当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用所得の改善がみられる中、個人消費は足踏み状態から持ち直しつつあり、緩やかな回復傾向となりました。
海外では、米国経済は個人消費、民間設備投資が堅調で景気回復基調が続いております。欧州経済は緩やかに回復しているものの、政策に関する不確実性の影響、地政学的リスクなどの影響等に留意すべき状況が続いております。景気減速局面にあった中国では、各種政策の効果もあり、景気は持ち直しの動きがみられました。
産業別には、国内の自動車業界は、各社の新型車発売の効果により後半から販売が回復し、全体としては前年を上回りました。建材業界は、消費税率引き上げの影響が一巡し低迷が続いていた住宅着工件数も回復の傾向がみられました。また、家電業界においては高付加価値品への買い替えによる回復がみられました。
このような環境の中、当社グループはグローバルな視点で顧客ニーズを確実に捉え、受注につなげることで業績の向上に努めました。海外需要を確実に獲得する取り組みの一環として新設したベトナム国の生産子会社、増設した中国のコンパウンド工場および北米のコンパウンド工場の稼働を開始しました。
その結果、連結売上高は88,300百万円、前連結会計年度比(以下「前年同期比」)2.5%減少、連結営業利益は5,862百万円(前年同期比15.3%増加)、連結経常利益は5,834百万円(前年同期比18.3%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,716百万円(前年同期比9.5%増加)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
国内のコンパウンド事業のうち塩ビコンパウンドは、電線市場、自動車市場で後半に受注の回復がみられたものの、建材市場では原材料価格の下落に伴う製品価格調整の影響もあり、減収となりました。エラストマーコンパウンドは、国内では主力の自動車市場において国内生産台数に回復がみられ、また医療市場、食品市場でも売上が伸長し、増収となりました。
海外では、中国現地法人で経済成長率の鈍化により前半売り上げが低迷しましたが、自動車市場で後半に受注の回復がみられました。また、タイ国現地法人では自動車市場、医療市場が、インドネシア国現地法人では電線市場、医療市場で堅調に推移しましたが、原材料価格の下落に伴う製品価格調整の影響もあり、アジア全体として減収となりました。米国では自動車市場、建材市場、電線市場が堅調に推移しましたが、同様に減収となりました。
利益面につきましては、生産性の改善および海外での確実な需要の取込みを行いましたが、為替の影響もあり全体として減益となりました。
その結果、売上高は61,285百万円(前年同期比4.1%減少)、セグメント利益は5,168百万円(前年同期比3.1%減少)となりました。
国内のフイルム事業のうち、建装材市場の住宅分野では、リフォーム需要、賃貸向けおよびパワービルダー向けが好調に推移し、増収となりました。住宅以外の分野では商業施設、公共施設、ホテル等の新設、リニューアル等の需要は好調に推移しましたが、慢性的な人手不足により着工ペースは鈍く、売上は微増となりました。光学分野では、大手家電メーカーのモバイル関連で後半に量産販売を開始し、改善の兆しがみられました。
輸出は、建装材市場では堅調に推移した北米向けが、後半よりやや低調になりました。欧州、中国向けは、後半に新規採用もあり回復の兆しはありましたが、減収となりました。電線市場では、自動車用は堅調に推移しました。
利益面につきましては、生産性改善と合理化施策を推し進めましたが、光学分野では新製品の販売により損失は縮小したものの、全体として黒字化するに至りませんでした。
その結果、売上高は12,205百万円(前年同期比1.7%増加)、セグメント損失は254百万円(前年同期は725百万円の損失)となりました。
国内の食品包材事業のうち、主要製品である業務用塩ビラップは、塩ビ回帰の流れが徐々に拡大し始めたことで、好調に推移しました。また、小巻ラップでは同業他社の事業撤退もあり増収となりました。
利益面につきましては、生産性改善および低採算仕入商品の採算是正等により、増益となりました。
中国現地法人は 代理店と連携した拡販活動と生産合理化により、増収増益となりました。
その結果、売上高は11,369百万円(前年同期比1.7%増加)、セグメント利益は1,086百万円(前年同期比86.6%増加)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ925百万円増加し、14,369百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ265百万円減少し、6,560百万円でした。その主な内容は、税金等調整前当期純利益5,804百万円、減価償却費3,177百万円等による資金の増加、売上債権の増加1,118百万円、法人税等の支払1,461百万円等による資金の減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ2,358百万円減少し、4,248百万円でした。