文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の方針
当社は、「われわれ積水化成品グループは、人間尊重と相互信頼を基本に全員経営を実践し、“新しい幸せ”を目指して常にイノベーションをし続けます」を経営理念として定めております。
また、「私たち積水化成品グループは、経営理念の実践を通して地球環境を含むすべてのステークホルダーに対して社会的責任を果たし、グローバルに社会の持続的発展に貢献します。」とのCSR宣言を行い、さらに、CSR活動の基盤として「環境・安全品質に配慮したモノづくり」、「コンプライアンスを重視した誠実な経営活動」、「全員経営の実践」の3点を据えて、「グローバルに顧客から信頼されるプラスチックス・ソリューション・カンパニー」を目指しております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
当社グループは、2022年4月に開始する新中期経営計画「Spiral-up 2024」を作成しました。
以下に記載の「基本方針」に則り、「重点課題」を中心に全員経営で取り組みます。
<基本方針>
「持続可能社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の実現に向けて、「ESG経営」を土台に強靭な収益基盤を確立する
<重点課題>
① 収益体質の強化
・事業ポートフォリオの再構築
基盤事業のさらなる安定化と成長事業の創出及び拡大を図るべく、ターゲット事業領域として5重点分野を設定し、経営資源の選択と集中により事業ポートフォリオを再構築する。
※ターゲット事業領域(5重点分野)
基盤領域 : 「食」
注力領域 : 「エレクトロニクス」「モビリティ」
期待領域 : 「医療・健康」「住環境・エネルギー」
・Proseat事業の高収益体質構築
コストダウン、生産性改善を徹底するとともに、EVシフト化の進む欧州において、当社の素材開発力とProseatの開発提案力とのシナジーを最大化させ、差別化されたソリューションを提供し一層の高収益体質に変革する。
・生産革新によるコスト競争力の強化
テクノロジーの活用を含めた生産革新とモノづくり力の強化を継続的に進める。
「新たな生産技術、新たな設備技術」「生産性向上による競争力強化」「生産現場の効率化・スリム化」「生産現場の安定稼働」「基礎技術力の伝承・強化」
・開発品の早期収益化
開発品を中長期の成長ドライバーと位置付け、RX(リサーチトランスフォーメーション)の考え方を体現
する。
② 環境・社会課題解決型事業への転換
循環経済(サーキュラーエコノミー)を軸に据えた事業構造転換と2050年カーボンニュートラルを目指す
ことで、環境・社会価値と経済価値の両立を目指す。
・循環型ビジネスによる環境貢献製品の拡大
・カーボンニュートラル実現への挑戦
③ 経営基盤の強化
マテリアリティを特定し、PDCAマネジメントを徹底する。「PL重視の経営」から「資本効率重視の経営」に変革し、ROE向上を図る。
・マテリアリティ(経営重要課題)の取り組み強化
・財務体質の強化
経営指標としては、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益を重視し、自己資本当期純利益率(ROE)の向上に努めてまいります。
「Spiral-up2024」の定量目標
|
連結目標 |
2021年度 (実績) |
2022年度 (計画) |
2024年度 (計画) |
3ヵ年平均 伸長率 |
|
売上高 |
1,175億円 |
1,250億円 |
1,350億円 |
5% |
|
営業利益 (営業利益率) |
14億円 (1.2%) |
18億円 (1.4%) |
50億円 (3.7%) |
50% |
|
経常利益 |
14億円 |
16億円 |
48億円 |
50% |
|
親会社株主に帰属する当期純利益又は 親会社株主に帰属する当期純損失(△) |
△59億円 |
9億円 |
30億円 |
-% |
|
ROE |
(-%) |
(1.5%) |
(3.0%) |
- |
(億円未満は切捨てで表示しております)
2023年3月期の連結業績予想(2022年4月1日~2023年3月31日)
|
|
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
1株当たり 当期純利益 |
||||
|
|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
円 銭 |
|
第2四半期(累計) |
60,000 |
1.0 |
400 |
△38.8 |
300 |
△60.0 |
100 |
△70.3 |
2.21 |
|
通期 |
125,000 |
6.3 |
1,800 |
23.0 |
1,600 |
14.1 |
900 |
- |
19.91 |
(3) 対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症(以下「本感染症」といいます。)の影響は、ワクチン接種の進展など世界各国における感染抑制の取り組みにより収束に向かっていくことが期待されますが、ウクライナ侵攻の長期化や為替の変動、原燃料価格上昇の影響にも留意する必要があります。
当社グループでは、(2)のとおり2022年4月に新3カ年中期経営計画「Spiral-up 2024」を作成し、「『持続可能社会への貢献』と『持続的な企業価値向上』の実現に向けて、『ESG経営』を土台に強靭な収益基盤を確立する」との基本方針に基づき、重点課題に取り組んでまいります。
また、環境課題解決については、事業活動の中核と位置付けており、日本政府の2050年カーボンニュートラル宣言に賛同し、その実現に向けた取り組みを策定しました。事業活動に伴うCO2排出の最小化と技術・製品など新しい価値創出によるCO2削減を同時に進めることで、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを推進してまいります。そのため、当社グループ全体の環境に関する業務を一元的に牽引していく組織として、4月に「GX推進部」を設立いたしました。
