現下の国内外の経済は、感染拡大による景気下振れリスクはあるものの、新型コロナウイルス感染症の影響から持ち直しの動きが継続していくものと予測しております。一方、この景気回復により、原材料の需給がタイトになり、足元では価格高騰が継続しております。
このような環境の中、当社グループは、3ヵ年中期経営計画「More Value to All 2021 共に生み出せ!さらなる価値を!」を経営方針とし、すべての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指してまいります。2021年度は、この最終年度になりますが、掲げて来た5つの主要課題、「グローバル経営の深化とシナジー」、「戦略思考による収益力向上」、「効率を極めた生産体制の実現」、「サステナブルな社会への貢献」、「人材育成とガバナンス重視の経営による企業体質の強化」の完遂に向けて、全グループを挙げて取り組んでまいります。
「グローバル経営の深化とシナジー」においては、製品の需要動向を確実に捉え、グローバルに生産体制の最適化を推進し、収益に結びつけてまいります。
「戦略思考による収益力向上」においては、新製品の開発及び販売による収益力の向上を進める一方、シェアードのさらなる推進やシステム統合等により、効率的な経営に努めてまいります。
「効率を極めた生産体制の実現」においては、グローバルに生産性向上及びコスト削減をさらに進めるほか、需要動向を見据えてASEAN・米国等の海外生産能力拡張を進めてまいります。
「サステナブルな社会への貢献」においては、2020年度より「Blue Challenge」と称して活動の強化に努めており、さらに強力にその取り組みを進めてまいります。
「人材育成とガバナンス重視の経営による企業体質の強化」においては、グローバルに活躍できる人材の育成を図ると共に、グループガバナンス・内部統制をさらに強化してまいります。
セグメント別には、「トランスポーテーション」では、重点分野である自動車用電装材、自動車用成型部材及び2輪車用部材での取り組みを強化してまいります。
「デイリーライフ&ヘルスケア」では、重点分野である医療用コンパウンド製品及び食品包材においてグローバル視点で販売戦略を実行してまいります。
「エレクトロニクス」では、重点分野である電力・通信インフラ用コンパウンド及び光学フィルムへの取り組みを強化し、拡販活動を進めてまいります。
「ビルディング&コンストラクション」では、非住宅市場向けインテリアフィルム及び住宅・建築資材用コンパウンドの取り組みを強化するとともに、海外での拡販を進めてまいります。
環境対応につきましては、当社グループは塩ビ樹脂を中心とした化学製品の加工メーカーであり、環境・化学物質に関する諸法規・諸規制を遵守するとともに、環境負荷の高い化学物質使用量の削減、太陽光発電の活用等、高いレベルでの環境管理を行ない、環境負荷軽減を目指した製品開発、製造方法の改善に全力を挙げて取り組んでまいります。
また、コーポレート・ガバナンスにつきましては、リケンテクノスウェイの実践を通して持続的に成長し、中長期的に企業価値を向上していくために、グループガバナンスをさらに強化し、連結子会社を含めた内部統制システムの実効性向上、リスク・コンプライアンス意識の向上を通じて、グループ競争力の強化と経営の透明性、公正性の確保に努めてまいります。
今後、ますますグローバルに競争が激化する中、技術本部、製造本部、品質保証本部、営業本部、購買本部、経営企画本部、管理本部の各本部及び国内外の連結子会社が連携して各課題に取り組み、3ヵ年中期経営計画の完遂に向け全社員が一丸となって邁進してまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループが事業を展開する合成樹脂加工等の市場は、急速な技術変化と技術革新及び顧客ニーズの変化に対応する新商品・サービスの提供の必要性を特徴としております。新技術の開発とその製品化及び新製品・サービスの提供により、既存の製品・サービスは陳腐化しまたは市場性を失う傾向があります。
当社グループは、常に技術と顧客ニーズの急速な変化を的確に把握し、それに対応した製品・サービスのマーケティングを行っておりますが、かかる製品・サービスを提供することができるという保証はありません。当社グループがこれら新技術のトレンドや顧客ニーズの予測や対応を誤った場合、当社グループの事業、業績及び業務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの生産活動には、原材料、原反、製造装置等の設備、貯蔵品、その他の供給品のタイムリーな納入が必要です。当社グループの購入する原材料等には特殊なものがあるため、その中には、仕入先や供給品の切り替えが困難なものや、少数特定の仕入先からしか入手できないものもあります。当社グループは、当社グループが使用する主原材料、原反、設備、その他の供給品が現在十分に確保されているものと認識しておりますが、供給の遅延・中断や業界内の需要増加があった場合、必要不可欠な主原材料等の供給不足が生じる場合があります。これらの原因等により、当社グループが供給品を機動的に調達できない場合や、供給品の調達のために極めて多額の資金の支払が必要となる場合には、当社グループの業績が悪化する可能性があります。また、欠陥のある主原材料、原反、設備、その他の供給品は、当社グループの製品の信頼性及び評判に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは海外市場での事業拡大を戦略の一つとしております。当社グループの生産及び販売活動の大部分は、米国や東南アジア及び中国市場であります。これらの海外における事業活動においては、政治経済情勢の悪化、輸出入及び外貨の規制、予期しない法令の変更、テロ・戦争、その他の要因による社会的混乱、疫病の発生、人材及び技術の流出など、当社グループの事業活動を阻害し、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性のあるリスクがあります。
