第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の方針

 当社は2023年1月、創立100周年(2059年)に目指す姿「積水化成品グループ100年ビジョン」について、経営理念の体系化を図るとともに、上位概念の一部であるコーポレートビジョンを改訂しました。

 当社の創業の精神「働く者の幸せのために」や経営理念である「われわれ積水化成品グループは、人間尊重と相互信頼を基本に全員経営を実践し、“新しい幸せ”を目指して常にイノベーションをし続けます」をベースに、コーポレートビジョンである「人と地球を大切に、新たな価値を創造するニューケミカル・ソリューション・カンパニー」を目指します。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標

 当社グループは、2025年4月に策定した新中期経営計画「Going Beyond 2027 ~ 変革と完遂 ~」のもと、以下に記載の<基本方針>に則り、<重点課題>を中心に全員経営で取り組みを推進しております。

 

 <基本方針>

 「Going Beyond 2027 ~ 変革と完遂 ~」の方向性を維持し、5年後に迫る「Target 2030」の実現をより強く意識して加速させる

 意識・行動変革による「収益力の強化」と「経営基盤の強化」を完遂し、企業価値向上に繋げると共に行動規範を実践する

 

 <重点課題>

 1)「収益力の強化」 ~新たな価値創造、ビジネスモデル変革を通じた事業ポートフォリオの変革~

 ①収益基盤の強化と収益力向上

 ・高収益成長事業への取り組み強化と経営資源投入、既存事業の収益改善

 ②環境貢献ビジネスの収益力強化

 ・資源循環事業強化と新たな環境貢献ビジネスの早期確立

 ③生産革新と現場力強化によるコスト競争力の強化

 ・合理化推進(省力化・効率化、人員・配置最適化、本社コスト削減、投資効率向上)、品質管理強化

 

 2)「経営基盤の強化」 ~資本効率性、環境・社会課題解決、ガバナンスの強化~

 ①資本効率と資本コストを意識した経営の実践

 ・スリム化推進(低採算・ノンコア事業整理、拠点統廃合、不要資産の廃棄・売却、棚卸資産管理強化)

 ②環境・社会課題解決に向けた取組み強化

 ・GHG(CO2)排出量削減、リサイクル・バイオマス原料使用比率定量目標の達成、健康経営・保安活動の推進

 ③コンプライアンス強化と人的資本経営の推進

 ・コンプライアンス取り組み強化、従業員エンゲージメント向上、人材教育体系の見直し

 

「Going Beyond 2027 ~ 変革と完遂 ~」の定量目標

連結目標

2024年度

(実績)

2025年度

(実績)

2026年度

(計画)

2027年度

(計画)

売上高

1,370億円

1,139億円

1,050億円

1,000億円

営業利益

(営業利益率)

   6億円

(0.5%)

25億円

(2.2%)

31億円

(3.0%)

45億円

(4.5%)

経常利益

1億円

22億円

26億円

43億円

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△62億円

21億円

25億円

29億円

ROE

4.3%

5.0%

6.0%

(億円未満は切捨てで表示しております)

 

2027年3月期の連結業績予想(2026年4月1日~2027年3月31日)

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属

する当期純利益

1株当たり

当期純利益

 

百万円

百万円

百万円

百万円

円 銭

半期

50,500

△23.2

300

△61.6

50

△76.0

1,000

21.95

通期

105,000

△7.8

3,100

21.5

2,600

15.6

2,500

16.4

54.83

 

(3) 対処すべき課題

 欧州および中東地域における地政学的リスクの継続にともなう原材料調達への影響に加え、原材料価格やエネルギー価格の動向など、先行き不透明な事業環境が続くものと認識しており、これらの動向を引き続き注視していく必要があります。

 当社グループでは、中期経営計画「Going Beyond 2027 ~ 変革と完遂 ~」を策定し、5年後に迫る「Target 2030」の実現をより強く意識して加速させること、意識・行動変革による「収益力の強化」と「経営基盤の強化」を完遂し、企業価値向上に繋げるとともに行動規範を実践するという基本方針に基づき、重点課題を中心に全員経営で取り組みを推進してまいります。

 『収益力の強化』においては、低採算事業やポートフォリオの見直しを進めるとともに、高付加価値分野への経営資源の集中を図っております。具体的には、エレクトロニクス領域で、光学ディスプレイフィルムや光通信部材に求められる光学特性などの要求に応えるナノサイズのポリマー微粒子を新たに開発し、次世代電子材料分野への展開を進めております。また、グローバル事業の再構築の一環として、欧州のProseatグループの事業子会社譲渡や、台湾子会社における資産の見直しなど、事業構造のスリム化を進めております。

 『経営基盤の強化』においては、資本コストを意識した経営を推進し、保有資産の見直しや資産効率の改善に取り組むとともに、環境負荷低減に貢献する「サステナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)」の拡大に注力するとともに、人的資本経営やガバナンス強化を通じた持続的な成長基盤の整備を進めてまいります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、従来のCSR(企業の社会的責任)をより高次元な形に置き換え、「環境価値・社会価値・経済価値を高め、持続的に発展する」として、環境・社会課題解決型事業への転換を進めています。『わたしたち積水化成品グループは、経営理念の実践を通じて地球環境を含む全てのステークホルダーに対して社会的責任を果たし、グローバルに社会の持続的発展に貢献するとともに、持続的な企業価値向上につとめます。』とのサステナビリティ方針を2023年1月に制定し、サステナビリティの基盤として「環境・安全・品質に配慮したモノづくり」、「コンプライアンスを重視した誠実な経営活動」、「全員経営の実践」という3点を据え、活動を行っております。

 また、国際的な基準やガイドライン、SDGsが掲げるゴールなどから「当社グループにとっての重要性」と「ステークホルダーにとっての重要性」の2軸で評価した環境・社会・ガバナンス視点のマテリアリティ(経営重要課題)を特定し、それぞれに推進項目とKPI(重要成果指標)を定め、持続的な成長に向けて「ESG経営」を強化しております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

