当連結会計年度における世界経済は、米国では、個人消費の回復が継続し、自動車・住宅関連は高い水準を維持しました。ブラジルでは、レアル安は底を打ち反転上昇に向いましたが、国内需要の低迷が続き景気回復には至りませんでした。欧州では、英国のEU離脱問題の懸念がありますが、個人消費の好調は維持されました。アジアでは、中国における経済成長は鈍化しましたが、東南アジア・インドを中心に穏やかな景気回復が継続しました。わが国経済は、第3四半期末からの円安への反転や原油価格の上昇を受け、第4四半期から原材料価格が上昇に転じましたが、前年度に比べ、為替は円高、原油価格は安定基調で推移し、素材・エネルギー価格の安定、雇用環境の改善、住宅投資等の回復など明るい兆しも見られました。
国内発泡プラスチック業界におきましては、原燃料価格の安定や住宅着工件数の回復はありましたが、災害・天候不順の影響、個人消費回復の遅れもあり、本格的な需要回復には至りませんでした。
これらの状況を受けて、当社グループは新規需要の掘り起こしや付加価値の高い製品の開発・販売に注力すると共に、成長分野・地域への重点的な投資を実施しました。その結果、当社グループの業績は、売上高は、販売数量は増加したものの、主に製品価格改定の影響や円高による海外事業の外貨円換算額の減少により下回りました。営業利益は、海外事業の外貨円換算額の減少による影響はありましたが、原材料安が継続したことや付加価値の高い製品の販売が好調であったこともあり増加しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、109,048百万円(前期比5.1%減)と減収になりましたが、営業利益は9,612百万円(同3.6%増)、経常利益は10,033百万円(同10.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,301百万円(同23.5%増)と増益になり、いずれの利益も前連結会計年度に引続き最高益更新となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
(押出事業)
液晶テレビ基板や家電輸送用に用いられる産業用包材の発泡ポリエチレンシート「ミラマット」は、高付加価値製品の販売が好調に推移したことから売上は増加しました。ポリエチレン気泡緩衝材「キャプロン」の売上は、需要の縮小により減少しました。食品容器用の発泡ポリスチレンシート「スチレンペーパー」は、電子レンジ対応容器や即席麺容器向け販売は好調でしたが、食品トレー向け販売の減少や製品価格低下の影響もあり、売上は減少しました。広告宣伝用ディスプレイ材、折箱に用いられる発泡ポリスチレンボード「ミラボード」は、需要の縮小により売上は減少しました。建築・土木関連の発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォーム」は、建築分野では、割付断裁品、高断熱製品の販売が好調に推移し、土木分野では、東北復興需要があり売上は増加しました。
押出事業全体としては、販売数量は増加しましたが、製品価格低下の影響により売上は減少しました。利益面では、付加価値の高い製品の販売が増加したことや製造コスト低下などにより増益となりました。
これらの結果、押出事業の売上高は37,929百万円(前期比0.9%減)、営業利益は3,045百万円(同10.5%増)となりました。
(ビーズ事業)
世界各国で製造販売している発泡ポリプロピレン「ピーブロック」は、バンパーコア材・内装材・シートコア材等の自動車部品、住宅設備向け部材、IT製品輸送用通い函、家電製品用緩衝材、競技用グラウンド基礎緩衝材に使用されており、自動車の新規部品の採用拡大や新規分野への販売拡大により好調に推移しました。国内では、災害等による自動車生産台数減少の影響も第3四半期に入り収まり、自動車向け新規部品や住宅設備向け部材の販売増により売上は増加しました。北米では、自動車部品の需要増、新規分野の拡大により販売数量は増加しましたが、製品価格の低下や円高による外貨円換算額減少の影響もあり売上は減少しました。南米では、ブラジル経済低迷による自動車販売台数の落ち込みに加え、円高による外貨円換算額減少の影響もあり売上は減少しました。欧州では、自動車部品の需要増等により販売数量は大幅に増加しましたが、製品価格の低下や円高による外貨円換算額減少の影響もあり売上は減少しました。アジアでは、中国・東南アジア・インドを中心とした自動車分野の需要増により販売数量は増加しましたが、製品価格の低下や円高による外貨円換算額減少の影響もあり売上は減少しました。発泡性ポリスチレン「スチロダイア」は、家電分野及び機能性製品は販売数量が増加し、建材・土木分野は前年度並みの販売数量となりましたが、天候不順による水産・農業分野の需要減少及び製品価格低下の影響により売上は減少しました。ユニットバス天井材に使用されているハイブリッド成形品「スーパーブロー」の売上は減少しました。
ビーズ事業全体としては、販売数量は増加しましたが、製品価格の低下や海外事業の外貨円換算額減少の影響により売上、利益とも減少しました。