当社グループは、合成樹脂の中間材料の製造から、家庭用品のような最終製品まで幅広い樹脂加工を行っており、使用原材料の安全性確保に始まり、適正加工にいたるまでの多岐にわたる規制を確実に遵守することが義務づけられています。また、当社グループは、グローバルに事業を展開しており、国内外における予想外の規制変更によるリスク、国による規制の違いによるリスクにさらされています。
また、欠陥のある製品を供給しその製品の使用者に損害を与えたり、法的に保護される権利を侵害することによる、社会的信用失墜による売上減少、多額の損害賠償のリスクにも配慮する必要があります。さらに、不公正な取引を行わないことは勿論、公正な競争にうち勝つ努力を続けなければ、脱落していくというリスクにみまわれる可能性があります。
当社グループは、世界的に認められている品質基準に従って製品を製造しております。しかし、全ての製品について全く欠陥がなく、製造物責任を負うこともなく、リコールが発生しないという保証はありません。また、保険によってこれらに起因する費用の全てを賄う保証もありません。大規模なリコールや多額の製造物責任賠償を負担することにより、当社グループの財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、他社製品との差別化をはかるために、種々の技術とノウハウを蓄積してきました。しかし、これらの当社独自の技術やノウハウは当社グループの権利として確保していますが、ことに国外においては、この権利を十分に確保できない場合もあり、また、類似製品の製造を完全には防止できない場合もあり、これらの権利侵害によって当社が損害を被る可能性を排除できません。また、当社グループは他者の知的財産権を侵害することのないように十分に注意しておりますが、海外において知的財産権の制度が異なる場合、当社グループとしては侵害していないとしている場合においても、結果として他者の権利を侵害する場合も排除できません。
以上のような、知的財産権にかかるリスクも、それが大きな費用負担となる場合には、当社グループの財務状況に悪影響を及ぼすことになります。
当社グループは、大気汚染、水質汚濁、有害物質の取扱、廃棄物処理並びに土壌・地下水汚染を規制する環境諸法令による規制を広範囲にわたって受けております。これらの規制は強化される傾向にあり、特に化学物質に対する法規制は国内外を問わず強化される方向にあり、迅速かつ的確に対応しなければ市場を失うというリスクにさらされております。これらに対応するための費用が、当社グループの事業にとって重大な金額となる可能性があり、また社会の求める環境への対応水準が高まることにより、追加の費用が発生する可能性があります。これらの費用負担が、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの関係会社の中には、親会社である当社が債務保証を行っている場合があります。また、今後事業拡大(設備投資含む)等、収益向上を図るため債務保証を行う場合もあります。予期に反し業績が悪化し債務保証が実行された場合、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、原油から精製されるナフサ由来のエチレン、プロピレン等の石化基礎製品から作られる誘導品を主原材料としているため、その原材料価格は原油価格の変動の影響を大きく受けることになります。原油価格は、全世界的な需給バランスのほか戦争、テロ、投機的な動き等予期せざる様々な原因により、乱高下を繰り返しており、今後もこの傾向は続くことが予想されます。また、植物由来の一部原材料では、地球温暖化等気候変動の影響を受けることが予想されます。原材料価格の変動を適時に製品価格に反映できない場合やコスト削減等により吸収できない場合等には、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの取引先に対し、予期せぬ貸倒リスクが顕在化した場合、売上債権・貸付金等に追加的な損失や引当金の計上が必要となり、当社グループの業績、財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業には、海外における製品の生産・販売が含まれております。海外現地法人において、現地通貨で取引されている収支の各項目は、連結財務諸表を作成する際に円に換算されるため、結果として換算する時点での外国為替の変動に影響される可能性があります。また、為替相場の変動は、当社グループが現地で販売する製品の価格や、当社グループの現地生産品の製造・調達コストに影響を及ぼす可能性があり、現地市場の競争力や国内における販売価格にも影響をもたらす可能性があります。
