第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等

① 経営の基本方針

 当社グループは、「技術のたゆまざる研鑽」、「製品の高度化」、「社会への貢献」、「自由闊達」の4つの経営理念の下、「高付加価値製品による感動(満足できる性能、コスト、品質)を通じて、世界で信頼される企業グループを目指す。」という経営ビジョンを掲げ、全社をあげて持続的な企業価値の拡大を実現し、社会の進歩発展に貢献していく所存であります。

② 目標とする経営指標

 当社グループは、事業活動の成果である連結営業利益を重視することとし、中長期的には過去最高益の更新を目標にしております。加えて、収益性や資本効率向上という企業価値拡大の観点から、連結ROE(自己資本利益率)を目標とする経営指標と位置づけております。

 なお、2021年度の目標については以下のとおりであります。

 連結営業利益 : 150億円~205億円

 連結ROE    : 8%以上

③ 中長期的な経営戦略

 当社グループは、2019年度を初年度とする3カ年の中期計画「tok中期計画2021」を新たに策定いたしました。付加価値の高い既存製品の拡大と新たな事業の柱となる製品の確実な事業化を目指し邁進してまいります。

④ 経営環境

 当連結会計年度における当社グループを取り巻く経営環境については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に含めて記載しております。

⑤ 対処すべき課題

 上記③の経営戦略を実現するため、次の「tok中期計画2021」の諸施策を着実に実行してまいります。

(イ)顧客の声を的確に捉え、迅速に応え、顧客とのパイプを、より太く、より強いものとする

 販売・生産・研究開発の各機能が三位一体の密接な連携を発揮することで、当社グループのコアコンピタンスである微細加工技術および高純度化技術を最大限に活用し、顧客満足に徹した研究開発を迅速かつ着実に実行してまいります。また、国内・海外拠点をより効果的に活用することで、顧客の要望に沿った製品の高品質化やサポート体制をグローバルベースで拡充し、顧客との信頼関係をより強固なものとしてまいります。

(ロ)マーケティングを強化し、顧客の価値創造プロセスへの理解を深め、新たな価値創造に結びつける

 徹底的なマーケティングにより、顧客の新たな価値創造につながるソリューションを見極め、集中的に経営資源を投入し、顧客に感動していただける高付加価値製品の積極的な開発に取り組んでまいります。これにより、当社グループのブランド力の向上と製品シェアの拡大を目指してまいります。

(ハ)自ら調べ、自ら判断し、自ら行動できる人材を強化する

 多様な人材の採用を進めるとともに、人事制度改革や研修体制の拡充等の積極的な施策を通じて、様々な顧客とのビジネスの可能性を追求し、成功するまで挑戦を続ける人材を強化してまいります。これにより、当社グループの組織力向上を目指してまいります。

(ニ)tok経営基盤を強化する

 当社グループ全体を統括する管理体制を確立し、グローバルビジネスにおけるグループマネジメントのさらなる高度化を図るなど、コーポレートガバナンスの充実と強化に取り組んでまいります。同時に、経営資源のより有効な活用を目的としたバランスシートマネジメントの推進にも注力し、社会的価値向上と企業価値向上の両立を目指してまいります。

 

 当社グループは、本中期計画で掲げた全社戦略を確実かつ効果的に実行し、過去最高益の更新を目指すとともに中長期的な企業価値の向上につなげてまいります。また、コンプライアンスの徹底、リスク管理の高度化、内部統制の充実等、コーポレートガバナンスの強化に取り組むとともに、CSR(企業の社会的責任)の一層の推進を図ることにより、当社グループの持続可能な成長に向けて邁進してまいります。

 

(2) 会社の支配に関する基本方針

 ① 基本方針の内容の概要

 当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の財務および事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社株主共同の利益および当社企業価値を持続的に確保・向上させていくことを可能とする者である必要があると考えております。

 一方、当社の企業価値の源泉であるステークホルダーとの関係や事業特性を十分に理解することなく、当社株式等の大規模な買付行為を行った後の当社の経営方針の安易な変更やいわゆる焦土化経営等により、ステークホルダーとの良好な関係が破壊され、新技術や技術資源が流出することは、当社株主共同の利益および当社企業価値を著しく毀損することとなりますため、これにつながる当該買付行為を行いまたは行おうとする者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切と考えております。

