(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間における事業環境は、米国や欧州での景気回復が継続した一方、英国のEU離脱問題や米国の大統領選挙など、世界経済の変動に留意すべき状況が継続しました。日本においては、雇用や所得環境の改善が続く中、11月の米国大統領選挙後は円安・株高が進行しており、景気には一部に改善の遅れも見られるものの緩やかな回復基調が継続しました。
このような情勢のもとで、当社グループの当第3四半期連結累計期間の業績は以下のとおりとなりました。
売上高は、前年同四半期連結累計期間に比べ1,617億円減(15.7%減)の8,701億円となりました。これは、前連結会計年度における歯科材料事業等での決算期変更による影響及びポリウレタン材料事業の譲渡による販売数量減少の影響等が303億円あったこと、ナフサなどの原燃料価格下落及び為替変動に伴う販売価格下落の影響等が1,314億円あったことによるものです。
営業利益は、前年同四半期連結累計期間に比べ152億円増(27.0%増)の716億円となりました。これは、モビリティ事業における堅調な販売や基盤素材事業における交易条件の改善及び事業構造改善効果の発現に伴う固定費の減少等によるものです。
経常利益は、前年同四半期連結累計期間に比べ168億円増(31.9%増)の695億円となりました。これは、為替差損益の悪化の影響があったものの、営業利益が増加したことなどによるものです。
特別損益は、固定資産処分損等の計上により、12億円の損失となりました。
以上により、税金等調整前四半期純利益は、前年同四半期連結累計期間に比べ164億円増(31.6%増)の683億円となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同四半期連結累計期間に比べ164億円増(48.8%増)の500億円となり、1株当たり四半期純利益金額は50.01円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
当社は平成26年度中期経営計画における基本戦略の更なる推進を図るため、平成28年4月1日付で一部事業セグメントを見直しました。これに伴い第1四半期連結会計期間よりセグメントを一部変更しております。
なお、前年同四半期連結累計期間比較にあたっては、前年同四半期連結累計期間分を変更後のセグメントに組み替えて行っております。
(モビリティ)
当セグメントの売上高は、前年同四半期連結累計期間に比べ246億円減の2,161億円、売上高全体に占める割合は25%となりました。また、営業利益は、販売数量が拡大したものの、円高の影響及び交易条件の悪化等により、前年同四半期連結累計期間に比べ38億円減の311億円となりました。以上により、セグメント全体では、減収・減益となりました。
自動車部品及び樹脂改質材用途を中心とするエラストマーは、販売は堅調に推移したものの、交易条件の悪化及び円高の影響を受けました。
機能性コンパウンド製品は、円高の影響があったものの、中国コンパウンド新会社の立ち上がり等により、順調に販売を拡大しました。
ICT(情報通信技術)関連用途を中心とする機能性ポリマーは、販売は堅調に推移したものの、円高の影響を受けました。
海外ポリプロピレン・コンパウンド事業は、北米を中心に自動車生産台数は増加したものの、為替影響を含む交易条件が悪化しました。
(ヘルスケア)
当セグメントの売上高は、前年同四半期連結累計期間に比べ252億円減の1,000億円、売上高全体に占める割合は12%となりました。また、営業利益は、ビジョンケア材料等における堅調な販売及び歯科材料における固定費減少があったものの、不織布における販売数量の減少により、前年同四半期連結累計期間に比べ5億円減の79億円となりました。以上により、セグメント全体では、減収・減益となりました。
ビジョンケア材料のメガネレンズ用材料は、販売が堅調に推移しました。
不織布は、プレミアム紙おむつの消費が堅調に推移したものの、流通在庫の消化のために当社の販売は影響を受けました。
歯科材料は、前連結会計年度における決算期変更による販売数量の減少があるものの、欧米を中心に販売が堅調に推移しました。また、前連結会計年度における減損損失の計上により、のれん償却費等の固定費が減少しました。
(フード&パッケージング)
当セグメントの売上高は、前年同四半期連結累計期間に比べ123億円減の1,320億円、売上高全体に占める割合は15%となりました。また、営業利益は、堅調な販売及び交易条件の改善があったものの、円高の影響を受けたことにより、前年同四半期連結累計期間に比べ8億円減の149億円となりました。以上により、セグメント全体では、減収・減益となりました。
コーティング・機能材は、販売が堅調に推移し、海外関係会社での交易条件の改善等がありました。
機能性フィルム・シートは、包装用フィルム分野における販売が堅調に推移しました。
農薬は、国内、海外ともに販売数量が減少し、また円高の影響を受けました。
(基盤素材)
当セグメントの売上高は、前年同四半期連結累計期間に比べ982億円減の3,954億円、売上高全体に占める割合は45%となりました。一方、営業利益は、当社が進めてきた事業構造改善の効果が発現したこと及び堅調な国内需要の影響により、前年同四半期連結累計期間に比べ215億円増の239億円となりました。以上により、セグメント全体では、減収・増益となりました。
ナフサクラッカーの稼働率は、前年同四半期連結累計期間を上回りました。また、ポリエチレン及びポリプロピレンは、国内需要を背景に堅調に推移しました。
フェノールは、前年同四半期連結累計期間に比べ市況は低水準ながら緩やかに改善しており、事業構造改善の効果も徐々に現れております。
高純度テレフタル酸は、中国市況の低迷を背景に厳しい状況が続いているものの、事業構造改善の効果が発現しております。
ポリウレタン材料は、事業構造改善の順調な効果発現による固定費の減少等により、収益が改善しております。
(その他)
当セグメントの売上高は、前年同四半期連結累計期間に比べ14億円減の266億円、売上高全体に占める割合は3%となりました。また、営業損失は、前年同四半期連結累計期間に比べ5億円増の7億円の損失となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