当社グループは国内外に生産拠点/販売拠点を保有しております。当該地域における大規模な地震、台風、大雨等の自然災害によって、当社グループの生産活動/販売活動等の事業活動に支障をきたす事態が発生した場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルス感染症等、大規模な感染症の流行が発生した場合、生産活動/販売活動等の事業活動に支障をきたすことに加え、本邦・世界経済の大幅な減速により、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から輸出や生産、設備投資などを中心に持ち直しの動きはみられるものの、足元での感染者数再拡大による緊急事態宣言の再発出により個人消費が弱含みに転じるなど、依然として厳しい環境が続いております。
海外では、新型コロナウイルス感染症の影響による厳しい状況は継続しておりますが、北米は経済対策もあり回復の動きが見られ、中国では景気は緩やかに回復しています。
市場別では、国内の住宅市場で新設住宅着工件数が減少しましたが、自動車市場や家電市場は回復が見られました。
このような環境の中、当社グループはグローバルな視点で市場別に顧客のニーズをきめ細かく確実に捉え、国内および海外の経営資源を効率的に活用して受注につなげることで業績の向上に努めました。
その結果、連結売上高は88,224百万円、前連結会計年度比(以下「前年同期比」)10.7%減少、連結営業利益は5,313百万円(前年同期比4.8%減少)、連結経常利益は5,652百万円(前年同期比0.3%減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,234百万円(前年同期比5.5%増加)となりました。なお、売上高につきましては、過去最高を更新いたしました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
<トランスポーテーション>
国内では、新型コロナウイルス感染症の影響により低迷した自動車市場が下期より回復し、同市場へのエラストマーコンパウンドの販売が増加しましたが、前年の水準には至らず減収となりました。
海外では、新型コロナウイルス感染症の影響から、中国の自動車市場は早期回復、7月以降北米・ASEAN・インドの各市場も回復基調に推移しましたが、コンパウンド販売は前年の水準には至らず減収となりました。
セグメント利益につきましては市況の回復は見られましたが、販売数量減少により減益となりました。
その結果、売上高は24,310百万円(前年同期比18.3%減)、セグメント利益は2,146百万円(前年同期比21.7%減)となりました。
<デイリーライフ&ヘルスケア>
国内では、新型コロナウイルス感染症の影響により生活資材市場のメディア・サイン分野向けフィルムの販売が減少しましたが、抗ウイルスフィルムのリケガードおよび食品包材市場の業務用ラップの販売が増加し、全体として増収となりました。
海外では、ASEAN諸国での生活資材市場・医療市場向け塩ビコンパウンドの販売が増加し、増収となりました。
セグメント利益につきましては、医療市場および食品包材市場で販売が増加したことにより増益となりました。
その結果、売上高は25,037百万円(前年同期比3.0%増)、セグメント利益は2,740百万円(前年同期比47.4%増)となりました。
<エレクトロニクス>
国内では、各種ディスプレイ用抗ウイルスフィルムのリケガードの販売の深耕が進みましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により低迷したエネルギー市場への塩ビコンパウンドの販売が前年を下回り、全体として減収となりました。
海外では、北米およびタイ国での販売は増加しましたが、インドネシア国におけるエネルギー市場向けの塩ビコンパウンドの販売が低迷し、全体として減収となりました。
セグメント利益につきましては、抗ウイルスフィルムの販売が増加したことにより増益となりました。
その結果、売上高は17,430百万円(前年同期比16.5%減)、セグメント利益は379百万円(前年同期比34.3%増)となりました。
<ビルディング&コンストラクション>
国内では、新型コロナウイルス感染症の影響により低迷した住宅市場・非住宅市場へのコンパウンドおよびフィルムの販売は下期から増加に転じましたが、前年の水準には至らず減収となりました。
海外では、タイ国でのコンパウンドの販売が増加し、増収となりました。
セグメント利益につきましては、国内での販売数量減少により減益となりました。
その結果、売上高は21,033百万円(前年同期比9.7%減)、セグメント損失は33百万円(前年同期は561百万円の利益)となりました。
当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金等の流動資産が1,762百万円増加し、時価評価の影響により増加した投資有価証券等の固定資産が1,577百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ3,339百万円増加し、95,208百万円となりました。
負債は、未払法人税等の流動負債が167百万円増加、長期借入金等の固定負債が318百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ150百万円減少し、34,132百万円となりました。
