第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

現下のわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により景気が急速に悪化しており、極めて厳しい状況にあります。海外経済についても同様に厳しい状況にあり、経済活動再開の動きはみられるものの、当面は当社グループにとっても厳しい経営環境が続くものと考えております。

このような環境の中、当社グループは、3か年中期経営計画「More Value to All 2021 共に生み出せ!更なる価値を!」を経営方針とし、すべての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指してまいります。

これまで以上に変化のスピードが加速していく市場のニーズを的確にとらえるため、当連結会計年度より従来の「コンパウンド」「フイルム」「食品包材」の製品別セグメントから、「トランスポーテーション」「デイリーライフ&ヘルスケア」「エレクトロニクス」「ビルディング&コンストラクション」の4つの市場別セグメントに変更いたしました。製品にとらわれず市場別にグローバル戦略を構築することで、より的確に市場ニーズに応えてまいります。

また、3か年中期経営計画で設定した「グローバル経営の深化とシナジー」「戦略思考による収益力向上」「効率を極めた生産体制の実現」「サステナブルな社会への貢献」「人材育成とガバナンス重視の経営による企業体質の強化」の5つの主要課題に取り組んでまいります。

「グローバル経営の深化とシナジー」においては、アジアにおけるコンパウンド事業の強化と共に、グローバル経営を意識した各本部/海外拠点との連携体制の更なる強化により、シナジーを発揮し、収益に結びつけてまいります。

「戦略思考による収益力向上」においては、各市場の分析のレベルアップとそれに基づく戦略の強化、製造/物流等のコストダウンにより、グローバルな競争力の強化に取り組んでまいります。

「効率を極めた生産体制の実現」においては、徹底的なコスト削減による低コストオペレーションの確立を目指すと共に、グローバルでのリケンスタンダードの強化により製造品質の向上を実現してまいります。

「サステナブルな社会への貢献」においては、地球環境が大きく変化していく中、持続可能な社会を作り出すことは企業としての使命と考えており、あらゆる側面でサステナブルな社会への貢献を目指してまいります。当社主力製品である塩ビコンパウンドは、原料の約6割が塩に由来する塩ビを主原料としており、他の樹脂素材を塩ビで代替することで石油由来の原料を削減すると共に、ゴム製品を代替するリサイクル可能な熱可塑性エラストマーの開発・提供を進めることにより貢献してまいります。

「人材育成とガバナンス重視の経営による企業体質の強化」においては、当社グループの更なるグローバルでの成長の為に、研修体制の再構築・グローバル人材を意識したキャリア形成・部下育成により、グローバルに活躍できる人材を育成してまいります。

セグメント別には、「トランスポーテーション」では、特に新型コロナウイルス感染症の影響を注視しつつ、重点分野である自動車用電装、自動車用成型部材、2輪車用部材の各分野での取り組みを強化してまいります。

「デイリーライフ&ヘルスケア」では、重点分野である医療用及び食品包材においてグローバル視点にて販売戦略を実行し拡販してまいります。特に新型コロナウイルス感染症により需要が高まっている食品包材部門において、取り組みを強化してまいります。

「エレクトロニクス」では、電力・通信インフラ、充電・センサーケーブル用コンパウンド、光学フィルムへの取り組みを強化してまいります。

「ビルディング&コンストラクション」では、インテリア用フィルム、住宅建築資材の両分野への取り組みを強化すると共に、一昨年子会社化したデザイン会社の一層の活用により、提案力を強化してまいります。

また、全分野において抗ウイルス・抗菌機能を併せ持つリケガードの生産・供給を強化することにより、社会へ貢献していきたいと考えております。

 

環境対応につきましては、当社グループは様々な合成樹脂を取り扱う加工メーカーであり、環境・化学物質に関する諸法規・諸規制を遵守するとともに、環境負荷の高い化学物質使用料の削減、太陽光発電の活用、ゼロエミッションの推進等、より高いレベルでの環境管理を行ない、環境負荷軽減を目指した製品開発、製造方法の改善に全力を挙げて取り組んでまいります。

