第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

現下のわが国の経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあり緩やかな回復が続くとみられます。海外経済は、緩やかな回復を維持する見込みで、米国は減税の効果による景気の下支えが予想され、欧州も内需を中心に堅調な回復が続くとみられます。一方で、中国経済は構造改革の推進を背景に緩やかな減速が見込まれます。

このような環境の中、当社グループは、「ACT NOW! ACT TOGETHER! 2018」を経営方針とし、すべての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指してまいります。次期連結会計年度は、3ヵ年中期経営計画の最終年度として、設定した5つの主要課題、「全事業のグローバル経営の深化」「収益力・財務体質の強化」「革新的な生産体制の創造」「光学分野における事業化の確立」「戦略的な人材育成による事業基盤の強化」の完遂に向けて邁進してまいります。

「全事業のグローバル経営の深化」においては、アジア市場における更なる需要増を確実に取り込むことを目的に増設したタイ国の2ヵ所のコンパウンド工場およびインドネシア国のコンパウンド工場の稼働を開始します。国内においては、建装材用フィルムの市場に対して、高品質な製品を効率的に供給するべく、スクラップ・アンド・ビルドで投資した新鋭機の稼働を開始しました。また、国内の車両用部材の旺盛な需要に対応するべくエラストマーコンパウンドの生産設備の増設を決定しました。これらの投資設備を効率的に活用して、国内外の市場別戦略を統括するビジネスユニット体制を更に強化してグローバル展開を進めてまいります。

「収益力・財務体質の強化」においては、従前より進めてきた海外での投資設備を活用し早期に稼働を上げること、各本部および内外各拠点の連携を高めること、および各プロセスでの様々な無駄を無くすことにより収益力の強化につなげてまいります。

「革新的な生産体制の創造」においては、IOT等により取得したデータを活用し一層の生産性向上や短納期化等の新たな付加価値を創出し、世界で認められている高い品質とともに、更なる競争力の構築を目指してまいります。

「光学分野における事業化の確立」においては、独自の製膜加工技術と配合技術の融合によるオリジナリティーを活かした未来製品の創出と多様な市場展開を行っており、受注を獲得した大型案件における量産性の改善を進めて他の分野にも展開することで、利益改善に努めてまいります。

「戦略的な人材育成による企業基盤の強化」においては、新人事制度の導入および働き方改革の取り組みにより、活力のある組織風土の醸成を目指してまいります。

事業別には、コンパウンド事業では、自動車市場においてはアジア・北米市場における圧倒的な存在感を確立します。医療ヘルスケア市場においてはアジア市場を席巻するとともに、新市場を開拓すべく積極的に行動してまいります。

フイルム事業では、海外OEM生産を含めた生産の合理化・最適化を推し進め、投資した国内の設備も活用して競争力のある製品を拡販してまいります。

食品包材事業では、小売業および外食産業のユーザーに対して「塩ビ回帰」の流れを後押しすることで、塩ビ製ラップの更なる拡販活動に邁進してまいります。

環境対応につきましては、当社グループは、様々な合成樹脂を取り扱う加工メーカーであり、環境・化学物質に関する諸法規・諸規制を遵守するとともに、環境負荷の高い化学物質使用量の削減、太陽光発電の活用、ゼロエミッションの推進等、より高いレベルでの環境管理を行い、環境負荷軽減を目指した製品開発、製造方法の改善に全力を挙げて取り組んでまいります。

また、コーポレート・ガバナンスにつきましては、グループ管理体制を見直し、当社グループ全体でより実効的なガバナンスの仕組みを整備していくことで、グループシナジーを活かした競争力の強化と透明性・公正性の高いグループ経営体制の構築に努めてまいります。

 

今後、ますますグローバルに競争が激化する中、技術本部、製造本部、品質保証本部、営業本部、購買本部、経営企画本部、管理本部の各本部および国内外における19社の重要な連結子会社が連携して各課題に取り組み、3ヵ年中期経営計画の完遂に向けて全社員が一丸となって邁進してまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。但し、これらは当社グループに係るすべてのリスクを網羅したものではなく、これら以外に投資家の判断に影響を及ぼす可能性があるリスクは存在します。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.技術革新及び顧客ニーズへの対応について