さらに、2020年7月に公表した「SKG-5R STATEMENT」に掲げた目標達成に向け、SKG-5R(※)活動推進の一層の強化を図っております。環境貢献製品(サステナブル・スタープロダクト)(※)の創出と拡大については、特に資源循環を意識し、2030年度までに当社グループの売上高に対する同製品比率の目標を従来の20%から50%まで引き上げるとともに、製造において使用する製品原材料の50%を、リサイクルまたはバイオマス由来に置き換えるという目標を掲げ、それぞれ「ReNew+」(※)、「BIO Cellular」(※)、というカテゴリーブランドを制定し、製品ラインナップの拡充を今後も行い強化してまいります。
※「SKG-5R」は、SKGは積水化成品グループ、「5R」は、Reduce,Reuse,Recycle,Replace,Re-createを指します。
※「サステナブル・スタープロダクト」は、原料調達から製造・供給・廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体で、環境負荷低減や限りある資源に配慮した製品をいいます。
※「ReNew+」は、リサイクル原料を活用した当社製品カテゴリーです。
※「BIO Cellular」は、生分解性またはバイオマス由来プラスチックスを活用した当社製品カテゴリーです。
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられ、また投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針であり、全般的なリスク管理については、下図のとおり「コンプライアンス・リスク管理委員会」にて評価・審議し、その結果を定期的に取締役会に報告しております。
当社のリスク管理プロセス図
なお、以下の文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループにおける事業等のリスクは、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、以下に記載した事項に限定されるものではありません。
(1)新型コロナウイルス感染症に関連するリスク
本感染症により当社グループに特に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、主に以下に掲げる事項があると認識しております。当社グループでは、社長をトップに、グループ一丸となって本感染症に対するリスク管理対応を行っております。
なお、予想される当社の経営成績等への影響は[1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)対処すべき課題]の記載をご参照ください。
① 役員、従業員の本感染症罹患
当社グループの役員、従業員が本感染症に罹患し、社内にクラスターが発生した場合、当該事業所の操業が停止し、又は遅延することにより、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは、役員及び従業員並びにその家族の健康と安全を確保し、グループ内外での本感染症の拡大を防止するため、在宅勤務や時差出勤の推奨、感染状況によっては政府や自治体の判断を踏まえて各事業所間の往来自粛等の対策を強化しております。
② 取引先操業停止の長期化、信用状況の悪化
本感染症により当社グループの取引先における世界各国の工場、特に自動車関連や家電・IT関連の生産工場の操業停止が長期化した場合、当社グループの製品売上高が減少し、業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。また、本感染症の影響により当社グループの取引先の信用状況が悪化した場合、当社グループの売掛債権回収の停滞や貸倒れ等により、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは、事業活動の中で徹底したコスト削減や生産性の向上を進めるとともに、かねてより導入しているファクタリング等債権保証制度の運用により、このような状況下でも業績及び財政状況への影響の最小化に努めております。
③ 物流網の混乱、停滞
本感染症による全世界的な物流網の混乱や停滞により、製品の原材料や部材の調達過程、製品及び中間品の搬送過程に遅延等の影響が生じ、業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。
そこで当社グループではかねてより、原材料等を複数の取引先から調達する、生産拠点を分散化する等の対策をとっており、影響の最小化に努めております。
④ 研究開発に関するリスク
本感染症による影響の長期化により、当社グループの研究開発拠点への出勤制限が長期化すると、現在行っている研究開発活動のスケジュールが遅延する可能性があり、新素材、新製品の開発や上市に支障をきたす可能性があります。
そこで当社グループではかねてより、研究開発拠点の複数化、情報共有ツールの活用等の対策をとっており、影響の最小化に努めております。また、共同開発等の社外との協働活動はリモートの活用などで情報共有し進めております。
(2)本感染症に関連するリスク以外の事業等のリスク
① 安全の確保
当社グループの事業拠点において、万一大きな産業事故災害が発生した場合、それに伴って生じる社会的信用の失墜、対応費用の発生、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償等によって、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは「保安委員会」を設置し、グループ全体で保安活動方針を定め、安全パトロール、安全啓発、安全教育及び各種訓練等の活動を企画立案、実行し、事業活動の全般で、無事故、無災害に努めております。