 こうした考えの下、当社取締役会は、当該買付行為が行われる際に、当該買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主の皆様のために、当該買付行為を行いまたは行おうとする者と交渉を行うことなどを可能にする仕組みを設け、当該買付行為が当社株主共同の利益および当社企業価値を著しく毀損すると判断される場合等には、法令および当社定款の許容する限度において相当と判断した対抗措置をとることが、株主の皆様から負託された者としての責務であると考えております。

 ② 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

(イ)経営理念と企業価値の源泉

 当社は、1940年の創業以来、「技術のたゆまざる研鑽」、「製品の高度化」、「社会への貢献」、「自由闊達」を経営理念として掲げ、ユーザーが満足する最高の製品とサービスを提供することにより、社会とともに発展していくことを目指し、常に新しい価値の創造に向かってチャレンジしてまいりました。そして、この精神は現在も変わることなく受け継がれ、当社事業活動の根幹を形成しております。

 当社におけるものづくりの歴史は、フォトリソグラフィによる独自の微細加工技術を基盤として、半導体、ディスプレイをはじめとするエレクトロニクス市場において確固たる信頼とブランドを築き上げるとともに、ユーザーに密着したグローバル展開を図ることで、新たなニーズをいち早く取り込むことにより、微細加工技術のさらなる進化を実現してまいりました。長年にわたり培ってきた、この有機的な連鎖こそが当社企業価値の源泉であると考えております。

(ロ)「tok中期計画2021」における企業価値向上の取組み

 2019年度を初年度とする3カ年の中期計画「tok中期計画2021」では、「高付加価値製品による感動(満足できる性能、コスト、品質)を通じて、世界で信頼される企業グループを目指す。」という経営ビジョンの下、「顧客の声を的確に捉え、迅速に応え、顧客とのパイプを、より太く、より強いものとする」、「マーケティングを強化し、顧客の価値創造プロセスへの理解を深め、新たな価値創造に結びつける」、「自ら調べ、自ら判断し、自ら行動できる人材を強化する」および「tok経営基盤を強化する」を全社戦略に掲げ、新たな成長戦略の下、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。

(ハ)コーポレートガバナンスの強化

 当社は、当社株主共同の利益および当社企業価値を持続的に確保・向上させていくために、経営の透明性、健全性および効率性の確保に資するコーポレートガバナンスの充実を経営上の重要課題と位置づけております。

 こうした考えの下、経営監督機能の強化や意思決定の迅速化を図るため、執行役員制度を導入しているほか、取締役会および執行役員会における十分な審議時間の確保および資料の提供時期の早期化等を実施しております。また、事業年度における取締役の経営責任を明確にするため、取締役の任期を1年としております。さらに、取締役会の透明性を高め、監督機能の強化を図ることを目的として、独立性を有する社外取締役を2名選任しております。取締役の報酬は、基本報酬である定額報酬、単年度の業績連動報酬である賞与に加えて、業績および企業価値向上ひいては株価向上への貢献意欲や士気を一層高めることを目的とした、株価連動報酬であるストックオプションで構成しております(社外取締役には役割に鑑みストックオプションを付与しないこととしております。)。加えて、株主総会における議決権行使の円滑化に向けた取組みや存在感を増す海外子会社の経営管理の強化、コンプライアンス体制の整備といったグループ内部統制システムの充実に向けた取組みを進めるなど、コーポレートガバナンスの強化に努めております。

(ニ)株主還元の考え方

 当社は、株主の皆様への利益還元を経営上の重要課題の一つと位置づけており、長期的な視点に立ち、財政状態や業績等を総合的に勘案したうえで、企業競争力の強化や収益の拡大につながる内部留保の確保に意を用いる一方、現在の水準を考慮しつつ連結配当性向40%以上の配当を継続的に実施するとともに、株主還元策として自己株式の取得を弾力的に実施することを基本方針としておりましたが、配当に関しましては、株主の皆様への安定的かつ継続的な利益還元を実施するため、当事業年度の期末配当分よりDOE(連結純資産配当率)3.5%を目処とする方針に変更いたしました。

 内部留保金につきましては、新たな成長につながる新技術・新製品への積極的な研究開発投資、品質の向上や既存事業のさらなる効率化に向けた生産設備等への投資、さらには国内外での事業展開強化等、持続的な企業価値の向上を図るための原資として有効に活用してまいります。

