当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の方針
当社は、創立100周年(2059年)に目指す姿「積水化成品グループ100年ビジョン」について、経営理念の体系化を図るとともに、上位概念の一部であるコーポレートビジョンを改訂しました。
当社の創業の精神「働く者の幸せのために」や経営理念である「われわれ積水化成品グループは、人間尊重と相互信頼を基本に全員経営を実践し、“新しい幸せ”を目指して常にイノベーションをし続けます」をベースに、このたび改訂したコーポレートビジョンである「人と地球を大切に、新たな価値を創造するニューケミカル・ソリューション・カンパニー」を目指します。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
当社グループは、2022年4月に開始する新中期経営計画「Spiral-up 2024」を作成しました。
以下に記載の「基本方針」に則り、「重点課題」を中心に全員経営で取り組んでおります。
<基本方針>
「持続可能社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の実現に向けて、「ESG経営」を土台に強靭な収益基盤を確立する
<重点課題>
① 収益体質の強化
・事業ポートフォリオの再構築
基盤事業のさらなる安定化と成長事業の創出及び拡大を図るべく、ターゲット事業領域として5重点領域を設定し、経営資源の選択と集中により事業ポートフォリオを再構築する。
※ターゲット事業領域(5重点領域)
基盤領域 : 「食」
注力領域 : 「エレクトロニクス」「モビリティ」
期待領域 : 「医療・健康」「住環境・エネルギー」
・Proseat事業の高収益体質構築
販売・生産性・調達・労務コストなど全面的な改善を実施。低収益事業の撤退と経営体制変革により、事業構造の改革を図り、高収益体質を構築する。
・生産革新によるコスト競争力の強化
テクノロジーの活用を含めた生産革新とモノづくり力の強化を継続的に進める。
「新たな生産技術、新たな設備技術」「生産性向上による競争力強化」「生産現場の効率化・スリム化」「生産現場の安定稼働」「基礎技術力の伝承・強化」
・開発品の早期収益化
開発品を中長期の成長ドライバーと位置付け、RX(リサーチトランスフォーメーション)の考え方を体現
する。
② 環境・社会課題解決型事業への転換
循環経済(サーキュラーエコノミー)を軸に据えた事業構造転換と2050年カーボンニュートラルを目指す
ことで、環境・社会価値と経済価値の両立を目指す。
・循環型ビジネスによる環境貢献製品の拡大
・カーボンニュートラル実現への挑戦
③ 経営基盤の強化
マテリアリティを特定し、PDCAマネジメントを徹底する。資本効率を意識した取り組みを通じ、ROE向上を目指す。
・マテリアリティ(経営重要課題)の取り組み強化
・財務体質の強化
経営指標としては、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益を重視し、自己資本当期純利益率(ROE)の向上に努めてまいります。
「Spiral-up2024」の定量目標
今回、当社グループが直面している課題に対して市場の将来予測、また、Proseatグループの業績回復遅れなどを勘案し、2024年度の計画につきましては下表のとおり、一部見直しを致しました。
|
連結目標 |
2021年度 (実績) |
2022年度 (実績) |
2023年度 (計画) |
2024年度 (計画) |
|
売上高 (当初の計画) |
1,175億円 |
1,246億円 (1,250億円) |
1,300億円 |
1,350億円 (1,350億円) |
|
営業利益 (同上) |
14億円 |
7億円 (18億円) |
20億円 |
40億円 (50億円) |
|
経常利益 (同上) |
14億円 |
7億円 (16億円) |
17億円 |
37億円 (48億円) |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 (同上) |
△59億円
|
4億円 (9億円) |
5億円
|
24億円 (30億円) |
|
ROE (同上) |
- |
0.8% (1.5%) |
1.0% |
3.0% (3.0%) |
(億円未満は切捨てで表示しております)
2024年3月期の連結業績予想(2023年4月1日~2024年3月31日)
|
|
売上高 |
営業利益 |
経常利益 |
親会社株主に帰属 する当期純利益 |
1株当たり 当期純利益 |
||||
|
|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
円 銭 |
|
第2四半期(累計) |
64,000 |
5.1 |
200 |
- |
100 |
35.7 |
△500 |
- |
△11.04 |
|
通期 |
130,000 |
4.3 |
2,000 |
152.2 |
1,700 |
141.3 |
550 |
21.5 |
12.15 |
(3) 対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症(以下、「本感染症」といいます。)の影響は、各国の感染対策・行動制限の緩和などが進み、収束に向かっていますが、ウクライナ情勢の長期化やエネルギー価格の高騰などによるインフレ圧力の影響に留意する必要があります。
当社グループでは、(2)のとおり2022年4月に新3カ年中期経営計画「Spiral-up 2024」を作成し、「『持続可能社会への貢献』と『持続的な企業価値向上』の実現に向けて、『ESG経営』を土台に強靭な収益基盤を確立する」との基本方針に基づき、重点課題に取り組んでいます。
環境課題解決については、事業活動の中核と位置付けており、その一環として、「ReNew+」(※)、 「BIOCellular」(※)をはじめとする環境負荷を低減する新たな素材開発を行い、これらの効率的な生産と販売拡大について取り組んでおります。さらに、独自のリサイクル技術と重合技術を融合させることで、臭気の除去が課題であった魚函などのリサイクルにおいても再生原料比率を最大50%まで可能とする量産化技術を確立しました。
また、生産活動に使用するエネルギーを、化石エネルギーから再生可能エネルギーに転換する設備の導入を推進し、国内グループ会社4拠点において太陽光発電システムを導入しました。
『ESG経営』では、マテリアリティを特定し活動をすすめております。その中で従業員は重要な経営資源のひとつとして捉え、「人的資本経営」を推進しております。また、従業員の心身の健康維持・増進を追求することを目的に健康経営宣言を行い、「健康経営優良法人2023(大規模法人部門)」の認定を受けました。
※「ReNew+」は、リサイクル原料を活用した製品カテゴリーブランドです。
