現下のわが国の経済は、雇用・所得環境の改善が続く中で、各種政策の効果もあり緩やかな回復が続くとみられます。海外経済も、緩やかな回復が続くことが期待されており、米国は個人消費や設備投資が増加していることから今後も着実に回復が続くと見込まれ、欧州も個人消費や設備投資が緩やかに増加していることから今後も緩やかに回復が続くとみられます。一方で、中国では個人消費がやや低下、輸出が減少している事から、当面は緩やかな減速が見込まれます。
このような環境の中、当社グループは次期連結会計年度から、新3ヵ年中期経営計画を開始いたします。経営方針を「More Value to All 2021 共に生み出せ!さらなる価値を!」とし、すべての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指してまいります。
これまで以上に変化のスピードが加速していく市場のニーズを的確にとらえるため、次期連結会計年度より従来の「コンパウンド」「フイルム」「食品包材」の製品別セグメントから、以下の4つの市場別セグメントに変更いたし ます。製品にとらわれず市場別にグローバル戦略を構築することで、より的確に市場ニーズに応えてまいります。
地域戦略につきましては、各地域の特徴に即した展開を図ってまいります。日本では、グローバル展開に向けたものづくりの基盤を強化してまいります。ASEANでは、投資した設備を活用し成長市場での利益拡大を目指し、中国では、特に内需拡大に伴う自動車市場への拡販を行ってまいります。米州では、自動車市場に注力してまいります。
新3ヵ年中期経営計画では、以下5つの主要課題に取り組んでまいります。
①「グローバル経営の深化とシナジー」
すべての部門がグローバル経営に関わることで海外拠点の経営のレベルをさらに深めてまいります。同時に、各拠点の連携を一層強固なものにしグローバルにシナジーを発揮させてまいります。
②「戦略思考による収益力向上」
戦略思考にこだわり効率的に利益を向上させ、高付加価値製品の販売を強化することで、ROS7%、ROE8%を目指してまいります。
③「効率を極めた生産体制の実現」
さらなる生産効率化を目指し、グローバルでのものづくりを強化することで競争力を高めてまいります。
④「サステナブルな社会への貢献」
地球環境が大きく変化していく中、持続可能な社会を作り出すことは、企業としての使命であり、当社グループは、あらゆる側面でサステナブルな社会へ貢献してまいります。
⑤「人材育成とガバナンス重視の経営による企業体質の強化」
「人の成長こそ、企業の成長」であり、グローバルに活躍できる人材の育成を目指してまいります。
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、3ヵ年中期経営計画の最終年度(2023年3月期)において、売上高115,000百万円、営業利益8,500百万円、売上高営業利益率(ROS)は7%、株主資本純利益率(ROE)は8%であります。
環境対応につきましては、当社グループは、様々な合成樹脂を取り扱う加工メーカーであり、環境・化学物質に関する諸法規・諸規制を遵守するとともに、環境負荷の高い化学物質使用量の削減、太陽光発電の活用、ゼロエミッションの推進等、より高いレベルでの環境管理を行い、環境負荷軽減を目指した製品開発、製造方法の改善に全力を挙げて取り組んでまいります。
また、コーポレート・ガバナンスにつきましては、リケンテクノスウェイの実践をとおして持続的に成長し、中長期的に企業価値を向上していくために、経営上の組織体制や仕組みを整備、必要な施策を実施し、また、コーポレート・ガバナンスの強化を経営上の重要な課題のひとつと位置付けることで、当社グループ全体で実効的なガバナンスの仕組みを整備し、グループ競争力の強化と経営の透明性、公正性の確保に努めてまいります。
今後、ますますグローバルに競争が激化する中、技術本部、製造本部、品質保証本部、営業本部、購買本部、経営企画本部、管理本部の各本部および国内外における23社の重要な連結子会社が連携して各課題に取り組み、新3ヵ年中期経営計画の完遂に向けて全社員が一丸となって邁進してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。但し、これらは当社グループに係るすべてのリスクを網羅したものではなく、これら以外に投資家の判断に影響を及ぼす可能性があるリスクは存在します。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループが事業を展開する合成樹脂加工等の市場は、急速な技術変化と技術革新及び顧客ニーズの変化に対応する新商品・サービスの提供の必要性を特徴としております。新技術の開発とその製品化及び新製品・サービスの提供により、既存の製品・サービスは陳腐化しまたは市場性を失う傾向があります。