これらの結果、ビーズ事業の売上高は65,354百万円(前期比7.8%減)、営業利益は7,376百万円(同0.8%減)となりました。
(その他)
一般包材は、国内では、上期に災害の影響による自動車・光学製品向け梱包材需要の減少の影響を受け、売上は減少しました。中国では、新製品・新用途の拡販が寄与し、売上は増加しました。利益面では、国内の合理化や中国における新製品・新用途の拡販等により増益となりました。
これらの結果、その他の売上高は5,764百万円(前期比0.3%増)、営業利益は148百万円(同745.2%増)となりました。
キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、増加要因である税金等調整前当期純利益10,013百万円、減価償却費4,952百万円、仕入債務の増加1,029百万円などに対し、減少要因である法人税等の支払額3,751百万円、売上債権の増加719百万円などにより、差引き10,688百万円の収入(前期比3,160百万円減少)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出6,236百万円などにより、6,188百万円の支出(同187百万円増加)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入199百万円に対し、長期借入金の返済による支出4,915百万円、配当金の支払額1,341百万円などにより、差引き6,497百万円の支出(同590百万円増加)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,329百万円減少し、7,965百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
|
押出事業 |
33,110 |
△1.0 |
|
ビーズ事業 |
56,237 |
△7.0 |
|
報告セグメント計 |
89,347 |
△4.9 |
|
その他 |
819 |
0.8 |
|
合計 |
90,167 |
△4.8 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 金額は平均販売価格により算出しております。
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは原則として見込生産を行っているため、該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
|
押出事業 |
37,929 |
△0.9 |
|
ビーズ事業 |
65,354 |
△7.8 |
|
報告セグメント計 |
103,284 |
△5.4 |
|
その他 |
5,764 |
0.3 |
|
合計 |
109,048 |
△5.1 |
(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「創造的行動力による社会への貢献」を企業理念とし、コア事業である発泡樹脂製品及び新しい素材を用い、省資源・省エネルギーで社会生活の利便性向上に寄与する製品を継続的に提供していくことを社会的使命と位置づけており、変化を続ける市場ニーズへの適切な対応や、独自技術による高付加価値製品の提供を通じ、社会に貢献する企業を目指しております。さらに、経営方針「For the Growth」のもと、すべてのステークホルダーに信頼され、満足していただける事業活動を目指しております。
(経営方針) 「For the Growth」
持続的成長を継続するために、現有技術のブラッシュアップを通じ、現行技術のレベルアップを図ると共に、新たな事業領域を切り開くための新技術の創出、新用途開拓による市場の育成に取り組み、事業基盤の強化・拡大を図ってまいります。
上記経営方針を受け、連結中期経営計画「Deepen & Grow 2017」を第58期からスタートしております。ビジョンとして「深化と成長」を掲げ、「差異化戦略の推進」と「成長戦略の推進」を基本方針としたものであります。戦略を実行するにあたっては「選択と集中」を推進するなど、メリハリのある経営を通し業容の拡大に注力しております。
最終年度(第60期)の数値目標は、売上高135,000百万円、営業利益率6.5%以上(営業利益8,800百万円以上)としております。
|
<前 提 条 件> |
為 替 |
: 110円/米ドル、140円/ユーロ |
|
|
原 油 価 格(ドバイ) |
: 105米ドル/バーレル |
連結中期経営計画2年目(第59期)の業績は、売上高は、原材料安による販売価格低下及び一部為替の影響もあり数値目標には届きませんでした。営業利益は、原材料安の継続、プロダクトミックスの改善、コストの低減が進展したこともあり、数値目標を達成することができました。(為替:109.4円/米ドル、120.6円/ユーロ、原油価格:47米ドル/バーレル)
最終年度においては、第59期に比べ若干の原材料価格上昇が見込まれますが、発泡樹脂製品は、世界的に要求が高まっている、省資源・省エネルギー・安全性に貢献できる軽量性、断熱性、緩衝性等の特性を保有しており様々な分野で需要は拡大を続け、ニーズも多様化し、高度化してきております。