② 製品の品質保証
製品に予期しない欠陥や不具合が生じた場合、製品の回収や損害賠償等、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは「品質委員会」を設置し、品質マネジメントシステムの強化をはかるとともに、グループ全体で品質管理方針を定め、品質監査、品質管理教育、品質会議等の活動を企画立案、実行し、製品の開発と生産における安全性、品質に配慮しております。また、品質に関する国内外の法令や業界団体等の定める規制、規格を遵守して事業活動を進めております。さらに、万一品質問題が発生してしまった場合に備え、製造物責任保険に加入しております。
③ 環境マネジメント
製品材料の保管管理や製造過程における、化学物質の漏出、事故の発生等、工場周辺の環境に影響を及ぼすような事象が発生した場合、顧客や地域社会からの信用の失墜、補償その他対策費用の発生、生産停止による機会損失等によって、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは「環境委員会」を設置し、グループ全体で環境管理方針を定め、それぞれの事業所において環境監査、環境教育及び各種訓練等の活動を企画立案、実行し、環境マネジメントに努めるとともに、各種環境規制法令を遵守して事業活動を進めております。
また、気候変動が当社事業に与える影響についても精査を進め、2030年に事業活動に伴うCO2排出量を2018年対比で27%削減の目標を立て施策を進めるとともに、2050年にカーボンニュートラル実現に向けた取り組みを策定し、CO2排出量削減の活動を加速しております。
④ 経済状況、公共事業の動向
当社グループの業績及び財政状況は、景気動向による需要の縮小、他社との競合による需給バランスや価格の変動によって影響を受ける可能性があります。加えて、本感染症拡大の影響が世界的な経済活動にも影響を与えており、その収束の時期、さらには収束した後の経済活動の状況等、広範囲に渡って不透明な状況にあり、当社グループの業績及び財政状況にも大きな影響を与えることも想定されます。
そこで当社グループでは、このような市場における経済状況、需要家や個人消費の動向に柔軟に対応できるよう販売力、開発力、財務体質の強化をはかるとともに、中期経営計画での施策を着実に推進することで収益減少を最小限に抑えるように努めております。
⑤ 国外での事業活動
当社グループは、アジア地域をはじめ、欧州、米国、中米でも生産・販売事業を展開しておりますが、本感染症の拡大による影響以外にも、予期しない法律または規制の変更、不利な政治または経済要因、戦争や政情不安といった社会的混乱等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは、リスクを最小限にとどめるため積極的な情報収集に努め、事業環境の変化に即応できる体制を整えております。
⑥ 原材料の市況変動
当社グループで使用する主な原材料は、スチレンモノマー、ポリスチレン等ですが、それら原材料の価格変動をタイムリーに製品価格に転嫁できなかった場合や、自然災害の発生や仕入先の供給が不安定な場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは、原材料、荷造材料、製造設備等の有利購買に注力するとともに、調達先及び使用原料の多元化、物流ルートの安定化等の方策に努めております。また、原材料の価格変動をタイムリーに製品価格に転嫁できるように、適宜顧客との折衝を行っております。
⑦ 為替リスク
当社グループの国外事業における外国通貨建て取引は、円換算時の為替レート変動の影響を受けます。これらの取引につきましては、リスクを軽減させる措置を講じておりますが、為替レートの変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは、取引にかかわる外国通貨のヘッジ等、リスクを抑制するためのさらなる措置を検討してまいります。
⑧ 減損・資産価値低下に関するリスク
当社グループは、企業買収の際に生じたのれん、事業用のさまざまな有形固定資産及び無形資産を計上しております。また、一定の他社株式を保有しております。これらの資産については、業績計画との乖離や市場動向の変化等によって期待するキャッシュ・フローが生み出せない場合、あるいは資産価値の低下が生じた場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは、投融資に関して「投融資委員会」を設置し、投融資の是非を綿密に審議しております。また、事後における進捗管理を徹底し、さらに資産価値を適正に把握する体制を整備しております。
⑨ 自然災害等のリスク
想定を超える大規模な地震、台風その他の自然災害、あるいは火災や爆発等により、当社グループの事業拠点が重大な被害を受けたり、原材料調達等サプライチェーンの障害に伴う生産活動停止による機会損失が発生したりする場合、当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは、自然災害等による緊急事態が発生した場合の初動対応計画を作成し、即応体制の準備と情報共有方法を整理しております。また、基幹事業については事業継続計画(BCP)の策定に取り組んでおります。
⑩ 情報セキュリティ