当社グループは、常に技術と顧客ニーズの急速な変化を的確に把握し、それに対応した製品・サービスのマーケティングを行っておりますが、かかる製品・サービスを提供することができるという保証はありません。当社グループがこれら新技術のトレンドや顧客ニーズの予測や対応を誤った場合、当社グループの事業、業績及び業務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの生産活動には、原材料、原反、製造装置等の設備、貯蔵品、その他の供給品のタイムリーな納入が必要です。当社グループの購入する原材料等には特殊なものがあるため、その中には、仕入先や供給品の切り替えが困難なものや、少数特定の仕入先からしか入手できないものもあります。当社グループは、当社グループが使用する主原材料、原反、設備、その他の供給品が現在十分に確保されているものと認識しておりますが、供給の遅延・中断や業界内の需要増加があった場合、必要不可欠な主原材料等の供給不足が生じる場合があります。これらの原因等により、当社グループが供給品を機動的に調達できない場合や、供給品の調達のために極めて多額の資金の支払が必要となる場合には、当社グループの業績が悪化する可能性があります。また、欠陥のある主原材料、原反、設備、その他の供給品は、当社グループの製品の信頼性及び評判に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは海外市場での事業拡大を戦略の一つとしております。当社グループの生産及び販売活動の大部分は、米国やヨーロッパ、並びに東南アジアや中国市場であります。これらの海外における事業活動においては、政治経済情勢の悪化、輸出入及び外資の規制、予期しない法令の変更、テロ・戦争、その他の要因による社会的混乱、疫病の発生、人材及び技術の流失など、当社グループの事業活動を阻害し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクがあります。
当社グループは、合成樹脂の中間材料の製造から、家庭用品のような最終製品まで幅広い樹脂加工を行っており、使用原材料の安全性確保に始まり、適正加工にいたるまでの多岐にわたる規制を確実に遵守することが義務づけられています。また、当社グループは、グローバルに事業を展開しており、国内外における予想外の規制変更によるリスク、国による規制の違いによるリスクにさらされています。
また、欠陥のある製品を供給しその製品の使用者に損害を与えたり、法的に保護される権利を侵害することによる、社会的信用失墜による売上減少、多額の損害賠償のリスクにも配慮する必要があります。さらに、不公正な取引を行わないことは勿論、公正な競争にうち勝つ努力を続けなければ、脱落していくというリスクにみまわれる可能性があります。
当社グループは、世界的に認められている品質基準に従って製品を製造しております。しかし、全ての製品について全く欠陥がなく、製造物責任を負うこともなく、リコールが発生しないという保証はありません。また、保険によってこれらに起因する費用の全てを賄う保証もありません。大規模なリコールや多額の製造物責任賠償を負担することにより、当社グループの財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、他社製品との差別化をはかるために、種々の技術とノウハウを蓄積してきました。しかし、これらの当社独自の技術やノウハウは当社グループの権利として確保していますが、ことに国外においては、この権利を十分に確保できない場合もあり、また、類似製品の製造を完全には防止できない場合もあり、これらの権利侵害によって当社が損害を被る可能性を排除できません。 また、当社グループは他者の知的財産権を侵害することのないように十分に注意しておりますが、海外において知的財産権の制度が異なる場合、当社グループとしては侵害していないとしている場合においても、結果として他者の権利を侵害する場合も排除できません。
以上のような、知的財産権にかかるリスクも、それが大きな費用負担となる場合には、当社グループの財務状況に悪影響を及ぼすことになります。
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質の取扱、廃棄物処理並びに土壌・地下水汚染を規制する環境諸法令による規制を広範囲にわたって受けております。これらの規制は強化される傾向にあり、特に化学物質に対する法規制は国内外を問わず強化される方向にあり、迅速かつ的確に対応しなければ市場を失うというリスクにさらされております。これらに対応するための費用が、当社グループの事業にとって重大な金額となる可能性があり、また社会の求める環境への対応水準が高まることにより、追加の費用が発生する可能性があります。これらの費用負担が、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの関係会社の中には、親会社である当社が債務保証を行っている場合があります。また、今後事業拡大(設備投資含む)等、収益向上を図るため債務保証を行う場合もあります。予期に反し業績が悪化し債務保証が実行された場合、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、原油から精製されるナフサ由来のエチレン、プロピレン等の石化基礎製品から作られる誘導品を主原材料としているため、その原材料価格は原油価格の変動の影響を大きく受けることになります。