純資産は、利益剰余金等の株主資本が2,460百万円増加し、その他有価証券評価差額金等のその他の包括利益累計額が1,570百万円増加し、非支配株主持分が540百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ3,490百万円増加し、61,076百万円となりました。なお、自己資本比率は56.4%となり、前連結会計年度から2.3ポイント上昇しました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ3,268百万円増加し、21,080百万円となりました。
営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度に比べ582百万円増加し、9,387百万円でした。その主な内容は、税金等調整前当期純利益5,630百万円、減価償却費3,713百万円、売上債権の減少728百万円等による資金の増加、たな卸資産の増加633百万円、仕入債務の減少58百万円、法人税等の支払1,265百万円等による資金の減少であります。
投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ477百万円増加し、3,002百万円でした。その主な内容は、有形固定資産の取得による支出2,581百万円、無形固定資産の取得による支出1,015百万円等であります。
財務活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ2,683百万円減少し、2,796百万円でした。その主な内容は、短期借入金の減額による支出241百万円、長期借入金の返済による支出811百万円、自己株式の売却による収入124百万円、配当金の支払額(非支配株主への配当を含む)1,853百万円等による資金の支払であります。
③ 生産、受注及び販売の状況
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高
当連結会計年度の売上高は、88,224百万円、前連結会計年度比10,584百万円(10.7%)の減少となりました。国内は食品包材部門及び抗ウイルス・抗菌のリケガードの拡販をいたしましたが、自動車市場の回復の遅れ及び住宅市場の低迷により売上高は減少しました。海外においても、タイ国・ベトナム国での拡販は進みましたが、インドネシア国・米国・等での需要低迷により、売上高は減少しました。
売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度比9,423百万円(11.7%)減少し、71,409百万円となりました。主な要因は、売上数量の減少によるものです。また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比892百万円(7.2%)減少し、11,501百万円となりました。主な減少要因は、旅費交通費、減価償却費及び接待交際費の減少によるものです。
その結果、営業利益は、前連結会計年度比268百万円(4.8%)減少し、5,313百万円となりました。
営業外損益
当連結会計年度における営業外収益は、為替差益等により、前連結会計年度比154百万円(35.8%)増加の587百万円となり、営業外費用は、支払利息及び為替差損等により前連結会計年度比94百万円(27.6%)減少の248百万円となりました。
経常利益
当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度比18百万円(0.3%)減少の5,652百万円となりました。
特別損益
当連結会計年度における特別利益は、固定資産売却益等の減少により、前連結会計年度比400百万円(96.2%)減少の15百万円となりました。
また、当連結会計年度における特別損失は、環境対策費等の減少により、前連結会計年度比24百万円(39.5%)減少の37百万円となりました。
税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比394百万円(6.6%)減少の5,630百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比169百万円(5.5%)増加の3,234百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社グループは、中長期的な経営の方向性として3ヵ年中期経営計画「More Value to All 2021 共に生み出せ!さらなる価値を!」を経営方針とし、全ての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指しております。中期経営計画2年目となる当連結会計年度における5つの主要課題への取り組みは以下の通りです。
「グローバル経営の深化とシナジー」においては、グローバル運営の徹底と共に、ASEANでのコンパウンド事業に注力し、タイ・ベトナムで売り上げが伸長しました。「戦略思考による収益力向上」においては、管理業務のシェアード推進による経費削減を行なうと共に、ACS樹脂資産の譲受を完了し、製造も確立いたしました。「効率を極めた生産体制の実現」においては、生産ライン自動化設備の導入及びIoT活用による設備予兆管理を開始いたしました。「サステナブルな社会への貢献」においては、活動全体をBlue Challengeと総称しSDGsを軸とした活動に積極的に取り組みました。また、ゴム製品の代替としてリサイクル可能なエラストマーコンパウンドの拡販、抗ウイルス・抗菌のリケガード製品の拡販及びバイオマスコンパウンドのRIKEBIOの上市を行ないました。「人材育成とガバナンス重視の経営による企業体質の強化」においては、様々な採用手法による新卒・中途採用の実施、コーポレート・ガバナンスポリシーの制定を行ないました。