(当社グループの対処すべき課題)
当社グループは、「地球環境との調和の中で、材料・物質の革新と創出を通して高品質の製品とサービスを提供し、もって広く社会に貢献する」ことを企業グループ理念として掲げ、事業活動を通じて社会課題を解決してまいります。
平成26年度を初年度とする中期経営計画では、自動車材料を中心とした「モビリティ」、メガネレンズ用材料、不織布、歯科材料等の「ヘルスケア」、食品包材、農薬等の「フード&パッケージング」を成長のターゲット事業領域と定め、集中的な拡大を図るとともに、石化・基礎化学品を中心とした「基盤素材」における事業再構築を着実に実行してまいりました。このような取組みの結果、中期経営計画の最終年度である平成28年度の営業利益は、当初目標の600億円を上回る970億円を計画しており、平成32年近傍の目標である1,000億円に向けて着実に進捗しております。
このような中、当社グループは、当第3四半期連結累計期間において、平成37年度を見据えた長期経営計画を策定しました。この長期経営計画では、「環境と調和した共生社会」、「健康・安心な長寿社会」及び「地域と調和した産業基盤」の実現を当社グループが貢献すべき社会課題と捉え、「モビリティ」、「ヘルスケア」、「フード&パッケージング」、「次世代事業」及び「基盤素材」の5つの事業領域において、より良い未来社会の実現に向けて取り組みます。顧客起点イノベーションの追求及びグループ・グローバル経営の強化等といった基本戦略を推進することによって、平成37年度には次の経営目標(連結)の達成を目指してまいります。
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平成37年度長期経営目標 |
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営業利益 |
2,000億円 |
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売上高 |
20,000億円 |
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売上高営業利益率(ROS) |
10% |
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自己資本利益率(ROE) |
10%以上 |
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ネットD/Eレシオ |
0.8以下 |
また、従来の3ヵ年の中期経営計画に対して、毎年の予算策定時に向こう3ヵ年の事業計画の見直しを行うというローリング方式を採用しました。社会環境の変化が急速かつ大きくなる中で、長期的な視野を持ちつつ、経営の環境適応性を高め、戦略推進を加速してまいります。
(株式会社の支配に関する基本方針)
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合、これに応じるべきか否かの判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大量買付行為又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切でないと考えております。
② 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社は、「絶えず革新による成長を追求し、グローバルに存在感のある化学企業グループ」を「目指すべき企業グループ像」として、次に掲げる当社の企業価値の源泉を基に、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上を図っております。
a. 新技術、新製品を生み出す研究開発力
b. グローバルな生産、販売体制とマーケティング力
c. 社外ステークホルダーとの信頼関係
d. 高度な専門性とチャレンジ精神を有する多様な人材
また、当社は、平成37年度長期経営計画に基づき毎年の事業計画をローリングすることによって、長期的な視野を持ちつつ、経営の環境適応性を高め、企業価値ひいては株主共同の利益のさらなる向上に努めております。
さらに、企業としての社会的責任を全うし、広く社会からの信頼を確保していくために、コーポレート・ガバ
ナンスの充実は最も重要な課題と認識しており、社外取締役の選任(社外取締役3名すべてを独立役員として、
東京証券取引所に届け出ております。)、監査役機能の重視、内部統制システムの構築・推進、リスク・コンプ
ライアンス委員会活動の強化などの諸施策を推進しております。また、ステークホルダーからの信頼を一層高め
るため、環境・安全・品質の確保、社会貢献活動、法令・ルール遵守の徹底等のCSR活動の更なる充実・強化
に努めております。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための
取組みの概要
当社は、当社株式に対する大量買付を行おうとする者に対し必要かつ十分な情報提供を要求し、あわせて当社取締役会の意見等の情報開示を適時適切に行い、かかる大量買付の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要な情報や時間の確保に努める等、金融商品取引法、会社法その他関連法令及び定款の許容する範囲内において適切な措置を講じるとともに、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。
なお、上述②及び③の取り組みは、上述①の基本方針に沿うものであります。また、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社及び連結子会社の研究開発費は、224億円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間における当社グループの主要研究課題に重要な変更はありません。
(4) 主要な設備
前連結会計年度末における当連結会計年度1年間の設備投資計画(新設・増設等)は560億円でしたが、第2四半期連結会計期間末において、540億円に変更しております。
なお、セグメント毎の設備投資計画に、著しい変更はありません。