原油価格は、全世界的な需給バランスのほか戦争、テロ、投機的な動き等予期せざる様々な原因により、乱高下を繰返しており、今後もこの傾向は続くことが予想されます。原材料価格の変動を適時に製品価格に反映できない場合やコスト削減等により吸収できない場合等には、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの取引先に対し、予期せぬ貸倒リスクが顕在化した場合、売上債権・貸付金等に追加的な損失や引当金の計上が必要となり、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業には、海外における製品の生産・販売が含まれております。海外現地法人において、現地通貨で取引されている収支の各項目は、連結財務諸表を作成する際に円に換算されるため、結果として換算する時点での外国為替の変動に影響される可能性があります。また、為替相場の変動は、当社グループが現地で販売する製品の価格や、当社グループの現地生産品の製造・調達コストに影響を及ぼす可能性があり、現地市場の競争力や国内における販売価格にも影響をもたらす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資が増加し雇用所得環境も改善したこともあり、引き続き緩やかな景気回復傾向が見られました。
海外では、米国経済は個人消費や民間設備投資を中心に堅調を維持し、欧州経済は内需を中心に底堅く推移いたしました。中国経済は、米中貿易摩擦などの影響もあり緩やかな減速傾向となりました。
このような環境の中、当社グループは3ヵ年中期経営計画の最終年度を迎え様々な取り組みを行ってまいりました。製造面では、ASEANでの旺盛な需要に対応すべくタイ国現地法人およびインドネシア国現地法人で増設を行い、今後さらに市場の伸びが期待されるベトナム国と米国において合理化設備を増設いたしました。また、販売面では、中国における自動車市場へのマーケティングを強化し、未開拓地域への進出の足掛かりとしてインド国に販売会社を設立いたしました。このようにグローバルな視点で顧客のニーズをきめ細かく確実に捉え、業績の向上に努めてまいりました。
その結果、連結売上高は97,813百万円、前連結会計年度比(以下「前年同期比」)3.4%増加、連結営業利益は5,761百万円(前年同期比6.7%増加)、連結経常利益は5,869百万円(前年同期比8.5%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,060百万円(前年同期比20.6%増加)となりました。なお、売上高につきましては、過去最高、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、最高益を更新いたしました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
国内のコンパウンド事業のうち、塩ビコンパウンドは、電線市場を中心とした首都圏再開発案件の取り込みおよび拡販により増収となりました。エラストマーコンパウンドは、自動車市場および電線市場での拡販により、増収となりました。
海外のコンパウンド事業のうち、米国現地法人では自動車市場および電線市場で低調に推移いたしましたが、中国現地法人では電線市場を中心に、またタイ国現地法人では自動車市場を中心に、売上を伸ばしました。インドネシア国現地法人では、自動車市場および電線市場で売上を伸ばし、海外全体としては増収となりました。
利益面につきましては、生産性改善および販売数量増加により、増益となりました。
その結果、売上高は67,967百万円(前年同期比2.5%増加)、セグメント利益は5,215百万円(前年同期比2.1%増加)となりました。
国内のフイルム事業のうち、建装材市場の住宅分野では、新築住宅着工件数は横ばいで推移いたしましたが、顧客の輸出取り扱いの増加もあり増収となりました。一方、非住宅分野では、オフィスビル、ホテル、公共施設等の新設およびリニューアル等の需要は好調に推移いたしましたが、在庫調整の影響もあり、減収となりました。新市場の光学分野では、大型案件の量産化および新用途への拡販により、増収となりました。
輸出は、電線市場では、アジアで非日系顧客向け自動車用製品が堅調に推移し増収となりましたが、建装材市場では、北米・欧州向けが前年を下回り減収となり、輸出全体としては減収となりました。
利益面につきましては、光学分野での損失が大幅に改善いたしましたが、全体として黒字化するには至りませんでした。
その結果、売上高は14,355百万円(前年同期比9.9%増加)、セグメント損失は53百万円(前年同期は239百万円の損失)となりました。
国内の食品包材事業のうち、外食産業および家庭向け小巻ラップは拡販が進み、増収となりました。一方、業務用ラップは食品スーパーでの鮮魚部門の落ち込みに伴い減収となり、全体として売上は横ばいとなりました。中国現地法人は、業務用ラップの拡販が進み、増収となりました。