※「BIOCellular」は、生分解性またはバイオマス由来 プラスチックスを活用した製品カテゴリーブランドです。
当社グループは、従来のCSR(企業の社会的責任)をより高次元な形に置き換え、「環境価値・社会価値・経済価値を高め、持続的に発展する」として、環境・社会課題解決型事業への転換を進めています。『わたしたち積水化成品グループは、経営理念の実践を通じて地球環境を含む全てのステークホルダーに対して社会的責任を果たし、グローバルに社会の持続的発展に貢献するとともに、持続的な企業価値向上につとめます。』とのサステナビリティ方針を2023年1月に制定し、サステナビリティの基盤として「環境・安全・品質に配慮したモノづくり」、「コンプライアンスを重視した誠実な経営活動」、「全員経営の実践」という3点を据え、活動を行っております。
また、国際的な基準やガイドライン、SDGsが掲げるゴールなどから「当社グループにとっての重要性」と「ステークホルダーにとっての重要性」の2軸で評価した環境・社会・ガバナンス視点のマテリアリティ(経営重要課題)を特定し、それぞれに推進項目とKPI(重要成果指標)を定め、持続的な成長に向けて「ESG経営」を強化しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
[サステナビリティ全般に関する取り組み]
<ガバナンス>
当社グループでは、サステナビリティに関する課題について、常務会とその下部委員会であるサステナビリティ委員会、コンプライアンス・リスク管理委員会において議論の上、取締役会において審議・承認・監督するガバナンス・リスク管理体制をとっております。
サステナビリティ委員会においては、課題や機会を踏まえた施策について、コンプライアンス・リスク管理委員会においては、各リスクの評価と対処のための取り組みについて、それぞれその分野を管轄する主管部門や主管委員会が起案した内容を審議し、常務会・取締役会に付議することとしております。取締役会で承認された方針や施策の実行はその分野を管轄する主管部門や主管委員会が牽引します。
サステナビリティに関するガバナンス体制図
<リスク管理>
当社グループにおけるサステナビリティに関するリスクは、以下のプロセスを通じて全社的にリスク管理を行う体制をとっています。
・サステナビリティに関する事業への影響は、その分野を管轄する主管部門や主管委員会が各種の分析によって把握し、内容を精査した上で対処すべき具体的なリスクや機会として識別される。
・識別されたリスクや機会については、主管部門や主管委員会がリスク低減の施策あるいは機会に対応するための施策等を検討するとともに各部門やグループ会社での取り組みの支援、施策の実施状況を確認する。
・サステナビリティに関するリスク低減の取り組み状況については各主管部門や主管委員会から「コンプライアンス・リスク管理委員会」に報告され、「コンプライアンス・リスク管理委員会」ではその内容を審議し、結果を常務会、取締役会に報告する。
なお、「戦略」および「指標及び目標」につきましては、サステナビリティの具体的な取り組み内容によって異なることから、以下の[サステナビリティに関する主な具体的な取り組み]の中で記載をしております。
[サステナビリティに関する主な具体的取り組み]
1.気候変動に関する事項
積水化成品グループは2022年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース) 提言への賛同を表明し、2023年4月にTCFD提言に基づき、気候関連のリスクおよび機会に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について情報開示を行いました。
今後、当社グループはTCFD提言に沿った気候変動対応に関する情報開示に取り組み、事業活動を通じて持続可能社会の実現に貢献するとともに、当社グループの持続的企業価値向上に向けた経営基盤強化を進めていきます。
(1)ガバナンス
気候変動の課題について、常務会とその下部委員会であるサステナビリティ委員会、コンプライアンス・リスク管理委員会において議論の上、取締役会において審議・承認・監督するガバナンス・リスク管理体制をとっています。
サステナビリティ委員会においては、課題認識とそれを踏まえた施策について、コンプライアンス・リスク管理委員会においては、各リスクの評価と対処のための取り組みについて、それぞれ環境委員会が起案した内容を審議し、常務会・取締役会に付議することとしています。環境委員会は取締役会で承認された方針や施策の実行を牽引します。
(2)戦略
「気候変動対応」を経営重要課題(マテリアリティ)に特定しており、主要事業である発泡プラスチック分野をシナリオ分析実施対象事業として、TCFDのフレームワークに則り低炭素経済の実現に向けた「移行リスク」および気候変動に伴う「物理リスク」におけるリスクと機会の分析、戦略の検討を進めました。現在、生産の省エネルギー化や効率化、再生可能エネルギー活用などによるCO2排出量削減や、脱炭素化に貢献するサステナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)の創出と拡大など、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速させています。また、中期経営計画「Spiral-up 2024」の重点課題のひとつに「環境・社会課題解決型事業への転換」を定め、その推進項目に「循環型ビジネスによる環境貢献製品の拡大」と「カーボンニュートラル実現への挑戦」を据えています。
(3)リスク管理
気候変動による当社グループの事業への影響について、シナリオ分析を実施して把握しています。分析によって洗い出された課題は、環境管理や保全などに関する戦略を立案する環境委員会での審議・評価を経て、対処すべき具体的なリスクとして識別されます。リスク低減の取り組みは、環境委員会で審議されるとともに、環境委員会から常務会の下部委員会であるコンプライアンス・リスク管理委員会に報告され、経営上のリスクのひとつとして管理、審議されます。その結果は常務会に報告後、取締役会にも報告されています。
(4)指標及び目標
2030年までに達成する2つの目標「サステナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)の創出と市場拡大」「CO2排出量削減」を設定しました。
・サステナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)の創出と市場拡大
登録件数:100件。売上高比率:50%
・CO2排出量削減
2018年度対比 27%削減(Scope1+2)
加えて、世界が気候変動への取り組みに注力する中、私たちは、2030年の目標達成を通過点と捉え、
2050年カーボンニュートラルを目標に据え、その取り組みを加速させています。
「TCFD提言に基づく情報開示」の詳しい内容は、ホームページをご参照ください。
