文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
(1) 会社の経営の方針
当社は平成21年10月1日に創立50周年を迎えた。これを機に、当社がグループとして今後の50年もさらに発展していくため、「積水化成品グループ100年ビジョン」を策定、平成27年10月にはその間の事業環境の変化等を検証し一部を改訂した。
当社グループが創立100周年に目指す姿として、当社の創業の精神や新たな経営理念をベースに、「インダストリー」「ヒューマンライフ」「環境・エネルギー」の分野でグローバルに事業展開するとともに、「CSR」「全員経営」をグループ全体に展開し、「グローバルに顧客から信頼されるプラスチックス・ソリューション・カンパニー」を目指していく。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
当社グループは「積水化成品グループ100年ビジョン」に従い、創立60周年(平成31年)に向け、平成28年度からの3カ年中期経営計画「Make Innovations 60」を推進している。なお、「Make Innovations 60」はローリング計画として推進しているので、当初計画を一部変更している。
<コンセプト>
『100年ビジョンに沿って「事業ポートフォリオ変革」と「収益構造革新」を進める』
<重点施策>
・事業ポートフォリオの変革(事業領域・顧客拡大)
・ビジネスモデル変革のスピードアップ
・開発推進体制の変革による開発力強化
・高利益体質の構築に向けた競争力強化
・要員ポートフォリオ変革ならびに人材育成
経営指標としては、国外売上高の伸長に重点を置くとともに、売上高営業利益率や自己資本当期純利益率(ROE)の向上に努めていく。
「Make Innovations 60」の数値目標および経営指標目標は、次のとおりである。
|
連結目標 |
平成28年度 実績 |
平成29年度 実績 |
平成30年度 計画 |
|
売上高 |
1,024億円 |
1,121億円 |
1,200億円 |
|
うち国外売上高 |
171億円 |
194億円 |
212億円 |
|
(国外売上高比率) |
(16.7%) |
(17.3%) |
(17.7%) |
|
営業利益 |
54億円 |
53億円 |
68億円 |
|
(売上高営業利益率) |
(5.3%) |
(4.7%) |
(5.7%) |
|
経常利益 |
50億円 |
52億円 |
66億円 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
34億円 |
34億円 |
44億円 |
|
(自己資本当期純利益率) |
(5.7%) |
(5.5%) |
(6.6%) |
※ 億円未満は四捨五入で表示している。
(3) 対処すべき課題
今後の見通しについては、中国など新興国の経済動向に対する懸念、米国政権の政策動向による影響や、国内では人手不足に起因する物流費や経費の価格上昇などにより、当社を取り巻く環境は不透明な状況が続くことが予想される。
当社グループでは、「Make Innovations 60」の最終年度を迎え、「事業ポートフォリオ変革」と「収益構造革新」を進め、仕上げの年として計画数値達成にこだわりを持って推進していく。具体的には、「ST-LAYER」や「エラスティル」など戦略商材については、お客様へのきめ細かいニーズ対応を徹底し、上市や拡販のスピードアップをはかる。グローバル事業についても、数値管理の徹底で、早期に収益貢献に結びつくよう事業展開施策を進めるとともに、国・地域に対応したマネジメント体制を構築する。
また、原材料価格の変動に対応した適切な製品価格の改定を行うとともに、高利益体質の構築に向け、低採算事業の見直しを行い、生産性向上や物流費削減などグループ全体のコストダウンに引き続き取り組んでいく。
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられ、また投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載している。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針である。
なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものである。
(1) 経済状況、競合について
当社グループは、市場における経済状況、需要家や個人消費の動向に影響を受けないよう販売力、開発力、財政体質の強化に努めている。しかし、景気動向による需要の縮小、他社との競合による需給バランスや価格の変動によって、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性がある。
(2) 原材料の市況変動について
当社グループの資材調達活動は、原材料、荷造材料、製造設備等の有利購買に注力している。当社グループで使用する主な原材料は、スチレンモノマー、ポリスチレン等であり、それら原材料の価格変動をタイムリーに製品価格に転嫁できなかった場合または自然災害の発生や仕入先の供給が不安定な場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性がある。
(3) 公共事業の動向について