当社グループは、業務上必要な機密情報や個人情報を有しておりますが、外部からの予期せぬ攻撃や自然災害等で重要なシステムが使用不可能な状態になり当社グループの業務遂行に支障が生じる場合、または内部からの情報漏洩や不正使用が発生し当社グループの信用が低下した場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは、これらの情報資産を適切に保護するため、全社のIT施策の管理、推進を行う「IT推進委員会」を設置し、情報セキュリティ実施計画を策定するとともに、情報セキュリティシステムの機能アップや従業員への教育を行っております。また、各部門、各グループ会社に情報セキュリティ責任者を配置し、情報セキュリティ活動を統括して情報資産の適切な管理を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度は、世界経済におきましては本感染症拡大に対し、ワクチン接種による感染縮小と感染力が強い変異株等の影響による再拡大を繰り返すなど、依然、不透明な状況が継続しております。また原燃料価格の高騰や、ロシアによるウクライナ侵攻によって世界全体でのサプライチェーンの混乱に拍車がかかることなどに伴い、幅広い分野で値上げの動きが出てきております。自動車産業においては昨夏以降、半導体や部品の不足などの影響に加えて、ウクライナ情勢による影響が生産活動に影を落としております。一方、家電・IT関連においては、テレワークの広がり・定着などにより、パソコン(以下「PC」といいます。)などの需要は堅調に推移しております。日本経済は、世界経済同様にワクチン接種による改善はあるものの、変異株の影響などにより、その収束が見通しにくい状態が続いております。また、温室効果ガス排出量削減など環境課題への対応はさらに重要性を増しております。
日本の発泡プラスチックス業界におきましては、本感染症拡大により、食品容器関連の需要は堅調に推移しておりますが、ウクライナ情勢などの新たな問題発生により、各種部材や搬送資材・梱包材の需要の本格的な回復には至らず、また、原燃料価格高騰によるコスト増の継続など、先行き不透明な状況が続いております。
このような厳しい経営環境のなか、当社グループは本感染症に関して、取引先企業や当社グループ従業員の安全と健康を第一に考えるとともに、本感染症に関するリスクを最大限、回避する対策を取りながら、本年度が最終年度となる3カ年中期経営計画「Make Innovations Stage-Ⅱ」の基本方針に掲げた「事業ポートフォリオの変革」と「収益体質強化に向けた戦略の実行」に取り組んでまいりました。
ア 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ151億3千万円減少し、1,433億8百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ27億1千5百万円減少し、850億6千5百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ124億1千5百万円減少し、582億4千2百万円となりました。
イ 経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高が1,175億6千7百万円(前期比-)、営業利益は14億6千3百万円(前期比30.0%の減少)、経常利益は14億1百万円(前期比28.4%の減少)、親会社株主に帰属する当期純損失は59億1千7百万円(前期比-)となりました。
セグメントごとでは、生活分野の売上高が495億3千万円(前期比-)、セグメント利益は33億7千6百万円(前期比10.1%の減少)となり、工業分野の売上高が680億3千6百万円(前期比-)、セグメント損失は17億7千7百万円(前年は9億5千7百万円の損失)となりました。
「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度の売上高は、適用前に比べて123億5百万円減少(生活分野で84億3千2百万円、工業分野で38億7千2百万円)しておりますが、利益への影響はありません。そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、売上高については前連結会計年度と比較しての増減額及び前期比(%)を記載せずに説明しております。
② キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前期末に比べ19億9千5百万円減少し、105億3百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べ25億9千6百万円減少し、38億3千1百万円の収入となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べ1億7千9百万円減少し、31億8千6百万円の支出となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
財務活動によるキャッシュ・フローは、前期に比べ19億4千万円減少し、25億7千3百万円の支出となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
ア 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比増減率(%) |
|
生活分野(百万円) |
57,168 |
4.0 |
|
工業分野(百万円) |
65,731 |
28.2 |
|
合計(百万円) |
122,899 |
15.7 |
(注)金額は、販売価格により表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
イ 受注実績
主として見込生産を行っており、受注生産はほとんど行っておりません。
ウ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
生活分野(百万円) |
49,530 |
- |
|
工業分野(百万円) |
68,036 |
- |
|
合計(百万円) |
117,567 |
- |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、その影響を受ける2022年3月期実績の対前年同期比は記載しておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社エフピコ |
15,546 |
13.08 |
15,467 |