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[サステナビリティ全般に関する取り組み]

<ガバナンス>

 当社グループでは、サステナビリティに関する課題について、常務会とその下部委員会であるサステナビリティ委員会、コンプライアンス・リスク管理委員会において議論の上、取締役会において審議・承認・監督するガバナンス・リスク管理体制をとっております。

 サステナビリティ委員会においては、課題や機会を踏まえた施策について、コンプライアンス・リスク管理委員会においては、各リスクの評価と対処のための取り組みについて、それぞれその分野を管轄する主管部門や主管委員会が起案した内容を審議し、常務会・取締役会に付議することとしております。取締役会で承認された方針や施策の実行はその分野を管轄する主管部門や主管委員会が牽引します。

 

 

サステナビリティに関するガバナンス体制図

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<リスク管理>

 当社グループにおけるサステナビリティに関するリスクは、以下のプロセスを通じて全社的にリスク管理を行う体制をとっています。

・サステナビリティに関する事業への影響は、その分野を管轄する主管部門や主管委員会が各種の分析によって把握し、内容を精査した上で対処すべき具体的なリスクや機会として識別される。

・識別されたリスクや機会については、主管部門や主管委員会がリスク低減の施策あるいは機会に対応するための施策等を検討するとともに各部門やグループ会社での取り組みの支援、施策の実施状況を確認する。

・サステナビリティに関するリスク低減の取り組み状況については各主管部門や主管委員会から「コンプライアンス・リスク管理委員会」に報告され、「コンプライアンス・リスク管理委員会」ではその内容を審議し、結果を常務会、取締役会に報告する。

 

 なお、「戦略」および「指標及び目標」につきましては、サステナビリティの具体的な取り組み内容によって異なることから、以下の[サステナビリティに関する主な具体的な取り組み]の中で記載をしております。

 

[サステナビリティに関する主な具体的取り組み]

1.気候変動に関する事項

  積水化成品グループは2022年5月にTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明し、TCFD提言に基づき、気候関連のリスク及び機会に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」について情報開示を行っています。当社グループはTCFD提言に沿った気候変動対応に関する情報開示を行うと共に、事業活動を通じて持続可能社会の実現に貢献し、当社グループの持続的企業価値向上に向けた経営基盤強化を進めていきます。

(1)ガバナンス

 積水化成品グループでは、気候変動の課題について、常務会と取締役会の主要メンバーなどで構成されるサステナビリティ委員会、コンプライアンス・リスク管理委員会において議論の上、取締役会において審議・承認・監督するガバナンス・リスク管理体制をとっています。また、代表取締役社長は上記事項に関する最終承認における責任を担っています。

 サステナビリティ委員会においては、課題認識とそれを踏まえた施策について、コンプライアンス・リスク管理委員会においては、各リスクの評価と対処のための取り組みについて、それぞれ環境委員会が起案した内容を審議し、常務会・取締役会に付議することとしています。環境委員会は取締役会で承認された方針や施策の実行を牽引し、各部門・グループ会社がその方針や施策に基づき、各種の取り組みを行っています。

 

[気候関連の戦略を評価・管理する上での経営者の役割]

 積水化成品グループは、中期経営計画「Going Beyond 2027 ~変革と完遂~ 」において、「持続可能社会への貢献」と「持続的な企業価値向上」の実現を目指すべき方向性として定め、サーキュラーエコノミーを軸に据えた事業構造の転換や、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを進めています。それを踏まえて事業の各執行責任者は、気候変動に関する取り組みの状況が、当社グループの定めた目指す方向性に合致しているかの視点に基づき、リスクと機会及びそれらを踏まえた戦略について十分精査し、状況に応じた経営判断によって事業を推進する責任を担っています。

 

(2)戦略

 積水化成品グループは創立以来、低炭素・循環型社会の実現を目指し、省エネルギーやリサイクルなど、環境と共生するモノづくりを行ってきました。現在は、SKG-5R推進として、これまでも取り組んできた3R(Reduce、Reuse、Recycle)に、グループ独自の2R(Replace、Re-create)を加えた5Rを実行し、地球規模の課題解決に貢献していきたいと考えています。それに関連して、2030年度までに達成する3つの目標「サステナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)の創出と事業拡大」「リサイクル・バイオマス原料使用比率50%以上」「GHG(CO※1排出量削減」を設定し、事業を通じた社会・環境貢献を実行していきます。

 発泡製品は、省資源・省エネルギー・資源循環などの特長があり、これらを活かして幅広い分野で使われています。例えば、自動車に部材として搭載した場合、発泡製品が持つ軽量性を活かして、車体の軽量化を図れます。結果として、ガソリンなどの燃料消費が抑えられ、地球温暖化につながるGHG(CO)の排出量が削減されます。また、食品容器は、断熱性(保温/保冷)を活かして、農水産物や食料品などの鮮度保持や長期保存を可能とし、フードロス削減に役立ちます。

 このような発泡製品の特長に着目し、積水化成品グループの基幹となる発泡プラスチック事業を、シナリオ分析実施対象事業に選定し、地球温暖化を1.5 ℃に制限するというパリ協定の目標と一致させることに同意し、気候関連のリスクと機会の特定とその対応策の検討を行った後、TCFDのフレームワークに則り、脱炭素経済実現に向けた「移行リスク」及び気候変動に伴う「物理リスク」の分析を進めました。分析を進めるにあたっては、環境部門を統括する取締役の下、気候変動など環境課題解決に携わる主要8部門の各部門長と実務担当者が参加するプロジェクトを編制し、実質的な対応策の立案や正確な事業インパクトについて、各部門でのリスク・機会や対応策を議論し、実態に即した分析を行っています。

※1当社は、地球温暖化対策推進法の対象になるGHG(温室効果ガス)として、事業に伴うCO2を算出しています。

 