利益面につきましては、原材料価格の改定に伴う製品価格調整の遅れの影響もあり、減益となりました。
その結果、売上高は11,523百万円(前年同期比0.4%増加)、セグメント利益は671百万円(前年同期比15.1%減少)となりました。
当連結会計年度末における総資産は売掛金等の流動資産が4,425百万円増加し、有形固定資産等の固定資産が1,083百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ3,341百万円増加し、95,207百万円となりました。
負債は支払手形及び買掛金等の流動負債が3,156百万円増加、社債及び長期借入金等の固定負債が1,439百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,717百万円の増加し、38,729百万円となりました。
純資産(非支配株主持分を含む)は、利益剰余金等の株主資本が2,699百万円増加し、その他有価証券評価差額金等のその他の包括利益累計額が931百万円減少、非支配株主持分が144百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,624百万円増加し56,478百万円となりました。なお、自己資本比率は51.4%となり、前連結会計年度から変動はありませんでした。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2,380百万円増加し、17,036百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ1,646百万円増加し、7,317百万円でした。その主な内容は、税金等調整前当期純利益6,135百万円、減価償却費3,657百万円等による資金の増加、棚卸資産の増加783百万円、法人税等の支払1,467百万円等による資金の減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ389百万円減少し、3,232百万円でした。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出3,610百万円、無形固定資産の取得による支出212百万円、投資有価証券の売却による収入302百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ304百万円減少し、1,562百万円でした。その主な内容は、短期借入金の増加による収入1,036百万円、長期借入金の返済による支出565百万円、配当金の支払額(非支配株主への配当を含む)1,989百万円等による資金の支払であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産負債の計上や偶発資産及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益費用の適正な計上を行うため、マネジメントによる重要な見積りや前提が必要とされます。当社は、過去の実績、又は、各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。資産負債及び収益費用を計上する上で客観的な判断が十分でない場合は、このような見積りが当社における判断の基礎となっております。従いまして、異なる前提条件のもとにおいては、結果が異なる場合があります。当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
当社グループは、売掛債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については、貸倒実績率により貸倒引当金を計上しております。貸倒懸念債権及び破産更生債権については、個別に相手先の業績、信用、債権残高、財務状況などを考慮して回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。相手先の財務状況が悪化した場合は引当金を積み増すことで、損益にマイナスの影響を与える可能性があります。
当社グループは、一定期間内における回収可能性に基づき貸借対照表に繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は予測される将来における課税所得の達成の可否により影響を受けます。当社グループの将来の収益に係る判断は将来における市場の動向、その他の要因の影響を受けます。これらの状況に変化があった場合、繰延税金資産計上額に対して金額的に重要な評価性引当額を計上する可能性があります。繰延税金資産の回収可能性を見込めない場合には、回収不能と見込まれる金額に対して評価性引当額が計上され、損益に影響を与える可能性があります。