当社グループが事業を展開する合成樹脂加工等の市場は、急速な技術変化と技術革新及び顧客ニーズの変化に対応する新商品・サービスの提供の必要性を特徴としております。新技術の開発とその製品化及び新製品・サービスの提供により、既存の製品・サービスは陳腐化しまたは市場性を失う傾向があります。

当社グループは、常に技術と顧客ニーズの急速な変化を的確に把握し、それに対応した製品・サービスのマーケティングを行っておりますが、かかる製品・サービスを提供することができるという保証はありません。当社グループがこれら新技術のトレンドや顧客ニーズの予測や対応を誤った場合、当社グループの事業、業績及び業務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

2.資材等の調達について

当社グループの生産活動には、原材料、原反、製造装置等の設備、貯蔵品、その他の供給品のタイムリーな納入が必要です。当社グループの購入する原材料等には特殊なものがあるため、その中には、仕入先や供給品の切り替えが困難なものや、少数特定の仕入先からしか入手できないものもあります。当社グループは、当社グループが使用する主原材料、原反、設備、その他の供給品が現在十分に確保されているものと認識しておりますが、供給の遅延・中断や業界内の需要増加があった場合、必要不可欠な主原材料等の供給不足が生じる場合があります。これらの原因等により、当社グループが供給品を機動的に調達できない場合や、供給品の調達のために極めて多額の資金の支払が必要となる場合には、当社グループの業績が悪化する可能性があります。また、欠陥のある主原材料、原反、設備、その他の供給品は、当社グループの製品の信頼性及び評判に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3.海外市場での事業拡大に伴うリスクについて

当社グループは海外市場での事業拡大を戦略の一つとしております。当社グループの生産及び販売活動の大部分は、米国やヨーロッパ、並びに東南アジアや中国市場であります。これらの海外における事業活動においては、政治経済情勢の悪化、輸出入及び外資の規制、予期しない法令の変更、テロ・戦争、その他の要因による社会的混乱、疫病の発生、人材及び技術の流失など、当社グループの事業活動を阻害し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクがあります。

 

4.法的事項に関して

1) 法的リスクの概要

当社グループは、合成樹脂の中間材料の製造から、家庭用品のような最終製品まで幅広い樹脂加工を行っており、使用原材料の安全性確保に始まり、適正加工にいたるまでの多岐にわたる規制を確実に遵守することが義務づけられています。また、当社グループは、グローバルに事業を展開しており、国内外における予想外の規制変更によるリスク、国による規制の違いによるリスクにさらされています。

また、欠陥のある製品を供給しその製品の使用者に損害を与えたり、法的に保護される権利を侵害することによる、社会的信用失墜による売上減少、多額の損害賠償のリスクにも配慮する必要があります。さらに、不公正な取引を行わないことは勿論、公正な競争にうち勝つ努力を続けなければ、脱落していくというリスクにみまわれる可能性があります。

2) 製品の欠陥

当社グループは、世界的に認められている品質基準に従って製品を製造しております。しかし、全ての製品について全く欠陥がなく、製造物責任を負うこともなく、リコールが発生しないという保証はありません。また、保険によってこれらに起因する費用の全てを賄う保証もありません。大規模なリコールや多額の製造物責任賠償を負担することにより、当社グループの財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3) 知的財産権

当社グループは、他社製品との差別化をはかるために、種々の技術とノウハウを蓄積してきました。しかし、これらの当社独自の技術やノウハウは当社グループの権利として確保していますが、ことに国外においては、この権利を十分に確保できない場合もあり、また、類似製品の製造を完全には防止できない場合もあり、これらの権利侵害によって当社が損害を被る可能性を排除できません。 また、当社グループは他者の知的財産権を侵害することのないように十分に注意しておりますが、海外において知的財産権の制度が異なる場合、当社グループとしては侵害していないとしている場合においても、結果として他者の権利を侵害する場合も排除できません。