 ③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要

 基本方針に照らして不適切な者により当社の財務および事業の方針が決定されることや、当社株主共同の利益および当社企業価値を著しく毀損することにつながる当社株式等の大規模な買付行為を防止し、当該買付行為が行われる際に、株主の皆様が応じるか否かについて適切に判断できるようにするため、「当社株式等の大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」(以下、「買収防衛策」といいます。)を導入しております。

 買収防衛策におきましては、当該買付行為を行いまたは行おうとする者(以下、「大規模買付者」といいます。)が当該買付行為に先立ち、当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、それに基づき当社取締役会が当該買付行為について検討・評価を行うための期間を設け、かかる期間が経過した後に当該買付行為が開始されるという大規模買付ルールを定めております。

 当社取締役会は、大規模買付者に対してこの大規模買付ルールの遵守を求め、大規模買付ルールに則り必要かつ十分な情報を受領した場合には、その内容を吟味し、当社取締役会としての見解を適時・適切に開示し、買付提案の受入れまたは代替案の提示等、その見解に基づく対応をとることといたします。また、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合や、大規模買付ルールを遵守した場合であっても当該買付行為が当社株主共同の利益および当社企業価値を著しく毀損すると判断される場合には、一定の対抗措置をとることができますが、その発動にあたりましては、当社取締役会から独立した組織である特別委員会の勧告を最大限尊重するものとし、特別委員会が対抗措置の発動を勧告した場合(ただし、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合を除く。)には株主意思確認手続を経るなど、取締役会の恣意的な判断を排除するための仕組みを設けております。

 ④ 上記取組みに対する当社取締役会の判断およびその判断に係る理由

(イ)上記②の取組みに対する当社取締役会の判断およびその判断に係る理由

 上記②の取組みは、当社株主共同の利益および当社企業価値を持続的に確保・向上させるために実施しておりますので、基本方針に沿うものであり、かつ、当社株主共同の利益を毀損するものではないと考えております。また、コーポレートガバナンスの強化により取締役の経営責任の明確化等を図っていることから、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

(ロ)上記③の取組みに対する当社取締役会の判断およびその判断に係る理由

 上記③の取組みは、以下の理由により、基本方針に沿うものであり、当社株主共同の利益を毀損するものではなく、かつ、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

● 買収防衛策に関する指針の要件を全て充足していること

 買収防衛策は、経済産業省および法務省が2005年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める3原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しており、かつ、企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容を踏まえております。

● 当社株主共同の利益および当社企業価値の確保・向上の目的をもって継続されたものであること

 買収防衛策は、当社株式等の大規模な買付行為が行われる際に、当該買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うことなどを可能とすることにより、当社株主共同の利益および当社企業価値を確保・向上させるという目的をもって継続されたものであります。なお、買収防衛策の継続につきましては、2018年3月29日開催の第88回定時株主総会においてご承認いただいております。

● 株主意思を重視するものであること

 買収防衛策は、第88回定時株主総会においてご承認いただいたうえで継続されたものであります。また、その後の当社株主総会において変更または廃止の決議がなされた場合には、買収防衛策は当該決議に従い変更または廃止されることとなります。従いまして、買収防衛策の継続、変更および廃止には、株主の皆様のご意思が十分反映される仕組みとなっております。

 加えて、大規模買付者により買収防衛策に規定する手続きが遵守されているにもかかわらず、特別委員会が、当社株式等の大規模な買付行為が買収防衛策に定める所定の要件のいずれかに該当し、かつ対抗措置の発動が相当と判断し、対抗措置の発動を勧告した場合、当社取締役会は、株主意思確認手続を実施し、買収防衛策に定める対抗措置の発動または不発動について、株主の皆様のご意思を直接確認したうえで、かかる株主意思確認手続の結果に従って、対抗措置の発動または不発動の決議を行うこととしております。

● 独立性の高い社外者の判断を重視し、その判断の概要について情報開示を行うこと

 当社は、買収防衛策の導入にあたり、当社株式等の大規模な買付行為への対抗措置の発動等に関する取締役会の恣意的な判断を排し、取締役会の判断および対応の客観性および合理性を確保することを目的として特別委員会を設置しております。特別委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立し、当社および当社取締役との間に特別の利害関係を有していない社外者の中から選任された委員で構成され、当社取締役会は、その判断に際して特別委員会の勧告を最大限尊重することとしております。