(3)リスク管理

 積水化成品グループでは、気候変動を含む全社的なリスク管理については、将来にわたり事業を継続していくためにシナリオ分析を実施し、把握しています。分析によって洗い出されたリスクは、環境管理や保全などに関する戦略を立案する環境委員会での審議・評価を経て、対処すべき具体的なリスクとして識別されます。リスク発生の未然防止ならびにリスク管理への取り組みは、環境委員会で審議されるとともに、常務会の下部委員会であるコンプライアンス・リスク管理委員会に報告され、経営上のリスクのひとつとして審議・管理されます。

 一方、機会については、環境委員会での審議・評価を経て、サステナビリティ委員会に報告されるとともに、関連する事業部門にも共有され、事業上の戦略に反映されます。また、リスク及び機会の状況は、常務会に報告後、取締役会にも報告され、そこでの指示事項はリスクと機会の取り組みにフィードバックされています。

 

 

(4)指標及び目標

 2030年までに達成する3つの目標「サステナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)の創出と事業拡大」「リサイクル・バイオマス原料使用比率」「GHG(CO)排出量削減」を設定しました。

 

・サステナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)の創出と事業拡大

 登録件数:100件 売上高比率:50%

・リサイクル・バイオマス原料使用比率

 全ての使用原料の50%を、バージン原料からリサイクルまたは生分解性・バイオマス由来の原料に置き換える。

・GHG(CO₂)排出量削減(Scope1+2)

 2018年度対比 目標45%削減

(2018年度連結ベースの排出量 120千トン)

 

指標及び目標に対する実績

 

2030年度目標

2024年度実績

2025年度実績

サステナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)

登録件数

100件

57件

60件

売上高比率

50%

21%

21%

リサイクル・バイオマス原料使用比率

50%

18%

19%

GHG(CO₂)排出量削減

(Scope1+2)

45%削減

(2018年度対比)

23%削減

29%削減

※GHG(CO)排出量は、排出量の時系列比較の一貫性を確保するため、2025年に売却したProseatグループの排出量を基準年および実績値から除外して算定しています。

なお、Proseatグループ(基準年から2025年8月まで)を含めた場合の2025年度の削減率は37%となります。

 

 加えて、世界が気候変動への取り組みに注力する中、私たちは、2030年の目標達成を通過点と捉え、2050年カーボンニュートラルを目標に据え、その取り組みを加速させています。

 GHG(CO₂)排出量実績詳細(Scope1、2、3)は、下記をご確認ください。

https://www.sekisuikasei.com/jp/assets/images/ir/ir-library/integrated-report/report_2025.pdf

 

 また、「TCFD提言に基づく情報開示」の詳しい内容は、ホームページをご参照ください。

https://www.sekisuikasei.com/jp/assets/images/csr/esg/environment/tcfd/tcfd2025_01.pdf

 

2.人的資本に関する事項(人材の多様性の確保を含む人材育成方針と社内環境整備方針)

 当社グループは、以下の「人事方針」を定め、人的資本経営を推進しております。

(人事方針)

 積水化成品グループは、グループ員一人ひとりが持つ可能性をかけがえのない「資本」と捉え、持続的に成長する機会と環境を創出し続ける「人的資本経営」を実践します。これを実現するため、以下の項目を定め、グループ員が行動規範に定める行動を実践し、その力を十分に発揮できる環境を整備します。

 

 この「人事方針」は、多様な人材がその力を最大限に発揮できる組織の実現を目指し、従業員一人ひとりの成長と育成を支援するとともに、誰もが働きやすく働きがいを感じられる職場環境の整備に取り組む姿勢を、6つの方針として明確にしたものです。創業の精神である「働く者の幸せのために」の具現化と、グループカルチャーの「全員経営」の実践を通じて、当社を取り巻くステークホルダーに対し、持続可能な企業価値創造と向上を目指します。

 

項目

方針

人材育成

自律的キャリア形成を支援し、人と会社の成長を実現します

健康経営

心身ともに健康でいきいきと働ける職場環境整備に取り組みます

評価・処遇

採用・配置

公正な評価と処遇を行い、適所適材の人員採用・配置を実践します

エンゲージメント

向上

自発的な貢献意欲が持てるように働きがいのある職場と成長機会を提供します

ダイバーシティ

一人ひとりの多様性を尊重し、活躍できる機会と環境を創出します

働き方改革

生産性の高い働き方、柔軟な働き方を追求します

 

(1)戦略

項目

戦略

人材育成

研修体系を強化し、階層別研修・キャリア開発研修・経営人材育成(積水化成品塾)を推進することで、変化に対応できる自律型人材を育成する。

健康経営

健康経営戦略MAPを継続的に運用し、ストレスチェックや健康診断の分析結果を活用した重点的な対策を講じ、心身両面の健康保持・増進を図る。

評価・処遇

採用・配置

実力と成果を適切に反映した評価処遇制度の運用を通じて従業員のモチベーションを高める。多様な採用媒体を活用し、適材適所の人員配置を推進する。

エンゲージメント

向上

エンゲージメント調査を通じて職場環境の課題を把握し、改善アクションを部門横断で展開。従業員がモチベーションとやりがいを高められる組織づくりを推進する。

ダイバーシティ

女性、外国人、障がい者などの多様な人材の積極的な採用と定着支援を行い、デジタル技術や業務インフラ整備によって誰もが活躍できる職場を実現するとともに、その活躍によってイノベーションにつなげる。

働き方改革

在宅勤務制度・フレックス制度を柔軟に活用し、ワークライフバランスの向上と業務効率化を図る。有給休暇取得促進や労働時間適正化にも注力し環境整備を進める。

 

(2)指標及び目標

指標

目標

2025年度実績

女性管理職比率

2027年度末 8%以上

6.6%

女性社員比率

2027年度末 19%以上

18.3%

男性育児休業取得率

2027年度末 100%

100.0%

女性採用比率

2027年度末 28%

26.3%

 

※上記、「指標及び目標」に関しては、グループ会社各社での取り組みが未だ不十分であること、地域性や各社の事業特性、又は規模感などから目標設定が困難なため、提出会社単体での数値です。

