストに影響を及ぼす可能性があり、現地市場の競争力や国内における販売価格にも影響をもたらす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、「独創的で卓越した樹脂素材の配合加工技術で企業と人と社会に新たな価値と喜び提供し続けます」というミッションのもと、カスタマーデライト商品の研究開発活動を推進しております。

一昨年より、営業本部が製品別事業部制から、市場別ビジネスユニット制(6BU)に改組したことに伴い、研究開発部門が、より一層、製品別の横串機能を担うことが必要になりました。複数の開発室が協働で開発し複数のビジネスユニットに新商品として展開するための、マトリックスイノベーション会議を1回/月開催して、新技術、新素材の全開発室展開と共に、各ビジネスユニットの事業に応用展開を図りました。

また、第1開発室に新製品のユーザー窓口機能、新規原材料の情報発信の窓口機能を付加し、情報の出入りを管理することにより、技術情報の共有化が図れました。それにより、研究開発部門も含めて全社的に、市場環境変化を的確に捉えた事業展開や新商品化体制に順調に移行したできた1年となりました。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、1,301百万円であります。当連結会計年度における各開発室の目的、研究テーマ、研究成果および研究開発費は以下のとおりであります。
研究開発の目的は、エンジニアリングプラスチックスを含む各種樹脂の研究、それを基に当社固有の処方設計、加工技術、変性技術を用いた高機能製品の開発及び実用化と、顧客のニーズを先取りした製品の研究、開発であります。

 

研究開発センターは次の6開発室より構成されております。

 

第1開発室は、新規樹脂処方基礎開発、意匠フィルム開発、着色技術開発、研究部門の窓口機能

第2開発室は、電材・電装分野のコンパウンド及び、電線用フィルム開発、エンプラの開発

第3開発室は、車両部材のコンパウンド・フィルム開発、エラストマーの生産技術開発

第5開発室は、建材・生活資材・医療用コンパウンドの開発、PVC生産技術開発

第6開発室は、建装材・生活資材用フィルム開発、異種材料の多層化技術開発

第7開発室は、精密コーティングフィルムの開発、フィルム多層化技術開発

 

当連結会計年度において、技術戦略委員会による技術重点テーマについて、全開発室の参画による徹底した議論と徹底した納期管理を実践し、完成度の高い新製品の開発が進んでおります。

また、コンパウンドとフィルム技術を融合した開発やマトリックスイノベーションテーマも活発化し、各種協働開発プロジェクトも推進し軌道に乗りつつあります。

 

当連結会計年度の成果として、
コンパウンド関係
1.アクリルゴム代替である高耐熱・高耐油性エラストマーの開発
2.接着性コンパウンドであるオグマーの流動
3.自動車用充電・耐熱・柔軟ケーブル材料の流動
4.航空機・鉄道車両用難燃材料の開発
5.自動車用グラスランチャンネル部材の開発
6.高吐出型硬質PVC押出材の開発
7.医療用ゴム栓材の開発
8.防汚・遮熱コーティング材料の開発
等で開発が進み、一部上市することができました。研究開発費は、779百万円であります。

 

 

フィルム関係
1.E触感エラストマーレザーシートの開発
2.機能性フィルム(導電性、親水性、遮熱性、キズ復元性、バイオマス)の開発
3.建装材用意匠性フィルムの流動
4.冷蔵庫ガラストップ用粘着フィルムの流動
5.高耐湿・高耐熱性FFC用フィルムの開発
6.高硬度ハードコートフィルムの開発
7.ガラス代替フィルム:DC100の流動
等で開発が進み、一部の製品を流動できました。研究開発費は、470百万円であります。

 

食品包材関係
1.自動包装機メーカー向け純正超ストレッチPVCラップフィルムの量産化
2.自動包装機メーカー向け純正ノンストレッチPVCラップフィルムの開発と採用決定
3.食品加工業向けピロー包装用PVCラップフィルムの量産化
4.ブルー小巻PVCラップフィルムの量産化
5.バイオマスラップフィルムの採用決定
6.業界団体とのコラボレーションによるPVCラップフィルムの広報活動
7.製膜加工機における混練技術の基礎研究
8.小巻ラップフィルム新規品の開発(デザイナーズラップ等)
等の活動に要した研究開発費は、52百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産負債の計上や偶発資産及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益費用の適正な計上を行うため、マネジメントによる重要な見積りや前提が必要とされます。当社は、過去の実績、又は、各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。資産負債及び収益費用を計上する上で客観的な判断が十分でない場合は、このような見積りが当社における判断の基礎となっております。従いまして、異なる前提条件のもとにおいては、結果が異なる場合があります。当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 債権の回収可能性