 また、当社は、特別委員会の判断の概要について株主および投資家の皆様に適時・適切に情報開示を行うこととし、当社株主共同の利益および当社企業価値の確保・向上に資するよう買収防衛策の透明な運営が行われる仕組みを確保しております。

● 合理的かつ客観的な発動要件を設定していること

 買収防衛策は、合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。

● デッドハンド型およびスローハンド型の買収防衛策ではないこと

 買収防衛策は、当社株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとしております。従いまして、買収防衛策は、デッドハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。

 また、当社は、取締役の任期を1年としており、取締役選任議案に関する議決権行使を通じ、買収防衛策の継続、買収防衛策に基づき取締役会決議により発動された対抗措置に対し、株主の皆様の意思が反映できることとしているため、買収防衛策は、スローハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループは、幅広い事業分野にわたり世界各地で活動をしております。その事業活動を展開する上で、多様なリスク要因が財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。下記に記載したリスクは、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

(1)業界景気変動リスク

 当社グループが事業を展開するエレクトロニクス業界は、循環的な市況変動が大きい市場であります。特に半導体・ディスプレイ向け材料・装置は、需要動向に大きな影響を受け、また、技術革新が速くユーザーニーズが複雑・多様にわたるため、市場状況およびそれに連動した価格変動があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(2)為替変動リスク

 当社グループは、今後もマーケットの拡大が期待される北米、欧州、アジア地域における事業に注力しており、同地域に生産・販売拠点を有しております。海外取引では、一部は円建てでの処理、また、一部では為替予約によるリスクヘッジ等を行っておりますが、予想を超えた為替相場の変動があった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(3)研究開発リスク

 当社グループは、技術革新の激しいエレクトロニクス業界において競争力を維持するため、ユーザーニーズを的確に捉えた製品の研究開発に努めております。しかし、技術革新やユーザーニーズの変化を予測することは容易でなく、研究開発において経営資源を投入したにもかかわらず、予期せぬ理由で十分な成果が得られない場合があり、その結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(4)知的財産リスク

 当社グループは、事業活動を展開する上で多数の知的財産権を保有しているとともにライセンスを供与しております。また、必要または有効と認められる場合には、第三者の知的財産権を使用するために相手方からライセンスを取得します。それらの権利保護、維持または取得が予定通り行われなかった場合には、知的財産権を巡る紛争・訴訟において当社グループが当事者となる可能性があります。その結果、費用負担等が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(5)原材料調達リスク

 当社グループは、生産活動において様々な原材料を使用しており、調達先を複数確保するなど安定的な原材料の調達に努めております。しかし、原材料メーカーの事故等による供給の遅延・中断の影響から生産活動に支障をきたす可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、原材料価格の上昇等が発生した場合も、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(6)製造物責任リスク

 当社グループの提供する製品をユーザーが使用する過程において、その製品に起因する欠陥により不具合が生じる可能性があります。製造物責任賠償には保険での対応を行いますが、負担金額全てを保険でカバーできるという保証はなく、これらの問題が生じた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(7)自然災害・事故リスク

 当社グループは、国内外に製造工場を設けております。地震等の自然災害や火災・爆発等の不慮の事故が発生した場合には、生産活動の停止に伴う出荷の遅延、さらには修復・生産工場等の代替に伴う費用負担が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(8)環境リスク

 当社グループは、生産活動において各種化学物質を使用しており、その取扱いには万全の対策を講じております。しかし、化学物質の社外流出事故が万一発生した場合、社会的信用の失墜、補償・対策費用の支出、生産活動の停止等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、当社グループは、事業展開している世界各国の環境関連諸法令・諸規制を遵守して活動しております。しかし、将来においてこれらの法規制が厳格化された場合、費用負担の増大、事業活動の制限につながるおそれがあり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(9)法的リスク

 当社グループは、事業活動を展開する世界各国において、事業・投資の許可、輸出入制限での政府規制の適用を受けるとともに、通商・独占禁止・国際税務・環境・リサイクル関連等の諸法令・諸規制の適用を受けております。これらの法規制に重大な改変があり、その内容を把握していなかった場合、また、これらの法規制を遵守できなかった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(10)海外での事業活動リスク