 

 

3【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられ、また投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識した上で、発生の回避、発生した場合の対応に努める方針であり、全般的なリスク管理については、下図のとおり管理本部長が分科会長の「コンプライアンス・リスク管理分科会」にて評価・審議した結果を社長が委員長の「コンプライアンス・リスク管理委員会」に報告し、そこでの評価・審議結果を定期的に常務会、取締役会に報告しております。

 

            当社のリスク管理プロセス図

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 なお、以下の文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。当社グループにおける事業等のリスクは、国内外の経済情勢等により影響を受ける可能性があり、以下に記載した事項に限定されるものではありません。

 

① 安全の確保

当社グループの事業拠点において、労働災害や火災等が発生し、それが原因で近隣地域に影響が及ぶ場合、社会的信用の失墜、対応費用の発生、生産活動の停止による機会損失及び顧客に対する補償等によって、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは「保安委員会」を設置し、グループ全体で保安活動方針を定め、安全パトロール、安全啓発、安全教育及び各種訓練等の活動を企画立案、実行し、事業活動の全般で、無事故、無災害に努めております。

 

② 製品の品質保証

製品に予期しない欠陥や不具合が生じた場合、製品の回収や損害賠償等、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは「品質委員会」を設置し、品質マネジメントシステムの強化をはかるとともに、グループ全体で品質方針を定め、品質監査、品質管理教育、品質会議等の活動を企画立案、提言し、製品の開発と生産における安全性、品質に配慮しております。また、品質に関する国内外の法令や業界団体等の定める規制、規格を遵守して事業活動を進めております。さらに、万一品質問題が発生してしまった場合に備え、製造物責任保険に加入しております。

 

③ 環境マネジメント

製品材料の保管管理や製造過程における、化学物質の漏出、事故の発生等、工場周辺の環境に影響を及ぼすような事象が発生した場合、顧客や地域社会からの信用の失墜、補償その他対策費用の発生、生産停止による機会損失等によって、当社グループの業績及び財政状況に大きな影響を与える可能性があります。さらには、気候変動問題への対応は喫緊に取り組むべき課題と認識しております。

そこで当社グループでは環境方針を定め、「環境委員会」を設置して、「気候変動への対応」、「資源循環」、「生態系保全」、「法令遵守と情報開示」、「教育と啓蒙」の5つの項目で具体的な行動方針を設定し、それぞれの事業所において、環境マネジメントに努めるとともに、各種環境規制法令を遵守して事業活動を進めております。

また、気候変動が当社事業に与える影響について、「気候関連財務情報開示タスクフォース」(TCFD)の提言に沿った気候変動対応に関する情報開示を行っており、2030年に事業活動に伴うGHG(CO)排出量を2018年対比で45%の削減、2050年にカーボンニュートラル実現に向け、CO排出量削減の活動を加速しております。

 

④ 経済状況、公共事業の動向

当社グループの業績及び財政状況は、景気動向による需要の縮小、他社との競合による需給バランスや価格の変動によって影響を受ける可能性があります。

そこで当社グループでは、このような市場における経済状況、需要家や個人消費の動向に柔軟に対応できるよう販売力、開発力、財務体質の強化をはかるとともに、中期経営計画での施策を着実に推進することで収益減少を最小限に抑えるように努めております。

 

⑤ 国外での事業活動

当社グループは、アジア地域をはじめ、欧州、米国、中米でも生産・販売事業を展開しておりますが、予期しない法律または規制の変更、不利な政治または経済要因、中台関係などの地政学的な問題、感染症の拡大といった社会的混乱等により、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは、リスクを最小限にとどめるため積極的な情報収集に努め、事業環境の変化に即応できる体制を整えております。

 

⑥ 原材料の市況変動

当社グループで使用する主な原材料は、スチレンモノマー、ポリスチレン等ですが、それら原材料の価格変動をタイムリーに製品価格に転嫁できなかった場合や、自然災害の発生や仕入先の供給が不安定な場合、また原材料メーカー再編による仕入先の供給不足や配送規制強化による配送業者の納入遅延などが生じた場合には、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは、原材料、荷造材料、製造設備等の有利購買に注力するとともに、調達先及び使用原料の多元化、物流ルートの安定化等の方策に努めております。また、原材料の価格変動をタイムリーに製品価格に転嫁できるように、適宜顧客との折衝を行っております。

 

⑦ 為替リスク

当社グループの国外事業における外国通貨建て取引は、円換算時の為替レート変動の影響を受けます。これらの取引につきましては、リスクを軽減させる措置を講じておりますが、為替レートの変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは、取引にかかわる外国通貨のヘッジ等、リスクを抑制するためのさらなる措置を検討してまいります。

 

⑧ 減損・資産価値低下に関するリスク

当社グループは、事業用の様々な有形固定資産及び無形資産を計上しております。また、一定の他社株式を保有しております。これらの資産については、業績計画との乖離や市場動向の変化等によって期待するキャッシュ・フローが生み出せない場合、あるいは資産価値の低下が生じた場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは、投融資に関して「投融資委員会」を設置し、投融資の是非を綿密に審議しております。また、事後における進捗管理を徹底し、さらに資産価値を適正に把握する体制を整備しております。

 

⑨ 自然災害のリスク

想定を超える大規模な地震、台風その他の自然災害による当社グループの事業拠点の被災やサプライチェーンの障害による事業活動停止が発生した場合、あるいは感染症拡大等による社内外に混乱が発生した場合には当社の業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは、自然災害による緊急事態が発生した場合の初動対応計画を作成し、即応体制の準備と情報共有方法を整理しております。また、基幹事業については事業継続計画(BCP)の策定に取り組んでおります。

 

⑩ 情報セキュリティ

当社グループは、業務上必要な機密情報や個人情報を有しておりますが、外部からの予期せぬ攻撃や自然災害等で重要なシステムが使用不可能な状態になり当社グループの業務遂行に支障が生じる場合、または内部からの情報漏洩や不正使用が発生し当社グループの信用が低下した場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

