当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業収益を背景に雇用・所得環境や設備投資が緩やかに改善する一方で、個人消費の低迷や新興国経済の減速による鉱工業生産・輸出の伸び悩みに加え、年初以降急速に円高が進むなど、先行き不透明感が高まりつつあります。
一方、世界経済は、米国は緩やかな拡大が続いているものの、資源価格の下落や中国経済の停滞が新興国経済全体に波及するなど、総じて減速した状態が続いています。
このような状況下、当連結会計年度の当社グループの売上高は502億46百万円 (前連結会計年度比2.2%の増収)、営業利益は79億73百万円 (前連結会計年度比30.6%の増益)、経常利益は81億97百万円(前連結会計年度比25.5%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は48億54百万円(前連結会計年度比11.3%の増益)と、いずれも前年を上回る結果となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(無機化成品)
ラジアルタイヤ向け原料である不溶性硫黄は、円安や原材料価格の下落の影響により収益性が向上しました。レーヨン・セロハン向けの二硫化炭素は、国内販売、輸出ともに好調に推移しました。浴用剤・合成洗剤向けの無水芒硝は、堅調に推移しました。
(有機化成品)
殺菌消毒剤シアヌル酸誘導品は、国内外ともに好調に推移しました。
(ファイン ケミカル)
プリント配線板向けの水溶性防錆剤であるタフエースは、国内販売は伸び悩みましたが輸出が好調に推移しました。エポキシ樹脂硬化剤を主用途とするイミダゾール類は、収益性が低下しました。
この結果、化学品事業の売上高は307億69百万円 (前連結会計年度比3.4%の増収)、セグメント利益は65億80百万円 (前連結会計年度比26.1%の増益)と、いずれも前年を上回りました。
(壁材)
湿式壁材市場の停滞により、低調に推移しました。
(エクステリア)
住宅分野が伸び悩みましたが、景観分野は好調に推移しました。また、4月に実施した価格改定により収益性が改善しました。
この結果、建材事業の売上高は187億92百万円 (前連結会計年度比0.8%の増収)、セグメント利益は30億64百万円 (前連結会計年度比24.3%の増益)と、いずれも前年を上回りました。
情報システム事業及びフード事業の販売は低調に推移しましたが、収益性は改善されました。
この結果、その他の売上高は6億84百万円(前連結会計年度比9.1%の減収)となりましたが、セグメント利益は1億4百万円(前連結会計年度比7.3%の増益)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末比41億31百万円増加し、200億75百万円となりました。
営業活動によって得られた資金は、前連結会計年度比46百万円多い、75億32百万円となりました。
投資活動に使用された資金は、前連結会計年度比7億49百万円多い、22億86百万円となりました。
財務活動に使用された資金は、前連結会計年度比3百万円少ない、9億67百万円となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細は、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)財政状態 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 | 前年同期比(%) |
化学品事業 |
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無機化成品 (百万円) | 12,034 | 116.8 |
有機化成品 (百万円) | 5,950 | 124.6 |
ファイン ケミカル (百万円) | 6,752 | 113.5 |
小計 (百万円) | 24,738 | 117.7 |
建材事業 |
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壁材 (百万円) | 1,032 | 90.2 |
エクステリア (百万円) | 12,329 | 99.4 |
小計 (百万円) | 13,362 | 98.7 |
報告セグメント計 (百万円) | 38,100 | 110.2 |
(注) 1 生産金額は主に生産量に平均販売価格を乗じて算出しております。
2 生産実績は自家消費(無機・有機化成品及びファイン ケミカル)を一部含んでおります。
3 報告セグメント以外のその他については生産活動になじまないため記載しておりません。
4 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 | 前年同期比(%) | |
化学品事業 |
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無機化成品 | (百万円) | 14,157 | 110.7 |
有機化成品 | (百万円) | 9,308 | 106.5 |
ファイン ケミカル | (百万円) | 7,304 | 88.9 |
小計 | (百万円) | 30,769 | 103.4 |
建材事業 |
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壁材 | (百万円) | 2,077 | 94.8 |
エクステリア | (百万円) | 16,714 | 101.6 |
小計 | (百万円) | 18,792 | 100.8 |
報告セグメント計 | (百万円) | 49,562 | 102.4 |
その他 | (百万円) | 684 | 90.9 |