http://www.sekisuikasei.com/jp/sustainability/esg/environment/climate_change/
2.人的資本に関する事項(人材の多様性の確保を含む人材育成方針と社内環境整備方針)
当社グループは、以下の「人事方針」を定め、人的資本経営を推進しております。
この「人事方針」は、当社グループにおける人材の多様性を確保し、従業員一人ひとりの成長と育成を支援するとともに、その実現に向けた職場環境整備を推進することを6つの方針をもって明確にしたものです。創業の精神である「働く者の幸せのために」の具現化とグループカルチャーの「全員経営」によって、当社を取り巻くステークホルダーに向けて持続的企業価値向上を目指します。
(人事方針)
積水化成品グループは、グループ員一人ひとりが持つ可能性をかけがえのない「資本」と捉え、持続的に成長する機会と環境を創出し続ける「人的資本経営」を実践します。これを実現するため、以下の項目を定め、グループ員が行動規範に定める行動を実践し、その力を十分に発揮できる環境を整備します。
|
項目 |
方針 |
|
人材育成 |
自律的キャリア形成を支援し、人と会社の成長を実現します |
|
健康経営 |
心身ともに健康でいきいきと働ける職場環境整備に取り組みます |
|
評価・処遇 採用・配置 |
公正な評価と処遇を行い、適所適材の人員採用・配置を実践します |
|
エンゲージメント 向上 |
自発的な貢献意欲が持てるように働きがいのある職場と成長機会を提供します |
|
ダイバーシティ |
一人ひとりの多様性を尊重し、活躍できる機会と環境を創出します |
|
働き方改革 |
生産性の高い働き方、柔軟な働き方を追求します |
(1)戦略
|
項目 |
戦略 |
|
人材育成 |
研修体系を整備し、階層別研修・キャリア強化研修・積水化成品塾(経営層育成)を通して、自律人材を育成する |
|
健康経営 |
健康経営戦略MAPを策定し実践する。また、ストレスチェックの結果集団分析を有効活用し、啓蒙を促進する |
|
評価・処遇 採用・配置 |
従業員のモチベーションアップを図るための評価処遇制度充実、適正運用に努める。また、新卒採用・キャリア採用を併用し、適切な人員配置を行う |
|
エンゲージメント 向上 |
職務と責任を明確にし、活躍できる働きやすい環境を整備するとともに、定期的にエンゲージメント調査を行う |
|
ダイバーシティ |
女性、外国人、障害者等多様な人材の積極的な採用を行い、活躍できる機会と職場・作業を創出(デジタル化、DX化、インフラ整備等)する |
|
働き方改革 |
在宅勤務制度・フレックスタイム勤務を活用し、総労働時間の削減に努める。また、有給休暇が取りやすい環境整備を行う |
(2)指標及び目標
|
指標及び目標 |
・女性管理職比率 現状:2022年度末 5.8% 目標:2024年度末 7%以上 ・女性社員比率 現状:2022年度末 16.8% 目標:2024年度末 18%以上 |
|
・男性育児休業取得率 現状:2022年度末 83.3% 目標:2024年度末 100% |
※上記、「指標及び目標」に関しては、提出会社単体の数字です。
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられ、また投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針であり、全般的なリスク管理については、下図のとおり「コンプライアンス・リスク管理委員会」にて評価・審議し、その結果を定期的に取締役会に報告しております。
当社のリスク管理プロセス図
なお、以下の文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループにおける事業等のリスクは、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、以下に記載した事項に限定されるものではありません。
① 安全の確保
当社グループの事業拠点において、万一大きな産業事故災害が発生した場合、それに伴って生じる社会的信用の失墜、対応費用の発生、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償等によって、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは「保安委員会」を設置し、グループ全体で保安活動方針を定め、安全パトロール、安全啓発、安全教育及び各種訓練等の活動を企画立案、実行し、事業活動の全般で、無事故、無災害に努めております。なお、2022年4月に発生した株式会社積水化成品大分での火災事故を受けて、安全の確保に関する社内でのリスク管理レベルを引き上げるとともに再発防止の取り組みを強化しております。
② 製品の品質保証
製品に予期しない欠陥や不具合が生じた場合、製品の回収や損害賠償等、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは「品質委員会」を設置し、品質マネジメントシステムの強化をはかるとともに、グループ全体で品質方針を定め、品質監査、品質管理教育、品質会議等の活動を企画立案、実行し、製品の開発と生産における安全性、品質に配慮しております。また、品質に関する国内外の法令や業界団体等の定める規制、規格を遵守して事業活動を進めております。さらに、万一品質問題が発生してしまった場合に備え、製造物責任保険に加入しております。
③ 環境マネジメント
製品材料の保管管理や製造過程における、化学物質の漏出、事故の発生等、工場周辺の環境に影響を及ぼすような事象が発生した場合、顧客や地域社会からの信用の失墜、補償その他対策費用の発生、生産停止による機会損失等によって、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。さらには、気候変動問題への対応は喫緊に取り組むべき課題と認識しております。
そこで当社グループでは「環境委員会」を設置し、環境方針を定め、「気候変動への対応」、「資源循環」、「生態系保全」、「法令遵守と情報開示」、「教育と啓蒙」の5つの項目で具体的な行動方針を設定し、それぞれの事業所において、環境マネジメントに努めるとともに、各種環境規制法令を遵守して事業活動を進めております。
また、気候変動が当社事業に与える影響についても精査を進めており、2022年5月に「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD)に賛同し、この提言に沿った気候変動対応に関する情報開示を2023年4月にスタートさせ、2030年に事業活動に伴うCO2排出量を2018年対比で27%削減の目標を立て施策を進めるとともに、2050年にカーボンニュートラル実現に向け、CO2排出量削減の活動を加速しております。
④ 経済状況、公共事業の動向