当社グループは、いくつかの退職金制度を有しております。親会社は企業年金制度を採用しております。退職給付に係る負債及び退職給付費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。親会社の年金制度においては、割引率は日本の国債の市場利回りを在籍従業員に対する支給年数で調整して算出しております。期待収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は当連結会計年度末の退職給付に係る負債、将来期間において認識される退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
売上高
当連結会計年度の売上高は、97,813百万円、前連結会計年度比3,212百万円(3.4%)の増加となりました。
国内は電線および自動車市場を中心にコンパウンドの拡販が進み、売上高は伸長しました。海外においても中国現地法人での電線市場での拡販、タイ国現地法人での自動車市場での拡販、インドネシア国現地法人での自動車及び電線市場での拡販により売上高は伸長しました。
売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度比2,733百万円(3.5%)増加し、80,072百万円となりました。主な要因は、売上数量の増加及び原材料の値上がりによるものです。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比117百万円(1.0%)増加し、11,980百万円となりました。主な増加要因は、物流費の増加によるものです。
その結果、営業利益は、前連結会計年度比362百万円(6.7%)増加し、5,761百万円となりました。
営業外損益
当連結会計年度における営業外収益は、受取保険金等により、前連結会計年度比68百万円(23.7%)増加の358百万円となり、営業外費用は、前連結会計年度比27百万円(10.0%)減少の250百万円となりました。
経常利益
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度比459百万円(8.5%)増加の5,869百万円となりました。
特別損益
当連結会計年度における特別利益は、政策保有株式の見直しによる有価証券売却益の発生等により、前連結会計年度比212百万円(204.8%)増加の316百万円となりました。
また、当連結会計年度における特別損失は、固定資産売却損、固定資産除却損の増加等により、前連結会計年度比3百万円(6.3%)増加の50百万円となりました。
税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比668百万円(12.2%)増加の6,135百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比522百万円(20.6%)増加の3,060百万円となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は13,023百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は17,036百万円となっております。
当社グループは、中長期的な経営の方向性を3ヵ年中期経営計画「ACT NOW! ACT TOGETHER! 2018」において、5つの主要課題と具体的な経営指標等の目標値を定めて計画を推進してまいりました。最終年度となりました当連結会計年度における5つの主要課題への取り組みは以下の通りです。
「全事業のグローバル経営の深化」においては、アジア・北米での生産設備の増設、アジアでの販売拠点の拡充により、この3ヵ年でグローバルに販売を伸ばしました。「収益力・財務体質の強化」においては、データ分析に基づき各プロセスにおける様々な無駄を排除する取り組みを行いました。「革新的な生産体制の創造」においては、生産性向上および短納期化への取り組みを行いました。「光学分野における事業化の確立」においては、大型案件の受注を獲得したものの黒字化には至りませんでした。「戦略的な人材育成による企業基盤の強化」においては、活力ある組織風土を醸成すべく、新人事制度を導入いたしました。
中期経営計画における当連結会計年度の具体的な経営指標等の目標値は、売上高110,000百万円、営業利益8,000百万円、経常利益8,000百万円、当期純利益4,500百万円、売上高営業利益率(ROS)は7%、総資本経常利益率(ROA)は6%、株主資本純利益率(ROE)は8%としております。
当連結会計年度における売上高は97,813百万円(計画比88.9%)、営業利益は5,761百万円(計画比72.0%)、経常利益は5,869百万円(計画比73.4%)、当期純利益は4,371百万円(計画比97.1%)、営業利益率(ROS)は5.9%(計画比▲1.1%)、総資本経常利益率(ROA)は6.3%(計画比+0.3%)、株主資本純利益率(ROE)は6.4%(計画比▲1.6%)となりました。
