(1) 経営方針
当社グループは、企業理念「独創力」、企業ビジョン「独創力で、“一歩先行く提案”型企業へ」の下、独創的なアイデアで社会課題を解決し、世界の進歩をリードする企業であり続けることを目指してまいります。
(2) 経営戦略等
当社グループは、3カ年を実施期間とする中期経営計画により、グループの成長の状況に応じた企業戦略や、特性の異なる各事業の中期的な課題を見据えた事業戦略を策定・実践してまいりました。2019年3月期を最終年度とする「中期経営計画2019」では、これまでの取組みによる既存各事業の成長に一定の評価を置きつつも、その周辺分野からの新規事業創出にさらに注力すべきであるとの認識の下、最も重視する取組みとして「新規コア製品(当該中期経営計画期間中に一定規模の収益を見込める新製品)」の確立に目処をつけることを掲げ、今後の持続的成長を図っていくことを目指してまいりました。
化学品事業ではバラスト水の塩素処理剤「ネオクロール マリーン」や最先端の電気・電子材料の高機能化に貢献する「機能材料製品群」、そして5G(第5世代移動通信システム)時代の業界標準を目指す電子化学材料「GliCAP」など、取り組みの成果は着実に上がり始めています。また、建材事業では市場ニーズを先取りする独創的な商品をはじめ、高付加価値商品を継続的に投入することで、適正な利益水準の確保を前提とした事業規模の拡大に取り組んでおります。
今後、さらなる持続的な成長を目指す上で、中期経営計画では描き切れない、より長期的な視点からの成長戦略を定めることとし、このたび長期ビジョン「Challenge 1000」を策定いたしました。2030年近傍の当社グループが「ありたい姿」を設定し、そこに至る道筋となる全社戦略や事業戦略をバックキャスティングの手法で定めることにより、「全員参加型」による「積極経営」を進めてまいります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
当連結会計年度におけるわが国経済は、良好な雇用環境を背景とした個人消費や、設備投資などの底堅い動きに支えられ緩やかな回復が続いていましたが、年明け以降海外経済の減速に伴う輸出や鉱工業生産の低迷など、弱さもみられる状況です。
一方、世界経済は、米国が好調を維持しているものの、中国では貿易摩擦の激化やICT関連の需要鈍化を背景とした景気減速が鮮明となり、先行き不透明感が高まっています。
このような経営環境の中、当社グループにおきましては、コア・コンピタンスに根ざした新規商品・事業の展開を図るとともに、財務体質改善とスリムでタフな組織の構築を進めつつ、併せて研究開発及び生産技術の強化、グローバルな市場動向に機敏に反応できるきめ細かな効率的マーケティングの展開、物流購買機能の向上等、企業活動全般にわたる見直しを進めております。
また、企業の社会的責任を真摯に受け止め、内部統制システムの強化、コンプライアンスやリスク管理体制の高度化を図るとともに、環境負荷軽減と環境保全に向けた活動を自主的かつ持続的に行い、循環型社会の形成に貢献する企業集団を目指して取り組んでまいります。
(4) 会社の支配に関する基本方針
当社は、当社の企業価値及び株主共同の利益に資さない当社株式の大量買付行為を抑止するために、「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」を導入しており、その具体的な内容は、以下のとおりであります。
①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、公開会社として当社株式の自由な売買を認める以上、株式の大量取得を目的とする買付けが行われる場合において、それに応じるか否かの判断は、最終的には、株主全体の意思に基づいて行われるべきだと考えております。
しかし、当社株式の大量取得行為や買付提案の中には、その目的等からみてステークホルダーとの関係を破壊するもの、当社に対して高値で買取りを請求する場合や、株主の皆様に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、また当社や株主の皆様が買付けの条件について検討し、あるいは当社が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの等、企業価値及び株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすものもないとは言えず、これらの行為に関して、当社の基本理念や株主の皆様を始めとするステークホルダーの利益を守るのは、当社の経営を預かるものとして当然の責務であると認識しております。
そこで、当社は、かかる買付行為に対して、当社取締役会が、当社が設定し事前に開示する一定の合理的なルールに従って適切と考える方策をとることも、当社の企業価値及び株主共同の利益を守るために必要であると考えております。
以上、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を、以下「基本方針」といいます。
②基本方針の実現に資する特別な取組み
(a)企業理念等
当社グループは、創業の基となり事業展開の源泉ともなってきた「独創力」を企業理念として、より高い目標設定とその達成に向けた意思決定、並びに行動の迅速化を全役職員共通の価値観としています。そして、更なる持続的な成長を目指す上で、中期経営計画では描き切れない、より長期的な視点からの成長戦略を定めることとし、このたび長期ビジョン「Challenge 1000」を策定いたしました。2030年近傍で当社グループが「ありたい姿」を設定し、そこに至る道筋となる全社戦略や事業戦略をバックキャスティングの手法で定めることにより、「全員参加型」による「積極経営」を進めてまいります。