合計 | (百万円) | 50,246 | 102.2 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上となる販売先はありません。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当社グループは、企業理念「独創力」、企業ビジョン「豊かで輝く企業、小粒でも世界に通用する企業集団となる」のもと、「コア・コンピタンスに基軸を置いた事業運営」、「イノベーション重視の攻撃的なグローバル・ニッチ企業志向」を基本方針に、平成28年3月期を最終年度とする3年間の中期経営計画「SSS(Shikoku Survival Strategy)over the 500」に取り組んでまいりました。
「SSS over the 500」は、上記の基本方針に加え、利益水準の維持・向上を図りつつ、事業規模の拡大と既存コア事業周辺分野からの新規事業創出により、これまでの中期経営計画で積み残した連結売上高目標500億円の突破を目指してまいりました。本計画の数値目標である連結売上高500億円は、最終年度である平成28年3月期で達成し、「SSS over the 500」に次ぐ新しい中期経営計画として、平成31年3月期までの3カ年計画である「中期経営計画2019」を策定し、取り組みを開始しております。
「中期経営計画2019」では、これまでの取り組みによる既存各事業の成長に一定の評価を置きつつも、既存事業周辺分野からの新規事業創出にさらに注力すべきであるとの認識のもと、最も重視する取り組みとして「新規コア製品(当該中期経営計画期間中に一定規模の収益を見込める新製品)」の確立に目処をつけることを掲げております。将来の売上高、利益に繋がる新規コア製品の確立により、今後の持続的成長を図っていくことを目指してまいります。
化学品事業ではグローバル・ニッチの方針の下、不溶性硫黄、シアヌル酸誘導品、タフエースといったコア製品の更なる拡大・成長に努めるとともに、イミダゾール類をはじめとする機能材料やタフエースをはじめとする電子化学材料等、ファイン ケミカル分野の成長に注力してまいります。また、建材事業では市場ニーズを先取りする独創的な商品に加え、より市場規模の大きな汎用グレードへの注力による事業規模の拡大にも取り組み、一層の効率化を推進しつつ事業基盤の強化を図ってまいります。
当社グループは、企業の社会的責任を真摯に受け止め、内部統制システムの強化、コンプライアンスやリスク管理体制の高度化を図るとともに、環境負荷軽減と環境保全に向けた活動を自主的かつ持続的に行い、循環型社会の形成に貢献する企業集団を目指して取り組んでまいります。
なお、当社は、当社の企業価値及び株主共同の利益に資さない当社株式の大量買付行為を抑止するために、「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」を導入しており、その具体的な内容は、以下のとおりであります。
(会社の支配に関する基本方針)
(1)当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、株式の大量取得を目的とする買付けが行われる場合において、それに応じるか否かの判断は、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきだと考えております。
しかし、当社株式の大量取得行為や買付提案の中には、その目的等からみてステークホルダーとの関係を破壊するもの、当社に対して高値で買取りを請求する場合や、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、また当社や株主の皆様が買付けの条件について検討し、あるいは当社が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの等、企業価値及び株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすものもないとは言えず、これらの行為に関して、当社の基本理念や株主の皆様を始めとするステークホルダーの利益を守るのは、当社の経営を預かるものとして当然の責務であると認識しております。
そこで、当社は、かかる買付行為に対して、当社取締役会が、当社が設定し事前に開示する一定の合理的なルールに従って適切と考える方策をとることも、当社の企業価値及び株主共同の利益を守るために必要であると考えております。
以上、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を、以下「基本方針」といいます。
(2)基本方針の実現に資する特別な取組み
①企業理念、企業ビジョン等
当社グループは、創業の基となり事業展開の源泉ともなってきた「独創力」を企業理念として、「豊かで輝く企業、小粒でも世界に通用する企業集団となる」ことをビジョンに掲げております。このビジョンの実現に向け「スピード&ストレッチ」を行動指針として、より高い目標設定とその達成に向けた意思決定、並びに行動の迅速化を全役職員共通の価値観としています。
②中期経営計画
上記ビジョンに近づくための具体的な取組みとして、当社グループでは平成28年3月期を最終年度とする3年間の中期経営計画「SSS(Shikoku Survival Strategy)over the 500」、またこれに引き続き平成31年3月期を最終年度とする3年間の中期経営計画である「中期経営計画2019」を策定し、その達成に向けた事業運営を行っております。
「SSS over the 500」では既存コア事業の強化・拡大による収益性向上及び新規事業創出を両輪に、既存事業の拡大に一定の成果をみました。これに続く「中期経営計画2019」では、既存事業のコア・コンピタンスを起点に、将来の売上・利益に繋がる「新規コア製品」の確立に目処をつけることを主眼に、利益水準の維持・向上を伴う持続的な成長を目指しております。