そこで当社グループでは、これらの情報資産を適切に保護するため、全社のIT施策の管理、推進を行う「IT推進委員会」を設置し、情報セキュリティ実施計画を策定するとともに、情報セキュリティシステムの機能アップや従業員への教育を行っております。また、各部門、各グループ会社に情報セキュリティ責任者を配置し、情報セキュリティ活動を統括して情報資産の適切な管理を行っております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における世界経済は、米国の通商・関税政策の動向や米中関係の不安定感、ウクライナ、中東情勢の悪化による原燃料調達懸念と価格高騰など地政学的リスクの高まりを背景に、年度末に向けて下振れ懸念が強まりました。一方で、米国を中心に個人消費は底堅さを維持し、AI関連をはじめとしたデジタル・先端分野では設備投資が堅調に推移するなど、分野・地域ごとに濃淡のある状況となりました。自動車産業では、堅調な需要の中において、EVシフトの鈍化、関税影響、国や各メーカーのEV化対応、地域戦略によりばらつきが見られました。エレクトロニクス関連では、テレビ・モニター用途を中心に需給調整局面が続いた一方、高速通信や次世代デバイス用途は関係する材料含め需要が高まっております。

 日本経済においては、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の回復を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、為替変動、人件費や物流費の上昇を背景とした物価高が続き、企業収益や個人消費への影響も懸念されることから、依然として楽観視できない状況が続いております。また、企業活動においては、脱炭素や資源循環への対応など、環境・社会課題解決への取り組みの重要性が一層高まっております。

 発泡プラスチックス業界においては、食品容器関連では物価上昇に伴う節約志向の影響を受け、市況低迷が継続しました。一方で、環境配慮型製品や省資源製品に対する需要は堅調に推移しました。工業用途においては、地域や用途によるばらつきが見られたものの、自動車関連分野において軽量化ニーズを背景とした需要が底堅く推移しました。

 

ア 財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ138億8千3百万円減少し、1,223億5千5百万円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ151億5千8百万円減少し、714億9百万円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ12億7千5百万円増加し、509億4千5百万円となりました。

 

イ 経営成績

 当連結会計年度の業績は、売上高が1,139億3千5百万円(前期比16.9%の減少)、営業利益は25億5千2百万円(前期比298.0%の増加)、為替変動の影響による為替差損1億1千万円を含む経常利益は22億4千9百万円(前年は1億2百万円の利益)でありました。さらに、当連結会計年度において、投資有価証券売却益を含む特別利益14億2千3百万円、Proseatグループ株式譲渡に関する事業譲渡損を含む特別損失38億8千8百万円を加減算、また繰延税金資産の計上により法人税等合計で23億6千8百万円の利益増加要因となり、親会社株主に帰属する当期純利益は21億4千7百万円(前年は62億8千2百万円の損失)となりました。

 セグメントごとでは、ヒューマンライフ分野の売上高が523億9千8百万円(前期比4.7%の減少)、セグメント利益は30億3千4百万円(前期比0.9%の増加)となり、インダストリー分野の売上高が615億3千7百万円(前期比25.0%の減少)、セグメント利益は25億3千4百万円(前期比376.3%の増加)となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

 現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前期末に比べて2億2千3百万円増加し、93億5千2百万円となりました。

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

 営業利益の増加などにより、前期に比べ19億1百万円増加し、66億5千4百万円の収入となりました。

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

 有形固定資産の取得による支出の減少などにより、前期に比べ12億4千9百万円支出が減少し、44億4千4百万円の支出となりました。

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

 短期借入金の純減(返済)などにより、前期に比べ14億6千6百万円支出が増加し、20億8千4百万円の支出となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

ア 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前年同期比増減率(%)

ヒューマンライフ分野(百万円)

61,498

△10.8

インダストリー分野

(百万円)

39,910

△48.5

合計(百万円)

101,409

△30.7

(注)金額は、販売価格により表示しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

イ 受注実績

 主として見込生産を行っており、受注生産はほとんど行っておりません。

 

ウ 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

前年同期比増減率(%)

ヒューマンライフ分野(百万円)

52,398

△4.7

インダストリー分野

(百万円)

61,537

△25.0

合計(百万円)

113,935

△16.9

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2024年4月1日

至 2025年3月31日)

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

至 2026年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社エフピコ

20,023

14.6

18,439

16.2

 

 

(2) 経営成績の分析

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

ア 経営成績等

(ア)財政状態

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(百万円)

流動資産残高

63,592

51,334

△12,257

固定資産残高

72,646

71,021

△1,625

負債残高

86,567

71,409

△15,158

純資産

49,670

50,945

1,275

 

(資 産)

 当連結会計年度末における総資産は1,223億5千5百万円(前連結会計年度末比138億8千3百万円の減少)となりました。

 資産の部では、売掛金の減少などにより流動資産が122億5千7百万円減少しました。投資有価証券の売却などにより固定資産は16億2千5百万円減少しました。

(負 債)

 負債の部では、短期借入金の返済などにより流動負債は171億3千9百万円減少しました。長期借入金の増加などにより、固定負債は19億8千1百万円増加しました。

(純資産)

 純資産の部は利益剰余金の増加などにより12億7千5百万円増加しました。自己資本は501億8千2百万円となり、自己資本比率は41.0%となりました。

 

(イ)経営成績

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(百万円)

売上高

137,072

113,935

△23,137

国外売上高

59,260

37,388

△21,872

(国外売上高比率)

(43.2%)

(32.8%)

 

営業利益

641

2,552

1,911

(売上高営業利益率)

(0.5%)

(2.2%)

 

営業外収益

773

1,058

284

営業外費用

1,312

1,361

49

経常利益

102

2,249

2,146

特別利益

919

1,423

503

特別損失

5,571

3,888

△1,683

当期純利益又は当期純損失(△)

△6,281

2,152

8,434

親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)