当社グループは、売掛債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については、貸倒実績率により貸倒引当金を計上しております。貸倒懸念債権及び破産更生債権については、個別に相手先の業績、信用、債権残高、財務状況などを考慮して回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。相手先の財務状況が悪化した場合は引当金を積み増すことで、損益にマイナスの影響を与える可能性があります。

 

② 繰延税金資産

当社グループは、一定期間内における回収可能性に基づき貸借対照表に繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は予測される将来における課税所得の達成の可否により影響を受けます。当社グループの将来の収益に係る判断は将来における市場の動向、その他の要因の影響を受けます。これらの状況に変化があった場合、繰延税金資産計上額に対して金額的に重要な評価性引当額を計上する可能性があります。繰延税金資産の回収可能性を見込めない場合には、回収不能と見込まれる金額に対して評価性引当額が計上され、損益に影響を与える可能性があります。

 

③ 退職金及び退職年金

当社グループは、いくつかの退職金制度を有しております。親会社は企業年金制度を採用しております。退職給付に係る負債及び退職給付費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。親会社の年金制度においては、割引率は日本の国債の市場利回りを在籍従業員に対する支給年数で調整して算出しております。期待収益率は、年金資産が投資されている資産の種類毎の長期期待収益率の加重平均に基づいて計算されます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は当連結会計年度末の退職給付に係る負債、将来期間において認識される退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。

 

 

(2) 業績の分析

売上高

当連結会計年度の売上高は、90,589百万円、前連結会計年度比1,349百万円(1.5%)の減少となりました。   国内の建材・建装材、電材及び自動車の各市場において、総じて本格的な受注の回復にはいたらず売上が低迷し、食品包材事業においても、個人消費の伸び悩みやレジャー・外食産業の需要期の天候不順により売上が低調に推移したことに加え、国内外における原材料価格の下落に伴う製品価格調整によって売上高は減少しました。

 

売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益

当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度比3,487百万円(4.5%)減少し74,439百万円となりました。主な減少要因は、コスト削減の取組によるものです。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比706百万円(6.8%)増加し11,065百万円となりました。主な増加要因は、労務費やERPの稼働に伴う減価償却費の増加によるものです。その結果、営業利益は、前連結会計年度比1,431百万円(39.2%)増加し5,084百万円となりました。

 

営業外損益

当連結会計年度における営業外収益は、為替差益の減少もあって、前連結会計年度比319百万円(55.8%)減少252百万円となり、営業外費用は、前連結会計年度比243百万円(149.4%)増加406百万円となりました。

 

経常利益

当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度比868百万円(21.4%)増加4,931百万円となりました。

 

特別損益

当連結会計年度における特別利益は、固定資産売却益等の減少により、前連結会計年度比10百万円(50.7%)減少10百万円となりました。

また、当連結会計年度における特別損失は、減損損失の発生等により、前連結会計年度比448百万円(281.7%)増加607百万円となりました。

 

税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比410百万円(10.5%)増加4,334百万円となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比581百万円(30.6%)増加2,482百万円となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、6,825百万円であり、前連結会計年度の4,375百万円に対し、2,450百万円増加しました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは6,607百万円の支出となり、財務活動によるキャッシュ・フローは526百万円の支出となりました。その結果、現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末比537百万円減少し、13,444百万円となりました。

 

② 財務状態

当連結会計年度末における総資産は84,157百万円で、前連結会計年度末比1,929百万円(2.2%)の減少となりました。主な要因は、受取手形及び売掛金が減少したこと等によります。

当連結会計年度末の負債合計は37,410百万円で、前連結会計年度末比3,452百万円(8.4%)の減少となりました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金や退職給付に係る負債の減少によるものです。純資産(非支配株主持分を含む)につきましては、前連結会計年度末に比べ、1,523百万円(3.4%)増加46,746百万円となりました。増加の要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,482百万円計上による利益剰余金の増加等によるものです。なお、自己資本比率は47.7%と前連結会計年度に比べ、1.9ポイント上がりました。