③コーポレート・ガバナンス及び内部統制システムの整備
当社は、継続的な企業価値向上のため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能する組織と透明性の高い株主重視の経営システムの構築を重要施策として認識しております。具体的には、株主の権利・平等性の確保、株主以外のステークホルダーとの適切な協働、適時適切な情報開示と透明性の確保、取締役会の役割・責務の適切な遂行、株主との建設的な対話を主題として、その実効性を確保する体制の構築に努めております。
適正なコーポレート・ガバナンスを確保するために、意思決定・監督機能と業務執行機能を分離し、執行役員制度を導入しております。経営責任と業務執行責任を明確にし、経営環境の変化に迅速に対応できるようにするため、取締役、執行役員の任期は1年としております。
また、企業の社会的責任を真摯に受け止め、内部統制システムの構築によりグループ全体のコンプライアンス体制並びにリスク管理体制を確立するとともに、「環境・安全・健康」を確保するために環境負荷軽減と環境保全に向けた活動を自主的かつ継続的に行い、循環型社会の形成に貢献する企業集団を目指して取組んでおります。
当社グループは、今後とも、こうした「中期経営計画」への取組みやコーポレート・ガバナンス向上への取組みが、企業価値の向上、ひいては株主共同の利益の向上に資するものと考えております。
(3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策))
当社は、上記基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取組みとして、平成20年6月26日開催の第88回定時株主総会において「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」(以下、「本プラン」といいます。)を導入いたしました。その後、平成23年6月28日開催の第91回定時株主総会並びに平成26年6月25日開催の第94回定時株主総会において、必要な範囲で本プランの内容の一部改定を行っております。
本プランは、当社株式等の大量買付行為を行おうとする者が遵守すべきルール(以下、「大量買付ルール」といいます。)を策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることを明らかにし、大量買付行為を行おうとする者に対し、株主及び取締役会による判断のための情報提供と当社取締役会による評価・検討の期間の付与を要請しております。また、大量買付行為を行おうとする者が大量買付ルールを遵守しない場合又は大量買付行為によって当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合に限り、当社取締役会は、対抗措置として当社株主に対する新株予約権の無償割当等を決議することができます。なお、本プランの有効期間は、平成29年6月30日までに開催される第97回定時株主総会の終結の時までとしております。
(4)上記取組みが基本方針に沿うものであること、当社の株主の共同の利益を損なうものではないこと、及び当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと、並びにその理由
上記(2)の取組みにつきましては、当社の企業価値の向上及び株主共同の利益の実現を直接の目的とするものでありますので、上記(1)の基本方針の実現に沿うものと考えております。
また、この取組みは当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
上記(3)の取組みにつきましては、当社取締役会が大量買付行為に対する対抗措置の発動を決議するにあたり、その判断の客観性・合理性を担保するための十分な仕組みが確保されているものと考えます。従いまして、上記(1)の基本方針の実現に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことは明らかであると考えております。
4 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼし、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクには以下のようなものがあります。
必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループといたしましては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)一般の経済要因
当社グループの営業収入のうち、重要な部分を占める化学品の需要は、当社グループが製品を販売している日本又は海外各国の経済状況の影響を受け、一部の製品は天候の影響を受けます。また、同じく重要な部分を占める建材の需要は、日本の経済状況の影響を受けます。従いまして、日本をはじめとする当社グループの主要市場における景気後退、及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの事業は、競合他社が製造を行う地域の経済状況から間接的に影響を受ける場合があります。例えば、競合他社が海外において低廉な人件費の労働力を雇用して生産した場合、当社グループと同様の製品をより低価格で提供できることになり、その結果、当社グループの売上が悪影響を受ける可能性があります。さらに、原材料を製造する地域の現地通貨が下落した場合、当社グループのみならず他のメーカーでも製造原価が下がる可能性があります。このような傾向により輸出競争や価格競争が熾烈化し、いずれも当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになります。
(2)為替レートの変動