当社グループの業績及び財政状況は、景気動向による需要の縮小、他社との競合による需給バランスや価格の変動によって影響を受ける可能性があります。また、ウクライナ情勢に起因するサプライチェーンの混乱の継続が当社グループの業績及び財政状況にも大きな影響を与えることも想定されます。
そこで当社グループでは、このような市場における経済状況、需要家や個人消費の動向に柔軟に対応できるよう販売力、開発力、財務体質の強化をはかるとともに、中期経営計画での施策を着実に推進することで収益減少を最小限に抑えるように努めております。
⑤ 国外での事業活動
当社グループは、アジア地域をはじめ、欧州、米国、中米でも生産・販売事業を展開しておりますが、予期しない法律または規制の変更、不利な政治または経済要因、中台関係などの地政学的な問題、感染症の拡大といった社会的混乱等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは、リスクを最小限にとどめるため積極的な情報収集に努め、事業環境の変化に即応できる体制を整えております。
⑥ 原材料の市況変動
当社グループで使用する主な原材料は、スチレンモノマー、ポリスチレン等ですが、それら原材料の価格変動をタイムリーに製品価格に転嫁できなかった場合や、自然災害の発生や仕入先の供給が不安定な場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは、原材料、荷造材料、製造設備等の有利購買に注力するとともに、調達先及び使用原料の多元化、物流ルートの安定化等の方策に努めております。また、原材料の価格変動をタイムリーに製品価格に転嫁できるように、適宜顧客との折衝を行っております。
⑦ 為替リスク
当社グループの国外事業における外国通貨建て取引は、円換算時の為替レート変動の影響を受けます。これらの取引につきましては、リスクを軽減させる措置を講じておりますが、為替レートの変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは、取引にかかわる外国通貨のヘッジ等、リスクを抑制するためのさらなる措置を検討してまいります。
⑧ 減損・資産価値低下に関するリスク
当社グループは、企業買収の際に生じたのれん、事業用のさまざまな有形固定資産及び無形資産を計上しております。また、一定の他社株式を保有しております。これらの資産については、業績計画との乖離や市場動向の変化等によって期待するキャッシュ・フローが生み出せない場合、あるいは資産価値の低下が生じた場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは、投融資に関して「投融資委員会」を設置し、投融資の是非を綿密に審議しております。また、事後における進捗管理を徹底し、さらに資産価値を適正に把握する体制を整備しております。
⑨ 自然災害等のリスク
想定を超える大規模な地震、台風その他の自然災害や火災、爆発等による当社グループの事業拠点の被災やサプライチェーンの障害による事業活動停止が発生した場合、あるいは感染症拡大等による社内外に混乱が発生した場合には当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは、自然災害等による緊急事態が発生した場合の初動対応計画を作成し、即応体制の準備と情報共有方法を整理しております。また、基幹事業については事業継続計画(BCP)の策定に取り組んでおります。
⑩ 情報セキュリティ
当社グループは、業務上必要な機密情報や個人情報を有しておりますが、外部からの予期せぬ攻撃や自然災害等で重要なシステムが使用不可能な状態になり当社グループの業務遂行に支障が生じる場合、または内部からの情報漏洩や不正使用が発生し当社グループの信用が低下した場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
そこで当社グループでは、これらの情報資産を適切に保護するため、全社のIT施策の管理、推進を行う
「IT推進委員会」を設置し、情報セキュリティ実施計画を策定するとともに、情報セキュリティシステムの機能アップや従業員への教育を行っております。また、各部門、各グループ会社に情報セキュリティ責任者を配置し、情報セキュリティ活動を統括して情報資産の適切な管理を行っております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度は、世界経済におきまして本感染症に対する各国の感染対策・行動制限の緩和などが進み、個人消費を中心に経済活動再開の動きが見られた一方、ウクライナ情勢の長期化やエネルギー価格の高騰などによるインフレ圧力が継続しており、先行き不透明な状況が続いております。自動車産業においては、半導体など部品不足に加えて、グローバルなサプライチェーンの混乱が、依然として生産活動に影響を及ぼしております。エレクトロニクス関連においては、パソコンなどの需要が軟調に推移していることもあり、各液晶パネルメーカーの在庫調整が続いています。日本経済は、本感染症の行動制限の解除など、社会経済活動の正常化を目指して持ち直しの動きが続いていますが、エネルギー価格の高騰や物価上昇の影響による消費の下振れ懸念、為替・金利市場の変動など、不透明感を払拭できない状況が継続しております。また、温室効果ガス排出量削減や気候変動問題など環境課題への対応はさらに重要性を増しております。
日本の発泡プラスチックス業界におきましては、内中食を中心とした食品容器関連の需要は、行動制限の解除もあり、落ち着きを見せております。また、各種部材や搬送資材・梱包材は、半導体不足の継続などにより需要の本格的な回復までには至らず、また、エネルギー価格の高騰なども継続しております。
このような厳しい経営環境のなか、当社グループは、本感染症に関するリスクを回避する対策を取るとともに行動制限の緩和を図りながら、2022年度からスタートさせた3カ年中期経営計画「Spiral-up 2024」の3つの重点課題『収益体質の強化』、『環境・社会課題解決型事業への転換』、『経営基盤の強化』に対してグループ全体で取り組んでおります。
ア 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ18億6千7百万円増加し、1,451億7千5百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ16億4千5百万円増加し、867億1千1百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2億2千1百万円増加し、584億6千4百万円となりました。
イ 経営成績
当連結会計年度の業績は、売上高が1,246億8千3百万円(前期比6.1%の増加)、営業利益は7億9千3百万円(前期比45.8%の減少)、経常利益は7億4百万円(前期比49.7%の減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億5千2百万円(前年は59億1千7百万円の損失)となりました。