以上のような、知的財産権にかかるリスクも、それが大きな費用負担となる場合には、当社グループの財務状況に悪影響を及ぼすことになります。

4) 環境に関する規制

当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質の取扱、廃棄物処理並びに土壌・地下水汚染を規制する環境諸法令による規制を広範囲にわたって受けております。これらの規制は強化される傾向にあり、特に化学物質に対する法規制は国内外を問わず強化される方向にあり、迅速かつ的確に対応しなければ市場を失うというリスクにさらされております。これらに対応するための費用が、当社グループの事業にとって重大な金額となる可能性があり、また社会の求める環境への対応水準が高まることにより、追加の費用が発生する可能性があります。これらの費用負担が、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5.関係会社の債務保証

当社グループの関係会社の中には、親会社である当社が債務保証を行っている場合があります。また、今後事業拡大(設備投資含む)等、収益向上を図るため債務保証を行う場合もあります。予期に反し業績が悪化し債務保証が実行された場合、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

6.原材料価格の大幅な変動による採算性悪化について

当社グループは、原油から精製されるナフサ由来のエチレン、プロピレン等の石化基礎製品から作られる誘導品を主原材料としているため、その原材料価格は原油価格の変動の影響を大きく受けることになります。原油価格は、全世界的な需給バランスのほか戦争、テロ、投機的な動き等予期せざる様々な原因により、乱高下を繰返しており、今後もこの傾向は続くことが予想されます。原材料価格の変動を適時に製品価格に反映できない場合やコスト削減等により吸収できない場合等には、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

7.貸倒リスクについて

当社グループの取引先に対し、予期せぬ貸倒リスクが顕在化した場合、売上債権・貸付金等に追加的な損失や引当金の計上が必要となり、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

8.外国為替相場の変動について

当社グループの事業には、海外における製品の生産・販売が含まれております。海外現地法人において、現地通貨で取引されている収支の各項目は、連結財務諸表を作成する際に円に換算されるため、結果として換算する時点での外国為替の変動に影響される可能性があります。また、為替相場の変動は、当社グループが現地で販売する製品の価格や、当社グループの現地生産品の製造・調達コストに影響を及ぼす可能性があり、現地市場の競争力や国内における販売価格にも影響をもたらす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、生産活動は回復が一服しているものの輸出は緩やかに回復しており、個人消費は堅調な雇用所得情勢を背景に緩やかな回復傾向となりました。
 海外では、米国経済は個人消費、民間設備投資が堅調で景気回復が続いております。欧州経済は緩やかに回復しているものの、政策に関する不確実性の影響、地政学的リスクの影響等に留意すべき状況が続いております。中国経済は、輸出の増加を背景に堅調に推移しました。
 産業別には、国内の自動車業界は、各社の新型車発売の効果もあり堅調に推移し、後半にやや陰りがみられたものの、全体としては前年を上回りました。建材業界においては、住宅着工件数は前年を下回りました。家電業界においては白物家電が好調に推移したものの、全体としては横ばいとなりました。
 このような環境の中、当社グループはグローバルな視点で顧客のニーズをきめ細かく確実に捉え、国内および海外の経営資源を効率的に活用して受注につなげることで業績の向上に努めました。

その結果、連結売上高は94,601百万円、前連結会計年度比(以下「前年同期比」)7.1%増加連結営業利益は5,399百万円(前年同期比7.9%減少)、連結経常利益は5,410百万円(前年同期比7.3%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,538百万円(前年同期比6.6%減少)となりました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

 

[コンパウンド]

国内のコンパウンド事業のうち、塩ビコンパウンドは、拡販の進んだ建材市場、電線市場および生活資材市場を中心に総じて好調に推移し、増収となりました。エラストマーコンパウンドは、自動車市場および生活資材市場での拡販により増収となりました。
 海外のコンパウンド事業のうち、中国現地法人では電線市場を中心に、タイ国現地法人では自動車市場および医療市場を中心に売上を伸ばしました。インドネシア国現地法人では医療市場で売上を伸ばし、アジア全体として増収となりました。米国では、自動車市場においては拡販の遅れ等の影響もあり伸び悩みましたが、電線市場において米系顧客向けを中心に好調に推移し、全体として増収となりました。
 利益面につきましては、原材料価格の改定に伴う製品価格調整の遅れの影響もあり、減益となりました。

その結果、売上高は66,279百万円(前年同期比8.1%増加)、セグメント利益は5,108百万円(前年同期比1.1%減少)となりました。

 

 

[フイルム]