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出4,167百万円、無形固定資産の取得による支出427百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ543百万円増加し、1,070百万円でした。その主な内容は、長期借入による収入2,250百万円等による資金の収入、長期借入金の返済による支出502百万円、自己株式の取得による支出1,428百万円、配当金の支払額(非支配株主への配当を含む)1,459百万円等による資金の支払であります。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連会計年度 |
前年同期比(%) |
|
コンパウンド(千円) |
59,750,355 |
95.6 |
|
フイルム(千円) |
11,204,890 |
104.7 |
|
食品包材(千円) |
7,146,509 |
102.6 |
|
報告セグメント計(千円) |
78,101,755 |
97.4 |
|
その他(千円) |
2,822,024 |
89.9 |
|
合計(千円) |
80,923,779 |
97.1 |
(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
コンパウンド |
62,819,020 |
98.9 |
5,974,524 |
134.6 |
|
フイルム |
12,766,197 |
108.0 |
1,785,803 |
145.2 |
|
食品包材 |
11,343,556 |
101.3 |
36,307 |
58.3 |
|
報告セグメント計 |
86,928,774 |
100.5 |
7,796,635 |
136.0 |
|
その他 |
3,424,913 |
94.7 |
282,974 |
96.6 |
|
合計 |
90,353,688 |
100.2 |
8,079,609 |
134.1 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連会計年度 |
前年同期比(%) |
|
コンパウンド(千円) |
61,285,494 |
95.9 |
|
フイルム(千円) |
12,205,919 |
101.7 |
|
食品包材(千円) |
11,369,479 |
101.7 |
|
報告セグメント計(千円) |
84,860,893 |
97.5 |
|
その他(千円) |
3,439,266 |
98.0 |
|
合計(千円) |
88,300,159 |
97.5 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
現下のわが国の経済は、IT産業を中心とする輸出の回復や公共投資の増加、個人消費が底堅く推移することなどにより、緩やかな回復が続くとみられます。海外経済は、米国は個人消費による景気の下支えが予想され、欧州経済は緩やかな回復が続くとみられます。一方で、英国のEU離脱交渉の本格化や欧州各国での選挙等の先行き不透明感が拭えません。中国経済は、当面は在庫バランスの改善に伴い底堅く推移する見込みとなっています。
このような環境の中、当社グループは、「ACT NOW! ACT TOGETHER! 2018」を経営方針とし、すべての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指してまいります。また、3ヵ年中期経営計画で設定した5つの主要課題、「全事業のグローバル経営の深化」「収益力・財務体質の強化」「革新的な生産体制の創造」「光学分野における事業化の確立」「戦略的な人材育成による企業基盤の強化」のそれぞれの改善および強化に取り込んでまいります。
「全事業のグローバル経営の深化」においては、重点市場と位置付ける自動車および医療ヘルスケア市場に対応するため、新設および増設したベトナム国・中国・北米でのコンパウンド製造工場において稼働を開始しました。また、アジア市場における更なる需要増加を確実に取込むことを目的に、タイ国およびインドネシア国のコンパウンド工場における増設の決定をしました。北米においては、現在の2ヵ所のコンパウンド製造工場を活用して同市場で効率的に販売していくことを主目的にした持株会社を設立し、販売拡大に向けての体制を整えました。これらを軸に、ビジネスユニット体制を更に強化することで、効率的にグローバル展開を進めてまいります。
「収益力・財務体質の強化」においては、前述した海外での投資設備を活用し早期に稼働率を上げることと、各本部および内外各拠点の連携を高めることにより収益力の強化につなげ、ROS・ROE・ROAの改善を進めてまいります。
「革新的な生産体制の創造」においては、品質面、コスト面および安定供給面を格段に向上させることで競合他社との更なる差別化を図り、より高い競争力を持ってグローバルで戦える体制を構築してまいります。