13.16 |
(2) 経営成績の分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア 経営成績等
(ア)財政状態
|
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減 (百万円) |
|
流動資産残高 |
62,744 |
63,771 |
1,027 |
|
固定資産残高 |
95,694 |
79,536 |
△16,157 |
|
負債残高 |
87,781 |
85,065 |
△2,715 |
|
純資産 |
70,657 |
58,242 |
△12,415 |
(資 産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、受取手形及び売掛金及び契約資産、電子記録債権の増加などにより10億2千7百万円増加し、637億7千1百万円(前連結会計年度末は627億4千4百万円)となりました。
当連結会計年度末における固定資産の残高は、投資有価証券の時価評価額の減少、連結子会社の減損処理などにより161億5千7百万円減少し、795億3千6百万円(前連結会計年度末は956億9千4百万円)となりました。
(負 債)
当連結会計年度末における負債の残高は、長期借入金、繰延税金負債などの減少により27億1千5百万円減少し、850億6千5百万円(前連結会計年度末は877億8千1百万円)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、減損損失による利益剰余金の減少、その他有価証券評価差額金の減少などにより124億1千5百万円減少し、582億4千2百万円(前連結会計年度末は706億5千7百万円)となりました。
(イ)経営成績
|
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減 (百万円) |
|
売上高 |
118,851 |
117,567 |
△1,284 |
|
国外売上高 |
40,262 |
46,374 |
6,111 |
|
(国外売上高比率) |
(33.9%) |
(39.4%) |
- |
|
営業利益 |
2,091 |
1,463 |
△627 |
|
(売上高営業利益率) |
(1.8%) |
(1.2%) |
- |
|
営業外収益 |
862 |
1,019 |
157 |
|
営業外費用 |
997 |
1,082 |
85 |
|
経常利益 |
1,956 |
1,401 |
△554 |
|
特別利益 |
857 |
445 |
△412 |
|
特別損失 |
943 |
6,407 |
5,464 |
|
当期純利益又は当期純損失(△) |
309 |
△5,876 |
△6,185 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益又は 親会社株主に帰属する当期純損失(△) |
1,126 |
△5,917 |
△7,043 |
|
(自己資本利益率) |
(1.7%) |
(△9.3%) |
- |
当連結会計年度における売上高は1,175億6千7百万円(前期比-)、営業利益は14億6千3百万円(前期比30.0%減)、経常利益は14億1百万円(前期比28.4%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は59億1千7百万円(前期比-)となりました。
営業外損益では、営業外収益は、為替差益の増加などにより前期比で1億5千7百万円増加し10億1千9百万円となり、営業外費用は固定資産除売却損などの増加により前期比で8千4百万円増加し、10億8千2百万円となりました。
特別損益では、特別利益は前年度より投資有価証券売却益が減り、前期比4億1千1百万円減少し、4億4千5百万円となり、特別損失は固定資産の減損損失により前期比54億6千4百万円増加し、64億7百万円となりました。
(ウ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、下記のとおりです。
|
|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減 (百万円) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
6,428 |
3,831 |
△2,596 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△3,007 |
△3,186 |
△179 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△632 |
△2,573 |
△1,940 |
|
現金及び現金同等物期末残高 |
12,498 |
10,503 |
△1,995 |
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
税金等調整前当期純利益の減少、棚卸資産の増加の影響などにより、前期に比べ25億9千6百万円減少し、38億3千1百万円の収入となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
有形固定資産の取得による支出の減少、投資有価証券の売却による収入減少などにより、前期に比べ1億7千9百万円減少し、31億8千6百万円の支出となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
長期借入金による収入が減少したことなどにより、前期に比べ19億4千万円減少し、25億7千3百万円の支出となりました。
<現金及び現金同等物期末残高>
これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前期末に比べ19億9千5百万円減少し、105億3百万円となりました。