国内のフイルム事業のうち、建装材市場の住宅分野では、賃貸向けが後半にペースが落ちたもののパワービルダーおよびマンション向けが好調に推移し、増収となりました。住宅以外の分野では、商業施設、公共施設、ホテル等の新設およびリニューアル等の需要は好調に推移し、新規製品の販売効果もあり、増収となりました。光学分野では、国内外のディスプレイ関連での新規および継続採用により増収となりました。
 輸出は、建装材市場では、中国向けは新規採用により増収となったものの、北米向けは後半よりやや低調に推移し、また欧州向けは依然厳しい状況が続いており、全体としては減収となりました。電線市場では、自動車用は海外での新規採用もあり堅調に推移しましたが、民生用が低調に推移し、売上は横ばいとなりました。
 利益面につきましては、光学分野では数量増加により損失は縮小したものの、全体として黒字化するには至りませんでした。

その結果、売上高は13,064百万円(前年同期比7.0%増加)、セグメント損失は239百万円(前年同期は254百万円の損失)となりました。

 

[食品包材]

国内の食品包材事業のうち、外食産業および家庭用向け小巻ラップの販売が増加しましたが、食品スーパー向けの業務用ラップおよび仕入商品の販売が低調に推移し、全体として売上は横ばいとなりました。中国現地法人は、業務用ラップの拡販が進み増収となりました。
 利益面につきましては、原材料費、物流費等の増加により減益となりました。

その結果、売上高は11,481百万円(前年同期比1.0%増加)、セグメント利益は790百万円(前年同期比27.2%減少)となりました。

 

当連結会計年度末における総資産は91,866百万円で、前連結会計年度末比3,520百万円(4.0%)の増加となりました。主な要因は、有形固定資産及び投資有価証券が増加したこと等によります。

当連結会計年度末の負債合計は37,012百万円で、前連結会計年度末比2,137百万円(5.5%)の減少となりました。主な要因は、1年内返済予定の長期借入金や退職給付に係る負債の減少によるものです。純資産(非支配株主持分を含む)につきましては、前連結会計年度末に比べ、5,657百万円(11.5%)増加54,854百万円となりました。増加の要因は、親会社株主に帰属する当期純利益2,538百万円の計上による利益剰余金の増加及び転換社債型新株予約権付社債の転換による自己株式の減少2,300百万円等によるものです。なお、自己資本比率は51.4%と前連結会計年度に比べ、3.8ポイント上昇しました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ286百万円増加し、14,655百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ888百万円減少し、5,671百万円でした。その主な内容は、税金等調整前当期純利益5,466百万円、減価償却費3,434百万円等による資金の増加、売上債権の増加1,460百万円、法人税等の支払1,386百万円等による資金の減少であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ626百万円減少し、3,621百万円でした。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出3,421百万円、無形固定資産の取得による支出154百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ796百万円増加し、1,866百万円でした。その主な内容は、長期借入金の返済による支出313百万円、配当金の支払額(非支配株主への配当を含む)1,626百万円等による資金の支払であります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連会計年度
(自 平成29年4月1日
 至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

コンパウンド(千円)

65,089,502

108.9

フイルム(千円)

12,573,825

112.2

食品包材(千円)

8,719,259

122.0

 報告セグメント計(千円)

86,382,587

110.6

その他(千円)

3,229,448

114.4

合計(千円)

89,612,035

110.7

 

(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

コンパウンド

66,375,314

105.7

6,070,168

101.6

フイルム

12,385,495

97.0

1,106,727

62.0

食品包材

11,495,016

101.3

50,097

138.0

 報告セグメント計

90,255,826

103.8

7,226,992

92.7

その他

3,795,784

110.8

303,093

107.1

合計

94,051,610

104.1

7,530,086

93.2

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連会計年度
(自 平成29年4月1日
 至 平成30年3月31日)

前年同期比(%)

コンパウンド(千円)

66,279,670

108.1

フイルム(千円)

13,064,571

107.0

食品包材(千円)

11,481,226

101.0

 報告セグメント計(千円)

90,825,468

107.0

その他(千円)

3,775,665

109.8

合計(千円)