セグメントごとでは、ヒューマンライフ分野の売上高が526億2百万円(前期比6.2%の増加)、セグメント利益は25億8千5百万円(前期比23.4%の減少)となり、インダストリー分野の売上高が720億8千1百万円(前期比5.9%の増加)、セグメント損失は4億円(前期は17億7千7百万円の損失)となりました。
なお、当連結会計年度より、報告セグメント名称の見直しを行い、従来の「生活分野」を「ヒューマンライフ分野」に、「工業分野」を「インダストリー分野」へ変更しております。
「ヒューマンライフ分野」においては、食、住環境・エネルギーを、「インダストリー分野」においては、モビリティ、エレクトロニクス、医療・健康のそれぞれの領域を重点課題領域として設定し、中期計画に掲げた「収益体質の強化」を目指して事業ポートフォリオの再構築を図ってまいります。
② キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前期末に比べて5億6千9百万円増加し、110億7千2百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業利益の減少などにより、前期に比べ7億2千1百万円減少し、31億1千万円の収入となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資有価証券の売却による収入の増加により、前期に比べ21億9千2百万円増加し、9億9千3百万円の支出となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
借入金の返済が減少したことにより、前期に比べ10億3千1百万円増加し、15億4千2百万円の支出となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
ア 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比増減率(%) |
|
ヒューマンライフ分野(百万円) |
61,496 |
7.6 |
|
インダストリー分野 (百万円) |
70,270 |
6.9 |
|
合計(百万円) |
131,767 |
7.2 |
(注)金額は、販売価格により表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
イ 受注実績
主として見込生産を行っており、受注生産はほとんど行っておりません。
ウ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比増減率(%) |
|
ヒューマンライフ分野(百万円) |
52,602 |
6.2 |
|
インダストリー分野 (百万円) |
72,081 |
5.9 |
|
合計(百万円) |
124,683 |
6.1 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
株式会社エフピコ |
15,467 |
13.16 |
17,381 |
13.94 |
(2) 経営成績の分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
ア 経営成績等
(ア)財政状態
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前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減 (百万円) |
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流動資産残高 |
63,771 |
66,874 |
3,102 |
|
固定資産残高 |
79,536 |
78,301 |
△1,235 |
|
負債残高 |
85,065 |
86,711 |
1,645 |
|
純資産 |
58,242 |
58,464 |
221 |
(資 産)
当連結会計年度末における総資産は1,451億7千5百万円(前連結会計年度末比18億6千7百万円の増加)となりました。
資産の部では、電子記録債権の増加などにより流動資産が31億2百万円増加しました。投資有価証券の売却により固定資産は12億3千5百万円減少しました。
(負 債)
負債の部では、短期借入金の返済により流動負債は26億1千9百万円減少しました。長期借入金の増加などにより、固定負債は42億6千4百万円増加しました。
(純資産)
純資産の部は2億2千1百万円増加しました。
(イ)経営成績
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前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減 (百万円) |
|
売上高 |
117,567 |
124,683 |
7,116 |
|
国外売上高 |
46,374 |
49,448 |
3,074 |
|
(国外売上高比率) |
(39.4%) |
(39.7%) |
- |
|
営業利益 |
1,463 |
793 |
△670 |
|
(売上高営業利益率) |
(1.2%) |
(0.6%) |
- |
|
営業外収益 |
1,019 |
1,025 |
5 |
|
営業外費用 |
1,082 |
1,114 |
32 |
|
経常利益 |
1,401 |
704 |
△697 |
|
特別利益 |
445 |
1,632 |
1,186 |
|
特別損失 |
6,407 |
50 |
△6,357 |
|
当期純利益又は当期純損失(△) |
△5,876 |
453 |
6,329 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益又は 親会社株主に帰属する当期純損失(△) |
△5,917 |
452 |
6,370 |
|
(自己資本利益率) |
(△9.3%) |
(0.8%) |
- |
当連結会計年度における、売上高は1,246億8千3百万円(前期比6.1%の増加)、営業利益は7億9千3百万円(前期比45.8%の減少)、経常利益は7億4百万円(前期比49.7%の減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億5千2百万円(前年は59億1千7百万円の損失)となりました。
営業外損益における、営業外収益は、受取配当金の増加や受取補償金の発生などにより前期比で5百万円増加し10億2千5百万円となり、営業外費用は支払利息の増加などにより前期比で3千2百万円増加し、11億1千4百万円となりました。