△6,282

2,147

8,430

(自己資本利益率)

(△12.0%)

(4.3%)

 

 

 

 

 当連結会計年度における、売上高は1,139億3千5百万円(前期比16.9%の減少)、営業利益は25億5千2百万円(前期比298.0%の増加)、経常利益は22億4千9百万円(前年は1億2百万円の利益)でありました。また繰延税金資産の計上により法人税等合計で23億6千8百万円の利益増加要因となり、親会社株主に帰属する当期純利益は21億4千7百万円(前年は62億8千2百万円の損失)となりました。

 営業外損益においては、為替変動の影響による為替差損1億1千万円が発生し、営業外収益は前期比で2億8千4百万円増加し10億5千8百万円となり、営業外費用は前期比で4千9百万円増加し、13億6千1百万円となりました。

 特別損益では、投資有価証券売却益を含む特別利益は前期比で5億3百万円増加し、14億2千3百万円となり、当連結会計年度において、Proseatグループ株式譲渡に関する事業譲渡損35億4百万円を含む特別損失は前期比で16億8千3百万円減少し、38億8千8百万円となりました。

 

(ウ)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、下記のとおりです。

 

前連結会計年度

(百万円)

当連結会計年度

(百万円)

増減

(百万円)

営業活動によるキャッシュ・フロー

4,753

6,654

1,901

投資活動によるキャッシュ・フロー

△5,694

△4,444

1,249

財務活動によるキャッシュ・フロー

△618

△2,084

△1,466

現金及び現金同等物期末残高

9,128

9,352

223

 

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

 営業利益の増加などにより、前期に比べ19億1百万円増加し、66億5千4百万円の収入となりました。

 

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

 有形固定資産の取得による支出の減少などにより、前期に比べ12億4千9百万円支出が減少し、44億4千4百万円の支出となりました。

 

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

 短期借入金の純減(返済)などにより、前期に比べ14億6千6百万円支出が増加し、20億8千4百万円の支出となりました。

 

<現金及び現金同等物期末残高>

 現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前期末に比べて2億2千3百万円増加し、93億5千2百万円となりました。

 

イ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 2025年度の計画達成状況は以下のとおりであります。

 

連結業績

 

2025年度

計画

2025年度

実績

対計画比

増減率

売上高

1,140億円

1,139億円

△0.1%

営業利益

18億円

25億円

41.8%

(売上高営業利益率)

(1.6%)

(2.2%)

 

経常利益

14億円

22億円

60.7%

親会社株主に帰属する当期純利益

0億円

21億円

(自己資本利益率)

(-%)

(4.3%)

 

※ 億円未満は切捨てで表示しております。

 2025年度計画は2025年5月9日公表数値であります。

 

ウ 経営成績の状況等に関する認識及び分析検討内容

 2025年度は、年度初の業績予想計画に対して、売上高は0.1%減少となったものの、営業利益41.8%、経常利益60.7%増加となり、親会社株主に帰属する当期純利益21億円の実績となりました。

 2025年度は、環境を意識した食品容器関連の動向や自動車生産台数の回復による部材需要を取り込むとともに、販売価格の適正化、原価低減活動および固定費削減などの収益改善施策、Proseatグループの事業子会社譲渡などの構造改革を着実に進め、売上は計画比微減も利益で計画を大幅に上回る結果となりました。セグメントごとの分析状況につきましては、エに記載のとおりです。

 今後の当社グループの経営に影響を与える主な要因としては、市場動向、資材費動向、海外動向等があります。

 市場動向については、従来からの景気動向に加え、米国の通商・関税政策の動向や米中関係の不安定感、ウクライナ、中東情勢の悪化による原燃料調達懸念と価格高騰など地政学リスクやサプライチェーンの混乱、他社との競合による需給バランスや価格の変動によって、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、市場における経済状況、需要家や個人消費の動向に留意した戦略を遂行できるよう販売力、開発力、財務体質の強化に努めております。

 資材費動向については、当社グループで使用する原材料の価格変動をタイムリーに製品価格に転嫁できなかった場合または自然災害の発生や仕入先の供給が不安定な場合、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、中東情勢悪化による原材料調達における影響を注視しつつ、原材料、荷造材料、製造設備等の有利購買に注力しております。

 海外動向については、アジア地域をはじめ、欧州、米国、中米でも生産・販売事業を展開しており、予期しない法律または規制の変更、不利な政治または経済要因、戦争や政情不安等の社会的混乱などにより、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があるため、リスクを最小限にとどめるため情報収集に努めております。また、グローバルなEV及び次世代自動車市場動向の重要性を認識し、高機能化や環境負荷を低減する新たな新素材開発を行うなど対応を強化しております。

 これらの点を踏まえ、当社グループは、中期経営計画「Going Beyond 2027 ~ 変革と完遂 ~」を着実に推進してまいります。

 

エ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

a ヒューマンライフ分野

 

2024年度

実績

2025年度

実績

増減率

売上高

550億円

524億円

△4.7%

経常利益

30億円

30億円

0.9%

※ 億円未満は四捨五入で表示しております。

 

b インダストリー分野

 

2024年度

実績

2025年度

実績

増減率

売上高

821億円

615億円

△25.0%

経常利益

5億円

25億円

376.3%

※ 億円未満は四捨五入で表示しております。

 

(ヒューマンライフ分野)