イ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2021年度の計画達成状況は以下のとおりであります。
連結業績
|
|
2021年度 計画 |
2021年度 実績 |
対計画比 増減率 |
|
売上高 |
1,180億円 |
1,176億円 |
△0.4% |
|
営業利益 |
36億円 |
15億円 |
△59.3% |
|
(売上高営業利益率) |
(3.1%) |
(1.2%) |
- |
|
経常利益 |
32億円 |
14億円 |
△56.2% |
|
親会社株主に帰属する当期純利益又は 親会社株主に帰属する当期純損失(△) |
18億円 |
△59億円 |
- |
|
(自己資本利益率) |
- |
(△9.3%) |
- |
※ 億円未満は四捨五入で表示しております。
2021年度計画は2021年4月28日公表数値であります。
ウ 経営成績の状況等に関する認識及び分析検討内容
2021年度は、年度初の業績予想計画に対して、売上高はほぼ計画並みとなったものの、営業利益△59.3%、経常利益△56.2%となり、親会社株主に帰属する当期純損失59億円の実績となりました。
2020年1月以降続いている本感染症の拡大の影響が継続したことに加えて、グローバルなサプライチェーンの混乱、ウクライナ情勢などの新たな問題の発生などにより需要の本格的な回復に至らず、また、原燃料価格高騰によるコスト増など厳しい経営環境となりました。
生産性の向上や原価低減、固定費削減、販売価格への転嫁などに取り組みましたが、計画未達となりました。また、欧州Proseatグループに関する固定資産等の一部を減損処理し、当期純損失となりました。
セグメントごとの分析状況につきましては、「エ」に記載のとおりです。
今後の当社グループの経営に影響を与える主な要因としては、市場動向、資材費動向、海外動向等があります。
市場動向については、従来からの景気動向に加え、本感染症拡大による需要の縮小、他社との競合による需給バランスや価格の変動によって、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、市場における経済状況、需要家や個人消費の動向に留意した戦略を遂行できるよう販売力、開発力、財務体質の強化に努めております。
資材費動向については、当社グループで使用する原材料の価格変動をタイムリーに製品価格に転嫁できなかった場合または自然災害の発生や仕入先の供給が不安定な場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、原材料、荷造材料、製造設備等の有利購買に注力しております。
海外動向については、アジア地域をはじめ、欧州、米国、中米でも生産・販売事業を展開しており、予期しない法律または規制の変更、不利な政治または経済要因、戦争や政情不安等の社会的混乱などにより、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、リスクを最小限にとどめるため情報収集に努めております。加えて、2019年度に実施したProseatグループ買収により、従来以上に欧州自動車市場動向、および、グローバルなEV市場動向の重要性を認識し、対応の強化を図っております。
本感染症によるリスクについては1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題](3)対処すべき課題、及び2[事業等のリスク]において記載のとおりであります。
これらの点を踏まえ、当社グループは、新中期経営計画「Spiral-up 2024」を着実に推進してまいります。
エ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 生活分野
|
|
2020年度 実績 |
2021年度 実績 |
増減率 |
|
売上高 |
535億円 |
495億円 |
- |
|
経常利益 |
38億円 |
34億円 |
△10.1% |
※ 億円未満は四捨五入で表示しております。
b 工業分野
|
|
2020年度 実績 |
2021年度 実績 |
増減率 |
|
売上高 |
654億円 |
680億円 |
- |
|
経常利益 |
△10億円 |
△18億円 |
- |
※ 億円未満は四捨五入で表示しております。
(生活分野)
食品容器関連は、本感染症の影響でインバウンド需要をはじめ観光関連等では依然として低迷が継続、外出自粛傾向が薄まりをみせるなか、内中食関連向けの需要は安定しているものの、昨年に比べると落ち着きをみせております。農産関連では、期初は堅調な出荷でしたが、長雨などによる天候不良の影響を受け前年並みとなり、水産関連では、依然、外食産業低迷の影響により低調な出荷となりました。また、土木関連では、道路冠水対策や雨水処理用途で採用されている「アクアロード」や、下水道工事などで採用されている「FJリング」で物件獲得が進みました。
主力製品である「エスレンシート」(発泡ポリスチレンシート)の売上数量は、巣ごもり需要が一定程度継続し、テイクアウト容器用途の需要も堅調でしたが、スーパーなど生鮮食品容器用途などにやや落ち着きがみられ、全体としては好調であった前年同期より減少しました。「エスレンビーズ」(発泡性ポリスチレンビーズ)の売上数量は、消費者の在宅時間の増加によりクッション用ビーズなどのライフグッズ用途が好調を継続、また建材土木分野も、盛土用ブロックは大型案件の受注が進み好調に推移したことで、全体では昨年より増加しました。
利益面では、原材料価格が高騰する中、原価低減や固定費削減、価格転嫁に取り組みましたが、減益となりました。
その結果、生活分野の売上高は495億3千万円(前期比-)、セグメント利益は33億7千6百万円(前期比10.1%の減少)となり、資産は、660億5千万円(前期比6.5%の減少)となりました。
(工業分野)