このような状況下、今後も更なる成長を目指すために、当社グループは、「高収益型企業実現のための各施策の加速」、「コーポレート・ガバナンス体制強化に向けた取り組み」を今後の対処すべき課題に挙げております。
① 高収益型企業実現のための各施策の加速
当社グループは、中長期的な戦略のもとに、市況変動の影響を受けない高収益型企業(長期目標)を目指して事業展開を進めております。今年はこの長期目標達成のための中期3ヶ年計画である「Deepen & Grow 2017」の最終年度となります。
本計画では、「差異化戦略の推進」と「成長戦略の推進」を基本方針に掲げ、現行事業を深く掘り下げ、当社固有の優位性を見つけ出し差異化することによって成長することを目指しております。
具体的な施策として、国内事業では新規グレードの開発、新用途の開拓、伸び筋分野への経営資源の集中、海外事業では「EPPの拠点拡大と能力増強」に加え、EPPに次ぐ第2の柱を創出し各拠点の事業基盤を強化すること、また新事業の創出では、前中期3ヶ年計画で発掘した有望テーマを絞込み、早期に事業化することに取り組んでまいりました。これらの施策を着実に実現させることで長期目標達成に向けた新たなステージへの展開を図りたいと考えております。
② コーポレート・ガバナンス体制強化に向けた取り組み
当社グループは、持続的成長を継続させ企業価値を向上させることが経営の最重要課題であるとの認識のもと、「創造的行動力による社会への貢献」を企業理念に掲げ、安全と環境対応を重視した国際競争力のある企業として、すべてのステークホルダーから信頼される経営を目指しております。そのためには、コーポレート・ガバナンスを有効に機能させ、経営の効率化、透明性、健全性を徹底して追求し、その充実に継続的に取り組んでまいります。
当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、以下の事項は当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在判断したものであり、事業等のリスクはこれに限られません。
① 原材料価格の変動
当社グループの使用する原料や燃料は、原油及びナフサ価格の変動に大きく影響される為、価格が大きく変動することがあります。これら原料や燃料の価格上昇分を製品販売価格に十分に転嫁できない場合、当社グループの業績及び財務状況が悪影響を被る可能性があります。
② 世界情勢の変化
当社グループは、アメリカ・ヨーロッパ・アジアの各地域で広く事業を展開しておりますが、各地域の政治、経済、社会情勢の変化や各種規制の動向、為替レートの変動が各地域の需要、当社グループの事業体制に影響を与える可能性があります。
③ 自然災害
当社グループは、国内外において多数の製造工場を有しております。これらの生産設備は、不慮の自然災害等に対する防災対策を施しておりますが、想定した水準をはるかに超えた大規模な地震や台風、洪水等、不可避な自然災害によって甚大な被害を受ける可能性があり、当社グループの業績及び財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
④ 知的財産の保護
当社グループは、国際的な特許権をはじめとして知的財産を多く保有しておりますが、これらを保護することは将来の利益確保の面でも重要です。他から侵害を受けたり、他社との間で紛争を生じた場合には事業に悪影響を及ぼす可能性があるため、このリスクを回避すべく国内外で体制を整備しております。
⑤ コンプライアンス、内部統制関係
当社グループは、コンプライアンスをはじめとする適切な内部統制システムを構築し、運用しておりますが、世界各地域の法規制が変更されることによりその遵守が困難となり、将来にわたって法令違反が発生する可能性は皆無ではなく、その遵守のために費用が新たに発生する可能性があります。
(提出会社)
(1) 資本業務提携に関する契約
当社は、平成27年2月、三菱瓦斯化学㈱との間で、両社の収益力の強化、新規事業の創出・育成や経営効率の改善等を図ることにより、両社のシナジーを実現し、それぞれの企業価値を向上させ、以てグループ企業価値の向上を図ることを目的として、資本業務提携に関する基本合意書を締結しております。
(2) 技術導入契約
|
契約締結先 |
契約年月日 |
契約内容 |
対価 |
契約期間 |
|
Sealed Air Corporation |
昭和62年11月20日 |
共押出合成樹脂空気緩衝材の製造に関する特許実施権及びノウハウの取得 |
ランニングロイヤリティ |
平成32年12月31日まで |
|
AFM Corporation |
平成11年11月6日 |
パフォームガード用EPSの指定材料の認定取得 |
ランニングロイヤリティ |
平成18年12月31日まで |
(注) 対価として一定料率のロイヤリティを支払っております。
(3) 技術供与契約
|
契約締結先 |
契約年月日 |
契約内容 |
対価 |
契約期間 |
|
Sealed Air Ltd. |