(b)コーポレート・ガバナンス及び内部統制システムの整備
当社は、継続的な企業価値向上のため、コーポレート・ガバナンスが有効に機能する組織と透明性の高い株主重視の経営システムの構築を重要施策として認識しております。具体的には、株主の権利・平等性の確保、株主以外のステークホルダーとの適切な協働、適切な情報開示と透明性の確保、取締役会の役割・責務の適切な遂行、株主との建設的な対話を主題として、その実効性を確保する体制の構築に努めております。
適正なコーポレート・ガバナンスを確保するために、意思決定・監督機能と業務執行機能を分離し、執行役員制度を導入しております。経営責任と業務執行責任を明確にし、経営環境の変化に迅速に対応できるようにするため、取締役、執行役員の任期は1年としております。
また、企業の社会的責任を真摯に受け止め、内部統制システムの構築によりグループ全体のコンプライアンス体制並びにリスク管理体制を確立するとともに、「環境・安全・健康」を確保するために環境負荷軽減と環境保全に向けた活動を自主的かつ継続的に行い、循環型社会の形成に貢献する企業集団を目指して取り組んでおります。
当社グループは、今後とも、企業理念の実現に向けた全社戦略及び事業戦略への取組みやコーポレート・ガバナンス向上への取組みが、企業価値の向上、ひいては株主共同の利益の向上に資するものと考えております。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策))
当社は、上記基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止する取組みとして、2008年6月26日開催の第88回定時株主総会において「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」(以下、「本プラン」といいます。)を導入いたしました。その後、2011年6月28日開催の第91回定時株主総会、2014年6月25日開催の第94回定時株主総会、及び2017年6月27日開催の第97回定時株主総会において、必要な範囲で本プランの内容の一部改定を行っております。
本プランは、当社株式等の大量買付行為を行おうとする者が遵守すべきルール(以下、「大量買付ルール」といいます。)を策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることを明らかにし、大量買付行為を行おうとする者に対し、株主及び取締役会による判断のための情報提供と当社取締役会による評価・検討の期間の付与を要請しております。また、大量買付行為を行おうとする者が大量買付ルールを遵守しない場合又は大量買付行為によって当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合に限り、当社取締役会は、対抗措置として当社株主に対する新株予約権の無償割当等を決議することができます。なお、本プランの有効期間は、2020年6月開催予定の第100回定時株主総会の終結の時までとしております。
④上記取組みが基本方針に沿うものであること、当社の株主の共同の利益を損なうものではないこと、及び当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと、並びにその理由
上記②の取組みにつきましては、当社の企業価値の向上及び株主共同の利益の実現を直接の目的とするものでありますので、上記①の基本方針の実現に沿うものと考えております。
また、この取組みは当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
上記③の取組みにつきましては、当社取締役会が大量買付行為に対する対抗措置の発動を決議するにあたり、その判断の客観性・合理性を担保するための十分な仕組みが確保されているものと考えます。従いまして、上記①の基本方針の実現に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことは明らかであると考えております。
2 【事業等のリスク】
当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼし、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクには以下のようなものがあります。
必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループといたしましては、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)一般の経済要因
当社グループの営業収入のうち、重要な部分を占める化学品の需要は、当社グループが製品を販売している日本又は海外各国の経済状況の影響を受け、一部の製品は天候の影響を受けます。また、同じく重要な部分を占める建材の需要は、日本の経済状況の影響を受けます。従いまして、日本をはじめとする当社グループの主要市場における景気後退、及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの事業は、競合他社が製造を行う地域の経済状況から間接的に影響を受ける場合があります。例えば、競合他社が海外において低廉な人件費の労働力を雇用して生産した場合、当社グループと同様の製品をより低価格で提供できることになり、その結果、当社グループの売上が悪影響を受ける可能性があります。さらに、原材料を製造する地域の現地通貨が下落した場合、当社グループのみならず他のメーカーでも製造原価が下がる可能性があります。このような傾向により輸出競争や価格競争が熾烈化し、いずれも当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになります。