中期経営計画における当連結会計年度の具体的な経営指標等の目標値は、売上高110,000百万円、営業利益7,500百万円、経常利益7,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,300百万円としております。
当連結会計年度における売上高は88,224百万円(計画比80.2%)、営業利益は5,313百万円(計画比70.8%)、経常利益は5,652百万円(計画比75.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,234百万円(計画比75.2%)となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた市場の需要低迷等により、売上高及び利益の実績は計画を下回りましたが、5つの主要課題に対する取り組みを進め、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、過去最高を更新いたしました。
引き続き「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で記載しました新3ヵ年中期経営計画「More Value to All 2021 共に生み出せ!さらなる価値を!」に全グループを挙げて取り組んでまいります。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益は減益であったものの、法人税等の支払額の減少により、前連結会計年度比で増加しており、投資を行うための十分な資金を獲得しております。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に製造設備への投資となりますが、事業計画に基づいており、その投資額につきましては適切であると認識しております。財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出の減額により、前連結会計年度比で大幅に支出が減少しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、次のとおりであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資やその他の投資資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
当社グループは、中長期的に安定した成長のため製造設備への投資が必要となりますが、投資額については適切に管理されており、資金の流動性に問題はないと認識しております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は10,291百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は21,080百万円となっております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
現中期経営計画「More Value to All 2021 共に生み出せ!さらなる価値を!」(2019年度-2021年度)における重点分野の一つである食品包材事業において開発/製造を担当する当社と、販売を担う当社の連結子会社であるリケンファブロ株式会社とを合併により一体化することで、経営資源の集約を通じた一層のグループ経営の効率化を実現すると共に、開発/製造と販売との連携をこれまで以上に深め、食品包材事業における開発力/営業力を向上させるため、2021年2月22日開催の取締役会において、リケンファブロ株式会社(東京都千代田区、資本金200百万円)を2022年1月1日付で吸収合併することを決議いたしました。また、2021年3月29日に両者は合併契約を締結いたしました。なお、本合併は、当社においては会社法第796条第2項に定める簡易合併であり、リケンファブロ株式会社においては会社法第784条第1項に定める略式合併であるため、いずれも合併契約に関する株主総会の承認を得ることなく行うものであります。
合併契約の概要は、次のとおりであります。
当社を存続会社とする吸収合併方式で、リケンファブロ株式会社は解散いたします。
当社100%出資の連結子会社であるため、本合併による株式及び金銭等の割当てはありません。
2022年1月1日
当社は、2021年12月31日時点におけるリケンファブロ株式会社の貸借対照表その他同日現在の計算を基礎とし、合併期日において引継ぎいたします。
当社は、4月から中期経営計画の最終年度を迎えますが、技術本部方針はこれまで通り「美しく、軽く、安全に、および、環境対応で社会貢献」と「カスタマーディライト商品のスピード開発」、「グローバル事業の拡大を支援する研究開発機能の充実」を掲げるとともに、2020年度から加えた「対応型開発から提案型開発へ軸足を切り替える」の4つを基本に進めております。