当社グループの事業には、海外各国における製品の販売及び海外各国からの原材料や商品の調達が含まれております。各国における売上を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に他の通貨に対する円高(特に当社グループの輸出の重要部分を占める米ドル及びユーロに対する円高)は当社グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの事業に好影響をもたらします。
また、当社グループが輸入で調達する原材料や商品については、調達先の地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における製造と調達コストを押し上げる可能性があります。コストの増加は、当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、為替予約等によるリスクヘッジを行い、米ドル、ユーロ及び円を含む主要通貨間の為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的な為替レート変動により、計画された調達、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があります。
(3)新製品開発力
当社グループ収入のかなりの部分は、独自の製品及び技術開発に基づく製品の売上に拠っております。将来の成長は主に革新的かつ長期にわたり当社グループに安定的に利益をもたらす新製品の開発に依存すると予想しております。
しかしながら、新製品の開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。
①新製品や新技術の開発に必要な経営資源を今後充分に充当できる保証はありません。
②長期的な投資と大量の資源投入が成功する新製品又は新技術の創造につながる保証はありません。
③当社グループが市場からの支持を獲得できる新製品又は新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれらの製品の販売が成功する保証はありません。
④新たに開発した製品又は技術が独自の知的財産権として保護される保証はありません。
⑤当社グループの売上の61%を占める化学品の多くは、顧客が生産する製品の中間原料として販売されるものであり、当社グループによる長期的な研究・開発活動の上に特定顧客の品質承認が得られた後に事業として成立するものであります。従って、研究・開発の初期投資が結果的に利益を計上できない可能性を含んでおります。
⑥当社グループの売上の37%を占める建材では、住宅等を取得する消費者の嗜好の変化により、当社グループ製品が時代遅れになる可能性があります。また、基本技術における競合他社との差別化が図りにくい製品を含んでおり、開発投資と比較してライフサイクルが短くなる可能性を含んでおります。
上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合は、将来の収益性を低下させ、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)価格競争
当社グループが属している各製品市場はそれぞれ競合状況があり、多くの原因により今後価格競争が熾烈化する可能性が予測されます。
化学品事業においては、低廉な労働力を背景に海外で生産される製品が国内市場で流通することにより市場価格が低下する可能性があります。また、海外廉価製品の品質向上により当社グループの製品の競争力が相対的に低下する可能性があります。当社グループの製品は当該廉価品と比較して高付加価値品としての品質的な優位を保ちつづけるべく努力はしておりますが、価格面での圧力又は有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、建材事業のエクステリア製品においては、アルミサッシ系メーカーを中心とする大手競合企業が多額の開発投資・物流投資等を投下することにより競合製品をより低価格で市場に投入し、競合がさらに熾烈化する可能性があります。当社グループでは壁材を含む建材製品の機能やデザインまた顧客に対する提案力において比較優位に立つべく継続的に新製品を投入しておりますが、将来においても有効に競争できるという保証はなく、価格面での競争に陥った場合は、同じく当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)市場環境、業界環境
当社グループが販売する化学製品の多くは、顧客が生産する製品の中間原料として消費されるものでありますが、顧客が生産する製品の必須原料であるとは限りません。価格競争以外の要因として、顧客又は顧客が属する業界における新技術の台頭により当社製品が他の製品に代替された場合には将来の収益性を低下させ、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、建材事業の住宅用壁材、住宅用エクステリア製品の需要動向は新設住宅着工戸数を、また景観エクステリア製品の販売は公共投資額や民間の設備投資額をそれぞれ先行指数として増減する傾向があります。これらの指数は政策や景気動向等により影響を受けるものであり、その動向いかんによっては業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)原材料調達
当社グループが販売する化学製品、建材製品ともに、原材料調達に当たってはいわゆる複数購買を原則としておりますが、一部には汎用製品ではなくサプライヤーが限られるものを使用しており、サプライヤー側の事故等により調達が困難になる可能性があります。