自動車関連では、部品梱包材用途が電動部品関連で販売が伸長したものの、自動車部材用途が半導体不足、本感染症拡大に伴う部品調達遅延などによる自動車メーカーの減産の影響を受け、「ピオセラン」(ポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体)の販売は伸び悩みました。また欧州のProseatグループは、本感染症の影響、主力商品の自動車関連部材に用いる原燃料の価格高騰や、半導体不足などに端を発したサプライチェーンの混乱継続などにより欧州自動車メーカーからの大幅な受注減少の影響を受け、業績が悪化しております。
家電・IT関連では、パネル搬送資材・梱包材用途での「ピオセラン」は、年度前半は好調でしたが、年度後半にかけ液晶パネルの在庫調整や、パネル搬送資材のリユースなどにより低調な推移となりました。「テクポリマー」(有機微粒子ポリマー)は液晶パネル等の光拡散用途として、在宅勤務等によるPC・モニターの需要により順調に推移しました。
医療・健康関連では、欧米での需要回復からランニングシューズのミッドソール用途での「エラスティル」(熱可塑性エラストマー発泡体)の販売が伸長し、化粧品用途の「テクポリマー」や「テクノゲル(ST-gel)」(機能性高分子ゲル)も、好調に推移しました。
利益面では生産性向上や固定費削減に取り組みましたが、原材料価格の上昇、サプライチェーンの混乱の影響などによる限界利益の減少を補えず、損失となりました。またProseatグループにおいては固定資産の一部を減損処理し、特別損失を計上しました。
その結果、工業分野の売上高は680億3千6百万円(前期比-)、セグメント損失は17億7千7百万円となり、資産は、597億8百万円(前期比9.0%の減少)となりました。
オ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容、資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料や仕入商品の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入や社債発行を基本としております。また、必要に応じてシンジケート方式によるコミットメントライン契約による調達も行い、資金調達方法の多様化を図りつつ、負債と資本のバランスに配慮しながら必要な資金需要に対応してまいります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は415億8千8百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は105億3百万円となっております。
当社グループは、設備等の投資にあたっては、調達した資金のコスト(資本コスト、借入コスト等)を十分に勘案し、投資前に投資効果の収益性について十分な精査を行った上で実行しております(設備の状況は、第3[設備の状況]に記載のとおりです。)。
(参考)財務関連指標の推移
|
|
2018年 3月期 |
2019年 3月期 |
2020年 3月期 |
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
|
自己資本比率(%) |
49.9 |
42.5 |
44.1 |
44.2 |
40.1 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
43.4 |
27.2 |
17.6 |
17.7 |
13.8 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 |
3.3 |
4.9 |
5.5 |
5.8 |
10.9 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
35.5 |
38.8 |
15.0 |
17.1 |
10.7 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※ キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
② 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財務状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループとしては、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
ア 固定資産(含むのれん、無形固定資産)の評価
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産(のれん、無形固定資産を含む)について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。その資産の市場価格及びその資産を使用した営業活動から生じる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。
回収可能価額は、複数年の事業計画から生じる将来キャッシュ・フロー及びその他の見積り及び仮定から合理的に決定しておりますが、今般の本感染症による影響など、事業計画や市場環境の変化により、これらの見積り及び仮定が将来、変更された場合、減損金額の増加及び新たな減損認識の可能性があります。
イ 退職給付債務
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される計算基礎を用いて算出されております。割引率の見積りにあたっては、安全性の高い長期の債券利回りを基礎に決定しております。また、期待運用収益率については、保有する年金資産のポートフォリオ、過去の実績、運用方針及び市場の動向等を考慮して決定しております。今般の本感染症拡大等、予想困難な事象による市場動向等が原因で、その見積数値と実績が異なる場合、または見積数値が変更された場合、その影響額は将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には、将来において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