ヒューマンライフ分野の売上高は523億9千8百万円(前期比4.7%の減少)、セグメント利益は30億3千4百万円(前期比0.9%の増加)となりました。

食領域

「エスレンシート」

・スーパー向け食品容器用途の出荷数量は前期並の推移。耐熱容器用途は猛暑などが影響し低調。

・省資源素材などの環境貢献製品や納豆容器用途の出荷数量は好調。

・即席麺用途の出荷数量は前年並みとなる。

「エスレンビーズ」

・農産用途は天候の影響を受けるも出荷数量は好調に推移。

・水産用途は漁獲量減少から鮮魚向けは低調に推移。養殖向けも低調。

・各地域の生協でリサイクル原料を使用したRNWの採用が進む。

住環境・エネルギー領域

・建材関連資材は住宅着工の低迷も、工事物件が堅調。

・土木関連資材は軽量盛土工法、雨水貯留で工事物件の納入が重なり売上は好調に推移。

・下水管や電力管工事などで使用されているFJリングは物件獲得が進み好調。

※エスレンシート:発泡ポリスチレンシート

※エスレンビーズ:発泡性ポリスチレンビーズ

※エスレンビーズRNW:環境負荷低減を目的としたリサイクル原料を使用した発泡ポリスチレン製品

※FJリング:下水道などの推進工事で使用される発泡ポリスチレン製のクッション材

 

 

 

(インダストリー分野)

 インダストリー分野の売上高は615億3千7百万円(前期比25.0%の減少)、セグメント利益は25億3千4百万円(前期比376.3%の増加)となりました。

モビリティ領域

「自動車部材用途」

・売上は、日本は既存案件の増産や新規案件の立上げで好調、北米でも好調が継続したうえに価格改定効果もあり、全体でも好調に推移。

「部品梱包材用途」

・売上は、全体では低調の中、南東アジアは前年をやや上回る。

「FRP部材ならびに関連資材」

・売上は、トラック・バス・建機向けの需要が好調で、前年を大幅に上回る。

エレクトロニクス領域

「ピオセラン」

・液晶パネル搬送資材用途は、北東アジアで需要が減少し、低調に推移。

「テクポリマー」

・ディスプレイ用途の需要が減少も、ライティング・塗料用途の需要が伸長し、全体では前年並み。

医療・健康領域

「テクノゲル」

・ゲルロールの輸出が好調で、前年を大幅に上回る。

※ピオセラン:ポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体

※テクポリマー:ポリマー微粒子

※テクノゲル(ST-gel):機能性高分子ゲル

※FRP部材:繊維強化プラスチック部材

 

 

オ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容、資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料や仕入商品の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、金融機関からの長期借入や社債発行を基本としております。また、必要に応じてシンジケート方式によるコミットメントライン契約による調達も行い、資金調達方法の多様化を図りつつ、負債と資本のバランスに配慮しながら必要な資金需要に対応してまいります。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は390億1千7百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は93億5千2百万円となっております。

 当社グループは、設備等の投資にあたっては、調達した資金のコスト(資本コスト、借入コスト等)を十分に勘案し、投資前に投資効果の収益性について十分な精査を行った上で実行しております(設備の状況は、第3[設備の状況]に記載のとおりです。)。

 

(参考)財務関連指標の推移

 

2022年

3月期

2023年

3月期

2024年

3月期

2025年

3月期

2026年

3月期

自己資本比率(%)

40.1

39.8

38.3

35.9

41.0

時価ベースの自己資本比率(%)

13.8

13.0

15.7

11.9

16.1

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

10.9

13.6

5.7

9.0

5.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ

10.7

6.8

7.7

5.1

8.5

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

※ いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※ 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

※ キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

※ 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

 

② 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループとしては、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表の作成において使用される見積りと判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

ア 固定資産(有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産を含む)の評価

 当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」において対象とされる固定資産(有形固定資産、無形固定資産、投資その他の資産を含む)について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。その資産の市場価格及びその資産を使用した営業活動から生じる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っております。

 回収可能価額は、複数年の事業計画から生じる将来キャッシュ・フロー及びその他の見積り及び仮定から合理的に決定しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、これらの見積り及び仮定が将来、変更された場合、減損金額の増加及び新たな減損認識の可能性があります。

イ 退職給付債務

 当社グループの退職給付債務及び退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される計算基礎を用いて算出されております。割引率の見積りにあたっては、安全性の高い長期の債券利回りを基礎に決定しております。また、期待運用収益率については、保有する年金資産のポートフォリオ、過去の実績、運用方針及び市場の動向等を考慮して決定しております。予想困難な事象による市場動向等が原因で、その見積数値と実績が異なる場合、または見積数値が変更された場合、その影響額は将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には、将来において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。

 

ウ 有価証券及び投資有価証券の評価

 当社グループでは、「金融商品会計に関する実務指針」を基に長期的な協力関係や取引関係の観点から株式等を所有しており、投資価値の下落が一時的でないと判断した場合に株式等の減損処理を実施することとしております。これは、期末時価が帳簿価額を50%以上下回った場合に、何らかの減損処理を実施するものであります。したがって、将来の株式市場や投資先の業績動向により、これらの有価証券及び投資有価証券の評価に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

エ 税効果会計

 当社グループでは将来の課税所得に対する様々な予測・仮定に基づいて、税効果会計の計算を行っており、実際の結果がこれらの予測・仮定とは異なる可能性があります。将来の課税所得や加減算などのスケジューリングに基づき、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しておりますが、将来の課税所得の予測・仮定に変更が生じ、繰延税金資産の一部または全部の回収ができないと判断した場合、当社グループの繰延税金資産は減額されて税金費用が計上される可能性があります。

 

5【重要な契約等】

標章使用許諾に関する重要な契約

契約会社

相手方の名称

契約期間

契約内容

積水化成品工業㈱

(当社)

積水化学工業㈱

1989年10月1日から1993年3月31日までとする。

但し、期間満了後特別の事情のない限り更に3年間継続し、以後この例による。

積水化学工業㈱の所有する一定の標章(商標含む)の使用許諾の取得

 

子会社株式の譲渡契約

 当社は、2025年6月12日付の取締役会決議において、当社の連結子会社であるSKP Germany GmbH(旧商号、Proseat Europe GmbH)が保有する欧州における事業子会社8社のうち、6社の株式及び持分の全てを、ポーランドの Brose Sitech Sp. z o.o.の子会社であるBrose Sitech Foam GmbHへ譲渡することを決定し、株式譲渡契約を締結し、2025年9月に譲渡が完了しました。

 

