文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営の基本方針(企業理念及び経営理念)
当社は、「わが社は内外のあらゆる技術を駆使して人の役に立ち人によろこばれるものを創る」という企業理念を頂点に置いた経営を目指し、その企業理念を実現するために、時代のニーズに対して柔軟に対応する経営の羅針盤としての「私たちはファインケミカルに機軸を置き叡智と技術を結集した真の『ものづくり』に挑戦します」という経営理念のもと、企業活動を健全に継続、成長させ、株主の皆様、お客様、従業員、地域社会の皆様等、全てのステークホルダーに対して、中長期的な視点に立ち、企業価値を常に向上させ、最大化することが使命であると考えております。
(2)経営環境及び対処すべき課題
今後の経済見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、経済活動が停滞する中、ワクチン接種をはじめとする各種政策により徐々に持ち直していくことが見込めるものの、収束時期は依然不透明であることから、当社を取り巻く事業環境は、引き続き予断を許さない状況が続くと見ております。
このような情勢下、当社の2022年3月期の業績見通しにつきましては、これまで取り組んできた新製品開発が奏功し、アミノ酸関係、医薬品関係の販売が伸びるものと予想しておりますが、世界各国の新型コロナウイルス感染状況等、想定される様々な下振れリスクを最小化すべく、2021年3月期を起点とする3ヵ年の中期経営計画に沿って、経営課題に取り組み、より一層の収益力向上を図ってまいります。
(3)目標とする経営指標
※当社は、収益性(売上高利益率)と事業の効率性(総資産回転率)の向上が企業価値を高めると考え、それらを示す指標
として、ROA(総資産営業利益率=売上高利益率×総資産回転率)を経営目標値としております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
取引上位10社の占める割合は、62.2%となっております。
これらの企業とは取引を通じての良好な信頼関係を構築しつつ対応しておりますが、取引条件の急激な変更や契約解除等の場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社で使用する原材料等の購入価格は、国内、国外の状況、並びに原油、ナフサ価格の動向等に影響を受ける他、原材料等を一部取引先に依存しております。コストダウン、販売価格への転嫁等によりその影響を極力回避する努力をいたしておりますが、原材料価格の高騰が当社の事業に影響を及ぼす可能性があります。
食品添加物の製品群には、海外品の品質向上もあり、価格競争が激化している製品があります。このため、更なる付加価値の創出等により価格水準の維持及び向上を目指すとともにコスト低減にも取り組み、販売価格の下落リスクに備えておりますが、今後も価格競争が継続し業績に影響を与える可能性があります。
本社は東京都中央区に、東京研究所は東京都板橋区にそれぞれ位置しておりますが、生産拠点は福島県いわき市のみとなっております。当社では災害対策マニュアルや事業継続計画(BCP)の策定、社員安否確認システムの構築、耐震対策、防災訓練等の対策を講じていますが、常磐工場が地震等の自然災害・火災及び水災等に罹災した場合は、生産機能が回復するまでの間、操業停止となる可能性があります。
当社は、取引先金融機関とシンジケートローンを締結し、当該契約に基づく借入金の当事業年度末残高が1,756百万円あります。当該シンジケートローンの他にも貸出コミットメントライン契約を締結していますが、これら契約の財務制限条項に抵触した場合には、借入金についての期限の利益を喪失する可能性があり、当社の財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が拡大する中、ワクチン接種が始まったものの、感染症抑制に効果がみられるまでにはまだ時間がかかる見通しから、外出自粛や移動制限等による経済損失は避けられず、依然として企業収益の大幅減少や雇用情勢の悪化など経済活動の停滞が続くものと見られ、先行き不透明な厳しい状況にあります。
化学工業におきましては、コロナ禍からの景気持ち直しの兆しが見られつつも、景況感としては引き続き予断を許さない状況にあり、当社を取り巻く外部環境の変化に対し、十分注視していくことが重要であると認識しております。
このような状況下、当社は環境変化に迅速かつ的確に対応しつつ、製品の安定供給が社会的責任であるとの認識のもと社員の健康や安全に配慮しながら事業を行い、重要課題については克服・解決に向け積極的に対応し、持続可能な社会の実現について様々な取り組みを行っております。
当期の業績状況としましては、売上高は過去最高を記録し、前期比3.5%増の11,091百万円となりましたが、原材料費の増加並びに化成品販売の不調により、営業利益は218百万円、経常利益は176百万円と前期に比べ減少いたしました。しかしながら、2019年10月に発生した水災被害に伴う受取保険金を特別利益に計上したことなどから、当期純利益は288百万円と前期に比べ増加いたしました。