 当社グループは、北米、アジア地域にて生産および販売活動を、また、欧州地域にて販売活動を行っております。しかし、海外での事業活動には、通常、予期しない法律や規制の変更、産業基盤の脆弱性、人材の確保困難、テロ・戦争、自然災害等のリスクが存在します。こうしたリスクが顕在化した場合、海外での事業活動に支障が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(11)情報漏洩リスク

 当社グループは、事業に関する秘密情報ならびに多数の他企業および個人の情報を有しております。情報管理に万全を期しておりますが、予期せぬ事態によりこれらの情報が社外に流出した場合、事業のイメージに悪影響をもたらすほか、被害を受けた企業および個人に対して損害賠償責任を負うことになり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

① 財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容」に含めて記載しております。

 

②生産、受注および販売の実績

 a. 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

増減率(%)

材料事業

90,633

装置事業

2,296

合計

92,930

 (注)1 当社は前連結会計年度から決算期を3月31日から12月31日に変更しております。決算期変更の経過期間となる前連結会計年度の連結対象期間は当連結会計年度と異なるため、前連結会計年度との比較増減は記載しておりません。

2 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 b. 受注実績

 当社および連結子会社は、基本的には見込生産を行っております。ただし、装置事業は受注生産であり、その実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

増減率(%)

受注残高(百万円)

増減率(%)

装置事業

3,507

2,472

107.6

 (注)1 当社は前連結会計年度から決算期を3月31日から12月31日に変更しております。決算期変更の経過期間となる前連結会計年度の連結対象期間は当連結会計年度と異なるため、受注高につきましては前連結会計年度との比較増減は記載しておりません。

2 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 c. 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

増減率(%)

材料事業

102,621

装置事業

2,655

合計

105,277

 (注) 1 当社は前連結会計年度から決算期を3月31日から12月31日に変更しております。決算期変更の経過期間となる前連結会計年度の連結対象期間は当連結会計年度と異なるため、前連結会計年度との比較増減は記載しておりません。

2 セグメント間の取引については相殺消去しております。

3 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  2017年4月1日

至  2017年12月31日)

当連結会計年度

(自  2018年1月1日

至  2018年12月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.

23,263

25.2

24,603

23.4

4 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。

 

① 重要な会計方針および見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、期末日の資産・負債の計上および会計期間の収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや仮定を行う必要があります。連結財務諸表に影響を与え、より重要な経営判断や見積りを必要とする会計方針は以下のとおりであります。

 a. 貸倒引当金

 当社グループは売掛債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権および破産更生債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。相手先の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合、追加の引当金を計上する可能性があります。

 b. 固定資産の減損

 当社グループは、市場価格、営業活動から生ずる損益等から減損の兆候が識別された場合、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。

 将来の市況悪化等により事業計画が修正される場合、減損処理を行う可能性があります。

 c. 投資有価証券

 当社グループは、時価のある有価証券と時価のない有価証券を所有しております。

 時価のある有価証券は、決算日の市場価格等に基づき時価評価を行い、税効果調整後の評価差額を純資産の部のその他有価証券評価差額金に計上しております。

 また、期末における時価等が取得原価に比べ50%以上下落した場合には原則減損処理を行い、30%~50%未満下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行うこととしております。一方、時価のない有価証券は、実質価額が取得原価に比べ50%程度以上下落した場合には、回復可能性等を考慮して減損処理を行うこととしております。

 なお、将来の市況悪化または投資先の業績不振等により、現在の帳簿価額に反映されていない損失が生じ、減損処理を行う可能性があります。

 d. 繰延税金資産

 当社グループは、財務諸表と税務上の資産または負債の額に相違が発生する場合、将来減算一時差異に係る税効果について、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産のうち、実現が不確実であると考えられる金額に対し評価性引当額を計上して繰延税金資産を減額しております。繰延税金資産の実現の可能性により、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。

 e. 退職給付に係る資産および負債

 当社グループは、年金数理計算に基づいて退職給付に係る資産および負債ならびに退職給付費用を計上しております。年金数理計算は割引率、年金資産の長期期待運用収益率、昇給率、退職率等の前提条件に基づいて行われており、これらの前提条件の変更は連結財務諸表に影響を与えます。割引率の低下や年金資産運用における期待運用収益と実際運用収益の差異は、翌期以降の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a. 経営成績等の状況に関する経営者の視点による認識・分析・検討

財政状態の分析

(資産)