「光学分野における事業化の確立」においては、独自の製膜加工技術と配合技術の融合によるオリジナリティーを活かした未来製品の創出と多様な市場展開を行っており、大手家電メーカーを含むいくつかのモバイル関連アイテムでの販売を開始しました。このような案件の獲得数を増やすことと、量産性の改善を進め他の分野にも展開することで、売上および収益改善に努めてまいります。
「戦略的な人材育成による企業基盤の強化」においては、「人事制度の見直し」、「働き方改革の取り組み」および「積極的なポストチャレンジ」等により、活力のある組織風土の醸成を目指してまいります。
事業別には、コンパウンド事業では、自動車市場においてはアジア・北米市場における圧倒的な存在感を確立します。医療ヘルスケア市場においてはアジア市場を凌駕するとともに、新市場を開拓すべく積極的に行動してまいります。
フイルム事業では、海外OEM生産を含めた生産の合理化・最適化を推し進め、海外市場においても競争力のある製品を拡販してまいります。
食品包材事業では、小売業および外食産業のユーザーに対し「塩ビ回帰」の流れを後押しすることで、塩ビ製ラップの更なる拡販活動に邁進してまいります。また、中国事業は国内事業と緊密な連携を図り、コスト対応力を更に高めるとともに、品質の優位性を武器に販売活動に取り組むことで事業拡大を図ってまいります。
環境対応につきましては、当社グループは、様々な合成樹脂を取り扱う加工メーカーであり、環境・化学物質に関する諸法規・諸規制を遵守するとともに、環境負荷の高い化学物質使用量の削減、太陽光発電の活用、ゼロエミッションの推進等、より高いレベルでの環境管理を行い、環境負荷軽減を目指した製品開発、製造方法の改善に全力を挙げて取り組んでまいります。
また、コーポレートガバナンスにつきましては、当連結会計年度より、「執行役員制度」の導入および「監査等委員会設置会社」への移行を実施しましたが、この運営を更に充実させ、事業環境の急激な変化にも適切かつ迅速に対応できる機動的・戦略的な経営体制を構築してまいります。
今後、ますますグローバルに競争が激化する中、技術本部、製造本部、品質保証本部、営業本部、購買本部、経営企画本部、管理本部の各本部が連携し各課題に取り組み、3ヵ年中期経営計画の完遂に向け全社員が一丸となって邁進してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。但し、これらは当社グループに係るすべてのリスクを網羅したものではなく、これら以外に投資家の判断に影響を及ぼす可能性があるリスクは存在します。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループが事業を展開する合成樹脂加工等の市場は、急速な技術変化と技術革新及び顧客ニーズの変化に対応する新商品・サービスの提供の必要性を特徴としております。新技術の開発とその製品化及び新製品・サービスの提供により、既存の製品・サービスは陳腐化しまたは市場性を失う傾向があります。
当社グループは、常に技術と顧客ニーズの急速な変化を的確に把握し、それに対応した製品・サービスのマーケティングを行っておりますが、かかる製品・サービスを提供することができるという保証はありません。当社グループがこれら新技術のトレンドや顧客ニーズの予測や対応を誤った場合、当社グループの事業、業績及び業務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの生産活動には、原材料、原反、製造装置等の設備、貯蔵品、その他の供給品のタイムリーな納入が必要です。当社グループの購入する原材料等には特殊なものがあるため、その中には、仕入先や供給品の切り替えが困難なものや、少数特定の仕入先からしか入手できないものもあります。当社グループは、当社グループが使用する主原材料、原反、設備、その他の供給品が現在十分に確保されているものと認識しておりますが、供給の遅延・中断や業界内の需要増加があった場合、必要不可欠な主原材料等の供給不足が生じる場合があります。これらの原因等により、当社グループが供給品を機動的に調達できない場合や、供給品の調達のために極めて多額の資金の支払が必要となる場合には、当社グループの業績が悪化する可能性があります。また、欠陥のある主原材料、原反、設備、その他の供給品は、当社グループの製品の信頼性及び評判に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは海外市場での事業拡大を戦略の一つとしております。当社グループの生産及び販売活動の大部分は、米国やヨーロッパ、並びに東南アジアや中国市場であります。これらの海外における事業活動においては、政治経済情勢の悪化、輸出入及び外資の規制、予期しない法令の変更、テロ・戦争、その他の要因による社会的混乱、疫病の発生、人材及び技術の流失など、当社グループの事業活動を阻害し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクがあります。
当社グループは、合成樹脂の中間材料の製造から、家庭用品のような最終製品まで幅広い樹脂加工を行っており、使用原材料の安全性確保に始まり、適正加工にいたるまでの多岐にわたる規制を確実に遵守することが義務づけられています。また、当社グループは、グローバルに事業を展開しており、国内外における予想外の規制変更によるリスク、国による規制の違いによるリスクにさらされています。