製品区分別の経営成績は、次のとおりであります。
(アミノ酸関係)
医薬用途、食品・サプリメント用途の国内売上が減少したものの、工業用途、食品・サプリメント用途の輸出が大きく増加したことから、売上高 3,838百万円と、前期に比べ353百万円(10.1%)の増収となりました。
(化成品関係)
一部の特殊触媒の国内売上が大きく減少し、船底塗料用原料の国内販売も低調であったことから、売上高 2,788百万円と、前期に比べ546百万円(16.4%)の減収となりました。
(医薬品関係)
前期に好調であった一部のジェネリック原薬の売上が減少しましたが、原薬(新薬)や原料中間体の販売が好調であったことや、新製品の売上が寄与したことから、売上高 4,465百万円と、前期と比べ567百万円(14.6%)の増収となりました。
輸出売上に関しましては全売上に対して38.8%を占め、4,303百万円と前年同期と比べ274百万円(6.8%)の増収となりました。
当期の資産合計は、20,998百万円と前事業年度末と比べ771百万円(3.8%)の増加となりました。これは主に、売掛金、製品、原材料の増加と、機械及び装置の減少によるものであります。
当期の負債合計は、10,052百万円と前事業年度末と比べ361百万円(3.7%)の増加となりました。これは主に、短期借入金の増加と、長期借入金の減少によるものであります。
当期の純資産は、10,946百万円と前事業年度末と比べ410百万円(3.9%)の増加となりました。これは主に、繰越利益剰余金、その他有価証券評価差額金の増加によるものであります。
当期のROA(総資産営業利益率)は1.0%と、前年同期と比べ0.5%低下しました。これは主に上記の理由による総資産の増加並びに原材料費の増加や化成品販売の不調に伴い、営業利益が前期比減益となったことによるものであります。
(参考) ROAの推移
(注) ROA=総資産営業利益率(総資産営業利益率=営業利益/総資産額)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は1,256百万円となり、前事業年度末に比べ187百万円減少いたしました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により増加した資金は352百万円(前期は1,420百万円の増加)となりました。これは主に、減価償却費962百万円、仕入債務210百万円、売上債権728百万円、棚卸資産449百万円の増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により減少した資金は648百万円(前期は315百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出555百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により増加した資金は106百万円(前期は992百万円の減少)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額600百万円と、長期借入金の返済による支出487百万円によるものであります。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
※ キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。
※ 有利子負債は貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
③ 生産、受注及び販売の実績
(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は受注による生産は僅かであり、主として見込み生産によっておりますので、受注及び受注残について、特に記載すべき事項はありません。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2事業年度の主要な輸出、輸出販売高及び割合は、次のとおりであります。
( )は総販売実績に対する輸出高の割合であります。
3.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであ
ります。
(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この財務諸表の作成に当たって重要な見積りや仮定を行う必要があります。会計方針を適用するにあたり、より重要な判断を要し財政状態及び経営成績に影響を与える項目は下記のとおりであります。
・退職給付費用及び退職給付債務
当社は、従業員の退職給付に備えるため、当事業年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき計上しております。
退職給付費用は、割引率、昇給率及び長期期待運用収益率等のさまざまな仮定によって算出しております。割引率及び期待運用収益率は、金利の変動等を含む現状の市場動向等を、また昇給率は実績及び直近の見通しを考慮して決定しております。