94,601,133

107.1

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産負債の計上や偶発資産及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益費用の適正な計上を行うため、マネジメントによる重要な見積りや前提が必要とされます。当社は、過去の実績、又は、各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。資産負債及び収益費用を計上する上で客観的な判断が十分でない場合は、このような見積りが当社における判断の基礎となっております。従いまして、異なる前提条件のもとにおいては、結果が異なる場合があります。当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

 

a. 債権の回収可能性

当社グループは、売掛債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については、貸倒実績率により貸倒引当金を計上しております。貸倒懸念債権及び破産更生債権については、個別に相手先の業績、信用、債権残高、財務状況などを考慮して回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。相手先の財務状況が悪化した場合は引当金を積み増すことで、損益にマイナスの影響を与える可能性があります。

 

b. 繰延税金資産

当社グループは、一定期間内における回収可能性に基づき貸借対照表に繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は予測される将来における課税所得の達成の可否により影響を受けます。当社グループの将来の収益に係る判断は将来における市場の動向、その他の要因の影響を受けます。これらの状況に変化があった場合、繰延税金資産計上額に対して金額的に重要な評価性引当額を計上する可能性があります。繰延税金資産の回収可能性を見込めない場合には、回収不能と見込まれる金額に対して評価性引当額が計上され、損益に影響を与える可能性があります。

 

c. 退職金及び退職年金

当社グループは、いくつかの退職金制度を有しております。親会社は企業年金制度を採用しております。退職給付に係る負債及び退職給付費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。親会社の年金制度においては、割引率は日本の国債の市場利回りを在籍従業員に対する支給年数で調整して算出しております。期待収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は当連結会計年度末の退職給付に係る負債、将来期間において認識される退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

売上高

当連結会計年度の売上高は、94,601百万円、前連結会計年度比6,300百万円(7.1%)の増加となりました。

国内の建材・建装材、電材及び自動車の各市場においてばらつきはあるものの、全体としては緩やかな回復が見られ売上高は伸長しました。海外においても景気回復が続き売上高を押し上げました。また、国内外における原材料価格の上昇に伴う製品価格調整によって売上高は増加しました。

 

 

売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益

当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度比6,414百万円(9.0%)増加し77,338百万円となりました。主な要因は、売上数量の増加及び原材料の値上がりによるものです。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比349百万円(3.0%)増加し11,863百万円となりました。主な増加要因は、物流費の増加によるものです。

その結果、営業利益は、前連結会計年度比463百万円(7.9%)減少し5,399百万円となりました。

 

営業外損益

当連結会計年度における営業外収益は、受取保険金等により、前連結会計年度比28百万円(10.7%)増加289百万円となり、営業外費用は、前連結会計年度比10百万円(3.7%)減少278百万円となりました。

 

経常利益

当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度比424百万円(7.3%)減少5,410百万円となりました。

 

特別損益

当連結会計年度における特別利益は、政策保有株式の見直しによる有価証券売却益の発生等により、前連結会計年度比101百万円(3,783.0%)増加103百万円となりました。

また、当連結会計年度における特別損失は、固定資産売却損、固定資産除却損の増加等により、前連結会計年度比14百万円(45.4%)増加47百万円となりました。

 

税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比338百万円(5.8%)減少5,466百万円となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比178百万円(6.6%)減少2,538百万円となりました。

 

 以上の結果、当連結会計年度における売上高営業利益率(ROS)は5.7%(前連結会計年度比0.9%低下)、総資本経常利益率(ROA)は6.0%(前連結会計年度比0.8%低下)、株主資本純利益率(ROE)は5.7%(前連結会計年度比0.9%低下)となりました。各指標の低下については、いずれも利益の減少が主な要因であることから「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で記載しました施策を確実に実行することにより利益の改善を進めてまいります。

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、次のとおりであります。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資やその他の投資資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
 当社グループは、中長期的に安定した成長のため製造設備への投資が必要となりますが、投資額については適切に管理されており、資金の流動性に問題はないと認識しております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は11,371百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は14,655百万円となっております。

  

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

技術本部は、『全ての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指して』という課題のもと、カスタマーディライト商品の研究開発活動を推進しております。