特別損益では、特別利益は投資有価証券売却益の増加により、前期比11億8千6百万円増加し、16億3千2百万円となり、特別損失は固定資産の減損損失の減少により前期比63億5千7百万円減少し、5千万円となりました。
(ウ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、下記のとおりです。
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|
前連結会計年度 (百万円) |
当連結会計年度 (百万円) |
増減 (百万円) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
3,831 |
3,110 |
△721 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△3,186 |
△993 |
2,192 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
△2,573 |
△1,542 |
1,031 |
|
現金及び現金同等物期末残高 |
10,503 |
11,072 |
569 |
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
営業利益の減少などにより、前期に比べ7億2千1百万円減少し、31億1千万円の収入となりました。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
投資有価証券の売却による収入の増加により、前期に比べ21億9千2百万円増加し、9億9千3百万円の支出となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
借入金の返済が減少したことにより、前期に比べ10億3千1百万円増加し、15億4千2百万円の支出となりました。
<現金及び現金同等物期末残高>
現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前期末に比べて5億6千9百万円増加し、110億7千2百万円となりました。
イ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2022年度の計画達成状況は以下のとおりであります。
連結業績
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|
2022年度 計画 |
2022年度 実績 |
対計画比 増減率 |
|
売上高 |
1,250億円 |
1,246億円 |
△0.3% |
|
営業利益 |
18億円 |
7億円 |
△55.9% |
|
(売上高営業利益率) |
(1.4%) |
(0.6%) |
- |
|
経常利益 |
16億円 |
7億円 |
△56.0% |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
9億円 |
4億円 |
△49.7% |
|
(自己資本利益率) |
(1.5%) |
(0.8%) |
- |
※ 億円未満は切捨てで表示しております。
2022年度計画は2022年4月28日公表数値であります。
ウ 経営成績の状況等に関する認識及び分析検討内容
2022年度は、年度初の業績予想計画に対して、売上高はほぼ計画並みとなったものの、営業利益△55.9%、経常利益△56.0%となり、親会社株主に帰属する当期純利益△49.7%の実績となりました。
2022年度は、ウクライナ情勢の長期化やグローバルなサプライチェーンの混乱、エネルギー価格上昇の影響等により、前期比で減益となりました。セグメントごとの分析状況につきましては、エ に記載のとおりです。
今後の当社グループの経営に影響を与える主な要因としては、市場動向、資材費動向、海外動向等があります。
市場動向については、従来からの景気動向に加え、本感染症拡大による需要の回復動向、ウクライナ情勢などの地政学リスクやサプライチェーンの混乱、他社との競合による需給バランスや価格の変動によって、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、市場における経済状況、需要家や個人消費の動向に留意した戦略を遂行できるよう販売力、開発力、財務体質の強化に努めております。
資材費動向については、当社グループで使用する原材料の価格変動をタイムリーに製品価格に転嫁できなかった場合または自然災害の発生や仕入先の供給が不安定な場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、原材料、荷造材料、製造設備等の有利購買に注力しております。
海外動向については、アジア地域をはじめ、欧州、米国、中米でも生産・販売事業を展開しており、予期しない法律または規制の変更、不利な政治または経済要因、戦争や政情不安等の社会的混乱などにより、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、リスクを最小限にとどめるため情報収集に努めております。また、グローバルなEV及び次世代自動車市場動向の重要性を認識し、高機能化や環境負荷を低減する新たな新素材開発を行うなど対応を強化しております。
本感染症によるリスクについては1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題](3)対処すべき課題、及び3[事業等のリスク]において記載のとおりであります。
これらの点を踏まえ、当社グループは、中期経営計画「Spiral-up 2024」を着実に推進してまいります。
エ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a ヒューマンライフ分野
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2021年度 実績 |
2022年度 実績 |
増減率 |
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売上高 |
495億円 |
526億円 |
6.2% |
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経常利益 |
34億円 |
26億円 |
△23.4% |
※ 億円未満は四捨五入で表示しております。
b インダストリー分野
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|
2021年度 実績 |
2022年度 実績 |
増減率 |
|
売上高 |
680億円 |
721億円 |
5.9% |
|
経常損失(△) |
△18億円 |
△4億円 |
- |
※ 億円未満は四捨五入で表示しております。
(ヒューマンライフ分野)