当社グループの建築資材及び土木資材事業は、官公庁向けのものがあり、公共投資の動向の影響を受けている。公共投資の動向は日本国政府及び地方自治体の政策によって決定されるものであり、今後の公共投資が削減される場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性がある。
(4) 国外での事業活動について
当社グループは、アジア地域をはじめ、米国、中南米、欧州でも生産・販売事業を展開し、リスクを最小限にとどめるため情報収集に努めている。しかし、予期しない法律または規制の変更、不利な政治または経済要因、戦争や政情不安等の社会的混乱などにより、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性がある。
(5) 製造物責任について
当社グループは、製品の開発と生産にあたっては、安全性、品質に配慮している。また、国内外の法令と地方自治体や業界の定める規制、規格を遵守して事業活動を進めている。しかし、製品に予期しない欠陥が生じ、製品の回収や損害賠償につながるリスクが現実化する可能性がある。保険に加入し賠償への備えを行っているが、保険により補填できない事態が生じる場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性がある。
(6) 知的財産権について
当社グループは、第三者の知的財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権等)を尊重し、製品や商品を製造、販売するに先立ち、第三者の知的財産権の調査を十分行い、侵害しないように努めている。しかし、第三者から知的財産権の侵害を理由とする予期しない訴訟を提起される可能性がある。こうしたリスクが顕在化した場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性がある。
(7) 産業事故災害について
当社グループは、事業活動の全般で、無事故、無災害に努めている。しかし、当社グループの事業拠点において、万一大きな産業事故災害が発生した場合には、それに伴って生ずる社会的信用の失墜、補償などを含む産業事故災害への対応費用、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償などによって、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性がある。
(8) 自然災害について
当社グループは、地震などの自然災害に備え事業拠点において耐震対策や定期点検、防災訓練等により、被害・損害を最小限にするための取り組みを行っている。しかし、想定を超える大規模な地震その他の自然災害により、当社グループの事業拠点が重大な被害を受けたり、原材料調達などサプライチェーンの障害に伴う生産活動停止による機会損失などによって、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性がある。
(9) 情報セキュリティについて
当社グループは、業務上必要な機密情報や個人情報を有しており、これらの情報資産を適切に保護するため、情報セキュリティシステムを構築するとともに、「情報セキュリティ委員会」を設置して情報セキュリティ実施計画の策定や従業員への教育を行っている。また、各部門、各グループ会社に情報セキュリティ責任者を配置し、情報セキュリティ活動を統括して情報資産の適切な管理を行っている。しかし、外部からの予期せぬ攻撃や自然災害等で重要なシステムが使用不可能な状態になり当社グループの業務遂行に支障が生じた場合、あるいは内部からの情報漏洩や不正使用が発生し当社グループの信用が低下した場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性がある。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、成長性をもとに金融政策の転換機運が高まり、世界各国での政治面の変化に左右されるものの、欧米を中心に総じて堅調に推移した。一方、エネルギー政策や環境対応に地政学リスク増も加わって期央より原油価格が上昇し、石油化学品や他の素材価格の値上がり影響が顕在化してきた。日本経済においては、企業収益や雇用情勢が改善するなど緩やかな回復基調で推移し、株価も上昇したが、GDPやインフレ目標には達しないレベルとなった。また、人手不足などに伴う人件費や物流費の上昇も続いている。日本の発泡プラスチックス業界においては、原燃料価格が年度後半から値上がりに転じ、末端需要の盛り上がりにも欠ける状況となった。
このような経営環境のなか、当社グループは平成28年度からの3カ年中期経営計画「Make Innovations 60」の2年目を迎え、「事業ポートフォリオ変革」と「収益構造革新」を進めるべく、施策を着実に推進している。当連結会計年度は、自動車、家電・IT関連の工業分野がグローバルを中心に伸長したが、さらなる原燃料価格上昇や物流費増加の影響に加え、開発力強化のための設備投資や経費増が収益を圧迫した。
その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ121億3百万円増加し、1,131億7千4百万円となった。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ73億2千1百万円増加し、656億2千8百万円となった。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ47億8千2百万円増加し、661億4千5百万円となった。