また、原材料及び燃料価格高騰による製造原価上昇を販売価格に転嫁できなかったり、価格転嫁が遅延した場合は当該製品の収益性が悪化し、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)知的財産権について
当社グループは他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、海外の全ての国において知的財産権を確立しているわけではありません。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造するのを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が類似する、もしくは当社グループより優れている技術を開発したり、当社グループの特許や企業秘密を模倣、又は解析調査することを防止できない可能性があります。さらに当社グループの将来の製品又は技術は、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。
(8)在庫リスク
当社グループの製品には、プール用殺菌剤等需要量に季節要因があるものが含まれます。また、建材製品ではタイムリーな納入を確保し販売機会を逸しないために、見込み生産を行っているものがあります。このため、急激な市場環境の変化等により販売動向が事前の需要予測と大きく乖離した場合、たな卸資産が増え、キャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。
また、建材製品は流行や顧客の嗜好の変化により販売動向が左右されるものがあり、その意匠や機能が陳腐化して滞留在庫となり、キャッシュ・フロー及び損益に悪影響を与える可能性があります。
記載すべき事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究・開発活動の大部分は、当社が主に担当しております。当社は、二硫化炭素の新たな製造技術をもって創業し、以来、研究開発や製造技術の独創性を基に無機化成品、有機化成品、ファイン ケミカル及び建材分野に事業領域を拡げてまいりました。常に独創性を重んじ、これを会社発展の原動力とする至上の価値観「独創力」を企業理念に、全社一丸で新たな価値や市場の創造に取り組むことで、「豊かで輝く企業、小粒でも世界に通用する企業集団」となることを目指しております。
組織の活動としては、R&Dセンターにおいてコア技術に立った既存事業の強化拡充を図るとともに、習得した新技術による独自性を持った製品開発にチャレンジしております。また、各工場の開発部門や建材事業の開発部門においては現技術の深耕による既存商品の再活性化を図りつつ、事業戦略に沿った差別化商品の開発に努めております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は13億58百万円であります。
①化学品事業
化学品分野における研究・開発は、電子化学材料分野並びに環境関連分野を中心に、既存事業の周辺に特化し、事業拡大に貢献することを目指しております。
電子化学材料分野では、高密度プリント配線板用水溶性プレフラックス「タフエース」のさらなる高機能化や、樹脂と銅の密着性付与剤「GliCAP(グリキャップ)」の開発を進めています。
機能材料分野では、樹脂の性能を高めるイソシアヌル酸誘導体や、複合材料向けのベンゾオキサジン化合物などの開発を行っております。さらに、樹脂改質剤として用いるグリコールウリル誘導体のサンプルワークを行い、顧客での評価が進んでおります。
環境関連分野では、水処理薬剤の開発に注力しております。プール用途で培った技術を活かし、さらに高機能化・高付加価値化させる製品開発を行っております。排水処理用としては、「ハイポルカ」を中心とした開発体制を整えております。
なお、当事業に係る研究開発費は9億2百万円であります。
②建材事業
建材分野における開発は、「暮らしの空間に機能美と快適さを提供する」を基本に、顧客に信頼されるメーカーを目指し、高品質・独自性(デザイン・機能)ある商品の開発に注力しております。壁材・住宅・景観エクステリアの各分野では、先進性のある商品への取り組みと素材の複合化に注力することで他社との差別化を明確にしてまいります。
内装材では、樹脂などの化学物質を一切使用せず、自然素材のみによる安心の塗り壁「ナチュラックス」を商品化しました。外装材では、防汚・防藻効果に優れ、ローラーで簡単に施工出来る「パレットHGローラー塗りタイプ」を商品化しました。舗装材では、家庭用駐車場などのコンクリート下地の上にローラー塗りで施工が出来る「ラクラン」を商品化しました。
住宅エクステリアは、オープン外構の住宅に解放感を保ちつつ、敷地境界を線で仕切る新たな発想のファサード「エクサク」を商品化しました。その他の門廻り商品としては二世帯住宅にも対応した宅配ボックス付き機能門柱「ファミーユ門柱1型」、スリムでスタイリッシュな「マイ門柱3・4型」、大容量ポスト「アルメールKH2型」、スリムな壁付けポスト「アルメールWF6型」、「機能門柱対応表札」などの品揃えを行いました。庭廻り商品では、木調「アレグリア」シリーズにテラス・電動式キャスター引戸・袖門扉をラインアップしました。「ファンデッキHG」にはスロープユニットを追加しました。車庫廻り商品では、風速46m/s相当の強風に耐える高強度、シャッターや窯業系サイディング材によるサイドパネルなどの組み合わせが可能なカーポート「フェアポート」、片側支持で敷地側への雪降ろしに配慮した前傾斜スタイルのカーポート「スマートポートHG片側支持タイプ」を開発しました。