その中で考えるべきは、アフターコロナを見据えて何をすべきかです。当社は売上高1,000億円の壁がまだ乗り越えられていません。確実に持続的成長を成し遂げるには、技術の設備投資と人材育成が重要と考えます。コロナ禍でグローバル市場の成長が厳しいなかでも強い意志を持って国内投資を実行していきたいと考えています。
昨年、研究開発の中核である東京・蒲田の研究開発センター(東京)において新たに2号館が稼働し、3号館の土地・建屋も取得しました。これから、以下の6つのことを進めたいと考えています。1つ目が試作設備の導入を完結しタイムリーなサンプル供給を実現すること。2つ目が埼玉工場にあるフィルムの開発についても樹脂および成膜部分は東京の部隊と連携すること。3つ目は提案型の開発をさらに実現するために技術戦略を立案する組織の設置を検討すること。4つ目は他部署に配属される人材も含めて新人に対する技術の体系的な教育システムを構築すること。5つ目は当社の約70年の歴史の中で蓄積してきた技術関連文書などの管理、デジタル化および技術をもとにした広報活動を強化すること。6つ目がマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の導入検討です。若い人材が身につけるのに長い時間を要する経験を、MIによりアシストできるように検討していきたいと考えています。
アフターコロナの時代がきても、『環境対応』と感染予防などの『安全・安心対策』がキーワードになると思います。『環境対応』では、原料の57%が天然の塩由来であり、リサイクル好適材料である塩ビ樹脂を環境にやさしい素材として訴求し、機能性TPVによる合成ゴム代替を推し進めていきます。バイオマス材料ブランド「リケビオ」も塩ビとエラストマーで立ち上げました。『安全・安心対策』では「リケガード」の拡充を進めています。先行する抗菌・抗ウイルスフィルムに続き、防虫グレードについても採用実績も増えました。新シリーズとして抗アレルゲンや消臭なども開発し、すべての生活空間に快適さを提供するリーディングカンパニーを目指して進めてまいります。
世界的にパンデミックを起している新型コロナウイルスと戦いはまだ続きます。期待されているワクチン接種も遅れている現在、世界が最も期待しているのは、民間のイノベーションだと考えます。当社もこのウイルスの戦いに少しでも役に立ちたい、命やくらしを守りたい使命を持ち、最前線の開発部隊は、抗ウイルス対応商品の開発を進めています。感染症対策商品である、リケガードシリーズ(抗菌、抗ウィルス、防虫)の知名度も上がり、特に、抗ウイルス材料であるリケガードVは、フィルムにおいて新型コロナウイルスの感染防止として業界唯一の抗ウイルス認証取得の高透明フィルムとして、スマートフォンの表面フィルムのほか、飛沫を防止するフェイスシールド用として役立っています。また、リケガードVの成形材料(コンパウンド)についても、手で触るグリップ部材、手摺り材など製品化が進んでおります。当社は、少しでもこのウイルスとの闘いに役立ちたい一心で研究員一同、集中していきたいと考えております。
また、素材メーカーの役割として、食、医療の安全性、更に自動車材料では素材を軽くすることでのエネルギー損失を抑制し、人々が安全に暮らせるようにイノベーションを創造することです。
食品包装分野においては、鮮度保持フィルムの開発や医療包装分野におけるフィルム新商品の開発を推進しています。食の安全を守る、また薬剤包装における安全を守る考えもまた重要と考えています。
光学事業における事業化においては、REPTY DC100のシリーズにより、ガラス代替、高意匠性を持つフィルム開発を進めてまいりました。
更に、グローバル競争において、収益率向上を伴う事業拡大を実現することを目指しており、科学技術や市場の中長期的動向を見据えた材料・プロセスの研究開発がますます重要になっています。グローバル事業の拡大を支援する研究開発機能(グローバルテクニカルセンター機能)を充実させてまいります。
当連結会計年度の成果として、
コンパウンド関係
1.リケガード(抗菌・抗ウイルス・防虫)コンパウンドの実績化
2.完全架橋エラストマーである新アクティマーGの自動車部品への採用
3.高耐熱・柔軟EV車用充電ケーブルの販売拡大
4.ハイブリット架橋エラストマーであるリクロマーの開発
5.バイオマス、リサイクルコンパウンドの開発
6.自動車用グラスランチャンネル部材の全日系車への採用拡大
7.旭化成㈱からのACS樹脂の資産譲受
8.電線用高発泡PVCの販売拡大
9.医療用TPE材の採用拡大
等で開発が進み、一部流動することができました。研究開発費は、
フィルム関係
1.リケガード(抗菌・抗ウイルス・防虫)フィルムの実績化
2.各種塗装代替フィルムの開発
3.建装材用意匠性フィルムの流動
4.医薬品包装用フィルムの流動
5.高耐湿・高耐熱性FFC用フィルムの流動
6.ガラス代替フィルムREPTY DC100の製品化展開
7.ウィンドウ用フィルムの展開拡大
等で開発が進み、一部の製品を流動できました。研究開発費は、
食品包材関係
1.自動包装機メーカー向け純正ノンストレッチPVCラップフィルムの販売拡大対応
2.食品包材の海外拡販検討
3.食品スーパーマーケット・バックヤード向け小型包装機用PVCラップフィルムの開発と採用
4.業界団体とのコラボレーションによるPVCラップフィルムの広報活動
5.製膜加工機における混練技術の基礎研究
等の活動に要した研究開発費は、