b.経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高が1,121億1百万円(前期比9.5%の増加)、営業利益は52億8千4百万円(前期比2.2%の減少)、経常利益は51億5千4百万円(前期比2.1%の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は34億4千8百万円(前期比1.3%の増加)となり、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高益となった。
セグメントごとの経営成績は次のとおりである。
生活分野は、売上高661億2千8百万円(前期比6.3%の増加)、セグメント利益は35億1千8百万円(前期比7.5%の減少)となった。
工業分野は、売上高459億7千2百万円(前期比14.5%の増加)、セグメント利益は28億5百万円(前期比42.5%の増加)となった。
②キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の当連結会計年度末残高は、前期末に比べ11億4千8百万円減少し、51億1千7百万円となった。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
売上債権の増減額の影響などにより、営業活動により得られた資金は、前期に比べ16億5千万円減少し、57億7千1百万円となった。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
有形固定資産の取得による支出の増加などにより、投資活動に使用された資金は、前期に比べ8千1百万円増加し、55億8千7百万円となった。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
長期借入れによる収入の増加などにより、財務活動に使用された資金は、前期に比べ15億9千8百万円減少し、13億5千4百万円となった。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
生活分野(百万円) |
58,784 |
9.7 |
|
工業分野(百万円) |
27,156 |
7.4 |
|
合計(百万円) |
85,941 |
9.0 |
(注)1.金額は、販売価格により表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっている。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていない。
b.受注実績
主として見込生産を行っており、受注生産はほとんど行っていない。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
生活分野(百万円) |
66,128 |
6.3 |
|
工業分野(百万円) |
45,972 |
14.5 |
|
合計(百万円) |
112,101 |
9.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去している。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社エフピコ |
13,670 |
13.35 |
14,216 |
12.68 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれていない。
(2)経営成績の分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としている。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資 産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、受取手形及び売掛金の増加などにより3,724百万円増加し、50,431百万円(前連結会計年度末は46,706百万円)となった。
当連結会計年度末における固定資産の残高は、有形固定資産や投資その他の資産の増加などにより8,379百万円増加し、81,343百万円(前連結会計年度末は72,963百万円)となった。
(負 債)
当連結会計年度末における負債の残高は、支払手形及び買掛金の増加などにより7,321百万円増加し、65,628百万円(前連結会計年度末は58,306百万円)となった。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産の部の残高は、利益剰余金やその他評価差額金の増加などにより4,782百万円増加し、66,145百万円(前連結会計年度末は61,363百万円)となった。
2)経営成績
当連結会計年度における売上高は112,101百万円(前期比9.5%増)、営業利益は5,284百万円(前期比2.2%減)、経常利益は5,154百万円(前期比2.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,448百万円(前期比1.3%増)となり、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高益となった。