 

 

シンジケートローン契約の締結

 当社は、欧州子会社譲渡に伴う既存外貨入金の返済資金として下記のシンジケートローン契約を締結し借入を実行いたしました。

 

(1)

組成総額

200億円

(2)

形態

シンジケーション方式タームローン

トランシェA

トランシェB

トランシェC

(3)

借入金額

5,000百万円

6,000百万円

9,000百万円

(4)

契約締結日

2025年8月25日

2025年9月25日

2025年8月25日

(5)

借入日

2025年8月28日

2025年9月30日

2025年8月28日

(6)

返済期日

2030年5月31日

2032年5月31日

2035年5月31日

(7)

アレンジャー

株式会社三菱UFJ銀行 (兼 エージェント)

(8)

コ・アレンジャー

株式会社みずほ銀行、農林中央金庫

(9)

参加金融機関

㈱三菱UFJ銀行

㈱みずほ銀行

農林中央金庫

㈱りそな銀行

㈱三井住友銀行

㈱滋賀銀行

三井住友信託銀行㈱

㈱南都銀行

㈱群馬銀行

信金中央金庫

㈱三菱UFJ銀行

㈱みずほ銀行

農林中央金庫

㈱りそな銀行

㈱三井住友銀行

㈱滋賀銀行

三井住友信託銀行㈱

㈱南都銀行

㈱群馬銀行

 

㈱三菱UFJ銀行

㈱みずほ銀行

農林中央金庫

㈱りそな銀行

 

(10)

担保の内容

無担保

無担保

無担保

(11)

期末残高

4,500百万円

5,571百万円

8,550百万円

 

 本契約に付される財務上の特約の内容

 決算期末日の単体貸借対照表の純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期末日又は2025年3月に終了する決算期末日の当該金額のいずれか大きい方の70%の金額以上に維持すること。

 決算期末日の連結貸借対照表の純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期末日又は2025年3月に終了する決算期末日の当該金額のいずれか大きい方の70%の金額以上に維持すること。

 2期連続して決算期に係る単体損益計算書上の当期損失を計上しないこと。

 2期連続して決算期に係る連結損益計算書上の当期損失を計上しないこと。

 

6【研究開発活動】

 当社の研究開発は、研究開発センターの各研究所と開発部、各事業部の技術部門、生産技術センターの各部門によって推進されております。なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は、2,363百万円であります。

 研究開発は、ヒューマンライフ分野とインダストリー分野とのセグメント別に進めています。それぞれの分野でコア技術を基に、そのコア技術の進化から事業成長・新事業の創出につながる新製品開発、ニーズに対応した高付加価値素材開発を進めています。各部門が連携し、開発サイクルの高速化を図り、早期事業貢献に努めています。

 また、環境貢献製品群を強化すべく、リサイクル原材料を活用した製品カテゴリーは「ReNew+」、生分解性またはバイオマス由来プラスチックスを活用した製品カテゴリーは「BIOCellular」のカテゴリーブランドを制定しております。当社グループが製造するすべての製品を対象に、2030年度までに、使用原料の50%を、リサイクルまたはバイオマス由来のものに置き換えるという目標を掲げ、それらの開発を強化しています。

 当連結会計年度における各セグメント別の主要研究課題、研究開発費は、次の通りです。

 

(1) ヒューマンライフ分野

 当社コア技術である押出発泡、発泡シート成形、懸濁重合、含浸発泡、型物成形技術をベースに、多様化するニーズに基づいた製品改良や新たな機能付与を進めています。電子レンジ加熱可能な食品用容器向けの耐熱性発泡シート、食品トレーなどの一般の発泡ポリスチレンシート、即席麺容器などのラミネートシートでは、他素材切り替えを狙った軽量化や深絞り容器用シートの開発などの省資源化・資源循環に貢献する開発に加え再生可能資源であるバイオマス由来プラスチックスを活用した製品開発などを進めています。

 当連結会計年度では、植物由来のポリ乳酸樹脂(PLA)を用いた生分解性発泡体である「RETONA FOAM BIO HS」が、キンコーズ・ジャパン株式会社に環境配慮型ディスプレイ用資材として採用され、協同で資源循環スキームの取り組みを開始しました。また、大阪市・大阪公立大学・大阪ガスが中心となって進める日本初の産官学連携によるバイオガス製造実証プロジェクトに、弁当容器の素材提供を行いました。大阪公立大学森ノ宮キャンパスで使用済み容器を回収、大阪ガスおよび中浜下水処理場で分解の上、バイオガス化することで、循環型社会の実現に貢献することを目的としたものです。

 これらヒューマンライフ分野に係る研究開発費は、426百万円であります。

 

(2) インダストリー分野

 独自の重合技術により設計された高機能ポリマー微粒子である「テクポリマー」において、電子材料分野における新たなニーズに対応するため、高速通信・高周波信号処理に適した低誘電材料向け軟質ポリマー微粒子を開発しました。当社が強みとする粒子形状制御や表面改質技術により、更なる高性能化を進め、フレキシブル基板・車載用電子材料などの幅広い用途への応用展開を進めます。

 また、マーケットからのニーズが高い肌への長時間貼付に優れる高機能性ゲル素材「テクノゲル ORグレード」を開発しました。これまで「テクノゲル」は肌に優しいハイドロゲルの各種グレードを製品化してきましたが、ゲルの性能が水分に影響を受けやすい課題がありました。一方、近年は水分影響を受けやすいような環境下での連続貼付に対応できる素材が求められていました。「テクノゲル ORグレード」は、オルガノゲルであり、湿潤条件でも皮膚粘着力を維持し、長時間の連続貼付を可能にしました。ISO10993に基づく生体適合性評価基準も満たしています。導電性を有するハイドロゲルとの複合で、安全で信頼性の高い生体信号の長時間モニタリングを実現しました。市場拡大が想定される長時間センシングを視野に展開を進めます。

 これらインダストリー分野に係る研究開発費は、1,937百万円であります。