また、コーポレートガバナンスにつきましては、リケンテクノスウェイの実践を通して持続的に成長し、中長期的に企業価値を向上していくために、グループ全体の内部統制の更なる整備・強化を実施し、当社グループ全体でのコーポレートガバナンスの強化、コンプライアンス意識の向上を通じてグループ競争力の強化と経営の透明性、公正性の確保に努めてまいります。

今後、ますますグローバルに競争が激化する中、技術本部、製造本部、品質保証本部、営業本部、次世代フィルム事業本部、購買本部、経営企画本部、管理本部の各本部および国内外の重要な連結子会社が連携して各課題に取り組み、3ヵ年中期経営計画の完遂に向け全社員が一丸となって邁進してまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 技術革新及び顧客ニーズへの対応について

当社グループが事業を展開する合成樹脂加工等の市場は、急速な技術変化と技術革新及び顧客ニーズの変化に対応する新商品・サービスの提供の必要性を特徴としております。新技術の開発とその製品化及び新製品・サービスの提供により、既存の製品・サービスは陳腐化しまたは市場性を失う傾向があります。

当社グループは、常に技術と顧客ニーズの急速な変化を的確に把握し、それに対応した製品・サービスのマーケティングを行っておりますが、かかる製品・サービスを提供することができるという保証はありません。当社グループがこれら新技術のトレンドや顧客ニーズの予測や対応を誤った場合、当社グループの事業、業績及び業務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 資材等の調達について

当社グループの生産活動には、原材料、原反、製造装置等の設備、貯蔵品、その他の供給品のタイムリーな納入が必要です。当社グループの購入する原材料等には特殊なものがあるため、その中には、仕入先や供給品の切り替えが困難なものや、少数特定の仕入先からしか入手できないものもあります。当社グループは、当社グループが使用する主原材料、原反、設備、その他の供給品が現在十分に確保されているものと認識しておりますが、供給の遅延・中断や業界内の需要増加があった場合、必要不可欠な主原材料等の供給不足が生じる場合があります。これらの原因等により、当社グループが供給品を機動的に調達できない場合や、供給品の調達のために極めて多額の資金の支払が必要となる場合には、当社グループの業績が悪化する可能性があります。また、欠陥のある主原材料、原反、設備、その他の供給品は、当社グループの製品の信頼性及び評判に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外市場での事業拡大に伴うリスクについて

当社グループは海外市場での事業拡大を戦略の一つとしております。当社グループの生産及び販売活動の大部分は、米国やヨーロッパ、並びに東南アジアや中国市場であります。これらの海外における事業活動においては、政治経済情勢の悪化、輸出入及び外資の規制、予期しない法令の変更、テロ・戦争、その他の要因による社会的混乱、疫病の発生、人材及び技術の流失など、当社グループの事業活動を阻害し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクがあります。

 

(4) 法的事項に関して

① 法的リスクの概要

当社グループは、合成樹脂の中間材料の製造から、家庭用品のような最終製品まで幅広い樹脂加工を行っており、使用原材料の安全性確保に始まり、適正加工にいたるまでの多岐にわたる規制を確実に遵守することが義務づけられています。また、当社グループは、グローバルに事業を展開しており、国内外における予想外の規制変更によるリスク、国による規制の違いによるリスクにさらされています。

また、欠陥のある製品を供給しその製品の使用者に損害を与えたり、法的に保護される権利を侵害することによる、社会的信用失墜による売上減少、多額の損害賠償のリスクにも配慮する必要があります。さらに、不公正な取引を行わないことは勿論、公正な競争にうち勝つ努力を続けなければ、脱落していくというリスクにみまわれる可能性があります。

② 製品の欠陥

当社グループは、世界的に認められている品質基準に従って製品を製造しております。しかし、全ての製品について全く欠陥がなく、製造物責任を負うこともなく、リコールが発生しないという保証はありません。また、保険によってこれらに起因する費用の全てを賄う保証もありません。大規模なリコールや多額の製造物責任賠償を負担することにより、当社グループの財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 知的財産権

当社グループは、他社製品との差別化をはかるために、種々の技術とノウハウを蓄積してきました。しかし、これらの当社独自の技術やノウハウは当社グループの権利として確保していますが、ことに国外においては、この権利を十分に確保できない場合もあり、また、類似製品の製造を完全には防止できない場合もあり、これらの権利侵害によって当社が損害を被る可能性を排除できません。また、当社グループは他者の知的財産権を侵害することのないように十分に注意しておりますが、海外において知的財産権の制度が異なる場合、当社グループとしては侵害していないとしている場合においても、結果として他者の権利を侵害する場合も排除できません。