(2)為替レートの変動
当社グループの事業には、海外各国における製品の販売及び海外各国からの原材料や商品の調達が含まれております。各国における売上を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。換算時の為替レートにより、これらの項目は元の現地通貨における価値が変わらなかったとしても円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に他の通貨に対する円高(特に当社グループの輸出の重要部分を占める米ドル及びユーロに対する円高)は当社グループの事業に悪影響を及ぼし、円安は当社グループの事業に好影響をもたらします。
また、当社グループが輸入で調達する原材料や商品については、調達先の地域の通貨価値の上昇は、それらの地域における製造と調達コストを押し上げる可能性があります。コストの増加は、当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、為替予約等によるリスクヘッジを行い、米ドル、ユーロ及び円を含む主要通貨間の為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的な為替レート変動により、計画された調達、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があります。
(3)新製品開発力
当社グループ収入のかなりの部分は、独自の製品及び技術開発に基づく製品の売上に拠っております。将来の成長は主に革新的かつ長期にわたり当社グループに安定的に利益をもたらす新製品の開発に依存すると予想しております。
しかしながら、新製品の開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。
①新製品や新技術の開発に必要な経営資源を今後充分に充当できる保証はありません。
②長期的な投資と大量の資源投入が成功する新製品又は新技術の創造につながる保証はありません。
③当社グループが市場からの支持を獲得できる新製品又は新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれらの製品の販売が成功する保証はありません。
④新たに開発した製品又は技術が独自の知的財産権として保護される保証はありません。
⑤当社グループの売上の60%を占める化学品の多くは、顧客が生産する製品の中間原料として販売されるものであり、当社グループによる長期的な研究・開発活動の上に特定顧客の品質承認が得られた後に事業として成立するものであります。従って、研究・開発の初期投資が結果的に利益を計上できない可能性を含んでおります。
⑥当社グループの売上の38%を占める建材では、住宅等を取得する消費者の嗜好の変化により、当社グループ製品が時代遅れになる可能性があります。また、基本技術における競合他社との差別化が図りにくい製品を含んでおり、開発投資と比較してライフサイクルが短くなる可能性を含んでおります。
上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合は、将来の収益性を低下させ、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)価格競争
当社グループが属している各製品市場はそれぞれ競合状況があり、多くの原因により今後価格競争が熾烈化する可能性が予測されます。
化学品事業においては、低廉な労働力を背景に海外で生産される製品が国内市場で流通することにより市場価格が低下する可能性があります。また、海外廉価製品の品質向上により当社グループの製品の競争力が相対的に低下する可能性があります。当社グループの製品は当該廉価品と比較して高付加価値品としての品質的な優位を保ちつづけるべく努力はしておりますが、価格面での圧力又は有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、建材事業のエクステリア製品においては、アルミサッシ系メーカーを中心とする大手競合企業が多額の開発投資・物流投資等を投下することにより競合製品をより低価格で市場に投入し、競合がさらに熾烈化する可能性があります。当社グループでは壁材を含む建材製品の機能やデザインまた顧客に対する提案力において比較優位に立つべく継続的に新製品を投入しておりますが、将来においても有効に競争できるという保証はなく、価格面での競争に陥った場合は、同じく当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)市場環境、業界環境
当社グループが販売する化学製品の多くは、顧客が生産する製品の中間原料として消費されるものでありますが、顧客が生産する製品の必須原料であるとは限りません。価格競争以外の要因として、顧客又は顧客が属する業界における新技術の台頭により当社製品が他の製品に代替された場合には将来の収益性を低下させ、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