 当連結会計年度末の資産合計は、1,846億83百万円で、前連結会計年度末に比べ60億1百万円増加いたしました

 流動資産は138億70百万円増加し、1,015億89百万円となりました。これは受取手形及び売掛金が15百万円減少したものの、たな卸資産が13億51百万円、現金及び預金が119億11百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。

 固定資産は78億68百万円減少し、830億93百万円となりました。これは、減価償却等により有形固定資産が33億45百万円減少したことに加え、投資その他の資産では、投資有価証券が47億33百万円、退職給付に係る資産が2億86百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。

(負債)

 当連結会計年度末の負債合計は、338億25百万円で、前連結会計年度末に比べ86億61百万円増加いたしました。これは、繰延税金負債が10億37百万円、未払金が11億87百万円それぞれ減少したものの、長期借入金が100億円増加したことが主な要因であります。

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産合計は、1,508億57百万円で、前連結会計年度末に比べ26億59百万円減少いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益68億75百万円の確保はあったものの、配当金の支払により28億46百万円、自己株式の取得により21億94百万円、その他の包括利益累計額が46億62百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。

 この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は78.0%となりました。

 

経営成績の分析

 当社は、前事業年度より事業年度の末日を3月31日から12月31日に変更し、また、3月決算の子会社も12月決算に変更しております。このため前年比較にあたっては、前年度の実績を当年度と同一期間に調整しております。

 

 当連結会計年度の世界経済は、回復の動きが継続したものの、保護主義的な経済政策の台頭やそれに伴う通商摩擦の懸念が一部で顕在化したことにより、先行きは不透明な状況で推移しました。また、日本経済は、高水準な企業業績を背景に、雇用・所得環境の改善傾向が続くとともに、個人消費の持ち直しの動きが見られ、総じて緩やかな景気回復基調を維持しました。

 当社グループ製品の主な需要先でありますエレクトロニクス業界におきましては、スマートフォン市場は前年度を下回る水準となったものの、データサーバー市場の成長等が半導体市場を牽引したことにより好調に推移しました。

 このような情勢の下、当社グループは、2020年のありたい姿の実現に向け、「高付加価値製品による感動(満足できる性能、コスト、品質)を通じて、世界で信頼される企業グループを目指す。」という経営ビジョンの下、当連会計年度を最終年度とする「tok中期計画2018」の全社戦略に掲げた「事業ポートフォリオの変革」、「顧客密着戦略の進化」、「グローバルに対応できる人材の開発を推進」、「経営基盤強化とTOKグループ構想の実現」に総力をあげて取り組んでまいりました。

 まず、当連結会計年度においては、実用化が迫る次世代半導体製造プロセスに使用されるEUV(極端紫外線)用フォトレジストの開発に成功し、製品販売を開始いたしました。また、新たな価値の創出を実現する環境を整備するために主力開発拠点である相模事業所内に新研究開発棟および関連施設の建設を開始するとともに、次世代ディスプレイや光センサの高性能化に貢献する高屈折率材料の開発を促進するために、米国企業との協業を実施するなど、事業領域の拡大に向けた取組みを推進してまいりました。加えて、販売・生産・研究開発機能の三位一体のサービス提供を通して、市場の拡大が進む三次元メモリ向けエキシマレーザー用フォトレジストや、最先端半導体製造プロセスに対応した半導体用フォトレジスト付属薬品等の新規採用の獲得および拡販に努め、着実な成果をあげてまいりました。

 また、多様な人材の採用を促進するとともに、グローバルに活躍できる人材の創出・育成に向けた教育プログラムを継続的に実施してまいりました。さらに、当社グループの持続的な企業価値創造には、従業員の健康が不可欠であるとの認識のもと実施した健康保持増進等の活動が評価され、経済産業省より健康経営優良法人2018「ホワイト500」の認定を受けることができました。加えて、コーポレートガバナンス強化の一環として、グループマネジメントの高度化を推進するなど、経営基盤の強化に向けた諸施策を講じてまいりました。

 この結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は、1,052億77百万円(前年同一期間比4.8%増)となりました。利益面におきましては、原油価格上昇等に伴う原材料価格の高騰の影響を受けたものの、高付加価値製品の売上が増加したことから、営業利益は105億5百万円(同6.4%増)、経常利益は107億34百万円(同1.9%増)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は減損損失や税効果会計の影響等もあり、68億75百万円(同0.1%減)となりました。