平成29年1月1日 |
発泡ポリエチレンシート及び発泡ポリエチレン異型体の製造に関する特許実施権及びノウハウの供与 |
ランニングロイヤリティ |
平成31年12月31日まで |
|
JSP International Group LTD. |
昭和60年11月18日 |
ポリオレフィン樹脂発泡体の製造に関する特許実施権及びノウハウの供与 |
ランニングロイヤリティ |
平成25年12月31日まで |
|
JSP International S.A.R.L. |
昭和60年11月18日 |
ポリオレフィン樹脂発泡体の製造に関する特許実施権及びノウハウの供与 |
ランニングロイヤリティ |
平成29年12月31日まで |
|
JSP International de Mexico S.A.de C.V. |
昭和60年11月18日 |
ポリオレフィン樹脂発泡体の製造に関する特許実施権及びノウハウの供与 |
ランニングロイヤリティ |
平成25年12月31日まで |
|
Taiwan JSP Chemical Co.,LTD. |
平成4年9月10日 |
ポリオレフィン樹脂発泡体の製造に関する特許実施権及びノウハウの供与 |
ランニングロイヤリティ |
平成29年12月31日まで |
|
Taiwan JSP Chemical Co.,LTD. |
平成28年5月1日 |
ポリエチレン・ポリスチレン複合樹脂発泡体の製造に関する特許実施権及びノウハウの供与 |
ランニングロイヤリティ |
平成31年4月30日まで |
|
JSP Foam Products |
平成8年8月1日 |
ポリオレフィン樹脂発泡体の製造に関する特許実施権及びノウハウの供与 |
ランニングロイヤリティ |
平成23年12月31日まで |
|
韓国特殊素材㈱ |
平成15年1月1日 平成29年1月1日 (改訂) |
ポリオレフィン樹脂発泡体等の製造に関する特許実施権及びノウハウの供与 |
ランニングロイヤリティ |
平成31年12月31日まで |
|
JSP Plastics (Wuxi) Co.,LTD. |
平成17年7月1日 |
ポリオレフィン樹脂発泡体の製造に関する特許実施権及びノウハウの供与 |
ランニングロイヤリティ |
平成30年12月31日まで |
|
JSP International SRO |
平成18年1月1日 |
ポリオレフィン樹脂発泡体の製造に関する特許実施権及びノウハウの供与 |
ランニングロイヤリティ |
平成29年12月31日まで |
|
JSP Plastics (Dongguan) Co.,LTD. |
平成24年8月1日 |
ポリオレフィン樹脂発泡体の製造に関する特許実施権及びノウハウの供与 |
ランニングロイヤリティ |
平成30年12月31日まで |
|
JSP Brasil Industria de Plasticos LTDA. |
平成25年5月1日 |
ポリオレフィン樹脂発泡体の製造に関する特許実施権及びノウハウの供与 |
ランニングロイヤリティ |
平成30年4月30日まで |
(注) 1 対価として一定料率のロイヤリティを受取っております。
2 契約締結先を平成29年1月1日よりSealed Air S.A.S.(フランス)からSealed Air Ltd.(英国)へ変更しております。
(4) 合弁事業関係
|
契約締結先 |
契約年月日 |
契約内容 |
摘要 |
|
張 仁垣 他5名 |
平成3年2月6日 |
ポリオレフィン樹脂発泡体の製造・販売に関する合弁事業 |
合弁会社名 |
|
冠仲投資有限公司 |
平成3年10月1日 |
ポリオレフィン樹脂発泡体の製造・販売に関する合弁事業 |
合弁会社名 |
|
伊藤忠 (中国) 集団有限公司 他1名 |
平成14年7月15日 |
エンジニアリング・プラスチックの製造・販売に関する合弁事業 |
合弁会社名 |
|
蔡 東錫 他5名 |
平成15年1月1日 |
ポリオレフィン樹脂発泡体の製造・販売に関する合弁事業 |
合弁会社名 |
|
伊藤忠商事 (香港) |
平成18年10月31日 |
高機能発泡樹脂の開発、生産、販売に関する合弁事業 |
合弁会社名 |
当社グループは、省エネ・省資源など地球エネルギー資源の保護及び地球環境への配慮を基本として、社会・市場からの要求を先取りし、ユーザーから信頼される製品を提供出来るよう研究開発活動を進めております。
研究開発は二つの研究所(鹿沼研究所及び四日市研究所)を拠点として、各事業部の開発部門、生産技術部門及び海外子会社との連携、更には社外関係先との協業を図りながらグローバルな視点で行われております。両研究所は当社グループの中核技術である発泡技術と関連する得意技術を活用して、現行製品の品質・性能の改善及び新たな高機能製品群の開発に取り組んでおります。主として、鹿沼研究所は押出発泡技術、四日市研究所はビーズ発泡技術を駆使して新技術、新製品の開発を進めております。更に、開発された新技術、新製品は、戦略的かつ速やかな特許出願により知的財産権の確保に努めております。