食領域においては、食品容器用途は人流が回復しつつあることで、観光関連や外食関連の弁当容器、テイクアウト容器等で復調の兆しがあるものの、内中食関連向けの需要はやや減少となりましたが、価格改定により全体的には前年を上回る売上となりました。農産用途は、天候などの影響もありほぼ前年並みの出荷となりましたが、水産用途では、漁獲量の減少傾向が継続し低調な出荷となりました。
住環境・エネルギー領域においては、土木用途は工事物件の進捗遅れなどが影響し低調でしたが、建材用途は堅調に推移しました。
主力製品である「エスレンシート」(発泡ポリスチレンシート)の売上数量は、テイクアウト容器用途の需要は堅調ながら、スーパーなどの生鮮食品容器用途等には落ち着きが見られ、即席麺用途も減少となり、全体では前年並みとなりました。「エスレンビーズ」(発泡性ポリスチレンビーズ)の売上数量は、クッション用ビーズなどのライフグッズ用途が前年の需要増からは落ち着きを見せ、また水産分野及び農産分野が低調となったことで、全体では前年より減少しました。
利益面では、期中における度重なる原料、副資材価格、エネルギーコストの高騰に対して、原価低減や固定費削減に取り組み、あわせて販売価格への転嫁を行いましたが、市況低迷により販売数量が減少となったこと、また4月の積水化成品大分の火災事故対応として他工場からの製品移管運賃発生等の要因が収益を圧迫し、減益となりました。
その結果、ヒューマンライフ分野の売上高は526億2百万円(前期比6.2%の増加)、セグメント利益は25億8千5百万円(前期比23.4%の減少)となりました。
(インダストリー分野)
モビリティ領域において、自動車部材用途では、上期での中国各地でのロックダウンや、世界各国での半導体をはじめとした部品不足による自動車メーカーでの減産の影響を受け需要が伸び悩みました。上期後半より回復基調に転じたものの本格的な回復に至っていない状況であります。一方、部品梱包材用途では、電動部品関連で上期は売上が大幅に伸長しましたが、下期はそれらが一巡し、「ピオセラン」(ポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体)の販売は前年並となりました。欧州のProseatグループは、固定費削減・生産集約等の改善を進めましたが、半導体などの部品不足やウクライナ情勢の影響により欧州自動車メーカーからの受注が引き続き伸び悩み、エネルギーコストの大幅増なども影響し、業績改善に時間を要し、赤字が継続しております。
エレクトロニクス領域においては、「テクポリマー」(有機微粒子ポリマー)の液晶パネル等の光拡散用途での需要は、在庫調整の影響により第2四半期以降大きく落ち込みましたが、第4四半期から緩やかながらも回復の兆しを見せ始めました。パネル搬送資材・梱包材用途での「ピオセラン」も、ロックダウンの影響や他素材との競争激化、液晶パネルの在庫調整などにより中国、台湾等における需要は低調に推移しました。
医療・健康領域においては、「エラスティル」(熱可塑性エラストマー発泡体)は、ランニングシューズミッドソールに加え、他用途シューズへの展開を図ることができました。また「テクノゲル(ST-gel)」(機能性高分子ゲル)も医療用電極用途などで、「テクポリマー」も化粧品用途などで売上が伸長しました。
利益面では、生産性向上や固定費削減にも取り組みましたが、上半期の原料価格、エネルギーコストの高騰に対する価格転嫁においてタイムラグが生じたことなどにより、損失となりました。
その結果、インダストリー分野の売上高は720億8千1百万円(前期比5.9%の増加)、セグメント損失は4億円(前期は17億7千7百万円の損失)となりました。
オ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容、資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料や仕入商品の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入や社債発行を基本としております。また、必要に応じてシンジケート方式によるコミットメントライン契約による調達も行い、資金調達方法の多様化を図りつつ、負債と資本のバランスに配慮しながら必要な資金需要に対応してまいります。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は423億9千万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は110億7千2百万円となっております。
当社グループは、設備等の投資にあたっては、調達した資金のコスト(資本コスト、借入コスト等)を十分に勘案し、投資前に投資効果の収益性について十分な精査を行った上で実行しております(設備の状況は、第3[設備の状況]に記載のとおりです。)。
(参考)財務関連指標の推移
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|
2019年 3月期 |
2020年 3月期 |
2021年 3月期 |
2022年 3月期 |
2023年 3月期 |
|
自己資本比率(%) |
42.5 |
44.1 |
44.2 |
40.1 |
39.8 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
27.2 |
17.6 |
17.7 |
13.8 |
13.0 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 |
4.9 |
5.5 |
5.8 |
10.9 |
13.6 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ |
38.8 |
15.0 |
17.1 |
10.7 |
6.8 |
(注)自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※ 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
※ キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
② 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループとしては、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
ア 固定資産(無形固定資産、投資その他の資産を含む)の評価
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産(無形固定資産、投資その他の資産を含む)について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。その資産の市場価格及びその資産を使用した営業活動から生じる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。