生活分野では食品容器関連の需要が好調に推移し、工業分野では自動車関連の部材用途で採用部位が拡大したこともあり、売上高、営業利益ともに増収増益となった。
営業外損益では、営業外収益が前期比で33百万円増加し440百万円となり、営業外費用が前期比で189百万円減少し570百万円となった。
特別損益では、特別利益として投資有価証券売却益136百万円、特別損失として投資有価証券評価損52百万円を計上している。
3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える主な要因としては、市場動向、資材費動向、海外動向等がある。
市場動向については、景気動向による需要の縮小、他社との競合による需給バランスや価格の変動によって、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、市場における経済状況、需要家や個人消費の動向に影響を受けないよう販売力、開発力、財政体質の強化に努めている。
資材費動向については、当社グループで使用する原材料の価格変動をタイムリーに製品価格に転嫁できなかった場合または自然災害の発生や仕入先の供給が不安定な場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、原材料、荷造材料、製造設備等の有利購買に注力している。
海外動向については、アジア地域をはじめ、米国、中南米、欧州でも生産・販売事業を展開しており、予期しない法律または規制の変更、不利な政治または経済要因、戦争や政情不安等の社会的混乱などにより、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、リスクを最小限にとどめるため情報収集に努めている。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料や仕入商品の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものである。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としている。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入を基本としている。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は19,442百万円となっている。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は5,117百万円となっている。
d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
平成28年度からの3カ年中期経営計画「Make Innovations 60」の2年目の達成状況は以下のとおりである。
①連結業績
|
|
平成29年度 計画 |
平成29年度 実績 |
対計画比 増減率 |
|
売上高 |
1,128億円 |
1,121億円 |
99% |
|
うち国外売上高 |
193億円 |
194億円 |
101% |
|
(国外売上高比率) |
(17.1%) |
(17.3%) |
|
|
営業利益 |
63億円 |
53億円 |
84% |
|
(売上高営業利益率) |
(5.6%) |
(4.7%) |
|
|
経常利益 |
62億円 |
52億円 |
83% |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
41億円 |
34億円 |
84% |
|
(自己資本当期純利益率) |
(6.5%) |
(5.5%) |
|
※ 億円未満は四捨五入で表示している。
平成29年度計画は平成29年11月1日公表数値である。
②セグメント別業績
1)生活分野
|
|
平成29年度 計画 |
平成29年度 実績 |
対計画比 増減率 |
|
売上高 |
662億円 |
661億円 |
100% |
|
経常利益 |
42億円 |
35億円 |
84% |
※ 億円未満は四捨五入で表示している。
平成29年度計画は平成29年11月1日公表数値である。
2)工業分野
|
|
平成29年度 計画 |
平成29年度 実績 |
対計画比 増減率 |
|
売上高 |
466億円 |
460億円 |
99% |
|
経常利益 |
32億円 |
28億円 |
88% |
※ 億円未満は四捨五入で表示している。
平成29年度計画は平成29年11月1日公表数値である。
e.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(生活分野)
農水産関連の需要は天候不順の影響などもあり引き続き低調だったが、食品容器関連は電子レンジ加熱に対応した耐熱容器などの需要が好調となり、建材・土木関連も民間向け物件やインフラ基盤整備の活発化など堅調に推移した。主力製品の売上数量では、「エスレンビーズ」(発泡性ポリスチレンビーズ)は微減となり、「エスレンシート」(発泡ポリスチレンシート)は前期を上回った。売上金額は製品価格の改定により、ともに前期を上回った。
新たな開発品として、大手物流会社と共同で一般貨物(ドライ)での輸送が可能な鮮度保持容器「飛び箱」を上市し、「セルペット」(PET樹脂発泡体)の機内食向け容器が加熱調理面や断熱性・軽量化が評価され大手航空会社に採用された。また、災害対策用製品として、地震発生時等に路面に生じる段差の解消材「EPSスロープ」が高速道路会社に採用され、引き続き国・地方公共団体への拡販を進めている。今後もお客さまのニーズを実現出来る製品の拡販に取り組む。