以上のような、知的財産権にかかるリスクも、それが大きな費用負担となる場合には、当社グループの財務状況に悪影響を及ぼすことになります。

④ 環境に関する規制

当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質の取扱、廃棄物処理並びに土壌・地下水汚染を規制する環境諸法令による規制を広範囲にわたって受けております。これらの規制は強化される傾向にあり、特に化学物質に対する法規制は国内外を問わず強化される方向にあり、迅速かつ的確に対応しなければ市場を失うというリスクにさらされております。これらに対応するための費用が、当社グループの事業にとって重大な金額となる可能性があり、また社会の求める環境への対応水準が高まることにより、追加の費用が発生する可能性があります。これらの費用負担が、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 関係会社の債務保証

当社グループの関係会社の中には、親会社である当社が債務保証を行っている場合があります。また、今後事業拡大(設備投資含む)等、収益向上を図るため債務保証を行う場合もあります。予期に反し業績が悪化し債務保証が実行された場合、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料価格の大幅な変動による採算性悪化について

当社グループは、原油から精製されるナフサ由来のエチレン、プロピレン等の石化基礎製品から作られる誘導品を主原材料としているため、その原材料価格は原油価格の変動の影響を大きく受けることになります。原油価格は、全世界的な需給バランスのほか戦争、テロ、投機的な動き等予期せざる様々な原因により、乱高下を繰り返しており、今後もこの傾向は続くことが予想されます。また、植物由来の一部原材料では、地球温暖化等気候変動の影響を受けることが予想されます。原材料価格の変動を適時に製品価格に反映できない場合やコスト削減等により吸収できない場合等には、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 貸倒リスクについて

当社グループの取引先に対し、予期せぬ貸倒リスクが顕在化した場合、売上債権・貸付金等に追加的な損失や引当金の計上が必要となり、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 外国為替相場の変動について

当社グループの事業には、海外における製品の生産・販売が含まれております。海外現地法人において、現地通貨で取引されている収支の各項目は、連結財務諸表を作成する際に円に換算されるため、結果として換算する時点での外国為替の変動に影響される可能性があります。また、為替相場の変動は、当社グループが現地で販売する製品の価格や、当社グループの現地生産品の製造・調達コストに影響を及ぼす可能性があり、現地市場の競争力や国内における販売価格にも影響をもたらす可能性があります。

 

(9) 自然災害

当社グループは国内外に生産拠点/販売拠点を保有しております。当該地域における大規模な地震、台風、大雨等の自然災害によって、当社グループの生産活動/販売活動等の事業活動に支障をきたす事態が発生した場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 感染症の流行

新型コロナウイルス感染症等、大規模な感染症の流行が発生した場合、生産活動/販売活動等の事業活動に支障をきたすことに加え、本邦・世界経済の大幅な減速により、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

特に本年度については、新型コロナウイルス感染症流行の長期化/深刻化、大規模な第2波の発生等、想定を上回る事態となった場合に、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、前半は緩やかな回復傾向にあったものの、後半になり消費税増税による設備投資や個人消費の落ち込み、新型コロナウイルス感染症の影響による足下での大幅な下押しにより、全体としては厳しい状況となりました。

海外では、米国経済は製造業の弱含みが続き、欧州経済も低成長が継続しました。アジアでも米中貿易摩擦の影響による世界景気の減速を受けた輸出下押し等により、中国では景気減速が続き、タイ国においても景気は弱い動きとなりました。

産業別には、国内の自動車業界は、消費税増税による購買意欲の低下に加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴う客足鈍化の影響もあり減少となりました。建材業界は、住宅着工件数が減少、家電業界は、白物家電の消費税増税前の駆け込み需要による反動減と暖冬による影響等で前年度をやや下回る結果となりました。

このような環境の中、当社グループはグローバルな視点で市場別に顧客のニーズをきめ細かく確実に捉え、国内および海外の経営資源を効率的に活用して受注につなげることで業績の向上に努めました。