また、欠陥のある製品を供給しその製品の使用者に損害を与えたり、法的に保護される権利を侵害することによる、社会的信用失墜による売上減少、多額の損害賠償のリスクにも配慮する必要があります。さらに、不公正な取引を行わないことは勿論、公正な競争にうち勝つ努力を続けなければ、脱落していくというリスクにみまわれる可能性があります。
当社グループは、世界的に認められている品質基準に従って製品を製造しております。しかし、全ての製品について全く欠陥がなく、製造物責任を負うこともなく、リコールが発生しないという保証はありません。また、保険によってこれらに起因する費用の全てを賄う保証もありません。大規模なリコールや多額の製造物責任賠償を負担することにより、当社グループの財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、他社製品との差別化をはかるために、種々の技術とノウハウを蓄積してきました。しかし、これらの当社独自の技術やノウハウは当社グループの権利として確保していますが、ことに国外においては、この権利を十分に確保できない場合もあり、また、類似製品の製造を完全には防止できない場合もあり、これらの権利侵害によって当社が損害を被る可能性を排除できません。 また、当社グループは他者の知的財産権を侵害することのないように十分に注意しておりますが、海外において知的財産権の制度が異なる場合、当社グループとしては侵害していないとしている場合においても、結果として他者の権利を侵害する場合も排除できません。
以上のような、知的財産権にかかるリスクも、それが大きな費用負担となる場合には、当社グループの財務状況に悪影響を及ぼすことになります。
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質の取扱、廃棄物処理並びに土壌・地下水汚染を規制する環境諸法令による規制を広範囲にわたって受けております。これらの規制は強化される傾向にあり、特に化学物質に対する法規制は国内外を問わず強化される方向にあり、迅速かつ的確に対応しなければ市場を失うというリスクにさらされております。これらに対応するための費用が、当社グループの事業にとって重大な金額となる可能性があり、また社会の求める環境への対応水準が高まることにより、追加の費用が発生する可能性があります。これらの費用負担が、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの関係会社の中には、親会社である当社が債務保証を行っている場合があります。また、今後事業拡大(設備投資含む)等、収益向上を図るため債務保証を行う場合もあります。予期に反し業績が悪化し債務保証が実行された場合、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、原油から精製されるナフサ由来のエチレン、プロピレン等の石化基礎製品から作られる誘導品を主原材料としているため、その原材料価格は原油価格の変動の影響を大きく受けることになります。原油価格は、全世界的な需給バランスのほか戦争、テロ、投機的な動き等予期せざる様々な原因により、乱高下を繰返しており、今後もこの傾向は続くことが予想されます。原材料価格の変動を適時に製品価格に反映できない場合やコスト削減等により吸収できない場合等には、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの取引先に対し、予期せぬ貸倒リスクが顕在化した場合、売上債権・貸付金等に追加的な損失や引当金の計上が必要となり、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業には、海外における製品の生産・販売が含まれております。海外現地法人において、現地通貨で取引されている収支の各項目は、連結財務諸表を作成する際に円に換算されるため、結果として換算する時点での外国為替の変動に影響される可能性があります。また、為替相場の変動は、当社グループが現地で販売する製品の価格や、当社グループの現地生産品の製造・調達コストに影響を及ぼす可能性があり、現地市場の競争力や国内における販売価格にも影響をもたらす可能性があります。
該当事項はありません。
技術本部は、『全ての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指して』という課題のもと、カスタマーデライト商品の研究開発活動を推進しております。
その一環として、感染予防をキーワードとしてインフェクションコントロール3商品リケガードシリーズを開発しました。
(1)感染症を媒介する害虫からガードする『リケガードP』(防虫機能)
(2)付着した細菌からガードする『リケガードF』(抗菌機能)
(3)浮遊するウイルスからガードする『リケガードV』(抗ウイルス機能)
これらを成形用コンパウンド、フィルムコート、繊維素材への応用などを進めています。
このリケガードシリーズで『全ての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指して』を実践してまいります。