当連結会計年度における当社グループの支出した研究開発費の総額は売上高の2.0%に相当する2,178百万円であり、各セグメントの内訳は、押出事業が746百万円、ビーズ事業が823百万円、各報告セグメントに帰属しない全社費用が608百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動の概要は次のとおりであります。
(押出事業)
長年進化を続けた押出発泡技術をベースに環境対応、市場からの多様なニーズをキャッチアップした製品の早期開発に努めております。
食品包装分野では、需要が拡大している電子レンジ対応容器向けに新たな価値を付加した耐熱発泡ポリスチレンシートを開発しました。木目模様付ミラボード(MBDグレイン)も折箱加工性を改良し販売拡大を期待しております。またディスプレイ資材分野・産業資材分野では、需要拡大を目的として、多様な素材をベースとした様々な機能を持つ発泡シートを開発しております。建築分野の断熱材市場においては、ZEH(ゼロエネルギーハウス)仕様の住宅が急増した事もあり、高性能発泡ポリスチレン断熱材である「ミラフォームΛ(ラムダ)」の需要が増大しております。更なる市場拡大の為に、低熱伝導率化技術の改良や、新高性能断熱材の開発に着手しております。また、無薬品防蟻断熱材として使用されているポリカーボネート発泡体の「ミラポリカフォーム」は、高発泡倍率品の製造技術をほぼ確立し、新たな用途への展開を目指しております。それらの市場投入により、省エネルギー社会へのより一層の貢献を目指してまいります。
(ビーズ事業)
当社グループの得意とする懸濁重合、ダイレクトビーズ発泡、ビーズ成形等の技術を生かした高機能性製品群の開発、拡充に取り組んでおります。
高度化、多様化するグローバルな市場要求に応えるため、ポリスチレン、ポリオレフィンといった従来の発泡素材をベースに耐熱性や難燃性を高めたグレード開発のみならず、バイオプラスチック、エンジニアリングプラスチック、軟質系樹脂等をベースに、様々なビーズ発泡体の研究開発を進めております。また、快適環境を実現するための市場に特化した製品群、高性能断熱材料、吸音材料、水処理材料、電波吸収材料等の開発を進めております。
ブロー成形とビーズ成形を融合した表皮一体型ビーズ発泡体「スーパーブロー」に関しては、軽量かつ高強度という特性を形状設計技術により深化させ、既存の住宅設備やフロート分野に加え、自動車分野等へのアプローチを継続しております。ブロー成形と押出発泡を組み合わせた発泡ブロー成形品「スーパーフォーム」に関しては、軽量性、断熱性、消音性の特性から自動車及び農機のエアコンダクトに採用されております。特に自動車用では、採用車種が増えてまいりました。新たな用途・分野拡大の為、高発泡・軽量品の開発を進めております。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,984百万円減少し113,151百万円となりました。
流動資産は、2,463百万円減少し60,208百万円となりました。減少の主な要因は、現金及び預金が2,566百万円減少したことなどによるものです。
固定資産は、478百万円増加し52,943百万円となりました。増加の主な要因は、建設仮勘定が775百万円増加したことなどによるものです。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ6,265百万円減少し36,373百万円となりました。
流動負債は、2,226百万円減少し29,667百万円となりました。減少の主な要因は、1年内返済予定の長期借入金が1,099百万円減少したことなどによるものです。
固定負債は、4,039百万円減少し6,705百万円となりました。減少の主な要因は、長期借入金が3,659百万円減少したことなどによるものです。
これらの結果、当連結会計年度末の純資産は76,778百万円、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ5.1ポイント増加して64.1%となりました。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は109,048百万円(前期比5.1%減)、営業利益は9,612百万円(同3.6%増)、経常利益は10,033百万円(同10.2%増)となりました。特別利益は、前期に比べ262百万円減少し53百万円となりました。特別損失は前期に比べ591百万円減少し73百万円となりました。
これらの結果、税金等調整前当期純利益は10,013百万円(前期比14.4%増)となり、法人税等及び非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は7,301百万円(同23.5%増)となりました。
売上高営業利益率は8.8%で前連結会計年度に比べ0.7ポイント増加し、総資産経常利益率は8.8%で同0.9ポイント増加しました。
経営成績の分析については、別途「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」にも記載しております。
(3) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。