その結果、連結売上高は98,808百万円、前連結会計年度比(以下「前年同期比」)1.0%増加連結営業利益は5,581百万円(前年同期比3.1%減少)、連結経常利益は5,670百万円(前年同期比3.4%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,064百万円(前年同期比0.1%増加)となりました。なお、売上高につきましては、過去最高を更新いたしました。

 

セグメント別の経営成績は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。

 

 <トランスポーテーション>

 国内では、自動車市場が9月以降低調に推移し、同市場へのエラストマーコンパウンドの販売が減少したことから、減収となりました。

 海外では、ASEANにおける自動車電線市場の塩ビコンパウンドの販売は堅調に推移しましたが、北米、中国およびインド国の自動車市場においては、需要低迷の影響を受けて自動車成型部材向け塩ビおよびエラストマーコンパウンドが低調に推移し、減収となりました。

 セグメント利益につきましては市況の影響、国内およびASEANでの設備投資等に伴うコスト負担増加の影響もあり減益となりました。

 その結果、売上高は29,758百万円(前年同期比3.7%減)、セグメント利益は2,740百万円(前年同期比8.7%減)となりました。

 

 <デイリーライフ&ヘルスケア>

 国内では、生活資材市場のチューブ・ホース用塩ビコンパウンドおよび家電用フィルムの販売が堅調に推移し、また食品包材市場ではラップ製品の拡販が進み、増収となりました。

 海外では、医療市場向け塩ビコンパウンドの販売は堅調に推移しましたが、ASEANおよび北米における生活資材市場の塩ビコンパウンド及び中国におけるラップ製品の販売が減少し、減収となりました。

 セグメント利益につきましては、生産性向上の寄与もあり増益となりました。

 その結果、売上高は24,308百万円(前年同期比0.2%増)、セグメント利益は1,860百万円(前年同期比11.5%増)となりました。

 

 

 <エレクトロニクス>

 国内では、エネルギーおよび情報通信市場における塩ビコンパウンドおよび光学分野におけるフィルムの大型案件の売上が前年を下回ったことにより、減収となりました。

 海外では、中国における情報通信市場の塩ビコンパウンドの販売が景気減速により減少したものの、北米におけるエネルギー市場での塩ビコンパウンドの販売が増加し、増収となりました。

 セグメント利益につきましては、光学分野での販売数量減少により減益となりました。

 その結果、売上高は20,883百万円(前年同期比1.3%減)、セグメント利益は282百万円(前年同期比30.7%減)となりました。

 

 <ビルディング&コンストラクション>

 国内では、非住宅市場におけるインテリアフィルムの新意匠の採用による販売増加、一昨年子会社化したデザイン会社の売上への寄与があり増収となりました。

 海外では、北米における建築資材市場向け塩ビコンパウンド、欧州および中国におけるインテリアフィルムの販売が減速し、減収となりました。

 セグメント利益につきましては、国内での高付加価値品の販売増加により増益となりました。

 その結果、売上高は23,290百万円(前年同期比11.7%増)、セグメント利益は561百万円(前年同期比19.2%増)となりました。

 

当連結会計年度末における総資産は受取手形及び売掛金等の流動資産が2,002百万円減少し、有形固定資産等の固定資産が1,336百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ3,339百万円減少し、91,868百万円となりました。

負債は支払手形及び買掛金等の流動負債が4,064百万円減少、長期借入金等の固定負債が382百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ4,447百万円減少し、34,282百万円となりました。

純資産(非支配株主持分を含む)は、利益剰余金等の株主資本が1,075百万円増加し、その他有価証券評価差額金等のその他の包括利益累計額が306百万円減少し、非支配株主持分が340百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,108百万円増加57,586百万円となりました。なお、自己資本比率は54.1%となり、前連結会計年度から2.7ポイント上昇しました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ775百万円増加し、17,812百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ1,487百万円増加し、8,805百万円でした。その主な内容は、税金等調整前当期純利益6,025百万円、減価償却費3,886百万円、売上債権の減少1,732百万円、棚卸資産の減少1,039百万円等による資金の増加、仕入債務の減少1,917百万円、法人税等の支払1,846百万円等による資金の減少であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ707百万円減少し、2,525百万円でした。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出2,738百万円、無形固定資産の取得による支出939百万円、有形固定資産の売却による収入647百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ3,917百万円増加し、5,480百万円でした。その主な内容は、自己株式の取得による支出1,513百万円、短期借入金の減少による支出729百万円、長期借入金の返済による支出743百万円、配当金の支払額(非支配株主への配当を含む)2,217百万円等による資金の支払であります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連会計年度
(自 2019年4月1日
 至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