一方、建材事業の住宅用壁材、住宅用エクステリア製品の需要動向は新設住宅着工戸数を、また景観エクステリア製品の販売は公共投資額や民間の設備投資額をそれぞれ先行指数として増減する傾向があります。これらの指数は政策や景気動向等により影響を受けるものであり、その動向いかんによっては業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)原材料調達
当社グループが販売する化学製品、建材製品ともに、原材料調達に当たってはいわゆる複数購買を原則としておりますが、一部には汎用製品ではなくサプライヤーが限られるものを使用しており、サプライヤー側の事故等により調達が困難になる可能性があります。
また、原材料及び燃料価格高騰による製造原価上昇を販売価格に転嫁できなかった、もしくは価格転嫁が遅延した場合は当該製品の収益性が悪化し、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)知的財産権について
当社グループは他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、海外の全ての国において知的財産権を確立しているわけではありません。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造するのを効果的に防止できない可能性があります。また、他社が類似する、もしくは当社グループより優れている技術を開発することや、当社グループの特許や企業秘密を模倣、又は解析調査することを防止できない可能性があります。さらに当社グループの将来の製品又は技術は、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性があります。
(8)在庫リスク
当社グループの製品には、プール用殺菌剤等需要量に季節要因があるものが含まれます。また、建材製品ではタイムリーな納入を確保し販売機会を逸しないために、見込み生産を行っているものがあります。このため、急激な市場環境の変化等により販売動向が事前の需要予測と大きく乖離した場合、たな卸資産が増え、キャッシュ・フローに悪影響を与える可能性があります。
また、建材製品は流行や顧客の嗜好の変化により販売動向が左右されるものがあり、その意匠や機能が陳腐化して滞留在庫となり、キャッシュ・フロー及び損益に悪影響を与える可能性があります。
(9)法的規制等
当社グループが事業活動を行っている国及び地域では、各種の法令・規則(租税法規、環境法規、労働・安全衛生法規、独占禁止法・アンチダンピング法等の経済法規、貿易・為替法規、証券取引所の上場規程等)が施行されています。当社グループは、これらの法令・規則を遵守し公正な企業活動に努めておりますが、万一法令・規則違反を理由とする訴訟や法的手続きにおいて、当社グループにとって不利益な結果が生じた場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの法令・規則が変更された場合や、予想できない新たな法令・規則が設けられた場合、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、良好な雇用環境を背景とした個人消費や、設備投資などの底堅い動きに支えられ緩やかな回復が続いていましたが、年明け以降海外経済の減速に伴う輸出や鉱工業生産の低迷など、弱さもみられる状況です。
一方、世界経済は、米国が好調を維持しているものの、中国では貿易摩擦の激化やICT関連の需要鈍化を背景とした景気減速が鮮明となり、先行き不透明感が高まっています。
このような状況下、当連結会計年度の当社グループの売上高は528億13百万円(前年同期比4.0%の増収)と前年を上回りましたが、営業利益は80億49百万円(前年同期比1.4%の減益)、経常利益は84億31百万円(前年同期比0.2%の減益)、親会社株主に帰属する当期純利益は53億97百万円(前年同期比18.4%の減益)と、利益面ではいずれも前年を下回りました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
(無機化成品)
ラジアルタイヤ向け原料である不溶性硫黄が、製造工場の大規模修繕工事に伴い一時的に出荷が減少しました。レーヨン・セロハン向けの二硫化炭素は、国内向けが好調に推移しました。浴用剤・合成洗剤向けの無水芒硝も、堅調に推移しました。
(有機化成品)
殺菌消毒剤シアヌル酸誘導品が、国内では新規開発品が伸張し、また海外では米国市場の市況回復を受けて、国内外ともに好調に推移しました。
(ファイン ケミカル)
プリント配線板向けの水溶性防錆剤タフエースを主力製品とする電子化学材料は、中国経済の減速の影響を受け、販売が停滞しました。エポキシ樹脂硬化剤(イミダゾール類)を中心とする機能材料は、輸出を中心に堅調に推移しました。
この結果、化学品事業の売上高は318億79百万円(前年同期比3.8%の増収)と、前年を上回りましたが、セグメント利益は原材料費の高騰等に伴い、63億38百万円(前年同期比3.6%の減益)と、前年を下回りました。
災害復旧需要や設備投資需要の増加を受けて、下期よりエクステリアの販売が大きく伸張しました。
この結果、建材事業の売上高は201億24百万円(前年同期比3.9%の増収)、セグメント利益は35億27百万円(前年同期比2.3%の増益)と、いずれも前年を上回りました。