景観エクステリアは、オールアルミ製のメッシュゴミストッカー「AMF型」の開発、「BM1・2型」に連棟ユニット・棚セットの追加を行いました。コンパクトな奥行き方向が特徴のアコーディオン門扉「アイライン」のリニューアルを行いました。ユニット式パネルにて多目的(喫煙所・休憩スペース・他)スペースを提供する「CACOI(カコイ)」に新しい4種類のパネルを追加しました。大型引戸では、複連式扉によるコンパクトな納まりを特長とする「スケーターラインNA1型」に電動式を追加し、「スタックラインNA」シリーズに電気錠仕様をラインアップしました。サイクルラック新型では、シンプルでシャープなデザイン「S5型」を追加しました。その他、アートウォール、Fリード憩、サイクルポート屋根材、サインストッパーなどの充実などを行いました。多様化する公共空間での設計折込活動で培った対応力を活かして、市場ニーズに対し積極的に、またタイムリーに対応してまいります。
なお、当事業に係る研究開発費は4億55百万円であります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
①概要
当連結会計年度の売上高は502億46百万円(前連結会計年度比2.2%の増収)、営業利益は79億73百万円(前連結会計年度比30.6%の増益)、経常利益は81億97百万円(前連結会計年度比25.5%の増益)、親会社株主に帰属する当期純利益は48億54百万円(前連結会計年度比11.3%の増益)と、いずれも前年を上回る結果となりました。
②売上高及び営業利益
売上高は、前連結会計年度に比べ2.2%増収の502億46百万円となりました。国内売上高は、前連結会計年度比3.4%増収の333億24百万円となりました。海外売上高は、169億22百万円と前連結会計年度並でしたが、売上高に占める海外売上高の割合は0.7ポイント低下し33.7%となりました。為替変動の影響により、前連結会計年度に比べ、売上高が12億54百万円増加したものと試算されますが、収益性の低い一部の取引を中止したことにより減収となりました。(ただし、為替の影響の試算は前連結会計年度の平均レートと当連結会計年度の平均レートの差によって算定しており、販売価格の変動に伴う影響は考慮されておりません。)
売上原価は、前連結会計年度に比べ4.5%減少し、299億2百万円となり、売上高に対する比率は4.2ポイント低下し、59.5%となりました。原材料価格の下落による影響が主な要因です。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ5.3%増加し、123億71百万円となりました。販売の増加に伴い運送費及び保管費が増加したことや、従業員の増加に伴い人件費が増加したことなどによるものであります。
以上の結果、前連結会計年度に比べ営業利益は30.6%増加し、79億73百万円となり、売上高営業利益率は3.5ポイント上昇し、15.9%となりました。
なお、報告セグメントごとの売上高と営業利益の概況については、「1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。
③営業外損益及び経常利益
営業外損益は、前連結会計年度の4億24百万円の利益(純額)から、2億24百万円の利益(純額)となりました。為替差損が増加したことが主な要因です。
この結果、前連結会計年度に比べ経常利益は25.5%増加し、81億97百万円となり、売上高経常利益率は3.0ポイント上昇し、16.3%となりました。
④特別損益及び税金等調整前当期純利益
特別損益は、前連結会計年度の1億42百万円の利益(純額)から、8億11百万円の損失(純額)となりました。これは、減損損失及び固定資産除却損が発生したことが主な要因です。
この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ10.7%増加し、73億85百万円となりました。
⑤法人税等(法人税等調整額を含む)
法人税等は、前連結会計年度の22億91百万円から、当連結会計年度は24億49百万円と利益の増加に伴い増加しましたが、税制改正の影響などにより、税効果会計適用後の法人税等の負担率は、前連結会計年度の34.3%から、33.2%となりました。
⑥親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、前連結会計年度に比べ親会社株主に帰属する当期純利益は11.3%増加し、48億54百万円となり、1株当たり当期純利益は前連結会計年度に比べ8円46銭増加し、83円08銭となりました。
①資産、負債及び純資産の状況
総資産は、前連結会計年度末比32億47百万円増加し、775億10百万円となりました。主な増加は、現金及び預金41億31百万円、建設仮勘定5億36百万円、主な減少は投資有価証券16億40百万円であります。
負債は、前連結会計年度末比4億14百万円増加し、226億55百万円となりました。主な増加は、未払法人税等5億7百万円であります。
純資産は、前連結会計年度末比28億33百万円増加し、548億55百万円となりました。主な増加は、利益剰余金39億78百万円であります。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によって得られたキャッシュ・フロー)
前連結会計年度比46百万円増加し、75億32百万円となりました。主な収入項目は、税金等調整前当期純利益73億85百万円、減価償却費17億47百万円、一方で主な支出項目は法人税等の支払額23億6百万円であります。
(投資活動に使用されたキャッシュ・フロー)
前連結会計年度比7億49百万円増加し、22億86百万円となりました。主な支出項目は有形固定資産の取得による支出18億86百万円であります。
(財務活動に使用されたキャッシュ・フロー)
前連結会計年度比3百万円減少し、9億67百万円となりました。主な収入項目は長期借入れによる収入17億円、一方で主な支出項目は長期借入金の返済による支出16億53百万円、配当金の支払額8億76百万円であります。
以上の結果、現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ41億31百万円増加し、200億75百万円となりました。