また、今期も第1開発室に新製品のユーザー窓口機能、新規原材料の情報発信の窓口機能を継続し、技術情報を全開発室で共有できました。また、新商品は技術戦略委員会でフィルム、コンパウンドへの応用議論を重ねると共に、進捗管理を実施して、上記の『リケガード』、レザー素材『アクトレザー』、接着性樹脂『オグマー』などの新商品を新市場に紹介できた1年となりました。これから、営業本部と協力して本格的に販売を推進していきたいと考えています。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、1,309百万円であります。当連結会計年度における各開発室の目的、研究テーマ、研究成果および研究開発費は以下のとおりであります。
研究開発の目的は、エンジニアリングプラスチックスを含む各種樹脂の研究、それを基に当社固有の処方設計、加工技術、変性技術を用いた高機能製品の開発及び実用化と、顧客のニーズを先取りした製品の研究、開発であります。
研究開発センターは次の6開発室より構成されております。
第1開発室は、新規樹脂処方基礎開発、意匠フィルム開発、着色技術開発、研究部門の窓口機能
第2開発室は、電材・電装分野のコンパウンド及び、電線用フィルム開発、エンプラの開発
第3開発室は、車両部材のコンパウンド、エラストマーの生産技術開発
第5開発室は、建材・生活資材・医療用コンパウンドの開発、PVC生産技術開発
第6開発室は、建装材・生活資材・車両用フィルム開発、異種材料の多層化技術開発
第7開発室は、精密コーティングフィルムの開発、フィルム多層化技術開発
当連結会計年度において、技術戦略委員会による技術重点テーマについて、全開発室の参画による徹底した議論と徹底した納期管理を実践し、完成度の高い新製品の開発が進んでおります。
また、コンパウンドとフィルム技術を融合した開発やマトリックスイノベーションテーマも活発化し、各種協働開発プロジェクトも推進し軌道に乗りつつあります。
当連結会計年度の成果として、
コンパウンド関係
1.高耐熱・高耐油性エラストマーであるアクティマーHTの開発
2.接着性コンパウンドであるオグマーの流動
3.ハイブリット架橋エラストマーであるリクロマーの開発
4.航空機・鉄道車両用難燃材料の流動
5.自動車用グラスランチャンネル部材の流動
6.インフェクションコントロール商品であるリケガードコンパウンドの開発
7.耐熱・低収縮・低せん膨張硬質PVCの開発
8.防汚・遮熱コーティング材料の開発
等で開発が進み、一部上市することができました。研究開発費は、796百万円であります。
フィルム関係
1.E触感エラストマーレザーシートであるアクトレザーの開発
2.インフェクションコントロール商品であるリケガードフィルムの開発
3.建装材用意匠性フィルムの流動
4.自動車内装加飾フィルムであるリビックの流動
5.高耐湿・高耐熱性FFC用フィルムの開発
6.高機能ウィンドフィルムの開発
7.ガラス代替フィルム:DC100の流動
等で開発が進み、一部の製品を流動できました。研究開発費は、450百万円であります。
食品包材関係
1.自動包装機メーカー向け純正超ストレッチPVCラップフィルムの量産化
2.自動包装機メーカー向け純正ノンストレッチPVCラップフィルムの開発と採用決定
3.食品加工業向けピロー包装用PVCラップフィルムの量産化
4.業界団体とのコラボレーションによるPVCラップフィルムの広報活動
5.製膜加工機における混練技術の基礎研究
等の活動に要した研究開発費は、62百万円であります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産負債の計上や偶発資産及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益費用の適正な計上を行うため、マネジメントによる重要な見積りや前提が必要とされます。当社は、過去の実績、又は、各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。資産負債及び収益費用を計上する上で客観的な判断が十分でない場合は、このような見積りが当社における判断の基礎となっております。従いまして、異なる前提条件のもとにおいては、結果が異なる場合があります。当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、売掛債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については、貸倒実績率により貸倒引当金を計上しております。貸倒懸念債権及び破産更生債権については、個別に相手先の業績、信用、債権残高、財務状況などを考慮して回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。相手先の財務状況が悪化した場合は引当金を積み増すことで、損益にマイナスの影響を与える可能性があります。