トランスポーテーション(千円)

21,796,860

101.6

デイリーライフ&ヘルスケア(千円)

16,777,680

96.0

エレクトロニクス(千円)

8,042,984

111.5

ビルディング&コンストラクション(千円)

4,883,750

98.0

 報告セグメント計(千円)

51,501,276

100.7

その他(千円)

7,865

164.1

合計(千円)

51,509,142

100.7

 

(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

トランスポーテーション

28,923,470

99.5

1,218,693

53.0

デイリーライフ&ヘルスケア

24,141,169

100.1

862,841

107.3

エレクトロニクス

20,446,650

96.1

1,597,278

74.6

ビルディング&コンストラクション

23,184,456

110.5

1,750,695

94.2

 報告セグメント計

96,695,747

101.3

5,429,509

76.4

その他

545,373

76.0

41,983

65.5

合計

97,241,120

101.1

5,471,493

76.3

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連会計年度
(自 2019年4月1日
 至 2020年3月31日)

前年同期比(%)

トランスポーテーション(千円)

29,758,873

96.3

デイリーライフ&ヘルスケア(千円)

24,308,394

100.2

エレクトロニクス(千円)

20,883,426

98.7

ビルディング&コンストラクション(千円)

23,290,521

111.7

 報告セグメント計(千円)

98,241,216

101.1

その他(千円)

567,455

84.7

合計(千円)

98,808,671

101.0

 

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

売上高

当連結会計年度の売上高は、98,808百万円、前連結会計年度比994百万円(1.0%)の増加となりました。国内は一昨年子会社化したデザイン会社の売上への寄与及び食品包材部門での拡販により、売上高は伸長しました。海外においては、ベトナム国での拡販はあったものの、インドネシア国・中国での需要低迷により、売上高は減少しました。

 

売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益

当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度比761百万円(1.0%)増加し80,833百万円となりました。主な要因は、売上数量の増加によるものです。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比413百万円(3.5%)増加し12,393百万円となりました。主な増加要因は、従業員給与及び支払手数料の増加によるものです。

その結果、営業利益は、前連結会計年度比179百万円(3.1%)減少し5,581百万円となりました。

 

営業外損益

当連結会計年度における営業外収益は、保険解約返戻金等により、前連結会計年度比73百万円(20.6%)増加432百万円となり、営業外費用は、為替差損等により前連結会計年度比92百万円(37.0%)増加343百万円となりました。

 

経常利益

当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度比199百万円(3.4%)減少5,670百万円となりました。

 

特別損益

当連結会計年度における特別利益は、土地売却による固定資産売却益等により、前連結会計年度比99百万円(31.3%)増加416百万円となりました。

また、当連結会計年度における特別損失は、環境対策費等により、前連結会計年度比10百万円(20.1%)増加61百万円となりました。

 

税金等調整前当期純利益

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比109百万円(1.8%)減少6,025百万円となりました。

 

親会社株主に帰属する当期純利益

親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比3百万円(0.1%)増加3,064百万円となりました。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 

 当社グループは、中長期的な経営の方向性として3ヵ年中期経営計画「More Value to All 2021 共に生み出せ!さらなる価値を!」を経営方針とし、全ての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指しております。中期経営計画初年度となる当連結会計年度における5つの主要課題への取り組みは以下の通りです。

 「グローバル経営の深化とシナジー」においては、新セグメントでのグローバル運営を徹底すると共に、アジア地域でのコンパウンド事業に注力し、タイ・ベトナムで売り上げが伸長しました。「戦略思考による収益力向上」においては、管理業務のシェアード推進による経費削減を行なうと共に、デザイン子会社との一体運営が進展しました。「効率を極めた生産体制の実現」においては、高吐出型エラストマーラインの新設、生産管理指標の統一化を行ないました。「サステナブルな社会への貢献」においては、ゴム製品の代替としてリサイクル可能なエラストマーコンパウンドの拡販を行なうと共に、抗ウイルス・抗菌のリケガード製品の販売を行ないました。「人材育成とガバナンス重視の経営による企業体質の強化」においては、人材強化を狙いとした人事・研修制度の見直し、ROEの改善を目的とした自社株買いを行ないました。