当社は退職給付債務に関する会計上の見積りも重要な会計上の見積りとしております。それは仮定の変化が当社の財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があるからです。当社は現在使用している仮定は妥当であると考えておりますが、仮定の変更により退職給付費用及び退職給付債務に影響を与える可能性があります。
・繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産の回収可能性があると考えられる金額まで減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を検討するに当たっては、将来の課税所得見込み及び税務計画を検討しておりますが、繰延税金資産の取崩しが必要となる可能性があります。
・投資有価証券の評価
その他有価証券で時価のあるものについては、期末日の時価が取得価額に比べて著しく下落したものを減損の対象としております。将来、株式市況や投資先の業績が悪化した場合には、追加的な減損損失の認識が必要となる可能性があります。
・固定資産の減損損失
当社は、固定資産の減損の兆候を判定するにあたっては、グルーピングされた資産について、固定資産税評価額等に基づく正味売却価額により算定した回収可能価額及び会計基準に基づくその他判定基準により実施しております。減損の兆候が発生した場合には、将来キャッシュ・フロー等を見積り回収見込額を測定して減損損失を計上する可能性があります。
当期の業績状況としましては、売上高は過去最高を記録し、前期比3.5%増の11,091百万円となりましたが、原材料費の増加並びに化成品販売の不調により、営業利益は218百万円、経常利益は176百万円と前期に比べ減少いたしました。しかしながら、2019年10月に発生した水災被害に伴う受取保険金を特別利益に計上したことなどから、当期純利益は288百万円となりました。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、売上高に占める大口取引先上位10社の売上高比率は、当事業年度において62.2%(前事業年度64.8%)となっており、これらの企業との取引条件の急激な変更や契約解除等は当社の経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
製品区分別の売上高につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
当社は安定的な経営基盤を維持するため、現行製品の用途開発、生産技術の強化向上等によりこれらの企業との引き続き良好な関係を維持するとともに、新規取引先の確保や新製品の研究開発、現有設備を使った新規事業への参入を積極的に行っております。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、効率的な資金調達を行うため、取引銀行4行と貸出コミットメントライン契約を締結しております。(貸出コミットメントライン契約の総額1,500百万円、当事業年度末の未実行残高は400百万円。)また、当事業年度の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は1,256百万円となり、前事業年度末に比べ187百万円減少いたしました。当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、以下のとおりであります。
・営業活動により増加した資金は352百万円(前期は1,420百万円の増加)となりました。これは主に、減価償却費
962百万円、仕入債務210百万円、売上債権728百万円、棚卸資産449百万円の増加によるものであります。
・投資活動により減少した資金は648百万円(前期は315百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産
の取得による支出555百万円によるものであります。
・財務活動により増加した資金は106百万円(前期は992百万円の減少)となりました。これは主に、短期借入金の
純増減額600百万円と、長期借入金の返済による支出487百万円によるものであります。
該当事項はありません。
高付加価値新製品の創製を目指し、医薬品関連分野及びファインケミカル分野に関わる研究開発に重点をおいております。
医薬品関連分野では、ジェネリック原薬の製造、あるいは新薬(治験薬を含む)及び既存薬の原薬・重要中間体の受託製造を目指した研究開発を重点的に進めております。また、当社の戦略物質のひとつであるピリジン・ピペリジン・キヌクリジン誘導体を中心とした医薬中間体・原料の研究開発にも注力しております。
ファインケミカル分野では、還元反応、グリニャール反応、バイオ反応等の戦略技術の応用・深化の研究を進めつつ、IT関連分野、ポリマー関連分野、機能性材料分野を視野に、アミノ酸誘導体、ピリジン・ピペリジン・キヌクリジン誘導体及び有機ケイ素化合物を中心とした研究開発を進めております。
また国内外を問わず、これら化合物の市場展開を積極的に図っております。
なお、当事業年度の研究開発費の総額は、