 また、目標としている経営指標である連結ROE(自己資本利益率)につきましては、当連結会計年度における値は、4.7%となりました。引き続き収益性や資本効率の向上という企業価値拡大の観点から、この指標につきましても改善を進めて参ります。

 

 事業別の概況は、次のとおりであります。

(材料事業)

〔エレクトロニクス機能材料部門〕

 半導体用フォトレジストは、半導体市場における三次元メモリの継続的な拡大に加え、大手ユーザーにおける最先端メモリの量産が本格化したため、エキシマレーザー用フォトレジストの販売が好調に推移し、売上が増加いたしました。また、高密度実装材料は、好調な半導体市場を背景とした大手ユーザーにおける生産量増加の恩恵を受け、半導体パッケージ用フォトレジストの売上を伸ばすことができました。一方、ディスプレイ用フォトレジストは、中小型ディスプレイ市場の環境悪化を受けた国内需要の縮小に伴い、売上が減少いたしました。

 この結果、当部門の売上高は、587億93百万円(前年同一期間比3.2%増)となりました。

〔高純度化学薬品部門〕

 半導体用フォトレジスト付属薬品は、アジア地域での最先端半導体製造プロセスに使用される製品の販売が堅調に推移したことに加え、北米地域においても次世代半導体製造プロセス向けの新製品が採用されたことで、売上が増加いたしました。一方、ディスプレイ用フォトレジスト付属薬品は、国内・アジア地域での中小型ディスプレイ市場の縮小から販売が低迷し、売上が減少いたしました。

 この結果、当部門の売上高は、437億33百万円(同6.2%増)となりました。

 以上の結果、材料事業の売上高は、1,026億26百万円(同4.5%増)、営業利益は150億75百万円(同1.4%増)となりました。

 

 (単位:百万円、%)

 

前年同一期間

当連結会計年度

増減額

増減率

売上高

98,250

102,626

4,376

4.5

営業利益

14,868

15,075

207

1.4

 

なお、セグメント間の取引につきましては、相殺消去しておりません。

 

(装置事業)

〔プロセス機器部門〕

 高機能、高性能な半導体を実現するシリコン貫通電極形成プロセス等に使用されるウエハハンドリングシステム「ゼロニュートン」は、三次元実装市場において着実に実績を重ねているものの、市場規模の拡大に力強さを欠いていることからユーザーにおける生産能力の増強投資が引き続き抑制されているため、苦戦を強いられました。一方、半導体製造装置は、ユーザーにおける設備増強の恩恵を受け、受注・売上ともに増加いたしました。

 この結果、装置事業の売上高は、26億97百万円(前年同一期間比20.5%増)となりました。また、営業損失は前年同一期間比1億89百万円改善し、8億83百万円となりました。

 (単位:百万円、%)

 

前年同一期間

当連結会計年度

増減額

増減率

売上高

2,237

2,697

459

20.5

営業損失(△)

△1,073

△883

189

 

 なお、セグメント間の取引につきましては、相殺消去しておりません。

 

 b. 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性のある要因として、当連結会計年度末現在において以下のとおりと認識しております。

 当社グループが事業展開する業界は、素材価格の変動や販売価格の低下の動きが見られるほか、技術革新が速く製品ライフサイクルが短くなり、一方で研究開発用機器は高額化してきております。また、当社グループにおいては海外事業の進展に伴い、為替相場の変動による影響や各国における各種法令の重大な改変または遵守できなかった場合等、海外での事業活動を取り巻く様々なリスクが顕在化するという事態も懸念されます。加えて、当社グループが提供している多数の製品をユーザーが使用する過程において、欠陥により不具合が生じた場合、原則として生産物責任賠償保険での対応を行いますが、負担金額すべてを保険金でカバーできず、経営成績に重要な影響を与える可能性もあります。

 c. 資本の財源および資金の流動性についての分析

キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ41億49百万円増加の143億11百万円の資金収入となりました。これは売上債権が18億66百万円減少、減価償却費が10億28百万円増加したことが主な要因であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ20億20百万円増加の80億13百万円の資金投下となりました。これは定期預金が17億64百万円、有形固定資産の取得による支出が6億7百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動によるキャッシュ・フローは、43億33百万円の資金収入となりました。これは前連結会計年度に比べ長期借入による収入が100億円増加したことに加え、自己株式の取得による支出が56億10百万円減少したことが主な要因であります。