特に、戦略商品である光学フィルムでは、『DC100』シリーズが、情報電子業界において最高級でガラスチックなフィルムとして、大手モバイルメーカーに高い評価を頂き、複数採用され新モデルにおいても継続しています。このガラスのようなプラスチックフィルムは、「美しく」「軽く」「安全」という視点で、モバイル系分野で更なる採用拡大の可能性も見えてきています。また、プラスチックフィルムの性能を生かして、インサート成形や真空成型などによる3D形状のディスプレイを仕上げることが出来るDC100の役割は次世代を創造する上で貴重な存在となると思います。

新事業として取り組んでいるファッション分野では、新素材である『アクトレザー』(E触感エラストマーシート)を使用した各種ファッション製品の物づくりが始まり、アクティブなイメージのデザイン創造が出来つつあり、完成度も高まってまいりました。ファッション関係の展示会にも出展し、革、ウレタン、塩ビでもない『アクトレザー』という新規素材に注目も集まり引き合いが増えてきています。来期は、ファッション業界へレザーメーカーとして、参入を果たしたいと考えています。

また、抗菌や抗ウイルス、防虫性能により、社会貢献をすべく、インフェクションコントロール製品として、リケガードシリーズを上市しました。この効果は既に、多くの商材で効果が高いことが示され、抗菌SIAAには4品種が登録することができています。

エラストマーについては、新規ハイブリット架橋のTPVである加硫ゴムを凌駕する『リクロマー』を上市しました。このリクロマーにより、更に架橋ゴムに代替する世界が広がったことから、来期は、この各種採用、流動を目指します。また、機能性ゴム代替材料である『アクティマーK』においては、耐油性NBRゴム代替材料として実績も増えてきています。

 

研究開発センターは次の6開発室より構成されております。

 

第1開発室は、新規樹脂処方基礎開発、意匠フィルム開発、着色技術開発、研究部門の窓口機能

第2開発室は、電材・電装分野のコンパウンド及び、電線用フィルム開発、エンプラの開発

第3開発室は、車両部材のコンパウンド、エラストマーの生産技術開発

第5開発室は、建材・生活資材・医療用コンパウンドの開発、PVC生産技術開発

第6開発室は、建装材・生活資材・車両用フィルム開発、異種材料の多層化技術開発

第7開発室は、精密コーティングフィルムの開発、フィルム多層化技術開発

 

当連結会計年度において、技術戦略委員会による技術重点テーマについて、全開発室の参画による徹底した議論と徹底した納期管理を実践し、完成度の高い新製品の開発が進んでおります。

また、コンパウンドとフィルム技術を融合した開発やマトリックスイノベーションテーマも活発化し、各種協働開発プロジェクトも推進し軌道に乗りつつあります。

 

  当連結会計年度の成果として、

コンパウンド関係

1.高耐熱・高耐油性エラストマーであるアクティマーHTの開発

2.高耐熱・柔軟EV車用充電ケーブルの流動

3.ハイブリット架橋エラストマーであるリクロマーの上市

4.航空機・鉄道車両用難燃材料の流動

5.自動車用グラスランチャンネル部材の流動

6.インフェクションコントロール商品であるリケガードコンパウンドの上市

7.耐熱・低収縮・低せん膨張硬質PVCの開発

8.防汚・遮熱コーティング材料の開発

等で開発が進み、一部流動することができました。研究開発費は、856百万円であります。

 

フィルム関係

1.E触感エラストマーレザーシートであるアクトレザーの開発

2.インフェクションコントロール商品であるリケガードフィルムの開発

3.建装材用意匠性フィルムの流動

4.キッチン用高耐熱・防汚フィルム イージークリーン、触感の良いソフトフィールフィルムの採用

5.高耐湿・高耐熱性FFC用フィルムの開発

6.高機能ウィンドフィルムの開発

7.曲面ディスプレイ用 高強度反射防止フィルム REPTY DC100-3D-ARの開発

等で開発が進み、一部の製品を流動できました。研究開発費は、472百万円であります。

 

食品包材関係

1.自動包装機メーカー向け純正超ストレッチPVCラップフィルムの量産化

2.自動包装機メーカー向け純正ノンストレッチPVCラップフィルムの開発と採用決定

3.食品加工業向けピロー包装用PVCラップフィルムの量産化

4.業界団体とのコラボレーションによるPVCラップフィルムの広報活動

5.製膜加工機における混練技術の基礎研究

等の活動に要した研究開発費は、67百万円であります。