その結果、生活分野の売上高は661億2千8百万円(前期比6.3%の増加)、セグメント利益は35億1千8百万円(前期比7.5%の減少)となった。
生活分野の資産は、主に固定資産の増加により、747億5千8百万円(前期比9.4%の増加)となった。
(工業分野)
家電・IT関連では、「ピオセラン」(ポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体)などを用いた液晶パネル搬送資材用途において、台湾や中国で好調となり、「テクポリマー」(有機微粒子ポリマー)も、液晶パネルなどの光拡散用途において、顧客の需要が回復し、前期から売上が増加した。自動車関連では、「ピオセラン」などを用いた部材用途で採用部位が拡大し、乗用車からバス・トラックなどの大型車への展開も加わって、大きく伸長した。医療・健康関連では、「テクノゲル(ST-gel)」(機能性高分子ゲル)が、低周波治療器用パッドなどで国外向けに伸長した。
戦略商材である「ST-LAYER」(炭素繊維強化プラスチックス複合発泡成形体)については、大手ドローンサービス会社が販売を開始した最新機種の構造部材に採用された。今後は軽量性・高強度が求められる産業用ロボットの構造部材や自動車部材など、さまざまな分野への採用をめざしていく。また、「テクヒーター」(PTCサーミスターを使用したヒーター及び融雪システム)では、従来品より高出力で高温タイプの開発品を品揃えして日本国内での拡販に加え、米国のUL規格の認証を取得してグローバルでも展開する準備が整った。
その結果、工業分野の売上高は459億7千2百万円(前期比14.5%の増加)、セグメント利益は28億5百万円(前期比42.5%の増加)となった。
工業分野の資産は、主に固定資産の増加により、425億8千1百万円(前期比7.9%の増加)となった。
標章使用許諾に関する重要な契約
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契約会社 |
相手方の名称 |
契約期間 |
契約内容 |
|
積水化成品工業㈱ (当社) |
積水化学工業㈱ |
平成元年10月1日より平成5年3月31日までとする。 但し、期間満了後特別の事情のない限り更に3年間継続し、以後この例による。 |
積水化学工業㈱の所有する一定の標章(商標含む)の使用許諾の取得 |
当社では、プラスチックスを素材としたさまざまな分野において、基礎研究から生産管理技術に至るまで幅広い研究開発を行っている。当社の研究開発の中心となっている技術本部総合研究所では、新技術・新素材に関する研究開発や、全社技術開発に関する基礎研究を行っているほか、新製品研究開発の迅速化をはかるため、3つの研究室を設置し、それぞれの役割に応じた研究開発を行っている。合わせて、全社戦略製品の開発上市をスピードアップさせ事業化推進を強化するために、事業化推進センターを設置している。また、各事業本部においては、担当する分野での新製品・新商品の開発や、品質改良・生産技術の革新などの役割を担っている。
連結子会社における研究開発活動は、親会社(当社)に委託することが多いため、個々の会社においては、個別の研究開発体制を設けていない。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、2,014百万円である。
また、セグメント別の研究開発を進めており、生活分野と工業分野それぞれにおいては、重合含浸技術・押出技術・発泡技術・微粒子化技術・ゲル技術をベースとして市場ニーズに適合した機能性素材の開発、土木・環境システム商品に関する技術開発を行っている。当連結会計年度の主な成果は次のとおりである。
(1) 生活分野
第1に、PET樹脂発泡体「セルペット」食品容器は、耐熱性が高く保温性にも優れるため機内での加熱調理に適しており客室乗務員の作業性向上にもつながるとして、日本航空株式会社の機内食用途で採用された。今後は、この特長を活かせる加熱調理や冷凍保存等さまざまな用途において積極的に拡販していく。第2に、日本通運株式会社と共同で高性能鮮度保持物流容器「飛び箱」を開発し、特許を取得した。この容器は、本体に特殊な中空構造を有するなど当社独自の設計技術を活かすことで、一般の発泡スチロールと比べ保冷能力と容器強度がいずれも2倍を越える容器を実現し、チルド輸送ではなく一般貨物での生鮮輸送を可能とした。
これら生活分野に係る研究開発費は、325百万円である。
(2) 工業分野
第1に、ナノサイズの中空ポリマー微粒子「テクポリマーNH」を開発した。薄型テレビやパソコン、自動車部材等での外光の映り込み低減効果が得られる添加剤として今後期待される。第2に、単一素材で異なる特性を複合することができるハイドロゲル「テクノゲルLNグレード」を開発した。「強粘着と弱粘着」、「ゲル表面の硬さと柔らかさ」等異なる性質の両立が可能で、ウェアラブル分野への展開を進めている。第3に、融雪・凍結防止・保温用ヒーターケーブル「テクヒーターT9シリーズ」を開発した。これは、95℃まで発熱が可能な高出力・高温タイプで、プラント設備のタンクや配管等の加温用途として産業機器分野での採用が進んでいる。
これら工業分野に係る研究開発費は、1,689百万円である。