財政状態は、総資産は、前連結会計年度末比17億74百万円増加し、921億91百万円となりました。主な増加は、有価証券38億円、主な減少は、投資有価証券32億5百万円であります。
負債は、前連結会計年度末比5億67百万円減少し、218億20百万円となりました。主な減少は、長期借入金8億40百万円、未払法人税等7億36百万円であります。
純資産は、前連結会計年度末比23億41百万円増加し、703億70百万円となりました。主な増加は、利益剰余金41億12百万円であります。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の74.4%から75.5%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、274億41百万円(前連結会計年度末比5億68百万円の増加)となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によって得られたキャッシュ・フローは、59億84百万円(前年同期比36億91百万円の減少)となりました。
投資活動に使用されたキャッシュ・フローは、41億74百万円(前年同期比27百万円の増加)となりました。
財務活動に使用されたキャッシュ・フローは、12億94百万円(前年同期比1億23百万円の減少)となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 生産金額は主に生産量に平均販売価格を乗じて算出しております。
2 生産実績は自家消費(無機・有機化成品及びファイン ケミカル)を一部含んでおります。
3 報告セグメント以外のその他については生産活動になじまないため記載しておりません。
4 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上となる販売先はありません。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高は528億13百万円(前年同期比4.0%の増収)となりました。国内売上高は368億69百万円(前年同期比4.2%の増収)となりました。海外売上高は159億43百万円(前年同期比3.6%の増収)となりました。売上高に占める海外売上高の割合は0.1ポイント低下し、30.2%となりました。
売上原価は316億81百万円(前年同期比5.9%の増加)、売上高に対する比率は1.1ポイント上昇し、60.0%となりました。
販売費及び一般管理費は130億83百万円(前年同期比3.0%の増加)となりました。販売の増加に伴い運送費及び保管費が増加したことや、従業員の増加に伴い人件費が増加したことなどによるものであります。
以上の結果、営業利益は80億49百万円(前年同期比1.4%の減少)となり、売上高営業利益率は15.2%となりました。
営業外損益は、前連結会計年度の2億83百万円の利益(純額)から、3億82百万円の利益(純額)となりました。受取配当金の増加が主な要因です。
この結果、経常利益は84億31百万円(前年同期比0.2%の減少)となり、売上高経常利益率は16.0%となりました。
特別損益は、前連結会計年度の7億6百万円の利益(純額)から、6億16百万円の損失(純額)となりました。これは、投資有価証券評価損の増加が主な要因です。
この結果、税金等調整前当期純利益は78億15百万円(前年同期比14.7%の減少)となりました。
法人税等は、前連結会計年度の24億92百万円から、当連結会計年度は23億60百万円となりました。これにより、税効果会計適用後の法人税等の負担率は、前連結会計年度の27.2%から30.2%となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は53億97百万円(前年同期比18.4%の減少)となり、1株当たり当期純利益は前連結会計年度に比べ20円76銭減少し、92円39銭となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、為替変動があります。この影響により、前連結会計年度に比べ、売上高が79百万円減少したものと試算されます。(ただし、為替の影響の試算は前連結会計年度の平均レートと当連結会計年度の平均レートの差によって算定しており、販売価格の変動に伴う影響は考慮されておりません。)
当社グループの資金の財源及び流動性については、事業活動にかかる短期運転資金は営業キャッシュ・フローを主な財源としておりますが、その他取引金融機関に有する当座貸越等の融資枠からの短期借入金も利用し、経営環境の急激な変化にも対応できる十分な流動性を保持しております。
設備投資、投融資資金などの長期資金についても、自己資金を基本としつつ、資本調達コストの低減や最適な資本構成、資金需要や金利情勢を考慮しながら、金融機関からの長期借入を随時行っております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、39億79百万円、前連結会計年度末比16百万円増加しました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
記載すべき事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究・開発活動の大部分は、当社が主に担当しております。当社は、二硫化炭素の新たな製造技術をもって創業し、以来、研究開発や製造技術の独創性を基に無機化成品、有機化成品、ファイン ケミカル及び建材分野に事業領域を拡げてまいりました。常に独創性を重んじ、これを会社発展の原動力とする至上の価値観「独創力」を企業理念に、全社一丸で新たな価値や市場の創造に取り組むことで、「豊かで輝く企業、小粒でも世界に通用する企業集団」となることを目指しております。