 

 中期経営計画における当連結会計年度の具体的な経営指標等の目標値は、売上高105,000百万円、営業利益6,500百万円、経常利益6,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益3,700百万円としております。

 当連結会計年度における売上高は98,808百万円(計画比94.1%)、営業利益は5,581百万円(計画比85.9%)、経常利益は5,670百万円(計画比87.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,064百万円(計画比82.8%)となりました。

 光学分野での拡販の遅れやASEANでの需要低迷等により、売上高及び利益の実績は計画を下回りましたが、5つの主要課題に対する取り組みを進め、連結売上高につきましては、過去最高を更新いたしました。

 大変厳しい環境ではありますが、引き続き3ヵ年中期経営計画「More Value to All 2021 共に生み出せ!さらなる価値を!」に全グループを挙げて取り組んでまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、次のとおりであります。

 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益は減益であったものの、売上債権及び棚卸資産の減少により、前連結会計年度比で増加しており、投資を行うための十分な資金を獲得しております。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に製造設備への投資となりますが、事業計画に基づいており、その投資額につきましては適切であると認識しております。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得及び配当金の増額等により、前連結会計年度比で大幅に支出が増加しておりますが、フリー・キャッシュ・フローの範囲内であり事業の運営に影響を与えるものではありません。

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、次のとおりであります。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資やその他の投資資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
 当社グループは、中長期的に安定した成長のため製造設備への投資が必要となりますが、投資額については適切に管理されており、資金の流動性に問題はないと認識しております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は11,431百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は17,812百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産負債の計上や偶発資産及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益費用の適正な計上を行うため、マネジメントによる重要な見積りや前提が必要となります。当社グループは、過去の実績、または、各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき、一貫した見積りを実施しております。資産負債及び収益費用を計上する上で客観的な判断が十分でない場合は、このような見積りが当社グループにおける判断の基礎となっております。したがいまして、異なる前提条件のもとにおいては、結果が異なる場合があります。特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

 

a. 債権の回収可能性

当社グループは、売掛債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については、貸倒実績率により貸倒引当金を計上しております。貸倒懸念債権及び破産更生債権については、個別に相手先の業績、信用、債権残高、財務状況などを考慮して回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。相手先の財務状況が悪化した場合は引当金を積み増すことで、損益にマイナスの影響を与える可能性があります。

 

 

b. 繰延税金資産

当社グループは、一定期間内における回収可能性に基づき貸借対照表に繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は予測される将来における課税所得の達成の可否により影響を受けます。当社グループの将来の収益に係る判断は将来における市場の動向、その他の要因の影響を受けます。これらの状況に変化があった場合、繰延税金資産計上額に対して金額的に重要な評価性引当額を計上する可能性があります。繰延税金資産の回収可能性を見込めない場合には、回収不能と見込まれる金額に対して評価性引当額が計上され、損益に影響を与える可能性があります。

 

c. 退職金及び退職年金

当社グループは、いくつかの退職金制度を有しております。親会社は企業年金制度を採用しております。退職給付に係る負債及び退職給付費用は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率などが含まれます。親会社の年金制度においては、割引率は日本の国債の市場利回りを在籍従業員に対する支給年数で調整して算出しております。期待収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は当連結会計年度末の退職給付に係る負債、将来期間において認識される退職給付に係る負債及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

 技術本部は、『全ての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指して』という課題のもと、カスタマーディライト商品の研究開発活動を推進しております。研究開発の指針として、「美しく、軽く、安全に」+「環境」をキーワードに社会貢献も企業の重要な使命と捉えて、地球環境全体を鑑みながら、新規商材を開発していくことが重要と考えています。