光学分野の事業化の遅れや、一部地域での販売計画の未達により、売上高及び利益の実績は計画を下回りましたが、5つの主要課題に対する取り組みを進め、連結売上高につきましては、過去最高、連結経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、最高益を更新いたしました。次年度以降は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で記載しました新3ヵ年中期経営計画「More Value to All 2021 共に生み出せ!さらなる価値を!」を確実に実行することにより更に利益の拡大を進めてまいります。
該当事項はありません。
技術本部は、『全ての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指して』という課題のもと、カスタマーディライト商品の研究開発活動を推進しております。
今年度に開発組織を刷新しました。これからの研究開発の指針として、「美しく、軽く、安全に」+「環境」をキーワードと決め進めてまいります。グローバル化が進み、弊社の海外比率は既に50%を超える見込みであり、我々素材メーカーの役割として、地球環境全体を鑑みながら、新規商材を開発していくことが重要と考えています。既に、最前線の開発部隊は、環境配慮化を意識して新商品化を進めております。また、社会的に課題となっている感染症対策として、リケガードシリーズ(抗菌、抗ウィルス、防虫)の開発も進み、本格的な販売開始に至っています。更に、バイオマスやリサイクルの視点にも重点をおいた素材(コンパウンド、フィルム)の開発をスタートしています。
「美しく、軽く、安全に」という指針においては、全分野共通の世界的ニーズになるであろう、次世代のエネルギー、モビリティを創造する上で重要なファクターとなると考えます。デジタル化革命、特にAI、IoTによる革新は、急激なスピードで発展しつつあります。そこでの素材メーカーとしての役割は、美しいデザインやディスプレイを創造し、更に軽くすることでのエネルギー損失を抑制し、人々が安全であるべき製品へのイノベーションを創造することです。
また、食品包装分野における複層高機能フィルムの開発や医療包装分野におけるフィルム新商品の開発を推進しています。食の安全を守る、また薬剤包装における安全を守る考えもまた重要と考えています。
光学事業における事業化の確立において、REPTY DC100のシリーズにより、100%ガラス代替を達成し、また大型物件受注、拡販を成功させました。この技術を更に発展し、次世代モビリティの世界を創造し、モビリティの軽量化は近未来においては必須であると考えます。3D成型グレードも完成度を高め、高い耐熱性を持つREPTY DC100の優位性を生かした製品に展開しています。また、モビリティ自体に美しさをフィルムで追及していく、高意匠性を持つフィルムの開発です。建装分野で培ったデザイン力をベースに、自動車内装加飾、外装加飾などフィルムのデザインと機能性を兼ね備えたフィルムの開発を進めております。
また、電材・電装の分野も新製品を続々と出し続ける。ここには、自動車のEV化の波があり、まさに、高速充電用の素材においては、既に実績化しており、カスタマイズ開発と共に更なる高機能化の開発を推進しています。ここには、トリニティFR、動的架橋の更なる高耐熱化の技術付与を進めています。
更に、グローバル競争において、収益率向上を伴う事業拡大を実現することをめざしており、科学技術や市場の中長期的動向を見据えた材料・プロセスの研究開発が、ますます重要になっています。また、グローバル事業の拡大を支援する研究開発機能(グローバルテクニカルセンター機能)を充実する必要性が増してきています。また、優れた人材の確保の点も重要と考え、2020年10月完成を目指して東京都大田区にある研究開発センターの増築(鉄骨3階建て、延べ床面積:約1200㎡)も進めております。
当連結会計年度の成果として、
コンパウンド関係
1.完全架橋エラストマーである新アクティマーGの開発
2.高耐熱・柔軟EV車用充電ケーブルの販売拡大
3.ハイブリット架橋エラストマーであるリクロマーの上市
4.PVC混錬機の基礎研究
5.自動車用グラスランチャンネル部材の全日系車への搭載
6.リケガード(抗菌・抗ウイルス・防虫)コンパウンドの実績化
7.触感に優れるPVC(A触感軟質PVC)の流動
等で開発が進み、一部流動することができました。研究開発費は、
フィルム関係
1.各種塗装代替フィルムの開発
2.リケガード(抗菌・抗ウイルス・防虫)フィルムの完成
3.建装材用意匠性フィルムの流動
4.医薬品包装用フィルムの開発
5.高耐湿・高耐熱性FFC用フィルムの流動
6.ガラス代替フィルムREPTY DC100の製品化展開
7.プロジェクション投影用フィルムの流動
等で開発が進み、一部の製品を流動できました。研究開発費は、
食品包材関係
1.自動包装機メーカー向け純正ノンストレッチPVCラップフィルムの開発と採用決定
2.食品加工業向けピロー包装用PVCラップフィルムの開発
3.食品スーパーマーケット・バックヤード向け小型包装機用PVCラップフィルムの開発と採用決定
4.業界団体とのコラボレーションによるPVCラップフィルムの広報活動
5.製膜加工機における混練技術の基礎研究
等の活動に要した研究開発費は、