 これらの活動の結果、現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末の299億61百万円から98億89百万円増加の398億51百万円となりました。

 

財務政策

 当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原材料購入や労務費の製造費用のほか、商品の仕入、販売費及び一般管理費であります。当社グループの運転資金および設備投資資金は、内部資金または借入により資金調達することとしております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 

合弁契約

契約会社名

相手方の名称

内 容

契約締結日

東京応化工業株式会社(当社)

サムスン物産株式会社(韓国)

フォトレジストの研究開発・製造・販売を行う合弁会社(TOK尖端材料株式会社)の設立および運営

2012年8月16日

 

5【研究開発活動】

当社グループにおいて、研究開発活動は、連結財務諸表を提出する当社のほか、米国・台湾・韓国のグループ会社を加え、研究開発体制を強化しております。

当社グループの研究開発は、主に機能性高分子材料の研究とその応用技術の開発を中心としており、特に将来的にも成長が期待される最先端エレクトロニクス分野を重点分野と位置づけ、当社のコアコンピタンスである微細加工技術をより強固なものとするための活動を推進しております。その成果は、素材の開発にとどまらず、素材の特質を最大限に発揮するための高性能関連薬品・関連装置の開発、さらには生産技術の開発にも及んでおります。

 当社グループでは、セールスエンジニア・製造技術者・研究開発者の三位一体の体制で研究開発を推進しており、特に国内外のセールスエンジニアがユーザーとのきめ細かな接触から得る情報が、研究開発における重要な要素になっております。一方、広範かつ中長期的な視点に立った研究開発テーマにも継続的に取り組み、当社グループと方向性を共有している企業、大学、公的研究機関など幅広く、他機関とも連携し、新材料の基礎研究を行っております。

 このような研究開発体制の下、付加価値の高いテーマ・新技術を見い出して製品化することに注力し、その成果としてユーザーニーズに合致した製品を世界の市場に供給することにより、社会の進歩・発展に貢献するとともに、高収益を得ることを研究開発の基本方針としております。

 

(1)材料事業

 半導体、ディスプレイ、半導体パッケージ材料等の最先端エレクトロニクス分野を重点分野として、ユーザーニーズに合致した特性を持つ製品の早期開発と事業化、また、開発ロードマップに基づく将来を見据えた新技術・新製品の開発を行っております。

 当連結会計年度におきましては、当社グループの主力開発拠点である相模事業所内に新研究開発棟および関連施設の建設を決定するとともに、微細加工技術における優位性を堅持すべく、半導体製造分野において、次世代半導体製造プロセスとして実用化の迫る極端紫外線用フォトレジストの開発に注力し、高い顧客評価を獲得することができました。また、各種最先端微細加工に使用するエキシマレーザー用フォトレジストや高純度化学薬品の開発に注力し着実な成果をあげました。さらに、技術革新の進む半導体後工程分野では、多様化するユーザーニーズを的確に捉えた新規材料の開発に注力してまいりました。加えて、当社グループの微細加工技術を活かせるシリコン貫通電極形成システム「ゼロニュートン」や「再生可能エネルギー」、「オプトエレクトロニクス」、「ライフサイエンス」、「蓄電材料」および「IoT」分野等に向けた材料の開発にも取り組んでまいりました。

 当事業に係る研究開発は、相模事業所のほかに、TOKYO OHKA KOGYO AMERICA, INC.、台湾東應化股份有限公司、TOK尖端材料株式会社において行っており、その研究開発費は78億56百万円でありました。

 

(2)装置事業

 装置・材料の両面からユーザーニーズを把握できる当社グループの優位性を活かし、ユーザーのプロセスに適合した製造装置の開発を材料事業と連携して行っております。

 当連結会計年度におきましては、今後の市場拡大が期待でき、材料事業との相乗効果を発揮できる分野として、シリコン貫通電極形成システム「ゼロニュートン」の開発に注力し、相応の成果をあげたほか、次世代フレキシブルディスプレイ製造装置等の開発を積極的に進めてまいりました。

 当事業に係る研究開発は、プロセス機器事業本部技術部が湘南事業所において行っており、その研究開発費は4億97百万円でありました。

 

 なお、研究開発費のうち材料事業、装置事業に配分できない共通費用として1億71百万円があり、当連結会計年度における当社グループの研究開発費総額は85億26百万円でありました。