ウ 有価証券及び投資有価証券の評価
当社グループでは、「金融商品会計に関する実務指針」を基に長期的な協力関係や取引関係の観点から株式等を所有しており、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合に株式等の減損処理を実施することとしております。これは、期末時価が帳簿価額を50%以上下回った場合に、何らかの減損処理を実施するものであります。したがって、今般の本感染症の影響等による将来の株式市場や投資先の業績動向により、これらの有価証券及び投資有価証券の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。
エ 税効果会計
当社グループでは将来の課税所得に対する様々な予測・仮定に基づいて、税効果会計の計算を行っており、実際の結果がこれらの予測・仮定とは異なる可能性があります。将来の課税所得や加減算などのスケジューリングに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得の予測・仮定に変更が生じ、繰延税金資産に一部または全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額されて税金費用が計上される可能性があります。
標章使用許諾に関する重要な契約
|
契約会社 |
相手方の名称 |
契約期間 |
契約内容 |
|
積水化成品工業㈱ (当社) |
積水化学工業㈱ |
1989年10月1日から1993年3月31日までとする。 但し、期間満了後特別の事情のない限り更に3年間継続し、以後この例による。 |
積水化学工業㈱の所有する一定の標章(商標含む)の使用許諾の取得 |
当社では、生活分野、工業分野において、基礎研究から生産技術に至るまで幅広い研究開発を行っております。研究開発センターでは、新製品の研究開発の迅速化をはかるために開発部内に4つの開発グループを設置するととも に、基礎研究所を設置して新技術・新素材に関する研究開発や当社コア技術を進化させる基礎研究を行っております。また、製品力強化推進室では、再成長を狙う既存製品を特定し、生産技術中心の開発から研究要素も加え、事業強化に注力する体制をとっています。さらに、生産技術センター及び各事業本部において、担当する分野での新製品・新商品の開発や、品質改良・生産技術の革新などの役割を担っております。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、
環境面では、環境貢献製品群を強化すべく、リサイクル原材料を活用した製品カテゴリーの「ReNew+」、生分解性またはバイオマス由来プラスチックスを活用した製品カテゴリーの「BIO Cellular」の両カテゴリーブランドを制定し、当社グループが製造するすべての製品を対象に、2030年度までに、使用原料の50%を、リサイクルまたはバイオマス由来のものに置き換えるという目標を掲げ、それら開発を強化しています。環境に配慮した新素材開発を加速させ、両ブランド製品のラインアップ拡充で循環型社会の実現に貢献していきます。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりであります。
(1) 生活分野
当社のコア技術である押出発泡、発泡シート成形、懸濁重合、含浸発泡、型物成形技術をベースに、多様化するニーズに基づいた製品改良や新たな機能付与を進めています。需要が拡大している内中食市場に向けた電子レンジ容器対応の耐熱性発泡シート、食品トレーや納豆容器など広く使用されている一般の発泡ポリスチレンシート、即席麺容器などに使用されているラミネートシートにおいては、最終商品に求められる素材物性や機能性を向上させる開発や省資源化に貢献するさらなる軽量化に対応する開発に加え、石油由来のプラスチックスから再生可能資源であるバイオマス由来プラスチックスを活用した製品開発などを進めています。また、軽量緑化システム「スーパーソイレン工法」は、都市部の景観づくりだけでなく、断熱効果による省エネ対策やヒートアイランド緩和の役割を期待され、商業施設やオフィスビルの屋上庭園などに採用されています。「ソイレンマットER」は、「スーパーソイレン工法」の構成材のひとつである保水排水基盤材であり、難燃性のリサイクル原料を100%使用し、従来品と比べて生産時のCO2排出量を21%低減できる環境貢献製品として新たに開発しました。
これら生活分野に係る研究開発費は、
(2) 工業分野
環境貢献製品開発として、植物由来グレード「テクポリマーBIO EF-Cシリーズ」を開発し、バイオマス認証を取得しました。これは、バイオマス度40%のソフトな触感や復元性を持つ軟質粒子であり、つや消しに加えて塗料の触感改良にも使用できます。
また、フッ素系樹脂粒子を水に分散できる「非フッ素系分散剤」のサンプル提供を開始しました。フッ素系界面活性剤は生態蓄積性や環境残留性が指摘されており、欧州などで規制が強化されつつあります。そのため、フッ素系界面活性剤を代替する非フッ素系分散剤が工業的に求められています。この度、フッ素元素を含有しない代替分散剤の開発に成功しました。本研究の分散剤を用いることで、疎水性粒子を水に分散させる際に廃液へのフッ素元素の溶出がなく、生態や環境への負荷を低減した工業プロセスへの転換に貢献していきます。
さらに当社独自のポリマー重合技術と発泡技術を深化させ、通常の製造工程での生産を可能としたことで、100倍発泡体を製造する原料「エスレンビーズHCMH」を新たに開発しました。この原料を用いることで、浮力と剛性に優れた大型の発泡ブロックを生産できることから、水上ソーラーの浮力材として採用されています。プラスチックス使用量を高発泡化で大幅に削減し、太陽光発電システムの普及に貢献するものです。
これら工業分野に係る研究開発費は、