当社グループは、一定期間内における回収可能性に基づき貸借対照表に繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は予測される将来における課税所得の達成の可否により影響を受けます。当社グループの将来の収益に係る判断は将来における市場の動向、その他の要因の影響を受けます。これらの状況に変化があった場合、繰延税金資産計上額に対して金額的に重要な評価性引当額を計上する可能性があります。繰延税金資産の回収可能性を見込めない場合には、回収不能と見込まれる金額に対して評価性引当額が計上され、損益に影響を与える可能性があります。
当社グループは、いくつかの退職金制度を有しております。親会社は企業年金制度を採用しております。退職給付に係る負債及び退職給付費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。親会社の年金制度においては、割引率は日本の国債の市場利回りを在籍従業員に対する支給年数で調整して算出しております。期待収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は当連結会計年度末の退職給付に係る負債、将来期間において認識される退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
売上高
当連結会計年度の売上高は、88,300百万円、前連結会計年度比2,288百万円(2.5%)の減少となりました。 国内の建材・建装材、電材及び自動車の各市場において、総じて本格的な受注の回復にはいたらず売上が低迷し、食品包材事業においても、個人消費の伸び悩みやレジャー・外食産業の需要期の天候不順により売上が低調に推移したことに加え、国内外における原材料価格の下落に伴う製品価格調整によって売上高は減少しました。
売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度比3,514百万円(4.7%)減少し、70,924百万円となりました。主な減少要因は、コスト削減の取組によるものです。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比448百万円(4.1%)増加し、11,513百万円となりました。主な増加要因は、労務費やERPの稼働に伴う減価償却費の増加によるものです。その結果、営業利益は、前連結会計年度比777百万円(15.3%)増加し、5,862百万円となりました。
営業外損益
当連結会計年度における営業外収益は、為替差益の減少もあって、前連結会計年度比8百万円(3.5%)増加の261百万円となり、営業外費用は、前連結会計年度比116百万円(28.7%)減少の289百万円となりました。
経常利益
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度比903百万円(18.3%)増加の5,834百万円となりました。
特別損益
当連結会計年度における特別利益は、固定資産売却益等の減少により、前連結会計年度比7百万円(73.3%)減少の2百万円となりました。
また、当連結会計年度における特別損失は、減損損失の発生等により、前連結会計年度比574百万円(94.6%)減少の32百万円となりました。
税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比1,470百万円(33.9%)増加の5,804百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比234百万円(9.5%)増加の2,716百万円となりました。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、6,560百万円であり、前連結会計年度の6,825百万円に対し、265百万円減少しました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは4,248百万円の支出となり、財務活動によるキャッシュ・フローは1,070百万円の支出となりました。その結果、現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末比925百万円増加し、14,369百万円となりました。
当連結会計年度末における総資産は88,345百万円で、前連結会計年度末比4,188百万円(5.0%)の増加となりました。主な要因は、有形固定資産及び投資有価証券が増加したこと等によります。
当連結会計年度末の負債合計は39,149百万円で、前連結会計年度末比1,738百万円(4.6%)の増加となりました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金や退職給付に係る負債の減少によるものです。純資産(非支配株主持分を含む)につきましては、前連結会計年度末に比べ、2,449百万円(5.2%)増加し49,196百万円となりました。増加の要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,716百万円計上による利益剰余金の増加等によるものです。なお、自己資本比率は47.5%と前連結会計年度に比べ、0.2ポイント低下しました。