 世界的にパンデミックを起している新型コロナウイルスと戦い、流行を抑制しようと全世界で奮闘しています。世界が最も期待しているのは、民間のイノベーションだと考えます。最先端の診断検査と治療方法の開発が進んでおり、長丁場になるウイルスとの闘いで、命やくらしを守るには、社会の風通しをよくすることが欠かせません。当社もこのウイルスの戦いに少しでも役に立ちたい、命やくらしを守りたい使命を持ち、最前線の開発部隊は、抗ウイルス対応商品の開発を進めております。感染症対策商品である、リケガードシリーズ(抗菌、抗ウィルス、防虫)の開発も進み、本格的な販売開始に至っています。特に、抗ウイルス材料であるリケガードVは、フィルムにおいて新型コロナウイルスの感染防止として業界唯一の抗ウイルス認証取得の高透明フィルムとして、スマートフォンの表面フィルムのほか、飛沫を防止するフェイスシールド用として既に販売を開始しています。また、リケガードVの成形材料(コンパウンド)についても、手で触るグリップ部材、手摺り材など製品化が進んでおります。当社は、少しでもこのウイルスとの闘いに役立ちたい一心で研究員一同、集中していきたいと考えております。

 また、素材メーカーとしての役割は、前述の感染予防商材リケガードシリーズの製品化推進をはじめ、食、医療の安全性、更に自動車材料では素材を軽くすることでのエネルギー損失を抑制し、人々が安全に暮らせるようにイノベーションを創造することです。

 食品包装分野における複層高機能フィルムの開発や医療包装分野におけるフィルム新商品の開発を推進しています。食の安全を守る、また薬剤包装における安全を守る考えもまた重要と考えています。

光学事業における事業化において、REPTY DC100のシリーズにより、100%ガラス代替、高意匠性を持つフィルム開発を進めてまいりました。

 更に、グローバル競争において、収益率向上を伴う事業拡大を実現することを目指しており、科学技術や市場の中長期的動向を見据えた材料・プロセスの研究開発が、ますます重要になっています。グローバル事業の拡大を支援する研究開発機能(グローバルテクニカルセンター機能)を充実する必要性が増してきています。また、優れた人材の確保の点も重要とらえ、2020年9月完成を目指して東京都大田区にある研究開発センターの増築(鉄骨3階建て、延べ床面積:約1200㎡)も進めております。

 この増築の目的は、中期経営計画において、「全ての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニー」を目指して、研究開発の改革を推進し、10年先を見据えた利便性に優れる研究施設を構築することです。

 具体的には、以下の施策を実施してまいります。

 (1)新規研究設備、各種成形加工機、試験室を整備し顧客の抱える課題を解決できる様に環境整備をはかる。

 (2)試作工場を研究部門内に併設することで試作サンプルの品質チェックと出荷スピードが改善でき、顧客満足度と生産技術力の向上にも繋がると期待しています。

 

  当連結会計年度の成果として、

 

コンパウンド関係

1.リケガード(抗菌・抗ウイルス・防虫)コンパウンドの実績化

2.完全架橋エラストマーである新アクティマーGの自動車部品への採用

3.高耐熱・柔軟EV車用充電ケーブルの販売拡大

4.ハイブリット架橋エラストマーであるリクロマーの発泡材料の開発

5.バイオマス、リサイクルコンパウンドの開発

6.自動車用グラスランチャンネル部材の全日系車への採用拡大

等で開発が進み、一部流動することができました。研究開発費は、776百万円であります。

 

フィルム関係

1.リケガード(抗菌・抗ウイルス・防虫)フィルムの実績化

2.各種塗装代替フィルムの開発

3.建装材用意匠性フィルムの流動

4.医薬品包装用フィルムの流動

5.高耐湿・高耐熱性FFC用フィルムの流動

6.ガラス代替フィルムREPTY DC100の製品化展開

7.プロジェクション投影用フィルムの流動

等で開発が進み、一部の製品を流動できました。研究開発費は、578百万円であります。

 

食品包材関係

1.自動包装機メーカー向け純正ノンストレッチPVCラップフィルムの開発と採用

2.食品加工業向けピロー包装用PVCラップフィルムの開発

3.食品スーパーマーケット・バックヤード向け小型包装機用PVCラップフィルムの開発と採用

4.業界団体とのコラボレーションによるPVCラップフィルムの広報活動

5.製膜加工機における混練技術の基礎研究

等の活動に要した研究開発費は、87百万円であります。