回収可能価額は、複数年の事業計画から生じる将来キャッシュ・フロー及びその他の見積り及び仮定から合理的に決定しておりますが、今般の本感染症による影響など、事業計画や市場環境の変化により、これらの見積り及び仮定が将来、変更された場合、減損金額の増加及び新たな減損認識の可能性があります。
イ 退職給付債務
当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される計算基礎を用いて算出されております。割引率の見積りにあたっては、安全性の高い長期の債券利回りを基礎に決定しております。また、期待運用収益率については、保有する年金資産のポートフォリオ、過去の実績、運用方針及び市場の動向等を考慮して決定しております。今般の本感染症拡大等、予想困難な事象による市場動向等が原因で、その見積数値と実績が異なる場合、または見積数値が変更された場合、その影響額は将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には、将来において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
ウ 有価証券及び投資有価証券の評価
当社グループでは、「金融商品会計に関する実務指針」を基に長期的な協力関係や取引関係の観点から株式等を所有しており、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合に株式等の減損処理を実施することとしております。これは、期末時価が帳簿価額を50%以上下回った場合に、何らかの減損処理を実施するものであります。したがって、今般の本感染症の影響等による将来の株式市場や投資先の業績動向により、これらの有価証券及び投資有価証券の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。
エ 税効果会計
当社グループでは将来の課税所得に対する様々な予測・仮定に基づいて、税効果会計の計算を行っており、実際の結果がこれらの予測・仮定とは異なる可能性があります。将来の課税所得や加減算などのスケジューリングに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得の予測・仮定に変更が生じ、繰延税金資産に一部または全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額されて税金費用が計上される可能性があります。
標章使用許諾に関する重要な契約
|
契約会社 |
相手方の名称 |
契約期間 |
契約内容 |
|
積水化成品工業㈱ (当社) |
積水化学工業㈱ |
1989年10月1日から1993年3月31日までとする。 但し、期間満了後特別の事情のない限り更に3年間継続し、以後この例による。 |
積水化学工業㈱の所有する一定の標章(商標含む)の使用許諾の取得 |
当社では、ヒューマンライフ分野、インダストリー分野において、基礎研究から生産技術に至るまで幅広い研究開発を行っております。研究開発センターでは、コア技術の研究と新事業につながる新製品の開発について一連の業務を担っています。課題設定からマーケティングを経て、事業化に至る量産化までの研究開発を一貫して行い、開発サイクルの高速化を図っています。生産革新プロセスや設備の設計開発などをIoTやAIの活用を含めて推進している生産技術センターや、各事業部の技術部門と連携をとり、製品やサービスの早期事業化に努めています。
なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、
環境面では、環境貢献製品群を強化すべく、リサイクル原材料を活用した製品カテゴリーの「ReNew+」、生分解性またはバイオマス由来プラスチックスを活用した製品カテゴリーの「BIOCellular」の両カテゴリーブランドを制定し、当社グループが製造するすべての製品を対象に、2030年度までに、使用原料の50%を、リサイクルまたはバイオマス由来のものに置き換えるという目標を掲げ、それら開発を強化しています。環境に配慮した新素材開発を加速させ、両ブランド製品のラインアップ拡充で循環型社会の実現に貢献していきます。
当連結会計年度の主な成果は次のとおりであります。
(1) ヒューマンライフ分野
当社のコア技術である押出発泡、発泡シート成形、懸濁重合、含浸発泡、型物成形技術をベースに、多様化するニーズに基づいた製品改良や新たな機能付与を進めています。需要が拡大している内中食市場に向けた電子レンジ容器対応の耐熱性発泡シート、食品トレーや納豆容器など広く使用されている一般の発泡ポリスチレンシート、即席麺容器などに使用されているラミネートシートにおいては、最終商品に求められる素材物性や機能性を向上させる開発や省資源化に貢献するさらなる軽量化に対応する開発に加え、石油由来のプラスチックスから再生可能資源であるバイオマス由来プラスチックスを活用した製品開発などを進めています。また、マテリアルリサイクルの拡大に向けて、再生原料を使用した発泡ポリスチレンビーズである「エスレンビーズ RNW」の再生原料として魚函のリサイクル技術を開発しました。魚函は特有の臭気からマテリアルリサイクルの用途が限定されていましたが、臭気成分の特定と脱離させるリサイクル技術と重合技術を融合させることで、「エスレンビーズ RNW」の原料として最大50%まで混合可能にする資源循環に貢献する技術を確立しました。
これらヒューマンライフ分野に係る研究開発費は、
(2) インダストリー分野
環境貢献製品開発として、植物由来で生分解性を有するプラスチックの発泡体である「RETONA FOAM BIO」を開発し、ディスプレイ用資材として提供を開始しました。展示会などのブース装飾は会期後の大量廃棄が問題となりますが、「RETONA FOAM BIO」は生分解性プラスチックのため、一定の環境下におくことで水と二酸化炭素に分解することが可能です。焼却した場合においても大気中の二酸化炭素を増加させないカーボンニュートラルな素材のため環境負荷の低減に貢献できます。
また、リサイクル原料を含有させた「ピオセラン RNW」を開発しました。「ピオセラン」はポリスチレンとポリオレフィンをハイブリッド化した複合樹脂発泡体ですが、「ピオセラン RNW」はバージン原料を使用した従来品と同様の物性を保持し、使用するリサイクル原料は回収した「ピオセラン」やポリオレフィンであるため、持続可能な形で資源を再利用するサーキュラーエコノミーに貢献します。
さらにエンジニアリングプラスチックを主原料に、植物由来の原料を一部使用した「ST-Eleveat BIO」で高難燃グレードを開発し、バイオマスマーク認証を取得しました。この原料を用いることで次世代モビリティー市場が要望する高い難燃性のニーズに応えつつ、環境負荷の低減に貢献します。
これらインダストリー分野に係る研究開発費は、