組織の活動としては、R&Dセンターにおいてコア技術に立った既存事業の強化拡充を図るとともに、習得した新技術による独自性を持った製品開発にチャレンジしております。また、各工場の開発部門や建材事業の開発部門においては現技術の深耕による既存商品の再活性化を図りつつ、事業戦略に沿った差別化商品の開発に努めております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は
①化学品事業
化学品分野における研究・開発は、電子化学材料分野、機能材料分野並びに環境関連分野を中心に、既存事業の周辺に特化し、事業拡大に貢献することを目指しております。
電子化学材料分野では、高密度プリント配線板用水溶性プレフラックス「タフエース」のさらなる高機能化や、樹脂と銅の密着性付与剤「GliCAP」の開発を進めています。
機能材料分野では、樹脂の性能を高めるイソシアヌル酸誘導体や、複合材料向けのベンゾオキサジン誘導体などの開発を行っております。さらに、樹脂改質剤として用いるグリコールウリル誘導体の量産化が進められており、幅広い用途展開に取り組んでいます。
環境関連分野では、水処理薬剤の開発に注力しております。プール用途で培った技術を活かし、サニタリー薬剤の高機能化・高付加価値化に向けた製品開発を行っております。排水処理用としては、浄化槽用薬剤や微生物製剤「ハイポルカ」を中心とした開発体制を整えております。
また、当連結会計年度より、無機化成品チームを新設し、タイヤ関連材料の性能向上を目的とする開発体制を整えました。
なお、当事業に係る研究開発費は
②建材事業
建材分野における開発は、「いつもの場所を、価値ある空間に」を基本に、顧客に信頼されるメーカーを目指し、高品質・独自性(デザイン・機能)ある商品の開発に注力しています。壁材・住宅エクステリア・景観エクステリアの各分野で先進性ある商品への取り組み、他社との差別化を明確にしてまいります。
内装材では、左官:挾土秀平氏の監修による内装材「季(とき)の譜(ふ)」を発売しました。伝統の聚楽壁をベースに現代住宅にふさわしい15色を揃えています。挟土氏とは製品の共同開発に留まらず、その美しい色と深い風合いを表現した商品名、色名と、色名をイメージする詩、カタログにも参画いただきました。
また、生活のあらゆる面で健康に配慮する声への高まりを受け、JIS規格の約3倍以上の調湿機能を持った高機能健康壁「ヘルシアート」を発売しました。結露やダニ・カビの発生を抑え、生活臭やペット臭などの悪臭を吸着分解する機能も付与し、1年を通じて快適な生活環境が創れます。外装材では、主力の「パレットHG」シリーズに、冬季など-6℃の低温でも施工できる「低温施工タイプ」を追加し、さらに防カビ性能のアップ、模様付けバリエーションの大幅な充実を行い、機能性・表現力を高めました。その他、施工性・意匠性を向上する充実を行いました。
住宅エクステリアでは、家のリビングと庭・内と外をゆるやかに繋ぎ、新しい居住スタイルを創造する庭まわり商材に注力しました。「ファンルーフ」は、部屋を屋外へ延長したような空間がデッキや植栽と交わり、外の空気を感じながら心地よく過ごせる空間を作ります。ガーデンルーム「F.リード憩」では、腰壁・側面ユニットを充実し、リビングをそのまま延長したような贅沢な半屋外空間が自由に創れます。それらに併せて提案できる「ファンデッキHG」においても、幕板・デッキフェンスなど使いやすい仕様を充実しました。車庫では、昨今多発する自然災害等を背景とした強度品質への要求の高まりを受け、カーポート全機種を建築基準法対応品にリニューアル致しました。なかでも豪雪や強風に耐える強度で好評の「レジストポートSG」では、建築基準法対応に加え、サイズ・背面パネルなど大幅な仕様強化いたしました。フロント周りでは、オープン外構を演出する「エクサク」では大間口に対応するアーチやカーポートユニット・門扉・機能門柱ユニットを加え、ファサードをトータルに演出する体系に強化しました。車庫前商品では、昨年発売したクラリスシリーズにコーディネートできる「クラリス引戸」を発売しました。フェンスでは「アレグリアフェンスTM」、及び「クレディフェンス」「バリューフェンス」に10機種を追加、木調カラーや2段間柱などバリエーションを大幅強化し、あらゆる要望にお応えいたします。
景観エクステリアでは、昨年発売しグッドデザイン賞を受賞した「マイポート7」を景観用途に揃え、「マイルーフ7」シリーズとして発売します。駐車場、身障者向け駐車屋根、自転車置き場や休憩所・喫煙所・バス停など、公共に供する屋根がデザインを揃えてトータルに演出できます。また、景観において木装に対する要望が高まっており、高い耐風圧強度とデザイン性で好評の高強度フェンス「GTFシリーズ」と、コーディネートする引戸「ユニットラインGT」に木調カラーを追加しました。また、昨年発売商品の継続強化として、アルミ製の美しい外観でありながらガードレールA種の約3倍の強度を持つ車止め「GTパイル」ではデザイン追加と照明仕様を充実、アーチウェイ「ライズルーフⅡ」ではサイドパネルをラインアップし、対応力を高めました。
多様化する公共空間での設計折込活動で培った対応力を活かして、市場ニーズに対し積極的に、またタイムリーに対応してまいります。
なお、当事業に係る研究開発費は